JP3954996B2 - 軌道構造、まくら木、および、まくら木の敷設位置調整方法 - Google Patents

軌道構造、まくら木、および、まくら木の敷設位置調整方法 Download PDF

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本発明は、鉄道の軌道構造、まくら木およびまくら木の敷設位置調整方法に関する。
鉄道軌道では、二本のレール間距離を維持し、列車から受ける荷重を道床などに効率良く拡散させるため、二本のレールは並行して配置された多数のまくら木に締結されている
。通常、まくら木は二本のレール間距離よりも僅かに長く、一本のまくら木によって二本のレールを締結して軌道を形成している。
ところで、鉄道軌道に使用されるまくら木は膨大な数であり、耐用期間が近づいた軌道では、まくら木を更換するために多大な人手と時間、費用を要している。特に、まくら木は嵩高く重量も相当重いため、更換敷設に際して多くの人手を要する要因となっている。
そこで、近時、合成木材などを用いた合成まくら木が開発されている。
合成まくら木は、従来のコンクリートまくら木(PCまくら木)などに比べて軽量であり、耐荷重性、耐久性を向上させることが可能である。
例えば、特許文献1には、このような合成木材を用いたまくら木が開示されている。則ち、特許文献1に開示されたまくら木は、レールを支持するための基本形状および強度を維持しつつ、従来の角柱形状とは異なる形状のまくら木を合成木材を用いて製することにより、軽量化を図り道床抵抗の増大を図ったものである。
特開平10−131103号公報
ところが、前記した合成まくら木は、木材やPCまくら木に比べてコストが高い不満があった。また、前記特許文献1に開示されたまくら木は、軽量化は図られてはいるものの従来のまくら木と同様の一体形状であり、搬送時に嵩張るうえに、敷設や更換に手間と時間を要するものであった。
また、このような問題とは異なり、近時、産業廃棄物の再利用が求められている。まくら木を産廃などを利用して製することにより、産廃の投棄場所の低減とまくら木の価格低減を同時に満足することが可能である。ところが、再利用する廃材によってはまくら木に要求される強度を確保できないものもあり、再利用可能な廃材の拡大が望まれていた。
本発明は、前記事情に鑑みて提案されるもので、まくら木の敷設、更換に要する手間や費用を削減することのできる軌道構造を提供することにある。
また、同時に提案される本発明は、まくら木の基本機能を維持しつつ、敷設前における嵩を低減し敷設や更換を効率良く行うことができるまくら木を提供することにある。また、同時に提案される本発明は、まくら木を敷設する際の敷設位置調整方法を提供することにある。
前記目的を達成するために提案される請求項1に記載の発明は、複数のまくら木によって二本のレールが支持されて成る軌道構造において、二本のレールが一本のまくら木によって支持される通常支持部と、二本のレールが短尺のまくら木によって一本ずつ支持される分割支持部とが配された構成とされている。
ここで、まくら木は二本のレール間距離を一定に維持する機能を要求されるが、全てのまくら木をレール間距離よりも長い形状のもので構成する必要性はない。則ち、並列配置されるまくら木において、隣接配置される三本のうちの少なくとも一本が、二本のレールを一本のまくら木で支持し、且つ、耐荷重性、耐曲げ剛性を有するものであれば、レール間距離を安定して維持可能であることが知られている。
従って、並列配置されるまくら木のうち、三本に一本を前記したまくら木で構成すれば、並列配置される他のまくら木は、レール間距離を維持する機能よりも、寧ろ、列車の荷重を効率良く道床へ拡散させる機能を備えれば良い。則ち、列車の通過に伴うレールの荷重変形を阻止する機能を備えれば良く、曲げ剛性を要求されるまくら木に比べて他のまく
ら木は比較的曲げ剛性が低くても軌道を維持することができる。
本発明によれば、通常支持部と分割支持部とを備えている。従って、通常支持部と分割支持部とを交互に配列する構成とすることができる。また、分割支持部が二列連続し、双方の分割支持部を挟んで通常支持部を配列する構成とすることができる。
このような構成を採ることにより、三つの支持部のうちの少なくとも一つの支持部を通常支持部として配列することができる。則ち、三本のうちの一本のまくら木を、二本のレール間距離よりも長く、耐荷重性、耐剛性を有するものとすることができる。これにより、レール間距離を安定して長期間維持することができる。
また、分割支持部は短尺のまくら木によってレールを一本ずつ支持するので、列車の荷重を効率良く道床へ拡散させることができ、レールの荷重変形が阻止される。しかも、分割支持部を構成する各短尺まくら木は、列車通過時の荷重を充分に分散でき、振動や衝撃によって移動しないように、レールを締結できるサイズ以上で有ればよい。従って、各短尺まくら木は、通常支持部のまくら木の半分以下の長さとすることができる。
従って、本発明によれば、従来の軌道構造と同様の機能を維持しつつ、まくら木の嵩や重量を低減することが可能となり、まくら木の敷設や更換に要する時間や手間を大幅に削減でき、省コスト化を図ることが可能となる。
また、軌道構造の分割支持部を構成する短尺のまくら木は、通常支持部を構成するまくら木に比べてレール方向に沿う長さが長い構成とすることができる。
上記構成によれば、通常支持部と分割支持部とを交互に配列する構成を採ることができる。本発明によれば、通常支持部のまくら木が一本のレールと当接する面積に比べて、分割支持部における一本の短尺まくら木がレールと当接する面積を拡大することができる。これにより、列車の荷重を短尺まくら木で受けて効率良く拡散させることができ、レールの荷重変形を効果的に阻止することが可能である。
請求項1に記載の発明は、分割支持部を構成する短尺のまくら木同士が連結部材で結合される構成とされている。
