JP4221322B2 - 踏切用床板、並びに、踏切 - Google Patents

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本発明は、踏切および踏切を構成する踏切用床板に関するものである。
レールが敷設された軌道には、人や車等が横切るための踏切が設けられている。従来技術の踏切には、旧来は木製であった床板に代わって下記特許文献1に示すように軌間の内外にコンクリート製の床板を用いて敷設したものがある。コンクリート製の床板は、工場等において成型加工された後、軌道に搬入され敷設される。
特開平6−136708号公報
図40において300は従来の踏切である。踏切300は、レール301,301によって構成される軌間内に床板302を敷設し、この軌間の外側に床板303を敷設したものである。踏切300は、レール301の延伸方向に複数の床板302,303を並べて形成されている。
床板302,303は、いずれも鉄筋コンクリート製で平板状の部材であり、予め工場等で所定の形状に成型されている。床板302は、図41,42に示すように、レール301との接合部分に、先細り状に延伸した係合部305を有する。また、床板303についても、レール301との接合部分に係合部306が成型されている。
床板302とレール301との間には、両者の隙間を埋める支承部材312が介在している。また、床板303とレール301との間には、両者の間を埋める支承部材314が介在している。
支承部材312は、主としてレール301の腹部311と底部310とを被覆する下片部315aと、腹部311および頭部307の底面313側とを被覆する上片部315bとで構成されている。下片部315aおよび上片部315bは、いずれもゴム製の部材であり、別々に成型されている。支承部材312は、下片部315aと上片部315bとを組み合わせて使用することにより、レール301に沿って延伸した溝317が形成される。床板302は、両端に形成された係合部305を溝317に係合させた状態で敷設される。
支承部材314は、レール301の側面を底面313側から底部310にかけて被覆するゴム製の部材である。支承部材314がレール301の側面に装着されると、レール301に沿って延伸した溝318が形成される。軌間外に敷設される床板303は、図41および図42に示すように、係合部306を支承部材314の溝318に係合させることにより一端が固定されている。一方、床板303の他端側は、軌間外に設置された支承ブロック316の角に設けられた切り欠き部321に嵌め込まれ支持されている。
上記したように、従来技術の踏切は、床板がコンクリート製の重量物であり、床板の取り回しが困難であるため敷設作業の効率が悪いという問題があった。そのため、従来は、踏切の設置作業に要する工期が長くなったり、多数の作業者を要するという問題があった。一方、旧来使用されていた木製の床板は、鉄筋コンクリート製の床板に比べて軽量であるが、耐久性が低いために頻繁にメンテナンス作業を行わねばならず、保守に多額の費用や手間がかかってしまうという問題を有する。
上記したように、床板302を敷設するために使用される支承部材312は、下片部315aと上片部315bとが別々に成型されたものである。そのため、床板302の敷設時には、作業者がまず下片部315aを敷設した後に床板302を設置し、その後上片部315bをレール頭部307の底面と床板302との間に横から嵌め込むという作業を必要とする。そのため、従来技術では、床板302の敷設作業がさらに困難を極め、熟練を要するものとなっている。
支承部材314は、一体成型されたゴム製の部材であるため、床板303の敷設作業は、支承部材312を用いる場合よりも比較的容易である。しかし、支承部材314を用いる場合であっても、係合部306を支承部材314の溝318に嵌め込むために重量物である床板303を傾斜させたり取り回す必要があり、敷設作業が困難である。
かかる問題に鑑み、本発明では、軽量かつ丈夫で施工性および耐久性に優れた踏切用床板および踏切の提供を目的とした。
そこで、上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、軌間内あるいは軌間外に敷設され踏切を構成する踏切用床板において、踏切用床板は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の床板部を天面とするものであり、床板部の裏面側には、床板部の長手方向に延伸した合成木材製の主梁部と、床板部の短手方向に延伸した合成木材製の小梁部とが固定されており、当該小梁部および主梁部は合成木材製の連結部材によって連結されており、前記主梁部の長繊維の方向が、床板部および小梁部の長繊維の方向と交差していることを特徴とする踏切用床板である。
本発明の踏切用床板は、合成木材製であるため、従来技術の鉄筋コンクリート製の踏切用床板よりも軽量であり施工性が高い。さらに、本発明の踏切用床板は、主梁部と小梁部とから構成される骨格構造により床板部を支持するものであり、主梁部と小梁部とで囲まれている部分は空洞とすることが可能である。そのため、本発明の踏切用床板は、鉄筋コンクリート製の踏切用床板等に比べて極めて軽量である。従って、本発明によれば、軽量で軌道への踏切の敷設作業を効率よく行える踏切用床板を提供できる。
また、本発明の踏切用床板は、天面を構成する合成木材製の床板部の裏面側に合成木材製の主梁部と小梁部とを設け補強した構造となっている。即ち、本発明の踏切用床板は、床板部の裏面側に、床板部の長手方向に延伸した主梁部と、床板部の短手方向に延伸した小梁部とから構成される骨格構造が形成されているため、この骨格構造により床板部に作用する荷重を分散支持することができる。
主梁部と小梁部とから構成される骨格構造は、互いに延伸方向および埋設されている長繊維の方向が交差する位置関係にあるため、一方が他方を側面側からしっかりと支持できる。さらに、小梁部および主梁部は合成木材製の連結部材によって連結されている。そのため、本発明によれば、主梁部および小梁部により構成される骨格構造に対して負荷が作用しても、主梁部や小梁部が倒壊等を起こさない高強度の踏切用床板を提供できる。
本発明の踏切用床板は、前記主梁部の長繊維の方向が床板部の長繊維の方向と交差している。そのため、本発明の踏切用床板は剛性が高く、床板部の天面から底面方向に向かう方向に作用する負荷を確実に支持できる。
また、本発明の踏切用床板は、床板部の裏面側に主梁部および小梁部で囲まれた空洞を形成できるため、軌間の内外に不陸部分があっても容易に敷設できる。従って、本発明によれば、軽量かつ高強度で、敷設作業の作業効率が高い踏切用床板を提供できる。
また、請求項2に記載の発明は、軌間内あるいは軌間外に敷設され踏切を構成する踏切用床板において、踏切用床板は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の床板部を天面とし、合成木材製の下面部を底面とするものであり、床板部と下面部との間には、床板部の長手方向に延伸した合成木材製の主梁部と、床板部の短手方向に延伸した合成木材製の小梁部とが固定されており、前記主梁部の長繊維の方向は、床板部、下面部および小梁部の長繊維の方向と交差していることを特徴とする踏切用床板である。
本発明の踏切用床板は、上記請求項1に記載の踏切用床板と同様に主要部分あるいは全体が合成木材製である。さらに本発明の踏切用床板は、天面を構成する床板部と底面を構成する下面部との間に主梁部と小梁部とから構成される骨格構造により荷重を支持するものであり、主梁部と小梁部とで囲まれている部分は空洞とすることができる。そのため、本発明の踏切用床板は、従来の踏切で多用されている鉄筋コンクリート製の踏切用床板に比べて軽量であり、施工性に優れている。
また、本発明の踏切用床板は、床板部と下面部との間に合成木材製の主梁および小梁で構成される骨格構造が設けられているため、踏切を通過する人や車両から床板部に作用する負荷は、前記骨格構造において分散される。そのため、本発明によれば、床板部に作用する負荷をしっかりと支持可能な高強度の踏切用床板を提供できる。
主梁部と小梁部とから構成される骨格構造は、互いに延伸方向および埋設されている長繊維の方向が交差する位置関係にあり、一方の側面が他方を支持している。そのため、本発明の踏切用床板では、主梁部および小梁部により構成される骨格構造に対して負荷が作用しても、この負荷を互いにしっかりと支持し合うため、主梁部や小梁部の倒壊や破損が起こらない。
本発明の踏切用床板は、床板部および下面部の長繊維の方向と主梁部の長繊維の方向とが交差している。そのため、本発明の踏切用床板は剛性が高く、床板部の天面から底面方向に向かう方向に作用する負荷を確実に支持できる。
上記請求項2に記載の踏切用床板において、下面部は、合成木材製の板体を複数積層して構成されるものであり、一又は複数の板体の長繊維の方向が、他の板体および床板部の長繊維の方向と交差しているものであってもよい。(請求項3)
本発明の踏切用床板は、複数の合成木材を積層して構成された剛性の高い下面部を備えている。また、この下面部は、長繊維の方向が互いに交差する位置関係にある複数の板体を積層して構成されるものであるため剛性が高い。従って、本発明によれば、天面部や主梁、小梁に作用する負荷を支持する下面部の剛性が高い高強度の踏切用床板を提供できる。
請求項4に記載の発明は、軌間内あるいは軌間外に敷設され踏切を構成する踏切用床板において、踏切用床板は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の床板部を天面とするものであり、床板部の裏面側には、合成木材製の補強部材が長手方向を床板部の短手方向に向けて固定されており、前記床板部の長繊維の方向と補強部材の長繊維の方向とが交差していることを特徴とする踏切用床板である。
本発明の踏切用床板は、床板部および床板部を補強する補強部材が共に合成木材製であるため、従来の踏切において採用されている鉄筋コンクリート製の踏切用床板よりも遙かに軽量である。そのため、本発明によれば踏切の敷設に要する労力を軽減可能な施工性に優れた踏切用床板を提供できる。
本発明の踏切用床板は、床板部を補強すべく裏面側に補強部材を固定したものであり、その長繊維の方向が互いに交差している。そのため、本発明によれば、踏切をわたる人や車両から床板部に作用する外力に対する剛性が高い踏切用床板を提供できる。
また、上記請求項4に記載の踏切用床板において、補強部材は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の板体を複数積層して構成されるものであり、一又は複数の板体の長繊維の方向は他の板体および床板部の長繊維の方向と交差しているものであってもよい。(請求項5)
本発明の踏切用床板は、補強部材が合成木材製の板体を複数積層して構成されるものであり、一又は複数の板体の長繊維と他の板体の長繊維とが交差している。また、補強部材を構成する一又は複数の板体の長繊維の方向は、床板部の長繊維の方向とも交差している。そのため、本発明の踏切用床板は、長繊維の方向が互いに交差する関係にある複数の板体を重ね合わせて構成されるものであり、剛性が高い。従って、本発明によれば、人や車両等が通過する踏切に好適に使用可能な踏切用床板を提供できる。
上記請求項1乃至5のいずれかに記載の踏切用床板は、床板部に対して水平方向及び/又は垂直方向に突出した係合部と、当該係合部が係合可能な被係合部とを有し、係合部と、隣接する踏切用床板の被係合部とを係合させることにより隣接する踏切用床板同士が連結され、床板部が面一となるものであってもよい。(請求項6)
本発明の踏切用床板は、係合部と被係合部とを有し、係合部と被係合部とを係合させることにより複数の踏切用床板を連結して一体化できる。また、係合部と被係合部とを連結して一体化された複数の踏切用床板は、床板部が面一となり段差を発生しない。即ち、本発明の踏切用床板は、係合部を被係合部に係合させて連結するだけで床板部が面一となるように敷設することができ、踏切用床板の高さ調整をさほど厳密に行う必要がない。従って、本発明によれば、特別な高さ調整を行うことなく隣接する踏切用床板の床板部同士が面一となるように敷設可能な施工性に優れた踏切用床板を提供できる。
