JP2006030690A - 音場シミュレーションのためのインパルス応答データ生成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポイントエコーダイアグラム算定部902は、音源の指向性を示す音強、空気吸音率、音場の境界面における反射吸音率の少なくとも1以上に対し、対応するゆらぎ係数に応じた確率分布に従ったゆらぎ成分を付加する。ポイントエコーダイアグラム算定部902は、ゆらぎ成分の付加された反射吸音率等を用いてポイントエコーダイアグラムデータD907を作成する。そのように作成されたポイントエコーダイアグラムデータD907により作成されるインパルス応答データD909は、音データD905に対し、音場の有する自然な拡がり感を付加するものとなる。
【選択図】 図2
Description
(a)形状データD901:音場の形状を示すデータであり、音場と外界との各境界面の頂点群の座標を示す座標データ列の集まりである。
(b)音源位置データD902:音場内の音源位置の座標を示すデータである。
(c)受音位置データD903:音場内の受音位置の座標を示すデータである。
(d)反射吸音率データD904:基準となる周波数ポイント(以下、「基準周波数ポイント」と呼ぶ)の音が音場と外界との境界面において反射する場合に、反射直前の音の強さと反射直後の音の強さの差を、反射直前の音の強さで除した値を示すデータである。反射吸音率データD904は、例えば、31.3Hz、62.5Hz、125Hz、・・・、16kHzのようにオクターブ間隔で並んだ複数の基準周波数ポイントの各々に関し準備されている。
(e)音データD905:音場情報が付加される前の音を示すデータである。
本発明の実施形態にかかるデータ処理装置(以下、「音場シミュレータ10」と呼ぶ)は、音データに対し音場情報を付加するためのインパルス応答データを生成し、生成したインパルス応答データを音データに畳み込む処理を行うことにより、音場情報の付加された音を示す音データを生成する装置である。
図1は、音場シミュレータ10のハードウェア構成を示す図である。音場シミュレータ10は、一般的なコンピュータと同様に、各種データ処理を行うとともに他の構成部の制御を行うCPU(Central Processing Unit)101、CPU101に基本的処理を行わせるBIOS(Basic Input Output System)等を記憶するROM(Read Only Memory)102、CPU101のデータ処理において一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)103、音場シミュレータ10の機能を実現するためのアプリケーションプログラム(以下、「音場シミュレーションプログラム」と呼ぶ)や各種データを記憶するHD(Hard Disk)104、CPU101の指示に従いユーザに対し音データの選択等を促す画面等を表示するディスプレイ105、ユーザの操作に応じた信号を送信するキーボード等の操作部106、D/A(Digital to Analog)コンバータ、アンプおよびスピーカを備え音データに基づき発音を行うサウンドシステム107および外部機器との間でデータの送受信を行う入出力I/F(Interface)108を有している。
(a)形状データD901:音場の形状および音場と外界との各境界面の材質を示すデータであり、境界面の頂点群の座標を示す座標データ列と境界面の材質を示す材質データとを対応付けたデータ(以下、「境界面データ」と呼ぶ)の集まりである。図3に形状データD901の例を示す。
(b)音源位置データD902:音場内に含まれる音源位置および音源が音を発する方向を示すデータであり、音源位置の座標データと音を発する方向を示すベクトルデータの組み合わせである。例えば、音源位置データD902は「(6,5,3),(0,0.87,0.5)」のデータ形式をとり、この場合、座標データ(6,5,3)で示される音源位置から、ベクトルデータ(0,0.87,0.5)で示される方向に向けて音が発せされることを示している。
(c)受音位置データD903:音場内に含まれる受音位置の座標データである。
(d)反射吸音率データD904:各基準周波数ポイントの音が音場と外界との境界面において反射する場合に、反射直前の音の強さと反射直後の音の強さの差を、反射直前の音の強さで除した値を示す吸音率データを、境界面の材質を示す材質データおよび音の入射角を示す入射角データと対応付けたデータ(以下、「材質入射角別吸音率データ」と呼ぶ)の集まりである。図4に反射吸音率データD904の例を示す。
(e)音データD905:音場情報が付加される前の音を示すデータである。
(f)音源名データD200:音源の名称を示すデータである。
(g)温度湿度データD201:音場内の空気の温度および湿度を示すデータである。
(h)指向性データD202:基準点を中心とし単位距離(例えば1メートル)を半径とする球面上の各点の位置を示すベクトルデータに、基準点において特定の音源により基準周波数ポイントの音を基準となる方向、例えば(0,1,0)に向けて発音した場合に、球面上の位置において受音される音の強さを示す音強データを対応付けたデータ(以下、「指向性要素データ」と呼ぶ)の集まりである。指向性データD202は、全体として、各基準周波数ポイントの音に関する音源の指向性を示している。指向性データD202は、複数の音源の各々に関し準備されている。図5に指向性データD202の例を示す。図5の先頭行の指向性要素データは、ベクトルデータ(0,1,0)により示される方向、すなわち基準となる方向における音源位置から1メートルの位置で、「スピーカSP1」により発音された31.3Hzの音が、「0.97」の強さで受音されることを示している。また、図5の第2行の指向性要素データは、基準となる方向からわずかにx軸正方向に傾いた方向における音源位置から1メートルの位置で、「スピーカSP1」により発音された31.3Hzの音が、「0.95」の強さで受音されることを示している。音源の種類はスピーカに限らず楽器などでもよい。