本発明によれば、短尺まくら木同士が連結部材で結合されることにより、通常支持部のまくら木と同様に、二本のレール間距離を維持する機能が向上する。これにより、軌道の安定性を向上させることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、二本のレールを支持して軌道を構成するまくら木であって、二本の短尺まくら木と連結部材を有し、二本の短尺まくら木は連結部材によって結合され、各短尺まくら木には各々レール載置部が設けられる構成とされている。
本発明によれば、二本の短尺まくら木を連結部材で結合して構成され、軌道の二本のレールは、各短尺まくら木のレール載置部に固定される。これにより、従来のまくら木と同様のレール支持機能を備えつつ、各短尺まくら木を、従来のまくら木の半分以下の長さとすることができる。従って、連結部材として軽量なものを用いることにより、まくら木の軽量化を図ることができる。
また、本発明によれば、短尺まくら木と連結部材を分解可能とすることにより、分解した状態で敷設現場に搬送し、敷設現場において組み立てることができる。これにより、嵩高く重量のあるまくら木に比べて、まくら木を構成する個々の部材を軽量化することができ、搬送や敷設に要する労力を著しく低減することが可能である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のまくら木において、連結部材は結合可能に分割して構成され、二本の短尺まくら木に分割された連結部材が各々固定され、短尺まくら木に固定された連結部材同士を互いに結合して形成される構成とされている。
本発明によれば、連結部材の結合を解除し、各短尺まくら木に連結部材を固定した状態で敷設現場に搬送することができる。これにより、まくら木を構成する個々の部材を軽量化することができ、搬送が容易となる。
特に、本発明によれば、工場において短尺まくら木に連結部材を予め固定することができる。これにより、敷設現場において、連結部材同士を連結するだけで組み立てを行うことができ、短時間に効率良く敷設を行うことが可能となる。
また、上記のまくら木において、分割された連結部材は、結合位置を調整可能な構成とすることができる。
本発明によれば、連結部材の結合位置を調整することにより、短尺まくら木同士の間隔を変化させることができる。則ち、連結部材の結合位置を調整することにより、短尺まくら木のレール載置部の間隔を変化させることができる。これにより、二本のレール間距離に合わせてまくら木を容易に敷設することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のまくら木において、連結部材は、二本の短尺まくら木の上面または下面または両側面の少なくともいずれかの面同士の間に橋渡して固定される構成とされている。
本発明は、請求項2のまくら木の連結部材の構成を具体的に示したものである。本発明において、二本の短尺まくら木の上面同士の間に橋渡して固定する構成や、二本の短尺まくら木の下面同士に橋渡して固定する構成、あるいは、二本の短尺まくら木の両側面同士の間に橋渡して固定する構成を採ることができる。また、二本の短尺まくら木の上面同士と下面同士の間に二つの連結部材を橋渡して固定する構造を採ることもできる。
本発明によれば、請求項2に記載のまくら木と同様に、従来のまくら木と同様のレール支持機能を備えつつ軽量化を図ることができる。また、短尺まくら木への連結部材の固定を敷設現場で可能な構成とすることにより、個々の部材の嵩および重量を低減して、搬送や敷設に要する労力を低減することができる。
本発明において、連結部材によって短尺まくら木同士を連結したときに、連結部材が短尺まくら木の端部からはみ出す長さとしても良く、短尺まくら木の端部と一致させても良い。また、短尺まくら木との固定強度を維持可能であれば、短尺まくら木よりも短い構成を採ることも可能である。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のまくら木において、連結部材は、短尺まくら木の上面または下面または両側面のいずれか二面または三面に当接する形状を有し、当該連結部材を二本の短尺まくら木同士の間に橋渡して固定する構成とされている。
本発明によれば、例えば、短尺まくら木の側面および下面に当接する断面がL字状の連結部材を用いる構成を採ることができる。則ち、断面がL字状の二本の連結部材を、短尺まくら木の両側から下面および側面に当接させて固定する構成を採ることができる。
また、短尺まくら木の上面および両側面に当接する断面がコ字状の連結部材を用いる構成を採ることができる。則ち、断面がコ字状の連結部材を、短尺まくら木の上面から両側面にかけて覆うように被せて固定する構成を採ることができる。
このような、断面がL字状やコ字状の連結部材を用いることにより、長手方向への曲げ剛性を向上させつつ軽量化を図ることが可能である。
また、前記L形フレームを用いる構成では、短尺まくら木の側面に当接するL形フレームの垂直部分を、短尺まくら木の下面に当接する水平部分よりも更に下方へ延伸させた断面がT字状のフレームを用いても良い。この構成によれば、下方に延伸させた部位がバラスト道床に食い込んで、縦方向(レール方向)の荷重に対して大きな抗力を発現させることができ、まくら木の縦方向へのずれを抑制することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載のまくら木において、連結部材は、短尺まくら木へ当接する部位に凹凸を設けた構成とされている。
本発明によれば、連結部材を短尺まくら木へ当接させて固定すると、連結部材に設けた凹凸が短尺まくら木へ食い込ませることができる。従って、連結部材と短尺まくら木の当接面における滑りが抑えられ、連結部材と短尺まくら木との相対的な位置ずれが防止される。これにより、短尺まくら木間の距離の変動が抑えられ、レール間距離を安定して維持することが可能となる。
上記のまくら木において、連結部材は、短尺まくら木に対する固定位置を調整可能である構成とすることができる。
