JP3975082B2 - 連結まくら木の敷設方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レールの継ぎ目やレールの分岐部に好適に採用される連結まくら木の敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、まくら木には、木製やPC(Prestressed Concrete)製のものが一般に使用されている。
木製まくら木は、軽量で振動にも強いが、耐用年数が短く、軌道の道床抵抗が小さい欠点があるだけでなく、木材資源の枯渇の面から採用を控える傾向にある。一方、PC製まくら木は、曲げ荷重に対して強く、耐用年数も長いが、重量が重く、敷設工事が大がかりになる嫌いがある。また、PC製まくら木は振動軽減性に弱く、レールの分岐部などには不向きである。
【0003】
そこで、近年、これらのまくら木に代わるものとして、繊維強化硬質樹脂発泡体を素材とした合成木材で製された合成まくら木が使用されている。
この合成まくら木は、軽くて強度があるだけでなく、耐久性に優れている。また、振動に強いので、レールの継ぎ目や分岐部に好んで採用されている。
【0004】
まくら木は、路盤上に積まれた道床内に敷設される。道床は、路線の条件により、バラスト道床、コンクリート道床、スラブ道床などが選定される。バラスト道床は、建設費が割安であること、軌道ずれの修正が比較的容易なことから、コンクリート道床やスラブ道床に比べて多く採用されている。
バラストは、列車からレールを介してまくら木に加わる荷重を広く分散させて路盤に伝え、車両の左右動、レールの伸縮に伴うまくら木の移動を防止し、車両走行に伴う振動エネルギーを吸収するものであり、砂利や砕石などが採用される。
【0005】
ところで、レールの継ぎ目や分岐部に敷設されたまくら木は、列車の通過に伴う振動が大きく、列車荷重によりまくら木下面の圧密化が進んで軌道沈下が生じ、軌道が上下したり、ときには横ずれを生じるといった所謂「あおり現象」が発生し易い。
前記したように、レールの継ぎ目や分岐部には合成まくら木が多用されるが、合成まくら木は重量が軽いため、特に「あおり現象」を生じやすい。
【0006】
そこで、「あおり現象」の発生を防止するために、連結まくら木が使用されている。連結まくら木は、複数のまくら木同士の間に連結部材を橋渡して取り付けたものであり、全体形状が大きく、バラストとの接触ないし接地面積が大きい。これにより、連結まくら木は上下動に対する抵抗が高く、「あおり現象」の発生を効果的に防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記したように連結まくら木は全体形状が大きく重量も重いため、敷設現場への搬送や敷設工事が大掛かりであった。
また、レールの継ぎ目や分岐部などで、連結されていない既設まくら木を連結まくら木に更換する場合は、複数の既設まくら木をレールから取り外し、連結まくら木をレールに取り付ける手順で敷設作業が行われていた。このため、敷設作業中にレールの下にまくら木が敷設されていない状態が長時間継続し、列車が頻繁に通過する昼間などに更換作業を行うことができなかった。
このため、連結まくら木の敷設作業は夜間に行わざるを得ず、作業効率が悪いうえに費用も嵩むことから改善が望まれていた。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みて提案されるもので、列車の通過を可能にしつつ効率良く敷設作業を行うことのできる連結まくら木の敷設方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために提案される請求項1に記載の本発明は、互いに連結された2本以上のまくら木の敷設方法であって、各まくら木に予め連結部材を各々固定しておき、各まくら木をレールの下に敷設した後に、各まくら木の連結部材同士または連結部材と当該連結部材に当接するまくら木とを接続することによりまくら木同士を連結するものである。
【0010】
本発明によれば、まくら木同士が予め連結されていないので、個々のまくら木が軽量であり、敷設現場への搬送が容易なうえに、敷設作業も容易である。
また、連結部材を敷設現場でまくら木に固定するのではなく、連結部材は予めまくら木に強固に固定されている。これにより、敷設直後であっても、上下動に対してバラストと連結部材の間に生じる大きな抵抗力により、まくら木の上下方向の振動を効果的に抑えることができる。
【0011】
連結部材によってまくら木同士を連結する構成としては、例えば、各まくら木に固定された連結部材同士を接続することによってまくら木同士を連結する構成を採ることができる。また、各まくら木に固定された連結部材を他方のまくら木に接続することによってまくら木同士を連結する構成を採ることも可能である。
【0012】
連結部材同士を接続してまくら木を連結する構成では、連結部材同士の長手方向の接続強度(曲げ及び剪断強度)を確保する接続構造を採用するのが望ましい。これにより、予め連結された連結まくら木と同様の曲げ及び剪断強度を敷設時点で直ちに確保可能である。
連結部材の曲げ及び剪断強度を確保する接続構造としては、例えば、連結部材の断面形状の確保と長手方向に直交する方向へ接続ピンを打ち込むような一体接続構造が挙げられる。
【0013】
請求項2に記載の本発明は、互いに連結された2本以上のまくら木の敷設方法であって、敷設現場において各まくら木の間に連結部材を橋渡して接続固定し、この後に、連結されたまくら木をレールの下に敷設するものである。
【0014】
本発明によれば、敷設現場でまくら木と連結部材を接続固定する。従って、予め連結された重量の重い連結まくら木を搬送するのに比べて敷設現場への部材の搬送作業を容易に行うことができる。
また、連結部材とまくら木とを接続する場合、前記した連結部材同士を接続する場合と同様に、接続ピンなどを採用して敷設時点における曲げ及び剪断強度を直ちに確保可能である。
また、敷設時点における上下方向の振動に対する接続強度を更に向上させるために、例えば、複数のまくら木に橋渡して上下から挟むように連結部材を配し、まくら木同士の間であって上下の連結部材の間にスペーサを配して、まくら木と上下の連結部材とを接続ピンなどで一体的に接続固定すると共に、スペーサと上下の連結部材とをボルトおよびナットを用いて一体的に接続固定する構造を採ることができる。これにより、上下方向の振動によって生じる接続ピンの接続直後の緩みを、ボルトおよびナットの締結によって抑止することができる。
【0015】
請求項3に記載の本発明は、隣接する2本以上の既設まくら木を互いに連結された2本以上の新設まくら木に更換する連結まくら木の敷設方法であって、各新設まくら木に予め連結部材を各々固定しておき、既設まくら木の一つをレールから取り外した後に新設まくら木をレールの下に敷設する工程を更換する既設まくら木について繰り返して行い、その際に、敷設された各新設まくら木の連結部材同士または連結部材と当該連結部材に当接する新設まくら木とを接続することにより新設まくら木同士を連結するものである。
【0016】
本発明によれば、既設まくら木を1本ずつ新設まくら木に更換し、全ての既設まくら木を新設まくら木に更換した後に、連結部材同士を接続固定する。
従って、敷設作業中にレールの下にまくら木が敷設されていない時間を短縮することができる。これにより、列車の通過する合間に敷設作業を進めることができ、昼間の敷設作業も可能になる。
また、請求項1に記載の本発明と同様に、まくら木同士が予め連結されていないので、個々の部材が軽量であり、敷設現場への搬送が容易なうえに、敷設作業も容易である。
また、前記したように、連結部材を敷設現場でまくら木に固定するのではなく、連結部材は予めまくら木に強固に固定されている。これにより、敷設直後であっても、上下動に対してバラストと連結部材の間に生じる大きな抵抗力により、まくら木の上下方向の振動を効果的に抑えることができる。
また、連結部材同士を接続することによってまくら木同士を連結する構成を採る場合は、連結部材同士の接続を前記した接続ピンで行うことにより、予め連結された連結まくら木と同様の曲げ及び剪断強度を敷設時点で直ちに確保可能である。
【0017】
敷設中において、新設まくら木と既設まくら木が混在する状態や、新設まくら木の連結部材同士を接続しない状態で列車を通過させる場合には、レールの継ぎ目や分岐部に一時的にスペーサなどを挿入して応急補強することにより対応可能である。
【0018】
請求項4に記載の本発明は、 隣接する2本以上の既設まくら木を互いに連結された2本以上の新設まくら木に更換する連結まくら木の敷設方法であって、各新設まくら木に予め連結部材を各々固定しておき、更換する全ての既設まくら木を順次レールから取り外した後に新設まくら木を順次レールの下に敷設し、この後に、敷設された各新設まくら木の連結部材同士または連結部材と当該連結部材に当接する新設まくら木とを接続することにより新設まくら木同士を連結する。
【0019】
本発明によれば、更換する既設まくら木を全てレールから取り外した後に、新設まくら木を敷設する。そして、最後に連結部材同士または連結部材と当該連結部材に当接する新設まくら木とを接続して新設まくら木同士を連結する。これにより、同一作業を連続させて敷設を行うことができ作業効率が向上する。
また、前記請求項1に記載の本発明と同様に、まくら木同士が予め連結されていないので、個々の部材が軽量であり、敷設現場への搬送が容易なうえに、敷設作業も容易である。
また、前記したように、連結部材を敷設現場でまくら木に固定するのではなく、連結部材は予めまくら木に強固に固定されている。これにより、敷設直後であっても、上下動に対してバラストと連結部材の間に生じる大きな抵抗力により、まくら木の上下方向の振動を効果的に抑えることができる。
連結部材同士の接続は、前記接続ピンなどを採用することにより、予め連結された連結まくら木と同様の曲げ及び剪断強度を敷設時点で直ちに確保できる。
【0020】
請求項5に記載の本発明は、隣接する2本以上の既設まくら木を互いに連結された2本以上の新設まくら木に更換する連結まくら木の敷設方法であって、敷設現場において各新設まくら木の間に連結部材を橋渡して固定し、次いで、更換する全ての既設まくら木を順次レールから取り外し、この後に、連結された新設まくら木をレールの下に敷設する。
本発明は、既設まくら木を更換する場合において前記請求項2に記載の本発明を適用したものであり、請求項2に記載の本発明と同様の作用、効果を呈する。
【0021】
請求項6に記載の本発明は、第1の連結部材を予めまくら木に固定した第1の連結用まくら木と第2の連結部材を予めまくら木に固定した第2の連結用まくら木とを用いた連結まくら木の敷設方法であって、既設まくら木をレールから取り外して前記第1の連結用まくら木をレールに取り付け、次いで、前記第1の連結用まくら木に隣接する既設まくら木をレールから取り外して前記第2の連結用まくら木をレールに取り付け、この後に、敷設された連結用まくら木の第1の連結部材と第2の連結部材とを接続固定する。
【0022】
本発明は、前記請求項3の連結まくら木の敷設方法において、2本のまくら木を敷設する方法を示したものである。本発明の連結まくら木の敷設方法を実施する場合、次に述べるような構成を採ることができる。
【0023】
例えば、連結部材は平板材で形成され、面部を上下方向へ向けてまくら木の下部に取り付けられており、第1および第2の連結用まくら木をレールに取り付けると、第2の連結部材が第1の連結部材の上面に重なり、重なった第1および第2の連結部材を接続固定する構成を採用できる。
【0024】
また、重なった連結部材のうち、第2の連結部材の上面または第1の連結部材の下面の少なくともいずれかに補強部材を当接させ、第1および第2の連結部材と補強部材とを一体的に接続固定する構成とすることも可能である。
【0025】
また、連結部材は平板材で形成され、面部を上下方向へ向けてまくら木の下部に取り付けられており、第1および第2の連結用まくら木をレールに取り付けると、第1および第2の連結部材の端部同士が対向する構成とされており、第1および第2の連結部材の対向する端部を覆うように連結部材の上面または下面の少なくともいずれかに接続部材を当接させて、接続部材と第1および第2の連結部材とを一体的に接続固定する構成とすることもできる。
【0026】
また、連結部材は平板材で形成される平面部と、当該平面部から突出する接続部を備えており、第1の連結用まくら木は、まくら木の下部に接続部を上方へ向けて第1の連結部材の平面部が取り付けられ、第2の連結用まくら木は、まくら木の上部に接続部を下方へ向けて第2の連結部材の平面部が取り付けられた構成とされており、第1および第2の連結用まくら木をレールに取り付けると、第1および第2の連結部材の接続部同士が当接し、当接した接続部同士を接続固定する構成とすることができる。
【0027】
また、第1および第2の連結用まくら木をレールに取り付けると、第1および第2の連結部材の接続部同士が上下から対向して当接し、接続部の当接部位を覆うように接続部の一側または両側から接続部材を当接させて、接続部材と第1および第2の連結部材の接続部とを一体的に接続固定する構成を採用することもできる。
【0028】
請求項7に記載の本発明は、前記連結部材がまくら木から延出する長さは、敷設されるまくら木同士の対向する側面の間隔以下であり、前記第1および第2の連結用まくら木をレールに取り付けるときは、連結部材が既設まくら木または連結用まくら木に交差しない構成とされている。
【0029】
