続いて、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の踏切を示す正面図および断面図である。図2は、それぞれ図1に示す踏切において採用されている床板を示す平面図、断面図および側面図である。図3は、図2に示す床板を裏面側から観察した斜視図であり、図4はこの分解斜視図である。また、図5は、図2の床板において採用されている補強連結板を示す斜視図であり、図6は、カラー部材の斜視図、正面図および断面図である。なお、以下の説明において、上下方向や表裏、天地の位置関係は、特に断りのない限り踏切を敷設した状態を基準とする。
図1において、1は本実施形態の踏切である。踏切1は、道床を覆うように床板2,3を敷設して形成されるものである。床板2は、道床上に一定間隔で配置された複数の枕木5上にレール6,6を平行に敷設して形成される軌間内に敷設されたものである。また、床板3は、レール6,6の外側に、レール6,6と、これに対して平行に配置された支承ブロック7,7(支持部材)とにわたって敷設されたものである。床板2,3は、いずれもレール6,6の延伸方向に短手方向が向き、長手方向がレール6,6に対して交差するように敷設される。
床板2,3は、いずれも構成部材の大部分が所定方向に向けて埋設した長繊維で補強した樹脂、すなわち合成木材により形成されたものであり、より好ましくはガラス長繊維を所定方向に引き揃えて埋設した熱硬化性樹脂発砲体(例えば、積水化学工業株式会社製、商品名「エスロンネオランバーFFU」など)により形成されたものである。合成木材は、長年にわたって風雨にさらされる環境下に配置されても腐食などの劣化がおこらないため、床板2,3の構成材料として好適に使用できる。
床板2は、図1〜図3に示すように、平板状の天面板10に対して補強板11,12,13を接着剤等を用いて固定したものである。ここで、天面板10等の各部材を接着する接着剤は、特に限定されるものではなく、各部材を構成する合成木材の長繊維や熱硬化性樹脂発泡体などの材質に応じて適宜選定することができる。例えば、天面板10や補強板11,12,13がガラス長繊維と硬質ウレタン樹脂発泡体とによって構成されている場合、接着剤としてエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
床板2は、長尺方向の両端にレール6(他部材)に対向する対向面2a,2bを有する。また、床板2は、レール6の延伸方向に対して交差する方向に拡がる側面2c,2dを有する。側面2c,2dは、対向面2a,2bに隣接する面であり、図1や図13に示すように床板2を複数並べて敷設した状態において隣接する床板2の側面2c,2dと面接触する。
天面板10は、図2に矢印F1で示すように、長手方向に長繊維を引き揃えて埋設した合成木材製の部材である。天面板10は、天面16に砂等を吹き付けることにより滑り止め加工を施したものである。そのため、天面板10は、天面16が裏面17等の他の面や床板2の底面をなす補強板12や補強板13よりも摩擦係数が高い。従って、踏切1は、雨天時等で天面板10が濡れている場合であっても床板2上を通過する人や車両がスリップ等を起こさず安全に通過できる。
天面板10の天面16側には、図2〜4に示すように天面板10の長尺方向両端部の角が切り落とされ段状になった角落部18が設けられている。また、裏面17の長尺方向両端部には、図4に示すように6つの凹部20が列状に設けられている。凹部20は、補強板11,12を固定するための埋栓21あるいは埋栓22を嵌入するためのものである。
天面板10の長尺方向両端部には、補強板11,12が積層され、接着剤および合成木材製の埋栓21,22によって固定されている。補強板11,12は、図4に示すようにそれぞれの長尺方向中途部に切り欠き23,25が設けられている。切り欠き23,25は、側面11a,12a側から側面11b,12b側に向けて矩形状に切り込まれた部位であり、これにより補強板11,12は平面視が略「コ」字型になっている。補強板11,12は、いずれも合成木材製の板体であり、図2に矢印F2で示すように長繊維を各補強板11,12の長尺方向に引き揃えて埋設したものである。
補強板11の短手方向中間部には、図4に示すように長手方向に等間隔に並んだ6つの貫通孔27が設けられている。また、補強板12には、切り欠き25を挟んで長尺方向に一列に並んだ4つの貫通孔28が設けられている。補強板11,12は、側面11a,12aが天面板10の角落部18側に揃うように積層される。この状態において、補強板11の長尺方向中央部にある2つの貫通孔27は、補強板12の切り欠き25側に露出し、他の貫通孔27は補強板12の貫通孔28と連通する。補強板11,12は、補強板12の貫通孔28あるいは切り欠き25に露出した貫通孔27から埋栓21,22を挿通することにより一体化され、天面板10の裏面17に積層固定されている。
補強板11,12に設けられた切り欠き23,25は、いずれも各補強板11,12の長辺の略中央部に位置しており、その幅Wは同一である。一方、補強板11の切り欠き23の切り欠き長さD1は、補強板12の切り欠き25の切り欠き長さD2よりも短い。そのため、天面板10の裏面17側から補強板11,12の順で積層すると天面板10の長尺方向両端部であって、短尺方向略中央部に切り欠き部23,25および裏面17によって囲まれた段状の空洞部26が形成される。空洞部26は、レール6,6を枕木5に固定するための固定部材8(締結装置)を収納する収納部として機能する。即ち、空洞部26は、固定部材8との接触による床板2の破壊を防止すると共に、固定部材8が外部に露出するのを防止する効果を有する。
天面板10は、裏面17の長尺方向中途部に2枚の補強板13が接着固定され、補強されている。補強板13は、それぞれ長手方向を天面板10の短手方向に向けて固定されている。補強板13は、長手方向の長さが天面板10の短手方向の長さよりも若干短い。即ち、補強板13の長さは、後述する連結補強板30の固定しろ分だけ短くなっている。補強板13は、図2に矢印F3で示すように、埋設されている長繊維の方向が天面板10の長繊維の方向F1に対して略直交している。そのため、床板2は、天面板10の長尺方向中途部に荷重が集中的に作用してもこの荷重をしっかりと支持でき、変形や破損を起こさない。
天面板10の裏面17側には、天面板10の長手方向中途部であって、短手方向両端部に連結補強板30,30が片持ち状に固定されている。連結補強板30は、図4,5に示すように長尺状の板体の側面30a側を長尺方向に一定間隔毎に切り欠き、矩形状の凸部31と凹部32とを設けたものである。凸部31および凹部32は、共に幅が同一である。そのため、図5に示すように、2本の連結補強板30のうちの一方の天面30bが上方を向き、他方の裏面30cが上方を向く姿勢とし、それぞれの側面30aを対向させると、各凸部31と凹部32とが嵌り合う。
続いて、本実施形態の踏切1を構成する床板3について図面を参照しながら詳細に説明する。図7は、それぞれ図1に示す踏切において採用されている床板を示す平面図、断面図、正面図および側面図である。図8は、図7に示す床板を裏面側から観察した斜視図であり、図9はこの床板の分解斜視図、図10はこの床板を天面側から観察した斜視図である。また、図11は、図7に示す床板において採用されている補強連結板を示す斜視図であり、図12は、カラー部材の斜視図、正面図および断面図である。なお、以下の説明において、上記した床板2と共通する部分については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
床板3は、主要部分が上記した床板2と略同様の構造を有するものであり、レール6から支承ブロック7にわたる部分、即ち軌間外の道床を被覆するものである。床板3は、図7,8に示すように、合成木材製の板体である天面板50を中心として構成されている。
床板3は、長尺方向の一端側にレール6(他部材)に対向する対向面3aを有し、他端側に支承部材7に対向する対向面3bを有する。また、床板3は、レール6および支承部材7の延伸方向に対して交差する方向に拡がる側面3c,3dを有する。側面3c,3dは、対向面3a,3bに隣接し、図13に示すように床板3を複数並べた時に隣接する床板3の側面3c,3dと面接触する。
床板3は、側面3a側に天面板50の裏面50b側から3枚の補強板57,11,12をこの順番で積層固定して補強されている。天面板50の他端側は、天面板50の裏面50bに補強板58を積層固定して補強されている。また、補強板58は、裏面側に例えばゴムの様な弾性を有する素材で作製されたシート状の弾性部材60が接着固定されている。
天面板50は、図7にF5で示すように、長手方向に長繊維を引き揃えて埋設したものである。天面板50は、天面50a側の長手方向一端側に係合溝52が設けられている。係合溝52は、後述する床板固定装置120と係合する部分であり、表面に例えばゴム製の弾性部材53が装着されている。また、天面板50には、裏面55側に補強板11を積層したときに補強板11の貫通孔27に相当する位置に凹部56が設けられている。凹部56は、補強板11,12,57を固定するための埋栓21,22が嵌入される部分である。
補強板57は、図7に矢印F6で示すように、長繊維を長手方向に引き揃えて埋設した合成木材製の部材である。補強板57は、長手方向の長さが天面板50の短手方向の長さと同一であり、短手方向の長さが補強板11,12と同一である。補強板57は、その長手方向が天面板50の短手方向に向くように固定されている。そのため、補強板57および天面板50の長繊維の方向は互いに略直交する関係にある。また、補強板57の短手方向略中央部には、図9に示すように厚み方向に貫通した貫通孔61が設けられている。貫通孔61は、補強板57の長手方向に一列に並んでおり、補強板11と補強板57とを重ね合わせた時に補強板11,12の貫通孔27,28と連通する。
また、補強板11,12は、上記した床板2において採用されていたものと同一の部材であり、長尺方向の長さが天面板50の短尺方向の長さと等しい。補強板11,12は、共にその長手方向が天面板50の短手方向に向くように固定されている。そのため、補強板11,12および天面板50の長繊維の方向は、互いに略直交する関係にある。
補強板11,12は、側面11a,12a側が天面板50の長尺方向外側に向くように固定されている。そのため、床板3の底面側には、補強板11,12の切り欠き23,25および補強板57によって包囲され、底面側に向けて開口した空洞部62が形成されている。空洞部52は、枕木5にレール6を固定するための固定部材8を収納可能な大きさの空間であり、床板3の長手方向の一端側であって、短手方向略中央部に設けられている。
また、天面板50の裏面50bの長尺方向他端側に固定されている補強板58は、長手方向に長繊維を引き揃えて埋設した合成木材製の板体である。補強板58は、その長尺方向を天面板50の短尺方向に向けて固定されている。そのため、補強板58は、長繊維の方向(図7の矢印F7方向)が天面板50の長繊維の方向(図7の矢印F5方向)と交差しており、天面板50を裏面50b側から補強している。
天面板50の裏面50bに固定されている連結補強板65は、図11に示すように直方体状の板体の長手方向に延伸する側面65a側に矩形状で幅が同一の凸部66と凹部67とを形成したものである。連結補強板65は、仮に図11に示すように側面65a同士が対向し、一方の天面65bが上方を向き、他方の裏面65cが上方を向くように配置すると、凸部66と凹部67とが嵌合する。
連結補強板65は、長手方向が天面板50の長手方向に向き、凸部66の一部が天面板50の両側面50c,50dから突出するように片持ち状に固定されている。側面50c側に固定されている連結補強板65は、裏面65cが天面板50の裏面50bに面接し、天面65bが床板3の底面側を向くように固定されている。また逆に、側面50d側に固定されている連結補強板65は、天面65bが天面板50の裏面50bに面接し、裏面65cが床板3の底面側を向くように固定されている。そのため、2枚の床板3を側面50c,50dが対向するように並べると、床板3の側面50c,50dから突出した凸部66を他方の凹部67に嵌め込むことにより一体化できる。
床板3の側面には、図7等に示すように短手方向に貫通した貫通孔70と、カラー装着穴71とが設けられている。貫通孔70は、天面板50の長尺方向一端側に積層された補強板11の厚さ方向略中央部に設けられおり、カラー部材35を装着し、複数の床板3を連結する連結軸72を挿入するためのものである。また、カラー装着穴71は、天面板50と補強板58との境界部に設けられており、後述するカラー部材75の筒部76を挿入するための穴である。なお、カラー装着穴71は、図9に示すように予め天面板50の裏面50bおよび補強板58に設けられた凹部73,74を組み合わせて形成されたものであっても、天面板50に補強板58等を接着固定した後に窄孔したものであってもよい。
カラー部材75は、図12に示すように、上記したカラー部材35と同様に筒部76と、筒部76の軸心に対して直交する方向に広がるフランジ部77とを有しているが、フランジ部77に筒部76の端部が開口していない点のみが異なる。カラー装着穴71に装着されるカラー部材75は、ステンレス鋼を成形加工したものであるため、天面板50等を構成する合成木材よりも耐摩耗性に優れ、表面のすべり特性が良い。即ち、カラー部材75は、天面板50等に比べて表面の摩擦係数が小さい。カラー部材75は、カラー装着穴71に筒部76を挿入することにより床板3に装着されると、天面板50の側面50c,50dと略面一になる。
