JP4251118B2 - 音場シミュレーションのためのインパルス応答データ生成方法 - Google Patents

音場シミュレーションのためのインパルス応答データ生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、音場シミュレーションのためのデータ生成技術に関する。
音データに対し、シミュレーションにより、特定の音場において音が発せられた場合の残響音等の音場情報を付加する技術がある。そのようなシミュレーションの方法の1つとして、音線法と呼ばれるものがある。
図9は、この種の音線法により音データに音場情報を付加する装置(以下、「音場シミュレータ90」と呼ぶ)の機能構成を示した図である。以下、音場シミュレータ90の動作を説明する。まず、音場シミュレータ90は、予め以下のデータを記憶部900に記憶している。
(a)形状データD901:音場の形状を示すデータであり、音場と外界との各境界面の頂点群の座標を示す座標データ列の集まりである。
(b)音源位置データD902:音場内の音源位置の座標を示すデータである。
(c)受音位置データD903:音場内の受音位置の座標を示すデータである。
(d)反射吸音率データD904:基準となる周波数ポイント(以下、「基準周波数ポイント」と呼ぶ)の音が音場と外界との境界面において反射する場合に、反射直前の音の強さと反射直後の音の強さの差を、反射直前の音の強さで除した値を示すデータである。反射吸音率データD904は、例えば、31.3Hz、62.5Hz、125Hz、・・・、16kHzのようにオクターブ間隔で並んだ複数の基準周波数ポイントの各々に関し準備されている。
(e)音データD905:音場情報が付加される前の音を示すデータである。
経路算定部901は、形状データD901、音源位置データD902および受音位置データD903を用いて、音源位置データD902により示される音源位置から音が発せされた場合に、その音が受音位置データD903により示される受音位置に到達するまでの経路を算定し、その経路の始点である音源位置、終点である受音位置および経由点である反射位置の各々を示す座標列からなる経路データを生成する。
経路算定部901が算定する音の経路は、音源位置と受音位置を直線で結んで得られる経路に加え、音源位置から発せられた音が、形状データD901により示される音場と外界との境界面において反射した後、受音位置に到達する経路も含んでいる。そのような経路は無限数あるが、経路算定部901は、例えば反射回数が一定数以下、経路の総延長が一定距離以下、といった所定の条件を満たす経路についてのみ、経路データを生成する。経路算定部901により生成された複数の経路データは、経路データ群D906として一時記憶部906に記憶される。
ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データ群D906および反射吸音率データD904を用いて、基準周波数ポイントの各々に関し、基準周波数ポイントの音が音源位置において発せられた場合に受音位置において受音される音の時間と強さの関係を示すエコーダイアグラム(以下、周波数ポイントの音に関するエコーダイアグラムを「ポイントエコーダイアグラム」と呼ぶ)を算定し、そのエコーダイアグラムを示すポイントエコーダイアグラムデータD907を生成する。図10は、ポイントエコーダイアグラムデータD907の内容を例示した図である。ポイントエコーダイアグラム算定部902により生成されたポイントエコーダイアグラムデータD907は、一時記憶部906に記憶される。以下、例として、ポイントエコーダイアグラム算定部902が125Hzの基準周波数ポイントに関するポイントエコーダイアグラムデータD907を生成する方法を説明する。
ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データ群D906に含まれる経路データの各々に関し、以下の処理を行う。まず、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データに含まれる隣り合う反射位置の座標間の距離を全て加算し、その経路データにより示される経路の総延長を算出する。また、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データに含まれる反射位置の数をカウントする。続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、先に算出した経路の総延長を音の空気中の伝播速度で除することにより、音源位置において発せられた音が経路データにより示される経路をたどって受音位置へ到達するまでの時間(以下、「到達時間」と呼ぶ)を算出する。また、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路の総延長の自乗に4πを乗じた値の逆数を算出する。そのようにして得られる数値は、音源位置において強さ「1.0」で発せられた音が発散により減衰した後、受音位置において受音される際の強さを示す数値(以下、「発散後音強値」と呼ぶ)である。ただし、この発散後音強値には、音の反射に伴う減衰が考慮されていない。以上のように算出される経路の総延長、反射位置の数、到達時間および発散後音強値を示すデータは、周波数により左右されないデータであるため、125Hz以外の基準周波数ポイントに関しても共通して利用される。