既設まくら木の一つをレールから取り除いた後に第1の連結用まくら木をレールに取り付ける場合、連結用まくら木から延出する第1の連結部材が長すぎると隣接する既設まくら木に接触する。このため、連結用まくら木を規定の間隔でレールに固定できない不具合が生じる。同様に、第2の連結用まくら木をレールに取り付けようとすると、第2の連結部材が第1の連結用まくら木に接触する不具合が生じる。
しかし、本発明によれば、まくら木を所定の間隔でレールに取り付けたときに、連結用まくら木の連結部材が隣接するまくら木と交差しないように、連結部材がまくら木から延出する長さを規制している。これにより、隣接するまくら木に連結部材がつかえるような不具合がなく、既設まくら木を1本ずつ容易に更換することができる。
【0030】
請求項8に記載の本発明は、第1の連結部材を予めまくら木に固定した第1の連結用まくら木と第2の連結部材を予めまくら木に固定した第2の連結用まくら木とを用いた連結まくら木の敷設方法であって、隣接する2本の既設まくら木を順次レールから取り外し、前記第1の連結用まくら木をレールに取り付けてから前記第2の連結用まくら木をレールに取り付け、この後に、敷設された連結用まくら木の第1の連結部材と第2の連結部材とを接続固定する。
本発明は、前記請求項4の連結まくら木の敷設方法において、2本のまくら木を敷設する方法を示したものである。
【0031】
また、請求項9に記載の本発明は、第1の連結部材は前記第2の連結用まくら木を横切って延出し、第2の連結部材は第2の連結用まくら木の両側に延出する構成とされており、第1の連結用まくら木と第2の連結用まくら木をレールに取り付けた後に、第2の連結用まくら木の両側で第1および第2の連結部材を接続固定するものである。
本発明は、前記請求項8の敷設方法を実施する構成をより具体的に示したものである。本発明によれば、第1および第2の連結部材を第2の連結用まくら木の両側で接続固定するので、敷設時点において連結部材同士が強固に接続され、連結まくら木の剛性を向上させることができる。
【0032】
ここで、前記した本発明では、連結部材を平板材で形成する場合、連結部材の幅がまくら木の幅の0.5倍乃至1倍の範囲であることが望ましい。
連結部材の幅がまくら木の幅の0.5倍未満のときは、連結部材とバラストとの接触面積が小さく、連結部材によるまくら木の上下動の抑止効果が低減する。
また、連結部材の幅がまくら木の幅を越えるときは、連結部材とバラストとの接触面積が大きく、連結部材によるまくら木の上下動の抑止効果は増大するが、反面、マルチタイタンパーで道床を突き固める場合に、ツメが当たる不具合が生じる。
【0033】
また、前記請求項6〜9に示した本発明において例示した構成では、隣接する連結用まくら木同士の間であって、第2の連結部材とまくら木に取り付けられるレールの下面との間、または、第2の連結部材の上面に当接する補強部材または接続部材とレールの下面との間を充填するスペーサを、第2の連結部材または補強部材または接続部材の上面に設けた構成とすることができる。
この構成によれば、レールに加わる荷重がまくら木だけでなく、スペーサを介して連結部材に分散する。これにより、まくら木部分の荷重の集中が抑えられて圧密化の発生が減少し、上下動が抑えられて「あおり現象」の発生を効果的に抑止できる。
【0034】
また、前記請求項6〜9に示した本発明において例示した構成では、第1の連結部材の下面、または、第1の連結部材の下面に取り付けられる補強部材、または、第1および第2の連結部材の下面に取り付けられる接続部材の下面に耐摩耗性部材を貼付した構成を採ることができる。
耐摩耗性部材を貼付することにより、バラストによる各部材の摩耗や損傷を抑止でき、耐久性が向上する。
【0035】
また、前記した本発明では、まくら木および連結部材を含む全ての部材は、ガラス長繊維強化硬質合成樹脂発泡体を素材とする合成木材で製するのが良い。
発泡樹脂の種類としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化樹脂であって硬質のものが好適に使用される。尚、発泡樹脂中に、圧縮強度の向上や低コスト化を図るために、炭酸カルシウム、石膏、タルク、水酸化アルミニウム、クレーなどの無機充填材や、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン等の軽量骨材が添加されても良い。
【0036】
板材の硬質樹脂発泡体を補強する繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などの無機質繊維や、芳香族ポリアミド繊維等の合成繊維や天然繊維等の有機質繊維の何れかであればよいが、強度や経済性の面からガラス繊維が適している。繊維の形態は、ヤーン、クロス、ロービング、ロービングクロス、クロスマット等の長繊維形態のものが好適であり、必要に応じてチップ、ミドルファイバー等の短繊維やシラスバルーン等の中空充填材を併用しても良い。ガラス繊維としては、ガラスロービング、ガラスロービングクロス、ガラスマット、コンティニュアスストランドマット等の形態のものが挙げられる。この繊維は単独で使用しても良いし、2層以上積層して使用しても良く、また、長繊維と短繊維を混ぜて使用しても良い。最も好適な材料としては硬質ウレタン樹脂を長手方向へ引き揃えられたガラス長繊維で補強した発泡体である(例えば、商品名「エスロンネオランバー FFU」積水化学工業株式会社製)。
【0037】
まくら木や連結部材などを合成木材で成する場合、合成木材に含まれる繊維方向が各部材の長手方向となるようにするのが良い。則ち、まくら木にかかる応力は、主としてレールを支点とする曲げモーメントに起因するものであり、まくら木の長手方向への高い曲げ剛性(EI)が要求される。
合成木材の繊維方向をまくら木の長手方向へ合わせたものや、或いは、繊維方向の異なる合成木材を積層したまくら木とすることにより、高い曲げ剛性を得ることができる。また、まくら木に固定される連結部材を含む全ての部材についても、繊維方向が各部材の長手方向となるように原板から切り出したものを用いるのが良い。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の連結まくら木の敷設方法の実施形態を説明する。
【0039】
(第1実施形態)
図1(a),(b)は第1実施形態に採用する第1の連結用まくら木10を示す分解斜視図および斜視図、図2(a),(b)は第2の連結用まくら木13を示す分解斜視図および斜視図、図3(a)〜(c)は敷設手順を示す斜視図、図4は図3(c)のA−A矢視断面図である。また、図5(a)は連結用まくら木を敷設した状態を示す平面図、図5(b)は(a)の側面図、図5(c)は(a)のA−A矢視断面図である。
【0040】
連結用まくら木(第1の連結用まくら木)10は、図1(a),(b)に示すように、角柱形のまくら木11に、平板状の2個の連結部材(第1の連結部材)12を予め固定したものである。
まくら木11は合成木材で製され、幅に対して高さが僅かに低い角柱形であり、両端部近傍の下面には、まくら木11の幅方向の全長に渡って固定溝11aが設けられている。固定溝11aは、後述する連結部材12の幅と略同一の幅を有し、深さが連結部材12の厚さと略同一であり、まくら木11にレールが固定される部位の真下に設けられている。
【0041】
連結部材12は合成木材で製され、方形薄板形状であり、本実施形態ではまくら木11より若干狭い幅としている。また、連結部材12には長手両側縁に沿って接続孔12aが各々3個ずつ開けられている。
連結用まくら木10は、固定溝11aに接着剤を塗布し、連結部材12の一端をまくら木11の側面に一致するように固定溝11aに嵌入させて接続固定したものである(図1(b)参照)。
【0042】
この連結用まくら木10では、まくら木11から延出する連結部材12の長さを規制されている。則ち、連結用まくら木10を隣接するまくら木と同様に所定間隔でレールに取り付けたときに、連結部材12の端部が隣接するまくら木の側面に当接する長さとしている。
【0043】
尚、本実施形態では、接着剤を用いて連結部材12をまくら木11に接続固定しているが、接着剤を併用した別の接続構成を採ることもできる。例えば、連結部材12とまくら木11の固定溝11aに予め接続孔を設け、接続孔に接着剤を流し込んで合成木材で成る接続ピンを打ち込んで接続固定しても良い。
この構成によれば、接続ピンがまくら木11と同一素材であり、一体化して接合されるため、上部からタイプレートやレールを固定する固定釘を打ち込むことも可能である。
【0044】
連結用まくら木(第2の連結用まくら木)13は、図2(a),(b)に示すように、角柱形のまくら木14に、平板状の2個の連結部材(第2の連結部材)15を予め固定したものである。
まくら木14は合成木材で製され、前記まくら木11と同一外形で、幅に対して高さが僅かに低い角柱形であり、両端部近傍の下部には、まくら木14の幅方向へ貫通する固定孔14aが設けられている。固定孔14aは、幅が連結部材15の幅と略同一であり、高さが連結部材15の厚さと略同一であり、まくら木14にレールが固定される部位の真下に設けられている。
【0045】
連結部材15は合成木材で製され、方形薄板形状であり、本実施形態ではまくら木14と同一幅としている。また、連結部材15には、長手両側縁に沿って接続孔15aが各々3個ずつ開けられている。この接続孔15aは、連結用まくら木10の連結部材12に設けられた接続孔12aと対応した位置に設けられている。
【0046】
連結用まくら木13は、固定孔14aに接着剤を流し込み、連結部材15を嵌入させて接続固定したものである(図2(b)参照)。
ここで、固定孔14aはまくら木14の下面から連結部材12の厚さだけ上方の位置に設けられている。これにより、まくら木11とまくら木14の上面を一致させてレールに固定したときに、連結部材15が連結部材12の上面に重なる構成としている。
【0047】
この連結用まくら木13でも、まくら木14から延出する連結部材15の長さを規制している。則ち、連結用まくら木13を隣接するまくら木と同様に所定間隔でレールに取り付けたときに、連結部材15の端部が連結用まくら木10の側面に当接する長さとしている。
【0048】
また、連結用まくら木13は、まくら木14から延出する連結部材15の上面に、角柱形のスペーサ16を接合固定している。
スペーサ16の高さは、まくら木14をレールに固定したときに、レールの下面と連結部材15の上面との隙間と略同一である。また、スペーサ16の長さは、連結部材15がまくら木14から延出する長さと略同一であり、連結部材15の上面の幅方向中央部に長手方向へ向けて固定されている(図2(b)参照)。
【0049】
尚、本実施形態では、接着剤を用いて連結部材15をまくら木14に接続固定しているが、前記した連結用まくら木10と同様に、接続ピンを用いた接続構造を併用しても良い。
これらの連結用まくら木10および連結用まくら木13は、工場で予め製されている。
【0050】
次に、図3〜図5を参照して第1および第2の連結用まくら木10,13を用いた連結まくら木の敷設方法を説明する。
▲1▼図3(a)に示すように、既設まくら木(不図示)をレールRから取り外し、連結用まくら木10をタイプレートTを介してレールRに固定する。
このとき、連結部材12の端部が隣接する既設まくら木Mの側面と当接させることにより、連結用まくら木10と既設まくら木Mとの間隔が定まり位置決めを容易に行うことができる。この場合、既設まくら木Mの側面に連結部材12の先端部が当接するだけなので、隣接する既設まくら木Mを敷設したままの状態で連結用まくら木10を敷設することが可能である。
【0051】
▲2▼連結用まくら木10をレールRに取り付けた後、タンパーなどの工具を用いて、連結用まくら木10の周囲のバラストを突き固める(図5(a),(b)参照)。
▲3▼図3(a),(b)に示すように、隣接まくら木MをレールRから取り外し、連結用まくら木13を連結部材15の下面が連結部材12の上面に重なるようにしてレールRの下部に挿入し、タイプレートTを介してレールRに固定する。
このとき、連結部材15の端部が連結用まくら木10の側面と当接させることにより連結用まくら木10に対する間隔が定まり、位置決めが容易である。
【0052】
▲4▼連結用まくら木13をレールRに取り付けた後、タンパーを用いて、連結用まくら木13の周囲のバラストを突き固める(図5(a),(b)参照)。
▲5▼図3(c)に示すように、重ね合わさった連結部材15,12の各々の接続孔15a,12aに接着剤(本実施形態ではウレタン樹脂系接着剤を使用)を流し込み、接続孔15a,12aを貫通させて接続ピンPを打ち込んで敷設を完了する。
【0053】
連結用まくら木10,13を敷設して連結すると、図4に示すように、スペーサ16がレールRの接続部分の下面に当接する。これにより、レールRの荷重がまくら木11,14のみならず、スペーサ16を介して連結部材15,12に分散され、局部的な圧密化が抑制される。
【0054】
また、前記したように、連結用まくら木10,13には、予め、連結部材12,15が強固に固定されている。これにより、図4に示すように、連結用まくら木10,13と連結部材12,15が一体となってバラストに対する接触面積が拡大し、敷設時点で上下動に対する大きな抵抗を呈して「あおり現象」の発生を効果的に抑えることが可能となる。
更に、接続ピンPによって連結部材12,15同士を接続するので、敷設時点で直ちに連結部材12,15の曲げ及び剪断方向(横方向)の耐荷重力を発揮することができ、レールRの伸縮などに伴う連結用まくら木10,13の移動を効果的に抑止することができる。