続いて、本実施形態の踏切1における床板2,3の固定構造、並びに、床板2,3を固定する固定装置80,120について図面を参照しながら詳細に説明する。図13は、本実施形態の踏切1の斜視図である。また、図14は、本実施形態の踏切1において採用されている床板固定装置を示す分解斜視図であり、図15はこの床板固定装置をレール6に装着した状態を示す正面図およびこの床板固定装置の本体部を示す平面図である。図16は、図13に示す踏切の要部拡大図である。図17は、図14に示す床板固定装置において採用されている挟持部材を天面側および底面側から観察した状態を示す斜視図である。また、図18は、本実施形態の踏切において床板を固定する床板固定装置を示す正面図および側面図であり、図19はこの床板固定装置の斜視図である。図20は、図18に示す床板固定装置に床板を装着した状態を示す要部拡大図である。また、図21は、本実施形態の踏切を構成する連結材を示す正面図である。図22は、床板3を支持する支承ブロックを示す斜視図および当該斜視図の要部拡大図である。図23は、図18に示す床板固定装置と図22に示す支承ブロックとの関係を示す分解斜視図である。
上記した床板2,3は、図13に示すように、レール6,6によって構成される軌間の内外に、レール6の延伸方向に複数枚(本実施形態ではそれぞれ3枚以下、必要に応じて各床板を2R,2C,2Lあるいは3R,3C,3Lと称す)並べて敷設されている。さらに具体的には、床板2,3は、図15に示すようにレール6の側面に装着された支承部材77を介して敷設される。支承部材77は、弾性を有し、レール6の腹部6cを被覆する鉛直壁部77aおよび底面部6bを被覆する底壁部77bからなる断面視が略「L」字形の形状を有する部材である。支承部材77をレール6の側面に装着すると、鉛直壁部77aはレール6の頭部6aの側面と略面一になり、底壁部77bは道床と略平行となる。
一方、床板3の一端側を支持する支承ブロック7は、図19や図22等に示すように長尺状の部材であり、底面7b側が天面7a側よりも張り出した段状の形状となっている。また、支承ブロック7の長尺方向両端部には、天面7a側から底面7b側に貫通する貫通孔7cが設けられている。貫通孔7cは、裏面7b側からネジ軸78の軸部78bを挿通可能であり、その開口径は頭部78aの外径よりも小さい。また、貫通孔7cの天面7a側には、ネジ軸78に装着されるナット79を収納可能な収納部7dが設けられている。支承ブロック7は、図23に示すように、貫通孔7cに挿通されたネジ軸78にナット79を装着し、ネジ軸78の端部が上方に突出した状態で道床上に設置される。
床板2,3は、それぞれ長尺方向の両端部をレール6あるいは支承ブロック7側に向けて敷設されている。即ち、床板2,3は、それぞれの長尺方向がレールの延伸方向と交差する位置関係にある。レール6に沿って3枚並べて敷設された床板2,3は、レール6の延伸方向の両端部にある床板3L,3Rおよび2L,2Rの側方に設置された床板固定装置80を用いて一体化されている。また、床板3は、支承ブロック7の天面7a上に設置された床板固定装置120を用いて係合溝52側の端部が固定されている。
床板固定装置80は、全体が金属製であり、図14に示すようにベース部81、立設部82および支持部83を有する本体部85に2つの挟持部材86を装着する構成となっている。ベース部81は、外観が略直方体状であり、天面87の長手方向中央部に段状のレール装着部88が形成されている。
レール装着部88は、図15(c)に示すように、天面87側から観察すると、略平行四辺形状の形状を有しており、挟持部材86が装着される装着部90と、装着部90よりもさらにベース部81の底面91側に窪んだ凹部92を有する。装着部90は、ベース部81の側面92,93に対して傾斜した傾斜側面95を有する。また、装着部90には、ベース部81の天面87側から底面91側に向けて貫通し、挟持部材86を装着するためのネジ軸97を挿通する長孔96が設けられている。ベース部81の底面91側には、長孔96に挿通されるネジ軸97の頭部97aを収納する頭部収納部99が設けられている。頭部収納部99は、ネジ軸97の頭部が装着されると、この頭部をしっかりと保持し、ネジ軸97の回転を阻止する。
立設部82は、図14や図15等に示すようにベース部81に対して垂直に立ち上がる壁状の部位であり、ベース部81の側面98側に固定されている。また、立設部82には、ベース部81の側面98,100と平行な側面102,103間を貫通する貫通孔104を有する。貫通孔104は、複数の床板2,3を横断する連結軸72を挿通するためのものである。
支持部83は、ベース部81の両側面92,93に対して平行で、立設部82の側面102,103に対して垂直な壁面である。支持部83は、立設部82に対して側面102側から側面103側に向かう方向、あるいはその逆方向に作用する外力を支持するものであり、床板固定装置80の本体部85全体の剛性を向上させるものである。
挟持部材86は、図17に示すように、平面視が略台形状の部材であり、その中央部に天面105側から底面106側に貫通し、ネジ軸97を挿通するための貫通孔107を有する。また、挟持部材86の底面106側には段部108が設けられている。段部108は、レール6の底面部6bの端部に面接する部分である。挟持部材86は、段部108に対向する側面110が本体部85の装着部90を構成する傾斜側面95に沿うように装着される。側面110は、段部108側の側面111に対してやや傾斜しており、装着部90の傾斜側面95に沿う形状となっている。
床板固定装置80は、図13,16に示すように、ベース部81がレール6の底面部6bの下方に潜り込むように設置される。本体部85は、図16等に示すように、立設部82が上方を向き、ベース部81の長手方向中央部にレール6の底面部6bが位置するように設置される。
立設部82の側面102は、床板2R,2Lや床板3R,3Lの側面に面接している。立設部82の貫通孔104は、それぞれ床板2R,2Lや床板3R,3Lを貫通する貫通孔33,70に連通している。3枚の床板2,3を横断する連結軸72は、床板2R,3R側あるいは床板2L,3L側に設けられた床板固定装置80の貫通孔104から挿通されており、他方側の貫通孔104から突出している。貫通孔104から突出した連結軸72には、図14,16等に示すようにナット116が装着されている。これにより、レール6に沿って配置された複数の床板2,3が一体化され、床板2,3のレール6の延伸方向への移動が阻止されている。
軌間内に敷設された3枚の床板2は、レール6の延伸方向両端部にある床板2L,2Rの側方に固定された床板固定装置80,80を用いて連結されている。しかし、軌間外に敷設された3枚の床板3は、貫通孔70側の端部のみが床板固定装置80を用いて連結されている。即ち、踏切1では、各床板2,3を道床上に敷設した時にレール6側となる端部が床板固定装置80によって固定されている。
床板3の他端側、即ち係合溝52側は、図13に示すように床板固定装置120を用いて支承ブロック7に固定されている。床板固定装置120は、全体が金属製であり、図18や図19に示すように長尺のフレーム部121aの両端側に位置調整部121bを設けたものである。フレーム部121aは、断面視が略「コ」字形で箱形の形状を有し、底面部122、側壁部123、天面部125、並びに、垂直壁部126から構成されている。また、フレーム部121aは、後述する位置調整壁130と底面部122、側壁部123および天面部125により包囲される嵌入部128を有する。
底面部122は、支承ブロック7の天面7aに面接する面であり、その両端に床板固定装置120を支承ブロック7に固定するボルトを挿通するための貫通孔127が設けられている。また、天面部125は、底面部122に対して水平な面であり、側壁部123は、底面部122および天面部125に対して垂直に立設した壁面である。側壁部123の高さ、即ち底面部122と天面部125との間隔は、床板3の係合溝52側の厚みと略同一である。また、フレーム部121aの長手方向中途に設けられた嵌入部128の開口幅は、床板3の短手方向の長さの約3倍である。即ち、床板固定装置120の嵌入部128には、3枚の床板3を並べて差し込むことができる。垂直壁部126は、フレーム部121aの長尺方向両端部に設けられており、フレーム部121aの両端を閉塞している。垂直壁部126は、底面部122、側壁部123および天面部125を連結し、フレーム部121aの剛性を向上させている。
位置調整部121bは、フレーム部121aの長尺方向両端側に位置し、垂直壁部126に対して平行な位置調整壁130に位置調整ボルト131およびナット132を装着して構成される。位置調整壁130は、踏切1の敷設時に床板3の側面と対向する。位置調整壁130は、図20に示すように位置調整ボルト131を装着するためのボルト挿通孔133を有する。ボルト挿通孔133は、床板3を係合溝52側の端部が嵌入部128の奥まで押し込まれた時に床板3に装着されたカラー部材75が来ると想定される位置に設けられている。即ち、床板3を床板固定装置120の奥まで差し込んだとき、位置調整ボルト131の先端が、カラー部材75に接触可能となっている。
位置調整ボルト131は、図20に示すように、頭部131aが垂直壁部126側に向き、軸部131bが嵌入部128内に突出するように装着される。位置調整ボルト131をナット132にねじ込むと、そのねじ込み量に応じて軸部131bが嵌入部128内に侵入し、床板3の側面に装着されたカラー部材75を押す。
床板固定装置120は、図19等に示すように、嵌入部128の開口部分がレール6に対向する姿勢とされている。床板固定装置120と支承ブロック7の天面7aとの間には、図23に示すように例えばゴムのような弾性を有する弾性部材135が介在している。弾性部材135には、ネジ軸78を挿通可能な孔134が設けられている。床板固定装置120の底面部122に設けられた貫通孔127には、支承ブロック7の長尺方向両端部にある貫通孔7cから上方に突出したネジ軸78の軸部78bが挿入されている。床板固定装置120は、貫通孔127に挿入されたネジ軸78の軸部78bにナット136を装着することにより支承ブロック7に固定されている。
床板固定装置120の嵌入部128には、床板3の係合溝52側の端部が嵌入されている。また、位置調整ボルト131は、レール6の延伸方向に3枚並んだ床板3のうち、床板3L,3Rの側面に設けられたカラー部材75に当接するまでねじ込まれている。これにより、床板3は、レール6の延伸方向への移動が阻止されている。
続いて、本実施形態の踏切1の敷設方法について図面を参照しながら詳細に説明する。図24は、踏切1の敷設の第1段階を示す斜視図であり、図25は敷設の第2段階を示す正面図である。以下の説明において、上下左右の位置関係は、基本的に踏切1を敷設した姿勢に基づくものである。
床板2,3の敷設に先立って、図24に示すように床板2,3を敷設すべき位置にあるレール6の両側面に支承部材77が装着される。支承部材77が装着されると、支承部材77の鉛直壁部77aは、レール6の頭部6aの側面と面一になる。ここで、図25に示すように2本のレール6,6の軌間内側の側面に装着された支承部材77の鉛直壁部77a,77a間の距離(以下、必要に応じて軌間距離Dと称す)は、床板3の長尺方向の長さと略同一である。
一方、軌間外のレール6から所定距離だけ離れた位置には、例えば図21に示すように連結装置139を用いて支承ブロック7が設置される。さらに具体的には、連結装置139は、長さがレール6と支承ブロック7の距離に調整された「L」字形の連結材137に対して、枕木5に対する高さ調整用の支持材138を装着して構成されている。支承ブロック7は、連結材137の一端側を支承ブロック7に対して仮止めし、支持材138を枕木5に突き当てると共に連結材137の他端側をレール6に装着された支持部材77に突き当てて位置決めした状態で設置される。支承ブロック7の設置後、連結装置139は取り外される。
支承ブロック7は、図23に示すように予め貫通孔7cにネジ軸78が装着され、天面7aから軸部78bの一部が突出した状態で道床上に搬入され設置される。支承ブロック7が所定位置に設置されると、これに続いて床板固定装置120が弾性部材135を介して支承ブロック7の天面7a上に固定される。さらに具体的には、図23に示すように、予め道床上に設置された支承ブロック7の天面7a上に、シート状の弾性部材135が被せられる。この後、床板固定装置120は、底面部122が下方に向き、嵌入部128の開口側がレール6側に向く姿勢とされる。床板固定装置120は、支承ブロック7の天面7aから突出したネジ軸78を底面部122の貫通孔127に挿通させ、このネジ軸78にナット132を装着させることにより弾性部材135の上方に設置される。
支承部材77および床板固定装置120の設置が完了すると、床板2,3が敷設される。さらに具体的には、床板2は、短手方向の中央部に枕木5が来るように位置合わせされ、図25に示すように上方から水平な姿勢を維持したままレール6,6によって構成される軌間内に降ろされる。上記したように、床板2の底面側であって、床板2の短手方向中央部にはレール6を枕木5に固定する固定部材8を収納可能な空洞部26が設けられている。また、軌間距離Dは、床板2の長手方向の長さと略同一である。そのため、床板2を上方から降ろすと、床板2はレール6や固定部材8等に接触せず、軌間内にスムーズに押し込まれる。軌間内に押し込まれた床板2は、レール6の側面に装着された支承部材77の弾性力によって側方から押圧され支持される。
