JP3978605B2 - 口腔用製品及び口腔用製品中におけるビタミンe又はその誘導体の安定配合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物を、容器に収容してなる口腔用製品において、ビタミンE又はその誘導体が製剤中に安定配合された口腔用製品及び前記口腔用製品の練歯磨組成物中におけるビタミンE又はその誘導体の安定配合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビタミンE又はその誘導体は、歯肉組織の末梢循環促進作用(血行促進作用)や、創傷治癒促進作用を利用して、歯磨、歯周疾患予防治療剤、口腔清浄剤等の口腔用組成物に広く配合されている(特許文献1:特開昭57−139013号公報、特許文献2:特開昭61−155315号公報、特許文献3:特開昭62−192319号公報参照)。
【0003】
しかしながら、ビタミンE又はその誘導体は、低密度ポリエチレンを最内層にもつチューブ等の容器への吸着により経時における残存量低下や、酸化分解作用により製剤の変色の原因となるなど、製剤中に安定配合することに問題がある。
【0004】
これまで安定化向上のために種々の検討がなされている。特に容器への吸着に関しては、アニオン界面活性剤を配合すると容器への吸着が促進されることがわかっている。更に、容器への吸着に対しては、種々の容器材質に変更する検討がなされている(特許文献4:特開平01−305021号公報、特許文献5:特開平02−69411号公報)。しかし、容器材質変更はコスト又は使用性の面から問題があった。
【0005】
また、重炭酸ナトリウム等の塩(特許文献6:特開昭63−192712号公報)や塩酸、硫酸、炭酸、リン酸等を配合することによっても、アニオン界面活性剤のミセル構造がリジットになり、容器吸着が抑えられることが知られている(特許文献7:特開昭62−161715号公報)。
【0006】
一方、各種の酸を配合して酸化分解を抑制する技術が特許文献3に提案されているが、この技術では、香味の制約や粘結剤選定の制約が生じるという問題があった。
【0007】
更に、アニオン界面活性剤は、製剤の口腔内分散性、香料やビタミンE又はその誘導体等の油溶性成分可溶化のため0.3%以上、好ましくは0.5〜2.0%配合され、更に非イオン界面活性剤を配合する技術も提案されている(特許文献8:特開昭58−96012号公報)。この技術によれば、塩添加の場合と同様にアニオン界面活性剤のミセル構造がリジットになり、ビタミンE又はその誘導体の容器への吸着を抑制することができる。しかしながら、ビタミンE又はその誘導体をより安定化配合するためには、もう一つの安定性低下原因である酸化分解作用を同時に解決しなければならないが、非イオン界面活性剤を添加することによって酸化分解作用は促進される傾向にあり、非イオン界面活性剤の添加だけでは、ビタミンE又はその誘導体を満足に安定化配合することは困難である。
【0008】
従って、ビタミンE又はその誘導体の安定性低下原因である容器への吸着及び酸化分解作用を同時に解決でき、ビタミンE又はその誘導体を高安定化配合できる技術の開発が望まれる。
【0009】
【特許文献1】
特開昭57−139013号公報
【特許文献2】
特開昭61−155315号公報
【特許文献3】
特開昭62−192319号公報
【特許文献4】
特開平01−305021号公報
【特許文献5】
特開平02−69411号公報
【特許文献6】
特開昭63−192712号公報
【特許文献7】
特開昭62−161715号公報
【特許文献8】
特開昭58−96012号公報
【特許文献9】
特開昭62−273910号公報
【特許文献10】
特開平10−182390号公報
【特許文献11】
特開平11−147841号公報
【特許文献12】
特開平11−12142号公報
【特許文献13】
特開2000−198723号公報
【特許文献14】
特開2000−256152号公報
【特許文献15】
特開2000−256153号公報
【特許文献16】
特開2001−220336号公報
【特許文献17】
特開2002−20292号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物を、容器に収容してなる口腔用製品において、ビタミンE又はその誘導体の容器への吸着及び酸化分解を同時に抑制して安定配合することができる口腔用製品及び前記口腔用製品の練歯磨組成物中におけるビタミンE又はその誘導体の安定配合方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物を、最内層が低密度ポリエチレンにて形成された容器に収容してなる口腔用製品において、ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物に、ノニオン界面活性剤と水溶性抗酸化剤としてアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩とを組合わせて配合することにより、組成物中でビタミンE又はその誘導体を安定に配合できることを見出した。
【0012】
歯磨組成物においてビタミンE又はその誘導体とアスコルビン酸誘導体とを同時に配合することは知られており、特許文献9:特開昭62−273910号公報、特許文献10:特開平10−182390号公報、特許文献11:特開平11−147841号公報には、更に非イオン界面活性剤を配合したものが提案されている。また、特許文献12:特開平11−12142号公報、特許文献13:特開2000−198723号公報、特許文献14:特開2000−256152号公報、特許文献15:特開2000−256153号公報、特許文献16:特開2001−220336号公報、特許文献17:特開2002−20292号公報には、ビタミンE又はその誘導体、アスコルビン酸誘導体を配合し、アニオン界面活性剤が配合されたものが提案されている。
【0013】
なお、特許文献17には、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油が配合された洗口剤が記載されているが、そもそも洗口剤が通常収容されるPETボトル等では、ビタミンE又はその誘導体の容器吸着の問題はほとんどない。
