JP2004196090A - 引出し装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前面が開口したハウジング10と、このハウジング10に対し前後方向に摺動自在に組み込まれ前方摺動端において前端部分がハウジング10から露出するスライダ20と、このスライダ20に対し前後方向に摺動自在に組み込まれ且つ前方摺動端においてハウジング10から露出するスライダ20の前端部分に支持されて回動する引出し部材30とを備える。スライダ20と引出し部材30は、ともにハウジング10の中空部内へ収納可能である。そして、ハウジング10に対しスライダ20が前方の摺動端まで移動してから、該スライダ20に対して引出し部材30が前方へ摺動する構成とする。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、自動車のインスツルメンタパネルに設けられ、小物入れ、トレイ、灰皿、カップホルダ等に利用される引出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の引出し装置として、特許文献1に示された構造のものが知られている。この引出し装置は、具体的には図示しないが、主として、ハウジングとケースとスライダの3部品からなり、スライダはハウジングの内部に組み込まれ、ハウジングの内部で前後方向に摺動し、ケースはスライダにピンを介して連結されスライダと一体に移動するとともに、引出し端においてスライダに対し回動し傾斜姿勢を形成する構成となっていた。
【0003】
【特許文献1】
実公平4−48987号公報号公報
【特許文献2】
特開平7−186873号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された従来の引出し装置は、スライダがハウジングの内部でのみ摺動する構成であったので、スライダに対しトレーが回動(スラント)する支点部分はハウジングの内部に配置されている。このため、トレーはハウジングの前端開口部よりも内側から傾斜した姿勢をもって突き出すことになる。
【0005】
ところが、ハウジングの前端開口部にはその周辺、特に下方位置に、例えばインスツルメンタパネルの化粧板や、オーディオ装置などが前方にせり出して配設されていることが多い。したがって、ハウジングに対しトレーの傾きが大きいと、これら前方にせり出して配設された周辺構造物と干渉してしまうおそれがあった。このため、上記特許文献1に開示された従来の引出し装置は、ハウジングに対するトレーの傾き角度が小さく限定されたものとなり、このことが自動車のインスツルメンタパネル等への組み込み自由度を制限していた。
【0006】
なお、本出願人らが先に提案した特許文献2の先行技術は、スライダを省略してハウジングに対しケースを手動自在に装着した構造としてあるが、かかる先行技術にあっても、ケースが回動する際の支持部分はハウジング内に形成されており、よってケースはハウジングの前端開口部よりも内側から傾斜した姿勢をもって突き出す構成は特許文献1の従来技術と同様であり、ハウジングに対するトレーの傾き角度が小さく限定されたものとなる課題は解消されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる従来の引出し装置の課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1の発明は、前面が開口したハウジングと、このハウジングに対し前後方向に摺動自在に組み込まれ前方摺動端において前端部分がハウジングから露出するスライダと、このスライダに対し前後方向に摺動自在に組み込まれ且つ前方摺動端において前記ハウジングから露出するスライダの前端部分に支持されて回動する引出し部材とを備え、
前記スライダと引出し部材がともに前記ハウジングの中空部内へ収納可能であり、
且つ、前記ハウジングに対し前記スライダが前方の摺動端まで移動してから、該スライダに対して前記引出し部材が前方へ摺動する構成としたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の構成を前提として、
前記引出し部材に、前記スライダを押圧付勢しその付勢力がスライダに対する引出し部材の摺動抵抗となる構成の付勢部材を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の構成を前提として、
前記スライダに対して前記引出し部材が後方摺動端に位置するとき、前記付勢部材が弾力的に係合する係止部を、前記スライダに設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2又は3の構成を前提として、