一方、床板3は、床板2と同様に短手方向の中央部に枕木5が来るように位置合わせされた上で、図25に示すように係合溝52側の端部(以下、必要に応じて嵌入端部と称す)を下方に傾けた姿勢とされ、係合溝52が嵌入部128に突き合わせられる。床板3を、図24に矢印Bで示すように床板固定装置120側に押し込みつつ、他端側(以下、必要に応じてレール側端部と称す)を下降させていくと、嵌入端部が徐々に嵌入部128内に侵入する。
上記したように、床板3のレール側端部の裏面側には、短手方向中央部に固定部材8を収納可能な空洞部62が設けられている。また、床板固定装置120は、図23に示すように天面部125の幅wが底面部122の幅Wよりも小さく、側壁部123側に偏っている。さらに床板3の嵌入端部は、係合溝52の分だけ肉薄になっている。そのため、図25に示すように床板3を傾けた状態とすれば、床板3の嵌入端部を嵌入部128にスムーズに押し込むことができる。
床板3は、嵌入端部が嵌入部128の奥側まで押し込まれると、レール側端部がレール6の側面に沿って滑り込み、床板3全体が徐々に道床に対して水平な姿勢となる。床板3の嵌合端部が嵌入部128の奥側まで押し込まれると、天面板50の天面50aはレール6の頭部6aと略面一となり、床板3の軌間外への設置が完了する。
上記した手順で床板2,3がレール6に沿って複数枚(本実施形態では3枚)設置されると、これらの床板2,3は連結軸72および床板固定装置80を用いて一体化される。さらに具体的に説明すると、複数の床板2,3が設置されると、図13や図16に示すように、これらの床板2,3のうち、レール6の延伸方向両端部に位置している床板2,3(本実施形態では床板2R,2Lや床板3R,3L)に隣接する位置に床板固定装置80が設置される。
床板固定装置80は、予めネジ軸97を装着した状態とされる。この状態においてネジ軸97の頭部97aは、ベース部81の底面91側にある頭部収納部99に収納されている。そのため、ネジ軸97は、床板固定装置80に対して空回りしない。また、ネジ軸97の軸部97bは、ベース部81の天面87から突出し、挟持部材86を装着可能な状態となっている。
ネジ軸97が装着された床板固定装置80は、図13,16に示すように、ベース部81がレール6の底面部6bの下方に潜り込むように設置される。さらに詳細には、床板固定装置80は、レール6が敷設されている道床の砂利や砕石を一時的に排除してできる空間を利用してレール6の下方に本体部85をくぐらせ、レール6が本体部85を跨ぐ姿勢とされる。
床板固定装置80の本体部85は、図16等に示すように、立設部82が上方を向き、ベース部81の長手方向中央部にレール6の底面部6bが来る姿勢とされる。またこの時、本体部85は、立設部82の側面102が床板2R,2Lや床板3R,3Lの側面に面接する姿勢とされる。このようにして床板固定装置80が床板2R,2Lや床板3R,3Lに隣接する位置に配置されると、先で取り除かれた砂利や砕石がベース部81の下方や周囲に戻され、押し固められる。
上記したようにして床板固定装置80が配置されると、本体部85に挟持部材86が装着される。挟持部材86は、段部108がレール6側を向き、段部108に対向する側面110が装着部90を構成する傾斜側面95に沿う姿勢で装着される。挟持部材86の貫通孔107には、本体部85の長孔96から略垂直上方に突出したネジ軸97が挿通される。貫通孔107に挿通されたネジ軸97にナット115が締結されると、この締結力によりレール6の底面部6bの端部が挟持され、本体部85がレール6に対して固定される。
上記したようにして床板固定装置80の本体部85がレール6に固定されると、立設部82の貫通孔104に連結軸72が挿通される。床板2R,3R側あるいは床板2L,2L側のうち、いずれか一方から挿通された連結軸72は、予めレール6に沿って敷設された各床板2,3の貫通孔33,70を横切り、他方側に設置された床板固定装置の貫通孔104から突出する。
床板固定装置80の立設部82から突出した連結軸72には、図14等に示すようにナット116が装着される。これにより、レール6に沿って配置された複数の床板2,3が一体化され、床板2,3のレール6の延伸方向への移動が阻止される。
床板2は、長尺方向の両端部が床板固定装置80を用いて連結されているが、床板3は貫通孔70側の端部のみが床板固定装置80を用いて固定されている。即ち、踏切1では、各床板2,3を道床上に敷設した時にレール6側に位置する端部が床板固定装置80によって固定されている。そのため、レール6,6間に敷設されている床板2は、両端が床板固定装置80を用いて固定されているが、床板3は、一端側のみが床板固定装置80によって固定されている。
上記実施形態において、床板2,3の連結に使用される床板固定装置80は、レール6の下方にベース部81をくぐらせ、さらに挟持部材86とベース部81とによってレール6を挟持する構成であるため、床板2,3の連結・固定の要となる床板固定装置80がレール6に対してしっかりと固定されている。従って、上記した構成によれば、容易に床板2,3の一体化し、位置ずれを確実に防止できる。
さらに、本実施形態の踏切1では、軌間内の床板2の側面と軌間外の床板3の側面を支持する床板固定装置80が共用されている。そのため、踏切1は、軌間の内外に敷設されている床板2,3の相対的な位置ずれが起こらない。即ち、本実施形態の踏切1では、単一の床板固定装置80で床板2R,3Rあるいは床板2L,3Lの側面とを支持しているため、床板2Rの側面と床板3Rの側面との位置ずれ、あるいは、床板2Lの側面と床板3Lの側面との位置ずれが起こらない。
ところで、上記した床板固定装置80において、立設部82の側面102は、図16に示すように床板2,3の側面に面接しているが、支承部材77には面接していない。そのため、床板2,3上を人や車両が通過することにより発生する振動等の影響を受けると、支承部材77が徐々に床板固定装置80側に位置ずれを起こす可能性がある。支承部材77が位置ずれを起こすと、レール6と床板2,3との間の一部に隙間が生じてしまい、その結果として様々な弊害が生じるおそれがある。さらに具体的には、支承部材77が位置ずれを起こすと、レール6から床板2,3や床板固定装置80,120等に伝播する振動が大きくなる。その結果、ナット115やナット116等が緩み、床板2,3の固定状態が不安定となるおそれがある。
そこで、上記した問題に鑑み、床板固定装置80に代わって例えば図26〜29に示す床板固定装置140を採用することが可能である。床板固定装置140は、上記した床板固定装置80に加えて、立設部82の側面102側に腕部材141を装着する構成となったものである。
腕部材141は、図27(c)や図28等に示すように、外観が略「T」字形で金属製の部材である。腕部材141は、ベース部81の長尺方向両端部から独立的に立設した2つの立設部82のそれぞれに取り付けられる。腕部材141は、立設部82の側面102に面接触する添着部143と、添着部143に対して直交した腕部145とを有する。添着部143には、側面147,148間を貫通する貫通孔150を有する。貫通孔150は、腕部材141を頂部146が立設部82の頂部101と面一となるように装着した時に立設部82の貫通孔104と連通する。
腕部材141は、腕部145がベース部81の長尺方向の中央側を向くように固定される。即ち、腕部材141は、図28に矢印Aで示すように、床板固定装置140を立設部82の側面103側から観察した時に右側の立設部82の側面102に腕部材141の側面147が面接触し、左側の立設部82の側面102に腕部材141の側面148が面接触するように装着される。即ち、腕部材141は、腕部145がレール6の腹部6c側を向くように装着される。
床板固定装置140は、上記した床板固定装置80と同様にして使用され、床板2,3を側面側から支持する。即ち、床板固定装置140は、図26(a)等に示すように、立設部82と床板2,3の側面との間に腕部材141が介在し、腕部材141の腕部145の先端部151が支承部材77の側面77eに面接するように装着される。3枚の床板2あるいは床板3を横断する連結軸72は、腕部材141の貫通孔150および立設部82の貫通孔104に挿通され、立設部82の側面103側に突出する。側面103側に突出した連結軸72には、ナット116が装着され、これにより床板固定装置140の本体部85および腕部材141が床板2あるいは床板3と一体化される。
腕部材141は、図29に示すように床板2,3の側面と立設部82との間に装着される。そして、腕部145の先端部151は、レール6に沿って設置された床板2(2L,2R)あるいは床板3(3L,3R)とレール6との間に介在している支承部材77の側面77eに面接触している。そのため、床板固定装置140を用いて床板2および床板3を一体化すれば、腕部材141によって支承部材77がレール6の延伸方向にずれるのを確実に防止できる。
上記したように床板固定装置140は、添着部143を本体部85の立設部82に面接させ、連結軸72とナット116の締結力によって立設部82の側面102と床板2,3の側面との間に挟持し、腕部材141を片持ち状に固定するものである。通常、ナット116が連結軸72にしっかりと締結されているため、腕部材141は多少の振動等では位置ずれを起こさない。
しかし、床板固定装置140が腕部145が傾いた状態で設置されていたり、床板2,3に伝播する振動でナット116が緩むなどすると、図30に破線で示すように腕部145が傾いてしまうおそれがある。このように、何らかの理由で腕部145が傾斜してしまうと、支承部材77の側面77eの中心部をしっかりと支持できず、支承部材77のずれを確実に阻止できないおそれがある。
そこで、このような問題点を想定して、上記した腕部材141を具備した床板固定装置140に代わって、例えば図31〜33に示すような床板固定装置160を採用することも可能である。床板固定装置160は、上記した床板固定装置140の腕部材141に代わって、図32(c)等に示すような腕部材161を採用している点のみが床板固定装置140と異なる。
床板固定装置160の腕部材161は、図32(c)に示すように鉤状の形状に成型された金属製の部材である。腕部材161は、腕部材141と同様に、ベース部81に対して垂直に立設した2つの立設部82の側面102側に装着される部材である。腕部材161は、立設部82の側面102に面接する添着部162と、添着部162に対して垂直に延出した腕部163と、腕部163に対して垂直で添着部162とは逆方向に延出した支持部165とを有する。
添着部162には、側面166,177間を貫通し、連結軸72を挿通するための貫通孔168が設けられている。また、腕部163は、添着部162に繋がる部分であり、立設部82の側面102側にベース部81の長尺方向の中央側を向くように装着される。
支持部165は、腕部163の先端部169から垂直に延出した部分である。支持部165は、先端に傾斜部170を有する。傾斜部170は、腕部材161を本体部85に装着した時にレール6の底面部6bの表面に面接する部分である。傾斜部170は、底面部6bの表面の傾斜角度に合わせて成形されている。そのため、貫通孔168に連結軸72を挿通し、傾斜部170をレール6の底面部6bに面接触させると、腕部材161は連結軸72と傾斜部170とにより両端が支持され、連結軸72を中心とする回転が阻止される。
上記したように、床板固定装置160は、例えば何らかの理由で連結軸72に装着されたナット116が多少緩むなどしても腕部材161の回転が起こらないため、腕部材161が支承部材77の側面77eのずれを確実に防止できる。従って、床板固定装置160を採用すれば、複数並べて敷設された床板2,3をしっかりと一体化できると共に、支承部材77の位置ずれやこれに伴う様々な弊害を防止できる。
上記第1実施形態に例示された踏切1は、複数の床板2,3をレール6に沿って隙間なく並べて敷設することにより構成されるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば以下に示すような構成とすることも可能である。以下に、本発明の第2実施形態の踏切180について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態の踏切1と共通する部分については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。図34は、本発明の第2実施形態の踏切を示す正面図および断面図である。図35は、図34に示す踏切を構成する床板を固定する床板固定装置をレールに装着した状態を示す正面図および平面図である。また、図36は、図35に示す床板固定装置を示す斜視図であり、図37はこの床板固定装置を構成する挟持部材の斜視図、図38はこの床板固定装置をレールに装着した状態を示す斜視図である。図39は、本実施形態において採用される床板固定装置と床板および支承ブロックとの関係を示す斜視図である。また、図40は、本実施形態において採用される床板固定装置を示す斜視図および当該床板固定装置と支承ブロックとの関係を示す斜視図である。
