JP3977405B1 - ゲーム音出力装置、ゲーム音制御方法、および、プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゲーム音出力装置は、まず(a)に示すように、壁W等の固定物、自キャラクタJc、及び敵キャラクタの配置を取得し、(b)に示すように、自キャラクタJcと敵キャラクタTcとを結ぶ直線Sを求め、この直線Sの距離lに応じた自然減衰後の音量を算定する。また、自然減衰処理後の音量を更に減衰させた壁面遮断処理の音量を算定する。さらに、(c)に示すように、双方のキャラクタから空間認識線N1〜N4をそれぞれ伸ばし、障害物に遮断されることなく交わった空間認識線の本数等を求め、空間認識減衰を定める。そして、壁面遮断処理後の音量を、この空間認識減衰により更に減衰させた空間認識減衰処理後の音量を算定する。このように算定された空間認識減衰処理後の音量にてゲーム音を出力する。
【選択図】図6
Description
一方、ゲーム音の方は、ゲーム画像に比べて、発達度合いが十分とは言えないものの、同時に発音できる音源数の増加等に伴い、背景音を充実させる等により、ゲーム画像とのバランスを取っている。
また、ある種のゲームでは、ゲーム音のリアリティを高める工夫もなされている。一例として、レースゲームにおいて、周囲の固定物の種類(トンネル、壁、樹木等)を特定し、その種類に応じて固定物からの仮想的な反射音を変化させる3次元ゲーム装置の技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、音を発する敵キャラクタと自キャラクタが登場するアクションゲーム等では、敵キャラクタと自キャラクタとの距離に応じて、発せられる音(ゲーム音)の音量等を制御している。そして、敵キャラクタと自キャラクタとの間を妨げる障害物がない場合は、特に問題なく適切なゲーム音が出力される。
それでも、敵キャラクタと自キャラクタとの間に、障害物が存在する場合では、適切なゲーム音が出力されず、プレイヤに違和感を感じさせてしまっていた。
これらの場合、敵キャラクタTcが自キャラクタJcの直線的な視界に入らないため、現状では、発音自体を止めてしまったり(ゲーム音OFF)、逆に、建物(壁W)があることを考慮せずに、単純に直線距離だけで音量等を決定していた。つまり、何れの場合でも、同じようにゲーム音が出力されないか、又は、通常と同じ音量でゲーム音が出力されていた。
つまり、図8(a)の場合では、通常より幾分小さくなるものの音が聞こえること、また、図8(b)の場合では、全く音が聞こえない(又は、かすかに音が聞こえる)ことを、プレイヤが実体験で知っているため、違和感を感じてしまうことになる。
しかし、このようなシミュレーションは、演算負荷が極めて高いため、ゲーム装置に適用することが困難であった。特に、このようなシミュレーションを高速に(リアルタイムに)に行うことは、ゲーム装置では事実上不可能であった。
そのため、演算負荷をあまり高めずに、ゲーム装置等でもゲーム音を適切に制御する技術が求められていた。
一方、第3の音量算定部は、発音オブジェクト及び聴音オブジェクトの双方から、当該直線を中心として少なくとも平面に広がる複数の空間認識線を延ばし、障害物となる他のオブジェクトに遮断されることなく交わった当該空間認識線の本数又は割合に応じて、当該第1の音量若しくは、当該第2の音量を減衰させた第3の音量を算定する。そして、音量制御部は、算定された当該第3の音量に基づいて、ゲーム音を出力する。
一方、第3の音量算定ステップでは、発音オブジェクト及び聴音オブジェクトの双方から、当該直線を中心として少なくとも平面に広がる複数の空間認識線を延ばし、障害物となる他のオブジェクトに遮断されることなく交わった当該空間認識線の本数又は割合に応じて、当該第1の音量若しくは、当該第2の音量を減衰させた第3の音量を算定する。そして、音量制御ステップでは、算定された当該第3の音量に基づいて、ゲーム音を出力する。
このように、比較的簡単な演算等により、発音敵オブジェクトの音量を算定できるため、音響シミュレーション等のような複雑な演算を行わずに、ゲーム音を適切に制御することが可能となる。この結果、ゲーム音の適切な制御を簡易に実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るゲーム音出力装置が実現される典型的なゲーム装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。