【0055】
本発明者らは前記した構成の第1および第2の連結用まくら木10,13を試作して敷設に要する時間を測定した。その結果、既設まくら木Mを取り除き、連結用まくら木10(13)をレールRに固定してバラストを突き固めるのに合計略1時間を要した。
従って、列車が通過する間隔が30分以上あれば、通過の合間にあわせて1時間毎に連結用まくら木10および連結まくら木13を順次更換敷設し、最後に連結部材12,15を連結して敷設を完了させることができる。これにより、従来のように夜間の運転休止期間の作業を強いられることなく、連結まくら木であるにも拘わらず、昼間の作業が可能となる。
【0056】
(第2実施形態)
図6は第2実施形態に採用する第1の連結用まくら木10’を示す斜視図、図7(a),(b)は第2の連結用まくら木13’を示す分解斜視図および斜視図、図8は敷設状態における前記図3(c)に対応したA−A矢視断面図である。
本実施形態に用いる第1および第2の連結用まくら木10’,13’は、前記第1実施形態に用いた連結用まくら木10,13の構成を一部変形したものである。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0057】
前記第1実施形態の連結用まくら木10(図1参照)は、まくら木11の下面に固定溝11aを設け、この固定溝11aに連結部材12を嵌入させて接続固定したものであった。
これに対して、本実施形態の連結用まくら木10’は、図6に示すように、まくら木11’の下面に固定溝を設けず、連結部材12を直接まくら木11’の下面に接続している。
【0058】
一方、前記第1実施形態の連結用まくら木13(図2参照)は、まくら木14の下部に接続孔14aを設け、この接続孔14aに連結部材15を嵌入させて接続固定したものであった。
これに対して、本実施形態の連結用まくら木13’は、図7(a),(b)に示すように、まくら木14’の下面に固定溝14a’を設け、この固定溝14a’に第2の連結部材15を嵌入させて接続固定したものである。則ち、まくら木14’の形状は、前記第1実施形態の連結用まくら木10(図1参照)のまくら木11と同一形状である。
【0059】
このように、本実施形態では、まくら木11’,14’に接続固定される連結部材12,15が、まくら木の高さ方向に向けて連結部材12の厚さだけ下方へ移動した構成である。
この構成では、連結用まくら木10’,13’をレールRに取り付け固定すると、図8に示すように、連結部材12がまくら木10’,14’の下面からその厚さ分だけ下方へ突出した状態で敷設される。
尚、連結用まくら木10’,13’の敷設方法および効果は前記第1実施形態と同一であるので説明を省略する。
【0060】
(第3実施形態)
図9(a),(b)は本実施形態で採用する第1の連結用まくら木20を示す分解斜視図および斜視図、図10(a),(b)は敷設手順を示す斜視図、図11は図10(b)のA−A矢視断面図である。また、図12(a)は連結用まくら木を敷設した状態を示す平面図、図12(b)は(a)の側面図、図12(c)は(a)のA−A矢視断面図である。
本実施形態は、3本のまくら木を敷設して連結するもので、所謂支え継ぎ接続構造用である。
本実施形態に用いる第1の連結用まくら木は、前記第1実施形態に用いた第1の連結用まくら木10(図1参照)を変形したものである。
また、第2の連結用まくら木は前記第1実施形態に用いた第2の連結用まくら木13(図2参照)と同一である。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0061】
前記第1実施形態の第1の連結用まくら木10(図1参照)は、まくら木11の側面の一方に連結部材12が延出する構成であった。
これに対して、本実施形態の第1の連結用まくら木20は、図9に示すように、まくら木11の両側面から同一長さだけ連結部材12’が延出する構成としている。この連結部材12’には、長手両側縁に沿って接続孔12aが6個ずつ設けられている。
本実施形態では、この連結用まくら木20と前記第1実施形態で示した第2の連結用まくら木13(図2参照)を2本用いて、3本の連結されたまくら木を敷設するものである。
【0062】
次に、図10を参照して、連結用まくら木20,13を用いた連結まくら木の敷設方法を説明する。
▲1▼図10(a)に示すように、既設まくら木(不図示)をレールから取り外し、第1の連結用まくら木20をタイプレートを介してレールに固定する。
このとき、連結部材12’の両端部が隣接する既設まくら木(不図示)の側面と当接して位置決めが行われる。この場合、連結部材12’の端部が既設まくら木の側面と当接するだけなので、既設まくら木を敷設したままの状態で連結用まくら木20をレールに固定可能である。
【0063】
▲2▼連結用まくら木20をレールに取り付けた後、タンパーなどを用いて、連結用まくら木20の周囲のバラストを突き固める(図12(a),(b)参照)。
▲3▼図10(a)に示すように、連結用まくら木20に隣接する一方の既設まくら木をレールから取り外し、連結用まくら木13を連結部材15の下面が連結部材12’の上面に重なるようにしてレールの下部に挿入し、タイプレートを介してレールに固定する。
このとき、連結部材15の端部を連結用まくら木20の側面と当接させることにより、連結用まくら木13の間隔の位置決めが容易である。
【0064】
▲4▼連結用まくら木13をレールに取り付けた後、タンパーなどを用いて、連結用まくら木13の周囲のバラストを突き固める(図12(a),(b)参照)。
▲5▼図10(b)に示すように、重ね合わさった連結部材15と連結部材12’の接続孔15aおよび接続孔12aに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系接着剤)を流し込み、接続孔15a,12aを貫通するように接続ピンPを打ち込む。
▲6▼連結用まくら木20の反対側に隣接する既設まくら木についても、前記▲3▼〜▲5▼の工程を繰り返し行うことにより更換して敷設を完了する。
【0065】
尚、前記敷設手順では、1本の連結用まくら木13を敷設する毎に接続ピンPを打ち込んだが、連結用まくら木20の両側に連結用まくら木13,13を敷設した後に、全ての接続ピンを打ち込んでも良い。
【0066】
(第4実施形態)
図13(a),(b)は第4実施形態の連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図、図14は図13(b)のA−A矢視断面図である。
本実施形態に用いる第1の連結用まくら木は、前記第2実施形態に用いた第1の連結用まくら木10’をそのまま用いる。また、第2の連結用まくら木は前記第2実施形態に用いた第2の連結用まくら木13’を変形したものである。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0067】
第1の連結用まくら木10’は、前記したように第2実施形態の連結用まくら木10’(図6参照)をそのまま用いている。
また、第2の連結用まくら木13”は、前記第2実施形態の連結用まくら木13’(図7参照)において、スペーサ16を取り除いた形状である。
【0068】
更に、本実施形態ではスペーサの機能を兼ね備えた補強部材17を新たに用いている。
補強部材17は図13(b)に示すように、平板で形成される補強板18の上面に、長手方向に沿って中央部にスペーサ19を接合したものである。
補強板18は、連結用まくら木13”において、連結部材15がまくら木14’から延出する部分と同一形状である。また、連結部材15の接続孔15aに対応させて、補強板18には長手両側縁に沿って接続孔18aが各々3個ずつ設けられている。
【0069】
本実施形態では、図13(a)に示すように、まず、既設まくら木(不図示)の一つを連結用まくら木10’と更換し、次いで、連結用まくら木10’と隣接する既設まくら木を連結用まくら木13”に更換する。
次に、図13(b)、図14に示すように、レールRと連結部材15の上面との間に補強部材17を挿入する。そして、接続孔18a,15a,12aに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を流し込み、接続ピンPを打ち込んで敷設を完了する。
このように、本実施形態では、連結部材12,15の上に補強部材17の補強板18が更に重ねられるので連結部材の剛性を向上させることができる。これにより、連結まくら木としての剛性が向上し、レールからまくら木に加わる荷重を効果的に分散して「あおり現象」の発生を抑止することができる。
【0070】
(第5実施形態)
図15(a),(b)は第5実施形態に採用する連結用まくら木30を示す分解斜視図および斜視図、図16は敷設手順を示す斜視図、図17は連結用まくら木30を敷設した状態を示す斜視図、図18は図17のA−A矢視断面図である。
本実施形態に用いられる連結用まくら木30は、前記第4実施形態で用いた第2の連結用まくら木13”(図13参照)を一部変形した構造である。
則ち、前記第4実施形態では、連結部材12,15を重ね合わせて接続する構成であった。これに対して、本実施形態では、連結部材の長さを短くして連結部材同士を対向させた状態で接続するものである。
【0071】
連結用まくら木30は、前記第4実施形態で用いた第2の連結用まくら木13”(図13参照)において、連結部材15がまくら木14’から突出する長さを略半分に短縮した形状である。
則ち、連結用まくら木30は、図15(a),(b)に示すように、角柱形のまくら木31の長手両端部近傍の下部に設けられた固定溝31a,31aに平板状の連結部材32,32を嵌入させて接続固定したものである。連結部材32には、長手両側縁に沿って各々2個ずつ接続孔32aが開けられている。本実施形態では、この連結用まくら木30を2本用いて敷設を行う。
【0072】
また、本実施形態では、連結用まくら木30に加えて、接続部材17’と接続部材33とを用いる。
接続部材17’は、前記第4実施形態で用いた補強部材17(図13参照)と略同一形状である。但し、本実施形態の接続部材17’では、連結部材32の接続孔32aに対応させて、接続板18’の長手両側縁に沿って接続孔18aを各々4個ずつ設けている。
また、接続部材33は接続部材17’の接続板18’と同一形状であり、長手両側縁に沿って接続孔33aを各々4個ずつ設けている。
【0073】
本実施形態では、図16、図18に示すように、まず、既設まくら木(不図示)の一つをレールRから取り外し、連結用まくら木30をレールRに取り付ける。この作業を隣接する既設まくら木について繰り返して行う。2本の連結用まくら木30をレールに固定すると、連結部材32の端部同士が対向する。
次いで、連結部材32の上面とレールRとの間に接続部材17’を挿入すると共に、連結部材32の下面とバラスト(不図示)との間に接続部材33を挿入する。則ち、連結部材32の対向部分を覆うように上下から接続部材17’、33を当接させる。
この後、接続孔18a,32a,33aに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を流し込み、接続ピンPを打ち込んで敷設を完了する。
【0074】
連結用まくら木30,30をこのように敷設すると、図17,図18に示すように、両側のまくら木31から延出する連結部材32を接続部材17’,33で上下から挟んで強固に接続固定することができ、連結まくら木としての剛性が向上する。
【0075】
(第6実施形態)
図19(a),(b)は第6実施形態に用いる第1の連結用まくら木40を示す分解斜視図および斜視図、図20(a),(b)は第2の連結用まくら木40’を示す分解斜視図および斜視図、図21(a),(b)は敷設手順を示す斜視図、図22は図21(b)のA−A矢視断面図である。
【0076】
連結用まくら木40は、図19(a),(b)に示すように、角柱形のまくら木41に、2個の連結部材42を予め固定したものである。
連結用まくら木40に用いるまくら木41の両端部近傍上面には、まくら木41の幅方向へ向けて固定溝41aが設けられている。この固定溝41aは、後述する連結部材42の平面部43と略同一の幅を有し、深さが平面部43の厚さと略同一である。この固定溝41aは、まくら木11にレール(タイプレート)が固定される部位に設けられている。
【0077】
連結部材12は、方形薄板形状の平面部43と、平面部43に垂直に固定された接続部材44とを備えている。接続部44は、平面部43がまくら木41から延出する長さと同一の方形薄板形状であり、長手方向に沿って3個の接続孔44aが設けられている。
接続部44は、一方の面の長手側縁を平面部43の幅方向中央と一致させて長手方向へ向けて固定されている(図22参照)。則ち、接続部材44は平面部43の幅方向中央から僅かに偏った部位に固定されている。
連結用まくら木40は、固定溝41aに接着剤を塗布し、連結部材42の平面部43の一端をまくら木41の側面に一致させるように固定溝41aに嵌入させて接続固定したものである(図19(b)参照)。
【0078】
この連結用まくら木40は、まくら木41を隣接するまくら木に対して所定の間隔でレールに取り付けたときに、連結部材42の平面部43の端部が隣接するまくら木の側面に当接するように連結部材42の延出長を規制している。
【0079】
一方、第2の連結用まくら木40’は、図20(a),(b)に示すように、前記第1の連結用まくら木40を反転させた形状と略同一である。