(i)空気吸音率データD203:各基準周波数ポイントの音が単位距離(例えば1メートル)だけ伝播する場合に、伝播前の音の強さと伝播後の音の強さの差を、伝播前の音の強さで除した値を示す吸音率データを、空気の温度を示す温度データおよび湿度を示す湿度データと対応付けたデータ(以下、「温度湿度別吸音率データ」と呼ぶ)の集まりである。図6に空気吸音率データD203の例を示す。
以下、音場シミュレータ10が備える機能およびその動作を説明する。まず、経路算定部901は、形状データD901、音源位置データD902および受音位置データD903を用いて、経路データ群D906を生成する。経路算定部901が経路データ群D906を生成する方法は、音場シミュレータ90における場合と同様である。
(1)指向性ゆらぎ係数
(2)空気吸音率ゆらぎ係数
(3)境界面1「(0,0,0),(15,0,0),(15,0,18),(0,0,18)コンクリート」の反射吸音率ゆらぎ係数
(4)境界面2「(0,0,0),(15,0,0),(15,25,0),(0,25,0)木材」の反射吸音率ゆらぎ係数
・・・
(n)境界面n「(0,25,0),(15,25,0),(15,25,18),(0,25,18)大理石」の反射吸音率ゆらぎ係数
Claims (3)
- 音の反射に伴う吸音率である反射吸音率に基づき、前記反射吸音率の周りに配置された確率分布に従い発現するゆらぎ成分の付加された反射吸音率を算定する過程と、
音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データおよび前記ゆらぎ成分の付加された反射吸音率を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する過程と、
前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含む所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む過程と、
係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する過程と
を有するインパルス応答データ生成方法。 - 音源を始点とする特定方向における音強を示す音強値に基づき、前記音強値の周りに配置された確率分布に従い発現するゆらぎ成分の付加された音強値を算定する過程と、
音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データ、音の反射に伴う吸音率である反射吸音率および前記ゆらぎ成分の付加された音強値を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する過程と、
前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含む所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む過程と、
係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する過程と
を有するインパルス応答データ生成方法。 - 音の空気中の伝播に伴う吸音率である空気吸音率に基づき、前記空気吸音率の周りに配置された確率分布に従い発現するゆらぎ成分の付加された空気吸音率を算定する過程と、
音場の形状を示す形状データ、前記音場内の音源位置を示す音源位置データ、前記音場内の受音位置を示す受音位置データ、音の反射に伴う吸音率である反射吸音率および前記ゆらぎ成分の付加された空気吸音率を用いて、複数の基準周波数の各々の音を前記音源位置において発生させた場合に前記受音位置に到達する当該音のレベルの時間的変化を表すエコーダイアグラムを前記複数の基準周波数の各々について算定する過程と、
前記複数の基準周波数の各々に関し、当該基準周波数を含む所定の周波数帯域においてのみ正値の周波数成分を有する時間波形を表す係数列を、当該基準周波数に対応したエコーダイアグラムに畳み込む過程と、
係数列が畳み込まれた複数のエコーダイアグラムを加算することにより前記音場における音の伝達特性を表すインパルス応答波形データを生成する過程と
を有するインパルス応答データ生成方法。
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WO2007105689A1 (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-20 | Konami Digital Entertainment Co., Ltd. | ゲーム音出力装置、ゲーム音制御方法、情報記録媒体、および、プログラム |
US8221237B2 (en) | 2006-03-13 | 2012-07-17 | Konami Digital Entertainment Co., Ltd. | Game sound output device, game sound control method, information recording medium, and program |
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