【0014】
このように従来、口腔用組成物において、ビタミンE又はその誘導体とアスコルビン酸誘導体とを同時に配合することは提案されているが、ビタミンE又はその誘導体、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を組合わせて練歯磨組成物に配合することにより、これら成分が相乗的に作用して、アニオン界面活性剤配合系においてビタミンE又はその誘導体の容器吸着と酸化分解とを同時に効果的に抑制し得、ビタミンE又はその誘導体を極めて良好に安定配合できることは、本発明者の新知見である。
【0015】
従って、本発明は、ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物に、ノニオン界面活性剤とアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩とを配合した練歯磨組成物を、最内層が低密度ポリエチレンにて形成された容器に収容してなることを特徴とする口腔用製品、及び、ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物を、最内層が低密度ポリエチレンにて形成された容器に収容してなる口腔用製品において、ビタミンE又はその誘導体を安定配合する方法であって、前記練歯磨組成物にノニオン界面活性剤とアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩とを配合することを特徴とする、前記口腔用製品の練歯磨組成物中におけるビタミンE又はその誘導体の安定配合方法を提供する。
【0016】
以下、本発明につき更に詳細に説明する。本発明の練歯磨組成物は、上記したようにビタミンE又はその誘導体、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を併用することを特徴とする。
【0017】
ここで、本発明において配合されるビタミンEとしては、例えばd−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール又はdl−α−トコフェロール等が挙げられ、ビタミンEの誘導体としては、例えば酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸dl−β−トコフェロール、酢酸dl−γ−トコフェロール、酢酸dl−δ−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール等を挙げることができる。本発明組成物には、これらのビタミンE又はその誘導体の1種又は2種以上が好適に含まれ得るが、特にdl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸dl−β−トコフェロール、酢酸dl−γ−トコフェロール、酢酸dl−δ−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、とりわけ酢酸dl−β−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロールが好適に用いられる。
【0018】
ビタミンE又はその誘導体の配合量は、剤型に応じて選択することが可能であり特に限定されないが、組成物全体の0.01〜5.0%、(質量百分率、以下同様)、特に0.05〜1.0%の範囲が好適である。ビタミンE又はその誘導体の含有量が少なすぎると、歯肉組織に対する効果が発揮され難い場合があり、多く配合しても、含有量の増加に見合った効果の増大が期待できない場合があり、好ましくない。
【0019】
本発明においてアスコルビン酸誘導体又はその塩は、水溶性抗酸化剤として配合されるもので、1種又は2種が含まれ得るが、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩が用いられ、とりわけアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩が好適に用いられる。
【0021】
アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩の配合量は、特に限定されないが、組成物全体の0.01〜5%、特に0.05〜3%が好ましい。アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩の配合量が少なすぎると、配合効果が満足に発揮されない場合があり、また、多すぎても含有量の増加に見合った効果の増大が期待できない場合があり、好ましくない。
【0022】
本発明に使用するアニオン界面活性剤としては、従来公知の各種のもの、例えばアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル又はヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシル化タウリン、N−アシル化グリシン、N−アシル化アスパラギン酸塩、N−アシル化ザルコシン、N−アシル化グルタミン酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、アルキルアミドエーテル硫酸エステル塩、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルスルホン酸塩、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルカルボン酸塩、二級アミド型N−アシルアミノ酸塩、酒石酸アルキルアミド、リンゴ酸アルキルアミド、クエン酸アルキルアミド、アルキル(ポリ)グリセリルスルホン酸塩、モノグリセリドコハク酸エステル塩等が挙げられるが、これらの中ではアルキル硫酸エステル塩が好ましい。
【0023】
更に、上記アニオン界面活性剤としては、特に疎水部となるアルキル鎖長は炭素数10〜18、好ましくは12〜14であることがより好ましい。アルキル鎖長の炭素数が10未満では、味が著しく悪化するおそれがあり、使用性が悪化する場合があり、18を超える場合は、アニオン界面活性剤を配合する目的である発泡性、口腔内清掃力等が低下する場合がある。