但し、連結部材42において、接続部44を平面部43に固定する位置が僅かに異なる。
前記連結用まくら木40では、連結部材42の平面部43の幅方向中央より右方へ偏らせて接続部44を固定した。これに対して、連結用まくら木40’では、反転した状態で、接続部44の一方の面の長手側縁を連結部材42の平面部43の幅方向中央に一致させて固定している。則ち、平面部43の幅方向中央より左方へ偏らせて接続部44を固定している。
従って、連結用まくら木40,40’をレールに固定すると、連結部材42同士の平面部43が上下に平行に対向し、接続部44同士が横方向に当接する形状である。
【0080】
本実施形態では、次の手順で連結用まくら木40,40’を敷設する。
▲1▼図21(a)に示すように、更換する既設まくら木(不図示)の一つをレールから取り外し、連結用まくら木40をレールに取り付ける。そして、敷設した連結用まくら木40の周囲のバラストをタンパーを用いて突き固める。
▲2▼図21(a)に示すように、隣接する既設まくら木(不図示)をレールから取り外し、連結用まくら木40’を、接続部44が連結用まくら木40の接続部44と当接するように挿入する。このとき、連結部材42の端部を連結用まくら木40のまくら木41の側面に当接させれば、連結用まくら木40に対する間隔の位置決めが容易である。そして連結用まくら木40’をレールに取り付けた後、周囲のバラストをタンパーを用いて突き固める。
▲3▼図21(b)、図22に示すように、接続部44の各々の接続孔44aに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を挿入して接続ピンPを水平方向へ打ち込み、連結部材42同士を接続して敷設を完了する。
【0081】
(第7実施形態)
図23(a),(b)は第7実施形態に用いる連結用まくら木50を示す分解斜視図および斜視図、図24および図25は敷設手順を示す斜視図、図26は図25のA−A矢視断面図である。
本実施形態に用いる連結用まくら木50は、前記第6実施形態に用いた連結用まくら木40(図19参照)において、連結部材42の形状を変形したものである。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0082】
本実施形態に用いる連結用まくら木50に採用する連結部材42は、平面部43の上面の幅方向中央部に、長手方向へ向けて角柱状の接続部45を接続固定したものである。接続部45の長さは、まくら木41から連結部材42の平面部43が延出する長さと同一である。また、接続部45の高さは、前記連結用まくら木40(図19参照)に設けた接続部44の高さの略半分である。この接続部45の両端部および中央部には横方向へ貫通する接続孔45aが設けられている。
【0083】
本実施形態では、連結用まくら木50を2本用いて敷設を行う。
則ち、図24に示すように、既設まくら木(不図示)をレールから取り外し、連結用まくら木50を連結部材42が上部に位置する向きにしてレールに取り付ける。次いで、隣接する既設まくら木をレールから取り外し、連結用まくら木50を連結部材42が下部に位置する向きにしてレールに取り付ける。
【0084】
連結用まくら木50,50をレールに固定すると、図25、図26に示すように、連結部材42の平面部43に固定された接続部45同士が上下に対向して当接する。
次いで、図25に示すように、接続部45同士の対向部分を覆うように、接続部45の両側から接続部材46,46を当接させる。そして、接続部材46に設けられた接続孔46aおよび接続部45の接続孔45aに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系接着剤)を流し込み、接続ピンPを打ち込んで敷設を完了する。
【0085】
(第8実施形態)
図27(a),(b)は第8実施形態に採用する連結用まくら木51を示す分解斜視図および斜視図、図28および図29は敷設手順を示す斜視図、図30は図29のA−A矢視断面図である。
本実施形態に用いる連結用まくら木51は、前記第7実施形態に用いた連結用まくら木50(図23参照)において、連結部材42の形状を変形したものである。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0086】
本実施形態に用いる連結用まくら木51の連結部材42は、平面部43の上面の幅方向中央部に、長手方向へ向けて傾斜した接続部45’を接続固定したものである。接続部45’は下側縁に対して上側縁が傾斜しており、まくら木41側が最も高さが高く、平面部43の先端部では高さがゼロである。最も高さが高い部分は、前記第6実施形態で示した連結用まくら木40(図19参照)の接続部44の高さと同一である。
また、接続部45’の長さは、まくら木41から連結部材42の平面部43が延出する長さと同一であり、まくら木41側の近傍には横方向へ向けて2個の接続孔45aが設けられている。
【0087】
本実施形態では、連結用まくら木51を2本用いて敷設を行う。
則ち、図28に示すように、既設まくら木(不図示)をレールから取り外し、連結用まくら木51を連結部材42が上部に位置する向きにしてレールに取り付ける。次いで、隣接する既設まくら木をレールから取り外し、連結用まくら木51を連結部材42が下部に位置する向きにしてレールに取り付ける。
このとき、連結部材42の接続部45’の傾斜面同士を対向させて近接させることにより、接続部45’の側縁が引っ掛かることがなく敷設が容易である。
【0088】
連結用まくら木51,51をレールに固定すると、図30に示すように、連結部材42の平面部43に固定された接続部45’の傾斜側縁同士が上下に対向して当接する。
次いで、図29に示すように、連結部材42の接続部45’同士の対向する傾斜側縁を覆うように、接続部45’の両側から接続部材46’,46’を当接させる。そして、接続部材46’に設けられた接続孔46aおよび接続部45’の接続孔45aに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系接着剤)を流し込み、接続ピンPを打ち込んで敷設を完了する。
このように、本実施形態では、連結部材42の接続部45’を傾斜させることにより、連結部材42同士の当接を容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0089】
ところで、これまでに説明した第1〜第8実施形態では、既設まくら木を1本ずつ連結用まくら木に更換し、最後に連結部材同士を連結する敷設方法であった。
このような敷設方法とは異なり、更換する既設まくら木を一旦全てレールから取り外し、この後に連結用まくら木を順次レールに取り付けて、最後に連結部材同士を連結する敷設方法を採ることもできる。以下に、このような敷設方法の実施形態を説明する。
【0090】
(第9実施形態)
図31(a),(b)は第9実施形態に採用する第1の連結用まくら木60を示す分解斜視図および斜視図、図32(a),(b)は第2の連結用まくら木63を示す分解斜視図および斜視図、図33(a),(b)は敷設手順を示す斜視図、図34は図33(b)のA−A矢視断面図である。
【0091】
連結用まくら木(第1の連結用まくら木)60は、図31(a),(b)に示すように、角柱形のまくら木61に、平板状の2個の連結部材(第1の連結部材)62を予め固定したものである。
まくら木61は合成木材で製され、幅に対して高さが僅かに低い角柱形である。
連結部材62も合成木材で製され、方形薄板形状でまくら木11と同一幅であり、長手両側縁に沿って各々4個ずつ接続孔62aが開けられている。また、連結部材62の一端の上面には、連結部材62と同一厚さの方形のスペーサ62bが接続固定されている。
連結用まくら木60は、連結部材62のスペーサ62bの上面をまくら木61の両端部下面に接続固定したものである(図31(b)参照)。連結部材62をまくら木61に固定する位置は、まくら木61にレールを固定する位置の真下である。
【0092】
尚、本実施形態では、接着剤を用いて連結部材62をまくら木61に接続固定しているが、接着剤と併用して、連結部材62とまくら木61との間に合成木材で成る接続ピンを打ち込んで接続固定しても良い。
【0093】
第2の連結用まくら木63は、図32(a),(b)に示すように、角柱形のまくら木61に、平板状の2個の第2の連結部材64を予め固定したものである。
まくら木61は、連結用まくら木60に用いるまくら木61と同一である。
また、連結部材64は合成木材で製され、方形薄板形状でまくら木61と同一幅であり、長手両側縁に沿って各々4個ずつ接続孔64aが開けられている。この接続孔64aは、連結部材62に設けられた接続孔62aと対応した位置に設けられている。
【0094】
連結用まくら木63は、連結部材64をまくら木61と交差するように配して、連結部材64の上面をまくら木61の下面に固定した形状である。則ち、連結部材64がまくら木61の両側に延出した形状である。連結部材64がまくら木61から延出する長さは、一方が隣接するまくら木61の側面に至る長さであり、他方はそれよりも短い。また、連結部材64をまくら木61に固定する位置は、まくら木61にレールを固定する位置の真下である。
【0095】
また、まくら木61から延出する連結部材64の一方の上面には、幅方向の中央部に長手方向に沿って角柱形のスペーサ65が接合固定されている。スペーサ65の高さは、まくら木61をレールに固定したときに、レールの下面と連結部材64の上面との間隔と略同一である。また、スペーサ65の長さは、連結部材64がまくら木61から延出する長さと略同一である。
【0096】
尚、本実施形態では、接着剤を用いて連結部材64をまくら木61に接続固定しているが、接着剤と併用して、連結部材64とまくら木61との間に接続ピンを打ち込んで接続固定することもできる。
【0097】
前記した連結用まくら木60,63を各々レールに固定すると、図34に示すように、連結部材62の上面に連結部材64が重なる構成とされており、連結部材62,64は連結用まくら木63のまくら木61と交差する。
【0098】
次に、図33を参照して第1および第2の連結用まくら木60,63を用いた本発明の連結まくら木の敷設方法を説明する。
▲1▼更換しようとする隣接する2本の既設まくら木(不図示)を順次レールから取り外す。
▲2▼連結用まくら木60をタイプレートT(図34参照)を介してレールRに固定する。
▲3▼連結用まくら木63を、連結部材64の下面が連結部材62の上面に重なるようにしてレールRの下部に挿入し、タイプレートTを介してレールRに固定する。このとき、連結部材64の端部を連結用まくら木60の側面と当接させることにより、連結用まくら木60に対する間隔の位置決めを容易に行うことができる。
▲4▼重ね合わさった連結部材64,62の接続孔64a,62aに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系接着剤)を流し込み、接続孔64a,62aを貫通するように接続ピンPを打ち込む(図33(b)参照)。
▲5▼タンパーなどを用いて、連結用まくら木60,63の周囲のバラストを突き固めて敷設作業を完了する。
【0099】
連結用まくら木60,63を敷設して連結すると、図34に示すように、スペーサ65がレールRの接続部分の下面に当接する。これにより、レールRの荷重が連結用まくら木60,63とスペーサ65に分散される。
また、前記したように、連結用まくら木60,63には、予め、連結部材62,64が各々固定されている。これにより、図34に示すように、連結用まくら木60,63と連結部材62,64が一体となってバラストに対する接触面積が拡大し、敷設時点で上下動に対する大きな抵抗を呈して「あおり現象」の発生を効果的に抑止することができる。
【0100】
更に、接続ピンPによって連結部材62,64同士を接続するので、敷設時点で直ちに連結部材62,64の剪断方向(横方向)の耐荷重力が発現する。これにより、レールRの伸縮などに伴う連結用まくら木60,63の移動を効果的に抑止することができる。特に、本実施形態では、連結用まくら木63の両側で連結部材62,64を接続ピンPで固定するので、曲げ及び剪断力に対する強度を一層向上させることができる。
【0101】
尚、本実施形態では、2本の既設まくら木をレールから取り除いた後に、連結用まくら木60,63を順に敷設して連結する敷設方法を採用した。しかし、既設まくら木を1本ずつ更換することも可能である。例えば、連結用まくら木60を敷設する際に、隣接する既設まくら木の下部に、連結用まくら木60の連結部材62の端部を挿入可能な隙間を設けることにより、1本ずつ敷設することも可能である。
また、本実施形態では、連結部材62,64を重ね合わせるために、連結用まくら木60のまくら木61と連結部材62との間にスペーサ62bを設けた構成を採用した(図31参照)。しかし、例えば、連結用まくら木60にスペーサ62bを設けずに、連結用まくら木63のまくら木61の下面に連結部材64を嵌入させる固定溝を設けた構成を採用することも可能である。
【0102】
ところで、これまでに説明した第1〜第9実施形態では、既設まくら木を連結用まくら木に更換し後に、連結まくら木に設けた連結部材同士を連結する敷設方法、または、連結用まくら木を更換後、連結部材同士を接続ピンで位置決めし、タイプレート部をネジ釘や犬釘で固定して連結する敷設方法であった。
