JP2000296825A - 紙製容器とその加工方法 - Google Patents

紙製容器とその加工方法

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JP2000296825A
JP2000296825A JP10842699A JP10842699A JP2000296825A JP 2000296825 A JP2000296825 A JP 2000296825A JP 10842699 A JP10842699 A JP 10842699A JP 10842699 A JP10842699 A JP 10842699A JP 2000296825 A JP2000296825 A JP 2000296825A
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resin layer
paper
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container
wrinkles
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JP10842699A
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Toru Yoshimi
徹 吉見
Kazuo Tajima
一雄 田島
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙と熱可塑性樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂
層との積層シートから成形した紙製容器において、成形
時に生じた折り畳み皺の隙間をリム部で塞ぐことによ
り、内容物の液の滲出や漏出を防止する。 【解決手段】 紙1aと熱可塑性樹脂層1bとの積層シ
ート10から前記樹脂層を内面側にして成形した紙製容
器1として、成形時に側壁部2からリム部3にかけて生
じた折り畳み皺4による隙間5を、前記リム部3におい
て超音波処理して皺内に巻き込まれた前記樹脂層1bを
溶着することにより塞いで、液の滲出を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙を基材とする容
器、特に紙と熱可塑性樹脂層との積層シートから成形し
た紙製容器、あるいはこれに蓋体を接合した紙製容器と
その加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、簡易食品容器として、従来のプラ
スチック製の成形容器に代わり、易廃棄性で電子レンジ
での加熱等の高温での使用が可能な容器として、また冷
凍食品に使用できる容器として、紙を基材として、食品
と接する側の表面(内面)に耐熱性に優れるポリエステ
ル系樹脂フィルム等の樹脂フィルムを積層したシートよ
りなる紙製容器が開発され、一般に使用されるようにな
っている。
【0003】この紙製容器を製造するには、外観上の美
感や製造効率の面からプレス成形法が望まれるが、紙を
基材とする平板状の積層シートから容器を成形する場
合、基材である紙が殆ど伸びを有さないものであるた
め、成形金型の周囲より前記積層シートを金型内に引き
込むようにして所望の容器形状に成形することになる。
このとき、容器側壁部からフランジ状のリム部にかけて
多数の皺が発生する。この皺は、その成形時に金型によ
りプレスされることにより、容器外側に折り畳まれて表
面(内面)が平滑化される。
【0004】このようなプレス成形法によって成形され
る紙製容器は、液状のパルプ材(添加剤を含む紙料)を
漉き上げて成形する紙製容器と比較すると、強度や深絞
り性能の点では劣るが、その一方で、ポリエステル系樹
脂フィルム等の各種樹脂フィルムと複合化し易く、また
前記のようにプレスされて折り畳まれた皺(以下、折り
畳み皺という)が容器の補強作用を果し、比較的薄い紙
でも実用に耐える強度が得られる利点があり、コストパ
フォーマンスの良い商品として広く普及してきている。
【0005】また、前記のプレス成形において、深絞り
性能を向上させるために、所定の形状に打ち抜いた素材
を成形機にかける前に、放射状のスコア(線状の傷)を