本発明によれば、連結部材が固定長であっても、短尺まくら木への固定位置を調整できるので、短尺まくら木同士の間隔を微調整することができる。これにより、各短尺まくら木のレール載置部同士の間隔を変化させてレール間距離に合わせることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至6のいずれか1項に記載のまくら木において、連結部材と短尺まくら木の当接部位に制振部材を貼設する構成とされている。
本発明によれば、例えば、連結部材を短尺まくら木の上面に固定する構成では、連結部材の下面と短尺まくら木の上面の間に制振部材が貼設される。また、連結部材を短尺まくら木の下面に固定する構成では、短尺まくら木の下面と連結部材の上面の間に制振部材が貼設される。これにより、列車の通過に伴う振動や衝撃を制振部材で吸収させることができ、道床への伝搬を低減させることができる。特に、橋梁まくら木などでは、道床が共振し易い構造のため、道床への振動や衝撃の伝搬を低減させることにより、騒音の発生を抑えることができる。
また、請求項2に記載のまくら木において、連結部材は、短尺まくら木を貫通する長尺の連結ロッドで形成され、当該連結ロッドの途中には短尺まくら木同士の間隔を規制する二つの位置決め板が設けられ、当該連結ロッドの両端部を短尺まくら木に設けた貫通孔に挿入し、短尺まくら木を位置決め板に当接させて固定する構成とすることができる。
本発明によれば、二つの短尺まくら木を連結ロッドで連結した構成である。これにより、請求項2に記載のまくら木と同様に、従来のまくら木と同様のレール支持機能を備える。また、連結ロッドに軽量で高剛性を有する金属などを用いることにより、軽量化を図りつつ曲げ剛性を向上させることが可能である。
また、本発明によれば、連結ロッドに短尺まくら木を挿入して固定するだけで容易に組み立てることができ、個々の部材の嵩および重量が低減される。これにより、搬送や敷設に要する労力を低減することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項2乃至7のいずれか1項に記載のまくら木において、
短尺まくら木は、当該短尺まくら木の長手方向または上下方向へ向けて、複数の板材を積層して形成される。
短尺まくら木は、木材、合成木材(繊維強化硬質合成樹脂発泡体)、PC(Prestressed-Concrete)、鉄、ポリエチレン樹脂などを用いて製することができる。しかし、前記したように、短尺まくら木は通常支持部のまくら木に比べて耐曲げ荷重強度が低くても良い。このため、短尺まくら木を合成樹脂廃材(所謂廃プラ)やリサイクル品などを用いて形成することができる。
ここで、短尺まくら木はレール載置部を備えており、当該レール載置部の一部には、レールやタイプレートを固定するための締結部材が固定される。このため、レール載置部であっても、締結部材が固定される部位は締結部材の固定強度を維持するために高強度が要求される。
本発明によれば、合成樹脂廃材などを用いて短尺まくら木を形成する場合であっても、高強度を要求される部位と他の部位とを材質の異なる板材を積層して形成することができ、まくら木に要求される強度、耐久性を維持しつつ廃材利用を促進し、価格を抑えることが可能となる。
本発明において、短尺まくら木の長手方向へ向けて板材を積層する場合、連結部材は、短尺まくら木を貫通する長尺の連結ロッドで形成され、当該連結ロッドの途中には短尺まくら木同士の間隔を規制する二つの位置決め板が設けられ、当該連結ロッドの両端部を短尺まくら木に設けた貫通孔に挿入し、短尺まくら木を位置決め板に当接させて固定する構成とするのが好ましい。則ち、連結ロッドによって短尺まくら木を長手方向に貫通して固定するものであり、振動や衝撃による積層強度の低下を抑えて耐久性を向上させることが可能である。
また、本発明において、短尺まくら木の上下方向へ向けて板材を積層する構成の場合は、レールまたはタイプレートを固定する締結部材が短尺まくら木に嵌入することにより、積層強度の低下を抑えることが可能である。
ここで、短尺まくら木を製する素材について考察する。前記したように、本発明に用いる短尺まくら木は、曲げ強度が殆ど要求されない。則ち、本発明に用いる短尺まくら木は、高圧縮力、高せん断力を有するものであれば良い。従って、種々の素材を用いて構成することが可能である。特にコスト低減を考えるなら、リサイクル材を骨材として用いた物が好ましい。
短尺まくら木を製する素材には、例えば、ガラス繊維強化硬質ウレタン発泡体の製造工程で生じる切削粉を用いることができる。則ち、まくら木として使用するガラス繊維強化硬質ウレタン発泡体の製造工程で、所望の製品サイズを得るため、切断、表面研磨、穴あけ、面取りなどの加工が行われるときに発生する切削粉を主成分とした成型体を用いることが好ましい。切削粉の粒度分布をレーザー回折法を用いて行ったところ、メディアン径が1〜2000μmに存在していることが確認された。
切削粉とバインダーの成形方法としては、押出、射出、プレスなどが考えられる。バインダーとしては、石膏などの無機成分、PE,PP,ABS,PS,PMMA,PC,PETなどの熱可塑性樹脂、フェノール,ユリア,メラミン,不飽和ポリエステル,エポキシ,ウレタン,アクリル,イソシアネートなどの熱硬化性出樹脂などの樹脂成分が考えられる。
リサイクルと成形品の低コスト化の観点から、切削粉を50重量%以上用いることが好ましい。バインダーとして熱機成分を用いた場合は、耐熱性は向上するが、同量の樹脂成分添加よりも機械的物性が低下することが考えられる。ガラス繊維が含まれているためセメント成分などのアルカリ性原料を用いることができない。
バインダーとして熱可塑性樹脂を用いた場合は、押出、射出などでの利用が考えられる。しかし樹脂添加量が多くなってしまい、リサイクルと低コストの観点から好ましくない。熱硬化性樹脂は基本的に、主剤である液状化合物と液状硬化剤との架橋体である。そこで、バインダーとして熱硬化性樹脂を用いた場合は、主剤、硬化剤と切削粉を混合することで、少量の添加でも切削粉表面を被覆することが可能であり、この粉体を加熱しながら加圧成形することで、高強度成形品が得られる。