このような敷設方法とは異なり、敷設現場においてまくら木に連結部材を取り付けて連結まくら木を組み立て、この連結まくら木をレールに取り付けることも可能である。以下に、この敷設方法の実施形態を説明する。
【0103】
(第10実施形態)
図35は第10実施形態に用いる連結用まくら木71を示す斜視図、図36(a),(b)は連結部材72を示す分解斜視図および斜視図、図37および図38は連結まくら木の作成手順を示す斜視図、図39は図38(b)のA−A矢視断面図である。
【0104】
本実施形態に用いる連結用まくら木71は合成木材で製され、図35に示すように、幅に対して高さが僅かに低い角柱形であり、両端部近傍の上下面には、まくら木71の幅方向へ向けて固定溝71aが設けられている。この固定溝71aは、後述する連結部材72と略同一の幅を有し、深さが連結部材72の連結板72aの厚さと略同一であり、まくら木11にレール(タイプレート)が固定される部位の真下に設けられている。
この固定溝71aの内部には、まくら木71を上下に貫通して4個の接続孔71bが開けられている。
【0105】
連結部材72は合成木材で製され、図36に示すように、長尺薄板形状の連結板72aに補強を兼ねた位置決め部材72b,72cを接合固定したものである。
連結板72aには、連結用まくら木71と接続固定するための6個の接続孔72dと、連結部材72同士を接続するための8個の接続孔72eが設けられている。この接続孔72dは、まくら木71に設けられた4個の接続孔71bのうち、対角に位置する2個の接続孔71bに対応させて設けられている。
位置決め部材72b,72cは、連結板72aよりも幅が狭く短い角柱形状であり、位置決め部材72cは位置決め部材72bよりも長い。位置決め部材72bは連結板72aの両端部の上面長手両側縁に沿って固定されている。また、位置決め部材72cは、連結板72aが連結用まくら木71の固定溝71aに嵌入する部位を除いて、連結板72aの上面長手両側縁に沿って2個ずつ固定されている。
【0106】
本実施形態の敷設方法では、まず、これらの連結用まくら木71および連結部材72を用いて敷設現場で連結まくら木を組み立てる。以下に、連結まくら木70の組み立て手順を説明する。
▲1▼図37(a)に示すように、平行に並べた2本の連結部材72の上に3本の連結用まくら木71を直交させて載置する。この場合、連結部材72の連結板72aを連結用まくら木71に設けられた固定溝71aに嵌入させて載置する。
そして、連結部材72の各々の接続孔72dを介して連結用まくら木71の接続孔71bにエポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤を流し込み、接続ピンPを打ち込む。
尚、この組み立て作業は、連結用まくら木71の上から連結部材72を被せて行っても良い。
【0107】
▲2▼図37(b)に示すように、連結部材72の位置決め部材72b同士の間に2個のスペーサ73を挿入すると共に、連結部材72の位置決め部材72c同士の間に2個のスペーサ74を挿入する。スペーサ73,74は角柱形状であり、連結板73aに設けられた接続孔72eに対応する部位に、各々上下方向に貫通孔73a,74aが開けられている。
尚、スペーサ73,74と連結板73aとの間に接着剤を塗布しても良い。
【0108】
▲3▼図38(a)に示すように、下方に配された2本の連結部材72と対向させて、別の2本の連結部材72を連結用まくら木71の上に載置する。この場合、連結部材72の連結板72aを連結用まくら木71に設けられた固定溝71aに嵌入させて載置する。
そして、連結部材72の6個の接続孔72dを介して連結用まくら木71の接続孔71bにエポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤を流し込み、接続ピンPを打ち込む。
【0109】
▲4▼下方の連結部材72の8個の接続孔72eに各々ボルトBを挿入し、上方の連結部材72の接続孔72eから突出するボルトBにナットNをネジ込んで締結する。この場合、図39に示すように、上方の連結部材72の接続孔72eを、連結板72aの厚さの略半分だけ予め拡径してナットNが陥没する構成としておけば、連結部材72の上方にナットNが突出しない。
また、ナットNを連結部材72から突出させた構造を採ることも可能である。この場合には、連結部材72の上面とレール下面との隙間と略同一の高さを有し、ナットNの突出部分に開口を設けたスペーサを、連結部材72の上面に接続固定するような構造を採ることができる。
【0110】
このようにして連結まくら木70の組み立てが完了すると、次いで、隣接する3本の既設まくら木(不図示)をレールから順次取り外す。そして、組み立てられた連結まくら木70をレールの下に挿入してレールに固定して敷設作業を完了する。
【0111】
このように、本実施形態では、連結まくら木70を敷設現場で組み立てるので、予め組み立てられた連結まくら木に比べて極めて軽量で扱い易く、搬送が容易で組み立て作業も簡単である。
また、前記したように、連結用まくら木71と連結板72aとを接続ピンで接続すると共に、上下の連結部材72同士をボルトBとナットNで締結している。通常、接続ピンによる接続は、接着剤が完全に硬化するまでは接続ピンを打ち込む方向の耐荷重力が小さい。しかし、本実施形態では、ボルトBとナットNとの締結によって、組み立て直後の上下方向の耐荷重力の低下を補償する構成としている。これにより、組み立てを完了した時点で、予め組み立てられた連結まくら木と同等の強度を確保することが可能である。
また、連結部材72と連結用まくら木71とを接続ピンPで固定しているので、上部からタイプレートやレールを固定する固定釘を打ち込むことも可能である。
また、本実施形態では、既設まくら木を先ず取り外した後に、下方の連結部材を配置し、次いでまくら木やスペーサを配してから上方の連結部材を取り付ける現場組み立て法を採用することも可能である。
尚、前記第1〜第9実施形態では、接続ピンを用いて連結部材同士を接続したが、接続ピンに代えて本実施形態に用いたボルトおよびナットを使用しても良い。
【0112】
(第11実施形態)
図40(a),(b)および図41(a),(b)は、第11実施形態に採用する連結まくら木80の組み立て手順を示す斜視図である。
本実施形態に用いる連結まくら木80は、前記第10実施形態に用いた連結まくら木70の構造を簡略化したものである。従って、同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0113】
図40(a)に示すように、連結まくら木80に用いる連結用まくら木71は、前記第11実施形態に用いた連結用まくら木71(図35参照)と同一である。
また、連結部材81は長尺薄板形状で、まくら木71に設けられた4個の接続孔71bのうち対角に位置する2個の接続孔71bに対応させて、長手両端部に接続孔81aが2個ずつ設けられている。
本実施形態の敷設方法では、まず、これらの連結用まくら木71および連結部材81を用いて敷設現場で連結まくら木を組み立てる。
【0114】
次に、連結まくら木80の組み立て手順を説明する。
▲1▼図40(a)に示すように、連結用まくら木71の下面の固定溝71aに連結部材81を嵌入させて配し、連結部材81の接続孔81aと連結用まくら木71の接続孔71bに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を流し込んで接続ピンPを打ち込む。
【0115】
▲2▼図40(b)に示すように、連結用まくら木71に固定された連結部材81の上面の幅方向中央部に、長手方向へ向けて角柱形状のスペーサ82を接合固定する。このスペーサ82は、連結用まくら木71の高さから連結部材81の2枚分の厚さを差し引いた高さを有する。
【0116】
▲3▼図40(b)に示すように、別の連結部材81を連結用まくら木71の上面の固定溝71aに嵌入させる。この場合、上方の連結部材81の接続孔81aが下方の連結部材81aの接続孔81aと対角に位置するように上下面を考慮して配する。
そして、連結部材81の接続孔81aと連結用まくら木71の接続孔71bにエポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤を流し込んで接続ピンPを打ち込む。
【0117】
▲4▼図41(a)に示すように、下方の連結部材81の下面に硬質ゴムで製された耐摩耗性部材83を貼付する。また、連結用まくら木71同士の間であって上方の連結部材81の上面に、レールの下面との隙間を充填するスペーサ84を固定する。連結まくら木80は以上の手順で組み立てを完了する(図41(b)参照)。
【0118】
連結まくら木80の組み立てが完了すると、次いで、隣接する2本の既設まくら木(不図示)をレールから順次取り外す。そして、連結まくら木80をレールの下に挿入しレールに固定して敷設作業を完了する。
このように、本実施形態では、予め組み立てられた重量の重い連結まくら木を用いるのではなく、連結まくら木80を敷設現場で組み立てる。これにより、敷設現場への部材の搬送が容易で組み立ても簡単であり作業効率が向上する。
【0119】
ここで、本実施形態に用いた連結まくら木80は、連結用まくら木71の上下面に連結部材81を嵌入させる固定溝71aを設けた構成であった。
しかし、図42(a),(b)に示すように、連結用まくら木71の上面のみに固定溝71aを設けた連結用まくら木71’を用いても良い。
この連結まくら木80’では、連結用まくら木71’の下面に直接連結部材81を接続固定するもので、下方の連結部材81は連結用まくら木71’の下面から突出した形状である。
尚、図42(a),(b)に示した連結まくら木80’の他の構成、および、敷設方法は、前記連結まくら木80(図40、図41参照)と同一である。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0120】
(第12実施形態)
図43(a),(b)は、第12実施形態の連結まくら木80”の組み立て手順を示す斜視図である。
本実施形態に用いる連結まくら木80”は、前記第11実施形態に用いた連結まくら木80(図40、図41参照)において、スペーサ82の構造を変形したものであり、他の構成は同一である。従って、同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0121】
図43(a)に示すように、連結まくら木80”に用いるスペーサ82’は、対向して配した長尺薄板形状の主梁材82aの間に、3つの小梁材82bを配し、小梁材82bの端部を主梁材82aの対向する内面に接合した形状である。
本実施形態では、スペーサ82’の長さが、連結用まくら木71の対向する側面間の長さと同一で、幅が連結部材81の幅と同一であり、前記した梁構造を採用して軽量で強度を向上させている。
本実施形態の連結まくら木80”を用いることにより、レールの荷重を連結用まくら木71のみならず、連結部材81に分散させることができ、荷重がまくら木71に集中して「あおり現象」が生じることを効果的に防止可能である。
【0122】
尚、前記第11実施形態で示した連結用まくら木80’(図42参照)において、角柱形状のスペーサ82に代えて本実施形態の連結まくら木80”に採用したスペーサ82’を採用することも可能である。
【0123】
(第13実施形態)
図44(a),(b)は第13実施形態に採用する連結用まくら木90を示す分解斜視図および斜視図、図45は連結用まくら木90同士を連結する際に用いる連結ボルト95を示す斜視図、図46(a)〜(c)は連結用まくら木90同士を連結する手順を示す斜視図である。
【0124】
連結用まくら木90は、図44(a),(b)に示すように、角柱形のまくら木91に、連結部材92を予め固定したものである。
まくら木91は合成木材で製され、幅に対して高さが僅かに低い角柱形であり、一方の長手端部近傍には固定孔91aが設けられ、他方の長手端部近傍には嵌合凹部91bが設けられている。
【0125】
固定孔91aは、後述する連結部材92の連結板93と略同一幅であり、高さが連結板93の厚さと略同一である。この固定孔91aは、まくら木91にレールが固定される部位の真下に、まくら木91の幅方向へ貫通して設けられている。
また、嵌合凹部91bはまくら木91の幅方向へ方形状に陥没させた形状であり、後述する連結部材92のスペーサ94の嵌合突起を嵌入させるものである。
また、まくら木91の両端部には、まくら木91の幅方向へ向けて貫通孔91c,91cが設けられている。この貫通孔91cは後述する連結ボルト95を挿通させるためのものである。
【0126】
連結部材92は、合成木材で製された連結板93とスペーサ94とを接合したものである。
連結板93は、方形薄板状であり、本実施形態ではまくら木91よりも僅かに狭い幅としている。スペーサ94は角柱形状であり、連結板93の幅方向の中央に長手方向へ沿って接合されている。スペーサ94は、一端が連結板93から退入しており、他端が連結板93から突出して嵌合突起94aを形成している。
連結用まくら木90は、固定孔91aに接着剤を流し込み、連結板93の突出部分をまくら木91の固定孔91aに嵌入させて接続固定している。
スペーサ94の高さは、連結用まくら木90をレールに固定したときに、連結板93の上面とレール下面との隙間の高さと略同一としている。但し、嵌合突起94aの部位は、まくら木91の上面と一致する高さとしている。
【0127】
尚、本実施形態では、接着剤を用いて連結部材92の連結板93をまくら木91に接続固定しているが、接続ピンを用いた接続構造を併用しても良い。
この連結用まくら木90は工場で予め製される。