図2は、本実施形態に係るゲーム音出力装置の概要構成を示す模式図である。このゲーム音出力装置は、一例として、音を発する発音オブジェクト(後述する敵キャラクタ)と、当該発音オブジェクトが発する音を聴取する聴音オブジェクト(後述する自キャラクタ)とを含む複数のオブジェクトがゲーム装置における仮想空間内に配置され、当該聴音オブジェクトが聴取した音をゲーム音として出力する装置である。以下、本図を参照して説明する。
例えば、オブジェクト記憶部201は、プレイヤが操作する自キャラクタ(プレイヤキャラクタ)、所定の音(効果音等)を発する敵キャラクタ、及び、フィールド等に配置される固定物(建物や壁等)といったオブジェクトの情報を記憶する。
なお、発音体となる敵キャラクタのオブジェクトは、後述する音源206における効果音データ等と対応付けられている。
また、固定物といった仮想空間内で位置が変化しないオブジェクトには、仮想空間内における位置情報等も、このオブジェクト記憶部201にて管理されているものとする。
そして、RAM 103が、このようなオブジェクト記憶部201として機能しうる。
なお、コントローラ105がこのような操作部202として機能しうる。
なお、RAM 103及びCPU 101が、このようなキャラクタ位置管理部203として機能しうる。
具体的に、画像生成部204は、図3に示すような、自キャラクタJc、敵キャラクタTc及び、壁W等のオブジェクト等を含むゲーム画像を生成する。
なお、画像処理部108が、このような画像生成部204として機能しうる。
具体的に音量算定部205は、自然減衰処理、壁面遮断処理、及び、空間認識減衰処理の各演算を行って、音量を算定する。以下、これら各処理について図4を参照して説明するが、理解を容易にするために、3次元の仮想空間を上から見た2次元の平面として説明する。
そして、音量算定部205は、例えば、以下の数式1により、自然減衰処理後の音量を算定する。
V1 = Vmax × Dl
V1:自然減衰処理後の音量
Vmax:最接近時の最大音量
Dl:距離lに応じた自然減衰
V2 = V1 × Dh
V2:壁面遮断処理後の音量
V1:自然減衰処理後の音量
Dh:壁面遮断時の減衰
なお、壁面遮断時の減衰(Dh)は、固定物が壁Wの場合を一例とした値であり、固定物の種類(材質等)や厚さ等に応じて、適宜変化させても良い。
例えば、オブジェクト記憶部201に記憶される固定物のオブジェクトの情報に、設定される材質や厚さに応じて、壁面遮断時の減衰(Dh)の値が異なるように記憶しておき、上述の数式2を演算する際に、直線Sが通過する対象の固定物の減衰(Dh)を参照して演算する。これにより、対象の固定物に応じて、壁面遮断処理後の音量を適宜調整することができる。
例えば、図4(c)に示すように、自キャラクタJcから直線Sを中心として、左右に30度,45度の角度をなす空間認識線N1〜N4を延ばし、また、敵キャラクタTcからも直線Sを中心として、左右に30度,45度の角度をなす空間認識線N1〜N4を延ばす。そして、各空間認識線N1〜N4が障害物に遮断されることなく交差するか否かを判定する。
具体的に図4(d)に示す場合では、空間認識線N1〜N3が壁W等により遮断され、1本の空間認識線だけ(空間認識線N4だけ)が遮断されずに交差すると判定される。一方、図4(e)に示す場合では、空間認識線N1〜N4全てが壁Wにより遮断され、1本の空間認識線も交差しない(つまり0本)と判定される。
そして、交差した空間認識線の本数に応じた空間認識減衰を定める。例えば、4本全てが交差した場合に空間認識減衰を1と定め、また、3本が交差した場合に空間認識減衰を0.75と定め、また、2本が交差した場合に空間認識減衰を0.5と定め、更に、また、1本が交差した場合に空間認識減衰を0.25と定め、そして、0本が交差した(全てが交差しなかった)場合に空間認識減衰を0と定める。
そして、音量算定部205は、例えば、以下の数式3により、空間認識減衰処理後の音量を算定する。
V3 = V2(又は、V1) × Dk
V3:空間認識減衰処理後の音量
V2:壁面遮断処理後の音量
(V1:自然減衰処理後の音量)
Dk:空間認識減衰