図34において、180は本発明の第2実施形態の踏切である。踏切180は、床板固定装置181を用いて3枚の床板182を軌間内にレール6に沿って敷設すると共に、床板固定装置181,183,185を用いてレール6の両側面に沿って床板186を3枚ずつ敷設したものである。
床板固定装置181は、全体が金属製であり、図35および図36に示すように、本体部190に対して挟持部材191を装着して使用されるものである。本体部190は、ベース部192とベース部192に対して垂直に立ち上がる立設部193と、立設部193に連続し、ベース部192に対して水平な水平部195とを有する。
ベース部192は、平面視が矩形状で平板状の部位であり、その長手方向中央部に短手方向に延伸した溝部196を有する。また、ベース部192には、挟持部材191を装着するボルト198を挿通するための長孔197が溝部196の両側に2つずつ設けられている。長孔197は、ベース部192の長手方向に拡がる貫通孔であり、必要に応じてボルト198の装着位置を調整できる。
立設部193は、溝部196の両側にあり、ベース部192の短手方向略中央部から垂直に立ち上がる壁面である。立設部193は、表面積が大きく、踏切180の敷設時に床板182,183の側面に面接する側面200,201がベース部192の長手方向に延伸した側面199と平行になっている。
水平部195は、平面視が略正方形であり、立設部193に連続する部分である。水平部195は、立設部193を中心としてベース部192の短手方向両側に均等に突出している。
挟持部材191は、図37に示すように天面202側から見た平面視が略正方形のブロック体である。挟持部材191には、天面202から底面203に向かって貫通した貫通孔205が設けられている。貫通孔205は、ベース部192から突出したボルト198を挿通するためのものである。また、挟持部材191の底面203側は、面接部207、底部208および挟持部210によって段状に成形されている。面接部207は、ベース部192への装着時にベース部192の天面206に面接する部分である。また、底部208は、面接部207よりも天面202側にあり、中央に上記した貫通孔205が設けられた部分である。挟持部210は、底部208よりもさらに天面202側に窪んだ部分である。このように、底面203は、面接部207から挟持部210に向かうに連れて先細り状になっている。
床板固定装置181は、図38に示すようにベース部192を長手方向がレール6の延伸方向と交差するように底面部6bの下方にくぐらせ、立設部193が上方を向くような姿勢にして使用される。床板固定装置181は、ベース部192の長手方向中央部にある溝部196の真上にレール6の底面部6bが位置するように配置される。床板固定装置181は、ベース部192の底面側から長孔197に挿通され、ベース部192の天面側から突出したボルト198に、挟持部材191およびナット211を装着することによってレール6に固定される。
さらに詳細には、挟持部材191は、面接部207がベース部192の天面206に面接し、挟持部210がレール6側を向く姿勢で装着される。また、挟持部材191は、ボルト198を長孔197に沿って移動させ、挟持部210がレール6の底面部6bの端部に沿うように位置合わせした状態で固定される。挟持部材191は、ボルト198とナット211との締結力によりベース部192の天面202と共にレール6の底面部6bを挟持する。即ち、床板固定装置181は、4つの挟持部材191によってレール6の底面部6bを挟持させることによりレール6に固定されている。
軌間外への床板186の敷設には床板固定装置183が使用される。床板固定装置183は、全体が金属製であり、図39に示すように、平板状のベース部215と、ベース部215に対して垂直に立設された立設部216と、立設部216に連続し、ベース部215に対して水平な水平部217とから構成されている。ベース部215は、平面視が略正方形であり、その側面218側の領域に立設部216が立設されている。また、側面218と対向する側面220側の領域は、後述する支承ブロック221に設けられた挿入口222に挿入される挿入片223として機能する。
立設部216は、ベース部215の側面218側の領域から側面225に対して平行に立ち上がる壁面であり、大面積の側面226,227を有する。また、水平部217は、立設部216に連続し、ベース部215に対して水平な壁面である。水平部217は、立設部216の側面226側の領域と、側面227側の領域とが立設部216を中心として対称となっている。立設部216の側面226,227側の領域は、それぞれ後述する床板186に装着される係合片230,231として機能する。
床板固定装置183は、図39に示すように、立設部216および水平部217が上方に向き、ベース部215の挿入片223が支承ブロック221側を向く姿勢として使用される。床板固定装置183は、挿入片223を支承ブロック221の挿入口223に差し込まれる。床板固定装置183は、係合片230,231がそれぞれ立設部216から支承ブロック221の延伸方向に突出した状態となる。
床板186の敷設に際して、床板固定装置185が、床板固定装置183と共に使用される。床板固定装置185は、図40(a)に示すように金属製の板体を略「L」字形に折り曲げて成形した本体部235を有する。床板固定装置185は、この本体部235に位置調整ボルト236およびナット237を装着して使用される。床板固定装置185は、後述する支承ブロック221の段部238に面接触するように固定される水平部240と、水平部240に対して垂直な垂直部241とを有する。床板固定装置185は、垂直部241が支承ブロック221の側面221aと平行となり、段部238に設置される床板186の側面に垂直部241の側面247が対向するように設置される。
本体部235は、水平部240および垂直部241の中央部に貫通孔242,243を有している。貫通孔242は、支承ブロック221に本体部235を固定するためのボルト245を挿通するためのものである。また、貫通孔243は、位置調整ボルト236を挿通するためのものである。
水平部240の幅は、支承ブロック221の段部238の幅と略同一である。そのため、何らかの理由で本体部235を固定するためにボルト245に装着されたナット248がゆるんでも、貫通孔242にボルト245が挿通されている限り、本体部235は段部238に当接して回転しない。
位置調整ボルト236は、水平部240側にある垂直部241の側面246側から軸部236aを挿通して装着される。位置調整ボルト236は、側面246側のナット237aおよび側面247側のナット237bに装着され、そのねじ込み量によって軸部236aの側面247側への突出量が調整される。位置調整ボルト236は、軸部236aの突出量を調整することにより側面247に対向する床板186の側面位置を調整する。
支承ブロック221は、図34等に示すように、レール6に対して平行に敷設される。支承ブロック221は、図40(b)に示すように、天面221bと側面221cとの角部に段部238が設けられたものである。段部238には、天面221b側から底面221d側に貫通した貫通孔221eが設けられている。貫通孔221eは、支承ブロック221の長尺方向両端部に設けられており、床板固定装置185の本体部235を固定するためのボルト245を挿通するためのものである。
続いて、本実施形態の踏切180において採用されている床板182について図面を参照しながら詳細に説明する。図41は、床板182を裏面側から観察した状態を示す分解斜視図であり、図42はこの床板182において採用されている芯材を示す斜視図である。
床板182は、図34に示すように平面視が略長方形の部材であり、長尺方向の両端にレール6(他部材)に対向する対向面283a,283bを有する。また、床板182は、レール6の延伸方向に対して交差する方向に拡がる側面282a,282bを有する。側面282a,282bは、対向面283a,283bに隣接する面である。側面282a,282bは、図34等に示すように床板182を複数並べると隣接する床板182の側面282a,282bと面接触する。
床板182は、単体の板体で構成される天面板250の裏面側に、補強板251,252,253,255を固定し、補強したものである。さらに具体的に説明すると、天面板250は、図34に矢印F10で示すように長尺方向に長繊維を引き揃えて埋設した合成木材を成形した平板状の部材である。天面板250は、裏面側の長尺方向両端部に段部256を有する。また、天面板250の裏面には、各段部256に沿って一列に並んだ6つの穴部257が設けられている。
補強板251は、平面視が略矩形の板体であり、長尺方向の長さが天面板250の短尺方向の長さに等しい。また、補強板251に埋設されている長繊維は、図34に矢印F11で示すように、補強板251の長手方向に引き揃えられている。補強板251は、天面板250の裏面であって段部256との境界部分に貼付される。補強板251は、長尺方向に一列に並んだ6つの貫通孔258を有する。貫通孔258は、補強板251を天面板250の裏面に接着固定した時に、天面板250の穴部257と連通する位置に設けられている。
補強板252は、合成木材製であり、長尺方向の長さが天面板250の短尺方向の長さと同一である。補強板252は、補強板251と同様の位置に切り欠き260を有し、その両側に腕部261が形成された平面視が略「コ」字形の部材である。補強板252は、床板182の最も底面側(図中上方側)に接着固定されるものであり、切り欠き260および腕部261を天面板251の長尺方向外側に向けた姿勢で固定される。補強板252に埋設されている長繊維は、図34に矢印F11で示すように補強板252の長手方向に延伸しており、天面板250の長繊維の方向F10と略直交する位置関係にある。
補強板252の長手方向両端部には、凹部264が設けられている。凹部264は、床板固定装置181の立設部193と略同一の幅を有し、立設部193の側面200側半分あるいは側面201側半分を収納できる。
補強板252には、長尺方向に並んだ4つの貫通孔262が設けられている。貫通孔262は、補強板252を補強板251に積層したとき、補強板251の貫通孔258および天面板250の穴部257と連通する。また、補強板252を補強板251に積層して固定すると、上記した腕部261が天面板250の長尺方向外側、即ち段部256側に突出する。そのため、腕部261と段部256との間には溝部263が形成される。溝部263には、後述する芯材265が装着され、固定される。
補強板251,252は、互いの接触面および天面板250との接触面が接着固定される。また、補強板251,252は、側面に接着剤が塗布された合成木材製の埋栓266を補強板252の4つの貫通孔262側から打ち込むことにより一体化される。また、補強板252と天面板250との間にある補強板251は、補強板252の切り欠き260に露出する2つの貫通孔258から埋栓267を打ち込むことによっても天面板250に固定される。
また、補強板251,252は、側面251a,252aに補強板253を接着固定することによって補強されている。補強板253は、合成木材を長尺方向の長さが天面板250の幅(短尺方向の長さ)と同一となるように成形したものである。補強板253は、長尺方向(図34の矢印F12方向)に長繊維が引き揃えられて埋設されている。そのため、補強板253の長繊維の方向は、補強板251,252と同様に天面板250の長繊維の方向と交差しており、天面板250に作用する荷重をしっかりと支持できる。
天面板250は、長尺方向中間部に接着固定された2枚の補強板255によっても補強されている。補強板255は、図34に矢印F13で示すように、長手方向に引き揃えられた長繊維を埋設した合成木材製の板体である。補強板255は、長手方向が天面板250の短手方向に向くように固定されている。即ち、補強板255の長繊維の方向F12と天面板250の長繊維の方向F10とは互いに交差する関係にある。そのため、補強板255は、天面板250の長尺方向中途部をしっかりと補強することができ、天面板250の変形や破損を確実に防止できる。
溝部263には、芯材265が装着され固定されている。芯材265は、合成木材製で中実の部材である。芯材265は、天面270の中途部分から側面271側にかけて底面272側になだらかに傾斜した傾斜面273を有する先細り状の部材である。芯材265は、天面270が天面板250の段部256と面接触し、底面272が補強板252と面接触する。芯材265は、床板182の四隅に固定されており、そのいずれもが床板182の長尺方向に突出し、傾斜面273が床板182の天面側に露出している。即ち、芯材265は、溝部256に挟持されると共に、床板182の四隅から爪状に突出している。
芯材265は、側面276あるいは側面277のいずれかに挿入口278および凹部280を有する。そして床板182の四隅に固定された芯材265は、図41や図43に示すように、それぞれ床板182の側面(天面板250の側面273あるいは側面275)に挿入口278および凹部280が露出するように固定されている。