【0128】
一方、連結ボルト95は、図45に示すように、長尺丸棒材の両端部にネジ溝を刻んだもので、全長は、所定間隔で敷設されたまくら木91を橋渡す長さよりも僅かに長い。また、長手中央部より一方の端部に寄った部位には方形板状の座金96が溶接固定されている。座金96に近い端部と座金96との間隔は、まくら木91の幅よりも僅かに長い。
この連結ボルト95はワッシャ97およびナットNを用いて連結用まくら木90のまくら木91に橋渡すように固定される。
本実施形態では、2本の連結用まくら木90と2本の連結ボルト95を用いて連結まくら木を形成する。
【0129】
次に、連結用まくら木90の敷設手順を図46を参照して説明する。
▲1▼図46(a)に示すように、連結用まくら木90の連結部材92が固定された側の貫通孔91cに連結ボルト95を挿入し、ワッシャ97および2個のナットNを用いて仮締めする。この場合、連結ボルト95は座金96が固定された側の端部から貫通孔91cに挿入する。
また、連結ボルト95の他端には、予め2個のナットNとワッシャ97を挿入する。
この連結ボルト95を仮締めした連結用まくら木90を2本準備する。
【0130】
▲2▼更換する2本の既設まくら木(不図示)をレールから取り外す。そして、連結ボルト95を仮締めした連結用まくら木90をレールの下に挿入する。この場合、まくら木91を嵌合凹部91bが設けられた側からレールの下に挿入する。これにより、まくら木91の挿入に際して除去するバラストを最小限に抑えることができ、作業時間を短縮することが可能である。
次いで、連結用まくら木90をタイプレート(不図示)を介してレールに固定し、タンパーを用いて連結用まくら木90の周囲のバラストを突き固める。
【0131】
▲3▼他方の連結用まくら木90を、連結部材92が既にレールに固定した連結用まくら木90側へ向くようにしてレールの下に挿入する。この場合も、まくら木91を嵌合凹部91bが設けられた側からレールの下に挿入することにより、作業時間を短縮することができる。
▲4▼2本のまくら木91の嵌合凹部91bに接着剤を塗布する。そして、連結ボルト95の一端を、互いに対向するまくら木91の貫通孔91cに嵌入させ、連結用まくら木90を既にレールに固定した連結用まくら木90に近接させて、スペーサ94の嵌合突起94aを対向するまくら木91の嵌合凹部91bに嵌合させる。
【0132】
▲5▼まくら木90の貫通孔91cから突出する連結ボルト95に、ワッシャ97を挿通して2個のナットをねじ込む。そして、連結ボルト95の両端部のナットNを本締めする。本実施形態では、締結用ナットNに更にロック用ナットNを締結してナットNの緩みを防止している。
▲6▼連結用まくら木90をタイプレート(不図示)を介してレールに固定し、最後に、タンパーを用いて連結用まくら木90,90の周囲のバラストを突き固める。
【0133】
このように、本実施形態によれば、既設まくら木を取り除いたスペースを利用して連結用まくら木90を容易に挿入することができ、作業時間を短縮することができる。これにより、列車の通過間隔の短い昼間の更換作業を行うことも可能である。
また、連結用まくら木90を敷設すると、連結部材92のスペーサ94がレールの下面に当接する。これにより、レールの荷重がまくら木91のみならず、スペーサ94を介して連結板93に分散され、局部的な圧密化が抑制される。
【0134】
また、前記したように、まくら木91には、予め、連結部材92が強固に固定されている。これにより、まくら木91と連結部材92が一体となってバラストに対する接触面積が拡大し、敷設時点で上下動に対する大きな抵抗を呈して「あおり現象」の発生を効果的に抑えることが可能となる。
更に、連結部材92および連結ボルト95によってまくら木91同士を接続するので、敷設時点で直ちに連結部材92の曲げ及び剪断方向(横方向)の耐荷重力を発揮することができ、レールの伸縮などに伴う連結用まくら木90の移動を効果的に抑止することができる。
【0135】
(第14実施形態)
図47は、第14実施形態の敷設方法を示す斜視図である。
本実施形態は、前記第13実施形態の構成を一部変形したものである。則ち、第13実施形態(図46参照)に示した敷設方法と比べて、連結ボルト95に代えて連結金具98を用いている点と、これに伴って、まくら木91の形状が一部変更されている点が異なる。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0136】
連結金具98は、図47(b)に示すように、長尺平板鋼材の両端部を折曲した形状である。折曲部分間の外寸はまくら木91同士の内寸と略同一であり、折曲部分には上下に2個ずつ開口98aを設けている。また、長手両端部の折曲部分と平板部分との間には、補強リブ98bが設けられている。
一方、連結用まくら木90’は図46に示した連結用まくら木90と略同一形状であるが、まくら木91の両端部に上下に2個ずつ貫通孔91cが設けられている。
【0137】
連結用まくら木90’は、次の手順で敷設される。
▲1▼更換する2本の既設まくら木(不図示)をレールから取り外す。そして、図47(a)に示すように、一方の連結用まくら木90’をレールの下に挿入する。この場合、まくら木91を嵌合凹部91bが設けられた側からレールの下に挿入することにより、バラストの除去を最小限に抑えて作業時間を短縮することができる。
連結用まくら木90をタイプレート(不図示)を介してレールに固定し、タンパーを用いて連結用まくら木90の周囲のバラストを突き固める。
【0138】
▲2▼図47(a)に示すように、他方の連結用まくら木90を、連結部材92を既にレールに固定した連結用まくら木90側へ向けてレールの下に挿入する。この場合も、まくら木91を嵌合凹部91bが設けられた側からレールの下に挿入することにより、容易に挿入することができる。
▲3▼2本のまくら木91の嵌合凹部91bに接着剤を塗布する。そして、連結用まくら木90を既にレールに固定した連結用まくら木90に近接させて、スペーサ94の嵌合突起94aを対向するまくら木91の嵌合凹部91bに嵌合させる(図47(b)参照)。
【0139】
▲4▼図47(b)に示すように、2本のまくら木91の両端部間に、連結金具98の開口98aとまくら木91の開口91cを合わせるように、連結金具98を補強リブ98bが内方へ向くように挿入する。
また、まくら木91の貫通孔91cの設けられた外面に座金99を当接させる。
そして、図47(c)に示すように、連結金具98の開口98aから貫通孔91cおよび座金99の開口99aを挿通するようにボルトBを挿入し、ボルトの突出端部に2個のナットNを締結する。
【0140】
▲5▼連結用まくら木90’をタイプレート(不図示)を介してレールに固定し、最後に、タンパーを用いて連結用まくら木90’,90’の周囲のバラストを突き固める。
なお、連結金具98の断面形状は、図47に示す平鋼の他、L形、溝形等、種々の形状のものが利用できる。
【0141】
このように、本実施形態では、連結用まくら木90’をレールの下に挿入する際に、既設まくら木を取り除いたスペースを利用して効率良く挿入することができる。また、連結用まくら木90’をレールの下に挿入した後に連結金具98を取り付けることができ、作業効率を大幅に向上させることが可能である。
【0142】
(第15実施形態)
図48は、第15実施形態の敷設方法を示す斜視図である。
本実施形態は、前記第13実施形態(図46参照)の変形例である。則ち、第13実施形態の敷設方法は2本の連結用まくら木90を敷設するものであった。
これに対して、本実施形態では3本の連結用まくら木を敷設するものであり、これに伴って形状が一部変更されている。従って、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0143】
本実施形態では、連結用まくら木100,102,103を用いる。
連結用まくら木100は、前記第13実施形態で採用した連結用まくら木90(図46参照)を、まくら木の長手方向に対して左右対称形状に変更したものである。
則ち、連結部材92をまくら木101の左右に突出させると共に、まくら木101の左右に嵌合凹部101bを設けている。また、まくら木101の長手両端部に、上下に並べて2個の貫通孔101cを設けている。
【0144】
一方、連結用まくら木102は前記連結用まくら木90において、まくら木90の長手両端部の貫通孔91cを上方へ移動させた構造である。
また、連結用まくら木103は、まくら木91の長手方向に対して連結用まくら木102と対称形状であり、まくら木91の長手両端部の貫通孔91cを下方へ移動させた構造である。
【0145】
本実施形態における敷設方法も、前記第13実施形態で示したものと同様である。則ち、連結用まくら木100および連結用まくら木102,103に、予め連結ボルト95を仮締めする。この場合、連結用まくら木100には、2本の連結ボルト95を左右へ突出するように仮締めする。
そして、3本の既設まくら木をレールから取り外し、連結用まくら木100,102,103を順次レールの下に挿入して、前記第13実施形態と同様の敷設手順で敷設を行う。
【0146】
尚、本実施形態では、連結用まくら木100,102,103を用いて3本の連結まくら木を構成例を示した。しかし、例えば、2本以上の連結用まくら木100を交互に逆方向へ配し、両外側に連結用まくら木102,103を配して4本以上の連結まくら木を形成することも可能である。
また、連結ボルト95を用いる代わりに、前記第14実施形態で示した連結金具98を採用した構成とすることも可能である。
【0147】
ところで、これまでに説明した実施形態では、まくら木同士の間を連結する連結部材の構造あるいは固定位置に特徴を持たせることにより、敷設に際するバラストの除去を最小限に抑えて作業時間を短縮すると共に、充分な強度を発揮させるものであった。
このような構成とは異なり、連結用まくら木のまくら木自体を分離しておき、敷設工程において一体化しつつ連結まくら木を敷設することも可能である。
以下に、このようなまくら木を分離した構成の実施形態を説明する。
【0148】
(第16実施形態)
図49(a)〜(c)は第16実施形態に採用する第1の連結用まくら木110の敷設手順を示す斜視図、図50は、第2の連結用まくら木120の敷設手順を示す斜視図である。
本実施形態に採用する連結用まくら木110,120は、前記第1実施形態に採用した連結用まくら木10,13(図1,図2参照)において、まくら木を長手方向の略中央部で分離させた形状である。従って、同一部分には同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0149】
図49(a),(b)に示すように、連結用まくら木110は、まくら木111を長手方向の中央部で分離した形状である。則ち、分離されたまくら木111aおよびまくら木111bには、各々連結部材12が固定されており、分離した部分に継ぎ手部112,113が形成されている。そして、継ぎ手部112,113を接続することにより一体化された連結用まくら木110を形成する。
【0150】
まくら木111aの継ぎ手部112は、長手方向へ向けて下降傾斜した傾斜面を有する形状である。則ち、まくら木111aの上面から所定深さだけ切り欠いて形成した段部112bと、段部112bよりもまくら木111aの長手方向へ退入した位置にまくら木111aの下面から所定深さだけ切り欠いて形成した段部112cと、これらの段部112b,112cを繋ぐ下降した傾斜面112aとを備えている。
【0151】
一方、まくら木111bの継ぎ手部113は、まくら木111bの下面から所定深さだけ切り欠いて形成した段部113cと、段部113cよりもまくら木111bの長手方向へ退入した位置にまくら木111bの上面から所定深さだけ切り欠いて形成した段部113bと、これらの段部113b,113cを繋ぐ上昇した傾斜面113aとを備えている。
【0152】
これらの継ぎ手部112,113を当接させると、傾斜面112aと傾斜面113aが面当接する。また、まくら木111a,111bの上面には、方形状の切り欠きが段部112b,113bによって形成され、下面には、方形状の切り欠きが段部112c,113cによって形成される。
また、段部112c,113bには、接続ピンPを打ち込む接続孔112d,113dが上下方向に設けられ、段部112b,113cおよび傾斜面112a,113aには、接続ピンPを打ち込む貫通孔112dが上下方向に設けられている。
また、継ぎ手部112,113におけるまくら木111a,111bの側面には、接続ピンPを打ち込む接続孔112e,113eが設けられている。
【0153】
一方、図50(a)に示すように、連結用まくら木120は、まくら木121を長手方向の中央部で分離した形状である。則ち、分離されたまくら木121aおよびまくら木121bには、連結部材15およびスペーサ16が各々固定されており、分離された部分に継ぎ手部112,113が形成されている。そして、継ぎ手部112,113を接続することにより一体化された連結用まくら木120を形成する。
この継ぎ手部112,113は、連結用まくら木110の継ぎ手部112,113と同一形状であるので、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0154】
連結用まくら木110は、次の手順で組み立てを行う。