続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、上記の発散後音強値に対し、125Hzに対応した反射吸音率データD904により示される比率を1から減じた数値、すなわち、減衰率を、先にカウントした反射位置の数だけ繰り返し乗じる。その結果得られる数値は、音源位置において「1.0」のレベルで発せられた125Hzの音が、経路データにより示される反射点を経由して受音位置に到達する場合の受音位置における音の強さを示す数値(以下、「減衰後音強値」と呼ぶ)である。
ポイントエコーダイアグラム算定部902は、上記のようにして1つの経路データにより示される経路に関し、125Hzの音の到達時間および減衰後音強値を算出することができる。ポイントエコーダイアグラム算定部902は、同様の算出処理を経路データ群D906に含まれる他の全ての経路データに関して繰り返す。そのようにして得られる到達時間と減衰後音強値の組み合わせを示すデータ群が、125Hzの基準周波数ポイントに関するポイントエコーダイアグラムデータD907である(図10参照)。ただし、同じ到達時間に対応する複数の減衰後音強値が存在する場合、ポイントエコーダイアグラム算定部902はそれらの減衰後音強値の合算値を、その到達時間に対応する減衰後音強値とする。以上が、ポイントエコーダイアグラム算定部902がポイントエコーダイアグラムデータD907を生成する際の処理である。
帯域エコーダイアグラム算定部903は、31.3Hzの基準周波数ポイントに関するポイントエコーダイアグラムデータD907により示されるエコーダイアグラムに対し、図11(1)に示す周波数成分を有する時間波形の係数列を畳み込むことにより、44.2Hz以下の周波数帯域に関するエコーダイアグラムを示す帯域エコーダイアグラムデータD908を生成する。同様に、帯域エコーダイアグラム算定部903は、62.5Hz、125Hz、・・・の基準周波数ポイントに関するポイントエコーダイアグラムデータD907により示されるエコーダイアグラムの各々に対し、図11(2)、(3)、・・・に示す周波数成分を有する時間波形の係数列を各々畳み込むことにより、それらの基準周波数ポイントを中心周波数ポイントとする周波数帯域に関する帯域エコーダイアグラムデータD908を生成する。帯域エコーダイアグラム算定部903により生成された帯域エコーダイアグラムデータD908は、一時記憶部906に記憶される。
加算部904は、帯域エコーダイアグラム算定部903により生成された帯域エコーダイアグラムデータD908の全てを加算する。そのようにして得られるデータは、あらゆる周波数ポイントの音を音源位置において発音した場合に受音位置において受音される音の強さの時間的変化を擬似的に示すデータである。すなわち、加算部904により生成されるデータは音源位置においてインパルスを発した場合の受音位置におけるインパルス応答を擬似的に示すデータであるため、以下、これをインパルス応答データD909と呼ぶ。加算部904により生成されたインパルス応答データD909は、一時記憶部906に記憶される。
畳み込み演算部905は、音データD905に対し、インパルス応答データD909により示される係数列を畳み込むことにより、インパルス応答データD909により示される音場情報の付加された音を示す音場情報付音データD910を生成する。すなわち、音場情報付音データD910を再生した場合に得られる音は、実際に形状データD901により示される音場内の音源位置データD902により示される音源位置において、音データD905に従った音を再生した場合に、受音位置データD903により示される受音位置において受音される音と類似した音となる。
以上が、音線法により音データに音場情報を付加する手順の説明である。音線法によれば、実際にコンサートホール等において発音および録音を行うことなく、それと類似の結果を演算処理によって得ることができる。その際、音源位置や受音位置を様々に変更した場合の結果を得るのも容易である。さらに、音線法によれば、実在しない音場における音響効果を確認することもできる。
例えば、音線法に関する技術を開示したものとして、特許文献1がある。
特開昭60−046430号公報
ところで、音場情報を付加するための他のシミュレーション法として、反射音の音線数、反射音の音強、反射音の到達時間および反射音の到来方向を幾何音響理論に基づく算出式により周波数帯域ごとに算出し、それらを合成することにより、反射音の時間波形を生成するためのインパルス応答を作成する技術がある。
上記のシミュレーション法によれば、音線法と比較し、エコーダイアグラムの算出に要する計算量が少なくてすむが、音場形状や境界面の材質の差異等を残響音に十分に反映させることができない。それに対し、例えば特許文献2は、残響音の発生タイミング、残響音のレベルおよび残響音の到来方向を乱数により変化させることにより、より自然な残響音を得るシミュレーション法を提案している。
特開2003−157090号公報
