JP3988847B2 - 芳香族炭化水素の変換のための触媒および方法および芳香族炭化水素の製造におけるそれらの使用 - Google Patents

芳香族炭化水素の変換のための触媒および方法および芳香族炭化水素の製造におけるそれらの使用 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族炭化水素の変換の触媒および方法および芳香族炭化水素の製造におけるそれらの使用に関する。特に、本発明は、ゼオライトと、その上に支持された金属ビスマスまたはその酸化物とを含んでなる芳香族炭化水素の変換のための新規な触媒、前記触媒を使用する芳香族炭化水素の変換方法、および芳香族炭化水素の製造におけるそれらの使用に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
大量の芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびC9芳香族炭化水素(C9A)は、石油蒸留物のリホーミングおよびクラッキングから得ることができる。トルエンおよびC9Aの含量は、蒸留物のフィードストックの異なる沸点範囲および異なる加工法に依存して、一般に、芳香族炭化水素の合計量の40〜50%の範囲である。通常C9A、C10芳香族炭化水素(C10A)および10より多い炭素原子の芳香族炭化水素は、過去において重質芳香族炭化水素と呼ばれた。重質芳香族炭化水素は、主として、エチレンを製造するための軽質油のクラッキング法、精油所における接触リホーミングにおける芳香族炭化水素の抽出法、ならびにトルエンの不均化法およびアルキル交換法の副生成物から誘導される。種々のフィードストック油源および異なる加工法のために、
225×103トン/年のキシレンの生産高の芳香族炭化水素の結合単位は、毎年10〜30×103トンの重質芳香族炭化水素を製造することができる。C10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素は、複雑な組成および高い沸点を有するために、ほとんど使用されていない。これらの芳香族炭化水素は、ガソリンまたはディーゼルの添加成分として使用するのためには不適当である。それらのあるものだけが溶剤としてまたはズレンを分離するためのフィードストックとして使用することができ、そして残りの大部分は燃焼燃料として使用され、資源の浪費を引き起こしている。
【0003】
最近数年間におけるプラスチック、合成繊維および合成ゴム産業の発達のために、ベンゼンおよびキシレンの要求が増加し、それらの価格はトルエンおよびC9Aよりも高い。水素化脱アルキル、トルエンの不均化反応およびアルキル交換反応を包含する芳香族炭化水素の変換法により、低い価値の芳香族炭化水素から高い価値の芳香族炭化水素を製造を増加し、こうして芳香族炭化水素資源を完全に使用することは、多くの国における重要な研究課題である。トルエンの不均化は、2モルのトルエンから1モルのベンゼンと1モルのキシレンを製造する方法である。トルエンはC9Aとアルキル交換反応を行ってキシレンを生成する。トルエンはC10Aとアルキル交換反応を行ってC9Aを生成する。アルキル芳香族炭化水素、例えば、C9AおよびC10Aは水素化脱アルキル反応を行って、より少ない炭素原子の芳香族炭化水素を生成する。このような反応のための1系列の触媒および方法は既に開発されている。
【0004】
トルエンとC9Aとを含んでなる芳香族炭化水素のフィードストックのトルエンの不均化およびアルキル交換の方法において、モルデン沸石は触媒として頻繁に使用されている。例えば、米国特許第2,795,629号、米国特許第3,551,510号、米国特許第3,729,521号、米国特許第3,780,122号および米国特許第3,849,340号明細書には、トルエンの不均化およびアルキル交換の方法の触媒、フィードストックの組成および反応条件が開示されているが、使用する触媒がビスマスを含んでなると記載されていない。日本国特許第49−46295号明細書には、ジルコニウム触媒をその上に支持して有するモルデン沸石と、必要に応じて銀、ビスマス、銅および鉛から選択される1または2以上の成分とを含んでなる、アルキルベンゼンを製造するための触媒が開示されている。前述の特許における触媒は制限された性能を有し、こうして厳格な反応条件に耐えることができない。したがって、前述の触媒を使用するトルエンの不均化およびアルキル交換の方法において、C9Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素は適切に変換されず、それゆえ所望生成物の収率は比較的低く、工業的規模の単位装置についてのエネルギーおよび材料の消費量は比較的高い。したがって、それらは経済的ではない。
【0005】
10Aおよび10より多い炭素原子の重質芳香族炭化水素を変換する触媒は報告されてきている。例えば、特開昭51−29131号には、触媒、MoO3−NiO/Al23(13重量%のMo、5重量%のNi)の組成およびC9AおよびC10Aフィードストックをこの触媒で処理する方法が開示されている。米国特許第4,172,813号明細書には、3重量%のWO3と、5重量%のMoO3と、60重量%のモルデン沸石および40重量%のAl23から成る支持体とを含んでなる触媒組成物が開示されている;この触媒の存在において、重質改質物の選択的水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応が実施され、それらの中で、主要な反応はトルエンとトリメチルベンゼンとの間のアルキル交換反応である。米国特許第4,341,914号明細書には、C10Aの変換法が開示されている。これらの参考文献において、ビスマスを含有するを含有するは記載されていず、反応器の中に入るフィードストック中のC10Aの含量は比較的低く、20%以下であり、そして主要な不均化反応およびアルキル交換反応はトルエンとC9Aとの間である。
【0006】
したがって、本発明の1つの目的は芳香族炭化水素の変換の新規な触媒を提供することである。この触媒は(1)実質的にトルエンおよびC9Aおよび/またはC10Aを含んでなる芳香族炭化水素の不均化反応およびアルキル交換反応、ならびに(2)C9Aおよび/または10より多い炭素原子の芳香族炭化水素を含有する重質芳香族炭化水素の水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応において使用することができる。この触媒は種々の種類の芳香族炭化水素の変換反応に対してよりすぐれた触媒能力を有し、そして厳格な反応条件下に使用することができる。この触媒は所望生成物、例えば、ベンゼンおよびキシレンの収率を増加させる。したがって、変換すべき芳香族反応物中の重質芳香族炭化水素の含量は高度に増加し、乾燥および予備精製手順を省略するか、または簡素化することができる。この触媒は重質芳香族炭化水素の変換を改良し、ベンゼンおよびキシレンの選択的および収率を増強し、C9Aおよび重質芳香族炭化水素の資源を完全に使用し、材料およびエネルギーの消費を低下させ、そして費用を減少させることができる。
【0007】
本発明の他の目的は、芳香族炭化水素の変換法を提供することである。この方法は、重質芳香族炭化水素が芳香族炭化水素反応物中の低い含量下において制限され、そして重質芳香族炭化水素が厳格な反応条件下においては不適当であるという、従来の不均化、アルキル交換および水素化脱アルキルの方法における欠点を克服する。