上記請求項1乃至6に記載の踏切用床板は、いずれも軌間の内外に配置されるものであり、大多数の場合他部材と接触した状態で敷設される。また、上記した踏切用床板は、いずれも単体で使用することも可能であるが、複数枚連結したり並置することにより使用されることがある。かかる状態で敷設された踏切用床板は、踏切をわたる人や車両により荷重が作用すると、これにより発生する僅かな振動等の影響を受けて隣接する踏切用床板や他部材とこすれ合い摩耗してしまうおそれがある。
かかる知見に基づき、上記請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板は、一又は複数の側面に、摩擦係数が合成木材よりも低い摩耗防止部材が装着されていることを特徴とするものとしてもよい。
また同様の知見に基づき、上記した踏切用床板は、天面、底面、側面の少なくともいずれかの一部または全部の耐摩耗性を他の部位よりも高い構成としてもよい。
かかる構成によれば、人や車両の通行等により隣接する踏切用床板や他部材との摩擦があっても、摩耗が殆ど起こらない踏切用床板を提供できる。
ここで、上記した踏切用床板は、いずれも合成木材製の床板部を天面とするものである。合成木材は、所定方向に向けて埋設した長繊維で補強した樹脂であり、表面の摩擦係数が比較的低い。そのため、雨天時のように床板部が濡れている場合などは、踏切を通過する人や車両がスリップを起こす可能性がある。また、踏切用床板の側面や底面の摩擦係数が低いと、踏切用床板に作用する外力によって踏切用床板自身が位置ズレや等を起こしてしまう可能性がある。
かかる問題を解消すべく、上記した踏切用床板は、天面、底面、側面の少なくともいずれかの一部または全部の摩擦係数が他の部位よりも高い構成とすることも可能である。
上記したように、天面の一部または全部の摩擦係数が合成木材よりも高い構成とすれば、踏切を通過する人や車両のスリップを防止できる安全性に優れた踏切用床板を提供できる。また同様に、底面や側面の一部または全部の摩擦係数が合成木材よりも高い構成とすれば、踏切用床板に作用する外力による敷設位置のズレ等を防止できる。
ここで、上記した踏切用床板は、軌間の内外に敷設されるものであり、枕木を跨いで敷設されることが多い。通常、枕木にはレールを固定するために当業者間において締結装置と称される固定部材が固定されている。そのため、踏切用床板が固定部材と接触した状態で敷設されると、踏切用床板に荷重が作用した時に固定部材と接触している部分に荷重が集中し、踏切用床板が破壊されてしまうおそれがある。
また、道床上には、上記した固定部材(締結装置)に限らず様々な部材や装置類が配置されることがある。これらの部材や装置類が踏切用床板と接触していると、この接触部分に大きな応力が作用し、道床上に設置された装置類や踏切用床板が破損してしまうおそれがある。
かかる知見に基づき、上記した踏切用床板は、底面側に開口した収納部を有する構成としてもよい。
上記したように踏切用床板の底面側に開口した収納部を設けると、枕木を跨ぐ位置のようにレールを枕木に固定する固定部材(締結装置)や道床上に設置された機器類等と踏切用床板との直接的な接触を防止できる。従って、収納部を設ければ、固定部材等との接触に起因する破壊が起こらない踏切用床板を提供できる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板を敷設して構成されることを特徴とする踏切である。
本発明の踏切は、上記した踏切用床板によって構成されるものであるため、敷設が容易であり、耐久性に優れている。
また、請求項8に記載の踏切は、鉄道の車輪と面接する頭部と、当該頭部に連続する腹部とを有するレールに装着されて腹部を被覆し、前記頭部の側面と略面一となる被覆部を有する支承部材を介して請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板を敷設して構成されることを特徴とする踏切である。
本発明の踏切は、上記請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板をもって形成されるものである。上記したように、本発明において採用されている踏切用床板は、大部分あるいは全体が合成木材製であり、従来の踏切で採用されている鉄筋コンクリート製のものよりも遙かに軽量で耐久性に優れている。
これに加えて、本発明の踏切において採用されている支承部材は、レールに装着されることによりレールの頭部の側面と略面一となる被覆部を有する。そのため、本発明の踏切は、踏切用床板を予め敷設されているレールに対して位置合わせをして上方から水平に下降させるだけで敷設できる。即ち、本発明の踏切は、踏切の敷設現場において床板を傾斜させたりする必要がなく、敷設作業の作業効率が高い。
また逆に、本発明の踏切は、メンテナンス等を行う際も、レールに対して水平に上昇させるだけで踏切用床板を取り外すことができ、特別な工具等を必要としない。従って、本発明によれば、踏切用床板の敷設および取り外しを容易に行える踏切を提供できる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板を軌間内あるいは軌間外に敷設して構成され、前記踏切用床板の上方への移動を阻止する浮上防止手段によって踏切用床板が保持されていることを特徴とする踏切である。
かかる構成によれば、踏切を横断する人や車両等により踏切用床板に作用する荷重が偏在しても踏切用床板が浮き上がらない、安定した踏切を提供できる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板の対向する側面間を連通する連通孔を設け、当該連通孔に挿通された連結軸により複数の踏切用床板を連結したことを特徴とする踏切である。
かかる構成によれば、複数の踏切用床板を容易に連結し、一体化することができる。
ここで、上記請求項7乃至10のいずれかに記載の踏切は、踏切用床板が、短手方向略中央部に枕木が位置するように敷設されたものであってもよい。
かかる構成によれば、踏切を通過する人や車両から受けた外力が踏切の一部に集中的に作用することを防止し、踏切用床板の浮き上がりや損傷を防止できる。
本発明によれば、非常に軽量で容易に敷設可能な強度および施工性に優れた踏切用床板、並びに、踏切を提供できる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である床板により構成される踏切を示す斜視図であり、図2は図1に示す踏切の正面図および断面図である。図3,5はいずれも図1に示す踏切を構成する床板を示す正面図および断面図である。図4,6はいずれも図3,5に示す床板を底面側から観察した一部破断斜視図である。また、図7(a)は、本実施形態の踏切の敷設に使用される支承部材を示す斜視図である。図7(b),(c)は、本実施形態の踏切を敷設工程における要部の様子を拡大した側面図および正面図である。図8は、本実施形態の踏切の敷設方法を示す側面図である。図9は、本実施形態において採用される床板の一部を拡大した斜視図である。
図1において、1,2は本実施形態の床板であり、3は床板1,2によって構成される踏切である。踏切3は、軌間の内外に配置された床板1,2により、平行に配置されたレール5,5を横切るように設置されたものである。床板1は、略平行に配置されたレール5,5の間(軌間内)に配置されるものであり、床板3は、レール5と、レール5に対して略平行に配置された支承ブロック6との間(軌間外)に設置されるものである。
レール5は、鉄道の車輪(図示せず)と面接触する頭部5aと、枕木40側に固定される底部5bと、頭部5aおよび底部5bを繋ぐ腹部5cとを有する。また、支承ブロック6は、軌道が敷設される道床上に固定され、床板2の一端を支持するものである。支承ブロック6は、図1,2等に示すように、断面形状が略L字型の長尺体であり、床板2の一端を載置するための切り欠き部33を有している。
床板1は、図2〜図4に示すように天面板10の裏面側に主梁11(以下、必要に応じて主梁11a〜11dと称す)、小梁12、連結材13、上当材15および下当材16を接着接合したものである。天面板10、主梁11、小梁12、連結材13、上当材15および下当材16は、いずれも所定方向に向けて埋設した長繊維で補強した樹脂、すなわち合成木材により形成されたものであり、より好ましくはガラス長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した熱硬化性樹脂発砲体(例えば、積水化学工業株式会社製、商品名「エスロンネオランバーFFU」など)により形成されたものが好適に使用できる。合成木材は、長年にわたって風雨にさらされる環境下に配置されても腐食などの劣化がおこらないため、踏切3の構成材料として好適に使用できる。また、天面板10と、主梁11、小梁12、連結材13、上当材15および下当材16とを接着する接着剤は、特に限定されるものではなく、各部材を構成する合成木材の長繊維や熱硬化性樹脂発泡体などの材質に応じて適宜選定することができる。例えば、天面板10、主梁11、小梁12、連結材13、上当材15および下当材16がガラス長繊維と硬質ウレタン樹脂発泡体とによって構成されている場合、接着剤としてはエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
天面板10は、正面視が略長方形の板体であり、図1に矢印S1で示すようにガラス長繊維の向きがレール5,5の向きと略平行となるように配置されるものである。天面板10は、レール5,5間の軌間内の道床を被覆するものである。天面板10は、図2に示すようにガラス長繊維の方向と交差する方向の長さ、即ち長手方向の長さLが、レール5,5の間隔dよりも僅かに小さい。また、天面板10は、天面側に砂等を吹きつけて固定したものであり、天面の表面粗さが他の面に比べて粗い。即ち、天面板10の天面は、天面板10の他の面および床板1を構成する他部材に比べて摩擦係数が高い。要するに、天面板10は、踏切3をわたる人や車両等がスリップするのを防止すべく、天面に砂を吹き付け滑り止め加工を施したものである。
主梁11は、長手方向が天面板10の長手方向に向くように固定されている。主梁11は、図2に矢印S2で示すように、長尺方向が天面板10のガラス長繊維の向きに交差する方向となるように接着固定されている。主梁11は、板状の部材であり、その長さMがレール5,5の間隔dと略同一であり、天面板10の長さLよりも大きい。主梁11は、両端部に高さ方向(図2(b),(c)の上下方向)の中途から底面側に向けて傾斜した傾斜部18を有している。傾斜部18は、後述する上当材15および下当て材16を支持し、係合部20を形成する部分である。主梁11は、図2,3,4に示すように、床板1の側面側から観察したときに両端の傾斜部18がそれぞれ天面板10の両端からはみ出すように固定されている。
小梁12は、長さFが天面板10の裏面に接着固定された主梁11同士の間隔fと略同一の板状の部材であり、天面板10の裏面および主梁11の側面に接着固定されている。小梁12は、図2,3,4に示すように一対の主梁11間に3本、等間隔に固定されており、主梁11を側面側から支持している。即ち、天面板10は、裏面側に主梁11および小梁12によって形成された骨格構造によって支持されている。そのため、天面板10に作用する荷重は、天面板10の裏面側に固定された骨格構造によって分散支持される。また、図2等に矢印S3で示すように、小梁12は、埋設されている長繊維の方向が天面板11の長繊維の方向(矢印S1)と平行であり、主梁11の長繊維の方向(矢印S2)と直交している。そのため、小梁12は、主梁11の倒壊を防止すると共に、主梁11から外力が作用しても破壊されない。