ところで、従来技術における音線法により音場情報を付加するためのインパルス応答データを作成する場合、例えば左右対称の音場内において音源位置および受音位置をその音場の対称軸上に配置すると、左右のそれぞれの方向から到来する反射音のエコーダイアグラムが全ての基準周波数ポイントにおいて等しくなる結果、強いモノラル感をもたらすインパルス応答データが作成されてしまう。
一方、実際の音場においては、例え左右対称の音場において音源位置および受音位置をその音場の対称軸上においたとしても、左右のそれぞれの方向から到来する反射音には微妙な差異があり、自然な拡がり感がある。これは、実際の音場においては、境界面の材質に自然な不均等性があったり、空気の流れがあったりするためである。従来の音線法により作成されるインパルス応答データには、そのような自然な拡がり感に関する音場情報が含まれていない。
また、上述した残響音の発生タイミング、残響音のレベルおよび残響音の到来方向を乱数により変化させる方法によれば、残響音に拡がり感を与えることはできるが、各境界面における材質の不均等性が異なる場合などにおいて、それらの差異を反映した、より自然な残響音を得ることはできない。
上記の状況に鑑み、本発明は、より現実に即した自然な拡がり感をもたらすインパルス応答データを得る手段を提供することを目的とする。
本発明は、音の反射に伴う吸音率である反射吸音率に加算される誤差であって、当該反射吸音率の基準値に対する誤差の出現確率を表す確率分布を指定する第1の過程と、音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データおよび前記指定された確率分布に従って誤差が加算された反射吸音率を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する第2の過程と、前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含み、当該基準周波数毎に範囲が決められた所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む第3の過程と、係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する第4の過程とを有するインパルス応答データ生成方法を提供する。
かかる構成によるインパルス応答データ生成方法によれば、音場の境界面の素材が有する不均等性を反映した、より自然な拡がり感をもたらすインパルス応答データが作成される。
また、本発明は、音源を始点とする特定方向における音強を示す音強値に加算される誤差であって、当該音強値の基準値に対する誤差の出現確率を表す確率分布を指定する第1の過程と、音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データ、音の反射に伴う吸音率である反射吸音率および前記指定された確率分布に従って誤差が加算された音強値を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する第2の過程と、前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含み、当該基準周波数毎に範囲が決められた所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む第3の過程と、係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する第4の過程とを有するインパルス応答データ生成方法を提供する。
かかる構成によるインパルス応答データ生成方法によれば、個々の音源が有する指向性の不均等性を反映した、より自然な拡がり感をもたらすインパルス応答データが作成される。
また、本発明は、音の空気中の伝播に伴う吸音率である空気吸音率に加算される誤差であって、当該空気吸音率の基準値に対する誤差の出現確率を表す確率分布を指定する第1の過程と、音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データ、音の反射に伴う吸音率である反射吸音率および前記指定された確率分布に従って誤差が加算された空気吸音率を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する第2の過程と、前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含み、当該基準周波数毎に範囲が決められた所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む第3の過程と、係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する第4の過程とを有するインパルス応答データ生成方法を提供する。
かかる構成によるインパルス応答データ生成方法によれば、音場内の空気の特性の不均等性を反映した、より自然な拡がり感をもたらすインパルス応答データが作成される。
また、本発明は、上記のインパルス応答データの生成方法をデータ処理により実現する装置を提供する。さらに、本発明は、上記のインパルス応答データの生成方法の各々を、コンピュータに所定のデータ処理を行わせることにより実現するための手順を示すプログラムを提供する。