挿入口278および凹部280は、床板固定装置181を装着するために設けられたものである。さらに具体的には、挿入口278は、床板固定装置181の水平部195の一端をなす突端部195aあるいは突端部195bを挿入するためのものである。挿入口278は、芯材265の側面276あるいは側面277から垂直方向にくり抜かれた矩形の穴である。また、凹部280は、挿入口278から芯材265の底面272まで連続している。凹部280は、挿入口278に床板固定装置181の突端部195a,195bを挿入した時に、この突端部195a,195bに連続する立設部193の側面200側あるいは側面201側を収容できる。そのため、2枚並べて敷設された床板182の間に床板固定装置181を設置しても、突端部195a,195bや立設部193が芯材265に嵌り込み、床板182同士の間に隙間ができない。
床板182の長尺方向両端部には、2つの芯材265の間に空洞部281が形成される。この空洞部281は、レール6,6を枕木5に固定するための固定部材8を収納し、固定部材8が床板182に直接接触するのを防止するものである。
続いて、本実施形態において採用されている床板186について図面を参照しながら詳細に説明する。図44は、床板186の分解斜視図であり、図45はこの床板を裏面側から観察した状態を示す斜視図である。なお、以下の説明において、上記した床板182と共通する部分については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
床板186は、長尺方向の一端側にレール6(他部材)に対向する対向面309aを有し、他端側に支承部材221と対向する対向面309bを有する。また、床板186は、レール6および支承部材221の延伸方向に対して交差する方向に拡がる側面308a,308bを有する。側面308a,308bは、対向面309a,309bに隣接する面であり、図34に示すように床板186を複数並べて敷設した状態において隣接する床板186の側面309a,309と面接触する。
床板186は、天面板290の裏面側であって、図44に示すようにレール6に対向する対向面304側の端部に補強板291,292を積層固定し、他端側に補強板293を積層固定した構造を有する。また、床板186は、補強板291,292の側面に接着固定された補強板295を有する。
天面板290は、合成木材を平面視が略矩形となるように成型したものである。天面板290は、図34に矢印F14で示すように埋設された長繊維が埋設されている。天面板290は、裏面296の長尺方向一端側に、一列に並んだ6つの穴部297を有する。また、天面板290の長手方向に延伸する側面298,300は、床板186の側面を構成するものである。側面298,300には、挿入口301,302および凹部303,305が設けられている。挿入口301および凹部303は、床板186の敷設時にレール6と対向する対向面304側に位置している。挿入口301は、上記した床板固定装置181に設けられた水平部195の突端部195a,195bを収納するものである。
凹部303は、挿入口301から天面板290の裏面296側(図44では上方)に連続するように設けられている。凹部303は、床板固定装置181の立設部216の側面226側あるいは側面227側の一部を収納可能な形状となっている。即ち、挿入口301に床板固定装置181の突端部195aあるいは突端部195bを挿入すると、これに連続する立設部193の側面200側半分あるいは側面201側半分が凹部303に嵌り込む。
挿入口302は、床板固定装置183の係合片230,231を差し込むための開口である。挿入口302は、床板186の側面をなす天面板290の側面298,300の双方あるいはいずれか一方に設けられている。また、凹部305は、挿入口302から天面板290の裏面296側に連続するように設けられている。即ち、図34に示すように、レール6の延伸方向に複数設けられた床板186のうち、両端部に位置する床板186(図34では床板186a,186c)の場合、挿入口302は、側面298あるいは側面300のいずれか一方にのみ設けられている。また、レール6の延伸方向中途部に敷設される床板186(図34では、床板186b)の場合、挿入口302は側面298および側面300の双方に設けられている。要するに、挿入口302は、隣接する床板186との接続面として機能する側面298,300にのみ設けられている。
凹部305は、挿入口302から下方に連続する位置に設けられている。凹部305は、床板固定装置183の係合片230,231を差し込んだときに、これに連続する立設部216の側面226側半分あるいは側面227側半分を嵌め込むことができる。そのため、床板固定装置183を用いて2枚の床板186を連結しても、この床板186,186の間には隙間ができない。さらに、床板固定装置183の立設部216が凹部305に嵌り込み支持されるため、床板固定装置183は床板186に対してしっかりと固定され、ぐらつき等を起こさない。
補強板291は、天面板290と同様に合成木材製であり、長手方向の長さが天面板290の短手方向の長さと同一である。補強板291は、図34に矢印F15で示すように補強板291の長手方向に引き揃えられた長繊維を埋設して補強したものである。補強板291は、図44に示すように、長手方向の中央部であって、短手方向の一端側に矩形状の切り欠き310を有する。また、補強板291の長手方向両端部であって、短手方向の中途には切り欠き311,311が設けられている。切り欠き311は、後述するように補強板292の切り欠き315と共に空洞部317を形成する。また、補強板291には、表裏を貫通する6つの貫通孔312が設けられている。貫通孔312は、切り欠き291を床板186の対向面304側に向けて積層した時に、天面板290の裏面に設けられた穴部297と連通する。
補強板292は、図34に矢印F15で示すように長手方向に引き揃えて埋設された長繊維によって補強された合成木材製の部材である。補強板292は、長手方向、短手方向の大きさが共に補強板291と同一である。また、補強板292は、図44に示すように、補強板291の切り欠き311,311に相当する位置に、切り欠き311と同一形状の切り欠き315,315を有する。さらに、補強板292は、補強板291と同様に長手方向の中央部であって、短手方向の一端側に矩形状の切り欠き316を有する。切り欠き316は、切り欠き310と横幅がc1で同一であるが、縦幅c2は切り欠き310の縦幅c3よりも大きい。そのため、補強板292を補強板291上に積層すると、切り欠き316から補強板291の長手方向中央部にある2つの貫通孔312が露出する。また、切り欠き316の両側には、貫通孔316が2つずつ設けられている。貫通孔316は、補強板292を補強板291に積層したときに貫通孔312と連通する。
補強板291,292は、天面板290の裏面296側に接着固定されると共に、補強板292の貫通孔316から挿通された埋栓266や、切り欠き316に露出した2つの貫通孔312に挿通された埋栓267によっても固定されている。
天面板290の裏面296側には、図45に示すように補強板291,292によって3つの空洞部317,318,320が形成されている。空洞部317,318は、共に補強板291,292の切り欠き311,315が連通して形成されるものであり、天面板290の側面298,300に設けられた凹部303と連通している。空洞部317,318は、床板186の底面307側(図44,45では上方側)および短手方向の側面308a,308b側に開放されている。空洞部317,318は、隣接する床板182,182間あるいは床板186,186間に設置される床板固定装置181の本体部190および本体部190に装着される挟持部材191等を収納する空間であり、これらの部材が床板182や床板186に接触するのを防止できる。
また、空洞部320は、図45に示すように補強板291,292の切り欠き310,316が連通して形成される段状の空間であり、床板186の底面側および長手方向の一端側に開放されている。空洞部320は、レール6を枕木5に固定するために装着されている固定部材8を収納することができる。
一方、天面板290の長尺方向他端側、即ち挿入口302側の端部に接着固定される補強板293は、図44に示すように長手方向の長さが天面板290の短手方向の長さと同一である。補強板293は、その長手方向を天面板290の短手方向に向けて接着固定されている。補強板293は、図34に矢印F16で示すように、その長手方向に引き揃えた長繊維が埋設され補強された合成木材によって構成されている。補強板293は、埋設されている長繊維の方向が天面板290の長繊維の方向と交差する関係にあるため、天面板290をしっかりと補強することができる。
補強板293の長尺方向両端部には、凹部306が設けられている。凹部306は、床板固定装置183に設けられた立設部216の側面226,227の幅と略同一である。また、凹部306は、図45に示すように補強板293を天面板290の裏面296側に接着固定した時に挿入口302に連続する位置に設けられている。そのため、挿入口302に床板固定装置183の係合片230あるいは係合片231を挿入すると、この係合片230,231に連続する立設部216の略半分である側面226側あるいは側面227側の部位が凹部306内に納まる。そのため、2枚の床板186の間に床板固定装置183を介在させても、床板186同士の間には隙間は生じない。
続いて、上記した踏切180の敷設方法について詳細に説明する。先ず、床板182,186の敷設に先立ち、上記した踏切1の敷設時と同様に、レール6の両側面に支承部材77が装着される。踏切180を敷設すべき位置への支承部材77の装着が完了すると、図38に示すように床板固定装置181がレール6に対して装着されると共に、図39,40に示すように床板固定装置183,185が支承ブロック221に装着される。
さらに具体的に説明すると、先ず踏切180を構成する複数の床板182,186のうち、一枚目の床板182,186(図34の182a,186aに相当)の側面に相当する位置に床板固定装置181,185(以下必要に応じて床板固定装置181a,185aと称す)が固定される。
床板固定装置181の固定に際して、先ずレール6の底面部6bの周囲や下方にあるバラストが取り除かれ、レール6の周囲に所定の空間が形成される。その後、床板固定装置181のベース部192をレール6の下方に形成された空間に潜らせる。このとき、床板固定装置181は、天面206が上方に向き、溝部196がレール6の底面部6bに沿うように配置される。即ち、床板固定装置181は、ベース部192に対して略垂直に立設された立設部193がレール6に対して対称な位置関係となるように設置される。
床板固定装置181は、ベース部192に設けられた4つの長孔197に挿通されたボルト198に挟持部材191を装着することによりレール6の底面部6bの端部を挟持して固定される。さらに具体的には、挟持部材191は、ベース部192の天面206から突出したボルト198を貫通孔205に挿通し、挟持部材191の天面202側からナット211を装着することにより固定される。この時、挟持部材191の底部208側に設けられた挟持部210がベース部192の溝部196側を向く姿勢とされるため、ボルト198とナット211との締結力により、レール6の底面部6bの端部がベース部192と挟持部材191との間に挟持される。
上記したようにして一枚目の床板182a,186aを支持するための床板固定装置181がレール6に固定されると、先で取り除かれたバラストが床板固定装置181の下方あるいは周囲に埋め戻される。これにより、床板固定装置181のベース部192は、道床とレール6の底面部6bとの間に挟持される。
軌間外に設置された支承ブロック221には、先ず床板固定装置185が装着される。床板固定装置185は、図40(b)に示すように段部238から突出したボルト245を水平部240の貫通孔242に挿通し、このボルト245にナットを装着することによって固定される。そのため、水平部240は、段部238に面接し、垂直部241は、段部238に対して垂直上方に立設される。
上記したように、ボルト245は、支承ブロック221の両端部に設けられた貫通孔221eから突出している。床板固定装置185は、それぞれのボルト245に装着されており、互いに垂直部241が対向し、水平部240が支承ブロック221の長手方向端部側に向くように固定されている。また、床板固定装置185の垂直部241は、図34に示すように、先でレール6に固定された床板固定装置181の立設部193と略同一直線上に並ぶ。
上記したようにして床板固定装置181,185の固定が完了すると、床板182a,186aが設置される。ここで、床板182a,186aは、図34(b)等に示すように、長尺方向の長さとレール6の腹部6cに装着された支承部材77,77間の間隔とが略同一であるため、レール6,6間に容易に嵌め込むことができる。一枚目の床板182aは、図46に矢印Aで示すように床板固定装置181からやや離れた位置のレール6,6間に嵌め込まれる。また、床板186aについても、矢印Aで示すように床板固定装置181,185からやや離れた位置のレール6と支承ブロック221との間に嵌め込まれる。
レール6,6間あるいはレール6と支承ブロック221との間に嵌め込まれた床板182a,186aは、図46に矢印Bで示すようにレール6あるいは支承ブロック221に装着されている床板固定装置181,185側に突き当てられる。すると、図47に示すように床板182a,186aの側面に設けられた挿入口280,301に、レール6に固定された床板固定装置181の水平部195が挿入され嵌り込む。また、水平部195に連続する立設部193の一部あるいは全部は、床板182a,186aの側面に設けられた凹部280,303に納まる。