前記スライダの先端縁に傾斜面を形成するとともに、前記付勢部材がこの傾斜面を押圧し、その反作用をもって前記引出し部材を回動方向に付勢する構成としたことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項の構成を前提として、
前記ハウジングに、ガイド突起を有するガイド部材を装着し、
且つ、前記スライダの外側面に、所定の長さで摺動方向に延びるスライド規制溝を形成し、
前記ガイド突起が前記スライド規制溝に係合して前記スライダを摺動案内するとともに、該ガイド突起が前記スライド規制溝の両端部に当接して前記スライダの摺動範囲が規制される構成としたことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の構成を前提として、
前記ガイド部材は、弾力的にたわみ可能な片持ち片を有し、該片持ち片の自由端に前記ガイド突起が形成されており、固定端から前方に向けて該片持ち片が延びるように前記ハウジングへ装着されることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項の構成を前提として、
前記引出し部材の外側面に並べて設けられた第1,第2の支持突起と、
前記スライダの内側面に形成された摺動方向に延びるスライド溝とを備え、
前記各支持突起は、前記スライド溝に摺動自在に係合するとともに、第1の支持突起は、前記スライド溝の深さ方向へ弾力的に移動可能に支持されており、
前記スライド溝は、前記スライダに対し前記引出し部材が前方摺動端に位置するとき前記第1の支持突起と対向する上側壁面部分に、前記第1の支持突起が弾力的にのり越え可能な切欠き部を有することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項の構成を前提として、
前記スライダは底板および両側板からなり、該スライダの上面開口部には、前方摺動端にある前記引出し部材の後方部分を閉塞するように天板が装着されることを特徴とする。
【0015】
したがって、請求項1の発明によれば、スライダが前方摺動端において前端部分をハウジングから露出させるとともに、引出し部材がこのハウジングから露出するスライダの前端部分に支持されて回動する構成とし、さらにハウジングに対してスライダが前方の摺動端まで移動してから、該スライダに対しスライダが前方へ摺動する構成としたので、引出し部材は、ハウジングから露出した位置で回動する。
このため、ハウジングの前端開口部付近にせり出した周辺構造物があっても、それら周辺構造物よりも前方で引出し部材が回動し、その結果、周辺構造物との干渉を気にすることなく、スライダひいてはハウジングに対する引出し部材の傾き角度を自由に設定することができ、自動車のインスツルメンタパネル等への組み込み自由度が広がり汎用性が向上する
【0016】
請求項2の発明によれば、引出し部材に設けた付勢部材の摺動抵抗により、スライダが摺動する間は、引出し部材がスライダに対して固定されるので、簡単な構成をもってスライダと引出し部材の動作順序を規定することができる。すなわち、この付勢部材によって、スライダが前方の摺動端まで移動してから、該スライダに対しスライダが前方へ摺動する構成を簡易に実現することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、係止部によって上記スライダと引出し部材の動作順序をいっそう確実なものとすることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、上記付勢部材によって引出し部材のスライダに対する傾斜姿勢をがたつきなく保持することが可能となる。
【0019】
請求項5の発明によれば、スライダの外側面にスライド規制溝を形成することにより、ハウジングの内側面にこのスライド規制溝を形成する構造に比べ、成形用の金型構造を簡素化され、製造の容易化を図ることができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、片持ち片の自由端に上記ガイド突起を形成し、且つ固定端から前方に向けて該片持ち片が延びるように構成したので、仮に引出し部材を越えてハウジングの奥側に物品が入り込んでしまった場合にも、引出し部材を介してスライダを通常の引出し力より強い力で引き出せば、片持ち片がたわんでガイド突起がスライド規制溝をのり越え、スライダと引出し部材を破壊することなくハウジングから取り外すことができる。