JP3979613B2 - 車両用カップホルダー - Google Patents
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- Y10S224/926—Vehicle attached carrier for beverage container or bottle
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用カップホルダーに関し、特に引き出して使用する際の異音の発生を防止することができるようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えば実公平３−１２５９２号公報により、スライダーと、カップ挿入孔と、ねじりコイルばねとを備えている車両用カップホルダーが知られている。
上記スライダーは、車室内の収納部にスライド可能に収納されている。
前記カップ挿入孔は、スライダーの側面部を切り欠いてＣ字型に形成されている。
【０００３】
前記アームは、スライダーの側面部に軸止され、カップ挿入孔の開放側面を通じて出入りし、カップ挿入孔の内径を拡縮可能なものである。
ねじりコイルばねは、スライダーを収納部から引き出した際に、アームをカップ挿入孔の開放側面から突出させて、カップ挿入孔の内径を拡径するためのものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のカップホルダーでは、スライダーを収納部から引き出した際に、アームがねじりコイルばねのばね力によりカップ挿入孔の開放側面から突出する。
このとき、アームが車室内の収納部の内側面に当たる等して異音が発生するという問題点があった。
【０００５】
なお、スライドタイプでは無いが、カム溝を利用してアームを出没できるようにしたカップホルダーもある（例えば特開平１０−９５２６３号公報）。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
（請求項１）
すなわち、請求項１に記載の発明は、スライダーのスライドの動きを利用して、カム面によりアームの回転を制御することで、異音の発生を防止することができるようにしたものである。
（請求項２）
請求項２に記載の発明は、上記した請求項１に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【０００６】
すなわち、請求項２に記載の発明は、カム面を多段とすることで、スライダーの引き出し量に応じて、カップ挿入孔の内径の拡径量を変化させることができるようにしたものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
（特徴点）
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
【０００８】
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
（請求項１）
請求項１に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【０００９】
すなわち、拡径手段には、例えば図１〜２に示すように、次の構成を備えている。
（１）トレース部(63)
トレース部(63)は、例えば図１〜２に示すように、軸(61)を挟んでアーム(60)の他端部に位置し、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）に沿って延びるものである。
【００１０】
（２）ばね(70)
ばね(70)は、例えば図３に示すように、トレース部(63)を、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）に向かって付勢し、カップ挿入孔(51)の内径を縮径する方向に、アーム(60)の一端部（例えばアーム本体62）を旋回させるものである。
【００１１】
（３）カム面(100)
カム面(100)は、例えば図１に示すように、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）から隆起している。
カム面(100)は、例えば図１に示すように、スライダー(50)を収納部（例えばケース40）から引き出した際に、ばね(70)の付勢力に抗して、トレース部(63)を押圧することで、カップ挿入孔(51)の内径を拡径する方向に、アーム(60)の一端部（例えばアーム本体62）を旋回させる。
（請求項２）
請求項２に記載の発明は、上記した請求項１記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【００１２】
すなわち、カム面(110,120)は、例えば図６〜７に示すように、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）から多段に隆起している。