施しておいて、成形時に発生する折り畳み皺の形成を意
図的に促すことが提案されている(特開昭63−176
130号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように成形される従来の紙製容器、すなわち側壁部から
フランジ状のリム部にかけて多数の折り畳み皺を有する
紙製容器において、折り畳み皺は容器の強度アップに貢
献する一方で、食品容器としては大きな問題を有してい
る。
【0007】すなわち、前記の折り畳み皺はプレスされ
て容器外側に折り畳まれた状態であっても、容器内面か
ら連続して皺内に折り込まれた面同士は結合されておら
ず、接していても微小な隙間を有することになる(図5
参照)。そのため、収容される食品がパン、サラダ、グ
ラタン等の水分が少なく、かつ高い粘性を有する食品で
ある場合には問題にならないが、粘性の低い液状食品を
収容した場合には、内容物の液が折り畳み皺の隙間に浸
透して毛細管現象によりリム部まで上昇し、そのまま放
置しておくと容器外部にまで滲出することになり、甚し
い場合には液漏れ状態となって、流通や保管時に容器を
置いたテーブルや棚等を汚してしまうという問題があっ
た。
【0008】特に、容器のリム部にシート状の蓋体を接
合しシールした場合にも、前記折り畳み皺の内部に微小
な隙間が存在しており、前記の液の滲出を防止できない
ものであった。
【0009】なお、容器の成形後に、成形時に生じた折
り畳み皺の隙間の全てを完全に塞いでしまうのは、皺の
不規則性からみても容易でなく、またコスト高でもあ
る。
【0010】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、紙と熱可塑性樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂層との
積層シートから成形した紙製容器において、成形時に生
じた折り畳み皺による隙間をリム部で塞ぐことにより、
内容物の液の容器外部への滲出や漏れを防止するように
したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の紙製容器は、紙と熱可塑性樹脂層との積層シート
から前記樹脂層を内面側にして成形した容器であって、
成形時に側壁部からリム部にかけて生じた折り畳み皺に
よる隙間を、前記リム部において前記樹脂層を溶着して
塞いだことを特徴とする。
【0012】この紙製容器によれば、成形によって生じ
た折り畳み皺の隙間がリム部において樹脂層の溶着によ
り塞がれているため、液状食品等の内容物の液が折り畳
み皺の隙間に浸透して毛細管現象によりリム部まで上昇
したとしても、前記の隙間を塞いだ溶着部分で遮断され
て、容器外部への滲出や液漏れが防止される。
【0013】しかも、前記のように隙間を塞いだ個所は
樹脂層の溶着によるものであるため、外力を受けて変形
したりしても開くおそれがない。
【0014】請求項2の発明は、前記の紙製容器を本体
とし、該本体の折り畳み皺の隙間を塞いだリム部に蓋体
を接合しシールしてなるものである。
【0015】この場合、蓋体が接合されたリム部におい
て折り畳み皺の隙間が塞がれているので、成形による紙
製容器を本体とするものであっても、容器内部を気密状
態に良好に保持でき、内容物の液が蓋体の接合部や折り
畳み皺の隙間から外部に滲出するおそれがなく、液状食
品の密封包装容器として好適に使用できる。
【0016】前記の紙製容器において、積層シートの熱
可塑性樹脂層が結晶性ポリエステル系樹脂フィルムより
なり、該フィルムの厚みが0.01〜0.2mm、好ま
しくは0.02〜0.1mm、基材となる紙の厚みが
0.3〜1.5mm、好ましくは0.5〜1.0mmで
あるものが、平板状の積層シートからの成形性あるいは
食品容器等としての使用上の耐熱性や保形性等の点から
好適である。
【0017】請求項4の発明は請求項1の発明の紙製容
器の加工方法に係るものであって、紙層と熱可塑性樹脂
層との積層シートから前記樹脂層を内面にして成形した
容器を、そのリム部において加熱処理することにより、
成形時に生じた折り畳み皺内で前記樹脂層を溶着させ
て、該折り畳み皺の隙間を塞ぐことを特徴とする。
【0018】このように加熱処理することにより、リム