従ってリサイクルと低コストの観点からバインダーとしては熱硬化性樹脂が特に好ましい。特に切削粉との馴染み牲の観点から、バインダーとしてはポリイソシアネート化合物とポリオールからなるウレタン樹脂が特に好ましい。切削粉と主剤、硬化剤の混合に使用する装置は、特に限定されないが、生産方法により、連続混練機やパッチ式混合機を使用することができる。
切削粉と熱硬化性樹脂との接着性を考慮すると、切削粉と主剤、硬化剤との混合は、まず切削粉のみを混合し、そこに主剤、効果剤を混合した液状混合物を添加することが好ましい。この混合物は切削粉表面にのみにバインダーが存在する粉体状態であるため、成形方法としては、プレス成形方法が好ましい。プレス条件は成形品密度、バインダー樹脂種により選択される。プレス成形品の硬化速度は温度に大きく依存し、50℃以下では非常に遅くなり生産効率の観点から好ましくない。また180℃以上では、切削粉中のウレタン樹脂が炭化してしまい、製品外見上好ましくなしい。従って、プレス温度は50〜180℃が好ましい。特にバインダーとしてウレタン樹脂を選択した場合は、生産効率の観点から110℃が好ましい。
これらにより調整させた切削粉と熱硬化性樹脂とのプレス成形品では、切削粉80重量%の使用でも高強度成形品が得られる。切削粉の流動性を考慮して、まくら木表面上などに滑り止めなどの加節を行っても良い。また曲げ強度が少し必要な場合は、切削粉成形品の表裏面に切削粉成形品よりも高剛性である層を積層してもよい。また補強効果を得るために、ガラス繊細、カーボン繊維、アラミド繊維、PE延伸シート、PP延伸シートなどを必要量添加しても良く、更にコスト低減のためにリサイクルされたこれらの繊維を用いても良い。
請求項9に記載の発明は、短尺まくら木のレール載置部に、レールまたはタイプレートを締結する締結部材を嵌入させて係止する埋栓部材を備えた構成とされている。
埋栓部材を設けることにより、敷設現場において締結部材を容易に埋栓部材に係止させてレールやタイプレートを固定することができる。
埋栓部材は、FRP(繊維強化プラスチック)、ナイロン、金属あるいはセラミックなどの素材が強度、耐久性の面で好適である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のまくら木において、埋栓部材は、円筒形状の上端部に鍔を有する埋栓本体と、当該埋栓本体に係止するボルトで構成され、前記埋栓本体の内周壁には、前記締結部材およびボルトを係止するねじが刻設され、当該埋栓本体は、短尺まくら木を上下方向に貫通する固定開口に上面から挿入され、短尺まくら木の下面側から前記ボルトを埋栓本体の内部に設けたねじに係合させて、短尺まくら木の上面と下面を挟持して固定される構成とされている。
本発明によれば、短尺まくら木に埋栓本体を面一となるように嵌入させる貫通孔を設けることにより、短尺まくら木の下面側から埋栓本体にボルトを螺合させて容易に固定できる。
本発明は、請求項8に記載したまくら木において、短尺まくら木が複数の板材を上下方向へ積層した構造を採用する場合に好適である。則ち、本発明の埋栓部材によって短尺まくら木を上下から挟持して一体化するので、短尺まくら木を構成する積層部材を予め接合しない構成を採ることも可能である。また、予め積層部材を接合した短尺まくら木であっても、振動や衝撃に伴う積層部位のずれや接合強度の低下が抑えられ、短尺まくら木の耐久性を向上させることが可能である。
本発明において、埋栓本体に螺合するボルトの中心軸上に雨水を排水する貫通孔を設けた構成を採ることができる。埋栓本体に螺合した締結部材を伝って侵入する雨水は、ボルトの貫通孔を介して道床側に排出される。これにより、雨水が滞留して腐食が生じることを防止することができる。
また、本発明において、短尺まくら木の下面に沿って幅方向に延びるL形フレームや溝形フレームを配し、短尺まくら木の幅方向(レール方向)に配置される各埋栓部材は、各々のボルトを前記フレームに設けた開口を通して各々の埋栓本体に螺合させて共締め固定する固定する構成を採ることができる。
この構成によれば、短尺まくら木の下面に固定されたフレームがバラストに食い込み、横方向(レール方向と交差する方向)に対する荷重に対して大きな抗力を発現する。これにより、まくら木の横ずれを効果的に抑えることが可能となる。
請求項11に記載の発明は、請求項2乃至10のいずれか1項に記載のまくら木を敷設する際のまくら木の敷設位置調整方法であって、両端部に支点部および力点部を形成する長尺のロッドの前記支点部近傍に押圧部を有する位置調整治具を用い、短尺まくら木と連結部材とを仮固定した状態で短尺まくら木近傍の道床に位置調整具の支点部を挿入し、押圧部を短尺まくら木の表面に宛いつつ短尺まくら木を移動させようとする方向へ向けて力点部を押圧することにより、てこによって押圧部に作用する力で短尺まくら木を連結部材に対して相対移動させる方法である。
本発明によれば、てこの原理を利用して短尺まくら木を単独またはレールに固定した状態で容易に押圧して位置調整することができ、敷設に際する労力を低減できる。
本発明は、前記請求項6および9に記載のまくら木、則ち、連結部材の結合位置や連結部材の短尺まくら木に対する固定位置を調整可能なまくら木を敷設する際に優れた効果を奏する。
則ち、例えば、短尺まくら木同士を連結部材で仮固定し、双方の短尺まくら木に各々レールを固定する。この状態で、本発明の位置調整軸を用いて一方のまくら木を、レール間距離を拡大または縮小する方向へ押圧することにより、レール間距離を規定値に容易に合わせることができ、敷設作業効率が向上する。
請求項1、12に記載の発明によれば、レール支持能力を維持しつつまくら木を軽量化することができ、敷設やメンテナンスが容易で省コスト化を図った軌道構造を提供できる。