【００１３】
【発明の実施の形態】
（図面の説明）
図１〜５は、本発明の実施の形態の一例を示すものである。
図６〜７は、本発明の第２の実施の形態の一例を示すものである。
図１は、カップホルダーの一部平面図を示すものである。
【００１４】
図２は、カップホルダーの分解斜視図を示すものである。
図３〜５は、図１に対応し、スライダーのスライド状態を説明するためのものであり、図３はスライダーの収納状態を示す一部平面図、図４はスライダーを引き出す途中の状態を示す一部平面図、図５はスライダーを引き出し、カップを挿入した状態を示す一部平面図をそれぞれ示すものである。
【００１５】
図６〜７は、本発明の第２の実施の形態の一例を示し、図６はスライダーを引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図、図７は図６に対応し、スライダーを更に引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図をそれぞれ示すものである。
（カップホルダー10）
図２中、10は、カップホルダーを示すものである。
【００１６】
上記カップホルダー10は、図２に示すように、例えば自動車等の車室内のセンターコンソール20に埋設状に固定され、図５に示すように、手前に引き出した後、カップ30を挿入して使用する。
なお、車として、自動車を例示したが、これに限らず、電車等であっても良い。
【００１７】
また、カップホルダー10の取付部位として、車室内のセンターコンソール20を例示したが、これに限らず、センターコンソール20を除くフロントコンソールや、座席、ドアの内壁面、他の内壁面に取り付けても良い。
さらに、カップ30には、図示しないが、例えば紙コップやプラスチック製のコップ、瓶類、缶類、ペットボトル類等がある。
【００１８】
上記センターコンソール20には、図２に示すように、カップホルダー10を収納可能な横穴である収納穴21を設けている。
カップホルダー10は、図２に示すように、大別すると、次のパーツより構成されている。
（１）ケース40
（２）スライダー50
（３）アーム60
（４）ばね70
（ケース40）
ケース40は、図２に示すように、センターコンソール20の収納穴21内に収納可能な大きさを有し、収納穴21内に収納された状態で固定される。
【００１９】
ケース40は、収納穴21内に固定された状態で、収納穴21と共に、収納部を構成する。
具体的には、ケース40は、図２に示すように、前面が開口した箱形を成し、上面が開放したケース本体80と、ケース本体80の開放上面を塞ぐ蓋体90とから構成されている。
【００２０】
上記ケース本体80は、図２に示すように、底板81と、底板81の左右両端を立ち上がる左右一対の側板82,82と、底板81の後端から立ち上がる後板83とを備えている。
（スライダー50）
スライダー50は、図２に示すように、ケース40内に収納可能な大きさを有し、ケース40内にスライド可能に保持される。
【００２１】
スライダー50の左右の側面部には、図２に示すように、Ｃ字形に切り欠いて、左右一対のカップ挿入孔51,51をそれぞれ形成している。左右のカップ挿入孔51の各側面は、左右外側に向かってそれぞれ開放している。
スライダー50は、図示しないが、ケース40内に押し込んだ最後退位置では、ケース40内に収納され、手前の取っ手52を持って手前に引き出した前進位置で使用する。
【００２２】
スライダー50の最後退位置は、図示しないが、その後面部がケース40の後板83の内面に当接した位置で規制される。また、スライダー50の最前進位置は、その上面から突出した左右一対の爪53,53が、ケース40の蓋体90に当接することで規制される。
なお、カップ挿入孔51は、Ｃ字形に限らず、Ｕの字形や、コの字形に形成しても良い。
【００２３】
（３）アーム60
アーム60は、図１〜２に示すように、大別すると、次の構成を備えている。
（３−１）軸61
軸61は、図１に示すように、アーム60の長さの途中に位置し、スライダー50のカップ挿入孔51の後縁部に軸止されている。
【００２４】
（３−２）アーム本体62
アーム本体62は、図１〜２に示すように、軸61より手前側に延び、カップ挿入孔51の円弧の一部を成すようにＪ字形に屈曲している。そして、アーム本体62は、図３〜５に示すように、軸61を中心に旋回することで、カップ挿入孔51の開放側面を通じて出入りする。
【００２５】
アーム本体62が、図３に示すように、カップ挿入孔51中に深く入り込んだ状態では、カップ挿入孔51の内周面とアーム本体62の内側面とで囲まれる、カップ挿入孔51全体の内径が最小となる。これに対し、図５に示すように、アーム本体62が、軸61を中心に反時計回りに旋回して、カップ挿入孔51の開放側面より突出すると、カップ挿入孔51全体の内径が最大となる。
【００２６】
（３−３）トレース部63