▲1▼図49(a)に示すように、まくら木111aの継ぎ手部112の下方の段部112cに補強板114を当接させる。そして、開口114aから接続孔112dに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を注入し、2本の接続ピンPを打ち込む。
▲2▼1本の既設まくら木(不図示)をレールから取り外し、図49(b)に示すように、まくら木111bを継ぎ手部113側からレールの下に挿入する。そして、継ぎ手部113の段部113b,113cおよび傾斜面113aに接着剤を塗布する。
【0155】
▲3▼図49(b)に示すように、補強板114を取り付けたまくら木111aを継ぎ手部112側からレールの下に挿入し、継ぎ手部112,113を当接させる。
▲4▼図49(c)に示すように、継ぎ手部112,113の段部112b,113bで形成される切り欠きに補強板114aを当接させる。そして、開口114aから接続孔接続孔113dおよび貫通孔113dに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を注入し、接続ピンPを打ち込む。
同様に、まくら木111aの貫通孔112dに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を注入し、接続ピンPを打ち込む。
【0156】
▲5▼継ぎ手部112,113を挟むように、まくら木111a,111bの両側から補強板115,115を当接させる。そして、開口115aから接続孔112eおよび接続孔113eに接着剤(エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤)を注入し、接続ピンPを打ち込む。
▲6▼一体化された連結用まくら木110(まくら木111)をタイプレートを介してレールに固定し、連結用まくら木110の周囲のバラストをタンパーで突き固める。
【0157】
▲7▼次いで、図50(a)に示すように、まくら木121aの継ぎ手部112の下方の段部112cに補強板114を当接させ、開口114aから接続孔112dに接着剤を注入し、接続ピンPを打ち込む。尚、この作業は、前記したまくら木111aに補強板114を接続する作業と併せて行うのが良い。
▲8▼以降は、連結用まくら木110の場合と同様の手順で、既設まくら木をレールから取り外し、まくら木121bおよびまくら木121aを順次レールの下に挿入する。そして、継ぎ手部112,113を補強板114,115を用いて接続する。
次いで、前記第1実施形態(図3参照)と同様にして、連結部材15の開口15aから連結部材12の開口へ接着剤を注入し、接続ピンPを打ち込む。
▲9▼一体化された連結用まくら木120(まくら木121)をタイプレートを介してレールに固定し、連結用まくら木120の周囲のバラストをタンパーで突き固める。
【0158】
これにより、図50(b)に示すように、連結用まくら木110,120を用いた連結まくら木の敷設が完了する。
尚、本実施例において、まくら木の継ぎ手部112,113に取り付ける補強板114,115は、予めそれぞれの継ぎ手部112,113に接着接合しておくと現場施工が容易となる。例えば、継ぎ手部112には、下側の補強板114及び両側の補強板115を取付け、また、継ぎ手部113には、上側の補強板114を取付けておく。この構造にすることにより、継ぎ手部の現場接合時には、最小数の接続ピンPの使用で簡単施工ができる。
【0159】
本実施形態によれば、まくら木が分離されているので、最小限のバラストを取り除くだけで、既設まくら木を取り除いたスペースにまくら木を極めて容易に挿入することができ、作業時間を著しく短縮することが可能である。
また、連結用まくら木110,120を分解した状態で敷設現場に搬送することができ、搬送作業、敷設作業を効率良く行うことができる。
【0160】
また、本実施形態では、継ぎ手部112,113に傾斜面112a,113aを形成して接合している。これにより、継ぎ手部112,113におけるまくら木111の長手方向の断面二次モーメントの低下を抑え、充分な曲げ剛性(EI)を確保している。
同時に、継ぎ手部112,113を接続ピンPを用いて接続することにより、敷設直後から曲げ及び剪断方向の耐荷重力を発揮することができる。
尚、本実施形態の敷設方法では、まくら木111,121を敷設しつつ継ぎ手部112,113を接続固定する方法を採用した。しかし、予め、継ぎ手部112,113を接続した連結用まくら木110,120を準備してから敷設することも可能である。
【0161】
ここで、本実施形態では、連結用まくら木110,120におけるまくら木111,121の上下面に形成される段部に補強板114を嵌入させてまくら木111,121の上下面が面一となる構成を採用した。
しかし、まくら木111,121の上下面から突出するように補強板を固定する構成とすることもできる。以下に、このような構成を採用した第16実施形態の変形例を説明する。
【0162】
(第16実施形態の変形例)
図51(a)〜(c)は、まくら木111,121の下面側の補強板を、まくら木111,121の下面に突出させるとともに、まくら木111,121の両側から補強板115,115を側面に突出させて、接合する例を示したものである。
この変形例では、前記実施形態においてまくら木111a,111bの下面に設けていた段部112c,113cを取り除き、代わりに、図51(a),(b)に示すように、傾斜面112a,113aの勾配を増加させている。
尚、他の構造は、図49(a)、図50(a)に示したものと同一であるので、同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0163】
敷設を行うには、図51(a)に示すように、まず、継ぎ手部分を覆うようにまくら木111aの下面に補強板116を当接し、補強板116の開口116aから接続孔112dに接着剤を注入して、2本の接続ピンPを打ち込む。
以降は、前記実施形態と同様に上方の補強板114を接続ピンPによって接続し、継ぎ手部112,113を覆うように補強板115をまくら木111a,111bの側面に接続固定する。
【0164】
この構成によれば、継ぎ手部によって接続されたまくら木111の下面に補強板116が厚さ分だけ突出する。これにより、まくら木111の長手方向のバラストに対する抗力(道床横抵抗力)が増大し、まくら木11の横滑りを抑える効果を奏する。
【0165】
なお、図51の例において、まくら木の継ぎ手部112,113に取り付ける補強板114,115,116は、予めそれぞれの継ぎ手部112,113に接着接合しておくと現場施工が容易となる。例えば、継ぎ手部112には、補強板116及び両側の補強板115を取り付け、また、継ぎ手部113には、補強板114を取り付けておく。この構造にすることにより、継ぎ手部112,113の現場接合時には、最小数の接続ピンPの使用で簡単施工が行える。
【0166】
ここで、前記第16実施形態および変形例では、継ぎ手部においてまくら木の上下面、及び、左右面から接続ピンを打ち込んでまくら木を接続する構成であった。
ところで、上下面からの接続ピンの代わりにボルトおよびナットを用いて継ぎ手部を接続しても良い。以下に、継ぎ手部の接続をボルトおよびナットで行う構成例を説明する。
【0167】
(第17実施形態)
図52(a)は、本実施形態のまくら木111a,111bを継ぎ手部112,113で接続した状態を示す平面図、図52(b)は(a)のA−A矢視断面図、図52(c)は(a)のC−C矢視断面図である。
本実施形態は、前記実施形態において、まくら木111a,111bの上下面から接続ピンPを打ち込む代わりに、ボルトBおよびナットNを用いて接続固定するものである。従って、前記図49、図50に示したものと同一構成部分には同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0168】
本実施形態では、前記図49(a)に示した継ぎ手部112,113に設けていた接続孔および貫通孔112d,113dを、各々貫通孔112d,113dに変更している。また、まくら木111の上面に固定される補強板114は、開口114aの周囲が厚さ方向へ大径および小径に段部を設けて円形に切り欠かれ、この切り欠き部分に上座金117を挿入している。同様に、まくら木111aの上面の貫通孔112dの周囲も下方へ大径および小径に段部を設けて円形に切り欠かれ、この切り欠き部分に上座金117を挿入している。
上座金117は、深さの浅い有底筒で開口部がフランジ状に折曲され、底部中央にはボルトBを挿通する開口が設けられている。
また、まくら木111a,111bの下面には下座金118が配される。下座金118は、まくら木の幅と略同一の長さの溝型鋼材で製され、長手方向の中央部にボルトBを挿通する2つの開口を設け、開口の下部には予めナットNを溶接固定している。
【0169】
このような継ぎ手部112,113を有する連結用まくら木の敷設手順を以下に説明する。
▲1▼まくら木111bの継ぎ手部113に接着剤を塗布する。そして、まくら木111bを継ぎ手部113側からレールの下に挿入する。次いで、まくら木111aを同様に継ぎ手部112側からレールの下に挿入する。そして、継ぎ手部112,113を当接させる。
▲2▼段部112b,113bで形成される上部の切り欠きに補強板114を嵌入する。また、段部112c,113cで形成される下部の切り欠きに補強板114を嵌入する。
【0170】
▲3▼貫通孔112d,113dの下方とバラストとの間、および、下面に嵌入した補強板114の開口114aの下方とバラストとの間に、下座金118を溝部分が下方になるようにして挿入する。
▲4▼各々の上座金117の開口からボルトBを挿入して下座金118に固定されたナットNに締結する。
以降の補強板115の固定については、前記第16実施形態(図49参照)と同一であるので省略する。
【0171】
なお、図52の例において、まくら木の継ぎ手部112,113に取り付ける補強板114,115は、予めそれぞれの継ぎ手部112,113に接着接合しておくと現場施工が容易となる。例えば、継ぎ手部112には、下側の補強板114、及び、両側の補強板115を取り付け、また、継ぎ手部113には、上側の補強板114を取付けておく。更に、下面の下座金118も所定位置に木ねじで取付けておく。この構造とすることにより、継ぎ手部112,113の現場接合時には、締結用のボルトBの8本を締結するだけで簡単施工が行える。
【0172】
このように、本実施形態においても、分離した各々のまくら木111a,111bをレールの下に挿入した後に継ぎ手部112,113を接続固定することができ、まくら木の挿入が容易で作業効率が向上する。
【0173】
図53は、本実施形態の継ぎ手部の接続構造の変形例を示したものである。則ち、図53(a)は、本実施形態に示した継ぎ手部の接続構造において、ボルトBおよびナットNによる接続部位を削減した構造例を示す平面図、図53(b)は(a)のA−A矢視断面図、図53(c)は(a)のC−C矢視断面図である。
この変形例では、傾斜面112a,113aの接合面を貫通する部位の接続にはボルトBおよびナットNを採用し、これによって、まくら木の長手方向の曲げ剛性(EI)を維持しつつ、他の部位の接続には接続ピンPを用いている。
本実施形態では、予め、継ぎ手部112には、下方の補強板114、及び、両側の補強板115を接続ピンPを用いて接続しておく。また、継ぎ手部113には、上方の補強板114を接続ピンPにより接続しておく。更に、下面の下座金118も所定位置に木ねじで取り付けておく。この構造にすることにより、まくら木111a,111bを順次レールの下に挿入した後に、上方からボルトBを4本締め込み、側面には接続ピンPを打ち込むことで、継ぎ手部112,113の接続を行うことが可能である。
【0174】
尚、本実施形態のボルトBおよびナットNを用いた継ぎ手部の接続構造は、前記第16又は17実施形態の変形例に採用することも可能である。
また、補強板115の接続にボルトBおよびナットNを用いることも可能である。
【0175】
以上説明した第1〜第17の実施形態では、2本または3本のまくら木を連結する場合を例示した。しかし、本発明の敷設方法は、4本以上のまくら木を連結する場合についても適用することが可能である。
また、連結部材、接続部材あるいは補強部材の配置レイアウトは、前記実施形態に限定されるものではない。
更に、前記実施形態に用いる各部材は、連結ボルトやボルトおよびナットを除いて合成木材を用いて製するのが好ましいが、通常の木材、FRPあるいは鋼材を用いて製することも可能である。
【0176】
上記した第1〜第17実施形態並びにその変形例はすべて本発明に包含されるものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、適宜設計変更することが可能である。
【0177】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、敷設現場への部材の搬送が容易な上に敷設作業も容易で、しかも、敷設後直ちに充分な強度の得られる連結まくら木の敷設方法を提供できる。
請求項2に記載の本発明によれば、敷設現場で連結まくら木を組み立てて敷設することができ、敷設現場への部材の搬送が容易な上に敷設作業効率も向上する。
請求項3、請求項6および請求項7に記載の本発明によれば、敷設作業中においてレールにまくら木が取り付けられていない期間を短縮することができ、列車の通過する合間に敷設作業を進めることができる。また、敷設現場への部材の搬送が容易な上に敷設作業も容易で、しかも、敷設後直ちに充分な強度の得られる連結まくら木の敷設方法を提供できる。