請求項2〜10に記載の発明によれば、レール支持能力を維持しつつ軽量化することができ、部材の搬送性、敷設性やメンテナンス性を向上させつつ省コスト化を図ったまくら木を提供できる。
請求項8に記載の発明によれば、廃材を利用した積層構造とすることにより、強度、耐
久性を維持しつつ省コスト化を図ったまくら木を提供できる。
請求項9,10に記載の発明によれば、埋栓部材を設けることにより、敷設性、耐久性を向上させたまくら木を提供できる。
請求項11に記載の発明によれば、少ない力で短尺まくら木の位置調整を容易に行うことができ、敷設性やメンテナンス性を向上させたまくら木の敷設位置調整方法を提供できる。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1〜図5は、本発明の軌道構造を示す説明図である。
図1は、本発明の実施形態の軌道構造10の構成を示す説明図である。軌道構造10は、複数のまくら木11,12によって二本のレールが支持される軌道構造である。軌道構造10は、二本のレールR,Rが一本のまくら木11で支持される通常支持部Aと、2本のレールが短尺のまくら木12によって一本ずつ支持される分割支持部Bとを有し、通常支持部Aと分割支持部Bが交互に配された構造である。
本実施形態の軌道構造10において、通常支持部Aに配されたまくら木11は、軌道に要求される耐荷重性、耐曲げ剛性を有する通常のまくら木である。また、分割支持部Bに配された短尺まくら木12は、まくら木11の半分以下の長さであり、まくら木11と短尺まくら木12は、同一の素材で製している。
本実施形態の軌道構造10によれば、通常支持部Aに配されたまくら木11は、二本のレールR,Rの距離を一定に維持しつつ列車の荷重を効率良く道床へ拡散させてレールの荷重変形を阻止する機能を有する。また、分割支持部Bに配されたまくら木12,12は、列車の荷重を効率良く道床へ拡散させてレールの荷重変形を阻止する機能を有する。
ここで、前記したように、レール間距離を維持するためには、配列されるまくら木において、隣接する三本のうちの少なくとも一本がレール間距離を維持可能であれば良い。
従って、本実施形態の軌道構造10によれば、レール間距離を規定値に維持し、列車の荷重を道床へ効率良く拡散させる基本機能を備えることができる。
また、軌道構造10によれば、短尺まくら木12がまくら木11に比べて半分以下の長さであり、嵩が少なく軽量である。これにより、部材の搬送性や敷設性、メンテナンス性を向上させることができる。
図2は、前記軌道構造10(図1参照)の変形例の軌道構造13の構成を示す説明図である。
軌道構造13は、分割支持部Bが二列連続し、双方の分割支持部Bを挟んで通常支持部Aを配列する構成である。本実施形態の軌道構造13においても、隣接する三つの支持部A,Bのうちの一つが通常支持部である。
従って、本実施形態の軌道構造13においても、レール間距離を規定値に維持し、列車の荷重を道床へ効率良く拡散させる基本機能を備える。また、軌道構造11においても、短尺まくら木12がまくら木11に比べて半分以下の長さであり、前記軌道構造10(図1参照)に比べて、短尺まくら木12の占める割合が更に増加している。これにより、部材の搬送性や敷設性、メンテナンス性を一層向上させることができる。
図3は、本発明の別の実施形態の軌道構造14の構成を示す説明図である。軌道構造14は、複数のまくら木11,15によって二本のレールが支持される軌道構造である。軌道構造14は、二本のレールR,Rが一本のまくら木11で支持される通常支持部Aと、
2本のレールが短尺のまくら木15によって一本ずつ支持される分割支持部Bとを有し、通常支持部Aと分割支持部Bが交互に配された構造である。
ここで、軌道構造14では、分割支持部Bを構成する短尺まくら木15は、通常支持部Aのまくら木11に比べてレールR方向に沿う長さが長い。則ち、通常支持部Aのまくら木11がレールRと当接する面積に比べて、分割支持部Bの短尺まくら木15は全長が短いにも拘わらず、レールRの方向に長手方向を合わせて配することによりレールRと当接する面積が大きい。
従って、通常支持部Aは、前記軌道構造10,13(図1,図2参照)と同一の機能を有し、分割支持部Bに配されたまくら木15,15は、列車の荷重を効率良く道床へ拡散させてレールの荷重変形を阻止する機能を有する。
これにより、本実施形態の軌道構造14によれば、レール間距離を規定値に維持し、列車の荷重を道床へ効率良く拡散させる基本機能を備えると共に、短尺まくら木15がまくら木11に比べて僅かに幅が広いものの半分以下の長さで、嵩が少なく軽量となり、部材の搬送性や敷設性、メンテナンス性を向上させることができる。
図4は、本発明の別の実施形態の軌道構造16の構成を示す説明図である(請求項1に対応)。軌道構造16は、前記軌道構造10(図1参照)と比較して分割支持部Bの構成が異なる。則ち、分割支持部Bを構成する短尺まくら木12,12が互いに連結部材17で結合された構成である。
従って、軌道構造16では、分割支持部Bにおいても、列車の荷重を道床へ効率良く拡散させる機能に加えて、連結部材17によってレール間距離を規定値に維持する機能を併せ持つ。これにより、前記軌道構造10の有する効果に加えて、軌道の安定性を一層向上させることが可能となる。
図5は、本発明の別の実施形態の軌道構造18の構成を示す説明図である(請求項1に対応)。軌道構造18は、前記軌道構造13(図2参照)と比較して分割支持部Bの構成が異なる。則ち、分割支持部Bを構成する短尺まくら木12,12が互いに連結部材17で結合された構成である。
従って、軌道構造18によれば、前記軌道構造16(図4参照)と同様に、分割支持部Bにおいて、列車の荷重を道床へ効率良く拡散させる機能に加えて、連結部材17によってレール間距離を規定値に維持する機能を併せ持つ。これにより、前記した軌道構造13(図2参照)の有する効果に加えて、軌道の安定性を一層向上させることが可能となる。