取り外したスライダと引出し部材は、ハウジング内に押し込めば、片持ち片がたわんでガイド突起がスライド規制溝に再び係合し、また装着状態を形成することができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、引出された状態にある引出し部材に外部から過大な横荷重が作用した場合に、上記第1の支持突起が弾力的に切欠き部をのり越えてスライド溝から離脱する。そして、第2の支持突起を支点として引出し部材が回動することにより横荷重を逃げ、これをもって引出し部材の破損を回避することができる。なお、スライド溝から離脱した第1の支持突起は、再び切欠き部を通してスライド溝内に挿入することができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、スライダを底板および両側板からなる構成としたので、上面開口部から引出し部材の組み込み作業が容易に行える。さらに、スライダには、引出し部材の後方部分を閉塞するように天板を装着することで、引出し部材をのり越えて物品がハウジングの後方部分に入り込むことを防止でき、しかも天板によりスライダの剛性を高め強度の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図4は本発明の実施形態に係る引出し装置の外観をそれぞれ異なった動作位置で示す斜視図、図5は同引出し装置の分解斜視図である。
【0024】
本実施形態の引出し装置は、図5に示すように、ハウジング10、スライダ20、引出し部材30、およびガイド部材40を備えており、スライダ20がハウジング10に対して摺動自在に組み込まれるとともに、引出し部材30がスライダ20に対して摺動自在に組み込まれている。スライダ20と引出し部材30は、ハウジング10の中空部内へ収納可能となっており(図1参照)、さらに引出し部材30はハウジング10の前方に引出し可能となっている(図2〜図4参照)。
【0025】
ここで、引出し部材30がハウジング10から引き出される際は、まずスライダ20がハウジング10に対し前方へ摺動してその前端部分をハウジング10から露出させる(図2参照)。次いで、引出し部材30がスライダ20に対し前方へ摺動して引き出され(図3参照)、前方摺動端において回動してハウジング10に対し傾斜姿勢をとる(図4参照)。
【0026】
図6はハウジングを示す図である。
ハウジング10は、図5および図6に示すように、前面が開口した箱形形状をしており、その中空部内はスライダ20と引出し部材30が重なり合って収納できる空間を形成している。ハウジング10は、内底部がスライダ20の摺動面となっており、内部の後端部分には引出し部材30の収納状態を保持するためのロック機構11が設けられている。このロック機構11は、引出し部材30の後端部に設けたピン12(図9(c)参照)がロック爪13に係合して収納状態を保持し、また収納位置から更に引出し部材30を押し込むことでロック爪13によるピン12の係止状態が解除されるプッシュオープン型の構造となっている。この種のロック機構は、特開平6−71309号公報等に開示され既に周知である。
また、ロック機構11の両側には、スライダ20を後方から押圧付勢するコイルばね14が設けてある。スライダ20は、ロック機構11によるロック状態が解除されたとき、これらコイルばね14によって前方へ押し出される。
【0027】
ハウジング10の両側面には、ガイド部材40の装着部15が形成してある。装着部15は、中央部に装着窓15aを有している。左右の装着部15は、後述するように同一のガイド部材40を上下逆転した姿勢で各々装着できるように構成されている。
【0028】
図7,図8はスライダを示す図である。
スライダ20は、底板21と左右の側板22,22からなり、左右の側板22,22の外面には、一定の長さで前後方向に延びるスライド規制溝23が形成してある。スライド規制溝23は、楕円形状の周壁23aの内側に形成されており、このスライド規制溝23の長さによってハウジング10に対するスライダ20の摺動範囲が規定される。また、このスライド規制溝23内には、凸部23bが形成されている。さらに、側板22,22には、周壁23aの後方から周壁23aの後端縁につながる傾斜したガイドスロープ23cが形成されている。
【0029】
スライド規制溝23に沿ってその上部には、側方へたわみ可能な側部弾力片24が形成されている。また、左右の側板22,22の上縁には後端部近傍に、上下方向にたわみ可能な上部弾力片25が形成されている。
【0030】