【0008】
本発明のなお他の目的は、前記触媒および方法を芳香族炭化水素、主としてベンゼン、キシレンおよびC9Aの生成に適用することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による芳香族炭化水素の変換用触媒は、20〜90重量部の10〜100のSiO2 /Al2 3 モル比を有する結晶質アルミノケイ酸塩ゼオライトと、0.05〜10重量部の前記ゼオライト上に支持された金属ビスマスまたはその酸化物と、0.15〜5重量部の1または2以上の型の金属Mまたは前記金属Mの酸化物(Mはモリブデン、銅、ストロンチウム、ランタン、レニウム、鉄、コバルト、ニッケルおよび銀から成る群より選択される)と、接着剤としての10〜60重量部のアルミナとを含んでなる。
【0010】
本発明は、また、芳香族炭化水素の反応物を本発明の触媒と接触させて変換反応を実施する、芳香族炭化水素の変換法を提供する。
【0011】
本発明は、さらに、トルエン、C9A、C10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素からの芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、キシレンおよびC9Aの製造における、芳香族炭化水素を変換する本発明の触媒および方法の使用に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
1. 芳香族炭化水素の変換のための本発明の触媒およびその製造
芳香族炭化水素の変換のための本発明による触媒は、20〜90重量部の10〜100のSiO2 /Al2 3 モル比を有する結晶質アルミノケイ酸塩ゼオライトと、0.05〜10重量部の前記ゼオライト上に支持された金属ビスマスまたはその酸化物と、0.15〜5重量部の1または2以上の型の金属Mまたは前記金属Mの酸化物(Mはモリブデン、銅、ストロンチウム、ランタン、レニウム、鉄、コバルト、ニッケルおよび銀から成る群より選択される)と、接着剤として10〜60重量部のアルミナとを含んでなる。
【0013】
本発明の触媒は、出発物質を最終生成物の前もって決定した組成に相当する量において秤量し、前記出発物質はゼオライト、金属ビスマスまたはその化合物、1または2以上の金属Mまたは前記金属Mの酸化物(Mはモリブデン、銅、ストロンチウム、ランタン、レニウム、鉄、コバルト、ニッケルおよび銀から成る群より選択される)、およびアルミナを包含し、出発物質をよく混合し、次いで押出し、乾燥し、ペレット化し、そして活性化のために焼成することによって製造することができる。
【0014】
使用するゼオライトは天然であるか、または合成することができる。ゼオライトの非限定的例は、モルデン沸石、およびβ−ゼオライトまたはそれらの混合物、好ましくはモルデン沸石、より好ましくは水素型モルデン沸石を包含する。
【0015】
ゼオライトのSiO2/Al23モル比は、10〜100、例えば、10〜30である。
【0016】
1つの好ましい態様において、0.2重量%より少ないナトリウム含量を有する水素型モルデン沸石を使用し、このモルデン沸石は低いシリカのモルデン沸石からアルミニウムを無機酸で抽出することによって製造されたアルミニウムに乏しいモルデン沸石であるか、または直接結晶化された高いシリカのNa−モルデン沸石を塩化アンモニウムまたは硝酸塩溶液でイオン交換することによって製造された水素型モルデン沸石であることができる。
【0017】
ビスマス化合物の非限定的例は、ビスマス酸化物または硝酸ビスマス、好ましくは硝酸ビスマスである。
【0018】
1または2以上の金属M化合物の非限定的例は、前記金属Mの1または2以上の酸化物または塩、例えば、M硝酸塩であることができる。Mがモリブデンを含んでなるとき、出発物質中のモリブデン化合物はモリブデン酸アンモニウムの形態を取ることができる。
【0019】
前記混合手順は、出発物質を混練するか、または固体状物質を水溶液で含浸することによって実施することができる。前記押出、乾燥、ペレット化および焼成の手順は、先行技術において伝統的な方法により進行させることができる。
2. 本発明による芳香族炭化水素の変換法
本発明は、芳香族炭化水素の反応物を本発明の新規な触媒とを含有するさせて変換反応を実施する、芳香族炭化水素の変換法を提供する。
【0020】
前記方法における反応条件は次の通りであることができる:
水素の存在において、芳香族炭化水素の反応物を気−固固定床反応器に通過させ、300〜600℃の範囲内の反応温度、1.5〜4.0MPaの範囲内の反応圧力、0.5〜3.0/時の範囲内の芳香族炭化水素反応物の重量時間空間速度および2〜10の範囲内の水素/炭化水素のモル比において内部の触媒と接触させる。
【0021】
芳香族炭化水素の反応物は、トルエン、C9A、C10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素またはそれらの混合物から選択される1または2以上の芳香族炭化水素を含んでなり、ある量の不純物、例えば、水、インダン、微量のナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレンおよび非芳香族化合物を含有することがある。芳香族炭化水素の反応物は、反応条件下に本発明の新規な触媒と接触し、そこで下記の反応が主として起こるであろう:
【0022】
(1)トルエンの不均化反応:
65CH3+C65CH3 → C66+C64(CH32
(2)芳香族炭化水素の水素化脱アルキル反応:
6H(CH35+H2 → C62(CH34+CH4
62(CH34+H2 → C63(CH33+CH4
63(CH33+H2 → C64(CH32+CH4
64(CH32+H2 → C65CH3+CH4
65CH3+H2 → C66+CH4
(3)芳香族炭化水素のアルキル交換反応:
66+C63(CH33 → C65CH3+ C64(CH32
65CH3+C63(CH33 → 2C65(CH32
66+C62(CH34 → C65CH3+C63(CH33
65CH3+C62(CH34 → C64(CH32+C63
(CH33
【0023】
トルエンおよびC9A反応物からのトルエンの不均化およびアルキル交換の従来の方法は、水素およびモルデン沸石の触媒の存在において固定床反応器中で実施して、C6〜C10A、C1〜C5アルカンおよび少量のC11芳香族炭化水素(C1 1A)を製造する。反応ゾーンの流出流中のトルエンおよびC9Aを分離し、再循環させ、外側の新鮮なトルエンおよびC9Aと組合わせてフィードストックとして反応器に入れる。トルエンの不均化およびアルキル交換の方法または水素化脱アルキルの方法において、重質芳香族炭化水素、特にC10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素は、付随する副反応、例えば、(1)飽和炭化水素を形成する水素化分解反応および(2)多環または融合環の化合物を形成する芳香族縮合反応を行うことがある。反応温度が高いほど、副反応はより強くなり、より大きい分子の縮合生成物が形成し、触媒上により多くのコークスが析出し、そして触媒活性の減少がより速くなる。C10A画分は微量の多環式化合物、例えば、ナフタレン、メチルナフタレンおよびジメチルナフタレンを含有し、これらは触媒を容易に失活させる。