次に、本発明の実施形態に係るまくら木を順次説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るまくら木20の構造を示す分解斜視図および斜視図である。
まくら木20は、図6(a)の様に、二本の短尺まくら木21,21と連結部材22を有する。各短尺まくら木21,21は、通常サイズのまくら木の半分以下の長さであり、上面21aがレール載置部21aとして機能する。また、各々の短尺まくら木21の一方の長手端部には、後述するねじ釘を係止する固定孔21bが水平に二個並べて設けられている。
連結部材22は、長尺平板を折曲して二等辺三角形を二個形成し、各二等辺三角形の頂部同士を突き合わせて固定した形状を有する。本実施形態では、連結部材22を金属板を用いて製しており、平板の幅に相当する連結部材22の高さは短尺まくら木21と略同一である。連結部材22の長手両端部には、短尺まくら木21に設けた固定孔21bに対応
させて固定開口22a,22aが二個ずつ設けられている。
まくら木20を組み立てる際は、まず、連結部材22の長手両端部に、短尺まくら木21を、その固定孔21bが連結部材22側に向くようにして配置する。そして、ねじ釘23を連結部材22の固定開口22aを介して短尺まくら木21の固定孔21bにねじ込んで固定する。これらの組み立て作業は、短尺まくら木21をレール固定位置に載置した状態で行うことができる。
組み立てられたまくら木20は、図6(b)の様に、両側に位置する二本の短尺まくら木21,21が連結部材22によって結合された形状である。各短尺まくら木21の表面はレール載置部21aとして機能するので、通常のまくら木と同様に、当該レール載置部21a毎に一本ずつレールを載置することが可能である。また、連結部材22は、前記した様に、金属平板で成る二つの三角形を接続した構造で、平板部位が垂直方向に配されるある。これにより、少ない断面積によって長手方向の断面二次モーメントを増加させることができ、軽量化を図りつつ大きな曲げ剛性(EI)を有するまくら木20とすることができる。尚、まくら木20は上下を逆転させて敷設することが可能である。
図7は、本発明の実施形態に係るまくら木25の構造を示す分解斜視図および斜視図である。
まくら木25は、図7(a)の様に、二本の短尺まくら木21,21と連結部材26で構成される。各短尺まくら木21,21は、前記まくら木20(図6参照)に用いた短尺まくら木21と同一形状である。但し、各々の短尺まくら木21の一方の長手端部には、後述する連結部材を挿入して固定する固定孔21cが円形に多数設けられている。
連結部材26は、曲げ剛性の極めて高い多数の金属線26aを中央部の金属ベルト26bで束ねて形成され、各金属線26aの両端部は金属線26aが中心軸から離れるように僅かに広げられて円形に配列されている。
まくら木25を組み立てる際は、まず、連結部材26の長手両端部に、短尺まくら木21を、その固定孔21cが連結部材26側に向くようにして配置する。次いで、短尺まくら木21の各固定孔21cに樹脂接着剤を注入し、連結部材26の各金属線26aを各々固定孔21cに挿入して固着させる。
組み立てられたまくら木25は、図7(b)の様に、両側に位置する二本の短尺まくら木21,21が連結部材26によって結合された形状であり、前記まくら木20(図6参照)と同一の機能を有する。
特に、本実施形態のまくら木25は、連結部材26を構成する多数の金属線26aが高い曲げ剛性を備えており、更に、各金属線26aを連結部材の中心軸から離れるようにして短尺まくら木21に強固に固定する。これにより、まくら木25は軽量化を図りつつ極めて高い曲げ剛性を有するものとなる。尚、まくら木25についても、上下を逆転させて敷設することが可能である。
図8は、本発明の実施形態に係るまくら木28の構造を示す分解斜視図、斜視図および連結部材の変形例を示す斜視図である。
まくら木28は、図8(a)の様に、二本の短尺まくら木21,21と連結部材29で構成される。各短尺まくら木21,21は、前記まくら木20(図6参照)に用いた短尺まくら木21と同一である。
連結部材29は、長尺の金属板の長手両端部を下方へ折曲し、折曲部分に後述する固定ねじを挿通させる固定開口29aを二つずつ横に配置した形状である。
まくら木28を組み立てる際は、まず、連結部材29の長手両端部に、短尺まくら木2
1を、その固定孔21bが連結部材29側に向くようにして配置する。次いで、連結部材29の固定開口29aを介して短尺まくら木21の固定孔21bにねじ釘23をねじ込んで固定する。
組み立てられたまくら木29は、図8(b)の様に、両側に位置する二本の短尺まくら木21,21が連結部材29によって結合された形状であり、前記まくら木20(図6参照)と同一の機能を有する。
本実施形態のまくら木28は、連結部材29の平板部分が水平に配されている。このため、長手方向の曲げ剛性の向上が図り難い。
しかし、連結部材29に代えて、図8(c)に示す断面がL字状のフレーム30を連結部材として用いることにより、長手方向の曲げ剛性を向上させることが可能である。
また、連結部材29に代えて、断面がコ字状のフレームや管材を用いることも可能である。尚、まくら木28は、上下を逆転させて敷設することが可能であり、連結部材30を用いた場合も同様である。
図9は、本発明の実施形態に係るまくら木31の構造を示す分解斜視図および斜視図である(請求項3に対応)。本実施形態のまくら木31は、前記まくら木20(図6参照)を連結部材の中央で結合可能に分割したものである。
まくら木31は、図9(a)の様に、二本の短尺まくら木21,21と、連結部材32で構成され、連結部材32は二つに分割されている。各短尺まくら木21,21は、前記まくら木20(図6参照)に用いた短尺まくら木21と同一である。
連結部材32は、連結部材33,34で構成され、双方の連結部材33,34は、長尺平板を折曲した二等辺三角形状を有し、その頂部は、二等辺三角形の高さと略等しい長さだけ平板同士が重ね合わせられて結合部33a,34aが形成されている。