【0024】
アニオン界面活性剤の配合量は、剤型に応じて選択することが可能であり特に限定されないが、組成物全体の0.01〜5.0%、特に0.3〜2.5%が望ましい。アニオン界面活性剤の含有量が少なすぎると、泡立ちや分散性に関する効果が発揮されない場合があり、多すぎると、発泡性が大きすぎて使用性が問題になる場合がある。
【0025】
次に、本発明に使用するノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪族アルカノールアミド、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック重合体、脂肪酸ショ糖エステル等の糖脂肪酸エステル、脂肪酸ソルビタンエステルやマルトース脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられるが、特には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好適である。
【0026】
ノニオン界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.05〜30%、特に0.1〜5%が好適であり、配合量が少なすぎると、本発明の安定化改善効果が発揮され難くなる場合があり、多すぎると独特の油っぽさが残り、使用性が問題になる場合がある。
【0027】
本発明の練歯磨組成物には、上記成分に加えてその他の通常の配合成分を配合することができる。具体的に練歯磨剤として調製される場合は、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、上記アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤以外の界面活性剤、香料、甘味剤などを常用量で配合し得る。
【0028】
この場合、研磨剤としては、リン酸水素カルシウム・2水和物、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ポリメタクリル酸メチル、その他の合成樹脂等の1種又は2種以上を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。
【0029】
また、粘結剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール等のアルギン酸誘導体、キサンタンガム、ジェランガム、トラガントガム、カラヤガム等のガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等の合成粘結剤、シリカゲル、ビーガム、ラポナイト等の無機粘結剤などの1種又は2種以上を配合し得る。
【0030】
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビット、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等の多価アルコールの1種又は2種以上を配合し得る。
【0031】
本発明組成物には、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤以外の界面活性剤を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。具体的には、イミダゾリニウムベタイン型、アシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体、N−アルキルアミノ酸誘導体等の両性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩、アミノ酸系界面活性剤等のカチオン界面活性剤を配合し得る。なお、その他の界面活性剤の配合量は、通常0.001〜5%である。
【0032】
香料成分としては、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、ペパーミント油、スペアミント油、ウインターグリーン油、丁字油、ユーカリ油等の香料を単独で又は組み合わせて配合し得る。また、香料成分の溶剤としてエタノール、ヘキセレングリコール等を用いることができる。更に、サッカリンナトリウム、ペリラルチン、ステビオサイト、ソーマチン等の甘味剤を配合し得る。
【0033】
また、本発明組成物には、クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム等の陽イオン性殺菌剤、トリクロサン、ヒノキチオール、イソプロピルメチルフェノール等のフェノール性化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素、SOD等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫などのフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、ジヒドロコレスタノール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、キシリトール、塩化亜鉛、水溶性無機リン酸化合物、ビタミンA、ビタミンB群等のビタミンE又はその誘導体、アスコルビン酸誘導体又はその塩以外のビタミン類又はその誘導体等、公知の有効成分を1種又は2種以上配合することができる。なお、上記有効成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
【0034】
本発明の練歯磨組成物は、常法によって調製し得、成分の配合順序に特に制限はない。
【0035】