本発明にかかる方法によれば、より現実に即した自然な拡がり感をもたらすインパルス応答データを得ることができる。
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるデータ処理装置(以下、「音場シミュレータ10」と呼ぶ)は、音データに対し音場情報を付加するためのインパルス応答データを生成し、生成したインパルス応答データを音データに畳み込む処理を行うことにより、音場情報の付加された音を示す音データを生成する装置である。
[1.音場シミュレータの構成]
図1は、音場シミュレータ10のハードウェア構成を示す図である。音場シミュレータ10は、一般的なコンピュータと同様に、各種データ処理を行うとともに他の構成部の制御を行うCPU(Central Processing Unit)101、CPU101に基本的処理を行わせるBIOS(Basic Input Output System)等を記憶するROM(Read Only Memory)102、CPU101のデータ処理において一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)103、音場シミュレータ10の機能を実現するためのアプリケーションプログラム(以下、「音場シミュレーションプログラム」と呼ぶ)や各種データを記憶するHD(Hard Disk)104、CPU101の指示に従いユーザに対し音データの選択等を促す画面等を表示するディスプレイ105、ユーザの操作に応じた信号を送信するキーボード等の操作部106、D/A(Digital to Analog)コンバータ、アンプおよびスピーカを備え音データに基づき発音を行うサウンドシステム107および外部機器との間でデータの送受信を行う入出力I/F(Interface)108を有している。
CPU101は、音場シミュレーションプログラムを実行することにより、音場シミュレータ10の各種機能を実現する。図2は、音場シミュレータ10の機能構成を示したブロック図である。ただし、音場シミュレータ10がユーザとの間で情報をやりとりするための表示部や操作部、外部機器とのデータ通信を行う通信部等は、一般的な情報処理機器におけるものと同様であるため、図2においては省略されている。また、音場シミュレータ10の各構成部は、記憶部900および一時記憶部906に含まれる様々なデータを利用するが、その全てを示すと煩雑となるため、図2においては主要なデータの利用関係のみが矢印で示されている。音場シミュレータ10の機能は、図9に示した音場シミュレータ90の機能と共通部分を有している。従って、図2においては、図9と同様もしくは類似の機能構成部に対しては同じ符号が付されている。
音場シミュレータ10の記憶部900は、音場シミュレータ90の記憶部900が記憶する各種データと同様もしくは類似のものとして、予め以下のデータを記憶している。ただし、以下の説明において、座標データにより示される数値の単位はメートルであるものとする。また、以下に示すデータの数値は説明のためのものであり、必ずしも実際の数値を意味しない。
(a)形状データD901:音場の形状および音場と外界との各境界面の材質を示すデータであり、境界面の頂点群の座標を示す座標データ列と境界面の材質を示す材質データとを対応付けたデータ(以下、「境界面データ」と呼ぶ)の集まりである。図3に形状データD901の例を示す。
(b)音源位置データD902:音場内に含まれる音源位置および音源が音を発する方向を示すデータであり、音源位置の座標データと音を発する方向を示すベクトルデータの組み合わせである。例えば、音源位置データD902は「(6,5,3),(0,0.87,0.5)」のデータ形式をとり、この場合、座標データ(6,5,3)で示される音源位置から、ベクトルデータ(0,0.87,0.5)で示される方向に向けて音が発せされることを示している。
(c)受音位置データD903:音場内に含まれる受音位置の座標データである。
(d)反射吸音率データD904:各基準周波数ポイントの音が音場と外界との境界面において反射する場合に、反射直前の音の強さと反射直後の音の強さの差を、反射直前の音の強さで除した値を示す吸音率データを、境界面の材質を示す材質データおよび音の入射角を示す入射角データと対応付けたデータ(以下、「材質入射角別吸音率データ」と呼ぶ)の集まりである。図4に反射吸音率データD904の例を示す。
(e)音データD905:音場情報が付加される前の音を示すデータである。
音場シミュレータ10の記憶部900は、さらに以下のデータを予め記憶している。
(f)音源名データD200:音源の名称を示すデータである。
(g)温度湿度データD201:音場内の空気の温度および湿度を示すデータである。