部において折り畳み皺内に巻き込まれた樹脂層同士が接
触部で溶着一体化して、該折り畳み皺の隙間が塞がれ
る。特に、前記の加熱処理を超音波処理によって行なう
ことにより、内部まで確実にかつ効率よく塞ぐことがで
き、しかも外観面の品質を損なうことなく容易に処理で
きる。
【0019】前記の加工方法において、成形された紙製
容器のリム部に対して熱可塑性樹脂層を有する蓋体を接
合する際、前記リム部において加熱処理することによ
り、前記蓋体をリム部に接合すると同時に、前記リム部
における折り畳み皺内で樹脂層を溶着して該折り畳み皺
の隙間を塞ぐこともできる。これにより、蓋体の接合を
利用して前記折り畳み皺の隙間を効率よく塞ぐことがで
きる。また前記の加熱処理を超音波処理によって行なう
ことにより、前記折り畳み皺の隙間をその内部まで確実
に塞ぐことができる。
【0020】前記の超音波処理において、超音波の出力
周波数が10〜40kHz、処理面の幅が1〜10m
m、処理面に対する加圧力が4〜7kgf/cm
処理時間が0.5〜3秒であるのが好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
示す実施例に基いて説明する。
【0022】図1は本発明に係る紙製容器の斜視図、図
2は同上の一部の拡大斜視図、図3は同上のX−X線の
拡大断面図、図4は同上のY−Y線の拡大断面図、図5
は同上の超音波処理する前の拡大断面図である。
【0023】図において、(1)は基材となる紙(1
a)と熱可塑性樹脂層(1b)との積層シート(10)
から前記樹脂層(1b)を内面側にしてプレス成形等の
手段により成形された紙製容器であり、その側壁部
(2)の上端に外方へ張り出したフランジ状のリム部
(3)を有している。図は平面略楕円形の容器を示して
いるが、平面円形や四隅部に丸みをつけた平面略四角形
の容器の場合もある。
【0024】また前記積層シート(10)の熱可塑性樹
脂層(1b)としては、種々の熱可塑性樹脂フィルムを
使用でき、また熱可塑性樹脂のコーティング層であって
もよいが、加熱食品を収容したり、電子レンジでの加熱
に使用する食品容器としては耐熱性に優れる樹脂フィル
ム、中でも結晶性ポリエステル系樹脂フィルムが特に好
適に用いられる。実施上は、ポリエステル系樹脂フィル
ムの厚みが0.01〜0.2mm、好ましくは0.02
〜0.1mm、紙の厚みが0.3〜1.5mm、好まし
くは0.5〜1.0mmの積層シート(10)が好適に
用いられる。
【0025】この紙製容器(1)は、平板状の前記積層
シート(10)から所望の凹形状に成形されるが、この
際、成形による寸法変化を吸収するよう前記側壁部
(2)からリム部(3)にかけて多数の折り畳み皺
(4)が形成されている。この折り畳み皺(4)は不規
則に形成される場合も、また規則的に形成される場合も
ある。この折り畳み皺(4)は、前記成形時に金型によ
りプレスされることにより、容器外側に折り畳まれて表
面(内面側)が平滑化されている。通常、折り畳み皺
(4)は、図5に拡大して示すように容器内面から皺内
に折り畳まれた面同士が結合されておらず、ごく微小な
隙間(5)を有している。
【0026】前記折り畳み皺(4)は、前記リム部
(3)において、後述する超音波処理等の手段で加熱処
理されることにより、皺内に巻き込まれた熱可塑性樹脂
層(1b)同士が接触部で溶着一体化せしめられて、該
折り畳み皺(4)の隙間(5)が塞がれた状態になって
いる。(4a)は隙間を塞いだ溶着部分を示す。
【0027】このように折り畳み皺(4)の隙間(5)
が塞がれていると、容器内に収容した液状食品等の内容
物の液が前記折り畳み皺(4)の隙間(5)に浸透して
毛細管現象によりリム部(3)まで上昇したとしても、
前記リム部(3)における前記溶着部分(4a)で遮断
されて、容器外部への滲出が阻止され、液漏れが防止さ
れる。
【0028】前記の紙製容器(1)は、これを単独であ
るいは被嵌自在な成形蓋(図示せず)と組合せて使用す
るほか、図6および図7のように、該容器(1)を本体
として、少なくとも下面に熱可塑性樹脂層を有する蓋体
(6)を、前記折り畳み皺(4)の隙間を塞いだリム部
(3)に溶着手段等により接合しシールして使用するこ
ともできる。
【0029】この場合、本体となる容器(1)の成形時