連結部材33は、結合部33aに二つの固定開口33bが設けられ、二等辺三角形状のの底辺に位置する面には二つの固定開口33cが設けられている。また、連結部材34は結合部34aに長穴状の二つの固定開口34bが設けられ、二等辺三角形状の底辺に位置する面には二つの固定開口34cが設けられている。
まくら木31を組み立てる際は、図9(a)の様に、一方の短尺まくら木21の固定孔21bが設けられた端部に、連結部材33の固定開口33cが設けられた面を当接させ、固定開口33cを介して固定孔21bにねじ釘23をねじ込んで固定する。同様に、他方の短尺まくら木21の固定孔21bが設けられた端部に、連結部材34の固定開口34cが設けられた面を当接させ、固定開口34cを介して固定孔21bにねじ釘23をねじ込んで固定する。以上の手順によって、一方の短尺まくら木21に連結部材33が固定され、他方の短尺まくら木21に連結部材34が固定される。尚、ここまでの組み立て工程は、製造現場で予め行っても良く、敷設現場で行うことも可能である。
次いで、図9(b)の様に、連結部材33の固定された短尺まくら木21と連結部材34の固定された短尺まくら木21とを、連結部材33,34の各々の結合部33a,34aが当接するように配し、結合部33aの開口33bから結合部34aの開口34bを通してボルト35を挿通し、挿通させたボルト35に平ワッシャ36を嵌めてナット37で固定する。
組み立てられたまくら木31は、図9(c)の様に、両側に位置する二本の短尺まくら木21,21が連結部材32(33,34)によって結合された形状であり、前記まくら木20(図6参照)と同一の機能を有する。
特に、本実施形態のまくら木31は、連結部材34の結合部34aに設けられた開口34bが長穴形状とされている。従って、ボルト35を仮締結した状態で連結部材33と連結部材34を互いに近接または離遠させる方向へ移動させることができる。
これにより、敷設現場のレール間距離に応じて、レール載置部21a同士の距離を容易に微調整することができ、敷設性が向上する。また、前記したように、連結部材33,34を予め短尺まくら木21に固定しておくことにより、敷設現場における組み立て工数を削減することができ、効率良く敷設を行うことが可能となる。
図10は、本発明の実施形態に係るまくら木50の構造を示す分解斜視図および斜視図である。本実施形態のまくら木50は、前記まくら木25(図7参照)を連結部材の中央で結合可能に分割したものである。
まくら木50は、図10(a)の様に、二本の短尺まくら木21,21と、連結部材51で構成され、連結部材51は二つに分割されている。各短尺まくら木21,21は、前記まくら木25(図7参照)に用いた短尺まくら木21と同一である。
連結部材51は、同一形状の二つの連結部材52と、連結部材52同士を結合する結合部材53で構成される。各々の連結部材52は、前記まくら木25(図7参照)に用いた連結部材26を中央で二分したものと同一構成である。則ち、各々の連結部材52は、複数の金属線52bの端部を金属ベルト52aで束ねて形成され、金属ベルト52aは結合部52aとして機能する。
また、結合部材53は、内径が連結部材52の結合部52aと略等しい金属円筒体の周部に、内部へ貫通する2つのねじ孔53a,53aを設け、当該ねじ孔53aにボルト54を装着した構成である。
まくら木50を組み立てる際は、前記まくら木25(図7参照)の場合と同様にして、図10(a)の様に、各短尺まくら木21の固定孔21cに樹脂接着剤を注入し、各連結部材52の金属線52bを固定孔21cに挿入して固着させる。尚、ここまでの組み立て工程は、製造現場で予め行っても良く、敷設現場で行うことも可能である。
次いで、図10(b)の様に、各連結部材52の結合部52a,52aを結合部材53の両端に挿入し、ボルト55を締め付けて固定する。
組み立てられたまくら木50は、図10(c)の様に、両側に位置する二本の短尺まくら木21,21が連結部材51によって結合された形状であり、前記まくら木20(図6参照)と同一の機能を有する。
特に、本実施形態のまくら木50は、連結部材51の結合部材53に設けたボルトを緩めると、連結部材52同士を互いに近接または離遠させる方向へ移動させることができる。これにより、敷設現場のレール間距離に応じて、レール載置部21a同士の距離を容易に調整することができ、敷設性が向上する。また、前記したように、連結部材52を予め短尺まくら木21に固定しておくことにより、敷設現場における組み立て工数が削減される。尚、結合部材53は連結部材52のいずれか一方に固定した構造を採ることも可能である。
図11は、本発明の実施形態に係るまくら木55の構造を示す分解斜視図、斜視図および連結部材の変形例を示す斜視図である(請求項3に対応)。本実施形態のまくら木55は、前記まくら木28(図8参照)を連結部材の中央で結合可能に分割したものである。
まくら木55は、図11(a)の様に、二本の短尺まくら木21,21と、連結部材5
6で構成され、連結部材56は二つに分割されている。各短尺まくら木21,21は、前記まくら木28(図8参照)に用いた短尺まくら木21と同一である。
連結部材56は、略同一形状の連結部材57,58で構成される。各々の連結部材57,58は、金属製の長尺平板の一方の端部を下方に折曲した形状である。連結部材57は、折曲部分に固定ねじを挿通させる固定開口57bを二個設けると共に、平面部分に固定開口57aを長手方向へ向けて二個設けている。また、連結部材58は、折曲部分に固定ねじを挿通させる固定開口58bを二個設けると共に、平面部分に長穴形状の固定開口58aを長手方向へ向けて二個設けている。
まくら木55を組み立てる際は、前記まくら木28(図8参照)の場合と同様にして、図11(a)の様に、ねじ釘23を連結部材57の固定開口57bを介して一方の短尺まくら木21の固定孔21bにねじ込んで固定する。また、ねじ釘23を連結部材58の固定開口58bを介して他方の短尺まくら木21の固定孔21bにねじ込んで固定する。尚、ここまでの組み立て工程は、製造現場で予め行っても良く、敷設現場で行うことも可能である。