トレース部63は、図１〜２に示すように、アーム本体62とは軸61を挟んで反対側に短く延び、先端部がケース40の側板82の内側面に向かってＬ字形に屈曲している。そして、トレース部63のＬ字形に屈曲した先端部は、半球形に丸まっている。
【００２７】
また、スライダー50には、図５に示すように、トレース部63の旋回範囲内に向かって、ブロック状に突出したストッパー54を設けている。ストッパー54は、トレース部63が当接することで、カップ挿入孔51全体の内径の最大位置を規制している。
（４）ばね70
ばね70は、図１〜２に示すように、コイル状に巻かれた弦巻ばねより構成されている。
【００２８】
そして、ばね70は、図１に示すように、アーム60の軸61に通され、その一端部をスライダー50に、他端部をアーム60にそれぞれ固定されている。
そして、ばね70が巻き解こうとするばね力により、アーム60は、軸61を中心に時計回りに旋回し、そのトレース部63の先端部がケース40の側板82の内側面に弾性的に押しつけられる。
【００２９】
なお、ばね70を弦巻ばねより構成したが、これに限らず、コイルばねや、板ばねを使用しても良い。
（カム面100）
一方、ケース40の側板82の内側面には、図１に示すように、略台形形に隆起したカム面100を設けている。
【００３０】
上記カム面100は、側板82から徐々に高くなる斜面101を有する。
そして、スライダー50をケース40内から引き出した際に、トレース部63の先端部が斜面101をトレースすることで、トレース部63の先端部が側板82の内側面から次第に離れる。
その結果、アーム本体62は、図１に示すように、ばね70の復元力に抗して、軸61を中心に反時計回りに旋回する。
【００３１】
このとき、アーム本体62は、図１に示すように、カップ挿入孔51の開放側面から外側に突出する。また、カップ挿入孔51の内周面とアーム本体62の内側面とで囲まれる、カップ挿入孔51全体の内径が拡径される。
このように、アーム60のトレース部63、ばね70、カム面100により、スライダー50をケース40内から引き出した際に、アーム本体62をカップ挿入孔51の開放側面から突出させ、カップ挿入孔51の内径を拡径させるための拡径手段が構成される。
（使用方法）
つぎに、上記した構成を備えたカップホルダーの使用方法について説明する。
【００３２】
まず、スライダー50をケース40内から引き出すと、図１に示すように、トレース部63の先端部が斜面101をトレースすることで、カップ挿入孔51全体の内径が拡径される。
その後、カップ挿入孔51内に、図５に示すように、カップ30を挿入して保持する。
【００３３】
このとき、カップ30の外径が大きな場合には、図５に示すように、カップ30の外周に押されて、アーム60が軸61を中心に反時計回りに更に旋回する。
このため、カップ挿入孔51全体の内径が、更に拡径される。
こうして、カップ30の外径の変化に対応することができる。
また、ばね70の復元力により、軸61を中心にアーム60を時計回りに旋回する力が作用し、カップ30の外周面にアーム本体62が弾性的に当接する。このため、カップ挿入孔51中でのカップ30のガタ付きが防止される。
【００３４】
一方、使用後は、カップ30の抜き取ると、ばね70の復元力により、図１に示すように、アーム60が軸61を中心に時計回りに旋回する。
その後、スライダー50をケース40内に押し込むと、図３に示すように、トレース部63の先端部がカム面100からケース40の側板82の内側面に戻る。
このため、アーム60が、ばね70の復元力により、軸61を中心に時計回りに旋回することで、カップ挿入孔51内に引っ込む。
【００３５】
このため、図示しないが、スライダー50をケース40内に収納することが可能となる。
（第２の実施の形態）
本発明の第２の実施の形態の特徴は、図６〜７に示すように、カム面を二段としたものである。
【００３６】
すなわち、本実施の形態のカム面は、図６〜７に示すように、側板82の内側面から高くなった第１カム面110と、この第１段目の第１カム面110より更に一段高くなった第２カム面120とから構成されている。
本実施の形態によれば、スライダー50をケース40から一段引き出した際には、図６に示すように、トレース部63の先端部が第１カム面110に乗り上げ、カップ挿入孔51全体の内径を拡径する。
【００３７】
さらに、スライダー50をケース40から引き出すと、図７に示すように、トレース部63の先端部が第２カム面120に乗り上げ、カップ挿入孔51全体の内径が更に拡径する。
このため、カップ30の外径により、スライダー50の引き出し量を調節することで、カップ挿入孔51全体の内径を変化させることができる。
【００３８】
なお、本発明の実施の形態では、カム面を二段としたが、これに限らず、三段以上にしても良い。
【００３９】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
