JP3177165B2 - 車両用内装部材及びその製造方法 - Google Patents

車両用内装部材及びその製造方法

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JP3177165B2
JP3177165B2 JP19980896A JP19980896A JP3177165B2 JP 3177165 B2 JP3177165 B2 JP 3177165B2 JP 19980896 A JP19980896 A JP 19980896A JP 19980896 A JP19980896 A JP 19980896A JP 3177165 B2 JP3177165 B2 JP 3177165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン樹脂粉
末にウエット法によりチョップドガラス繊維が混合され
たシート状基材から成形された、ラゲージフロア、リヤ
パッケージトレイなどとして利用される、中空部を有す
る車両用内装部材、及びその車両用内装部材を製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン樹脂粉末にウエット法により
チョップドガラス繊維が混合されたシート状基材は、ド
ライ法と称される、例えばインターナルミキサー内で溶
融オレフィン樹脂にチョップドガラス繊維を混合した材
料に比べて、ガラス繊維が元の長さを保ちつつモノフィ
ラメント状に分散しているので、このシート状基材をフ
ロー成形、スタンピング成形、貼合成形などによって成
形する際、成形時の流動性がよく、しかも完成した成形
品の機械的性質も優れていることが知られている。
【0003】ところで、車両用内装部材においては、よ
り軽量で、かつより剛性と強度の高い成形品が求め続け
られている。そこで、オレフィン樹脂粉末にウエット法
によりチョップドガラス繊維が混合された2枚のシート
状基材を熱成形しながら、その両シート状基材の間に圧
縮空気を導入して、内部が中空な成形体を製造すること
が考えられる。このような成形体は、その剛性が大きい
だけでなく軽量であり、車両用内装部材に最適である。
【0004】ところが、このシート状基材はチョップド
ガラス繊維が高度に充填されているため、これを熱成形
すべく、シート状基材をその成形前に加熱すると、その
基材が3〜5倍に膨張し、この膨張により、シート状基
材が通気性となるため、2枚のシート状基材間に圧縮空
気を導入して、軽量で高強度の中空体を得るための圧空
成形法を採用することができない。さらに、そのような
2枚のシート状基材を直接加圧融着した成形品は、その
接合面に歪みが残るため熱衝撃に弱いという欠点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、オレフィン樹脂粉末にウエット法によってチョップ
ドガラス繊維を混合して成るシート状基材の内部を中空
に形成し、その基材の利点を最大限に生かしつつ、高い
剛性と強度、並びに軽量化を図ることができ、しかも熱
衝撃に強い車両用内装部材を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、上述した車両用内
装部材の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第1の目
的を達成するため、熱成形された非通気性の2枚のオレ
フィン樹脂シートにより内部に中空部が区画形成され、
各オレフィン樹脂シートの外表面に、オレフィン樹脂粉
末にウエット法によってチョップドガラス繊維を混合し
て成る熱成形された第1及び第2のシート状基材がそれ
ぞれ一体に積層されていることを特徴とする車両用内装
部材を提案する。
【0008】その際、2枚のオレフィン樹脂シート間
に、そのオレフィン樹脂の溶融温度より高い溶融温度を
有する繊維布もしくは不織布が介在していると有利であ
る。
【0009】また、上記各構成において、第1及び第2
のシート状基材の少なくとも一方の外表面に、表層材が
貼着されていると有利である。
【0010】同じく、本発明は、上記第2の目的を達成
するため、オレフィン樹脂粉末にウエット法によってチ
ョップドガラス繊維が混合された第1のシート状基材、