したがって、変換反応、例えば、芳香族炭化水素の不均化反応およびアルキル交換反応に関すると、触媒上のコークスの析出速度を遅くしかつ触媒の寿命を延長するために、水素の存在において反応を実施し、そして芳香族炭化水素の反応物中のC10Aの含量を一般に4%より低く、最大8%以下に、工業的実施において2%より低く制限することが必要である。インダンは不均化反応およびアルキル交換反応の触媒に対する毒であり、通常0.5% より低くコントロールされる。不均化反応およびアルキル交換反応の既知の触媒は制限された性能を有し、高い含量のC10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素を含有する反応物の処理に使用することができない。インダンの沸点はC9A中のトリメチルベンゼン(TMB)のそれに非常に近く、そして不均化反応単位装置に新鮮なC9Aを提供する重質芳香族炭化水素の塔の上部からのC9A中のインダン含量は、加工の要件を満足するために、一般に1.0%より低くなくてはならないので、重質芳香族炭化水素の塔の塔底からC9Aの約5〜15%は取り出され、これを完全に利用することができない。
【0024】
本発明のビスマスを含有するゼオライト触媒は既知の触媒よりも極めてすぐれた触媒の性質を有することは驚くべきことである。本発明の触媒は反応フィードストック中のインダン含量に対する制限を軽減するので、インダン含量は反応フィードストックの0〜5重量%までであることができ、これにより重質芳香族炭化水素の塔を通して出発フィードストックからインダンの大部分を除去する必要はもはやなく、こうしてインダンの分離の間のC9Aの損失は回避されるばかりでなく、かつまた本発明の触媒はC11およびC10Aの水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応に対してより強い触媒能力を有し、重質芳香族炭化水素のフィードストック中の毒性の不純物に抵抗することができるので、C10Aを反応器の中に入れるか、または重質芳香族炭化水素の塔の底部から取り出す代わりにフィードストックとして再循環させることができ、これにより重質芳香族炭化水素の利用比を増加させ、すぐれた結果を得ることができる。
【0025】
それゆえ、芳香族炭化水素を変換する本発明の方法において、芳香族炭化水素の反応物は、トルエン/C9Aの重量比が90/10〜10/90の範囲内である、実質的にトルエンとC9Aとの混合物を含んでなることができる。
【0026】
芳香族炭化水素を変換する本発明の方法において、芳香族炭化水素の反応物は、実質的に重質芳香族炭化水素、例えば、C9A、C10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素またはそれらの混合物を含んでなることができる。
【0027】
芳香族炭化水素を変換する本発明の方法において、芳香族炭化水素の反応物は、トルエン/C10Aの重量比が90/10〜10/90の範囲内である、実質的にトルエン、C10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素の混合物を含んでなることができる。
【0028】
また、本発明の触媒について、反応混合物中の水分は非常に低くすることが不必要であることは驚くべきことである。米国特許第3,780,122号において、トルエンのフィードストック中の水分はトルエンの不均化反応について触媒の活性および安定性に対して顕著な作用を有する;非常に低い水分(15ppm)でさえトルエンの変換に影響を及ぼすことがある。この特許において、トルエン中の水分は25ppmより低いことが必要である。米国特許第4,665,258号明細書(1987)は、アルミニウムに乏しいモルデン沸石を触媒として使用する、新規な改良されたトルエンの不均化方法を提供し、この方法は厳格な反応条件下に実施することができる。この触媒において使用されるモルデン沸石は、30より大きい、好ましくは40〜60の範囲内のシリカ/アルミナ比を有する。25ppmより大きい水分のフィードストックを反応ゾーンの中に直接的に中に入れることができる;なお許される水分は50〜250ppmの範囲内であることができる。本発明の方法において、使用するビスマスを含有するゼオライト触媒は実質的に改良された耐水性を有し、フィードストックが500ppmまでの水を含有するとき、高い活性および安定性を維持することさえできる。したがって、工業的規模の単位装置について、フィードストックを脱水する手順はそれゆえ省略するか、または簡素化することができる。さらに、本発明の触媒の高い活性は、低い反応温度において、例えば、45%までの炭化水素の変換率を達成すると同時に、きわめてすぐれた安定性を保存し、非常にすぐれた結果を得ることができる。
【0029】
したがって、芳香族炭化水素を変換する本発明の方法において、芳香族炭化水素の反応物中の水分は500ppmまでであることができる。
3. 芳香族炭化水素の製造における本発明の触媒および方法の使用
芳香族炭化水素を変換する本発明の方法により、実質的にトルエンと、C9Aとを含んでなるフィードストックからベンゼンおよびトルエンを製造することができる;そして、トルエン、C10Aおよび10より多い炭素原子の芳香族炭化水素を含有するフィードストックからベンゼン、キシレンおよびC9Aを製造することができる。少量のC1〜C4脂肪族炭化水素を前述の各場合において生成することがある。したがって、本発明の方法は種々の複雑な組成の供給材料からベンゼン、キシレンおよびC9Aの製造に適用可能である。
【0030】
ベンゼンおよびキシレンの製造に本発明の方法を適用する1つの態様は、下記の工程からなる:
(a) インダンと、C8芳香族炭化水素(C8A)、C9A、C10AおよびC11芳香族炭化水素(C11A)とを含んでなる芳香族炭化水素のフィードストックを第1および第2の分離塔からなる第1分離ゾーンにおいて分離し、ここでC8Aに富んだ流れを第1分離塔の上部から分離し、前記第1塔の底部生成物を第2分離塔の中に入れ、ここでインダンと、C9Aと、C10Aとを含んでなり、0〜5重量%のインダン含量および0〜50重量%のC10A含量を有する流れを前記第2分離塔の上部から分離し、そしてC11Aを前記第2塔の底部から取り出し、
(b) 前記第2分離塔の上部からの流出流をトルエンと一緒に芳香族炭化水素の変換反応ゾーンの中に入れ、ここで前記反応ゾーンには本発明の触媒が充填されており、そして芳香族炭化水素は、変換条件下に前記触媒と接触したとき、ベンゼンおよびC8Aに富んだ変換された流出流に変換され、そして
(c) 前記変換された流出流を第2分離ゾーンの中に入れ、そしてそれらをベンゼンと、トルエンと、C8Aと、C10Aを含有する重質芳香族炭化水素とに分離する。
【0031】
前述の態様に従い、第2分離ゾーンから分離されたトルエンを反応ゾーンの中に供給する。第2分離ゾーンから分離されたベンゼンの一部分を反応ゾーンの中に再循環させて、C8Aの収率を増加させることができる;しかしながら、ベンゼンの再循環は供給トルエンの変換率を低下させるので、ベンゼンの一部分を再循環させる代わりに生成物として直接的に取り出すことができる。第2分離ゾーンから分離されたC10Aを含有する重質芳香族炭化水素を、o−キシレンをそれから分離するか、または分離しないで、第1分離ゾーンの第2分離塔の中に入れることができる。変換反応ゾーンの中に入る供給流において、トルエン/C9Aの重量比は90/10〜10/90の範囲内である。