（請求項１）
請求項１に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
【００４０】
すなわち、請求項１記載の発明によれば、スライダーのスライドの動きを利用して、カム面によりアームの回転を制御することで、異音の発生を防止することができる。
（請求項２）
請求項２に記載の発明によれば、上記した請求項１に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【００４１】
すなわち、請求項２に記載の発明によれば、カム面を多段とすることで、スライダーの引き出し量に応じて、カップ挿入孔の内径の拡径量を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】カップホルダーの一部平面図である。
【図２】カップホルダーの分解斜視図である。
【図３】図１に対応し、スライダーの収納状態を示す一部平面図である。
【図４】図１に対応し、スライダーを引き出す途中の状態を示す一部平面図である。
【図５】図１に対応し、スライダーを引き出し、カップを挿入した状態を示す一部平面図である。
【図６】本発明の第２の実施の形態の一例を示し、スライダーを引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図である。
【図７】図６に対応し、スライダーを更に引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図である。
【符号の説明】
10 カップホルダー 20 センターコンソール
21 収納穴 30 カップ
40 ケース 80 ケース本体
81 底板 82 側板
83 後板 90 蓋体
50 スライダー 51 カップ挿入孔
52 取っ手 53 爪
54 ストッパー 60 アーム
61 軸 62 アーム本体
63 トレース部 70 ばね
100 カム面 101 斜面
110 第１カム面 120 第２カム面
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用カップホルダーに関し、特に引き出して使用する際の異音の発生を防止することができるようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えば実公平３−１２５９２号公報により、スライダーと、カップ挿入孔と、ねじりコイルばねとを備えている車両用カップホルダーが知られている。
上記スライダーは、車室内の収納部にスライド可能に収納されている。
前記カップ挿入孔は、スライダーの側面部を切り欠いてＣ字型に形成されている。
【０００３】
前記アームは、スライダーの側面部に軸止され、カップ挿入孔の開放側面を通じて出入りし、カップ挿入孔の内径を拡縮可能なものである。
ねじりコイルばねは、スライダーを収納部から引き出した際に、アームをカップ挿入孔の開放側面から突出させて、カップ挿入孔の内径を拡径するためのものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のカップホルダーでは、スライダーを収納部から引き出した際に、アームがねじりコイルばねのばね力によりカップ挿入孔の開放側面から突出する。
このとき、アームが車室内の収納部の内側面に当たる等して異音が発生するという問題点があった。
【０００５】
なお、スライドタイプでは無いが、カム溝を利用してアームを出没できるようにしたカップホルダーもある（例えば特開平１０−９５２６３号公報）。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
（請求項１）
すなわち、請求項１に記載の発明は、スライダーのスライドの動きを利用して、カム面によりアームの回転を制御することで、異音の発生を防止することができるようにしたものである。
（請求項２）
請求項２に記載の発明は、上記した請求項１に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【０００６】
すなわち、請求項２に記載の発明は、カム面を多段とすることで、スライダーの引き出し量に応じて、カップ挿入孔の内径の拡径量を変化させることができるようにしたものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
（特徴点）
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
【０００８】
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
（請求項１）
請求項１に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【０００９】
すなわち、拡径手段には、例えば図１〜２に示すように、次の構成を備えている。