また、本発明の練歯磨剤を収容する容器としては、ポリエチレン層、エチレンメタクリル酸共重合体層、ポリエチレンテレフタレート層、アルミニウム層、ガラス蒸着層、ポリビニルアルコール層、エチレンビニルアルコール共重合体層、アクリル・ニトリル共重合体層、リサイクルプラスチック層等からなるラミネート容器、又はポリエチレン容器、ポリエチレンテレフタレート容器、ポリプロピレン容器等が挙げられるが、本発明組成物は、低密度ポリエチレンを最内層にもつ容器に収容される。本発明組成物においては、低密度ポリエチレンを最内層にもつ容器に収容されても、ビタミンE又はその誘導体が安定配合される。
【0036】
【発明の効果】
本発明の練歯磨組成物を、最内層が低密度ポリエチレンにて形成された容器に収容してなる口腔用製品は、練歯磨組成物にビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を配合しても、ビタミンE又はその誘導体が製剤中に安定配合され、その効果が持続的に発揮される。
【0037】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で配合量はいずれも質量%である。
【0038】
〔実施例1〜3、比較例1〜6〕
表1に記載した練歯磨を常法により調製し、低密度ポリエチレンを最内層にもつアルミニウム箔をプラスチックでラミネートしたチューブ(容器A)に充填し、50℃で1ヵ月保存後の容器口元付近のビタミンE又はその誘導体の残存率を下記方法で測定し、算出した。結果を表1に示す。
【0039】
ビタミンE又はその誘導体残存率の測定及び算出方法:
練歯磨を90%メタノールで分散し、遠心分離上澄液を得、試料溶液とした。別に標準物質を精密に量り、適宜の濃度に希釈した。これらを液体クロマトグラフ法(UV284nm、ODSカラム)により測定し、ビタミンE又はその誘導体の量を得、下記式により残存率を求めた。
【数1】
【0040】
表1の結果より、ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を配合した歯磨(比較例1)は、低密度ポリエチレンを最内層にもつ容器AのビタミンE又はその誘導体の残存率が著しく低下し、非イオン界面活性剤を配合すると(比較例2〜4)、ビタミンE又はその誘導体の容器への吸着は抑制されるが、残存率は低下傾向となり、更に、アスコルビン酸を配合すると(比較例5)、保存後、組成物が褐色に変化し、新たな課題が生じた。これらに対して、ビタミンE又はその誘導体、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、更にはアスコルビン酸誘導体又はその塩を配合した歯磨(実施例1〜3)は、酸化分解が抑制され、安定性が向上し、95%以上の残存率を示し、ビタミンE又はその誘導体を極めて安定に配合できることが確認された。
【0041】
【表1】
【0042】
次に、以下の実施例の歯磨組成物を脱泡混合にて常法で製造し、低密度ポリエチレンを最内層にもつアルミニウムラミネートチューブ及びガラス蒸着の低密度ポリエチレンチューブに収容した。下記歯磨組成物においても、上記実施例と同様にビタミンE又はその誘導体が安定配合された。
【0043】
【0044】
【0046】
〔実施例6〕 練歯磨
プロピレングリコール 5.0%
60%ソルビット液 40.0
アルギン酸ナトリウム 1.5
サッカリンナトリウム 0.15
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.5
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
水酸化ナトリウム 0.1
トリクロサン 0.02
酢酸dl−α−トコフェロール 0.05
アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩 0.1
トリポリリン酸ナトリウム 1.0
ゼオライト 1.0
無水ケイ酸 20.0
香料 1.0
精製水 残
合計 100.0%
【0047】
〔実施例7〕 練歯磨
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5%
キサンタンガム 0.5
プロピレングリコール 5.0
70%ソルビット液 20.0
サッカリンナトリウム 0.1
安息香酸ナトリウム 0.3
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40) 1.0
トラネキサム酸 0.05
アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩 0.5
dl−α−トコフェロール 0.1
オウバクエキス 0.05
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
リン酸水素カルシウム無水塩 20.0
無水ケイ酸 5.0
香料 1.0
精製水 残
合計 100.0%
Claims (3)
- ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物に、ノニオン界面活性剤とアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩とを配合した練歯磨組成物を、最内層が低密度ポリエチレンにて形成された容器に収容してなることを特徴とする口腔用製品。
- ノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪族アルカノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれるものである請求項1記載の口腔用製品。
- ビタミンE又はその誘導体とアニオン界面活性剤を含有する練歯磨組成物を、最内層が低密度ポリエチレンにて形成された容器に収容してなる口腔用製品において、ビタミンE又はその誘導体を安定配合する方法であって、前記練歯磨組成物にノニオン界面活性剤とアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩又はマグネシウム塩とを配合することを特徴とする、前記口腔用製品の練歯磨組成物中におけるビタミンE又はその誘導体の安定配合方法。
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