【0032】
本発明の新規な触媒を使用することによって、芳香族フィードストック中のインダン含量に対する制限は軽減され、インダン含量を0〜5重量%の範囲にすることができる。したがって、重質芳香族炭化水素の塔を通してC9Aフィードストックを伴う、少量のインダンの主要部分を分離し、除去することは不必要であり、それゆえインダンの分離におけるC9Aの損失を排除することができる。本発明の触媒はC10Aを変換する強い能力を有するので、C10Aそれ自体を再循環させることができ、そして重質芳香族炭化水素の塔の底部からそれらを取り出すことはもはや不必要であり、こうしてC10Aの利用比率が増加する。
【0033】
図1は、芳香族炭化水素の製造において本発明の方法を使用する好ましい態様の概要図である。
【0034】
図1により代表される方法は、第1分離ゾーン、第2分離ゾーン、および芳香族炭化水素の変換反応ゾーン3とからなる。第1分離ゾーンは、キシレン塔1、および重質芳香族炭化水素の塔2からなる。第2分離ゾーンは、ベンゼン塔4、トルエン塔5、キシレン塔6、および/またはo−キシレン塔7からなる。反応ゾーンは、反応器、高圧分離槽、およびストリッピング塔からなる。反応ゾーンの流出流は、C6 〜C11Aを含有し、まずベンゼン塔4の中に入れられ、ここでベンゼンに富んだ生成物流11は分離され、取り出されるか、または反応ゾーンの中に部分的に再循環される。ベンゼン塔4の塔底生成物はトルエン塔5の中に入れられる。トルエン塔5の上部からのトルエン再循環流10は新鮮なトルエンと一緒に反応ゾーンの中に入れられ、そしてトルエン塔5の塔底生成物はキシレン塔6の中に入れられる。流れ13はキシレン塔6から分離され、エチルベンゼン、m−キシレンおよびp−キシレンの混合物はキシレン塔1の上部からのC8 Aに富んだ流れ12と組合わされ、このシステムから取り出される。キシレン塔6の塔底生成物をC9 Aおよびインダンに富んだキシレン塔1の塔底生成物と組合わせ、重質芳香族炭化水素の塔2の中に入れることができる。あるいは、キシレン塔6の塔底生成物をまずo−キシレン塔7の中に入れて、それからo−キシレン流に富んだ流れ14を分離し、次いでキシレン塔1の塔底生成物と組合わせ、次いで重質芳香族炭化水素の塔2の中に入れることができる。重質芳香族炭化水素の塔2の上部から分離され、C9 A、C10Aに富み、かつ投入されたすべてのインダンを含有する流れ15を反応ゾーンの中に供給するが、C11Aに富んだ塔底流出流16をシステムから取り出す。この方法の重質芳香族炭化水素の塔の上部からの流れの中のC10炭化水素は、C10Aと、C10環式炭化水素と、C10融合環式炭化水素とを含んでなる。
【0035】
本発明の他の利点および特徴は、下記の非限定的例を読むことによって明らかとなるであろう。
【0036】
【実施例】
I. 芳香族炭化水素の変換用触媒
実施例1
77.8gのアンモニウム型モルデン沸石(Na2O含量:0.15%より低い、SiO2/Al23モル比:12、550℃における焼成後の重量損失:30%)粉末を42.9gの擬ベーマイト(α−Al23・H2O、Na2O含量:0.15%より低い、550℃における焼成後の重量損失:30%)とよく混合した。0.10gの硝酸ビスマス[Bi(NO33・5H2O、化学的に純粋]、2mlの硝酸(化学的に純粋)、60mlの水、5.77gのモリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo724、化学的に純粋]を混合して溶液を調製した。この溶液をアンモニウム型モルデン沸石と擬ベーマイトとの混合物の中に添加し、生ずる混合物をよく混合および混練し、ストリップに押出し、炉乾燥し、ペレット化し、活性化のために焼成して触媒Aを製造した、そのBi23/MoO3/H−モルデン沸石/Al23重量比は0.05/5/70/30であった。
【0037】
実施例2
実施例1における44.4gのアンモニウム型モルデン沸石粉末および85.7gの擬ベーマイトをよく混合した。0.14gの硝酸ビスマス
[Bi(NO33・5H2O、化学的に純粋]、0.58gのモリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo724、化学的に純粋]、19.4gの硝酸ニッケル[Ni(NO32・6H2O、化学的に純粋]、15mlの硝酸(化学的に純粋)および60mlの水を混合して溶液を調製した。この溶液をアンモニウム型モルデン沸石と擬ベーマイトとの混合物の中に添加し、生ずる混合物をよく混合および混練し、ストリップに押出し、炉乾燥し、ペレット化し、活性化のために焼成して触媒Bを製造した、そのBi23/MoO3/NiO/H−モルデン沸石/Al23重量比は0.07/0.5/5.0/40/60であった。
【0038】
実施例3(参考例)
55.6gのアンモニウム型モルデン沸石(Na2 O含量:0.15%より低い、SiO2 /Al2 3 モル比:26.1、550℃における焼成後の重量損失:10%)粉末を71.4gの実施例1におけるのと同一の型の擬ベーマイトと混合した。10.4gの硝酸ビスマス[Bi(NO3 3 ・5H2 O、化学的に純粋]、2.1mlの硝酸(化学的に純粋)、50mlの水を混合して溶液を調製した。この溶液をアンモニウム型モルデン沸石と擬ベーマイトとの混合物の中に添加し、生ずる混合物をよく混合および混練し、ストリップに押出し、炉乾燥し、ペレット化し、活性化のために焼成して触媒Cを製造した、そのBi2 3 /H−モルデン沸石/Al2 3 重量比は5/50/50であった。
【0039】
実施例4
66.7gのアンモニウム型モルデン沸石(Na2O含量:0.15%より低い、SiO2/Al23モル比:19.2、550℃における焼成後の重量損失:10%)を57.1gの実施例1におけるのと同一の型の擬ベーマイトとよく混合した。1.88gの硝酸ビスマス[Bi(NO33・5H2O、化学的に純粋]、3.88gの硝酸ニッケル[Ni(NO32・6H2O、化学的に純粋]、1.8mlの硝酸(化学的に純粋)および550mlの水を混合して溶液を調製した。この溶液をアンモニウム型モルデン沸石と擬ベーマイトとの混合物の中に添加し、生ずる混合物をよく混合および混練し、ストリップに押出し、炉乾燥し、ペレット化し、活性化のために焼成して触媒Dを製造した、そのBi23/NiO/H−モルデン沸石/Al23重量比は0.9/0.1/60/40であった。
【0040】
実施例5(参考例)
65のSiO2 /Al2 3 モル比を有するZSM−5ゼオライトを米国特許第3,702,886号明細書(1972)に記載されている方法により合成し、窒素雰囲気下に550℃において2時間焼成し、次いで80〜98℃において塩化アンモニウムまたは硝酸塩溶液で1〜10時間イオン交換し、濾過して母液を除去し、次いで反復して数回イオン交換し、脱イオン水で洗浄し、110℃において炉乾燥してH−ZSM−5ゼオライトを製造した、そのNa2 O含量は0.1重量%より低かった。
H−ZSM−5ゼオライトおよび擬ベーマイト(α−Al2 3 ・H2 O)を70/30の重量比において混合し、希硝酸、硝酸ビスマスおよび水を添加し、よく混練し、ストリップに押出し、110℃において炉乾燥し、ペレット化し、
560℃において4時間焼成して触媒Eを製造した、そのBi2 3 含量は1.0重量%であった。