(h)指向性データD202:基準点を中心とし単位距離(例えば1メートル)を半径とする球面上の各点の位置を示すベクトルデータに、基準点において特定の音源により基準周波数ポイントの音を基準となる方向、例えば(0,1,0)に向けて発音した場合に、球面上の位置において受音される音の強さを示す音強データを対応付けたデータ(以下、「指向性要素データ」と呼ぶ)の集まりである。指向性データD202は、全体として、各基準周波数ポイントの音に関する音源の指向性を示している。指向性データD202は、複数の音源の各々に関し準備されている。図5に指向性データD202の例を示す。図5の先頭行の指向性要素データは、ベクトルデータ(0,1,0)により示される方向、すなわち基準となる方向における音源位置から1メートルの位置で、「スピーカSP1」により発音された31.3Hzの音が、「0.97」の強さで受音されることを示している。また、図5の第2行の指向性要素データは、基準となる方向からわずかにx軸正方向に傾いた方向における音源位置から1メートルの位置で、「スピーカSP1」により発音された31.3Hzの音が、「0.95」の強さで受音されることを示している。音源の種類はスピーカに限らず楽器などでもよい。
(i)空気吸音率データD203:各基準周波数ポイントの音が単位距離(例えば1メートル)だけ伝播する場合に、伝播前の音の強さと伝播後の音の強さの差を、伝播前の音の強さで除した値を示す吸音率データを、空気の温度を示す温度データおよび湿度を示す湿度データと対応付けたデータ(以下、「温度湿度別吸音率データ」と呼ぶ)の集まりである。図6に空気吸音率データD203の例を示す。
上記の(a)〜(i)のデータのうち、(a)形状データD901、(b)音源位置データD902、(c)受音位置データD903、(e)音データD905、(f)音源名データD200および(g)温度湿度データD201は、ユーザがシミュレーションを行いたいと考える音場の環境等に応じて、自由に変更もしくは選択することができる。また、その他のデータに関しては、ユーザが自ら作成等する他、ライブラリとして既に作成されているものを利用することができる。
[2.音場シミュレータの機能および動作]
以下、音場シミュレータ10が備える機能およびその動作を説明する。まず、経路算定部901は、形状データD901、音源位置データD902および受音位置データD903を用いて、経路データ群D906を生成する。経路算定部901が経路データ群D906を生成する方法は、音場シミュレータ90における場合と同様である。
経路データ群D906が一時記憶部906に記憶されると、音場シミュレータ10は音源の指向性に関するゆらぎ係数(以下、「指向性ゆらぎ係数」と呼ぶ)、空気吸音率に関するゆらぎ係数(以下、「空気吸音率ゆらぎ係数」と呼ぶ)および各反射位置における反射吸音率に関するゆらぎ係数(以下、「反射吸音率ゆらぎ係数」と呼ぶ)の各々の取得処理を行う。ゆらぎ係数とは、基準となる数値の周辺に配置された確率分布に従って基準となる数値にゆらぎ成分、すなわち誤差を加算した数値を得る場合の、確率分布の形状を指定するための数値である。ゆらぎ係数が「0」の場合、基準となる数値の出現確率は1、すなわち出現する数値は常に基準となる数値となり、ゆらぎ係数が「1」に近づく程、基準となる数値から乖離した数値の出現確率が高くなることを示している。
図7は、ゆらぎ係数に応じた確率分布の例を示す図である。図7は、σ=a×ゆらぎ係数÷3(ただし、σは母標準偏差、aは基準となる数値)であり、μ=a(ただし、μは母平均)である正規分布を示している。図7において、a1、a2およびa3は基準となる数値を例示したもので、具体的には、音源の指向性を示す音強値、空気吸音率および各境界面における反射吸音率のいずれかを示している。図7(1)は、ゆらぎ係数が「0」である場合の確率分布を示している。ゆらぎ係数が「0」の場合、各基準値の出現確率が1である。すなわち、図7(1)は従来技術において用いられていた反射吸音率等の出現確率を示している。図7(2)は、ゆらぎ係数が「0.5」である場合の確率分布を示している。また、図7(3)は、ゆらぎ係数が「1」である場合の確率分布を示している。
図7により示される確率分布に変えて、他の様々な形状の確率分布を用いることもできる。例えば、図8は、そのような他の形状の確率分布の例を示している。図8に示したような線形関数による確率分布を用いる場合、正規分布等の非線形関数による確率分布を用いる場合と比較して、必要となる演算量が少なくてすむ。
音場シミュレータ10は、形状データD901(図3参照)に含まれる各境界面データの内容を用いて、以下の項目の各々に関し、ユーザにゆらぎ係数を入力するように促す画面を表示する。
(1)指向性ゆらぎ係数
(2)空気吸音率ゆらぎ係数
(3)境界面1「(0,0,0),(15,0,0),(15,0,18),(0,0,18)コンクリート」の反射吸音率ゆらぎ係数
(4)境界面2「(0,0,0),(15,0,0),(15,25,0),(0,25,0)木材」の反射吸音率ゆらぎ係数
・・・
(n)境界面n「(0,25,0),(15,25,0),(15,25,18),(0,25,18)大理石」の反射吸音率ゆらぎ係数
ユーザは、上記の画面に対して、(1)〜(n)のそれぞれに対し、0〜1の範囲の数値を入力する。ゆらぎ係数取得部201は、ユーザにより入力された数値列を示すデータを、ゆらぎ係数データD204として作成する。ゆらぎ係数取得部201により作成されたゆらぎ係数データD204は、一時記憶部906に記憶される。