に生じた折り畳み皺(4)の隙間(5)を、蓋体(6)
を接合するまでの工程において、上記同様にリム部
(3)で熱可塑性樹脂層(1b)の溶着により塞いでお
くことも、また蓋体(6)をリム部(3)に接合するの
と同時に前記隙間(5)を前記樹脂層(1b)の溶着に
より塞ぐこともできる。
【0030】この実施例の容器の場合、リム部(3)と
蓋体(6)の接合部(7)が気密に保持されるととも
に、この接合部(7)の下の折り畳み皺(4)の隙間
(5)も塞がれているため、容器が気密性よく保持さ
れ、内容物の液が前記接合部(7)や折り畳み皺(4)
の隙間(5)から容器外部に滲出することがなく、液状
食品等を封入して包装する密封包装容器として好適に使
用できる。
【0031】前記の蓋体(6)は、リム部(3)に対し
て接着剤を使用して接合することもできるが、熱溶着手
段により接合するのが望ましい。この場合、蓋体(6)
として、少なくともリム部(3)に接合される下面に容
器(1)表面の熱可塑性樹脂層(1b)と同系のポリエ
ステル系樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂層(6b)を有
するシートを用いて形成する。例えば前記熱可塑性樹脂
の単層のシートのほか、図のように合成樹脂や紙等の基
材層(6a)の下面に熱可塑性樹脂層(6b)を設けた
積層シートを用いて形成することができる。
【0032】上記の実施例における紙製容器(1)にお
いて、リム部(3)で折り畳み皺(4)の隙間(5)を
溶着して塞ぐ手段としては、熱プレス等によって、積層
シート(10)の熱可塑性樹脂層(1b)の溶融温度以
上に外部から加熱して処理する方法で実施することがで
きる。このとき、加熱温度が低すぎると、表面層のみが
溶融して内部まで溶着できず、また高すぎると、表面の
溶融部分が凹んで外観が損なわれ、また強度が低下する
場合があるので、前記熱可塑性樹脂層(1b)の材質等
に応じて加熱温度等の処理条件を設定する。
【0033】さらに好ましくは、超音波処理を利用し
て、リム部(3)において成形による折り畳み皺(4)
の隙間(5)を塞ぐ方法がある。
【0034】この超音波処理は、プラスチック容器のス
ポット的熱溶着加工方法として広く利用されている公知
の技術であり、その原理は、超音波振動をエネルギーと
して素材を強振動させることで、接触面(同一素材同士
の境界面)に摩擦熱を与えて熱溶着させる方法である。
この超音波処理によれば、前記リム部(3)に対し上面
より超音波振動エネルギーを与えることにより、容器表
面の熱可塑性樹脂層(1b)を変化させずに、折り畳み
皺(4)の内部に巻き込まれている熱可塑性樹脂層(1
b)同士の接触部を熱溶着させることができる。
【0035】その処理の1例を示すと、超音波プラスチ
ックウエルダーを使用し、図8のように、成形された紙
製容器(1)のリム部(3)を、受治具(20)の所要
幅の凸状をなす加熱処理部(21)上に載置するととも
に、このリム部(3)の上面に超音波振動子(22)を
押し当て所定の圧力を加えた状態において、超音波振動
エネルギーを与えて強振させ、これにより折り畳み皺
(4)内に巻き込まれている熱可塑性樹脂層(1b)を
前記加熱処理部(21)の幅で溶着一体化させるもの
で、これにより前記隙間(5)を塞ぐことができる。
【0036】この超音波処理の条件は、熱可塑性樹脂層
(1b)の素材の種類や厚み等によっても異なるが、厚
みが0.01〜0.2mmのポリエステル系樹脂フィル
ムよりなる場合は、超音波の出力周波数は10〜40k
Hz、好ましくは15〜20kHzとし、処理面に対す
る加圧力を4〜7kgf/cm、処理時間を0.5
〜3秒として処理するのがよい。これにより、外観の品
質を損なわず、かつ過不足なく内部まで確実に溶着でき
ることになる。
【0037】なお、処理面の幅(図1および図2の鎖線
間の部分)は、前記受治具(20)の加熱処理部(2
1)の幅によって適宜設定でき、例えば、リム部(3)
の張出し寸法と略一致するものであってもよいが、実施
上は1〜10mmの範囲のものが好ましい。この幅が前
記範囲より小さくなると、超音波処理による溶着強度が
低く、隙間を塞いだことによる効果が充分に得られない
場合があり、好ましくない。
【0038】また、リム部(3)に蓋体(6)が接合さ