【0041】
実施例6(参考例)
合成したZSM−5ゼオライトの代わりに商用β−ゼオライト(SiO2 Al2 3 、モル比:35.0)を使用した以外、実施例5におけるのと同一の方法において触媒Fを製造した。触媒Fはビスマスを含有するβ−ゼオライト触媒であり、そのBi2 3 含量は1.0重量%であった。
【0042】
実施例7(比較例)
硝酸ビスマスを添加しない以外、実施例5におけるのと同一の方法において触媒Ec、ビスマスを含有しないZSM−5ゼオライト触媒を製造した。
【0043】
実施例8(比較例)
硝酸ビスマスを添加しない以外、実施例6におけるのと同一の方法において触媒Fc、ビスマスを含有しないβ−ゼオライト触媒を製造した。
【0044】
実施例9(参考例)
15〜30のSiO2 /Al2 3 モル比を有する高シリカNa−モルデン沸石から、中国特許第ZL89106793.0号明細書に記載されている方法に従い、90〜98℃において塩化アンモニウムまたは硝酸塩溶液で1〜8時間イオン交換し、濾過して母液を除去し、次いで反復して数回イオン交換し、洗浄し、
110℃において炉乾燥して高シリカH−モルデン沸石を得ることによって、高シリカH−モルデン沸石ゼオライトを合成した。
高シリカH−モルデン沸石および擬ベーマイト(α−Al2 3 ・H2 O)を混合し、希硝酸、硝酸ビスマスおよび水を添加し、よく混練し、ストリップに押出し、110℃において炉乾燥し、ペレット化し、580℃において焼成して触媒G1を製造した、そのBi2 3 含量は0.1重量%であった。表6に示すようなモルデン沸石、アルミナおよびBi2 3 の異なる含量を有する触媒G2、G3、G4、G5およびG6を、それぞれ、同一方法において、擬ベーマイトおよび硝酸ビスマスの使用量を変化させることによって製造した。
【0045】
実施例10(参考例)
高シリカH−モルデン沸石および商用擬ベーマイト(α−Al2 3 ・H2 O)を混合し、希硝酸および水を添加し、よく混練し、押出し、110℃において炉乾燥し、ペレット化し、400℃において焼成して円筒形粒子を製造した。円筒形粒子を硝酸ビスマスの水溶液で一夜含浸させ、110℃において炉乾燥し、
540℃において焼成して触媒H1を製造した、そのBi2 3 含量は0.1重量%であった。それぞれ、0.5、1.0、5.0、10.0重量%のBi2 3 を含有する、それらの組成を表6に示す、触媒H2、H3、H4およびH5を、同一方法において、硝酸ビスマスの使用量を対応して変化させることによって製造した。
【0046】
実施例11(参考例)
この実施例において、ビスマスを含有するアルミニウムに乏しいモルデン沸石触媒を製造した。
アルミニウムに乏しいモルデン沸石を次のようにして合成した:
10のSiO2 /Al2 3 モル比を有する商用Na−モルデン沸石を90℃において希硝酸溶液とともに還流させて、モルデン沸石からアルミニウムを抽出し、濾過し、洗浄し、乾燥して、15.1のSiO2 /Al2 3 モル比を有するアルミニウムに乏しいモルデン沸石を得た、これを以後アルミニウムに乏しいモル
デン沸石ゼオライトHM−15.1と呼ぶ。HM−15.1について脱アルミニウム手順を数回反復して、19.8および24.9のSiO2 /Al2 3 モル比を有するアルミニウムに乏しいモルデン沸石ゼオライトを得た、これらを以後、それぞれ、HM−19.8およびHM−24.9と呼ぶ。
高シリカH−モルデン沸石ゼオライトの代わりに、それぞれ、HM−15.1、HM−19.8およびHM−24.9を使用した以外、実施例9におけるのと同一の方法において触媒I1、I2およびI3を製造した。
【0047】
実施例12(比較例)
硝酸ビスマスを添加しない以外、実施例9におけるのと同一の方法において触媒J、ビスマスを含有しないモルデン沸石ゼオライト触媒を調製した。
【0048】
実施例13
高シリカH−モルデン沸石および商用擬ベーマイト(α−Al23・H2O)を混合し、希硝酸、水、硝酸ビスマスおよび硝酸ランタンを添加し、よく混練し、ストリップに押出し、110℃において炉乾燥し、ペレット化し、500℃において焼成して触媒K1を製造した、そのBi23含量は0.1重量%であった。Bi23および銅、ジルコニウム、レニウムまたはストロンチウムの酸化物を含有する、表8に示す組成を有する、触媒K2、K3、K4およびK5を、それぞれ、同一方法において製造した。
【0049】
II.芳香族炭化水素を変換する本発明の方法
上記実施例において製造した触媒を、下記の実施例における芳香族炭化水素の変換法において使用した。
(I)芳香族炭化水素の反応物が実質的にトルエンと、C9Aとからなる場合
【0050】
実施例14〜17(参考例)
25mmの内径、1000mmの長さを有する円筒形ステンレス鋼反応器を使用した。20gの実施例9の触媒G3を反応器の内側に詰めて触媒ベッドを形成し、ガス流を分布させ、ベッドを支持し、フィードストックを予熱し、蒸発させる目的で、ベッドの上部および下部に直径5mmのガラスビーズを充填した。供給物のトルエンおよびC9 Aは、石油化学工業における芳香族炭化水素の結合単位装置から誘導された。フィードストックを水素と混合し、触媒ベッドに上部から底部に通過させた。使用した水素は電気分解から得た。反応器を電気的に加熱し、そして反応温度を自動制御した。
フィードストックの組成、使用した触媒、反応条件および実験結果を表1に要約した。
【0051】
【表1】
Figure 0003988847
【0052】
上記表中のデータは下記の方程式に従い処理された:
トルエンの変換率=(フィードストック中のトルエン−生成物の流出流中のトルエン)/フィードストック中のトルエン×100%(重量)
9Aの変換率=(フィードストック中のC9A−生成物の流出流中のC9A)/フィードストック中のC9A×100%(重量)
インダンの変換率=(フィードストック中のインダン−生成物の流出流中のインダン)/フィードストック中のインダン×100%(重量)
9非芳香族炭化水素の変換率=(フィードストック中のC9非芳香族炭化水素−生成物の流出流中のC9非芳香族炭化水素)/フィードストック中のC9非芳香族炭化水素×100%(重量)
ベンゼンの選択率=(生成物の流出流中のベンゼン−フィードストック中のベンゼン)/反応において変換された(トルエン+C9A)×100%(重量)
8Aの選択率=(生成物の流出流中のC8A−フィードストック中のC8A)/反応において変換された(トルエン+C9A)×100%(重量)
【0053】
表1中の対応するデータを処理することによって得られた実施例15の結果は、次の通りであった:
トルエンの変換率: 39.10%
9Aの変換率: 60.02%
インダンの変換率: 95.55%
9非芳香族炭化水素の変換率: 89.42%
ベンゼンの選択率: 20.32%
8Aの選択率: 74.63%
【0054】