非通気性の2枚のオレフィン樹脂シート、及びオレフィ
ン樹脂粉末にウエット法によってチョップドガラス繊維
が混合された第2のシート状基材を、加熱した状態でそ
の順に重ね合わせて成る成形材料を、所望形状のキャビ
ティが設けられた成形型間に配置し、その成形型を型締
めするとともに、2枚のオレフィン樹脂シート間に圧縮
空気を導入して、前記第1及び第2のシート状基材をそ
れぞれ成形型の成形面側に圧着させて、第1及び第2の
シート状基材並びに2枚のオレフィン樹脂シートを熱成
形しながら、2枚のオレフィン樹脂シートの間に中空部
を形成することを特徴とする車両用内装部材の製造方法
を提案する。
【0011】その際、2枚のオレフィン樹脂シート間
に、そのオレフィン樹脂の溶融温度より高い溶融温度を
有する繊維布もしくは不織布を介在させて、第1及び第
2のシート状基材、並びに2枚のオレフィン樹脂シート
を熱成形すると有利である。
【0012】また、上記各製造方法において、第1及び
第2のシート状基材の少なくとも一方の外表面に、表層
材を重ね合わせ、当該第1及び第2のシート状基材、並
びに2枚のオレフィン樹脂シートを熱成形すると有利で
ある。
【0013】さらに、上記各製造方法において、一対の
成形型の少なくとも一方に切断刃を設け、その成形型の
型締めにより、成形材料の成形と同時に、その周囲をト
リミングすると有利である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用内装部
材と、その製造方法の実施形態例を図面に従って詳細に
説明する。
【0015】図1は上型1及び下型2とからなる成形型
間に、第1のシート状基材31、非通気性の2枚のオレ
フィン樹脂シート41,42、及び第2のシート状基材
32を、加熱した状態でその順に重ね合わせて成る成形
材料を配置した状態を示す断面図である。図1の例で
は、この成形材料が下型2上に配置される。第1及び第
2のシート状基材31,32は、オレフィン樹脂粉末に
ウエット法によってチョップドガラス繊維が混合された
ものから成る。
【0016】成形型には、所望形状のキャビティが設け
られ、この例では、上型1は平坦な成形面を有する板状
に形成され、下型2の成形面が所望形状に掘削されたキ
ャビティ21を有している。またこの下型2には、キャ
ビティ21の底から型の外部に通じる空気抜き孔22
と、上型1との型合わせ面には型外周からキャビティ2
1に通ずる切り込み23が設けられている。
【0017】本発明で使用される、オレフィン樹脂粉末
にウエット法によりチョップドガラス繊維が混合された
第1及び第2のシート状基材31,32は、例えば、粉
末状のプロピレン樹脂100重量部に、径10〜20μ
mで長さ10〜20mmのチョップドガラス繊維40〜7
0重量部を水中で分散混合し、抄紙法で脱水、乾燥し、
加熱工程を経てシート化したものであり、その厚さは例
えば0.5〜3.5mm程度のものである。かかる第1及
び第2のシート状基材31,32は、180〜230℃
の成形温度に加熱すると厚さが元のシート厚さの約3〜
5倍に膨張し、通気性となる。
【0018】また、本発明に使用される非通気性のオレ
フィン樹脂シート41,42は、例えば、厚さ0.2〜
0.7mmのポリプロピレンシートである。一般には前記
の第1及び第2のシート状基材31,32の成分樹脂と
同一の樹脂からなる非通気性のシートが使用される。
【0019】成形前に、第1及び第2のシート状基材3
1,32及びオレフィン樹脂シート41,42は、オー
ブン中で遠赤外線ヒータを用いて、180〜230℃程
度の温度で加熱され、これによってこれらのシート状基
材31,32は通気性となる。その際、これらを重ね合
せた後に、その各材料を加熱してもよいし、これらを加
熱してから重ね合せてもよく、その方法は適宜選択でき
る。例えば、第2のシート状基材32の上にオレフィン
樹脂シート42を重ねたものと、オレフィンシート樹脂
シート41の上に第1のシート状基材31を重ねたもの
とに分けて加熱することができ、或いは第1のシート状
基材31、2枚のオレフィン樹脂シート41,42、及
び第2のシート状基材32を、その順に重ね合わせた状
態で加熱することもできる。
【0020】前述のように、第1のシート状基材31、