れた図6および図7の実施例の紙製容器(1)の場合、
図9のようにリム部(3)に対して蓋体(6)を接合す
る際に、本体となる前記容器(1)のリム部(3)を受
治具(20)の加熱処理部(21)の上に載置するとと
もに、その上に蓋体(6)の熱可塑性樹脂層(6b)の
側を下にして載接し、このリム部(3)における蓋体
(6)の上に超音波振動子(22)を押し当てて加圧し
た状態で超音波処理を行う。これにより、蓋体(6)の
熱可塑性樹脂層(6b)と容器表面の熱可塑性樹脂層
(1b)との接触部が熱溶着されて接合されるととも
に、これと同時に、リム部(3)における折り畳み皺
(4)内に巻き込まれている熱可塑性樹脂層(1b)同
士の接触部が熱溶着されて、該折り畳み皺(4)による
隙間(5)が塞がれることになる。
【0039】これにより、蓋体(6)の接合を利用し
て、一度に折り畳み皺(4)の隙間(5)を溶着して塞
ぐことができ、容易に効率よく処理できる。
【0040】図10は、上述の図8および図9の超音波
処理における超音波振動子(22)の下面(受治具との
対向面)が平面であるのに対して、受治具(20)の凸
状の加熱処理部(21)と咬み合う凸部(23)を下面
に有する超音波振動子(22)を用いて処理する場合を
示している。この場合、前記加熱処理部(21)と凸部
(23)の間に挟まれたリム部(3)の部分に対し超音
波エネルギーを効率よく与えることができ、下面が平面
の場合よりも、超音波処理効率を高めることができる。
【0041】(実施例)短径120mm、長径180m
m、深さ35mmの平面略楕円形の容器で、使用素材と
して、外層:紙 厚み0.9mm、内層:結晶性ポリエ
チレンテレフタレート樹脂フィルム 厚み0.08mm
で、トータル厚みが1mm(接着層を含む)の積層シー
トを用い、これをプレス成形して、図1のような容器を
得た。この容器は、側壁部からリム部にかけて多数の皺
が生じた。この皺は金型のプレスによって容器外側に折
畳まれた状態であった。
【0042】この容器を、図8のように超音波プラスチ
ックウエルダーの受治具(20)上にセットして、下記
の条件で超音波処理を行なった。
【0043】 処理面の幅:5mm 出力周波数:15kHz 処理面に対する超音波振動子の加圧力:5.5kgf/
cm 処理時間:未処理、1.5秒および2.5秒の3種 こうして処理した3種の容器に、それぞれ30ccの水
と1ccの赤インクを混合した液を収容して、24時間
経過後、毛細管現象による液の滲出状態と液漏れ状態を
観察した。その結果は、下記の表1のとおりであった。
【0044】
【表1】 上記の結果、超音波処理した容器は、未処理の容器に比
べて、折り畳み皺の隙間からの毛細管現象による液の滲
出および液漏れが防止されており、容器の強度の低下も
見られなかった。特に、処理時間が2.5秒で処理した
容器は、液漏れは全く見られず、インクの滲出もなかっ
た。
【0045】
【発明の効果】上記したように本発明の紙製容器は、紙
と熱可塑性樹脂層との積層シートから成形された容器で
あって成形時に生じた折り畳み皺を有するものであって
も、この折り畳み皺の隙間がリム部において塞がれてい
るため、流通時や保管時に内部の液が前記折り畳み皺の
隙間を通じて毛細管現象で外部に滲出したり液漏れする
おそれがない。
【0046】しかも前記の隙間を塞いだ個所は樹脂層の
溶着により閉塞されているため、流通時に外力を受けて
変形したりしても開くことがなく、前記液の滲出防止効
果を良好に保持できる。
【0047】それゆえ、本発明の紙製容器は、粘性の殆
どない液状物を収容する容器にも問題なく好適に使用で
きる。
【0048】また、リム部に蓋体を接合した場合には、
容器内部を気密状態に良好に保持でき、内容物の液が蓋
体の接合部や折り畳み皺の隙間から外部に滲出するおそ
れがなく、紙を基材とする紙製容器であっても、液状食
品の密封包装容器として使用することもできる。
【0049】特に、超音波処理により皺内の樹脂層を溶
着した場合には、内部まで確実に溶着できる上、直接加
熱押圧して処理するのとは違い、外観に変化を与えずに
処理でき、外観上の品質を損わず、体裁良好なものが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す斜視図である。