表1中のデータから理解することができるように、異なる生成物の成分の比率はフィードストックの組成および反応条件とともに変化したが、ベンゼンおよびC8Aの量は有意に増加し、ベンゼンおよびC8Aが反応において生成されたことが示された。表1中のデータおよび実施例15に関するデータ処理の結果から理解することができるように、フィードストックの中に含有されたC9非芳香族炭化水素およびインダンの濃度は反応後に実質的に減少し、本発明の触媒がC9非芳香族炭化水素およびインダンを変換する非常にすぐれた能力を有することを示す。したがって、トルエンの不均化およびアルキル交換の方法の生成物の流出流について分離流の中にo−キシレン製造単位装置を設けた場合、高い品質(98%より高い純度)のo−キシレンを製造することができる。上記実施例が示すように、フィードストックは高い濃度のインダンおよびC10炭化水素を含有することができる。それにより、すべてのC9A、インダン、およびC10炭化水素の一部分、またはさらにすべてを工業的単位装置において重質芳香族炭化水素の塔の上部から分離することができ、そしてC9Aを完全に利用することができる。一方では、フィードストック中のC10炭化水素はある程度までC9Aの不均化反応を抑制することができ、これによりC8Aを生成するC9Aのアルキル交換反応が促進され、C8Aの選択率が増加する。
【0055】
したがって、高い純度のo−キシレンを本発明の方法から製造することができ、そしてさらに、同一の反応フィードストックの消費でより多くのo−キシレンを製造することができる。
【0056】
(II)芳香族炭化水素の反応物が実質的にトルエンと、C10Aとを含んでなる場合
実施例14における反応器を使用し、20gの触媒をその中に詰めた。トルエンとC10Aに富んだフィードストックを水素と混合し、触媒ベッドに上部から底部に通過させて、芳香族炭化水素の変換反応を実施した。供給物のトルエンおよびC10Aは石油化学工業における炭化水素結合単位装置から入手可能であった。
【0057】
実施例18〜20
触媒Aを使用した。反応条件および結果を表2に要約した。
【0058】
【表2】
Figure 0003988847
【0059】
実施例21〜23(実施例22は参考例)
触媒B、C、およびDを使用した。反応条件および結果を表3に要約した。
【0060】
【表3】
Figure 0003988847
【0061】
下記の方程式を使用して表2中のデータを処理した:
トルエンの変換率=(反応器に入るトルエン−反応器から出るトルエン)/反応器に入るトルエン×100%
10Aの変換率=(反応器に入るC10A−反応器から出るC10A)/反応器に入るC10A×100%
ベンゼンの選択率=(反応器から出るベンゼン−反応器に入るベンゼン)/反応器中で変換された(トルエン+C10A)×100%(重量)
9 Aの選択率=(反応器から出るC9 A−反応器に入るC9 A)/反応器中で変換された(トルエン+C10A)×100%(重量)
8 Aの選択率=(反応器から出るC8 A−反応器に入るC8 A)/反応器中で変換された(トルエン+C10A)×100%(重量)
表2中のフィードストックの組成および生成物の流出流の組成の対応するデータを処理することによって得られた実施例19の結果は、次の通りであった:
トルエンの変換率: 40.78%
10Aの変換率: 86.22%
ベンゼンの選択率: 12.49重量%
8 Aの変換率: 55.26重量%
9 Aの選択率: 21.66重量%
(ベンゼン+C8 A)の選択率: 67.75重量%
(ベンゼン+C8 〜C9 A)の選択率: 89.41重量%
【0062】
生成物の流出流中のベンゼン、トルエン、C8AおよびC9Aの比率はフィードストック中のトルエンおよびC10Aの重量比とともに変化したことを理解することができる。なお、下記の特徴が普通に共有される:(1)トルエンおよびC10Aの含量の双方は反応後異なるトルエン/C10Aの重量比のすべての場合において減少し、トルエンおよびC10Aが反応において変換されたことを証明した;(2)ベンゼン、C8AおよびC9Aの含量は異なるトルエン/C10Aの重量比のすべての場合において同時に増加し、ベンゼン、C8AおよびC9Aが反応において形成されたことを証明した。
【0063】
表2およびデータ処理の結果から理解することができるように、トルエンおよびC10Aの不均化反応およびアルキル交換反応についての生成物の組成および反応の結果は、主要生成物がトルエンおよびC10Aの不均化反応およびアルキル交換反応についてベンゼン、C8AおよびC9Aであるが、主要生成物がトルエンおよびC9Aの不均化反応およびアルキル交換反応についてベンゼンおよびC8Aである以外、同一の重量比を有するトルエンおよびC9Aのそれに類似する。
【0064】
表2および表3から理解することができるように、本発明のビスマスを含有するゼオライト触媒A、B、CおよびDのすべては、実質的にトルエンと、C10Aとを含んでなるフィードストックの変換反応において、かなりすぐれた効果を有する。
【0065】
実施例から理解することができるように、トルエンおよびC10Aの不均化およびアルキル交換の本発明の方法は、トルエンおよびC10Aからベンゼン、C8およびC9Aを製造する効率よい方法である。C10Aは、トルエンおよびC10Aの不均化およびアルキル交換の方法において、トルエンおよびC9Aの不均化およびアルキル交換の方法におけるのと実質的に同一の役割を演ずる、すなわち、C10AをC9Aの代わりにを使用してベンゼンおよびC8Aを製造することができる。
【0066】
(III)芳香族炭化水素の反応物が実質的に重質芳香族炭化水素を含んでなる場合
1.重質芳香族炭化水素が実質的にC10Aを含んでなる場合
メチルベンゼン、トリメチルベンゼン、インダン、ジエチルベンゼン、ジメチルエチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、および他のC10およびC11Aを含有し、表4に示す組成を有するC10Aフィードストックは、石油化学工業における芳香族炭化水素の結合単位装置から誘導された。その組成を表4に示す。
【0067】
【表4】
Figure 0003988847
10Aフィードストックにおいて、C10およびC11A含量の合計は95.02%であり、インダン含量は2.13%であり、そしてC9A含量はわずかに2.85%であった。
【0068】
実施例14における反応器を使用し、20gの触媒をその中に詰めた。C9AとC10Aに富んだフィードストックを水素と混合し、触媒ベッドに上部から底部に通過させて、水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応を実施し、ここでより少ない炭素原子の芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、ジメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、トリメチルベンゼンおよびその他、ならびに少量のアルカン、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタンおよびその他が生成した。水素をこの方法において使用した。なぜなら、一方において、水素化脱アルキル反応それら自体が水素を消費し、他方において、水素の存在は触媒上へのコークスの析出を抑制することによって触媒の寿命を遅延するからである。
【0069】
実施例24〜27(実施例26は参考例)
10Aに富んだフィードストックを、それぞれ、実施例1〜4において製造した触媒A〜Dの存在において水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応に付した。実験結果を下記の方程式に従い処理した:
6 〜C9 Aの収率=製造されたC6 〜C9 A/変換された(C10+C11A)×100%(重量)
10Aの変換率=(反応器に入るC10A−反応器から出るC10A)/反応器に入るC10A×100%(重量)