また、天面板10の裏面側は、主梁11および小梁12によって包囲された部分が空洞になっている。そのため、天面板10は、バラストを押し固めて形成される道床に不陸部分が存在しても、その影響を受けることなく容易に敷設することができる。
図3,4に示すように主梁11と小梁12とは、連結材13によって連結され一体化されている。連結材13は、板状の部材であり、床板1の一方の長辺に沿って固定された主梁11a側から他方の長辺に沿って固定された主梁11d側にわたって橋渡すように固定されている。連結材13は、主梁11a〜11dおよび小梁12の底面に接着固定されている。連結材13に埋設されている長繊維の方向は、図3,4に矢印S4で示すように天面板11の長繊維の方向S1および小梁12の長繊維の方向S3と平行であり、主梁11の長繊維の方向S2と直交している。床板1は、主梁11が小梁12によって支持され補強されており、さらに主梁11および小梁12が連結材13によって補強された構造となっている。
図9に示すように、傾斜部18a,18b間および傾斜部18c,18d間には、それぞれ上当て材15および下当て材16が固定されており、係合部20が形成されている。即ち、係合部20は、床板1の4隅に形成され、床板1の長尺方向に突出している。図4に示すように、上当て材15は、傾斜部18の傾斜辺に沿うように固定されており、床板1の底面側に向けて傾斜している。また、下当て材16は、床板1の天面板10に対して平行に固定されている。
一方、傾斜部18b,18c間には上当て材15や下当て材16が固定されておらず、空洞部21が形成されている。空洞部21は、床板1の長手方向の両端であって、短手方向の中央部に位置している。また、空洞部21は、レール5を枕木40に固定する固定部材7を収納可能な大きさとなっている。そのため、床板1は、短手方向略中央部において枕木40を跨ぐように敷設することにより、固定部材7との接触を回避できる。従って、床板1は、敷設後に上方から大きな荷重が作用しても天面板10等の構成部材が破損しない。
床板2は、床板1と大部分が同様の構成であり、図1,2に示すようにレール5とレール5の外側に配置される支承ブロック6との間に配置されるものである。床板2は、図2および図5,6に示すように、板状の天面板25の裏面側に主梁26、小梁27、連結材28、上当材30、下当材31、端部部材32が接着接合されたものである。床板2についても、床板1と同様に各構成部材が合成木材により形成されている。
天面板25は、図2および図5に矢印S5で示すように、床板2を設置した際にガラス長繊維の向きがレール5,5の向きと略平行となる。天面板25は、床板2を設置した際にレール2の外側と支承ブロック6との間にある道床を覆うものであり、ガラス長繊維の方向と交差する方向の長さL’がレール5の側面と支承ブロック6の切り欠き部33との間隔d’よりも僅かに小さい。天面板25は、踏切3を横断する人や車両等がスリップするのを防止すべく、上記した天面板10と同様に天面に砂を吹きつけて固定したものである。天面板25は、天面が表面粗さが他の面に比べて粗く摩擦係数が高い。
主梁26(以下、必要に応じて主梁26a〜26dと称す)は、合成木材製で板状の部材であり、長尺方向が天面板25の長手方向に向くように接着固定されている。主梁26は、長手方向(図5,6の矢印S6方向)に引き揃えた長繊維が埋設されており、長繊維の方向が天面板25に埋設された長繊維の方向(図5,6の矢印S5方向)と直交している。天面板25の両端部に接着固定される主梁26a,26dは、その長さM’がレール5と支承ブロック6との間隔d’と略同一であり、天面板10の長さLよりも大きい。主梁26b、26cは、端部部材32の厚み分だけ全長が短い以外は主梁26a,26dと同様の構成を有する部材である。主梁26は、一端側に主梁11の傾斜部18と同様の形状の傾斜部35(以下、必要に応じて傾斜部35a〜35dと称す)を有している。
隣接する主梁26同士の間(主梁26a,26b間、主梁26b,26c間、主梁26c,26d間)には、この間隔f’と同一の長さの小梁27が固定されている。小梁27は、図5,6に矢印S7で示すように、長繊維が小梁27の長手方向に向くように引き揃えて埋設された合成木材製の部材であり、その長繊維の方向は主梁26の長繊維の方向(図5,6の矢印S6方向)と直交している。また、主梁26a,26dの端部は、天面板25の長尺方向一端側に揃うように固定されている。主梁26a,26d間には、端部部材32が主梁26a,26dの端面と面一となるように固定されている。また、端部部材32には、主梁26b,26cの端面が当接するように固定されている。端部部材32は、図5,6に矢印S8で示すように端部部材32の長尺方向に延伸した長繊維が埋設されたものである。即ち、端部部材32は、小梁27と同様に埋設されている長繊維の方向が主梁26の長繊維の方向(図5,6の矢印S6方向)と直交している。
上記したように、天面板25の裏面側には、主梁26、小梁27および端部部材32による骨格構造が形成されている。即ち、天面板25は、主梁26、小梁27および端部部材32による骨格構造により支持されており、天面板25に作用する荷重は、主梁26や小梁27、端部部材32によって分散支持される。
また、主梁26の長繊維の方向と、小梁27および端部部材32の長繊維の方向は互いに交差する関係にあり、互いに側面同士が面接して支持しあっている。そのため、主梁26、小梁27および端部部材32のいずれかに集中的に荷重が作用しても、その荷重によって主梁26や小梁27、端部部材32が倒壊や破損を起こさない。
主梁26と小梁27、並びに、主梁26と端部部材32とは、主梁26a側から主梁26d側に橋渡すように固定された板状の連結部材28によって連結され一体化されている。連結部材28は、長繊維を一定方向に埋設して構成される合成木材製の部材である。連結部材28に埋設されている長繊維は、図5,6に矢印S9で示すように連結部材32の長尺方向に向かって延伸している。即ち、連結部材28に埋設されている長繊維は、図5,6に矢印S8で示すように天面板10、小梁27、並びに端部部材32の長繊維の埋設方向(矢印S5,S7,S8方向)と平行であり、主梁26の長繊維の埋設方向(矢印S6方向)と直交している。主梁26および小梁12は、連結部材28によって連結され補強されており、床板2の上方からの押圧力を受けても変形等を起こさない。
傾斜部35a,35b間および傾斜部35c,35d間には、上当材30および下当て材31が支持されており、係合部36が形成されている。即ち、床板2の一端側には、2つの係合部36が設けられており、その中間部に空洞部37が形成されている。空洞部37は、床板2をレール5と支承ブロック6との間に固定したときにレール5を枕木40に固定するための固定部材7(締結装置)が接触するのを防止するために設けられたものである。そのため、敷設された床板2に荷重が作用しても、固定部材7との接触に伴う床板2の破損が発生しない。
上記した床板1,2とレール5との間にはゴム製の支承部材41が介在している。支承部材41は、レール5の側面形状に沿う形状に成型されており、図7(c)に示すように大別して上舌部45、下床部46および壁部47によって構成されている。上舌部45は、レール5の頭部5aの下面に沿う形状を有し、下床部46は、底部5bに沿う形状を有する。また、壁部47は、レール5の腹部5cに沿う形状を有する。支承部材41は、上舌部45、下床部46および壁部47により構成される溝43を有する。
上舌部45は、レール5の頭部5aの下面から僅かに突出している。また、下床部47は、上舌部45や壁部47に比べて肉厚であり、溝43の底面が枕木40に対して水平となるように成型されている。上舌部45は、床板1,2が上方に浮き上がるのを防止する浮上阻止手段として機能する。
続いて、床板1,2を敷設し踏切3を作製する手順について図面を参照しながら詳細に説明する。踏切3は、レール5,5が固定されている枕木40を中心として床板1,2が固定され、形成される。レール5は、従来公知の軌道と同様に固定部材7(締結装置)によって枕木40に固定されている。踏切3が設置される部位のレール5の側面には、図7(a)に示すようにゴム製の支承部材41が装着される。
これに続いて、床板1,2は、図7(b)に示すように固定部材7に相当する位置に空洞部21が来るように位置合わせされる。その後、床板1,2は、図7(a),(b)および図8(a)に矢印Aで示すように一端側の係合部20が下方に向いた状態とされ、係合部20が支承部材41の溝43に係合するまで押し込まれる。係合部20が溝43に係合すると、図8(a)に矢印Bで示すように床板1,2の他端側が下方に押し込まれる。この時、床板1の他端側に設けられた係合部20は、他方のレール3に装着された支承部材41に上方から押し込まれる。床板1の他端側の係合部20は、支承部材41の上舌部45を変形させながら溝43に嵌り込む。係合部20が溝43に嵌り込むと、支承部材41は元の形状に戻り、係合部20が溝43に係合した状態になる。これにより、床板1は、レール5,5の内側(軌間内)に固定される。
一方、床板2の他端側は、支承ブロック6の切り欠き部33に上方から嵌り込んで固定される。床板2は、水平な姿勢になると、図8(b)に矢印Cで示すように支承部材41の弾性力により支承ブロック6側に押し返される。そのため、床板2の他端側は、支承ブロック6の切り欠き部33に引っかかって浮き上がらない。
上記したように、本実施形態の床板1,2は、いずれも各構成部材が合成木材製であるため鉄筋コンクリート製の床板よりも遙かに軽量であり施工性が高い。また、本実施形態の床板1,2は、主梁11,26および小梁12,27による骨格構造を有しており、主梁11および小梁12によって囲まれている部分は中空になっている。そのため、本実施形態の床板1,2は、いずれも極めて軽量であり、敷設作業の労力を最小限に抑制できる。
また、本実施形態の床板1,2は、床板部の裏面側に主梁部および小梁部で囲まれた空洞を有するため、軌間の内外に不陸部分があってもこの不陸の影響を受けずに容易に敷設できる。
また、本実施形態の床板1,2は、主梁11,26および小梁12,27により構成される骨格構造を有し、さらにこの骨格構造が連結材13,28によって連結されている。そのため、床板1,2は、軽量であるにもかかわらず強度が高い。
主梁11,26は、小梁12,27と長手方向が直交する位置関係にあり、側面側から小梁12,27によって支持されている。さらに小梁12,27は、埋設されている長繊維の方向が主梁11,26の長手方向と直交するため、主梁11,26を側面側からしっかりと支持することができる。そのため、本実施形態の床板1,2は、いずれも通過する人や車両から負荷を受けても、主梁11,26や小梁12,27が倒壊等を起こさず荷重をしっかりと支持できる。
上記したように、床板1,2の天面板10,25は、天面側に砂等を吹きつけたものであり、天面は他の面よりも摩擦係数が高い。そのため、本実施形態の踏切3は、雨天時のように床板1,2が濡れているような場合であっても人や車両がスリップを起こすことなく通過可能である。
床板1,2は、人や車両の通過により大きな荷重が作用しても耐えうる強度を有するが、この荷重が局所に集中的に作用してしまうとひび割れ等を起こしてしまうおそれがある。さらに具体的には、例えば床板1,2と固定部材7(締結装置)とが接触しているような状態で、荷重が作用すると、床板1,2と固定部材7との接触部分に荷重が集中的に作用してしまい、床板1,2が変形や破損を起こす可能性がある。
しかし、本実施形態の床板1,2は、天面板10,25の裏面側に空洞部21,37を有しており、この空洞部21,37に固定部材7を収納した状態で敷設される。そのため、人や車両が踏切3を通過しても、床板1,2には集中的な荷重は作用せず、床板1,2の破損も起こらない。