左右の側板22,22の内面には、後端部から前端部にかけて前後方向に延びるスライド溝26が形成してある。引出し部材30は、このスライド溝26に沿って摺動する。スライド溝26は、前端部近くから湾曲して延びている。この湾曲部26aは、引出し部材30を回動させてスライダ20に対し傾斜した姿勢を形成する機能を有している。
【0031】
また、左右の側板22,22には、図5に示すように、引出し部材30の組付け部22bが形成されている。この組付け部22bは、側板22,22の内側を上端縁から一定深さまで切り込み、さらにその内面をスライド溝26の開口縁に向う傾斜面とした構成となっている。
【0032】
スライダ20の底板21には、先端縁に傾斜面21aが形成してあり、また後端部に係止溝27(係止部)が形成してある。係止溝27には、後述する引出し部材30の摺動抵抗ばね34が弾力的に係合する。
さらに、スライダ20の底板21には、後端部両側付近に係止爪28が回動自在に設けてある。これら係止爪28は底板21の下方に出没自在となっており、常時ねじりコイルばね29によって付勢され、先端の爪部28aが下方に突き出している(図8(b)参照)。また、係止爪28の基端部分は上方に突き出す当接部28bを形成しており、後方の摺動端近くまで移動してきた引出し部材30の後端が、この当接部28bに当接して爪部28aを底板21の下方から押し上げる構成となっている。なお、後述するように、ハウジング10の底面には、スライダ20が前方摺動端に位置するとき、上記係止爪28が係合する切欠孔16が形成してある。
【0033】
スライダ20の上面開口部には、図5に示すように、前方摺動端にある引出し部材30の後方部分を閉塞する位置に天板50が装着可能となっている。この天板50は、左右の側板22,22に形成した天板装着部22aに両側端を係合させることで着脱自在に装着される。
【0034】
図9は引出し部材を示す図である。
引出し部材30は、物品の収納凹部31を有し、かつ前面がハウジング10から露出する意匠面を構成している。引出し部材30の両側面の後端部付近には、第1,第2の支持突起32,33が横方向に並べて形成してある。これら各支持突起32,33は、スライダ20に形成したスライド溝26に係合する。各支持突起32,33の間隔は、スライダ20に形成した湾曲部26aの基端に第1の支持突起32が位置するとき、第2の支持突起33が湾曲部26aの先端に位置するように設定してある。
【0035】
また、第1の支持突起32は、両側面に形成した支持穴に出没自在となっている。図面では明確に描かれていないが、支持穴にはコイルばねが収納してあり、第1の支持突起32は、このコイルばねの付勢力をもって側面から突き出すとともに、外力の作用に伴い支持穴の内部に入り込む構成となっている。
【0036】
ここで、スライダ20の両側面に形成したスライド溝26には、引出し部材30が前方摺動端に位置するとき、上記第1の支持突起32と対向する上側壁面部分に切欠き部26bが形成してある(図8参照)。
【0037】
さらに引出し部材30の後端部下面には、板ばねからなる摺動抵抗ばね34(付勢部材)が装着してある。摺動抵抗ばね34は、基端が引出し部材30の後端部下面に固定され、先端部でスライダ20の底面を押圧付勢する機能を有している。さらに、摺動抵抗ばね34の先端部は凸状に膨出しており、この先端部がスライダ20に形成した係止溝27と係合可能となっている。
【0038】
図10はガイド部材を示す図である。
ガイド部材40は、その中央壁部に横方向に延びる弾力性のある片持ち片41が切欠き形成してあり、この片持ち片41の先端部に円柱状のガイド突起42が突出して形成されている。このガイド突起42は、スライダ20に形成したスライド規制溝23に係合する。ここで、スライド規制溝23内に形成した凸部23b(図7(c)、図8(a)参照)は、スライダ20が前方摺動端に位置するとき、ガイド突起42のすぐ前方に配置されるような位置に形成されている。
【0039】
また、ガイド突起42の上下近傍には、スライダ20に形成したスライド規制溝23の周壁23aと摺接する支持片43が形成されている。さらに、ガイド部材40の上下端部には折返し部44,45が形成され、これら折返し部44,45にハウジング10の装着部15へ弾力的に係合する装着爪46が係止してある。
【0040】
上述した構成の各構成部材からなる引出し装置は、次のように組み立てられる。
すなわち、図5に示すように、スライダ20に形成したスライド溝26に第1,第2の支持突起32,33を係合させて引出し部材30を組み込む。このとき、第1,第2の支持突起32,33を組付け部22bの傾斜面に沿って押し込めば、滑らかに第1,第2の支持突起32,33をスライド溝26へ係合させることができる。