【図2】同上の一部の拡大斜視図である。
【図3】同上のX−X線の断面図である。
【図4】同上のY−Y線の拡大断面図である。
【図5】同上の超音波処理前の拡大断面図である。
【図6】蓋つきの紙製容器の実施例を示す一部を欠截し
た斜視図である。
【図7】同上の超音波処理した折り畳み皺の拡大断面図
である。
【図8】紙製容器の超音波処理時の断面説明図である。
【図9】蓋つき紙製容器の超音波処理時の断面説明図で
ある。
【図10】紙製容器の超音波処理時の他の例を示す断面
説明図である。
【符号の説明】
(1) 紙製容器 (1a) 紙 (1b) 熱可塑性樹脂層 (10) 積層シート (2) 側壁部 (3) リム部 (4) 折り畳み皺 (4a) 溶着部分 (5) 隙間 (6) 蓋体 (6a) 基材層 (6b) 熱可塑性樹脂層 (7) 接合部 (20) 受治具 (21) 加熱処理部 (22) 超音波振動子 (23) 凸部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙と熱可塑性樹脂層との積層シートから前
    記樹脂層を内面側にして成形した容器であって、成形時
    に側壁部からリム部にかけて生じた折り畳み皺の隙間
    を、前記リム部において前記樹脂層を溶着して塞いだこ
    とを特徴とする紙製容器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の紙製容器を本体とし、該
    本体の折り畳み皺の隙間を塞いだリム部に蓋体を接合し
    シールしてなることを特徴とする紙製容器。
  3. 【請求項3】積層シートの熱可塑性樹脂層が結晶性ポリ
    エステル系樹脂フィルムよりなり、該フィルムの厚みが
    0.01〜0.2mm、紙の厚みが0.3〜1.5mm
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙製
    容器。
  4. 【請求項4】紙と熱可塑性樹脂層との積層シートから前
    記樹脂層を内面側にして成形した容器を、そのリム部に
    おいて加熱処理することにより、成形時に生じた折り畳
    み皺内で前記樹脂層を溶着させ、該折り畳み皺の隙間を
    塞ぐことを特徴とする紙製容器の加工方法。
  5. 【請求項5】成形された紙製容器のリム部に対して少な
    くとも熱可塑性樹脂層を有する蓋体を接合する際、蓋体
    を載接した状態で前記リム部において加熱処理すること
    により、前記蓋体を前記リム部に溶着するとともに、同
    時に、前記リム部における折り畳み皺内で樹脂層を溶着
    して、該折り畳み皺の隙間を塞ぐことを特徴とする請求
    項4に記載の紙製容器の加工方法。
  6. 【請求項6】リム部の加熱処理を超音波処理により行な
    うことを特徴とする請求項4または5に記載の紙製容器
    の加工方法。
  7. 【請求項7】前記超音波処理において、超音波の出力周
    波数が10〜40kHz、処理面の幅が1〜10mm、
    処理面に対する加圧力が4〜7kgf/cm、処理
    時間が0.5〜3.0秒であることを特徴とする請求項
    6に記載の紙製容器の加工方法。
JP10842699A 1999-04-15 1999-04-15 紙製容器とその加工方法 Pending JP2000296825A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005002981A1 (ja) * 2003-06-16 2005-01-13 Kabushiki Kaisha Shuei 紙製容器及びその製造方法
JP2007161255A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Dainippon Printing Co Ltd 紙絞りトレー
JP2008087819A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Dainippon Printing Co Ltd 絞り成形紙製容器およびその製造方法

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