2枚のオレフィン樹脂シート41,42、及び第2のシ
ート状基材32を、加熱した状態でその順に重ね合わせ
て成る成形材料を、所望形状のキャビティ21が設けら
れた成形型間に配置したのち、図2に示すように、下型
2の切り込み23の位置で、2枚のオレフィン樹脂シー
ト41,42間にノズル5を挿入する。
【0021】つぎに、図3に示したように、上型1を図
示していない加圧装置により降下させ、上型1が成形材
料の上面にほぼ接したとき、ノズル5から圧縮空気を導
入する。そしてさらに上型1を下降させて、上型と下型
を完全に型締めする。型締め終了したのち、さらに20
〜30秒圧縮空気の導入を続ける。このときの圧縮空気
の圧力は、5〜10kg/cm2程度であり、このとき第2
のシート状基材32と下型2の成形面の間の空気は、空
気抜き孔22を通して外部に流出する。
【0022】圧縮空気の導入により、2枚のオレフィン
樹脂シート41,42は分離して、図4に示したよう
に、その上下に位置する第1及び第2のシート状基材3
1,32をそれぞれ上型1及び下型2の成形面に圧着さ
せる。したがって、第2のシート状基材32は、下型2
のキャビティの内面に密接する。このように、成形型を
型締めするとともに、非通気性の2枚のオレフィン樹脂
シート41,42間に圧縮空気を導入して、第1及び第
2のシート状基材31,32をそれぞれ成形型の成形面
側に圧着させて、第1及び第2のシート状基材31,3
2並びに2枚のオレフィン樹脂シート41,42を熱成
形しながら、2枚のオレフィン樹脂シート41,42の
間に中空部を形成するのである。
【0023】圧縮空気の導入を止め、10〜20秒経過
後、上型1を上昇させて、ノズル5を引き抜き、成形品
を取り出す。図5は得られた成形品6より成る車両用内
装部材を一部断面で示す斜視図である。この車両用内装
部材は、熱成形された非通気性の2枚のオレフィン樹脂
シート41,42により内部に中空部7が区画形成さ
れ、各オレフィン樹脂シート41,42の外表面に、オ
レフィン樹脂粉末にウエット法によってチョップドガラ
ス繊維を混合して成る熱成形された第1及び第2のシー
ト状基材31,32がそれぞれ一体に積層されている。
【0024】得られた成形品6の周辺において、2枚の
オレフィン樹脂シート41,42は、上下型1,2の型
締め圧により、完全に融着されているとともに、そのそ
れぞれに隣接する第1及び第2のシート状基材31,3
2のチョップドガラス繊維の隙間にまで侵入して融着さ
れる。またオレフィン樹脂シート41,42と、第1及
び第2のシート状基材31,32は相溶性が良好である
ため、前述の熱成形時に、一方のオレフィン樹脂シート
41と第1のシート状基材31、及び他方のオレフィン
樹脂シート42と第2のシート状基材32は、それぞれ
互いに強固に熱融着する。したがって、成形品6は強固
に一体化されている。そのうえ、第1及び第2のシート
状基材31,32の間にオレフィン樹脂シートが41,
42が存在することにより、成形品6の熱衝撃強度が向
上する。繊維の混入していない2枚のオレフィン樹脂シ
ート41,42が互いに接着するので、その硬化後も、
両シート41,42の接着部が比較的軟かく、これによ
って高い熱衝撃強度が保証されるのである。
【0025】上述した車両用内装部材の製造方法によれ
ば、第1及び第2のシート状基材31,32の圧縮空気
に接する側に非通気性のオレフィン樹脂シート41,4
2を介在させることにより、第1及び第2のシート状基
材31,32がその熱成形時に通気性があっても、成形
材料を支障なく圧空成形することができる。これによ
り、オレフィン樹脂粉末にウエット法によってチョップ
ドガラス繊維を混合して成るシート状基材の利点をその
まま生かしつつ、高い剛性と強度を有し、熱衝撃に強
く、その上、軽量化を図ることのできる内部が中空な車
両用内装部材を得ることができる。またその内部に複雑
な形態を有する中空部を形成することも可能である。
【0026】完成した成形品の外表面にリブを一体に形
成して、その剛性と強度をさらに向上させることもでき
るが、その際、オレフィン樹脂粉末にウエット法によっ
てチョップドガラス繊維が混合されたシート状基材3
1,32は、その成形時の流動性がよいため、これにリ
