JP3109569B2 - 合成樹脂中空構造体の製造方法 - Google Patents

合成樹脂中空構造体の製造方法

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JP3109569B2 JP3200396A JP3200396A JP3109569B2 JP 3109569 B2 JP3109569 B2 JP 3109569B2 JP 3200396 A JP3200396 A JP 3200396A JP 3200396 A JP3200396 A JP 3200396A JP 3109569 B2 JP3109569 B2 JP 3109569B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂中空構造体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂中空構造体として特開平
6−87155号公報に開示された技術が知られてい
る。この先行例は中空構造体を熱可塑性合成樹脂からな
る2枚のシートと、その2枚のシート間に介在されるシ
ートと同種の熱可塑性合成樹脂繊維からなる不織布とで
構成したり(後述では前者と称する)、熱可塑性合成樹
脂からなる2枚のシートと、その2枚のシート間に介在
された異材質の熱可塑性合成樹脂繊維からなる不織布
と、その不織布とシート間に介在される不織布にもシー
トにも接着可能な感熱性接着材フィルムとで構成してい
る(後述では後者と称する)。前者は2枚のシートで形
成される中空部の周縁における両シートの結合を不織布
と2枚のシートとの同一体な融着で行っており、また後
者は2枚のシートで形成される中空部の周縁における両
シートの結合を感熱性接着材フィルムによる不織布シー
トとの接着結合で行っている。上記両者とも2枚のシー
ト間に、そのシートと同材質の不織布や異材質の不織布
と感熱性接着材フィルムとを挟み込んで、成形用複合基
材を構成し、この成形用複合基材を加熱軟化させた後、
上下一対の成形型に挟み、不織布層に圧搾空気を注入し
2枚のシートを内側から加圧して賦形することによって
製造され、加熱軟化時の2枚のシートの互いの接触を防
止するセパレータとして機能する中間介在物が成形型に
よる加圧成形時に2枚のシートを同一体また一体的に結
合する結合材として使用されることから、旧来のクラム
シェル成形法のようにシートの加熱軟化時に2枚のシー
ト間に、これらを接触融着不能とする間隔をあける必要
がなくなり、成形品の形状に自在性を持たせることが可
能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の場合で
は2枚の熱可塑性合成樹脂からなるシートと同種の熱可
塑性合成樹脂繊維の不織布を使用する必要性から、不織
布の選択肢の制限によって所望の強度の製品を自由に得
られなくなる。また、後者のように2枚の熱可塑性合成
樹脂からなるシートとは異材質の熱可塑性合成樹脂繊維
の不織布と感熱性接着材フィルムとを使用すると、2枚
のシート同士が直接融着せず接合力が弱くなることから
強度的に信頼性が乏しく、しかも感熱性接着材フィルム
としてシートと不織布との双方に接着する材質のものを
選択せざるをえず、低廉下での提供をでき難くする。
【0004】本発明は、従来技術が有する上記問題点に
鑑みてなされたもので、その技術的課題は両者で中空部
を形成する相互に熱融着可能な2枚のシート間に、セパ
レータを介装して製造する合成樹脂中空構造体の製造方
法において、2枚のシートの加熱軟化に対しては、セパ
レータがシート相互の融着を防止し、中空部周縁の接合
に対してはセパレータの表裏連通性を利用して2枚のシ
ートを同一体に融着結合するようになすことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の合成樹脂中空構造体の製造方法では、請求項
1に記載するように、相互に熱融着可能な2枚の合成樹
脂シートの間に、これら両シートに融着しない材質から
なり、所定以上の加圧圧力下においてのみ良好な樹脂の
浸透性を有する薄肉シート状のセパレータを挟入して成
形用複合材料を用意し、この成形用複合材料を加熱軟化
させた後、上下一対の成形型に挟み込んで加圧すると共
に2枚のシート間に圧搾空気を注入して、両シートを上
記成形型のキャビティ内面に密接させて賦形すると同時
に、中空部以外の部分においては上記加圧により両シー
トの溶融樹脂をセパレータに浸透させ、このセパレータ