床板固定装置181a,185aに床板182a,186aが装着されると、床板固定装置181aのベース部192や挟持部材191は、床板182aの下方に潜り、床板182aには直接接触しない。一方、床板185a側に位置する床板固定装置181aのベース部192や挟持部材191は、床板185aの側面に設けられた空洞部317に収納され、床板185aには直接接触しない。
上記したようにして床板182a,186aの側面282a,308aが床板固定装置181a,185aにより固定されると、続いて床板固定装置181b,183bにより床板181a,185aの他方の側面282b,308bが固定される。さらに詳細に説明すると、床板182a,186aの他端側の側面282b,308bには、挿入口278や挿入口310が開口している。床板固定装置181bは、水平部195の突端部195aあるいは突端部195bを床板182a,186aの挿入口278,310に挿入可能な位置に設置される。即ち、床板固定装置181bを設置する場合は、床板固定装置181aの場合と同様に、既に設置された床板181a,185aに隣接する位置にあるバラストを除去し、レール6の下方に床板固定装置181bのベース部192をくぐらせる。その後、一方の水平部195の突端部195aあるいは突端部195bの一方を、床板182a,186aの他端側の側面にある挿入口278や挿入口310に挿入する。
挿入口278,310に水平部195が装着されると、上記と同様にしてベース部192に挟持部材191が装着される。床板固定装置181bは、ベース部192に装着されたボルト198とナット211との締結力によりレール6の底部に固定される。床板固定装置181bがレール6に対して固定されると、ベース部192を設置する際に除去したバラストがレール6の周囲に戻され、押し固められる。そのため、床板固定装置181bは、床板181,186の他端側にしっかりと固定されると共に、床板181,186がレール6の延伸方向および上下方向に移動するのを確実に阻止できる。
床板186の他端側であって、支承ブロック221側の端部は、図39に示すように床板固定装置183を用いて固定される。さらに詳細に説明すると、支承ブロック221の側面221cには、図39に示すように床板固定装置183の挿入片223を挿入するための挿入口221dが設けられている。床板固定装置183は、挿入口221dに挿入片223を差し込むと、水平部217が支承ブロック221の段部238よりも上方に位置し、係合片230,231が支承ブロック221の長尺方向に突出した状態となる。床板186は、床板固定装置183の係合片230を一枚目の床板186aの側面に設けられた挿入口302に挿入し、さらに挿入片223を支承ブロック221の挿入口221dに挿入することにより、支承ブロック221に対してしっかりと固定される。
このようにして一枚目の床板182a,186aの敷設が完了すると、これに続いて二枚目以降の床板182b,182cおよび床板186b,186cの敷設が行われる。これらの床板182,186の敷設作業は、一枚目の床板181a,186aと同様にして行われる。
さらに具体的には、図47に矢印Aで示すように、床板182bは、先に敷設された床板182aから少し離れた位置にレール6,6間の上方から嵌め込まれ、矢印Bのように床板182a側にスライドされる。これにより、床板182aの側面282bに既に装着されている床板固定装置181の突端部突端部195bが、床板182bの挿入口278に嵌り込む。床板固定装置181の水平部195は、突端部195a,195bが床板182a,182bの挿入口278に嵌り込む。さらにこの水平部195に連続する立設部193の一部は、隣接する床板182,182の側面に設けられた凹部280,280によって形成される空間内に収納される。また、立設部193の残部およびベース部192、挟持部191は、床板182の下方に存在し、床板182には直接接触しない。そのため、上記した構成によれば、隙間を形成することなく複数の床板182を並べて敷設できる。
上記したようにして二枚目の床板182bが一枚目の床板182aに並べて配置されると、二枚目の床板182bの他端側に上記した手順で床板固定装置181が装着される。これにより、二枚目の床板182bは、4隅を床板固定装置181によって支持される。そのため、床板182bは、レール6の延伸方向および上下方向への移動が阻止されしっかりと固定される。
三枚目の床板182cについても、上記した床板182bと同様にして敷設される。そのため、床板182a,182b,182cは、互いに隙間を形成することなく、しっかりと道床上に敷設される。
一方、軌間外に敷設される二枚目の床板186bは、図47に矢印Aで示すようにレール6および支承ブロック221の上方から、既に敷設されている床板186aから少し離れた位置に嵌め込まれる。その後、レール6の側面と支承ブロック221の段部238との間に嵌め込まれた床板186bは、図47に矢印Bで示すように一枚目の床板186a側に向けてスライドされる。これにより、図39に示すように一枚目の床板186aの側面に装着されていた床板固定装置183の係合片231が二枚目の床板186bの側面に形成された挿入口302に差し込まれ、床板186a,186bが連結される。
床板186の挿入口302は、床板固定装置183の水平部217の半分に相当する係合片230あるいは係合片231全体を収納することができる。また、2枚の床板186を並べて配置することにより、挿入口302に連続する凹部305,305が組み合わさって形成される空間は、立設部216の一部を収納可能である。また、立設部216のうち凹部305,305に収納されない残部や、ベース部215は、床板固定装置183を支承ブロック221に装着した際に段部238よりも下方に位置しているため、床板186とは直接接触しない。そのため、図34に示すように床板186a,186bを並べて敷設した場合、これらの間には隙間が形成されない。
三枚目の床板186、即ち踏切180の端部を構成する床板186cは、床板186b側の端部が上記したのと同様にして床板固定装置181,183によって固定される。また、床板186cの他端側(踏切180の端部側)は、上記した一枚目の床板186aと同様に床板固定装置181および床板固定装置185によって固定される。そのため、位置調整ボルト236のねじ込み量を調整することにより、床板186cを側面からしっかりと保持することができる。
上記したように、床板182,186は床板固定装置181,183,185によりしっかりと固定されるが、床板182,186をさらに強固に固定するためにボルト等の固定部材を用いて支承部材221に固定する構造としてもよい。この場合、例えば図48に示すように床板186の天面にボルト325を挿通するための貫通孔326を設けて固定すると、床板186の天面側に空洞327ができてしまう。空洞327は、床板186の天面に露出しているため、歩行者がつまづいてしまったり、雨水や砂塵が溜まって美観を損ねるおそれがある。また、ボルト325等の貫通孔326内にある部材は、直接風雨にさらされると腐食等を起こしやすくなる。
そこで、床板182,186の天面に貫通孔186等を設ける場合は、図49に示すように貫通孔186に充填剤328を充填し、床板186の天面を面一に維持しておくことが望ましい。かかる構成によれば、床板182,186をしっかりと固定しつつ、歩行者がつまづいたり、雨水や砂塵が溜まるといった不具合を解消できる。また、充填剤328を充填しておくことにより、ボルト325等の部材を風雨から保護し、腐食を防止できる。なお、充填剤328としてはウレタン系の樹脂等あらゆる材質のものを採用可能であるが、雨や水分の影響を受けないポリエステル系の樹脂等が好適である。
上記したようにして充填剤328を充填すると、メンテナンス等のために床板182,186を取り外す必要がある場合に充填剤328を貫通孔326から取り除く必要がある。しかし、充填剤328は貫通孔326の壁面に密着するため、床板182,186を傷つけずに取り外すことが困難である。そこで、メンテナンス等のために充填剤328を取り除く場合を想定し、貫通孔326の壁面には離型剤を塗布しておくことが望ましい。
さらに、充填剤328を貫通孔326から取り外す場合を想定し、充填剤328を貫通孔326に流し込む際に図50に示すように空洞327にスポンジ状の充填ブロック330を入れておいてもよい。充填ブロック330は、スポンジ状で弾性を有する部材であるため、床板182,186の天面側に硬化した樹脂に外力を加えるだけで充填剤328が貫通孔326から浮き上がり、床板182,186に傷を付けずに充填剤328を取り外せる。
続いて、本発明の別の実施形態である踏切および床板固定装置について図面を参照しながら詳細に説明する。図51(a)は、本実施形態の踏切を示す正面図であり、(b)はこの踏切の側面図である。また、図52は、図51に示す踏切の一部破断斜視図である。
図53(a)は、図51に示す踏切において採用されている床板固定装置を示す正面図であり、(b)はこのA方向矢視図、(c)はこのB方向矢視図、(d)はこの斜視図である。図54(a)は、図52に示す床板固定装置により床板を敷設した状態を示す側面図であり、(b)は図52のA部近傍を天面側から観察した状態を示す平面図であり、(c)は(b)のX−X断面図である。図55は、図53に示す床板固定装置よる床板の固定構造を示す分解斜視図である。なお、以下の説明において、上記実施形態の踏切と同様の構造を有する部分には同一の符号を付し、詳細の説明は省略する。また、以下の説明において上下の位置関係は、特に断りのない限り図51のように踏切を敷設した際に道床側に向く方向を下方とし、その逆を上方とする。
図51,52において、400は本実施形態の踏切である。踏切400は、踏切1と同様に床板402,403をそれぞれレール6に沿って並べ、これらを横断する連結軸72および床板固定装置80,405を用いて一体化したものである。さらに具体的には、踏切400は、レール6,6によって挟まれた軌間内に3枚の床板402(以下、必要に応じて床板402R,402C,402Lと称す)を並べて敷設すると共に、レール6と軌間外にレール6に沿って配置された支承ブロック7との間に床板403(以下、必要に応じて床板403R,403C,403Lと称す)を3枚ずつ並べて敷設した構成となっている。
踏切400は、レール6の延伸方向両端部に配置される床板402R,402Lおよび床板403R,403Lに隣接する位置に上記した踏切1と同様に床板固定装置80を配すると共に、隣接する床板402R,402C間、床板402C,402L間、床板403R,403C間、床板403C,403L間に床板固定装置405を配し、連結軸72によって一体化したものである。本実施形態の踏切400は、床板402,403の構造、および、隣接する床板402,402間および床板403,403間に配置される床板固定装置405の構造に特徴を有する。以下、これらの構造を中心に説明する。
床板402は、上記実施形態において説明した床板2と同様に天面板10の裏面17側に補強板11,12,13と、連結補強板30とを接着固定して補強したものである。床板402は、図54,図55のように側面31,32のいずれか一方または双方の長手方向両端部に床板固定装置405が嵌り込む凹部406を有する点のみが床板2と異なる。即ち、床板402は、床板連結装置405に対向する位置に凹部406を形成したものであり、踏切400の両端部を構成する床板402R,402Lについては隣接する床板402C側を向く側面31,32のいずれか一方のみに凹部406が形成され、中間部分に配される床板402Cについては側面31,32の両方に凹部406が形成されている。
凹部406は、平面視が天面板10に設けられた貫通孔33と同心円状の略円形の円形凹部406aと、この円形凹部406aの下端部に繋がる矩形状の矩形凹部406bとから構成されている。凹部406aには、カラー部材35が、貫通孔33に筒部36を挿入した状態で装着される。凹部406bは、下方、即ち天面板10から補強板12側に向けて延伸し、床板402の底面側に突き抜けている。
床板403は、図54,55のように上記実施形態において採用されていた床板3と同様に、天面板50の裏面側に補強板11,12,57,58と連結補強板65を接着固定して補強すると共に、補強板58に弾性部材60を貼り付けて保護した構成となっている。床板403は、上記した床板3の側面50c,50dであって貫通孔70に相当する位置に床板402の凹部406と同様の凹部407を有する。
さらに具体的には、床板403は、床板連結装置405に対向する位置に凹部406を形成したものであり、踏切400の両端部を構成する床板403R,403Lについては踏切400の中央側を向く側面31,32のいずれか一方のみに凹部407が形成されている、また、踏切400の幅方向中間部分に配される床板402Cについては側面31,32の両方に凹部407が形成されている。凹部407は、平面視が貫通孔70と同心円状の円形凹部407aと、これに連続し、床板403の底面側に抜ける矩形凹部407bとから構成されている。