ブを一体成形したとき、当該リブの末端までガラス繊維
が均一に分散するので、リブによる補強効果を高めるこ
とができ、高い強度と剛性を有する車両用内装部材を得
ることができる。
【0027】図6は、別の実施形態例を示し、2枚のオ
レフィン樹脂シート41,42間に、そのオレフィン樹
脂の溶融温度より高い溶融温度を有する繊維布もしくは
不織布8を介在させて、第1及び第2のシート状基材3
1,32、並びに2枚のオレフィン樹脂シート41,4
2を熱成形して車両用内装部材を製造する方法を示して
いる。従って、完成した車両用内装部材は、2枚のオレ
フィン樹脂シート41,42間に、そのオレフィン樹脂
の溶融温度より高い溶融温度を有する繊維布もしくは不
織布8が介在したものとなっている。繊維布又は不織布
8としては、例えばポリエステル繊維の不織布などを用
いることができる。この実施形態例の車両用内装部材及
びその製造方法の他の構成は、先に説明した実施形態例
と変りはない。
【0028】重ね合わせた成形材料の加熱時やその成形
材料の成形型への運搬時などに、2枚のオレフィン樹脂
シート41,42が、成形材料の重みにより接着する
と、その熱成形時に2枚のオレフィン樹脂シート41,
42の間に圧縮空気を導入し難くなるか、又はそれが不
可能となる。そこで成形前の2枚のオレフィン樹脂シー
ト41,42の間に繊維布又は不織布8を介在させ、成
形材料の成形前に2枚のオレフィン樹脂シート41,4
2が成形材料の重みによって接着することを防止してい
るのである。このように、繊維布又は不織布が介在して
いても、成形材料の成形後には、成形品の周辺におい
て、2枚のオレフィン樹脂シート41,42は、型締め
時にその圧力により、繊維布又は不織布8の繊維の隙間
にまで侵入して、繊維と絡み合って融着するから、完成
した成形品はさらに強固に一体化される。
【0029】図7はさらに別の実施形態例における下型
2の斜視図である。この例では、下型2の型合わせ面に
凸条24が設けられていて、型締め時に、その凸条24
の上面に上型が当接する。このため、凸条24の上面の
狭い面で型締め圧を作用させることができ、これによ
り、成形材料をより一層確実に一体化させることができ
る。しかも、凸条24に当った成形材料部分に、その凸
条によって溝が形成されるため、この溝に沿って外形ト
リミングを行うことができ、そのトリミング作業を容易
化することができる。なおこの例のように、キャビティ
21が連続している場合は、1ヶ所のノズル5からの圧
縮空気の導入で成形可能であるが、ノズル5を複数個所
に設けて圧縮空気の導入を迅速に行うことが好ましい。
なおこの例では、空気抜き孔22は、幅1mmのスリット
となっている。図7に示した実施形態例の他の構成は、
前述の各実施形態例と変りはない。
【0030】また、以上説明した各実施形態例におい
て、第1及び第2のシート状基材31,32の少なくと
も一方の外表面に、表層材を重ね合わせ、当該第1及び
第2のシート状基材31,32、並びに2枚のオレフィ
ン樹脂シート41,42を熱成形して車両用内装部材を
製造することもできる。完成した車両用内装部材は、第
1及び第2のシート状基材31,32の少なくとも一方
の外表面に、表層材が貼着されている。かかる車両用内
装部材は、その外表面に表層材を有しているので、装飾
性と豪華さを現出させることができる。かかる商品価値
の高い車両用内装部材を、上述のように簡単に製造でき
るのである。
【0031】図8及び図9に断面図で示した例は、上型
1と下型2の型締めにより、成形材料の成形と同時に、
その周囲をトリミングするものである。上型1のキャビ
ティ11の周辺部に切断刃12を設け、これによって成
形材料を切断するとともに、その切断面を半円形に滑ら
かにする。切断刃を下型2に設けることもでき、また上
型1と下型2の両者に切断刃を設けることもできる。す
なわち、この実施形態例では、一対の成形型の少なくと
も一方に切断刃を設け、その成形型の型締めにより、成
形材料の成形と同時に、その周囲をトリミングするので
ある。かかる車両用内装部材の製造方法によれば、成形
後のトリミング作業が不要となり、能率よく内装部材を
成形することができる。なお、この実施形態例において
は、図示していないが、ノズルの周囲では、成形材料の