に浸透した樹脂により2枚のシートを同一体に融着接合
するものである。
【0006】そして、請求項2に記載するように、上記
製造法方においてシートの接合部の処理のために、成形
型には接合部を形成するシート挾着部に、接合部の外側
に隣接して局部的に強い圧力で締め付けるピンチオフ部
分を設けることが望ましい。
【0007】上記技術的手段によれば下記の作用を奏す
る。請求項1の製造法方では、成形用複合基材の加熱軟
化時に2枚のシートの溶融樹脂の浸透を不能にするセパ
レータの連通空隙が、エアー加圧による賦形時には2枚
のシートの溶融樹脂を浸透させて両シートを同一体に融
着させ、これにより独立した中空部を必要数備えた合成
樹脂中空構造体を製造する。
【0008】そして、請求項2の製造法方では、上記請
求項1の製造法方における型締めの際に、2枚のシート
の溶融樹脂がピンチオフ部分の圧力により接合部に向か
って流れ接合部から中空部内に食み出し、これが中空部
に注入されるエアー圧により、接合部の端面を肉盛状に
コートする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図4には本発明の合成樹
脂中空構造体の製造方法によって製造される合成樹脂中
空構造体について三つの態様が例示されている。まず、
図1及び図2に示す第1の態様について説明すると、図
中符号1は合成樹脂中空構造体である。
【0010】この合成樹脂中空成形体1は、図面では自
動車パッケージトレイとして示されており、合成樹脂製
の2枚のシート11,11とその2枚のシート11、11間に介
設されたセパレータ21とで構成されている。
【0011】2枚のシート11は、互いに熱融着する合成
樹脂材料でシート状に成形されている。この2枚のシー
ト11は熱可塑性の合成樹脂材、例えばABS樹脂、AE
S樹脂、PS樹脂、PP樹脂で形成されるが、互いに熱
融着する合成樹脂材料で成形されたものならば同一の樹
脂でなくても、上記樹脂の組み合わせ、更には例示しな
い他の合成樹脂材料で成形されたものの組み合わせとす
ることもできる。上記2枚のシート11は双方を同厚にし
たり、一方を他方に対して厚肉にすることは任意である
が、その厚みは双方とも数ミリの範囲内である。
【0012】この2枚のシート11は、一部が同一体に結
合され、その接合部31間に図示するような大小の形状を
異にする中空部41を形成しており、上記2枚のシート11
間にはセパレータ21を介装している。上記中空部41の個
数、形状は自由であり、図示するものに限定されるもの
ではない。また中空部41は各々を独立させることも、相
互に連通させることも任意である。
【0013】セパレータ21は、2枚のシート11に融着し
ない素材からなる不織布、織物等の繊維質のもので、薄
肉のシート状に構成されて、2枚のシート11の対向する
面の一方の全域に添って固定されており、2枚のシート
11同士は接合部分31において中間介在物21の繊維間の隙
間又は織目により構成される連通空隙21aを介して融着
している。
【0014】次に図3に示す合成樹脂中空構造体の第2
の態様を説明すると、このものはセパレータ21を一方の
シート11の内面に固定せずに単に2枚のシート11間に介
在した場合の態様を示している。
【0015】この場合もセパレータ21の繊維間の隙間又
は織目によって構成される連通空隙21aが2枚のシート
11を融着させる溶融樹脂の連絡手段として機能すること
前記態様と同じであり、他の構成も共通するため同一
符号を付けて説明は省略する。
【0016】更に、図4に示す第3の態様でセパレー
21として気密性の高い薄膜片(フィルム片等)に、そ
の全域に亘って多数の小孔を開孔して連通空隙21aを構
成したものを使用した場合を示している。
【0017】この薄膜片21は図示するように前記第2の
態様と同様、単に2枚のシート11間に介在したり、第1
の態様と同様に2枚のシート11の対向する面の一方の全
域に添って接着等の所望手段で固定される。
【0018】この態様は元来連通空隙21aとなるべきも
のを備えていない薄膜片を加工して、本発明のために意
図的に連通空隙21aを設けてあること以外は前記の態様
と同じである。
【0019】このように合成樹脂中空構造体1は、セパ
レータ21の繊維間間隙、織目又は開孔された多数の小孔
からなる連通空隙21aを介して2枚のシート11を融着結
合させることから、セパレータ21が2枚のシート11と同
一体に結合する素材である必要がなく、セパレータ21と