続いて、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図10は、本実施形態の踏切を示す正面図および断面図である。図11,14は、図10に示す踏切で採用されている床板を示す正面図および断面図である。図12,15は、図11,14に示す床板を裏面側から観察した斜視図である。また、図13は、図11に示す床板の一部を示す分解斜視図である。図10において、50は本実施形態の踏切である。なお、本実施形態において踏切50は、上記第1実施形態の踏切3と類似した構成を有するため、共通する部分には同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
踏切50は、平行に配置されたレール5,5間(軌間内)に床板51が敷設され、レール5の外側に配置された支承ブロック6とレール5との間に床板52が敷設されたものである。床板51,52は、それぞれ上記第1実施形態における床板1,2と類似した構成を有する。
図11,12は、本実施形態の踏切50を構成する床板51を示す図である。床板51は、レール5,5間の道床を覆う天面板10を有し、この裏面側に主梁53、小梁55から構成される骨格構造を有する。そして、この骨格構造には、補強板(下面部)61,62が接着固定され、補強されている。天面板10、主梁53、小梁55および補強板61,62は、いずれも所定方向に向けて引き揃えられ埋設された長繊維で補強された合成木材を所定の形状に加工したものあり、互いに接着接合されている。天面板10および主梁53(以下、必要に応じて主梁53a〜53dと称す)は、長繊維の方向が図11に矢印S11,S12で示すように床板51の敷設時にレール5に対して交差している。また、小梁55(以下、必要に応じて小梁55a〜55cと称す)は、長繊維の方向が図11に矢印S13で示すように床板51の敷設時にレール5に対して平行となるように成形され、固定されている。また、主梁53(以下、必要に応じて主梁53a〜53dと称す)は、長繊維の方向が図11に矢印S12で示すようにレール5に対して直交するように成形されている。
主梁53は、図10〜13に示すように天面板10の長尺方向の長さLよりも長い長尺の板状体であり、その両端部に傾斜部56(以下、必要に応じて傾斜部56a〜56dと称す)がある。傾斜部56は、図12,13に示すように主梁53の上下方向の中途から長尺方向へ先細り状に延出した部分である。主梁53は、長手方向が天面板10の長尺方向と平行となる姿勢で固定されており、その両端部にある傾斜部56が天面板10の長尺方向両端側に突出している。
小梁55は、図10〜13に示すように、天面板10に等間隔に固定された主梁53,53間に一定間隔毎に固定されている。小梁55a,55b,55cは、それぞれ各主梁55間に4本ずつ設けられている。天面板10の幅方向両端側、即ち主梁53a,53b間に固定されている小梁55a、並びに、主梁53c,53d間に固定されている小梁55cは、共に天面板52の長尺方向の同位置に固定されている。これに対して、天面板10の中央位置、即ち主梁53b,53c間に固定されている小梁55bは、主梁53a,53cの固定位置から天面板10の長尺方向中央側に多少ずれた位置に固定されている。そのため、各小梁53は、主梁53に作用する力を効率よく分散支持することができる。
主梁53の両端部分に設けられた傾斜部56は、床板51をレール5,5間に固定するための係合部57を形成するものである。係合部57は、図12に示すように床板51の4隅から床板51の長尺方向に突出した爪状の部分である。係合部57は、図12,13に示すように、主梁53a,53bの傾斜部56a,56b間、および、主梁53c,53dの傾斜部56c,56d間に合成木材製で中実の芯材58を接着固定したものである。
芯材58は、図13に示すように、断面形状が主梁53の両端部分と略同一のブロック状の部材である。係合部57を構成する主梁53および芯材58は、図11,12のように床板51の裏面側を構成する補強板61,62に接着固定され、補強されている。床板51の最も裏面側に位置する補強板62の長尺方向両端部には、他の部位よりも肉薄に成形された段部63が形成されている。そのため、係合部57は、先端方向に向けて先細り形状となっている。
補強板61,62は、共に合成木材製の平板であり、その長尺方向両端部であって、短手方向の中間部が矩形に切り欠かれている。補強板61は、図11等に矢印S14に示すように埋設されている長繊維が補強板61の短手方向に延伸している。また、補強板62は、埋設されている長繊維が矢印S15で示すように補強板62の長尺方向に延伸している。従って、補強板61,62は、埋設されている長繊維の方向が互いに交差している。
一方、主梁53b,53cの傾斜部56b,56c間には、図12に示すように芯材58が固定されていない。また、床板51の裏面側を構成する補強板61,62も、傾斜部56b,56c間に相当する位置が矩形に切りかかれている。そのため、床板51の裏面側であって主梁53b,53cの間に相当する位置には、傾斜部56b,56c、小梁55b、および天面板10によって包囲された中空の空洞部60が形成されている。空洞部60は、レール5,5を枕木40に固定するための固定部材7を収納可能な大きさで、踏切50の設置時には天面板10によって覆われる空間である。即ち、空洞部60は、踏切50の設置時における固定部材7の逃げとなる部分であり、空洞部60内に収納された固定部材7は、天面板10によって被覆され床板51の天面側には露出しない。そのため、空洞部60に固定部材7が収納されるように床板51を敷設すれば、固定部材7と床板51との接触に起因する床板51の破損や破壊を防止できる。また、固定部材7が空洞部60内に収納されると、固定部材7が外部に露出せず、固定部材7を保護できる。
床板52は、一部の構成を除いては床板51と同様の構成を有する部材である。さらに具体的に説明すると、床板52は、板状の天面板25の裏面側に主梁65、小梁66、端部部材67により構成される骨格構造を有し、この骨格構造の裏面側に補強板68,70が設けられており、さらに補強板70の一端側に弾性部材71が設けられた構成となっている。
上記第1実施形態において説明したように、天面板25は、平面視が略矩形の平板であり、長繊維が天面板25の長尺方向(図14の矢印S16方向)に向けて埋設されている。
主梁65(以下、必要に応じて主梁65a〜65dと称す)は、床板52が設置されるレール3の外側面と支承ブロック6の切り欠き部33との間隔に相当する長さの長尺物である。主梁65の一端側には、長尺方向に向けて先細り状に延出した傾斜部72が形成されている。主梁65は、長尺方向が床板52の長手方向に向くように固定されている。4本の主梁65a〜65dは、床板52の短手方向の両端部およびその中途部に等間隔に固定されている。床板52の短手方向の中途に固定される主梁65b,65cは、両端の主梁65a,65dよりも端部部材67の厚み分だけ短い。主梁65に埋設されている長繊維は、図14に矢印S17で示すように主梁65の長尺方向に向けて延伸している。
小梁66は、上記した4本の主梁65a〜65dの間に、天面板25の長手方向に一定の間隔をあけて固定されている。主梁65a,65b間に固定されている小梁66aおよび主梁65c,65d間に固定されている小梁65cは、それぞれ天面板25の長尺方向の同位置に固定されている。一方、主梁65b,65c間に固定されている小梁65bは、小梁65a,65cの固定位置から天面板25の長尺方向にずれた位置に固定されている。即ち、小梁65a,65cと小梁65bとは、天面板25に対する固定位置が長尺方向にずれている。これに加えて、小梁65に埋設されている長繊維は、図14に矢印S18で示すように小梁65の長手方向に延伸しており、主梁65に埋設されている長繊維の方向(矢印S17)と直交している。そのため、床板52は、天面板25の上方から下方に向けて作用する力を効率よく分散し支持することができる。
端部部材67は、天面板25の一端側に固定される長尺状の板体であり、その両端面が主梁65に面接している。また、端部部材67には、主梁65b,65cの端面が面接触するように固定されている。主梁65b,65cは、端部部材67の厚み分だけ主梁65a,65dよりも短いため、傾斜部72a〜72dは端部が揃った状態で固定されている。端部部材67は、図14に矢印S19で示すように長繊維が端部部材67の長尺方向に引き揃えられている。即ち、端部部材67に埋設されている長繊維の方向は、天面板25および小梁66に埋設されている長繊維の方向と同一方向であり、主梁65に埋設されている長繊維の方向と直交している。
傾斜部72a,72bの間および傾斜部72c,72dの間には、上記した床板51と同様に芯材73が固定されている。芯材73は、断面形状が主梁65の端部に形成された傾斜部72と略同一形状である中実のブロック体である。芯材73は、側面が傾斜部72および小梁66に固定されると共に、その裏面側が補強板68,70に接着固定され、係合部75が形成されている。即ち、床板52は、長尺方向の一端側であって、その短手方向の両端部分に2つの係合部75が形成されたものである。
一方、傾斜部72b,72c間、即ち係合部75,75の中間部分に相当する部位には、芯材73は固定されていない。また、主梁65等で構成される骨格構造に固定された補強板68,70の積層体は、傾斜部72b,72c間に相当する部位が切り欠かれた略「コ」字型の板体である。そのため、床板52は、天面板25、主梁65b,65cおよび小梁66bによって包囲され、裏面側に開口した空洞部76を有している。空洞部76は、レール5を枕木40に固定する固定部材7を収納可能な大きさの空間である。そのため、空洞部76が枕木40に相当する位置となるように床板52を敷設すれば、固定部材7と床板52との接触による床板52の破壊を回避できる。
また、補強板68,70は、共に合成木材製であり、それぞれに埋設されている長繊維の方向が交差している。即ち、補強板68は、図14に矢印S20で示すように補強板68の短手方向に長繊維が引き揃えられ、埋設されたものである。また、補強板70は、図14に矢印S21で示すように補強板70の長尺方向に長繊維が引き揃えられたものである。そのため、補強板68,70の積層体は床板52の上方から作用する外力をしっかりと支持できる。
床板52は、敷設時に支承ブロック6の切り欠き部33に直接衝突するのを防止すべく、補強板70の裏面であって、端部部材67側の位置にゴム製でシート状の弾性部材71が固定されている。これにより、床板52上を通行する人や車両からの負荷や、床板52の敷設作業に伴って補強板70側の端部に作用する衝撃を緩和し、床板52の破壊を防止できる。
本実施形態の踏切50は、上記第1実施形態の踏切3と同様の手順、方法で敷設される。即ち、踏切50の設置に先立って、レール5,5の両側面に支承部材41を装着する。その後、床板51,52が、それぞれ長尺方向一端側に形成された係合部57,75が下方に向く姿勢とされ、この係合部57,75がレール5の側方に形成された溝43に嵌め込まれる。
係合部57が溝43の奥まで嵌り込むと、床板51の他端側が徐々に下方に降ろされ、レール5に装着された支承部材41に上方から押し込まれる。これにより、床板51の他端側の係合部57も溝43に嵌り込み、床板51がレール5,5間に固定される。
一方、床板52についても、長尺方向一端側に形成された係合部75が溝43の奥まで嵌め込まれた後、他端側が徐々に下方に降ろされる。これにより、床板52の他端側、即ち補強板70によって補強された側の端部が支承ブロック6の切り欠き部33に嵌り込み、床板52の敷設が完了する。
上記したように、本実施形態の踏切50を構成する床板51,52は、いずれも天面板10,25と、補強板61,62あるいは補強板68,70によって構成される下面部との間に主梁53,65および小梁55,66によって構成される骨格構造を設けたものである。主梁53,65および小梁55,66によって囲まれる部分は空洞になっているため、床板51,52は極めて軽量である。また、本実施形態の床板51,52は、主梁53,65および小梁55,66による骨格構造において踏切を通過する人や車両から作用する負荷を分散支持できる。