なお、上述した図4(c)〜(e)等では、説明の理解を容易にするために、平面で説明したが、実際の空間認識減衰処理では、3次元仮想空間において、直線Sを中心として、立体的(例えば、放射状)に広がるように複数の空間認識線を双方のキャラクタから伸ばして、交差の有無を判定することになる。そして、交差した空間認識線の本数の全体に占める割合に応じた空間認識減衰を定める。
そして、CPU 101等が、このような音量算定部205として機能しうる。
なお、音声処理部109等が、このような音源206として機能しうる。
なお、音声処理部109が、このような出力音制御部207として機能しうる。
図5は、上述した構成のゲーム音出力装置200において実行されるゲーム音制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照してゲーム音出力装置200の動作について説明する。このゲーム音制御処理は、自キャラクタと敵キャラクタ等が登場する所定のゲーム実行中において、リアルタイムに(例えば、1/60秒毎に)、繰り返し実行される。
なお、上述したように、自キャラクタ等の現在位置は、操作部202の指示等に従って適宜更新され、キャラクタ位置管理部203にて管理されている。
例えば、ゲーム音出力装置200は、図6(a)に示すような壁W等の固定物、自キャラクタJc、及び敵キャラクタの配置を取得する。なお、これら図6(a)〜(d)も、説明の理解を容易にするために、3次元の仮想空間を上から見た2次元の平面図で示している。
ゲーム音出力装置200は、直線上に障害物が存在していないと判別すると(ステップS303;No)、後述するステップS305に処理を進める。
ゲーム音出力装置200は、このようにして定めた空間認識減衰を、上述した数式3に適用して、空間認識減衰処理後の音量を算定する。
つまり、図6(c)の場合に、交差した空間認識線の本数が1本であり、最終的な音量(空間認識減衰処理後の音量)が、例えば、「10」(40×0.25)であったのに対して、図6(d)の場合に、交差した空間認識線の本数が2本に増えて、最終的な音量が、例えば、「20」(40×0.5)に増加する。
このため、音響シミュレーション等のような複雑な演算を行わずに、ゲーム装置等で適用可能な比較的簡単な演算を用いて、ゲーム音を適切に制御することができる。
すなわち、各キャラクタ間の空間が、つながっている(障害物がない)場合と、障害物により遮断されている場合とで、音量の違いを明確に出すことができ、リアリティを高めた、より現実に近い音響をプレイヤに体感させることができる。
上記の実施形態では、空間認識減衰処理において、図4(c)等に示したように、左右等に30度,45度の角度をなす複数本(4本)の空間認識線により、交差の有無等を求めたが、これらの角度は一例であり、他の角度でも適用可能である。また、本数も、これらに限られず適宜変更可能である。
また、上述した自然減衰処理、壁面遮断処理、及び、空間認識減衰処理における減衰の値も一例であり、他の値であっても適用可能である。
例えば、音量算定部205は、図7(a)に示すように、自キャラクタJc及び敵キャラクタTcの双方から、直線Sを含めた複数の空間認識線N1〜N5を延ばし、障害物となるオブジェクトに遮断されることなく交差した空間認識線の有無を判定する。例えば、図7(b)の場合、空間認識線N4,N5が交差する。そして、交差した空間認識線のそれぞれの長さ(双方からの交差地点までの距離の合計)に応じた自然減衰と、空間認識線の角度(中心となる直線Sを基準とした絶対値)に応じた角度減衰をそれぞれ定め、例えば、以下の数式4により、音量を算定する。
V4 = Vmax × Σ(Dl ×Da)
V4:減衰後の音量
Vmax:最接近時の最大音量
Dl:空間認識線の長さlに応じた自然減衰
Da:空間認識線の角度に応じた角度減衰
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 ゲーム音出力装置
201 オブジェクト記憶部
202 操作部
203 キャラクタ位置管理部
204 画像生成部
205 音量算定部
206 音源
207 出力音制御部
Claims (6)
- 音を発する発音オブジェクトと、当該発音オブジェクトが発する音を聴取する聴音オブジェクトとを含む複数のオブジェクトが仮想空間内に配置され、当該聴音オブジェクトが聴取した音をゲーム音として出力するゲーム音出力装置であって、