以上のように、ゆらぎ係数データD204が一時記憶部906に記憶されると、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データ群D906、音源名データD200および温度湿度データD201と、各基準周波数ポイントに関する指向性データD202、空気吸音率データD203および反射吸音率データD904を用いて、各基準周波数ポイントに関するポイントエコーダイアグラムデータD907を作成する。以下、ポイントエコーダイアグラム算定部902がポイントエコーダイアグラムデータD907を作成する手順を説明する。
まず、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データ群D906により示される音の経路の各々に関し、音源位置から発せられる方向に対応する音強を、指向性データD202(図5参照)に基づき決定する。そのため、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、指向性データD202において基準となる方向を示すベクトル、すなわち(0,1,0)と、音源位置データD902に含まれるベクトルデータにより示されるベクトルとの差ベクトルを求める。続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データ群D906に含まれる各経路データに関し、経路データが含む最初の座標を始点とし、2番目の座標を終点とする方向ベクトルの単位ベクトルを算出する。さらに、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、そのように算出した単位ベクトルに、先に求めた差ベクトルを加算する。その結果得られるベクトルは、音源位置データD902により示される音の発せられる方向を、指向性データD202における基準となる方向と一致させた場合に、経路データにより示される経路をたどる音が音源位置から発せられる際の方向を示す。
ポイントエコーダイアグラム算定部902は、そのように算出したベクトルを示すベクトルデータを含む指向性要素データを、音源名データD200により示される音源名に対応する指向性データD202から検索する。ポイントエコーダイアグラム算定部902は、検索した指向性要素データに含まれる音強データにより示される音強の値を基準の数値とし、ゆらぎ係数データD204により示される指向性ゆらぎ係数に応じた形状の確率分布に従い、ゆらぎ成分を含んだ音強の値を算出する。そのようにして算出される数値が、その経路における音強の初期値として用いられる。以下、この音強の初期値を「音強値1」と呼ぶ。
続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、空気吸音率データD203(図6参照)から、温度湿度データD201により示される温度および湿度を示す温度データおよび湿度データを含む温度湿度別吸音率データを読み出し、読み出した温度湿度別吸音率データに含まれる吸音率データにより示される数値を基準の数値とし、ゆらぎ係数データD204により示される空気吸音率ゆらぎ係数に応じた形状の確率分布に従い、ゆらぎ成分を含んだ空気吸音率を算出する。ポイントエコーダイアグラム算定部902はそのようにして算出した空気吸音率を、経路データにより示される経路の総延長を示す数値に乗じる。その乗算により得られる数値は、空気吸音率にゆらぎ成分を付加した場合に、総延長を音が伝播した場合に空気により減衰される音強の比率を示す。従って、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、乗算により得た数値を1から減じた数値を、先に求めた音強値1に乗じる。その乗算により得られる数値は、ゆらぎ成分を付加した指向性およびゆらぎ成分を付加した空気吸音率のみを考慮した場合の受音位置における音強を示す。以下、この音強を示す値を「音強値2」と呼ぶ。
続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データにより示される反射位置の各々について、形状データD901により示される境界面に対する反射位置における入射角の算出およびその境界面の材質の特定を行う。例えば、経路データが「・・・,(6,9,0),(6,0,9),・・・」であり、形状データD901が図3に示す境界面データを含む場合、(6,0,9)で示される反射位置は図3の先頭行の境界面データの座標データ列により示される境界面上の反射位置を示し、その入射角は45度と算出される。また、その反射位置に対応する材質は「コンクリート」であると特定される。
続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は反射吸音率データD904(図4参照)から、各々の反射位置に関し、特定した材質を示す材質データおよび算出した入射角を示す入射角データを含む材質入射角別吸音率データを検索し、検索した材質入射角別吸音率データに含まれる吸音率データを特定する。ポイントエコーダイアグラム算定部902は、そのようにして特定した吸音率データにより示される反射吸音率に関し、その反射吸音率を基準の数値とし、ゆらぎ係数データD204により示される反射吸音率ゆらぎ係数のうち、その反射位置を含む境界面に関するものに応じた形状の確率分布に従い、ゆらぎ成分を含んだ反射吸音率を算出する。例えば(6,0,9)で示される反射位置における反射吸音率に関しては、この反射位置が境界面1「(0,0,0),(15,0,0),(15,0,18),(0,0,18)コンクリート」に含まれることから、ポイントエコーダイアグラム算定部902はゆらぎ係数データD204の3番目に含まれる数値を反射吸音率ゆらぎ係数として用いる。