して使用される素材の選択肢の拡大によって性能の向
上、コスト低減が可能になり得る。
【0020】以下、本発明の合成樹脂中空構造体を製造
する方法について、その実施の形態を図5乃至図9を参
照して説明する。図において符号1’は成形用複合材
料、5はこの成形用複合材料1’を所望形状の中空構造
体1に成形する上下一対の成形型である。上記成形用複
合材料1’は基材となる相互に熱融着可能な2枚の合成
樹脂シート11と、該2枚のシート11の間に挟入されたセ
パレータ21とで構成されている。
【0021】上記2枚のシート11は相互に熱融着可能な
2枚の合成樹脂シートであれば、その材質は特に限定さ
れるものではなく、中空構造体の用途に応じて任意の材
料が選択使用されるが、一般的にはABS、AES、P
S、PP等を押し出し成形によりシート状に成形したも
のや、抄紙法により形成したガラス繊維入りPPシート
が用いられる。このシート11は後述の説明で明らかにな
るが、これを賦形するためには非通気性である必要があ
る。一方、上記ガラス繊維入りPPシートには往々にし
て通気性があり、そのままでは賦形が十分にできないた
め、非通気性のフィルム等をラミネートして使用する。
【0022】両シート11には同じ材料製のものを組み合
わせて用いることは勿論、相互に熱融着可能であれば異
なる材料製のものを組み合わせて用いることもでき、中
空構造体1の用途に応じてその組み合わせを選択するこ
とができる。また、両シート11は中空構造体1の形状や
用途によって双方を同厚にしたり、一方を他方に対して
厚肉にすることが任意であるが、双方とも数ミリ厚の範
囲内とすることが望ましい。また、中空構造体1の用途
に応じて両シートの色を違えることも勿論任意である。
【0023】一方、セパレータ21は中空構造体1の成形
に際して上記2枚のシート11を加熱軟化させたとき、両
シート11が融着してしまわないように両シート11の分離
状態を保持するために用いるものであり、このセパレー
タ21の特性には上記2枚のシート11に対する熱融着性が
ないこと、通気性を有すること、少なくとも常圧下では
樹脂が浸透し難いが、圧力を加えることにより容易に樹
脂が浸透することが夫々必要であり、更に可撓性又は容
易にほぐれたり、分断されうることも必要である。
【0024】このセパレータ21としては、例えばポリエ
ステル・ボンド材等の不織布、ガラスまたはPET製の
3軸組布等の織物、通気性及び樹脂浸透性の無いフィル
ム又は薄肉のシートの全面に多数の小孔を開穿したもの
が用いられるが、上記の要件を満たす薄肉のシート状の
ものであればその材質や構成は特に限定されるものでは
ない。
【0025】上記セパレータ21は2枚のシート11の対向
する面の一方または双方に予め固定しておくか、シート
11に固定することなく単に2枚のシート11間に挟入介在
せしめる。いずれの方法を選択するかは任意であるが、
製造される中空構造体1の中空部41に別の部品や部材を
挿入したり、中空部41を気体や液体の通路として利用し
ようとする場合には、セパレータ21をシート11に予め固
定しておく方が、後の加工が楽になり、便利である。上
記セパレータ21と上記シート11との固定方法は特に限定
されないが、シート11の押し出し成形時にセパレータ21
をラミネートするようにすれば容易且つ確実に固定する
ことができる。
【0026】斯る成形用複合材料1’はその端縁部から
必要箇所まで両シート11間に空気注入用のパイプ6を差
し込み、このパイプ差し込み部分以外の端縁部をクラン
プして、上下両面から不図示のヒーターで所定の成形温
度まで加熱軟化させる。この成形用複合材料1’の加熱
には非接触ヒーター加熱、接触ヒーター加熱のいずれの
加熱方法を取ることも任意である。上記加熱軟化に伴っ
て2枚のシート11は樹脂が溶融するが、その溶融樹脂は
セパレータ21に浸透することはできず、従って、両シー
ト11の溶融樹脂はセパレータ21に妨げられて混合一体化
することはなく、両シート11の融着は阻止され、両シー
ト11は分離状態を保持する。
【0027】但し、セパレータ21として織物や多数の小
穴を開けたシート状のものを用いるときには、織目や小
孔が大きすぎると、成形用複合材料1’の加熱軟化時
に、2枚のシート11の溶融樹脂が織目や小孔に浸透し
て、2枚のシート11同士が融着してしまうため、織目や
小孔の大きさは、溶融樹脂が後述の成形工程で加圧され
ない限り織目や小孔に浸透し得ない程度の大きさにする
必要がある。例えば、3軸組布の場合、組布の厚さが0.