本実施形態の床板51,52は、主梁53,65および小梁55,66が交差する位置関係にあり、一方の側面が他方を支持している。そのため、床板51,52では、主梁53,65および小梁55,66に負荷が作用しても、この負荷を互いにしっかりと支持しあい、主梁53,65や小梁55,66の倒壊が起こらない。
床板51,52の下面部を構成する補強板61,68は、補強板62,70と埋設されている長繊維の方向が交差している。そのため、補強板61,62および補強板68,70で構成される下面部は、きわめて強度が高い。従って、床板51,52は、主梁53,65および小梁55,66に分散された荷重を補強板68,70によってしっかりと支持することができる。
続いて、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態の説明においても、上記第1,2実施形態と共通する部分については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。図16は、本実施形態の踏切を示す正面図および断面図である。図17〜19は、それぞれ図16に示す踏切を構成する床板の正面図、断面図、分解斜視図、並びに、斜視図である。また、図20は、図16に示す踏切を構成する床板の正面図および断面図である。図22〜24および図26,27は、本実施形態の踏切の敷設工程を示す斜視図および側面図である。図25は、図24の要部を拡大した斜視図である。
図16において80は第3実施形態の踏切である。踏切80は、上記第1,2実施形態の踏切3,50と同様にレール5,5間(軌間内)に敷設される床板81と、レール5,5とその外側に平行に配置された支承ブロック128,128との間(軌間外)に敷設される床板82,82とから構成されている。
床板81は、図17,18に示すように板状の天面板85の裏面に補強板86,87,88が固定され、一体化されたものである。天面板85は、図17に矢印S22で示すように、合成木材に埋設されている長繊維の方向が長手方向に向くように成形したものである。天面板85の裏面には、長尺方向両端部に穴部84が6つずつ設けられている。穴部84は、天面板85と補強板86,87とを固定するための埋栓102,103が挿入されるものであり、天面板85の短手方向に等間隔に窄孔されている。図17〜19に示すように、天面板85の長尺方向両端部は、切り欠き部90が設けられて段状になっている。
天面板85の長手方向に延伸した側面91,92には、凹部93が長尺方向に間隔を開けて2つずつ設けられている。側面91側の凹部93,93には、それぞれ角柱状の爪部材95,95が嵌め込まれ、接着固定されている。一方、側面92側の凹部93,93には爪部材95,95は嵌め込まれていない。そのため、床板81は、一方の側面91から爪部材95,95が天面板85の外側に向けて突出し、他方の側面92には爪部材93,93を嵌め込み可能な凹部93,93が露出している。天面板85は、長手方向両端部に側面91,92間を貫通する挿通孔94,94を有する。挿通孔94,94は、後述する連結軸135を挿通すべく設けられた貫通孔である。
補強板86,87は、それぞれ天面板85の裏面96側であって、長尺方向の両端部に積層され、接着固定されている。補強板86,87は、いずれも合成木材製であり、図17に矢印S23,24で示すように、埋設されている長繊維の方向がそれぞれの長手方向に向くように成型されている。即ち、補強板86,87に埋設されている長繊維の方向S23,24は、天面板85に埋設されている長繊維の方向S22と交差する関係にある。
補強板86,87は、図18に示すように、その長尺方向の長さが、天面板85の短手方向の長さと略同一の板体の一部を切り欠き、平面視が略「コ」字形となるように成形したものである。さらに具体的には、補強板86,87に設けられた切り欠き97,98は、いずれも補強板86の長辺の一方側を矩形状に切り欠いた部分である。切り欠き97,98は、いずれも補強板86,87の長辺の中央部に位置しており、その切り欠き幅Wは同一である。一方、切り欠き97の切り欠き長さD1は、切り欠き99の切り欠き長さD2よりも短い。そのため、補強板86、87を天面板85の裏面96上に重ね合わせると図19に示すように切り欠き部97,98によって段状の空間が形成される。
補強板86,87の短手方向の略中央部には、厚み方向に貫通した貫通孔100,101が複数設けられている。貫通孔100,101は、いずれも補強板86,87を天面板85の裏面に固定するための合成木材製の埋栓102,103を挿通するためのものである。貫通孔100は、補強板86の長尺方向に6つ等間隔に設けられている。また、貫通孔101は、切り欠き98の両側に補強板87の長尺方向に2つずつ設けられている。
貫通孔101は、補強板86,87を重ね合わせたときに補強板86の貫通孔100と連通する位置に設けられている。また、補強板86に設けられた貫通孔100のうち、中央にある2つの貫通孔100は、補強板86,87を重ね合わせたときに補強板87の切り欠き98側に露出する。
埋栓102は、側面に接着剤を塗布した状態で補強板87の貫通孔101に挿通され、補強板86の貫通孔100を貫通して天面板85の穴部84まで到達する。これにより、補強板86,87と天面板85とが一体化される。また、埋栓103は、補強板86の長尺方向中央部にあり、切り欠き98に露出している2つの貫通孔100から挿通され、天面板85の穴部84に至る。これにより、天面板85と補強板86とが一体化される。
天面板85と補強板86,87とが一体化されると、天面板85の裏面側には切り欠き97,98によって構成される空洞部105が形成される。空洞部105は、天面板85の長尺方向両端部であって、短手方向中央部に位置しており、レール5,5を枕木40に固定するための固定部材7(締結装置)を収納する収納部として機能する。即ち、空洞部105は、固定部材7との接触による床板81の破壊を防止すると共に、固定部材7が外部に露出するのを防止する効果を有する。
補強板88は、長辺が天面板85の短手方向の長さと同一の板体である。補強板88は、図17に矢印S25で示すように、埋設されている長繊維の方向が長手方向に向かって延伸している。補強板86は、天面板85の裏面96側に長尺方向を天面板85の短手方向に向けて接着固定される。そのため、補強板86の長繊維の延伸方向は、天面板85の長繊維の方向と交差している。
一方、軌間外に敷設される床板82は、主要部分が軌間内に敷設される床板81と略同様の構造を有している。床板82は、図20,21に示すように、合成木材製の板体である天面板110の長尺方向一端側に3枚の補強板84,86,87が積層されて固定されている。天面板110は、図20に矢印S26で示すように、長手方向に向かって延伸した長繊維が埋設されたものである。また、天面板110の裏面109に固定される補強板84は、上記した補強板86,87と同様に、長尺方向の長さが、天面板85の短手方向の長さと略同一の板体である。補強板84には、図20(b)に示すように補強板86,87の貫通孔100,101に対応する位置に貫通孔107が設けられている。貫通孔107は、補強板84,86,87を一体的に固定する埋栓102,103を挿通するためのものである。補強板84は、図20に矢印S28で示すように、長繊維が長手方向に引き揃えられたものである。即ち、補強板84は、長繊維の方向S28が補強板86,87の長繊維の方向S23,24と同様に天面板110の長繊維の方向S26と交差している。そのため、補強板84は、補強板86,87と共に天面板110に作用する荷重をしっかりと支持できる。
天面板110には、裏面側から表面側に向かう方向に窄孔され、埋栓102,103を挿入可能な穴部111が設けられている。天面板110の裏面側には、天面板110側から補強板84,86,87の順に積層されている。そして、補強板84,86,87は、補強板87側から貫通孔100,101,107および穴部111に挿通された埋栓102,103によって一体化されている。即ち、埋栓102は、補強板87の貫通孔101から挿通され、補強板86の貫通孔100および補強板84の貫通孔を貫通して天面板110の穴部111に嵌り込む。また、埋栓103は、補強板87の切り欠き98に露出した補強板86の貫通孔100から挿通され、補強板84の貫通孔を貫通して天面板110の穴部111に嵌り込む。これにより、補強板84,86,87が天面板110の裏面109に積層固定される。また、床板82の裏面側には、天面板110の短手方向中央部に切り欠き97,98および天面板110によって包囲された空洞部114が形成される。
天面板110の裏面109には、天面板110の短手方向両端部であって、長尺方向の中央部に、裏面109側の角を切り欠いた角落部108が設けられている。図21に示すように、裏面109には、角落部108を覆うように合成木材製で板状の挟持部材119が片持ち状に接着固定されており、凹部123が形成されている。凹部123は、側面112,113にそれぞれ1カ所ずつ設けられている。側面112側の凹部123には、角柱状の爪部材95が固定されており、一部が側面112から突出している。一方、側面113側の凹部123は、爪部材95が固定されておらず、爪部材95を挿入可能な空洞となっている。そのため、側面112と側面113とが面接触するように複数の床板82を配置すると、一方の床板82の側面112から突出した爪部材95が他方の床板82の側面113の凹部123に嵌り込み連結される。天面板110は、側面112から側面113側に貫通し、連結軸135を挿通するための挿通孔115が設けられている。
一方、天面板110の長尺方向他端側には、床板82の天面側から底面側に向かって貫通した貫通孔116が2つ設けられている。貫通孔116は、床板82を支承ブロック128に固定するためのボルト117を挿通するためのものである。貫通孔116は、天面板110の表面側にボルト117の頭部118を収納可能な頭部収納部120を有する構成となっている。
天面板110の他端側(貫通孔116側)には、合成木材製で板状の補強板121が接着固定されている。補強板121は、長尺方向の長さが天面板110の短手方向の長さと略同一の合成木材製の板体であり、図20に矢印S27で示すように、埋設されている長繊維の方向は天面板110の長手方向に延伸している。補強板121は、長繊維の方向S27が天面板110の長繊維の方向S26と略直交しており、天面板110を裏面側からしっかりと補強している。
補強板121には、天面板110の貫通孔116に相当する位置に表面側から裏面側に向けて貫通した貫通孔122が2つ設けられている。補強板121は、貫通孔116,122が連通するように固定されており、その側面が面一となっている。天面板110の裏面側には、シート状でゴム製の弾性部材125が接着固定されている。弾性部材125は、床板82に衝撃が作用することにより補強板121や天面板110が損傷するのを防止するためのものである。弾性部材125は、貫通孔116,122に相当する位置に孔126が設けられている。
支承ブロック128は、長尺状の部材であり、軌間外にレール5,5に沿って配置される。支承ブロック128は、天面128aがレール5の頭部5aの天面よりも床板82の補強板121が固定された部分の厚み分だけ下方に位置するように配置される。
続いて、床板81,82を用いた踏切80の敷設方法について説明する。上記したように、床板81はレール5,5によって構成される軌間内に敷設され、床板82は軌間外に敷設される。床板81,82の敷設に先立って、レール5,5の頭部5aと底部5bとの中間部分にあたる腹部5cの側面にはゴム製の支承部材130が装着される。支承部材130は、レール5の腹部5cを被覆する垂直部131と、底部5bを被覆する下床部132とを有する断面形状が略「L」字形の部材である。垂直部131の壁面は、支承部材130をレール5の側面に装着した際に頭部5aの側面と略面一となる。