（１）トレース部(63)
トレース部(63)は、例えば図１〜２に示すように、軸(61)を挟んでアーム(60)の他端部に位置し、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）に沿って延びるものである。
【００１０】
（２）ばね(70)
ばね(70)は、例えば図３に示すように、トレース部(63)を、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）に向かって付勢し、カップ挿入孔(51)の内径を縮径する方向に、アーム(60)の一端部（例えばアーム本体62）を旋回させるものである。
【００１１】
（３）カム面(100)
カム面(100)は、例えば図１に示すように、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）から隆起している。
カム面(100)は、例えば図１に示すように、スライダー(50)を収納部（例えばケース40）から引き出した際に、ばね(70)の付勢力に抗して、トレース部(63)を押圧することで、カップ挿入孔(51)の内径を拡径する方向に、アーム(60)の一端部（例えばアーム本体62）を旋回させる。
（請求項２）
請求項２に記載の発明は、上記した請求項１記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【００１２】
すなわち、カム面(110,120)は、例えば図６〜７に示すように、収納部（例えばケース40）の内側面（例えば側板82）から多段に隆起している。
【００１３】
【発明の実施の形態】
（図面の説明）
図１〜５は、本発明の実施の形態の一例を示すものである。
図６〜７は、本発明の第２の実施の形態の一例を示すものである。
図１は、カップホルダーの一部平面図を示すものである。
【００１４】
図２は、カップホルダーの分解斜視図を示すものである。
図３〜５は、図１に対応し、スライダーのスライド状態を説明するためのものであり、図３はスライダーの収納状態を示す一部平面図、図４はスライダーを引き出す途中の状態を示す一部平面図、図５はスライダーを引き出し、カップを挿入した状態を示す一部平面図をそれぞれ示すものである。
【００１５】
図６〜７は、本発明の第２の実施の形態の一例を示し、図６はスライダーを引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図、図７は図６に対応し、スライダーを更に引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図をそれぞれ示すものである。
（カップホルダー10）
図２中、10は、カップホルダーを示すものである。
【００１６】
上記カップホルダー10は、図２に示すように、例えば自動車等の車室内のセンターコンソール20に埋設状に固定され、図５に示すように、手前に引き出した後、カップ30を挿入して使用する。
なお、車として、自動車を例示したが、これに限らず、電車等であっても良い。
【００１７】
また、カップホルダー10の取付部位として、車室内のセンターコンソール20を例示したが、これに限らず、センターコンソール20を除くフロントコンソールや、座席、ドアの内壁面、他の内壁面に取り付けても良い。
さらに、カップ30には、図示しないが、例えば紙コップやプラスチック製のコップ、瓶類、缶類、ペットボトル類等がある。
【００１８】
上記センターコンソール20には、図２に示すように、カップホルダー10を収納可能な横穴である収納穴21を設けている。
カップホルダー10は、図２に示すように、大別すると、次のパーツより構成されている。
（１）ケース40
（２）スライダー50
（３）アーム60
（４）ばね70
（ケース40）
ケース40は、図２に示すように、センターコンソール20の収納穴21内に収納可能な大きさを有し、収納穴21内に収納された状態で固定される。
【００１９】
ケース40は、収納穴21内に固定された状態で、収納穴21と共に、収納部を構成する。
具体的には、ケース40は、図２に示すように、前面が開口した箱形を成し、上面が開放したケース本体80と、ケース本体80の開放上面を塞ぐ蓋体90とから構成されている。
【００２０】
上記ケース本体80は、図２に示すように、底板81と、底板81の左右両端を立ち上がる左右一対の側板82,82と、底板81の後端から立ち上がる後板83とを備えている。
（スライダー50）
スライダー50は、図２に示すように、ケース40内に収納可能な大きさを有し、ケース40内にスライド可能に保持される。
【００２１】
スライダー50の左右の側面部には、図２に示すように、Ｃ字形に切り欠いて、左右一対のカップ挿入孔51,51をそれぞれ形成している。左右のカップ挿入孔51の各側面は、左右外側に向かってそれぞれ開放している。