次いで、スライダ20の天板装着部22aに天板50を装着する。スライダ20は、この天板50によってスライダ20の剛性が確保される。さらに、天板50は、前方摺動端にある引出し部材30の後方を閉塞するように装着されるので、この天板50により、引出し部材30をのり越えて物品がハウジング10の後方部分に入り込むことを防止できる(図4参照)。
このようにして引出し部材30が組み込まれたスライダ20は、ハウジング10の内部へ前面開口部から収納され、その後、ハウジング10の装着部15にガイド部材40が装着される。
【0041】
このとき、ガイド部材40は、ハウジング10に形成した左右の装着部15に対し、上下逆向きの姿勢で各々装着し、これによって各ガイド部材40の片持ち片41がともに固定端から前方へ向けて横方向へ延びるようにする。このようにしてハウジング10に組み込まれたスライダ20は、スライド規制溝23にガイド部材40のガイド突起42が係合する。また、スライダ20に形成した側部弾力片24がハウジング10の内側面に弾力的に摺接して、スライダ20の横方向のがたつきを抑える。さらに、スライダ20に形成した上部弾力片25がハウジング10の天井面に弾力的に摺接して、スライダ20の上下方向のがたつきを抑える。
【0042】
次に、図11〜図15を主に参照して引出し装置の動作を説明する。
図11はハウジングの内部でスライダと引出し部材が後方摺動端に位置する状態を示す図である。この状態にあっては、スライド規制溝23の前端がガイド突起42に当接してそれ以上後方へのスライダ20の移動が規制されている。引出し部材30に対する後方への押圧力を解除すると、コイルばね14(図6参照)の付勢力によって図11の状態から僅か前方にスライド部材が移動してロック機構11(図6参照)によるロック状態が形成される。この状態が収納状態である。
収納状態では、スライダ20の係止溝27(図7,図8参照)に引出し部材30の摺動抵抗ばね34(図9参照)が係合している。また、スライダ20の係止爪28(図8参照)は、当接部28bが引出し部材30に押されて、爪部28aが底板21の下方から押し上げられている。
【0043】
上記収納状態から引出し部材30を後方へ押し込むと、ロック機構11が解除され、コイルばね14の付勢力をもってスライダ20が前方へ押し出される。続いて、引出し部材30を前方へ引き出すと、スライダ20の係止溝27(図7,図8参照)に引出し部材30の摺動抵抗ばね34(図9参照)が係合していることから、スライダ20と引出し部材30が一体となって前方へ引き出される。すなわち、スライダ20がハウジング10に対して前方へ移動する。
【0044】
そして、ハウジング10に対しスライダ20が凸部23bをのり越えて前方摺動端まで移動すると、図12に示すように、スライド規制溝23の後端がガイド突起42に当接してそれ以上前方へのスライダ20の移動が規制される。しかも、凸部23bによってスライダ20は後方への自由な移動が規制される。これにより、スライダ20は前方摺動端に保持される。このようにして前方摺動端まで移動したスライダ20は、前端部分がハウジング10の前面開口部から露出している(図3参照)。
【0045】
この状態からさらに引出し部材30に引出し力を加えると、摺動抵抗ばね34(図9参照)と係止溝27(図7,図8参照)との間の係止状態が解除され、そして図13に示すように、スライダ20に対し引出し部材30が前方へ摺動していく。引出し部材30の前方への移動に伴い、スライダ20の係止爪28は引出し部材30による押圧が解除されるため、ねじりコイルばね29の付勢力をもって回動し、爪部28aがハウジング10の底面に形成した切欠孔16と係合する。その結果、スライダ20は、後方への自由な移動が規制される。
【0046】
スライダ20に対し引出し部材30を前方へ摺動させていくと、図14に示すように、引出し部材30に設けた第2の支持突起33がスライド溝26の湾曲部26aに至り、この湾曲部26aに沿って引出し部材30を回動し、スライダ20に対する傾斜姿勢を形成する。このとき、引出し部材30は、ハウジング10から露出するスライダ20の前端部を支点に回動するため、その周辺部にインスツルメンタパネルの化粧板や、オーディオ装置化粧板等の前方にせり出した構造物等があっても、それらとの干渉が回避される。
【0047】
また、スライダ20に対し引出し部材30が傾斜姿勢を形成したとき、スライダ20の先端縁に形成した傾斜面21aを摺動抵抗ばね34が押圧し、その反作用をもって引出し部材30が回動方向に付勢される。このため、引出し部材30はスライダ20に対しがたつきなく傾斜姿勢を保持される。