床板81は、図22(b)に示すように道床および枕木40に対して水平な姿勢を維持したままレール5,5間に上方から押し込まれる。この時、床板81の短手方向略中央部、即ち切り欠き97,98によって形成される空洞部105が枕木40にレール5を固定するための固定部材7の位置に合致するように位置合わせされる。そのため、床板81は、図23に示すように短手方向の略中央部の直下に枕木40配置された状態で敷設される。レール5の側面に装着された支承部材130は、ゴム製であり弾力を有する。そのため、レール5,5間に床板81が装着されると、床板81は、長尺方向両端部が支承部材130の弾性により押圧され、レール5の延伸方向への位置ズレが阻止されると共に、床板81の上方から作用する衝撃を吸収する。
図22(c)および図23に示すように一枚目の床板81(81a)が装着されると、この床板81aの隣に二枚目の床板81(81b)が敷設される。さらに具体的には、2枚目の床板81bは、天面板85の側面93側と、上記した床板81aを構成する天面板85の側面92とが対向するようにレール5,5の上方からレール5,5間に押し込まれる。なお、二枚目の床板81bについても、天面板85の裏側に設けられた空洞部105が枕木40にレール5を固定するための固定部材7(締結装置)の位置に合致するように位置合わせされた状態でレール5,5間に装着される。そのため、固定部材7は、床板81の底面側に開口した空洞部105内に収納され、床板81とは直接接触しない。
床板81bの側面93側には爪部材95が突出しているため、レール5,5間に装着された時点では、先に敷設されている床板81aと床板81bとの間に僅かではあるが隙間が空いている。床板81bは、図25に示すようにレール5,5間に装着された時点で側面93が床板81aの側面92と対向した位置関係にある。即ち、床板81b側の爪部材95は、床板81a側の凹部93と対向した位置関係にある。
床板81bがレール5,5間に装着されると、床板81bは、図24に矢印で示すように側面93を叩くなどして床板81a側に移動させられる。これにより、図24,25に示すように床板81bの側面92から突出した爪部材95が床板81aの側面93にある凹部93内に侵入し、嵌合する。
床板81a,81b間の隙間がなくなるまで床板85bを叩き込むと、これに続いて連結軸135が床板81aの側面92側あるいは床板81bの側面93側に開口した2つの貫通孔94,94に挿通される。
連結軸135は、図24に示すように、長尺でその両端部にネジ部138,138が設けられたネジ軸である。連結軸135は、全長L1が床板81a,81bの幅(短手方向の長さ)L2の2倍を越える。床板81aあるいは床板81bの貫通孔94,94から挿通された連結軸135は、他方の床板81b,81aの貫通孔94,94から突出する。床板81a,81bの側面92,93から突出した連結軸135のネジ部138,138にはそれぞれナット140が装着され、これにより床板81aと床板81bとが一体化される。これにより、レール5,5で構成される軌間内への床板81a、81bの敷設が完了する。
一方、レール5,5の外側(軌間外)には、上記した床板82が敷設される。床板82は、図22(b)に示すように、天面板110に補強板87,88が積層された空洞部114側の端部がレール5側に向く姿勢とされ、レール5および支承ブロック127の上方から装着される。この時、床板82は、図22(c)に示すように、空洞部114側の側面がレール5の頭部5aの側面および支承部材130の垂直部131に面接触しており、空洞部114にレール5を枕木40に固定する固定部材7(締結装置)が収納されている。また、床板82の補強板121によって補強された側の端部は、軌間外にレール5に沿って設置された支承ブロック128の天面上に搭載された状態となる。この状態で、床板82の貫通孔116からボルト117が挿通され、支承ブロック128の天面128aに固定される。これにより、床板82は、レール5,5の外側に固定される。
床板82は、上記した床板81と同様に、レール5の延伸方向に2枚隣接した状態で敷設される。上記したようにして一枚目の床板82(82a)が軌間外に敷設されると、この床板82aに隣接する位置に2枚目の床板82(82b)が設置され、床板82aに接続される。さらに具体的には、例えば図26に示すような姿勢で床板82aが固定されている場合、床板82bは、図27に示すように、床板82aの側面112と床板82bの側面113とが対向するように配置される。この時、先に敷設されている床板82aの側面112から爪部材95が突出しているため、その分だけ床板82bは床板82aと間隔を開けて配置されることとなる。
床板82bが床板82aに隣接する位置に配置されると、床板82bが図24に矢印で示すように床板82a側に移動させられる。これにより既設の床板81aの側面112から突出した爪部材95が床板82bの側面113に設けられた凹部123に侵入して係合する。床板82bが床板82aと隙間なく並ぶと、床板82bの側面112から突出している爪部材95が床板82aの側面113に角落部108と挟持部材119により形成された溝に完全に嵌り込み、床板82a,82bが一体化される。
床板82a,82bが隙間がなく並ぶと、床板82aの側面112あるいは床板82bの側面113に開口した各挿通孔115から連結軸135が挿通される。連結軸135は、床板82a,82bを貫通し、その両端側のネジ部138が床板82bの側面112および床板82bの側面113側から突出する。床板82a,82bは、ネジ部138にナット140を締結することにより一体化される。
本実施形態の床板81,82は、いずれも構成部材の大部分が合成木材製であるため、従来の鉄筋コンクリート製の床板よりも遙かに軽量である。そのため、本実施形態の踏切80は、敷設に要する労力が少なく、容易に敷設できる。
床板81,82は、主要部が天面板85,110によって構成されており、この裏面側に補強板86,87,88や補強板84,121を積層固定して補強したものである。そのため、床板81,82は、踏切80を通過する人や車両から天面板85,110に負荷が作用してもひび割れ等を起こすことなくしっかりと支持できる。
上記したように、本実施形態の床板81,82とレール5との間に介在している支承部材130は、レール5に装着されることにより垂直部131とレール5の頭部5aの側面とが面一になる。そのため、床板81,82は、レール5に対して水平に下降あるいは上昇させるだけで敷設や取り外しができる。従って、本実施形態の踏切80は、特殊な工具等を用いることなく床板81,82を敷設あるいは取り外しできる。
本実施形態の踏切80は、複数の床板81あるいは床板82を連結可能なように凹部93,123や爪部材95を側面91,92や側面112,113に設けたものである。床板81,82は、凹部93,123に爪部材95を係合させることにより天面板85,110が面一となるため、高さ調整をさほど厳密に行う必要がない。従って、床板81,82は、特別な高さ調整を行うことなく隣接する天面板85,110同士が面一となるように敷設できる。
上記第3実施形態では、単体の板体で構成される天面板85を裏面側に複数の補強板86〜88を接着固定することにより補強された床板81を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば床板81に代わって図28〜30に示すような床板145を採用することも可能である。
床板145は、単体の板体で構成される天面板146の裏面側に、補強板147,148,150,151を固定し、補強したものである。さらに具体的に説明すると、天面板146は、図28に矢印S28で示すように長尺方向に引き揃えた長繊維が埋設された合成木材製の部材であり、外観が平板状となっている。天面板146の裏面側には、長尺方向の両端部に段部153が成形されている。また、天面板146の裏面には、各段部153に沿って一列に並んだ6つの穴部155がある。
補強板147は、平面視が略矩形の板体であり、その長尺方向の長さは天面板146の短手方向の長さに等しい。補強板147は、天面板146の裏面にある段部153の境界部分に貼付されている。また、補強板147に埋設されている長繊維は、図28に矢印S29で示すように、補強板147の長手方向に引き揃えられている。そのため、補強板147に埋設されている長繊維の方向S29は、天面板146の長繊維の方向S28と略直交している。補強板147は、長尺方向に一列に並んだ6つの貫通孔156を有する。貫通孔156は、補強板147を天面板146の裏面に貼付した時に、天面板146の穴部155と連通する位置に設けられている。
補強板148は、長尺方向の長さが天面板146の短手方向の長さと同一の板体の一部を切り欠いた部材であり、これにより切り欠き157と、その両側に腕部158とが形成された平面視が略「コ」字形の部材である。補強板148は、床板145の最も底面側(図中上方側)に接着固定されるものであり、切り欠き157および腕部158を天面板146の長尺方向外側に向けた姿勢で固定される。補強板148に埋設されている長繊維は、図28に矢印S30で示すように補強板148の長尺方向に延伸しており、天面板146の長繊維の方向と略直交している。
補強板148には、長尺方向に並んだ4つの貫通孔160が設けられている。貫通孔160は、補強板148を補強板147に積層したとき、補強板147の貫通孔156および天面板146の穴部155と連通する。また、補強板148を補強板147に積層して固定すると、上記した腕部158が天面板153の長尺方向外側、即ち段部153側に突出し、腕部158と段部153との間に溝部161が形成される。溝部161には、後述する芯材152が固定される。
補強板147,148は、互いの接触面および天面板146との接触面が接着固定される。また、補強板147,148は、側面に接着剤が塗布された合成木材製の埋栓162を補強板148の貫通孔160側から打ち込むことにより一体化される。また、補強板147は、補強板148の切り欠き157に露出している貫通孔156から埋栓163を打ち込むことによっても天面板146に固定される。
また、補強板147,148は、床板145の長尺方向内側の側面147a,148aにわたって接着剤で固定された補強板150によって一体化され、補強されている。補強板150は、長尺方向の長さが天面板146の幅(短手方向の長さ)と同一で角柱状の部材で、長尺方向(図28の矢印S31方向)に長繊維が引き揃えられて埋設されている。そのため、補強板150の長繊維の方向は、補強板147,148と同様に天面板145の長繊維の方向と交差しており、天面板145に作用する荷重をしっかりと支持できる。
天面板146の裏面側であって、天面板146の長手方向の中間部には2枚の補強板151が接着固定され補強されている。補強板151は、合成木材製であり、長手方向の長さが天面板146の短手方向の長さと同一である。また、補強板151に埋設されている長繊維の方向は、図28に矢印S32で示すように補強板151の長手方向に延伸しており、天面板146の長繊維の方向S28と略直交している。
溝部161には、芯材152が装着され固定されている。芯材152は、合成木材製で中実の部材である。芯材152は、天面152aの中途部分から側面152bにかけて底面152c側になだらかに傾斜した傾斜面152dを有する先細り形状となっている。芯材152は、天面152aが天面板146の段部153と面接触し、底面152cが補強板148と面接触する。芯材152は、床板145の四隅に固定されており、そのいずれもが床板145の長尺方向に突出し、傾斜面152dが床板145の天面側に露出している。即ち、芯材152は、溝部161に挟持されると共に、床板145の四隅から爪状に突出している。
一方、床板145の長尺方向両端部には、2つの芯材152の間に床板145の天面側から底面側に向けて貫通した空洞部165がある。この空洞部165は、床板145を敷設する際にレール5,5を枕木40に固定するための固定部材7が床板145に接触するのを防止するために設けられた部分である。換言すれば、床板145は、空洞部165に固定部材7が納まるように位置合わせされ敷設される。