15mmで、織目の一辺の長さが5mmの場合や、厚さが0.3m
m で、織目の一辺の長さが10mmの場合には加熱軟化中に
おける2枚のシート11の融着は起こらず使用できるが、
厚さが0.3mm で織目の一辺の長さが20mmであると、加熱
軟化中に2枚のシート11が融着してしまい使用できな
い。従って、セパレータ21が織物や多数の小孔を開けた
シート状のものの場合には、厚さが0.3mm で、織目の一
辺の長さや小孔の直径が10mm程度とするのが望ましい。
【0028】次に、上記加熱軟化させた成形用複合材料
1’を上下一対の成形型5の間に移動し、成形型5を上
昇・下降させ、所定の成形圧を加えながら型締めし、パ
イプ6から両シート11間に圧搾空気を注入する。この
時、図7に示すようにパイプ6はこれに対応して形成さ
れている成形型5の切り欠き51に収容されて型締めの邪
魔になることはない。
【0029】成形型5には各々図示するように中空成形
部となるキャビティ52とそのキャビティ52に連設して互
いに面当接するシート挟着部53が形設されていることか
ら、2枚のシート11は上記シート挟着部53間においては
該部53に挟み込まれて締め付けられ、キャビティ52内で
は注入される圧搾空気により膨脹する。
【0030】これにより、上記シート挟着部53間におい
ては2枚のシート11の溶融樹脂が型締めの圧力によりセ
パレータ21の連通空隙よりセパレータ21内に浸透し、同
一体に融着して接合部31を形成し、一方、キャビティ52
部分においては2枚のシート11はキャビティ52内面に密
接して、キャビティ52内面に添った形に賦形され、中空
部41が成形される。これによって2枚のシート11間に所
定断面形状の独立した、又は連通する中空部41が必要数
形成される。尚、独立した中空部を複数個形成する場合
には、原則としてその数に応じた空気注入用のパイプ6
を用意し、夫々のパイプを成形用複合材料1’の端縁部
から中空部を形成しようとする各々の部分に差し込ん
で、上記成形工程を実施する。
【0031】次いで、この内圧を保持しながら所用の冷
却を行った後、成形型5を開いて成形された中空構造体
1を取り出し、空気注入用のパイプ6を抜いて、必要な
トリミングを行う。
【0032】尚、上記加圧による賦形時には、セパレー
タ21が可撓性を有するものであるときにはその展延性に
より、容易にほぐれたり分断するものであるときには、
そのほぐれや、分断により賦形を阻害することはない。
【0033】この製造方法では成形用複合材料1’の加
熱軟化時に、2枚のシート11を互い融着不能に保持する
セパレータ21の連通空隙21aを、加圧による賦形時には
2枚のシート11を互いに融着させる溶融樹脂の通路とし
て機能させるようにした方法であるから、使用されるセ
パレータ21の材質の制限枠を取り払って素材の選択肢を
拡大でき、それによって先行例通りの製造工程を変更す
ることなく強度の向上や要求される性質に適合するセパ
レータ21を使用して目的とする性能を備えた合成樹脂中
空構造体1を製造することができる。
【0034】図9は、本発明の製造法方における合成樹
脂中空構造体1の接合部処理を示し、図示の如く、接合
部31の外側に隣接して局部的に強い圧力で締め付けるピ
ンチオフ部分32を設けている。このように処理すること
により、接合部31では、2枚のシート11の溶融樹脂がピ
ンチオフ部分32において該部分の圧力により接合部31に
向かって流れ、接合部31から中空部41内に食み出し、こ
の食み出した樹脂が中空部41に注入されるエアー圧で接
合部31端面をコートするように肉盛り状に補強する。こ
れによって接合部31の結合強度を大きくすることができ
る。尚、具体的な成形型設計の一例において上記ピンチ
オフ部分32の幅は例えば4mmとする。この接合部31の接
着強度は使用するセパレータ21の厚さや、目付によっ
て、影響され、例えばセパレータ21にをポリエステルス
パンボンド材を使用した場合の、スパンボンド目付と接
着強度の関係について測定した結果を示すと表1のよう
になる。
【0035】