請求項4、請求項8および請求項9に記載の本発明によれば、敷設現場への部材の搬送が容易な上に敷設作業効率が向上する。また、敷設後直ちに充分な強度の得られる連結まくら木の敷設方法を提供できる。
請求項5に記載の本発明によれば、敷設現場で連結まくら木を組み立てて敷設することができ、敷設現場への部材の搬送が容易な上に更換する作業効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態に採用する第1の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第1の連結用まくら木の斜視図である。
【図2】(a)は、図1に示す第1の連結用まくら木と組み合わせて採用する第2の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第2の連結用まくら木の斜視図である。
【図3】(a)〜(c)は図1、図2に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図4】図3(c)のA−A矢視断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、図3で示す手順で敷設された連結用まくら木の敷設状態を示す平面図、正面図および側面図である。
【図6】本発明の別の実施形態に採用する第1の連結用まくら木の斜視図である。
【図7】(a)は、図6に示す第1の連結用まくら木と組み合わせて採用する第2の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第2の連結用まくら木の斜視図である。
【図8】図6、図7に示す連結用まくら木を敷設した状態を図3(c)に対応させた場合のA−A矢視断面図である。
【図9】(a)は本発明の別の実施形態に採用する第1の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第1の連結用まくら木の斜視図である。
【図10】(a),(b)は図9に示す連結用まくら木を用いた敷設手順を示す斜視図である。
【図11】図10(b)のA−A矢視断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、図10で示す手順で敷設された連結用まくら木の敷設状態を示す平面図、正面図および側面図である。
【図13】(a),(b)は本発明の別の実施形態の連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図14】図13(b)のA−A矢視断面図である。
【図15】(a)は本発明の別の実施形態に採用する連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた連結用まくら木の斜視図である。
【図16】図15に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図17】図15に示す連結用まくら木の敷設完了状態を示す斜視図である。
【図18】図17のA−A矢視断面図である。
【図19】(a)は本発明の別の実施形態に採用する第1の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第1の連結用まくら木の斜視図である。
【図20】(a)は、図19に示す第1の連結用まくら木と組み合わせて採用する第2の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第2の連結用まくら木の斜視図である。
【図21】(a),(b)は図19、図20に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図22】図21(b)のA−A矢視断面図である。
【図23】(a)は本発明の別の実施形態に採用する連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた連結用まくら木の斜視図である。
【図24】図23に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図25】図23に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図26】図25のA−A矢視断面図である。
【図27】(a)は本発明の別の実施形態に採用する連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた連結用まくら木の斜視図である。
【図28】図27に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図29】図27に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図30】図29のA−A矢視断面図である。
【図31】(a)は本発明の別の実施形態に採用する第1の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第1の連結用まくら木の斜視図である。
【図32】(a)は図31に示す第1の連結用まくら木と組み合わせて採用する第2の連結用まくら木の分解斜視図、(b)は組み立てられた第2の連結用まくら木の斜視図である。
【図33】(a),(b)は図31、図32に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図34】図33(b)のA−A矢視断面図である。
【図35】本発明の別の実施形態に採用する連結用まくら木の斜視図である。
【図36】(a)は図35に示す連結用まくら木と組み合わせて採用する連結部材の分解斜視図、(b)は組み立てられた連結部材の斜視図である。
【図37】(a),(b)は図35に示す連結用まくら木と図36に示す連結部材との組み立て手順を示す斜視図である。
【図38】(a),(b)は図35に示す連結用まくら木と図36に示す連結部材との組み立て手順を示す斜視図である。
【図39】図38(b)のA−A矢視断面図である。
【図40】(a),(b)は本発明の別の実施形態に採用する連結まくら木の組み立て手順を示す斜視図である。
【図41】図40に示す連結まくら木の組み立て手順を示す斜視図である。
【図42】(a),(b)は本発明の別の実施形態に採用する連結まくら木の組み立て手順を示す斜視図である。
【図43】(a),(b)は本発明の更に別の実施形態に採用する連結まくら木の組み立て手順を示す斜視図である。
【図44】(a),(b)は本発明の別の実施形態に採用する連結用まくら木の分解斜視図および斜視図である。
【図45】図44に示す連結用まくら木に用いる連結ボルトを示す斜視図である。
【図46】(a)〜(c)は、図44に示す連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図47】(a)〜(c)は、本発明の別の実施形態に採用する連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図48】(a)〜(c)は、本発明の更に別の実施形態に採用する連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図49】(a)〜(c)は、本発明の別の実施形態に採用する第1の連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図である。
【図50】(a)は図49に示す第1の連結用まくら木と組み合わせる第2の連結用まくら木の敷設手順を示す斜視図、(b)は図49に示す第1の連結用まくら木と組み合わせて敷設した連結まくら木を示す斜視図である。
【図51】(a)〜(c)は図49および図50に示す連結用まくら木の継ぎ手部を変形した例の敷設手順を示す斜視図である。
【図52】(a)は、図49および図50に示す連結用まくら木の継ぎ手部の接続構造を変形した例を示す平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は(a)のC−C矢視断面図である。
【図53】(a)は、図49および図50に示す連結用まくら木の継ぎ手部の接続構造を変形した別の例を示す平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は(a)のC−C矢視断面図である。
【符号の説明】
10,10’,20,40,60,110 第1の連結用まくら木
12,12’,42,62 第1の連結部材
13,13’,13”,40’,63,120 第2の連結用まくら木
15,42,64 第2の連結部材
30,50,51,90,90’,100,102,103 連結用まくら木
32,42,92 連結部材
71 まくら木
72,81 連結部材

Claims (9)

  1. 互いに連結された2本以上のまくら木の敷設方法であって、各まくら木に予め連結部材を各々固定しておき、前記まくら木をレールの下に敷設した後に、各まくら木の連結部材同士または連結部材と当該連結部材に当接するまくら木とを接続することによりまくら木同士を連結するものであり、連結部材の上面にはスペーサが固定されており、スペーサがレールの下面に当接していることを特徴とする連結まくら木の敷設方法。
  2. 互いに連結された2本以上のまくら木の敷設方法であって、敷設現場において各まくら木の間に連結部材を橋渡して接続固定し、この後に、連結されたまくら木をレールの下に敷設するものであり、連結部材の上面にはスペーサが固定されており、スペーサがレールの下面に当接していることを特徴とする連結まくら木の敷設方法。
  3. 隣接する2本以上の既設まくら木を互いに連結された2本以上の新設まくら木に更換する連結まくら木の敷設方法であって、各新設まくら木に予め連結部材を各々固定しておき、既設まくら木の一つをレールから取り外した後に新設まくら木をレールの下に敷設する工程を更換する既設まくら木について繰り返して行い、その際に、敷設された各新設まくら木の連結部材同士または連結部材と当該連結部材に当接する新設まくら木とを接続することにより新設まくら木同士を連結するものであり、連結部材の上面にはスペーサが固定されており、スペーサがレールの下面に当接していることを特徴とする連結まくら木の敷設方法。
  4. 隣接する2本以上の既設まくら木を互いに連結された2本以上の新設まくら木に更換する連結まくら木の敷設方法であって、各新設まくら木に予め連結部材を各々固定しておき、更換する全ての既設まくら木を順次レールから取り外した後に新設まくら木を順次レールの下に敷設し、この後に、敷設された各新設まくら木の連結部材同士または連結部材と当該連結部材に当接する新設まくら木とを接続することにより新設まくら木同士を連結するものであり、連結部材の上面にはスペーサが固定されており、スペーサがレールの下面に当接していることを特徴とする連結まくら木の敷設方法。
  5. 隣接する2本以上の既設まくら木を互いに連結された2本以上の新設まくら木に更換する連結まくら木の敷設方法であって、敷設現場において各新設まくら木の間に連結部材を橋渡して固定し、次いで、更換する全ての既設まくら木を順次レールから取り外し、この後に、連結された新設まくら木をレールの下に敷設するものであり、連結部材の上面にはスペーサが固定されており、スペーサがレールの下面に当接していることを特徴とする連結まくら木の敷設方法。
  6. 第1の連結部材を予めまくら木に固定した第1の連結用まくら木と第2の連結部材を予めまくら木に固定した第2の連結用まくら木とを用いた連結まくら木の敷設方法であって、
    既設まくら木をレールから取り外して前記第1の連結用まくら木をレールに取り付け、次いで、前記第1の連結用まくら木に隣接する既設まくら木をレールから取り外して前記第2の連結用まくら木をレールに取り付け、この後に、敷設された連結用まくら木の第1の連結部材と第2の連結部材とを接続固定するものであり、連結部材の上面にはスペーサが固定されており、スペーサがレールの下面に当接していることを特徴とする連結まくら木の敷設方法。
  7. 前記連結部材がまくら木から延出する長さは、敷設されるまくら木同士の対向する側面の間隔以下であり、前記第1および第2の連結用まくら木をレールに取り付けるときは、連結部材が既設まくら木または連結用まくら木に交差しないことを特徴とする請求項6に記載の連結まくら木の敷設方法。
  8. 第1の連結部材を予めまくら木に固定した第1の連結用まくら木と第2の連結部材を予めまくら木に固定した第2の連結用まくら木とを用いた連結まくら木の敷設方法であって、
    隣接する2本の既設まくら木を順次レールから取り外し、前記第1の連結用まくら木をレールに取り付けてから前記第2の連結用まくら木をレールに取り付け、この後に、敷設された連結用まくら木の第1の連結部材と第2の連結部材とを接続固定するものであり、連結部材の上面にはスペーサが固定されており、スペーサがレールの下面に当接していることを特徴とする連結まくら木の敷設方法。
  9. 前記第1の連結部材は前記第2の連結用まくら木を横切って延出し、前記第2の連結部材は第2の連結用まくら木の両側に延出する構成とされており、第1の連結用まくら木と第2の連結用まくら木をレールに取り付けた後に、第2の連結用まくら木の両側で第1および第2の連結部材を接続固定することを特徴とする請求項8に記載の連結まくら木の敷設方法。
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