床板145は、上記第1実施形態の床板1と同様にしてレール5,5間に固定される。さらに具体的には、床板145を軌間内に固定する場合、上記第1実施形態において採用した支承部材41を介して装着される。即ち、床板145は、一方のレール5に装着された支承部材41によって形成される溝43に床板145の長尺方向一端側から突出した芯材152を下方に向けた傾斜した姿勢で押し込まれる。この際、床板145は、空洞部165がレール5を枕木40に固定するための固定部材7の位置に合致するように位置あわせされる。床板145の一端側から突出した芯材152が溝43の奥まで押し込まれると、床板145の他端側が下方におろされる。床板145の他端側に固定された芯材152は、もう一方のレール5の内側に装着された支承部材41の上方の上舌部45に当接する。この状態で床板145の他端側を上方から押し込むと、芯材152は、上舌部45を変形させて乗り越え、溝43内に嵌り込む。芯材152が乗り越えると、上舌部45は弾性により元の形状に復元し、芯材152の上面を押さえ込む。そのため、床板145は、一端側に集中的に負荷が作用するなどしても他端側の芯材152が上舌部45によって押さえ込まれ浮き上がらない。
続いて、本発明の第4実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の説明においても、上記第1〜3実施形態の踏切3,50,80等と共通する部分については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。図31は、本実施形態の踏切を示す正面図および断面図である。また、図32〜34は、それぞれ本実施形態の踏切を構成する床板の正面図、断面図、分解斜視図、並びに、斜視図である。また、図35,36は、それぞれ本実施形態の踏切を構成する床板の正面図、断面図、並びに、斜視図である。図37,39は、図32〜36に示す床板に採用されている連結補強板を示す斜視図である。図38は、本実施形態において採用されているカラー部材を示す斜視図、正面図、並びに、側面図である。
図31において170は本実施形態の踏切であり、171,172は踏切170を構成する床板である。床板171は、上記第3実施形態の踏切80を構成する床板81と構成の大部分が共通している。さらに具体的には、床板171は、天面板85と略同一の天面板173の裏面側に補強板86,87を接着固定したものである。
天面板173は、天面板85の凹部93に類する部位を有していないが、裏面176に埋栓102,103を挿入するための穴部179が列状に設けられている点や、長尺方向に延伸した一方の側面177から他方の側面178に向かって貫通した挿通孔180,180を有する点、長繊維の方向が長手方向(図32の矢印S35方向)に引き揃えられている点等については天面板85と同様の構成を有する。即ち、天面板173は、凹部93に相当する部位を有していない点のみが天面板85と異なる。
補強板86,87は、いずれも天面板173の長尺方向両端部に位置しており、それぞれ切り欠き97,98を天面板173の長尺方向外側に向け、埋栓102,103および接着剤を用いて固定されている。そのため、床板171の裏面側には、切り欠き97,98および天面板173によって囲まれた空洞部175が形成される。また、補強板86,87は、長繊維の方向が図32に矢印S36,37で示すように天面板173の長繊維の方向(図32の矢印S35方向)と略直交しており、天面板173を補強している。
空洞部175は、床板171の長尺方向の両端部であって、短手方向略中央部に位置している。空洞部175は、床板171の底面側に向かって開口しており、レール5と枕木40とを固定するための固定部材7(締結装置)を収納可能な大きさとなっている。
天面板173の裏面176には、2枚の補強板181,181が接着固定されている。補強板181は、長手方向を天面板173の短手方向に向けて固定される板状の部材であり、その長さは補強板181の短手方向の長さよりも短い。さらに具体的には、図33に網目状に示すように、天面板173の裏面には、後述する連結補強板183を固定するための固定しろ部分があり、補強板181の長さは、この固定しろの分だけ天面板173の短手方向の長さより短くなっている。補強板181は、図32に矢印S38で示すように、長尺方向に引き揃えた長繊維が埋設されている。補強板181は、長繊維の方向S38が天面板173の長繊維の方向S35に対して交差しており、天面板173を裏面176側から補強している。
天面板173の裏面176には、平板状の連結補強板183が固定されている。連結補強板183は、図33に示すように長尺方向に延伸する側面185側を等間隔に切り欠き、矩形状の凸部186と凹部187とを成形したものである。凸部186および凹部187は、共にその幅がtで同一である。そのため、仮に図37に示すように2本の連結補強板183を側面185同士が対向するように配置すると、一方の連結補強板183の凸部186は、他方の凹部187と噛み合う。
連結補強板183は、図34に示すように裏面176にある固定しろ部分に接着固定されている。凸部186の一部分は、天面板173の側面177あるいは側面178から天面板173の短手方向外側に突出している。一方、凹部187は、天面板173上に位置しており、これにより天面板173および凹部187によって包囲される係合部188が形成されている。連結補強板183は、裏面176の両長辺に沿って片持ち状に固定されている。天面板173の裏面176に固定された2つの連結補強板183のうちの一方は天面190が床板171の裏面176に面接触するように固定されており、他方は底面191が裏面176に面接触するように固定されている。そのため、仮に2枚の床板171を天面板173の側面177と側面178とが対向するように配置した場合、図37に示すように2本の連結補強板183が対向し、一方の床板171側の凸部186が、他方の床板171側の凹部187により形成された連結部188に係合する。
天面板173の側面177,178に設けられた各挿通孔180には、カラー部材192が装着されている。カラー部材192は、ステンレス鋼を成形加工したものであり、図33,38に示すように筒部193と、その一端側に設けられた円板形のフランジ部195とを有する。カラー部材192は、筒部193が挿通孔180内に挿通され、フランジ部195が天面板177の側面177,178とほぼ面一になった状態で固定される。カラー部材192は、ステンレス鋼を加工したものであるため、錆びにくく、合成木材よりも表面のすべり特性がよい。そのため、複数の床板171を並設する場合に側面177,178が互いに対向するように配置すれば、人や車両の通過に伴う振動によって床板171同士がこすれ合っても、これによる床板171の摩耗が起こらない。
一方、レール5,5の外側に敷設され床板172は、図35,36に示すように大部分の構成が上記第3実施形態の床板82と類似している。床板172は、床板82の天面板110と略同一の構成、形状の天面板195を有する。さらに具体的には、天面板195は、角落部108に相当する部位がないこと以外は天面板110と略同一の構成を有する部材である。即ち、天面板195は、天面板110と同様に長尺方向(図35中 矢印S40方向)に引き揃えられた長繊維が埋設された部材であり、その裏面196側に補強板84,86,87,121を固定して補強したものである。補強板84,86,87は、床板82の場合と同様に天面板195の長尺方向一端側に積層された状態で埋栓102,103および接着剤を用いて固定されている。上記したように、補強板86,87は、切り欠き97,98を有する略「コ」字形の板体である。そのため、床板172の裏面側には、切り欠き97,98および天面板195によって包囲された空洞部200が形成されている。
天面板195の他端側には、上記第3実施形態において説明した床板82と同様に補強板121が固定されている。床板172の補強板121側の端部には、天面板195側から補強板121側に向けて貫通した貫通孔201が設けられている。貫通孔201は、天面板195の長尺方向一端側において厚さ方向に貫通した貫通孔202と補強板121の貫通孔122とが連通して形成されるものであり、床板172の敷設に使用されるボルト117を挿通するためのものである。貫通孔202は、ボルト117の頭部118を収納可能な大径の開口部分と、ネジ軸119のみを挿通可能な小径の開口部分とを有する。
床板172は、長尺方向に延伸する両側面間を貫通する貫通孔203,204を有する。貫通孔203は、床板172の長尺方向一端側に積層された補強板197に相当する部分を貫通する貫通孔である。また、貫通孔205は、天面板172と補強板121との境界部分を、床板172の短手方向に貫通する貫通孔である。貫通孔203,204には、それぞれ上記したカラー部材192が装着されている。そのため、複数の床板172を並設した場合に床板172同士が、人や車両の通行に伴い発生する振動等で床板172同士がこすれ合っても床板172は摩耗しない。
天面板173の裏面176には、天面板173の短手方向両端部であって、長尺方向の中央部には、連結補強板205が固定されている。連結補強板205は、図35,36や図39に示すように直方体状の板体を構成する側面206側を切り欠き、凸部207と凹部208とを形成したものである。凸部207および凹部208の幅は、共にt’で同一である。そのため、図39に示すように2本の連結補強板205を側面206同士が対向するように配置した場合、一方の連結補強板205の凸部207は他方の凹部208に嵌る。
連結補強板183は、図35,36に示すように、側面206側が天面板195の短手方向外側に向くように片持ち状に固定される。そのため、凸部207の一部は、床板172の長尺方向に延伸した側面212,213から外側に向けて突出している。一方、凹部208に相当する部位には、凹部208と天面板195とによって包囲される係合部210が形成されている。即ち、床板172の側面212,213には、凹部208により形成され、凸部207が係合可能な係合部210が形成されている。
本実施形態の踏切170は、床板171をレール5,5間(軌間内)に複数連結すると共に、床板172を軌間外に複数連結して構成される。さらに具体的には、先ず一枚目の床板171は、上記第3実施形態の床板81と同様にしてレール5の内側面に装着された支承部材130,130間に上方から嵌め込まれ設置される。一枚目の床板171(171a)の設置が完了すると、これに隣接する位置に二枚目の床板171(171b)が嵌め込まれる。二枚目の床板171bは、一枚目の床板171aの側面178と、二枚目の床板171bの側面177とが対向するように設置される。そのため、床板171aの連結補強板183と床板171bの連結補強板183とは図37に示すように対向する。二枚目の床板171bを支承部材130,130間に嵌め込んだ後、床板171bを床板171a側に移動させると、一方の床板171から突出している凸部186が他方の床板171に凹部187により形成されている連結部188に嵌り込む。
床板171a,171b同士の間隔がなくなるまで床板171bを床板171a側に移動させると、これに続いて床板171aの側面177あるいは床板171bの側面178側のいずれか一方に設けられたカラー部材192に連結軸135が挿通される。連結軸135は、二枚の床板171a,171bの挿通孔180を貫通し、床板171a側あるいは床板171b側に突出する。床板171a,171bの側面177,178から突出した連結軸135のネジ部138にナット40を締結することにより、床板171a,171bが一体化される。
軌間外に敷設される床板172についても、上記第3実施形態の床板82と同様にして軌間外に、レール5の延伸方向に2枚隣接した状態で敷設される。上記した床板82を敷設する場合と同様に、一枚目の床板172(172a)は、3枚の補強板84,86,87が積層された空洞部200側の端部がレール5側に向く姿勢でレール5および支承ブロック127の上方から装着され、貫通孔116に挿通されたボルト117によって支承ブロック128に固定される。