スライダー50は、図示しないが、ケース40内に押し込んだ最後退位置では、ケース40内に収納され、手前の取っ手52を持って手前に引き出した前進位置で使用する。
【００２２】
スライダー50の最後退位置は、図示しないが、その後面部がケース40の後板83の内面に当接した位置で規制される。また、スライダー50の最前進位置は、その上面から突出した左右一対の爪53,53が、ケース40の蓋体90に当接することで規制される。
なお、カップ挿入孔51は、Ｃ字形に限らず、Ｕの字形や、コの字形に形成しても良い。
【００２３】
（３）アーム60
アーム60は、図１〜２に示すように、大別すると、次の構成を備えている。
（３−１）軸61
軸61は、図１に示すように、アーム60の長さの途中に位置し、スライダー50のカップ挿入孔51の後縁部に軸止されている。
【００２４】
（３−２）アーム本体62
アーム本体62は、図１〜２に示すように、軸61より手前側に延び、カップ挿入孔51の円弧の一部を成すようにＪ字形に屈曲している。そして、アーム本体62は、図３〜５に示すように、軸61を中心に旋回することで、カップ挿入孔51の開放側面を通じて出入りする。
【００２５】
アーム本体62が、図３に示すように、カップ挿入孔51中に深く入り込んだ状態では、カップ挿入孔51の内周面とアーム本体62の内側面とで囲まれる、カップ挿入孔51全体の内径が最小となる。これに対し、図５に示すように、アーム本体62が、軸61を中心に反時計回りに旋回して、カップ挿入孔51の開放側面より突出すると、カップ挿入孔51全体の内径が最大となる。
【００２６】
（３−３）トレース部63
トレース部63は、図１〜２に示すように、アーム本体62とは軸61を挟んで反対側に短く延び、先端部がケース40の側板82の内側面に向かってＬ字形に屈曲している。そして、トレース部63のＬ字形に屈曲した先端部は、半球形に丸まっている。
【００２７】
また、スライダー50には、図５に示すように、トレース部63の旋回範囲内に向かって、ブロック状に突出したストッパー54を設けている。ストッパー54は、トレース部63が当接することで、カップ挿入孔51全体の内径の最大位置を規制している。
（４）ばね70
ばね70は、図１〜２に示すように、コイル状に巻かれた弦巻ばねより構成されている。
【００２８】
そして、ばね70は、図１に示すように、アーム60の軸61に通され、その一端部をスライダー50に、他端部をアーム60にそれぞれ固定されている。
そして、ばね70が巻き解こうとするばね力により、アーム60は、軸61を中心に時計回りに旋回し、そのトレース部63の先端部がケース40の側板82の内側面に弾性的に押しつけられる。
【００２９】
なお、ばね70を弦巻ばねより構成したが、これに限らず、コイルばねや、板ばねを使用しても良い。
（カム面100）
一方、ケース40の側板82の内側面には、図１に示すように、略台形形に隆起したカム面100を設けている。
【００３０】
上記カム面100は、側板82から徐々に高くなる斜面101を有する。
そして、スライダー50をケース40内から引き出した際に、トレース部63の先端部が斜面101をトレースすることで、トレース部63の先端部が側板82の内側面から次第に離れる。
その結果、アーム本体62は、図１に示すように、ばね70の復元力に抗して、軸61を中心に反時計回りに旋回する。
【００３１】
このとき、アーム本体62は、図１に示すように、カップ挿入孔51の開放側面から外側に突出する。また、カップ挿入孔51の内周面とアーム本体62の内側面とで囲まれる、カップ挿入孔51全体の内径が拡径される。
このように、アーム60のトレース部63、ばね70、カム面100により、スライダー50をケース40内から引き出した際に、アーム本体62をカップ挿入孔51の開放側面から突出させ、カップ挿入孔51の内径を拡径させるための拡径手段が構成される。
（使用方法）
つぎに、上記した構成を備えたカップホルダーの使用方法について説明する。
【００３２】
まず、スライダー50をケース40内から引き出すと、図１に示すように、トレース部63の先端部が斜面101をトレースすることで、カップ挿入孔51全体の内径が拡径される。
その後、カップ挿入孔51内に、図５に示すように、カップ30を挿入して保持する。
【００３３】
このとき、カップ30の外径が大きな場合には、図５に示すように、カップ30の外周に押されて、アーム60が軸61を中心に反時計回りに更に旋回する。
このため、カップ挿入孔51全体の内径が、更に拡径される。
こうして、カップ30の外径の変化に対応することができる。
また、ばね70の復元力により、軸61を中心にアーム60を時計回りに旋回する力が作用し、カップ30の外周面にアーム本体62が弾性的に当接する。このため、カップ挿入孔51中でのカップ30のガタ付きが防止される。
【００３４】
一方、使用後は、カップ30の抜き取ると、ばね70の復元力により、図１に示すように、アーム60が軸61を中心に時計回りに旋回する。