11Aの変換率=(反応器に入るC11A−反応器から出るC11A)/反応器に入るC11A×100%(重量)
【0070】
【表5】
Figure 0003988847
【0071】
触媒A〜Dの評価の結果から、モルデン沸石と、ビスマスおよびFe、Co、NiおよびMoから選択される1または2以上の成分を含んでなる助触媒とを含んでなる触媒は、C10およびC11Aの水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応についてすぐれた触媒能力を有することが示される。好ましい条件下に、C10Aの変換率は46.6%に到達することができ、C11Aの変換率は80.8%に到達することができ、そしてC6〜C9Aの収率は94.1%までに到達することができる。
【0072】
生成物の流出流の組成から理解することができるように、フィードストック中のC11A含量は18.22%程度に高いが、生成物の流れ中のC11A含量は6%より高くなく、C11AがC10Aよりもいっそう容易に水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応を行い、したがってC6〜C9Aを製造する本発明の方法においてC11Aを効果的に使用できることを示す。
【0073】
生成物の流出流において、ベンゼン含量はトルエン、C8AおよびC9Aのそれよりもかなり低かった。例えば、実施例24の生成物の流出流において、ベンゼン/トルエン/C8A/C9Aのモル比は1:3.35:5.57:4.28であった。ベンゼン含量が低い下記の理由が推定される:(1)C10AおよびC11Aのベンゼンへの変換は多工程の系統的水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応を必要とし、これによりベンゼンの発生はわずかであった;または(2)多工程の系統的反応から中間的に形成したベンゼンは、その量がかなりなものであることがあるが、トルエンおよびC9Aを生成するC10Aとのアルキル交換反応、ならびに反応条件下のトルエンおよびキシレンを生成するC9Aとのアルキル交換反応において消費され、これにより最終生成物中のベンゼン含量はトルエン、C8AおよびC9Aのそれよりもかなり低かった。
【0074】
プロピルベンゼンは生成物の流出流において検出されなかった。これは多分下記の事実に起因させることができる。すなわち、プロピルを含有する成分はフィードストック中に含まれなかったという事実、および中間的に形成したプロピルベンゼンは、その量は少ないが、脱プロピル反応を行い、その全部が消費されたという事実。
【0075】
2.重質芳香族炭化水素が実質的にC9Aを含んでなる場合
実施例28
触媒G3をその中に詰めた実施例14の反応器の中にC9Aに富んだフィードストックを通入して、390℃の温度、1.0MPaの圧力、4.0の水素/炭化水素のモル比、および2.0/時のフィードストック重量時間空間速度において反応させた。フィードストックは1.00重量%のトルエン、1.30重量%のインダン、97.0重量%のC9A、0.70重量%のC10Aから構成されていた。生成物の流出流は、2.07重量%のベンゼン、14.50重量%のトルエン、27.14重量%のC8A、39.07重量%のC9A、9.85重量%のC10Aおよび1.04重量%のC11Aから構成されていた。
前の実施例に記載したのと同一の方法において、データ処理の結果を得た。
9Aの変換率=59.8重量%
(トルエン+C8A+ベンゼン)の選択率=67.9重量%
理解することができるように、本発明の触媒は実質的にC9Aからなる重質芳香族炭化水素の変換のすぐれた触媒能力を有する。
【0076】
(IV)芳香族炭化水素が高い水分を含んでなる場合
実施例29(参考例)
1系列の実験をこの実施例において実施した。
トルエンと、C9 Aとを含んでなり、60/40モル比および500ppmの水分を有するフィードストックを、それぞれ、20gの実施例5のビスマスを含有するH−ZSM−5ゼオライト触媒E、実施例6のビスマスを含有するβ−ゼオライト触媒F、実施例7のビスマスを含まないH−ZSM−5ゼオライト触媒Ec、実施例8のビスマスを含まないβ−ゼオライト触媒F、実施例9〜11のビスマスを含有する高シリカモルデン沸石触媒および実施例12のビスマスを含まないモルデン沸石触媒Jを詰めた実施例14の反応器の中に通入して、385℃の温度、3.0MPa(ゲージ)の圧力、5の水素/炭化水素のモル比、および1.5/時のフィードストック重量時間空間速度において反応させた。実験結果を表6に要約した。
【0077】
【表6】
Figure 0003988847
【0078】
表6に示すように、本発明のすべての触媒は、混練によるか、またはビスマス水溶液で含浸することによってビスマスを添加されたかどうかにかかわらず、すぐれた活性および選択率を示し、特にビスマスを含まない比較触媒Jよりも非常により高いC9Aの変換能力を有する。使用するゼオライトがアルミニウムに乏しいモルデン沸石である触媒の中でさえ、ビスマスを含有するものはビスマスを含まないものよりも高い活性を有する。
【0079】
また、表6に示すように、ビスマスを含有するZSM−5ゼオライトおよびβ−ゼオライト触媒は、β−ゼオライト触媒を含まない、それらの対応触媒よりも高いC9A変換能力を示す。これらの実験を示すように、本発明の触媒の中に含有されるビスマスは、それらのきわ立って特徴的である性能に寄与する基本的因子である。
【0080】
実施例30(参考例)
実施例9の触媒G3および実施例12の触媒Jの安定性を評価するために、それらの触媒の存在下に実験をさらに実施した。実施例29の反応器および反応条件を使用したが、ただし触媒G3およびJについての初期の反応温度は、それぞれ、380℃および400℃であり、そして反応温度を徐々に上昇させることによって、C9 Aの変換率を約45モル%に維持した。実験結果を表7に要約した。本発明の触媒G3について、1000時間の反応サイクルの間において、C9 Aの平均変換率は45.2%であり、そして(C8 A+ベンゼン)の平均選択率は96.1モル%であり、反応温度は初期の380℃から最終の395℃に上昇させた;しかしながら、比較触媒Jについて、500時間の反応サイクルにおいて、C9 Aの平均変換率は45.1%であり、そして(C8 A+ベンゼン)の平均選択率は96.0モル%であり、反応温度は初期の400℃から最終の460℃に上昇させた。したがって、理解することができるように、本発明の触媒は高い水分を有する反応物について適合する、すなわち、高い活性、選択率および安定性に加えて、高い耐水性を有する。
【0081】
【表7】
Figure 0003988847
【0082】
実施例31
実施例29の反応器および反応条件を使用して、実験を実施したが、ただし実施例13の触媒K1〜K5を、それぞれ、詰めて、それらの活性を評価した。実験結果を表8に要約した。
【0083】
【表8】
Figure 0003988847
【0084】
表8中のデータが証明するように、Bi23と、CuO、La23、Zr23、Re23およびSrOから選択される1または2以上の任意の成分とを、その上に支持して有する、モルデン沸石触媒のすべては、C9Aの高い変換率および(ベンゼン+C8A)の高い選択率を有する、すなわち、高い触媒性能を有する。
【0085】