【表1】 測定に使用したサンプルの作成条件は、 2枚のシート:AES/AES(厚さ:3mm/ 3mm) 成形温度:190℃ 成形圧力:(幅4のピンチオフ部分1m当たりにかかる
圧力(以下成形添う圧力という)が24ton となる成形圧
力で成形)
【0036】上記サンプルより成形圧力をあげることは
十分考えられるので、スパンボンド目付限度は100g/ m
2 程度とするのが実際的であると考えられる。即ち、セ
パレータ21としてポリエステルスパンボンド材を使用す
る場合には、その目付を10g/m2 〜100g/ m2 、好まし
くは10g/m2 〜50g/m2 、最も好ましくは10g/m2 とす
る。
【0037】
【実施例】(実施例1) 素材の組み合わせがAES/AESで、肉厚組み合わせ
を3mm/ 1.4mm とした2枚のシートの間に、セパレータ
として目付が10g/m2 のポリエステル・スパンボンドを
挟んで成形用複合材料とし、これを非接触加熱により加
熱軟化して、成形温度170 ℃、成形総圧力36ton の成形
条件により、前述した方法で自動車パケージトレイを想
定した図示形状の中空構造体を成形した。加熱軟化時に
おける両シートの融着もなく、図示形状の中空構造体が
成形できた。成形品から採取した接合部に対する引張試
験(引っ張り速度500mm/分(チャック間2mm) )の結果
は10.2N/mm2 であった。
【0038】(実施例2) 素材の組み合わせがAES/ABSで、肉厚組み合わせ
を3mm/ 3mmとした2枚のシートの間に、セパレータと
して目付が10g/m2 のポリエステル・スパンボンドを挟
んで成形用複合材料とし、これを非接触加熱により加熱
軟化して、成形温度170 ℃、成形総圧力36ton の成形条
件により、前述した方法で自動車パケージトレイを想定
した図示形状の中空構造体を成形した。加熱軟化時にお
ける両シートの融着もなく、図示形状の中空構造体が成
形できた。成形品から採取した接合部に対する引張試験
(引っ張り速度500mm/分(チャック間2mm) )の結果は
13.3N/mm2 であった。
【0039】(実施例3) 素材の組み合わせがAES/AESで、肉厚組み合わせ
を3mm/ 1.4mm とした2枚のシートの間に、セパレータ
として目付が10g/m2 のポリエステル・スパンボンドを
挟んで成形用複合材料とし、これを非接触加熱により加
熱軟化して、成形温度170 ℃、成形総圧力20ton の成形
条件により、前述した方法で自動車パケージトレイを想
定した図示形状の中空構造体を成形した。加熱軟化時に
おける両シートの融着もなく、図示形状の中空構造体が
成形できた。成形品から採取した接合部に対する引張試
験(引っ張り速度500mm/分(チャック間2mm) )の結果
は6.7N/ mm2 であった。
【0040】(実施例4) 素材の組み合わせがAES/AESで、肉厚組み合わせ
を3mm/ 1.4mm とした2枚のシートの間に、セパレータ
として厚さ0.23mm、織目の一辺の長さ10mmの3軸織物を
挟んで成形用複合材料とし、これを非接触加熱により加
熱軟化して、成形温度170 ℃、成形総圧力32ton の成形
条件により、前述した方法で自動車パケージトレイを想
定した図示形状の中空構造体を成形した。加熱軟化時に
おける両シートの融着もなく、図示形状の中空構造体が
成形できた。成形品から採取した接合部に対する引張試
験(引っ張り速度500mm/分(チャック間2mm) )の結果
は12.3N/mm2 であった。
【0041】(実施例5) 素材の組み合わせがAES/AESで、肉厚組み合わせ
を3mm/ 1.4mm とした2枚のシートの間に、セパレータ
として厚さ0.23mm、織目の一辺の長さ10mmの3軸織物を
挟んで成形用複合材料とし、これを非接触加熱により加
熱軟化して、成形温度170 ℃、成形総圧力20ton の成形
条件により、前述した方法で自動車パケージトレイを想
定した図示形状の中空構造体を成形した。加熱軟化時に
おける両シートの融着もなく、図示形状の中空構造体が
成形できた。成形品から採取した接合部に対する引張試