床板固定装置405は、全体が金属製であり、図53〜図55のように大別してベース部410、立設部411(移動阻止部)および浮上阻止部412とから構成されている。ベース部410は、平坦な金属板であり、図54(a)のようにレール6の下方にくぐらせて設置される部分である。
立設部411は、ベース部410の長手方向両端部にあり、ベース部410に対して垂直上方に立ち上がる扁平な壁状の部位である。立設部411は、図53等に示すように壁面413(413a,413b)がベース部410の短手方向に向いている。立設部411の下端部は、壁面413a,413bおよびベース部410に対して垂直に固定された支持部材415によって支持されており、床板固定装置405の剛性の強化が図られている。
立設部411の上端側には、浮上阻止部412が一体的に成形されている。浮上阻止部412は、図53のように正面視が略円形であり、立設部411の両壁面413a,413bに対して垂直方向、即ちベース部410の短手方向に膨出している。浮上阻止部412は、外径が床板402,403の円形凹部406a,407aの内径よりも僅かに小さく、この円形凹部406a,407aに嵌り込む。浮上防止部412の略中央部には、厚み方向(図53(b)の矢印A−A方向)に貫通した貫通孔416が設けられている。貫通孔416は、円形凹部406a,407aに浮上阻止部412を嵌め込んだ際に、床板402の短手方向に貫通した貫通孔33,70およびこの貫通孔33,70に装着されているカラー部材35の開口37と連通する。
床板固定装置405は、図51および図52に示すように隣接する床板402,402および床板403,403の境界部分に設置される。床板固定装置405は、図53および図54に示すように、ベース部410がレール6の底面部6bの下方に潜り込み、ベース部410の略中央部がレール6の真下となるように設置される。床板固定装置405は、ベース部410の長手方向がレール6の延伸方向と略直交し、立設部411,411が共に上方に向く姿勢とされる。床板固定装置405は、道床とレール6との間に挟まれており、これにより上下方向、即ち道床に対して近接・離反する方向への移動が阻止される。そのため、床板固定装置405は、上方から荷重が作用しても上方には浮き上がらない。
立設部405および浮上阻止部412は、図52、図54および図55に示すように、床板402,403に設けられた凹部406,407に嵌り込む。さらに具体的には、例えば、図52および図54のように、床板402L,402C間および床板403L,403C間に配置されている床板固定装置405は、立設部405および浮上阻止部412のうち壁面413a側半分が床板402L,403Lの凹部406,407に嵌り込むと共に、壁面413b側半分の部位が床板402C,403Cの凹部406,407に嵌り込む。これにより、床板402,403は、床板固定装置405に対して位置決めされると共に、浮上阻止部412が凹部406,407に引っかかり床板固定装置405に対する上下動が阻止された状態となる。
上記したように、床板固定装置405は、道床とレール6との間に挟まれており、道床に対して近接離反する方向への移動が阻止されている。そのため、床板402,403は、床板固定装置405によって浮上が防止された状態となる。
隣接する床板402,402間および床板403,403間に床板固定装置405を介在させて床板402,403が配されると、図52に示すように上記した踏切1の場合と同様にレール6の延伸方向両端部に配された床板402L,402Rおよび床板403L,403Rの外側に床板固定装置80が設置される。その後、床板402L,403Lあるいは床板402R,403Rのいずれか一方側から、床板固定装置80の立設部82に設けられた貫通孔104を介して長尺の連結軸72が挿通される。連結軸72は、各床板402,403の短手方向に貫通した貫通孔33,70および中途に配置された床板固定装置405の貫通孔416を突き抜ける。床板固定装置80の貫通孔104から突出した連結軸72の両端部には、ナット116が締結される。これにより、3枚の床板402および床板403が一体化される。
上記したように、本実施形態の踏切400では、床板固定装置405がレール6に対して上下方向に相対移動不可能なように配置され、この床板固定装置405の浮上阻止部412が床板402,403の凹部406,407に嵌め込まれると共に、床板固定装置405の貫通孔416に複数の床板を貫通する連結軸72が挿通されている。そのため、本実施形態の踏切400は、例えばレール6の延伸方向の中途に配置されている床板402Cや床板403Cに対して集中的に荷重が作用してもこの床板402C,403Cが浮き上がらず、道床に対して略水平な姿勢に維持される。
また、上記した床板固定装置405は、ベース部410をレール6の下方にくぐらせるだけで設置することができ、上記実施形態で説明した床板固定装置80等に比べて設置に要する手間が少ない。そのため、床板固定装置405は、床板固定装置80等を採用した場合に比べて敷設作業をより一層簡略化しつつ、床板402,403が浮上しないようにしっかりと敷設することができる。
上記した床板固定装置405は、本発明の一実施形態を示したものに過ぎず、例えば図56に示す床板固定装置420のような構成とすることも可能である。さらに具体的に説明すると、床板固定装置420は、大部分が床板固定装置405と同一の構成であるが、浮上防止部412と正面視が同一形状の浮上防止部421が立設部411の一方側(図56では壁面413b側)にのみ膨出した構成となっている。浮上防止部421は、浮上防止部412と同様に、正面視が略円形であり、その中心部分に厚み方向に貫通し、連結軸72を挿通可能な貫通孔422が設けられた構成となっている。
床板固定装置420を採用した場合についても、床板402,403の側面31,32には浮上防止部421に相当する円形凹部406aおよび立設部411に相当する矩形凹部406bが連続した凹部406を形成される。床板固定装置420は浮上防止部421が壁面413b側にのみ膨出した構成であるため、床板固定装置420を採用した場合は、図56(e)のように、隣接する床板402,402あるいは床板403,403のうち壁面413bに対向する側に配置される床板402,403にのみ凹部406を設ければよい。そのため、床板固定装置420を採用すれば、床板402,403に凹部406を形成するのに要する手間を簡略化することができる。
また、床板固定装置420を採用する場合にも、隣接する床板402,402および床板403,403に渡って挿通される連結軸72が床板固定装置402の貫通孔422に挿通される。また、床板固定装置420は、床板固定装置405と同様にベース部410の上方にレール6が跨った状態で敷設される。そのため、床板固定装置420を用いて床板402,403を敷設すれば、床板402,403に対して荷重が集中的に作用してもこれらは浮き上がらず道床に対して水平な姿勢を維持する。
床板固定装置405,420は、いずれも浮上阻止部412,422を具備したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図57の床板固定装置425のように浮上阻止部412,422に相当する部位を持たないものであってもよい。さらに具体的に説明すると、床板固定装置425は、床板固定装置405等と同様のベース部410と、これに対して垂直上方に立ち上がる立設部426を有する。
立設部426は、床板固定装置405の立設部411と同様にベース部410の長手方向両端部にあり、ベース部410に対して垂直上方に立ち上がる扁平な壁状の部位である。立設部426は、先端(上端)部分が円弧状に成形されている。立設部426の上端部分には、連結軸72を挿通可能な貫通孔426aが設けられている。
また、床板固定装置425のベース部410には、ゴム製で可撓性を有し、レール6の底面部6bを嵌め込むことが可能なレール係止部材427が固定されている。レール係止部材427は、接着やネジ止め等のいかなる手法を用いてベース部410に固定されていてもよい。
床板固定装置425を採用して床板402,402あるいは床板403,403の連結を行う場合は、床板402,403の側面31,33には上記した凹部406に代わって立設部426の形状に沿う形状の凹部428が形成される。
床板固定装置425は、図57(a)のようにレール6の底面部6bの下方にベース部410をくぐらせると共に、底面部6bをレール係止部材427に嵌め込む。これにより床板固定装置425がレール6に対してしっかりと固定された状態となる。
床板固定装置425は、図57(e)のように、隣接する床板402,402間あるいは床板403,403間に挟み込まれた状態となる、そして、床板固定装置425の貫通孔426aは、床板402,403の貫通孔33,70と連通する。そのため、隣接する床板402,402および床板403,403は、連結軸72によって床板固定装置425に対して固定され、道床に対する上下動が阻止される。
上記したように、床板固定装置425は、床板固定装置405,420に比べて構成が簡略であるため、製造が容易であり、製造コストも低い。さらに、床板固定装置425の構成が簡略であるため、これを採用した場合は、床板402,403に設ける凹部428の形状も単純な形状とすることができる。そのため、床板固定装置425によれば、床板402,403を道床に対して容易かつしっかりと敷設することができる。
上記した床板固定装置425は、ベース部410にレール係止部材427を固定した構造であるため、レール6に対する固定構造が強固であり、床板402,403を介して大きな外力が作用しても床板固定装置425の取り付け位置のズレやこれに起因する不具合が起こらない。なお、床板固定装置425は、レール係止部材427を備えたものであったが本発明はこれに限定されるものではなく、レール係止部材427を持たない構成であってもよい。
また、床板固定装置425は、立設部426の先端部分が略円弧状に成形されている。これにより、床板402,403に対して上下方向に大きな応力が作用しても、床板402,403の床板固定装置425との接触部分に作用する応力を分散し、当該部位における床板402,403のひび割れ等を防止できる。
床板固定装置425を採用した際の床板402,403の構成の一例として図57(e)のように隣接する床板402,402あるいは床板403,403の双方に凹部428を設けた例を例示したが、隣接する床板402,402あるいは床板403,403のうちいずれか一方に床板固定装置425の立設部426全体を収納可能な凹部428を設け、他方に凹部428を設けない構成としてもよい。かかる構成によれば、床板402,403に凹部428を形成するのに要する手間を簡略化することができる。
上記した床板固定装置425は、立設部426の先端部分を円弧状に成形したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図58の床板固定装置430のように先端部分を面取りした立設部431を設け、この立設部431に壁面432a,432b間を貫通する連結軸72の挿通用の貫通孔431aを設けた構成とすることも可能である。かかる構成によれば、床板固定装置430の成形がより一層簡単となり、床板固定装置430の製造コストを低減することができる。
床板固定装置430を採用する場合、床板402,403に設ける凹部428については、図58(a)のように立設部431の先端部分に外接する円弧状に成形してもよく、図58(e)のように立設部431の先端形状に合致する形状にしてもよい。
また、床板固定装置430を採用する場合は、図58(f)に示すように、隣接する床板402,402あるいは床板403,403のそれぞれに凹部428を設けてもよく、図58(g)に示すように一方の床板402,403側に立設部431の厚みに相当する深さの凹部428を設け、他方を平坦な構成としてもよい。かかる構成によれば、床板402,402間あるいは床板403,403間に床板固定装置430を介在させてもこれらの間に隙間が発生しない。
また、踏切400は、床板402,402間あるいは床板403,403間に、図59に示すような構造の床板固定装置435を配して連結した構成とすることも可能である。床板固定装置435は、大部分が上記した床板固定装置430と同一であるが、立設部426の先端部分に係止筒部436を設けた点が大きく異なる。
係止筒部436は、立設部426に対して略直交する円筒状の形状を有し、床板固定装置430の貫通孔426に相当する位置に設けられている。係止筒部436は、立設部426の両壁面437a,437b側から突出している。係止筒部436は、内径が連結軸72の外径と略同一あるいは僅かに大きい。
床板402,403の貫通孔33,70に装着されるカラー部材35は、図59(e)のように筒部36の開口37の開口径が係止筒部436の外径と略同一あるいはこれよりも僅かに大きい程度とされる。