一枚目の床板172aの設置が完了すると、この床板172aに隣接する位置に同様にして二枚目の床板82(82b)が設置される。この時、二枚目の床板82bは、側面213が一枚目の床板172aの側面212に対向する姿勢で設置される。そのため、床板172aの連結補強板205と床板171aの補強板205とは、図39に示すように一方の凸部207が他方の凹部208に対向した状態となっている。
二枚目の床板172bを既設の床板172aに隣接した位置に設置した後、床板172bを床板172a側に移動させると、一方から突出している凸部207が他方の凹部208により形成されている係合部210に嵌り込む。床板172bの移動により床板172a,172b間の隙間がなくなると、床板172bは貫通孔202から挿通されたボルト117によって支承ブロック128に固定される。
床板172a,172bは、外部に露出している側面212,213のいずれかに装着されたカラー部材192に連結軸135を挿通し、この両端のネジ部138にナット40を締結することにより一体化される。
本実施形態の踏切170を構成する床板171,172は、天面板173,195をはじめとする構成部材の大部分が合成木材製であり、極めて軽量であるため取り回しが容易である。さらに、レール5と床板171,172との間に介在する支承部材130は、レール5の頭部5aの側面と面一となる垂直部131を有している。そのため、踏切170は、床板171,172をレール5に対して水平に下降あるいは上昇させるだけで敷設や取り外しができる。
上記各実施形態では、天面板10等の天面に砂を固着させた例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば表面を荒らすなどして凹凸を設けたり、溝を設けるなどして表面の摩擦係数を合成木材よりも高くしたものであってもよい。かかる構成によれば、雨天時などに天面板10等が濡れているなどしても、踏切3等を横断する人や車両のスリップを防止できる。
また、上記実施形態では、天面板10の天面の表面のみを摩擦係数が合成木材よりも高くなるように加工した例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば天面板10の裏面側や側面、あるいは他部材の表面の摩擦係数を合成木材よりも高くなるように加工したものであってもよい。天面板10の底面や側面の一部または全部の摩擦係数が合成木材よりも高い構成とすれば、踏切用床板に作用する外力による敷設位置のズレ等を防止できる。
また、上記実施形態では、天面板10の天面全体の摩擦係数を合成木材よりも高くなるように加工した構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば縞状に砂等を固着させるなどして、表面の一部のみが合成木材の摩擦係数よりも高くなるように加工したものであってもよい。
上記第3実施形態や第4実施形態では、床板81,82や床板171,172の側面に装着されるカラー部材192の材質の一例としてステンレス鋼を例示したが、カラー部材192は他のいかなる材質で作製されても良い。なお、カラー部材192は、床板81,82および床板171,172の耐久性の観点から、合成木材よりも摩耗性、耐久性に優れたものであることが望ましい。
上記したように、第3,4実施形態では、カラー部材192を採用することで、摩擦による床板81,82,171,172の摩耗を防止する例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば隣接する床板81等の間に合成木材よりも耐摩耗性に優れた材質で作製された部材を介在させたり、床板81等の側面自身を耐摩耗処理を施してもよい。
本発明の一実施形態である踏切を示す斜視図である。 図1に示す踏切の正面図および断面図である。 (a)は図1に示す踏切を構成する床板を示す正面図であり、(b),(c)は(a)のA−A,B−B断面図である。 図3に示す床板を底面側から観察した一部破断斜視図である。 図1に示す踏切を構成する床板を示す正面図、側面図および断面図である。 図5に示す床板を底面側から観察した一部破断斜視図である。 (a)は、図1に示す踏切の敷設に使用される支承部材を示す斜視図であり、同(b),(c)は、本実施形態の踏切を敷設工程における要部の様子を拡大した側面図および正面図である。 図1に示す踏切の敷設方法を示す側面図である。 図1に示す踏切において採用される床板の要部を拡大した斜視図である。 本発明の第2実施形態の踏切を示す正面図および断面図である。 (a)は図10に示す踏切で採用されている床板を示す正面図、(b),(c),(e)は(a)のA−A,B−B,C−C断面図、(d)は(a)のD方向矢視図である。 図11に示す床板を裏面側から観察した斜視図である。 図11に示す床板の一部を示す分解斜視図である。 図10に示す踏切で採用されている床板を示す正面図、(b),(c),(e)は(a)のA−A,B−B,C−C断面図、(d)は(a)のD方向矢視図である。 図14に示す床板を裏面側から観察した斜視図である。 本発明の第3実施形態の踏切を示す正面図および断面図である。 (a)は図16に示す踏切を構成する床板の正面図、(b),(c),(e)は(a)のA−A,B−B,C−C断面図、(d)は(a)のD方向矢視図である。 図17に示す床板の分解斜視図である。 図17に示す床板を裏面側から観察した斜視図である。 (a)は図16に示す踏切を構成する床板の正面図、(b),(c),(e)は(a)のA−A,B−B,C−C断面図、(d)は(a)の側面図である。 (a)は図17に示す床板を裏面側から観察した斜視図であり、同(b)は同(a)のA−A断面図である。 図16に示す踏切の敷設工程を示す斜視図および側面図である。 図16に示す踏切の敷設工程を示す斜視図である。 図16に示す踏切の敷設工程を示す斜視図である。 図24の要部を拡大した斜視図である。 図16に示す踏切の敷設工程を示す斜視図である。 図16に示す踏切の敷設工程を示す斜視図である。 (a)は図17に示す床板の変形例を示す正面図、(b),(c)は(a)のA−A,B−B断面図、(d)は(a)の側面図である。 図28に示す床板の分解斜視図である。 図28に示す床板を裏面側から観察した状態を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態の踏切を示す正面図および断面図である。 図31に示す踏切を構成する床板の正面図および断面図である。 図32に示す床板の分解斜視図である。 図32に示す床板を裏面側から観察した状態を示す斜視図である。 (a)は図31に示す踏切を構成する床板の正面図、(b),(c),(d)は(a)のA−A,B−B,C−C断面図、(e)は(a)の側面図である。 図35に示す床板を裏面側から観察した状態を示す斜視図である。 図32に示す床板において採用されている連結補強板を示す斜視図である。 カラー部材を示す斜視図、正面図、並びに、側面図である。 図35に示す床板において採用されている連結補強板を示す斜視図である。 従来技術の踏切を示す正面図である。 従来技術の踏切を示す断面図である。 図41の要部拡大図である。
符号の説明
1,2,51,52,81,82,145,171,172 床板
3,50,80,170 踏切
5 レール
5a 頭部
5b 腹部
6,128 支承ブロック
7 固定部材
10,25,85,110 天面板
11,26,53,65 主梁
12,27,55,66 小梁
13,28 連結材
20,36,57 係合部
21,60,76,105,114,175,200 空洞部
40 枕木
41,130 支承部材
45 上舌部(浮上阻止手段)
61,62,68,70,84,86,87,88 補強板
67 端部部材
71,125 弾性部材
93 凹部
95 爪部材
121,181,197,198 補強板
146,147,148,150,151,173,195 天面板
183,205 連結補強板
192 カラー部材

Claims (10)

  1. 軌間内あるいは軌間外に敷設され踏切を構成する踏切用床板において、踏切用床板は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の床板部を天面とするものであり、床板部の裏面側には、床板部の長手方向に延伸した合成木材製の主梁部と、床板部の短手方向に延伸した合成木材製の小梁部とが固定されており、当該小梁部および主梁部は合成木材製の連結部材によって連結されており、前記主梁部の長繊維の方向が、床板部および小梁部の長繊維の方向と交差していることを特徴とする踏切用床板。
  2. 軌間内あるいは軌間外に敷設され踏切を構成する踏切用床板において、踏切用床板は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の床板部を天面とし、合成木材製の下面部を底面とするものであり、床板部と下面部との間には、床板部の長手方向に延伸した合成木材製の主梁部と、床板部の短手方向に延伸した合成木材製の小梁部とが固定されており、前記主梁部の長繊維の方向は、床板部、下面部および小梁部の長繊維の方向と交差していることを特徴とする踏切用床板。
  3. 下面部は、合成木材製の板体を複数積層して構成されるものであり、一又は複数の板体の長繊維の方向が、他の板体および床板部の長繊維の方向と交差していることを特徴とする請求項2に記載の踏切用床板。
  4. 軌間内あるいは軌間外に敷設され踏切を構成する踏切用床板において、踏切用床板は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の床板部を天面とするものであり、床板部の裏面側には、合成木材製の補強部材が長手方向を床板部の短手方向に向けて固定されており、前記床板部の長繊維の方向と補強部材の長繊維の方向とが交差していることを特徴とする踏切用床板。
  5. 補強部材は、長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した合成木材製の板体を複数積層して構成されるものであり、一又は複数の板体の長繊維の方向は他の板体および床板部の長繊維の方向と交差していることを特徴とする請求項4に記載の踏切用床板。
  6. 床板部に対して水平方向及び/又は垂直方向に突出した係合部と、当該係合部が係合可能な被係合部とを有し、係合部と、隣接する踏切用床板の被係合部とを係合させることにより隣接する踏切用床板同士が連結され、床板部が面一となることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の踏切用床板。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板を敷設して構成されることを特徴とする踏切。
  8. 鉄道の車輪と面接する頭部と、当該頭部に連続する腹部とを有するレールに沿って請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板を敷設して構成される踏切であって、前記踏切用床板とレールとの間には支承部材が介在しており、当該支承部材は、レールの腹部を被覆し、前記頭部の側面と略面一となる被覆部を有することを特徴とする踏切。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板を軌間内あるいは軌間外に敷設して構成され、前記踏切用床板の上方への移動を阻止する浮上防止手段によって踏切用床板が保持されていることを特徴とする踏切。
  10. 請求項1乃至6のいずれかに記載の踏切用床板の対向する側面間を連通する連通孔を設け、当該連通孔に挿通された連結軸により複数の踏切用床板を連結したことを特徴とする踏切。
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