上記実験は例示のみを目的とし、本発明を限定するものではない。上記態様の変化および変更のすべては添付した請求の範囲の範囲内に含まれることを当業者は理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を図式的に示す概要図。
【符号の説明】
1 キシレン塔
3 変換反応ゾーン
4 ベンゼン塔
5 トルエン塔
6 キシレン塔

Claims (19)

  1. (1)トルエン、およびCおよび/またはC10芳香族炭化水素の不均化反応およびアルキル交換反応、および/または(2)Cおよび/またはC10芳香族炭化水素の水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応、のための触媒であって、20〜90重量部の10〜100のSiO2 /Al2 3 モル比を有するモルデン沸石またはβ−ゼオライトと、0.05〜10重量部の前記ゼオライト上に支持された金属ビスマスまたはその酸化物と、0.15〜5重量部の1または2以上の金属Mまたは前記金属Mの酸化物(ここで、Mはモリブデン、銅、ストロンチウム、ランタン、レニウム、鉄、コバルト、ニッケルおよび銀から成る群より選択される)と、接着剤としての10〜60重量部のアルミナとを含んでなることを特徴とする、触媒。
  2. 前記ゼオライトが、水素型モルデン沸石またはβ−ゼオライトである、請求項1に記載の触媒。
  3. 前記ゼオライトのSiO2 /Al2 3 モル比が10〜30の範囲内である、請求項1または2に記載の触媒。
  4. 前記ゼオライトが水素型モルデン沸石である、請求項1または2に記載の触媒。
  5. 前記ゼオライトが水素型モルデン沸石である、請求項3に記載の触媒。
  6. (1)トルエン、およびCおよび/またはC10芳香族炭化水素の不均化反応およびアルキル交換反応、および/または(2)Cおよび/またはC10芳香族炭化水素の水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応、のための方法であって、
    前記芳香族炭化水素のフィードストックを請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒と接触させて、トルエンおよびCおよび/またはC10芳香族炭化水素の不均化反応およびアルキル交換反応、および/またはCおよび/またはC10芳香族炭化水素の水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応をこれら反応条件下において実施することからなる、方法。
  7. 前記芳香族炭化水素のフィードストックを気−固固定床反応器に通過させ、そして前記反応器内で前記芳香族炭化水素のフィードストックを前記触媒と水素の存在下において接触させて前記反応を実施することからなる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記反応を300〜600℃の範囲内の反応温度、1.5〜4.0MPaの範囲内の反応圧力、0.5〜3.0/時の範囲内のフィードストック重量時間空間速度および2〜10の範囲内の水素/炭化水素のモル比において実施する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記芳香族炭化水素のフィードストック中の水分が0〜500ppmの範囲内である、請求項6、7および8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記芳香族炭化水素のフィードストック中のインダン含量が0〜5重量%の範囲内である、請求項6、7および8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記芳香族炭化水素のフィードストックがトルエンと、C9 芳香族炭化水素とからなる、請求項6、7および8のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記芳香族炭化水素のフィードストックがトルエンと、C9 芳香族炭化水素と、10より多い炭素原子の重質芳香族炭化水素とを含んでなる、請求項6、7および8のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記芳香族炭化水素のフィードストックがC9 芳香族炭化水素と、C10 芳香族炭化水素と、10より多い炭素原子の重質芳香族炭化水素またはそれらから選択される芳香族炭化水素の2またはそれ以上の混合物とを含んでなる、請求項6、7および8のいずれか一項に記載の方法。
  14. ベンゼンおよびC8 芳香族炭化水素の製造における請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法の使用。
  15. 6 〜C9 芳香族炭化水素の製造における請求項13に記載の方法の使用。
  16. (1)トルエン、およびCおよび/またはC10芳香族炭化水素の不均化反応およびアルキル交換反応、および/または(2)Cおよび/またはC10芳香族炭化水素の水素化脱アルキル反応およびアルキル交換反応、のための方法であって、
    (a) インダンと、C8 芳香族炭化水素、C9 芳香族炭化水素、C10 芳香族炭化水素およびC11芳香族炭化水素とを含んでなる芳香族炭化水素のフィードストックを第1および第2の分離塔からなる第1分離ゾーンにおいて分離し、ここでC8 芳香族炭化水素に富んだ流れを第1分離塔の上部から分離し、前記第1塔の底部生成物を第2分離塔の中に入れ、ここでインダンと、C9 芳香族炭化水素と、C10 芳香族炭化水素とを含んでなり、5重量%以下のインダン含量および50重量%以下のC10 芳香族炭化水素含量を有する流れを前記第2分離塔の上部から分離し、そしてC11 芳香族炭化水素を前記第2塔の底部から取り出し、
    (b) 前記第2分離塔の上部からの流出流をトルエンと一緒に芳香族炭化水素の変換反応ゾーンの中に入れ、ここで前記反応ゾーンには請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒が充填されており、そして芳香族炭化水素は、変換条件下において前記触媒と接触したとき、ベンゼンおよびC8 芳香族炭化水素に富んだ変換された流出流に変換され、そして
    (c) 前記変換された流出流を第2分離ゾーンの中に入れ、そしてそれらをベンゼンと、トルエンと、C8 芳香族炭化水素と、C10 芳香族炭化水素を含有する重質芳香族炭化水素とに分離する、工程からなることを特徴とする方法。
  17. 前記第2分離ゾーンから分離されたトルエンを再循環させ、前記変換反応ゾーンの中に供給する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第2分離ゾーンから分離されたC10 芳香族炭化水素を含んでなる重質芳香族炭化水素を前記第1分離ゾーンの前記第2分離塔の中に入れる、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記第2分離ゾーンから分離されたC10 芳香族炭化水素を含んでなる重質芳香族炭化水素を、まずo−キシレンをそれから分離した後、前記第1分離ゾーンの前記第2分離塔の中に入れる、請求項16または17に記載の方法。
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