床板固定装置435は、図59(e)のように隣接する床板402,402間あるいは床板403,403間に挟み込まれて使用される。この時、床板固定装置435の係止筒部436は、床板402,403の貫通孔33,70に装着されたカラー部材36の開口37に差し込まれる。これにより、隣接する床板402,402あるいは床板403,403は、カラー部材35を介して貫通孔33,70に差し込まれた係止筒部436を介してレール6に対して上下動しないように固定された床板固定装置435に連結された状態となる。即ち、床板固定装置435において、係止筒部436は、上記した床板固定装置405の浮上阻止部412と同様に、床板402,403に引っかかって床板402,403の浮上を防止するという作用効果を発揮する。従って、床板固定装置435は、図57,図58の床板固定装置425,430のようにレール係止部材427を設けなくても床板402や床板403の浮上を防止でき、レール係止部材427の分だけ構造の簡略化し、製造コストを低減することができる。
係止筒部436には、隣接する複数の床板402あるいは床板403に渡って差し込まれる連結軸72が挿通される。これにより、床板固定装置435が、隣接する床板402,402間あるいは床板403,403間に挟まれた状態で一体化される。
床板固定装置435は、床板402あるいは床板403に設けられた凹部428内に収納される。そのため、床板固定装置435を床板402,402間や床板403,403間に介在させてもこれらの間には隙間が発生しない。
上記した床板固定装置435は、先端部分が円弧状の立設部426を具備したものであったが、図60のように上記した床板固定装置430と同様に、先端部分が多角形状に面取りされた立設部431を設けると共に、係止筒部436を設けた床板固定装置440を採用してもよい。床板固定装置440は、床板固定装置435と同様の作用効果を有すると共に、立設部431の加工に要する手間が少なく、製造コストが低い。
床板固定装置435,440は、いずれも立設部426の両壁面432a,432b側あるいは両壁面437a,437b側に係止筒部436が同一長さだけ突出した構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図61の床板固定装置445のように係止筒部436が立設部431の壁面432b側にのみ突出した構成とすることも可能である。かかる構成の床板固定装置445によっても、上記した床板固定装置435,440を隣接する床板402,402間や床板403,403間に配した場合と同様に、床板402,403の浮上を確実に防止できる。
また、床板固定装置445のように、立設部431の一方の壁面432a側が平坦な構成とすれば、係止筒部436の突出側(壁面432b側)に対向する床板402,403にのみ立設部431を収納可能な凹部428を設ければ良く、平坦な壁面432aに対向する床板402,403には凹部428を設ける必要がない。そのため、床板固定装置445によれば、床板402,403の加工に要する手間を簡略化することができる。
また、上記した床板固定装置435,440,445は、いずれも連結軸72を挿通可能な円筒状の係止筒部436を設けた構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図62に示す床板固定装置450のように中実で円柱状の係止軸部451を設けた構成としてもよい。
床板固定装置450を隣接する床板402,402間や床板403,403間に配置した場合は、立設部431に対して略垂直に突出した係止軸部451が各床板402,403の貫通孔33,70に装着されたカラー部材35の開口37に嵌り込む。そのため、床板402,403は、床板固定装置450に対して上下方向への移動が阻止された状態となる。
ここで、床板固定装置450は、上記した床板固定装置405等と同様に、ベース部410をレール6の底面部6bの下方に潜り、道床と底面部6bとで挟まれた状態で設置されるため、レール6に対して上下方向に移動できない。そのため、床板固定装置450によれば、荷重が作用してもこれらが浮き上がらないように床板402,403を敷設できる。
踏切400において、床板固定装置405等の床板固定装置と、床板402,403との間に介在しているカラー部材35は、円盤状のフランジ部38の一面側から筒部36が突出した形状を有するが、例えば図63(a)に示すカラー部材455のように円盤状のフランジ部456に対して筒部457が突き抜けたような形状を有するものを採用してもよい。図63(b)のように、カラー部材455を床板402や床板403と床板固定装置405等の間に介在させると、カラー部材455の筒部457の一端側が床板402,403の貫通孔33,70に挿入されると共に、筒部457の他端側が床板固定装置405の貫通孔416に嵌り込み、床板402,403と床板固定装置405との接続状態をより強固なものとすることができる。
上記実施形態において床板402,403は、図63(b)に示すように隣接する床板402,402間あるいは床板403,403間を突き抜ける連結軸72を挿通可能な貫通孔33,70を設けた構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、例えば図63(c)のように床板402,403を床板固定装置405に突き当てた時に床板固定装置405の貫通孔416に相当する位置に図63(a)に示すカラー部材455の筒部457の一端側を装着し、筒部457の他端側を床板固定装置405の貫通孔416に挿入する構成としてもよい。かかる構成によっても隣接する床板402,403同士をしっかりと連結し、一体化することができる。
また、上記したカラー部材455は、中空で連結軸72を挿通可能な筒部457を有するものであったが、これに代わって図63(d)のようにフランジ部456に対して中実で円柱状の軸部458が突き抜けた構造であってもよい。かかる構成のカラー部材455を採用した場合であっても隣接する床板402,403同士をしっかりと連結し、一体化することができる。
ここで、踏切400は、レール6に沿って3枚の床板402,403を横断する連結軸72によって各床板402,403を連結した構成であったが、さらに多数の床板402,403を連結した幅広の踏切を構成する場合がある。この場合、床板402,403の枚数に合わせてさらに長尺の連結軸72を用意することも可能であるが、このような構成とした場合は連結軸72の搬送等に支障が出る。そのため、多数の床板402,403を用いて踏切を構成する場合は、床板402,402間や床板403,403間に図64(a)に示すような長ナット460を介在させ、これにより連結軸72同士を連結して延長することが可能である。
さらに具体的に説明すると、長ナット460は金属製の筒体であり、その内周面にタップ加工が施され、ネジが形成されている。連結軸72の長さを超える幅広の踏切を構成する場合は、先ず図64(c),(d)のように長ナット460の軸方向中途まで一方の連結軸72(以下、必要に応じて連結軸72Aと称す)がねじ込まれる。
一方、床板402,403には、図64(e)のように貫通孔33,70に連通し、側面31,32側に開口した凹部466が形成される。凹部466は、長ナット460の軸方向の長さhの半分(h/2)に相当する深さの凹部である。また、床板402,403の凹部466には図64(b)に示すようなカラー部材461が装着される。カラー部材461は、ドーナツ状のフランジ部462と、これに連続し凹部466の内周面に沿う形状の円筒部463、円筒部463の略中央部に連続し、貫通孔33,70の内周面に沿う形状の円筒部465とから構成されている。
上記した先端部分に長ナット460が装着された連結軸72およびカラー部材461は、図64(e),(f)のように一方の床板402,403(以下、必要に応じて床板402A,403Aと称す)に装着される。即ち、カラー部材461は、円筒部465側が床板402A側を向く姿勢とされ、フランジ部462が床板402A,403Aの側面31,32に面接触するまで押し込まれる。また、連結軸72は、長ナット460が装着された部位を外側に向けた状態で貫通孔33,70内に挿入される。
床板402A,403Aに隣接する位置に配置される床板402,403(以下、必要に応じて床板402B,403Cと称す)の凹部466にも、カラー部材461が装着される。その後、図64(f)に矢印で示すように床板402B,403Bが床板402A,403A側に移動され、図64(g)のように互いの側面31,32同士が対向した状態とされる。これにより床板402A,403A側の凹部466と、床板402B,403B側の凹部466との間に形成される空間467内に長ナット460が収納された状態となる。
長ナット460が空間470内に収納された状態となると、図64(g)に矢印で示すように床板402B,403Bの貫通孔33,70の他端側から別の連結軸72(以下、必要に応じて連結軸72Bと称す)が長ナット460に突き当たるまで挿通される。その後、連結軸72Bを軸心周りに回転させることにより、連結軸72Bの先端部分が長ナット460に螺合する。これにより、二本の連結軸72A,72Bが長ナット460を介して連結されると共に隣接する床板402,402同士あるいは床板403,403同士が連結された状態となる。
なお、図64のように、凹部466,466で形成される空間470内に長ナット460を収納する構成とする場合は、連結軸72同士を連結した後に長ナット460の周囲の空洞状態の部分に樹脂等を流し込んで硬化させるなどしてもよい。かかる構成によれば、連結軸72と長ナット460との締結状態の緩みを防止できる。
上記したように長ナット460により連結軸72同士を連結する場合は、図66(a)のように、予め一方の床板402A,403Aに長ナット460を埋め込んでおき、この長ナット460に図66(b)のように貫通孔33,70を介して連結軸72A,72Bを挿通して螺合させることにより連結することも可能である。図66のように長ナット460を床板402や床板403に埋め込んでおくことにより、連結軸72を長ナット460に装着する際に長ナット460が空回りするといった不具合を確実に防止できる。
連結軸72同士を連結する必要がある場合は、床板402,402あるいは床板403,403の繋ぎ目にあたる部分に長ナット460を介在させる以外に、図65(a)のようにカラー部材35と同様の構成を有し、筒部36の内周にネジが形成されたカラー部材470を一方の床板402A,403Aに装着しておき、これを用いて連結軸72A,72Bを連結することも可能である。この場合、カラー部材470は、連結軸72A,72Bを螺合させる際の空回りを防止すべく、筒部36の周囲に貫通孔33,70に食い込む突起を設けたり、貫通孔33,70に筒部36を接着固定する等の方策を施しておくことが望ましい。
また、連結軸72同士を連結する場合は、図67のように、床板402,402間、あるいは床板403,403間に配置される床板固定装置405の貫通孔422内にタップ加工を施してネジを作製しておき、このネジを利用して二本の連結軸72A,72Bを連結する構成としてもよい。かかる構成によれば連結軸72A,72Bの連結を確実に行えると共に、床板402,403の浮き上がりを確実に防止できる。
複数の床板402,403等の床板を連結した構造の踏切には、上記したよう踏切400のようにまっすぐに伸びるものが多いが、敷設場所によっては例えば図68(a)のように湾曲した形状に踏切を敷設せざるを得ない場所がある。かかる場所に踏切を敷設する場合、例えば図68に示す様な軸連結具470を用いて二本の連結軸480A,480Bを屈曲自在に接続し、これにより床板402や床板403を接続する構成としてもよい。
さらに具体的に説明すると、軸連結具470は、図68(d),(f)に示すように側面視が略「コ」字形の屈曲接続部471と、連結軸480Bが螺合可能なネジ孔472とを有する。屈曲接続部471は、連結軸480Aの端部を上下方向から挟み込む張出片472,472を有し、両者の間に軸差込部473が形成されている。張出片472,472には、軸差込部473に向けて貫通したピン挿通孔475,475が形成されている。
連結軸480Aは、両端部にネジが形成されており、一端側が軸連結具470のネジ孔472と螺合可能であり、他端側がナット476と螺合可能なように形成されている。また、連結軸480Bは、一端側にナット476が螺合可能なようにネジが形成されており、他端側にピン挿通孔477が形成されている。ピン挿通孔477は、連結軸480Bの径方向に貫通している。連結軸480Aは、ピン挿通孔477が軸連結具470の張出片472,472に設けられたピン挿通孔475,475に合致するように軸差込部473に差し込まれる。連結軸480Aは、図68(b)のようにピン挿通孔475,477に渡って差し込まれたノックピン478によって軸連結具470に対して屈曲自在に接続される。
上記したように、軸連結具470によれば、2本の連結軸480A,480Bを屈曲自在に接続できる。さらに具体的には、例えば図68(a)のように中途で屈曲した形状の踏切485を形成する場合は、屈曲部分の床板402(402a),402(402b)の間に隙間を空けておく。そして、一方の床板402b側に並んだ各床板402に軸連結具470を装着した連結軸480aを挿通し、床板402a,402bの隙間に軸連結具470のピン挿通孔475を露出させる。一方、連結軸480bが、ピン挿通孔477側の端部を前記隙間側に向けて挿通され、図68(d)のように軸連結具470の軸差込部473に差し込まれる。その後、床板402a,402bの隙間の上方からピン挿通孔475,477に渡ってノックピン478が差し込まれ、連結軸480A,480Bが連結される。連結軸480A,480Bの連結後、床板402a,402bの隙間が詰められ、踏切485の敷設が完了する。