成形と同時のトリミングは行わず、ノズルを引き抜いた
後、遅れて別の刃で端末の成形とトリミングを行う。こ
の実施形態例の他の構成は、先に説明した各実施形態例
と変りはない。
【0032】上記実施形態例において、図面には示して
いないが、第1及び第2のシート状基材31,32の外
表面、即ち第1及び第2のシート状基材31,32が上
型1又は下型2の成形面に接する側に表層材を重ね合わ
せておくと、表層材は成形時に第1及び第2のシート状
基材31,32に貼着され、かつトリミングの際に上型
1側の表層材が、第1及び第2のシート状基材31,3
2及び2枚のオレフィン樹脂シート41,42の切断面
を覆うので、成形品の端末が美麗に仕上がる。
【0033】図10(a)乃至(f)は、先に説明した
各製造方法で作られた車両用内装部材の一部を切断して
示す断面図であり、いずれの場合も中空部7が形成され
ている。これらの図から判るように表層材9は成形品の
一方の外表面側、或いはその両方の外表面側に貼着する
ことができる。表層材9の材料としては、ポリエステル
不織布や、ポリプロピレン高発泡シートに軟質塩化ビニ
ル樹脂フィルム又は、熱可塑性エラストマーシートが表
皮として貼着されているものなどを採用することができ
る。
【0034】以上の実施形態例においては、成形型を上
下方向に型締めする場合を示したが、成形型を左右に配
置し、水平方向に型締めすることもできる。この場合、
成形材料をぶら下げた状態で、加熱したり、或いは成形
型間に配置することができるので、これによって2枚の
オレフィン樹脂シート41,42が成形前に接着するお
それを生じないときは、その間に前述の繊維布や不織布
8を介在させる必要はない。
【0035】第1及び第2のシート状基材31,32の
間に介在させる2枚のオレフィン樹脂シート41,42
は、第1及び第2のシート状基材31,32の成分樹脂
と同じ樹脂シートが使用するのが好ましいが、エチレン
酢酸ビニル共重合体のような、オレフィンに極性基を導
入した重合体を使用することもできる。
【0036】また上型1及び下型2の成形面に、型外部
に通じる排気孔を設けて、成形材料の圧空成形時に、真
空成形法を併用することもできる。
【0037】
【発明の効果】請求項1に記載の車両用内装部材によれ
ば、オレフィン樹脂粉末にウエット法によってチョップ
ドガラス繊維を混合して成るシート状基材の利点をその
まま生かし、かつその剛性と強度を高め、熱衝撃を強め
ることができる。
【0038】請求項2に記載の車両用内装部材によれ
ば、2枚のオレフィン樹脂シートの接着力をより一層高
め、全体の強度をより確実に高めることができる。
【0039】請求項3に記載の車両用内装部材によれ
ば、その装飾性と豪華さを高めることができる。
【0040】請求項4に記載の車両用内装部材の製造方
法によれば、第1及び第2のシート状基材の圧縮空気に
接する側に非通気性のオレフィン樹脂シートを介在させ
ることにより、第1及び第2のシート状基材が通気性で
あっても、圧空成形が可能となり、オレフィン樹脂粉末
にウエット法によってチョップドガラス繊維を混合して
成るシート状基材の利点をそのまま生かし、かつその剛
性と強度を高め、熱衝撃を強めた車両用内装部材を支障
なく製造することができる。
【0041】請求項5に記載の車両用内装部材の製造方
法によれば、成形材料の成形前に2枚のオレフィン樹脂
シートが接合することを防止でき、そのシート間に圧縮
空気を確実に導入することができる。しかも完成した車
両用内装部材の2枚のオレフィン樹脂シートの接着力を
より一層高め、全体の強度をより確実に高めることがで
きる。
【0042】請求項6に記載の車両用内装部材の製造方
法によれば、装飾性と豪華さを高めた車両用内装部材を
簡単に製造することができる。
【0043】請求項7に記載の車両用内装部材の製造方
法によれば、成形後のトリミング作業を不要なものとす
ることが可能であり、能率よく内装部材を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形型間に成形材料を配置した状態を示す断面
図である。
【図2】オレフィン樹脂シート間にノズルを挿入した状
態を示す断面図である。
【図3】図2の状態から上型を下降させ、ノズルから圧