験(引っ張り速度500mm/分(チャック間2mm) )の結果
は12.6N/mm2 であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の合成樹脂中空構造体の製造法方
は以上のように構成したので下記の効果を有する。 請求項1; 成形用複合材料の加熱軟化時に2枚のシートの融着をセ
パレータにより防止し、成形時にはセパレータの連通空
隙を介して2枚のシートを互いに融着させて同一体に結
合するようになるから、中空構造体を構成する熱融着可
能な2枚のシートの接合のためにセパレータが上記2枚
のシートと同材質の不織布である必要も、シートと不織
布との双方に融着する感熱性接着材フィルムを用いる必
要もなく、先行技術に比べてセパレータの選択範囲が拡
大する。従って、このセパレータの選択範囲の拡大によ
り、コストの低減を図ることが可能になるばかりでな
く、セパレータを適宜選択することによって、先行技術
に対して製造工程を増加したり変更することなく強度が
向上したり、要求する性能を充足した最適な合成樹脂中
空構造体を製造することができる。
【0043】請求項2; 2枚のシートの接合部では、シートの溶融樹脂がピンチ
オフ部分において該部分の圧力により接合部に向かって
流れ、接合部から中空部内に食み出し、この食み出した
樹脂が中空部に注入されるエアー圧で接合部端面をコー
トするように肉盛り状に補強する。従って、接合部の結
合強度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合成樹脂中空構造体の製造法方によって
製造される合成樹脂中空構造体の一例を示す縦断正面
図。
【図2】図1のA部の部分拡大断面図で2枚のシートの
接合部を示す。
【図3】合成樹脂中空構造体の他の例を示す部分拡大断
面図で2枚のシートの接合部を示している。
【図4】合成樹脂中空構造体の更に他の例を示す部分拡
大断面図で2枚のシートの接合部を示している。
【図5】本発明の合成樹脂中空構造体の製造方法におい
て成形型を型締する前の状態を示す縦断正面図。
【図6】型締して圧搾空気を注入する状態を示す縦断正
面図。
【図7】図6の(7)−(7)線拡大断面図。
【図8】成形終了後、脱型直前の状態を示す縦断正面
図。
【図9】接合部端末の処理を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 :合成樹脂中空構造体 11 :合成樹脂シート 21 :セパレータ 21a:連通空隙 31 :接合部 41 :中空部 1’:成形用複合材料 5 :成形型 6 :パイプ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に熱融着可能な2枚の合成樹脂シー
    トの間に、これら両シートに融着しない材質からなり、
    所定以上の加圧圧力下においてのみ良好な樹脂の浸透性
    を有する薄肉シート状のセパレータを挟入して成形用複
    合材料を用意し、 この成形用複合材料を加熱軟化させた後、 上下一対の成形型に挟み込んで加圧すると共に2枚のシ
    ート間に圧搾空気を注入して、両シートを上記成形型の
    キャビティ内面に密接させて賦形すると同時に、中空部
    以外の部分においては上記加圧により両シートの溶融樹
    脂をセパレータに浸透させ、このセパレータに浸透した
    樹脂により2枚のシートを同一体に融着接合することを
    特徴とする合成樹脂中空構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の合成樹脂中空構造体の製
    造方法において、シートの接合部の処理のために、成形
    型には接合部を形成するシート挾着部に、接合部の外側
    に隣接して局部的に強い圧力で締め付けるピンチオフ部
    分を設けることを特徴とする合成樹脂中空構造体の製造
    方法。
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