発音オブジェクトと聴音オブジェクトとを結ぶ直線の距離を求め、所定の基準音量を、当該距離に応じて減衰させた第1の音量を算定する第1の音量算定部と、
当該直線上に、障害物となる他のオブジェクトが存在する場合に、当該第1の音量を所定割合だけ減衰させた第2の音量を算定する第2の音量算定部と、
発音オブジェクト及び聴音オブジェクトの双方から、当該直線を中心として所定角度を成して平面に広がる複数の空間認識線を同数だけ延ばし、障害物となる他のオブジェクトに遮断されることなく交わった同じ角度同士の当該空間認識線の本数により定められた減衰割合に応じて、当該第1の音量若しくは、当該第2の音量を減衰させた第3の音量を算定する第3の音量算定部と、
算定された当該第3の音量に基づいて、ゲーム音を出力する音量制御部と、を備える、
ことを特徴とするゲーム音出力装置。 - 請求項1に記載のゲーム音出力装置であって、
前記第1の音量算定部は、発音オブジェクトが発する音の最大音量を、求めた直線の距離により定められた減衰割合に応じて減衰させた第1の音量を算定する、
ことを特徴とするもの。 - 請求項1又は2に記載のゲーム音出力装置であって、
前記第2の音量算定部は、障害物となる他のオブジェクトの種類により定められた減衰割合に応じて減衰させた第2の音量を算定する、
ことを特徴とするもの。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲーム音出力装置であって、
前記第3の音量算定部は、発音オブジェクト及び聴音オブジェクトの双方から、前記第1の音量算定部が求めた直線を中心に三次元の所定角度を成して立体的に広がる複数の空間認識線を同数だけ延ばし、障害物となるオブジェクトに遮断されることなく交わった同じ三次元の角度同士の当該空間認識線の本数により定められた減衰割合に応じて、当該第1の音量若しくは、当該第2の音量を減衰させた第3の音量を算定する、
ことを特徴とするもの。 - 音を発する発音オブジェクトと、当該発音オブジェクトが発する音を聴取する聴音オブジェクトとを含む複数のオブジェクトがゲーム装置における仮想空間内に配置され、当該聴音オブジェクトが聴取した音をゲーム音として出力するゲーム装置のゲーム音制御方法であって、
発音オブジェクトと聴音オブジェクトとを結ぶ直線の距離を求め、所定の基準音量を、当該距離に応じて減衰させた第1の音量を算定する第1の音量算定ステップと、
当該直線上に、障害物となる他のオブジェクトが存在する場合に、当該第1の音量を所定割合だけ減衰させた第2の音量を算定する第2の音量算定ステップと、
発音オブジェクト及び聴音オブジェクトの双方から、当該直線を中心として所定角度を成して平面に広がる複数の空間認識線を同数だけ延ばし、障害物となる他のオブジェクトに遮断されることなく交わった同じ角度同士の当該空間認識線の本数により定められた減衰割合に応じて、当該第1の音量若しくは、当該第2の音量を減衰させた第3の音量を算定する第3の音量算定ステップと、
算定された当該第3の音量に基づいて、ゲーム音を出力する音量制御ステップと、を備える、
ことを特徴とするゲーム音制御方法。 - 音を発する発音オブジェクトと、当該発音オブジェクトが発する音を聴取する聴音オブジェクトとを含む複数のオブジェクトが仮想空間内に配置され、当該聴音オブジェクトが聴取した音をゲーム音として出力するコンピュータを、
発音オブジェクトと聴音オブジェクトとを結ぶ直線の距離を求め、所定の基準音量を、当該距離に応じて減衰させた第1の音量を算定する第1の音量算定部、
当該直線上に、障害物となる他のオブジェクトが存在する場合に、当該第1の音量を所定割合だけ減衰させた第2の音量を算定する第2の音量算定部、
発音オブジェクト及び聴音オブジェクトの双方から、当該直線を中心として所定角度を成して平面に広がる複数の空間認識線を同数だけ延ばし、障害物となる他のオブジェクトに遮断されることなく交わった同じ角度同士の当該空間認識線の本数により定められた減衰割合に応じて、当該第1の音量若しくは、当該第2の音量を減衰させた第3の音量を算定する第3の音量算定部、
算定された当該第3の音量に基づいて、ゲーム音を出力する音量制御部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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