縮空気を導入する直前の断面図である。
【図4】図3の状態から、さらに型締めを進め、ノズル
から圧縮空気を導入した状態を示す断面図である。
【図5】得られた成形品を一部断面で示す斜視図であ
る。
【図6】別の実施形態例を説明するための成形材料と成
形型の断面図である。
【図7】さらに別の実施形態例を説明するための下型の
斜視図である。
【図8】さらに別の実施形態例を説明するための成形型
と成形材料の断面図である。
【図9】図8に示した成形型の型締めが終了した状態を
示す断面図である。
【図10】製造された成形品の例を示す断面図である。
【符号の説明】
7 中空部 8 繊維布もしくは不織布 9 表層材 12 切断刃 21 キャビティ 31 第1のシート状基材 32 第2のシート状基材 41 オレフィン樹脂シート 42 オレフィン樹脂シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 9:00 22:00 31:58 (56)参考文献 特開 昭63−56429(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 51/10 - 51/14 B60R 7/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱成形された非通気性の2枚のオレフィ
    ン樹脂シートにより内部に中空部が区画形成され、各オ
    レフィン樹脂シートの外表面に、オレフィン樹脂粉末に
    ウエット法によってチョップドガラス繊維を混合して成
    る熱成形された第1及び第2のシート状基材がそれぞれ
    一体に積層されていることを特徴とする車両用内装部
    材。
  2. 【請求項2】 2枚のオレフィン樹脂シート間に、その
    オレフィン樹脂の溶融温度より高い溶融温度を有する繊
    維布もしくは不織布が介在している請求項1記載の車両
    用内装部材。
  3. 【請求項3】 第1及び第2のシート状基材の少なくと
    も一方の外表面に、表層材が貼着されている請求項1又
    は2記載の車両用内装部材。
  4. 【請求項4】 オレフィン樹脂粉末にウエット法によっ
    てチョップドガラス繊維が混合された第1のシート状基
    材、非通気性の2枚のオレフィン樹脂シート、及びオレ
    フィン樹脂粉末にウエット法によってチョップドガラス
    繊維が混合された第2のシート状基材を、加熱した状態
    でその順に重ね合わせて成る成形材料を、所望形状のキ
    ャビティが設けられた成形型間に配置し、その成形型を
    型締めするとともに、2枚のオレフィン樹脂シート間に
    圧縮空気を導入して、前記第1及び第2のシート状基材
    をそれぞれ成形型の成形面側に圧着させて、第1及び第
    2のシート状基材並びに2枚のオレフィン樹脂シートを
    熱成形しながら、2枚のオレフィン樹脂シートの間に中
    空部を形成することを特徴とする車両用内装部材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 2枚のオレフィン樹脂シート間に、その
    オレフィン樹脂の溶融温度より高い溶融温度を有する繊
    維布もしくは不織布を介在させて、第1及び第2のシー
    ト状基材、並びに2枚のオレフィン樹脂シートを熱成形
    する請求項4記載の車両用内装部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1及び第2のシート状基材の少なくと
    も一方の外表面に、表層材を重ね合わせ、当該第1及び
    第2のシート状基材、並びに2枚のオレフィン樹脂シー
    トを熱成形する請求項4又は5記載の車両用内装部材の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 一対の成形型の少なくとも一方に切断刃
    を設け、その成形型の型締めにより、成形材料の成形と
    同時に、その周囲をトリミングする請求項4乃至6のい
    ずれかに記載の車両用内装部材の製造方法。
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