ポイントエコーダイアグラム算定部902は、上記のようにして算出したゆらぎ成分を含む反射吸音率を1から減じる。ポイントエコーダイアグラム算定部902は、各々の反射位置に関し、同様にゆらぎ成分を含む反射吸音率を算出し、それぞれを1から減じる。ポイントエコーダイアグラム算定部902は、そのようにして算出した数値の全てを、先に算出した音強値2に乗じる。その乗算により得られる数値は、ゆらぎ成分を付加した指向性、ゆらぎ成分を付加した空気吸音率およびゆらぎ成分を付加した反射吸音率のみを考慮した場合の受音位置における音強を示す。以下、この音強を示す値を「音強値3」と呼ぶ。
続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は経路データにより示される経路の総延長の自乗に4πを乗じた値の逆数を算出し、その逆数を先に算出した、音強値3に乗じる。その乗算により得られる数値は、ゆらぎ成分を付加した指向性、ゆらぎ成分を付加した空気吸音率、ゆらぎ成分を付加した反射吸音率および発散を全て考慮した場合の受音位置における音強を示す。以下、その数値を「減衰後音強値」と呼ぶ。
続いて、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、温度湿度データD201により示される温度を用いて音速を算出する。その際、ポイントエコーダイアグラム算定部902は、例えば音速の算出式として、「音速(m/秒)=331+(温度×0.6)」を用いる。ポイントエコーダイアグラム算定部902は、経路データにより示される経路の総延長を、算出した音速で除することにより、音源位置において発せられた音が受音位置に到達するまでの時間(以下、「到達時間」と呼ぶ)を算出する。
ポイントエコーダイアグラム算定部902は、各基準周波数ポイントに関し、上記のようにして全ての経路データに関し音の到達時間および減衰後音強値を算出すると、音場シミュレータ90における場合と同様に、それらの数値の組み合わせを示すデータ群をポイントエコーダイアグラムデータD907として作成する。
以上が、ポイントエコーダイアグラム算定部902がポイントエコーダイアグラムデータD907を作成する手順である。ポイントエコーダイアグラム算定部902により作成されたポイントエコーダイアグラムデータD907は、一時記憶部906に記憶される。
ポイントエコーダイアグラムデータD907が一時記憶部906に記憶されると、帯域エコーダイアグラム算定部903はポイントエコーダイアグラムデータD907を用いて、帯域エコーダイアグラムデータD908を作成する。帯域エコーダイアグラム算定部903が帯域エコーダイアグラムデータD908を作成する手順は、音場シミュレータ90における場合と同様である。帯域エコーダイアグラム算定部903により作成された帯域エコーダイアグラムデータD908は、一時記憶部906に記憶される。
帯域エコーダイアグラムデータD908が一時記憶部906に記憶されると、加算部904は帯域エコーダイアグラムデータD908の全てを加算することにより、インパルス応答データD909を作成する。加算部904により生成されたインパルス応答データD909は、一時記憶部906に記憶される。
畳み込み演算部905は、音データD905に対し、インパルス応答データD909により示される係数列を畳み込むことにより、インパルス応答データD909により示される音場情報の付加された音を示す音場情報付音データD910を生成する。音場情報付音データD910を再生した場合に得られる音は、実際に形状データD901により示される音場内の音源位置データD902により示される音源位置において、音データD905に従った音を再生した場合に、受音位置データD903により示される受音位置において受音される音と類似した音となる。
ユーザが、上述したゆらぎ係数の入力において、すべてのゆらぎ係数に関し「0」を入力した場合を除き、音場シミュレータ10により作成されるポイントエコーダイアグラムデータD907は、音源の指向性、空気吸音率および反射吸音率の1以上に関し、ゆらぎ成分を加味したエコーダイアグラムを示すものとなる。その結果、そのようなポイントエコーダイアグラムデータD907を用いて作成されるインパルス応答データD909は、音データD905に対し、境界面の材質の不均質性等を反映した、より現実に即した自然な拡がり感をもたらす音場情報を付加するデータとなる。