【0048】
一般には、図15(a)に示すように、ハウジング10が傾斜姿勢をもって自動車のインスツルメンタパネル等に装着され、引出し部材30は水平配置の引出し状態を形成する。ここで、引出された状態にある引出し部材30に外部から過大な横荷重が作用した場合は、図15(b)に示すように、第1の支持突起32が弾力的に切欠き部26bをのり越えてスライド溝26から離脱する。そして、横荷重に逆らうことなく第2の支持突起33を支点として引出し部材30が回動するので、引出し部材30の破損が回避される。
【0049】
また、上述したように、各ガイド部材40は片持ち片41がともに固定端から前方へ向けて横方向へ延びるように装着されているので、仮に引出し部材30を越えてハウジング10の奥側に物品が入り込んでしまった場合にも、引出し部材30を介してスライダ20を大きな力で勢いよく引き出せば、片持ち片41がたわんでガイド突起42がスライド規制溝23をのり越え、スライダ20と引出し部材30を破壊することなくハウジング10から取り外すことができる。取り外したスライダ20と引出し部材30は、ハウジング10内に押し込むだけで、ガイド突起42がガイドスロープ23cに沿って移動し、片持ち片41をたわませながら再びスライド規制溝23に係合するので、また装着状態を形成することができる。
【0050】
引出し部材30を収納するときは、まず引出し部材30がスライダ20のスライド溝26に沿って後方へ摺動する。そして、スライダ20の係止爪28が切欠孔16との係合状態を解除され、さらに摺動抵抗ばね34が係止溝27に係合する。その後、スライダ20がハウジング10に対して後方へ移動していく。このとき、引出し部材30もスライダ20と一体に移動して後方摺動端近くでロック機構11に係合してロックされる。
【0051】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、引出し部材は小物収納のほか、トレイ、灰皿、カップホルダ等、各種の用途に適した形状に形成することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハウジングの前端開口部付近にせり出した周辺構造物があっても、それら周辺構造物よりも前方で引出し部材を回動させることができ、その結果、周辺構造物との干渉を気にすることなく、スライダひいてはハウジングに対する引出し部材の傾き角度を自由に設定することができ、自動車のインスツルメンタパネル等への組み込み自由度が広がり汎用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る引出し装置の外観を示す斜視図で、ハウジング内に引出し部材とスライダが収納された状態を示している。
【図2】本発明の実施形態に係る引出し装置の外観を示す斜視図で、図1に続き、ロックを解除しハウジングからスライダを引出した状態を示している。
【図3】本発明の実施形態に係る引出し装置の外観を示す斜視図で、図2に続き、ハウジングから引出し部材を引出した状態を示している。
【図4】本発明の実施形態に係る引出し装置の外観を示す斜視図で、図3に続き、スライダに対し引出し部材を回動させた状態を示している。
【図5】本発明の実施形態に係る引出し装置の分解斜視図である。
【図6】ハウジングを示す図で、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【図7】スライダを示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
【図8】スライダを示す図で、(a)は外観斜視図、(b)は側面断面図である。
【図9】引出し部材を示す図で、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は外観斜視図である。
【図10】ガイド部材を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図、(d)は右側面断面図、(e)は斜め前方から視た斜視図、(f)は斜め後方から視た斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る引出し装置の動作を説明するための図で、(a)はスライダを側面を実線で示し、(b)はハウジングとスライダを断面で示し、(c)はハウジングとスライダを断面で、引出し部材を実線で示している。
【図12】図11に続く動作説明図で、(a)はスライダを側面を実線で示し、(b)はハウジングとスライダを断面で示している。