その後、スライダー50をケース40内に押し込むと、図３に示すように、トレース部63の先端部がカム面100からケース40の側板82の内側面に戻る。
このため、アーム60が、ばね70の復元力により、軸61を中心に時計回りに旋回することで、カップ挿入孔51内に引っ込む。
【００３５】
このため、図示しないが、スライダー50をケース40内に収納することが可能となる。
（第２の実施の形態）
本発明の第２の実施の形態の特徴は、図６〜７に示すように、カム面を二段としたものである。
【００３６】
すなわち、本実施の形態のカム面は、図６〜７に示すように、側板82の内側面から高くなった第１カム面110と、この第１段目の第１カム面110より更に一段高くなった第２カム面120とから構成されている。
本実施の形態によれば、スライダー50をケース40から一段引き出した際には、図６に示すように、トレース部63の先端部が第１カム面110に乗り上げ、カップ挿入孔51全体の内径を拡径する。
【００３７】
さらに、スライダー50をケース40から引き出すと、図７に示すように、トレース部63の先端部が第２カム面120に乗り上げ、カップ挿入孔51全体の内径が更に拡径する。
このため、カップ30の外径により、スライダー50の引き出し量を調節することで、カップ挿入孔51全体の内径を変化させることができる。
【００３８】
なお、本発明の実施の形態では、カム面を二段としたが、これに限らず、三段以上にしても良い。
【００３９】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
（請求項１）
請求項１に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
【００４０】
すなわち、請求項１記載の発明によれば、スライダーのスライドの動きを利用して、カム面によりアームの回転を制御することで、異音の発生を防止することができる。
（請求項２）
請求項２に記載の発明によれば、上記した請求項１に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【００４１】
すなわち、請求項２に記載の発明によれば、カム面を多段とすることで、スライダーの引き出し量に応じて、カップ挿入孔の内径の拡径量を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】カップホルダーの一部平面図である。
【図２】カップホルダーの分解斜視図である。
【図３】図１に対応し、スライダーの収納状態を示す一部平面図である。
【図４】図１に対応し、スライダーを引き出す途中の状態を示す一部平面図である。
【図５】図１に対応し、スライダーを引き出し、カップを挿入した状態を示す一部平面図である。
【図６】本発明の第２の実施の形態の一例を示し、スライダーを引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図である。
【図７】図６に対応し、スライダーを更に引き出した状態を示すカップホルダーの一部平面図である。
【符号の説明】
10 カップホルダー 20 センターコンソール
21 収納穴 30 カップ
40 ケース 80 ケース本体
81 底板 82 側板
83 後板 90 蓋体
50 スライダー 51 カップ挿入孔
52 取っ手 53 爪
54 ストッパー 60 アーム
61 軸 62 アーム本体
63 トレース部 70 ばね
100 カム面 101 斜面
110 第１カム面 120 第２カム面
Claims (2)
- 車室内の収納部内にスライド可能に保持されるスライダーと、
前記スライダーの側面部を切り欠いて形成されたカップ挿入孔と、
前記スライダーの側面部に一端部が旋回可能に軸止され、当該軸を中心に旋回することで、前記カップ挿入孔の開放側面を通じて出入りし、前記カップ挿入孔の内径を拡縮可能なアームと、
前記スライダーを前記収納部から引き出した際に、前記アームの一端部を前記カップ挿入孔の開放側面から突出させ、前記カップ挿入孔の内径を拡径させるための拡径手段とを備えている車両用カップホルダーにおいて、
前記拡径手段には、
前記軸を挟んで前記アームの他端部に位置し、前記収納部の内側面に沿って延びるトレース部と、
前記トレース部を、前記収納部の内側面に向かって付勢し、前記カップ挿入孔の内径を縮径する方向に、前記アームの一端部を旋回させるばねと、
前記収納部の内側面から隆起し、前記スライダーを前記収納部から引き出した際に、前記ばねの付勢力に抗して、前記トレース部を押圧することで、前記カップ挿入孔の内径を拡径する方向に、前記アームの一端部を旋回させるカム面とを備えている車両用カップホルダー。 - 前記カム面は、前記収納部の内側面から多段に隆起していることを特徴とする請求項１に記載の車両用カップホルダー。
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