本発明の実施形態にかかる音場シミュレータのハードウェア構成を示した図である。 本発明の実施形態にかかる音場シミュレータの機能構成を示したブロック図である。 本発明の実施形態にかかる形状データの構造を示した図である。 本発明の実施形態にかかる反射吸音率データの構造を示した図である。 本発明の実施形態にかかる指向性データの構造を示した図である。 本発明の実施形態にかかる空気吸音率データの構造を示した図である。 本発明の実施形態にかかるポイントエコーダイアグラム算定部が、ゆらぎ成分を付加した数値を算出する際に用いる確率分布を示した図である。 本発明の実施形態にかかるポイントエコーダイアグラム算定部が、ゆらぎ成分を付加した数値を算出する際に用いる確率分布を示した図である。 従来技術にかかる音場シミュレータの機能構成を示した図である。 従来技術にかかるエコーダイアグラムデータを例示した図である。 従来技術にかかる帯域エコーダイアグラムデータを作成する際に用いられる時間波形の周波数成分を示した図である。
符号の説明
10・90…音場シミュレータ、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…HD、105…ディスプレイ、106…操作部、107…サウンドシステム、108…入出力I/F、201…ゆらぎ係数取得部、900…記憶部、901…経路算定部、902…ポイントエコーダイアグラム算定部、903…帯域エコーダイアグラム算定部、904…加算部、905…畳み込み演算部、906…一時記憶部、D200…音源名データ、D201…温度湿度データ、D202…指向性データ、D203…空気吸音率データ、D204…ゆらぎ係数データ、D901…形状データ、D902…音源位置データ、D903…受音位置データ、D904…反射吸音率データ、D905…音データ、D906…経路データ群、D907…ポイントエコーダイアグラムデータ、D908…帯域エコーダイアグラムデータ、D909…インパルス応答データ、D910…音場情報付音データ。

Claims (4)

  1. 音の反射に伴う吸音率である反射吸音率に加算される誤差であって、当該反射吸音率の基準値に対する誤差の出現確率を表す確率分布を指定する第1の過程と、
    音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データおよび前記指定された確率分布に従って誤差が加算された反射吸音率を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する第2の過程と、
    前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含み、当該基準周波数毎に範囲が決められた所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む第3の過程と、
    係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する第4の過程と
    を有するインパルス応答データ生成方法。
  2. 音源を始点とする特定方向における音強を示す音強値に加算される誤差であって、当該音強値の基準値に対する誤差の出現確率を表す確率分布を指定する第1の過程と、
    音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データ、音の反射に伴う吸音率である反射吸音率および前記指定された確率分布に従って誤差が加算された音強値を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する第2の過程と、
    前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含み、当該基準周波数毎に範囲が決められた所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む第3の過程と、
    係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する第4の過程と
    を有するインパルス応答データ生成方法。
  3. 音の空気中の伝播に伴う吸音率である空気吸音率に加算される誤差であって、当該空気吸音率の基準値に対する誤差の出現確率を表す確率分布を指定する第1の過程と、
    音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データ、音の反射に伴う吸音率である反射吸音率および前記指定された確率分布に従って誤差が加算された空気吸音率を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する第2の過程と、
    前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含み、当該基準周波数毎に範囲が決められた所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む第3の過程と、
    係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する第4の過程と
    を有するインパルス応答データ生成方法。
  4. 前記第1の過程がユーザの入力に基づいて行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインパルス応答データ生成方法。
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