JP3985496B2 - フランジ部を有する成形紙トレー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フランジ部を有する成形紙トレーに関するもので、特には食品等を流通、保存させるために使用する、密封性が高く、成形深さの深いフランジ部を有する成形紙トレーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、板紙を成形してトレー状にした成形紙トレーは、使い捨ての紙トレーとして広く流通している。
さらに最近では、板紙を深く成形して、成形紙トレーのフランジ部に蓋材を被せて密封性を持たせた使用方法も開発されている。
【0003】
密封性があり、フランジ部が平滑で、かつ、作業も一工程で済むフランジ部を有する成形紙トレーとして、発明者らは、特願2000−281797号を出願した。
ところが、この発明は、通常の板紙を使用した場合には、板紙が伸びにくく、形状の自由度が低いという問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フランジ部を有する成形紙トレーに関する以上のような問題点に着目してな
されたもので、紙の伸びを改良し、形状の自由度が高く、密封性の高いフランジ部を有する成形紙トレーを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の発明は、予めライン状の凹凸を少なくとも一方向に形成させた伸び性のある紙の凹凸形成面に、ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)構成の熱可塑性樹脂層をPE面を対向させて紙/PE/PP構成の積層体とし、PP樹脂面からPEの融点温度まで加熱後、圧空成形法、真空成形法、真空圧空成形法又プレス成形法のいずれかの成形法により形成させたことを特徴とするフランジ部を有する成形紙トレーである。
【0006】
このように、請求項1の発明によれば、予めライン状の凹凸を少なくとも一方向に形成させた伸び性のある紙の凹凸形成面に、ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)構成の熱可塑性樹脂層をPE面を対向させて紙/PE/PP構成の積層体とし、PP樹脂面からPEの融点温度まで加熱後、圧空成形法、真空成形法、真空圧空成形法又プレス成形法のいずれかの成形法により成形させたのみなので、簡単な工程で形状の自由度の高い、成形紙トレーが作製できる。
【0007】
また、ライン状の凹凸のため、紙と又は接着剤と接する熱可塑性樹脂は成形前は凸部分にしか接着していないが、成形時に熱可塑性樹脂の融点程度に加熱することによって、熱可塑性樹脂は溶融し、成形時に平面状又は浅く引き伸ばされた凹部分に密着することにより、接着面積が増加し紙の凹凸形成面と熱可塑性樹脂層面の接着が安定する。
【0008】
さらに具体的に示すならば、紙/ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)構成の積層体の場合、PE樹脂層は溶融したいがPP樹脂層までは溶融する必要はないので、成形時にPE樹脂層の融点程度の温度まで加熱することによって、PE樹脂層は溶融し、成形時に平面状又は浅く引き伸ばされた凹部分に密着することにより、接着面積が増加し紙の凹凸形成面と熱可塑性樹脂層(PE)面の接着が安定する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記フランジ部が平面状であることを特徴とするフランジ部を有する成形紙トレーである。
【0010】
このように、請求項2の発明によれば、伸び性のある紙を使用しているので、フランジ部は折り曲げじわ等がなく、平面状に仕上がる。平面状であるので蓋材との密封シールが容易に可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のフランジ部を有する成形紙トレーを一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明のフランジ部を有する成形紙トレーに使用する積層体の層構成を示す断面説明図であり、(1)は積層体、(2)は紙、(3)は熱可塑性樹脂層を表す。
【0013】
紙(2)は、積層体(1)の主体となるもので、予めライン状の凹凸を少なくとも一方向に形成させた伸び性のある紙、更に詳しくは、NPiモールドペーパー(商品名、日本製紙株式会社製)が好適に使用できる。
なお、この紙の伸び率は、従来の板紙の縦方向で20〜40%程度、横方向で10〜25%程度の値を示す。
坪量は、特に限定されないが、50〜400g/m2 程度が好ましい。
【0014】
熱可塑性樹脂層(3)は、成形性、耐熱性、成形紙トレーに被せる蓋材とのシール性等の機能を有する必要があり、PE/PPの積層体が好ましく使用することができる。熱可塑性樹脂層(3)の厚さは、特に限定されないが、作業性、経済性等を考慮すると10〜400μm程度が好ましい。
【0015】
紙(2)の凹凸形成面のみに熱可塑性樹脂層(3)を積層した場合には、熱可塑性樹脂層(3)を積層しない方の面にも、別の熱可塑性樹脂層(4)(例えば、PE(20μm)を積層しておくと、耐水性が付与され成形紙トレーの使用上好都合である(図2参照)。
【0016】
また、図示してはいないが、熱可塑性樹脂層/紙/熱可塑性樹脂層/紙/熱可塑性樹脂層のような多層構成の積層体とすることも可能である。
【0017】
紙(2)と熱可塑性樹脂層(3)の積層、あるいは熱可塑性樹脂層同士の積層方法としては、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ノンソルベントラミネート法、溶融押し出しラミネート法等の公知のラミネート法を用いて行うことができ、接着性向上のため、コロナ放電処理を行うこともできる。
なお、いずれの加工法の場合も、紙又は接着剤と接する熱可塑性樹脂は無延伸の熱可塑性樹脂が望ましい。
【0018】
こうして作製した積層体(1)に熱可塑性樹脂層(3)面から熱を加えた後、圧空成形法、真空成形法又はプレス成形法を用いて、若しくは圧空成形法と真空成形法を併用して、図3に示すような、平面状のフランジ部(11)を有する本発明のフランジ部を有する成形紙トレー(10)が作製される。
【0019】
【発明の効果】
上記のように、本発明のフランジ部を有する成形紙トレーは、形状の自由度が高く、フランジ部が平面状であるので密封性が高く、かつ、作業も一工程で済み作業効率が良い。
トレーの内面にライン状の凹凸が一方向に入っているので、内容物を取り出す際に、取り出し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフランジ部を有する成形紙トレーに使用する積層体の層構成の一実施例を示す、断面説明図である。
【図2】 本発明のフランジ部を有する成形紙トレーに使用する積層体の層構成の別の実施例を示す、断面説明図である。
【図3】 本発明のフランジ部を有する成形紙トレーの一実施例を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
1‥‥積層体
1’‥積層体
2‥‥紙
3‥‥熱可塑性樹脂層
4‥‥別の熱可塑性樹脂層
10‥‥成形紙トレー
11‥‥フランジ部
Claims (2)
- 予めライン状の凹凸を少なくとも一方向に形成させた伸び性のある紙の凹凸形成面に、ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)構成の熱可塑性樹脂層をPE面を対向させて紙/PE/PP構成の積層体とし、PP樹脂面からPEの融点温度まで加熱後、圧空成形法、真空成形法、真空圧空成形法又プレス成形法のいずれかの成形法により成形したことを特徴とするフランジ部を有する成形紙トレー。
- 前記フランジ部が平面状であることを特徴とする請求項1記載のフランジ部を有する成形紙トレー。
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JP2001334382A JP3985496B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | フランジ部を有する成形紙トレー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003293300A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-15 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 真空成形又は圧空成形に適した成形用紙 |
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2001
- 2001-10-31 JP JP2001334382A patent/JP3985496B2/ja not_active Expired - Lifetime
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