【図13】(a)は図12に続く動作説明図で、(b)は同図(a)に続く動作説明図であり、いずれもハウジングとスライダを断面で示している。
【図14】図13(b)に続く動作説明図で、(a),(b)はハウジングとスライダをそれぞれ異なった断面で示している。
【図15】(a)は図14と同様の状態をハウジングが傾斜して装着された状態をもって示す図、(b)は引出し部材に大きな横荷重が作用したときの状態を示す図である。
【符号の説明】
10:ハウジング
11:ロック機構
12:ピン
13:ロック爪
14:コイルばね
15:装着部
15a:装着窓
16:切欠孔
20:スライダ
21:底板
21a:傾斜面
22:側板
22a:天板装着部
22b:組付け部
23:スライド規制溝
23a:周壁
23b:凸部
23c:ガイドスロープ
24:側部弾力片
25:上部弾力片
26:スライド溝
26a:湾曲部
26b:切欠き部
27:係止溝
28:係止爪
28a:爪部
28b:当接部
29:ねじりコイルばね
30:引出し部材
31:収納凹部
32:第1の支持突起
33:第2の支持突起
34:摺動抵抗ばね
40:ガイド部材
41:片持ち片
42:ガイド突起
43:支持片
44,45:折返し部
46:装着爪
50:天板
Claims (8)
- 前面が開口したハウジングと、このハウジングに対し前後方向に摺動自在に組み込まれ前方摺動端において前端部分がハウジングから露出するスライダと、このスライダに対し前後方向に摺動自在に組み込まれ且つ前方摺動端において前記ハウジングから露出するスライダの前端部分に支持されて回動する引出し部材とを備え、
前記スライダと引出し部材がともに前記ハウジングの中空部内へ収納可能であり、
且つ、前記ハウジングに対し前記スライダが前方の摺動端まで移動してから、該スライダに対して前記引出し部材が前方へ摺動する構成としたことを特徴とする引出し装置。 - 請求項1の引出し装置において、
前記引出し部材に、前記スライダを押圧付勢しその付勢力がスライダに対する引出し部材の摺動抵抗となる構成の付勢部材を設けたことを特徴とする引出し装置。 - 請求項2の引出し装置において、
前記スライダに対して前記引出し部材が後方摺動端に位置するとき、前記付勢部材が弾力的に係合する係止部を、前記スライダに設けたことを特徴とする引出し装置。 - 請求項2又は3の引出し装置において、
前記スライダの先端縁に傾斜面を形成するとともに、前記付勢部材がこの傾斜面を押圧し、その反作用をもって前記引出し部材を回動方向に付勢する構成としたことを特徴とする引出し装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載した引出し装置において、
前記ハウジングに、ガイド突起を有するガイド部材を装着し、
且つ、前記スライダの外側面に、所定の長さで摺動方向に延びるスライド規制溝を形成し、
前記ガイド突起が前記スライド規制溝に係合して前記スライダを摺動案内するとともに、該ガイド突起が前記スライド規制溝の両端部に当接して前記スライダの摺動範囲が規制される構成としたことを特徴とする引出し装置。 - 請求項5の引出し装置において、
前記ガイド部材は、弾力的にたわみ可能な片持ち片を有し、該片持ち片の自由端に前記ガイド突起が形成されており、固定端から前方に向けて該片持ち片が延びるように前記ハウジングへ装着されることを特徴とする引出し装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載した引出し装置において、
前記引出し部材の外側面に並べて設けられた第1,第2の支持突起と、
前記スライダの内側面に形成された摺動方向に延びるスライド溝とを備え、
前記各支持突起は、前記スライド溝に摺動自在に係合するとともに、第1の支持突起は、前記スライド溝の深さ方向へ弾力的に移動可能に支持されており、
前記スライド溝は、前記スライダに対し前記引出し部材が前方摺動端に位置するとき前記第1の支持突起と対向する上側壁面部分に、前記第1の支持突起が弾力的にのり越え可能な切欠き部を有することを特徴とする引出し装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載した引出し装置において、
前記スライダは底板および両側板からなり、該スライダの上面開口部には、前方摺動端にある前記引出し部材の後方部分を閉塞するように天板が装着されることを特徴とする引出し装置。
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