次いで、図11(b)の様に、連結部材56を構成する各連結部材57,58の平面部分を重ね合わせ、平ワッシャ60を装着したボルト59を、連結部材58の固定開口58aおよび連結部材57の固定開口57aを挿通してナット61で固定する。
組み立てられたまくら木55は、図11(c)の様に、両側に位置する二本の短尺まくら木21,21が連結部材56によって結合された形状であり、前記まくら木20(図6参照)と同一の機能を有する。
特に、本実施形態のまくら木55は、連結部材56を構成する連結部材58に長穴形状の固定開口58aを設けているので、ボルト59を緩めると、連結部材57,58を互いに近接または離遠させる方向へ移動させることができる。これにより、敷設現場のレール間距離に応じて、レール載置部21a同士の距離を容易に調整することができ、敷設性が向上する。また、前記したように、連結部材57,58を予め短尺まくら木21に固定しておくことにより、敷設現場における組み立て工数が削減される。
本実施形態のまくら木55は、前記まくら木28(図8参照)と同様に、連結部材56の平板部分が水平に配されている。このため、長手方向の曲げ剛性の向上が図り難い。
しかし、連結部材56に代えて、図11(d)に示す断面がL字状のフレームで形成された連結部材63,64で構成される連結部材62を用いることにより、長手方向の曲げ剛性を向上させることが可能である。
また、連結部材56に代えて、断面がコ字状のフレームや管材を用いることも可能である。尚、まくら木55は、上下を逆転させて敷設することが可能であり、連結部材62を用いた場合も同様である。
図12は、本発明の実施形態に係るまくら木65の構造を示す分解斜視図および斜視図である。
まくら木65は、図12(a)の様に、二本の短尺まくら木66,66と、連結部材68を備えて構成される。短尺まくら木66は、前記まくら木20(図6参照)に用いた短尺まくら木21と同一の外形および機能を有するが、上面のレール載置部66aに、タイプレートを固定するねじ釘を挿入するための固定孔66bが四個設けられている。
連結部材68は、長尺の平板材であり、両端部には短尺まくら木66の固定孔66bに対応させて固定開口68aが四個ずつ設けられている。
本実施形態のまくら木65は、図12(a)の様に、連結部材68と短尺まくら木66
の間に制振部材67を挟んで組み立てられる。則ち、まくら木65を組み立てる際は、短尺まくら木66の上面(レール載置部)66aおよび連結部材68の対応する下面に樹脂接着剤を塗布し、短尺まくら木66のレール載置部66aに制振部材67を貼付し、その上から双方の短尺まくら木66を橋渡して連結部材68を配して接合固定する。
次いで、図12(b)の様に、短尺まくら木66のレール載置部66aに対応する連結部材68の上面にタイプレートTを載置し、ねじ釘69をタイプレートTの固定開口から連結部材68の固定開口68aを通して短尺まくら木66の固定孔66bにねじ込む。これにより、接合直後であっても、タイプレートTの装着によって短尺まくら木66と連結部材68が強固に接合される。
そして、最後に締結金具T1によってレールRをタイプレートTに締結して敷設作業を完了する。
このように、本実施形態のまくら木65によれば、組み立てる前の個々の部材は嵩が低く軽量であり、しかも、組み立てた後にタイプレートTを固定することによって、短尺まくら木66と連結部材68の接合を強固に保持することができる。また、制振部材67を装着するのでレールを介して伝搬される振動や衝撃が短尺まくら木66へ伝搬されることが低減する。これにより、橋梁まくら木などの道床が共鳴し易い部位に好適に用いることができる。尚、本実施形態では、連結部材68の両端部と短尺まくら木66の端部をそろえた形状で示したが、連結部材68が短尺まくら木66の端部から突出する構造や、逆に短尺まくら木66の端部が連結部材68の端部から突出する構造とすることも可能である。
図13は、本発明の実施形態に係るまくら木70の構造を示す分解斜視図および斜視図である。
まくら木70は、図13(a)の様に、前記まくら木65(図12参照)において、連結部材68を接合する位置を、短尺まくら木66の上面から下面66cに変更した構造である。尚、本実施形態のまくら木70に用いる部材は、前記まくら木65(図12参照)と同一であるが、連結部材68の固定開口68aが取り除かれている。
まくら木70を組み立てる際は、図13(a)の様に、短尺まくら木66の下面66cおよび連結部材68の対応する上面に樹脂接着剤を塗布し、短尺まくら木66の下面66cに制振部材67を貼付する。そして、制振部材67を貼付した短尺まくら木66を連結部材68の両端部に配して接合固定する。
この後、タイプレートTおよびレールRが締結される手順は、前記まくら木65(図12参照)と同一であるので省略する。

このように、本実施形態のまくら木70は、前記したまくら木65と同様に、組み立てる前の個々の部材は嵩が低く軽量であり、敷設も極めて容易である。また、制振部材67によってレールを介して伝搬される振動や衝撃が道床へ伝搬されることを抑制することができ、橋梁まくら木のような共振し易い部位に好適に用いることが可能である。
尚、本実施形態においても、連結部材68が短尺まくら木66の端部から突出する構造や、逆に短尺まくら木66の端部が連結部材68の端部から突出する構造を採ることが可能である。
図14は、本発明の実施形態に係るまくら木75の構造を示す分解斜視図、部分拡大図および斜視図である(請求項4,6に対応)。
まくら木75は、図14(a)の様に、二本の短尺まくら木76と、二本の連結部材77を備えた構成である。
短尺まくら木76は、前記まくら木70に用いた短尺まくら木66と同一の外形、機能を有するもので、上面76aはレール載置部76aとして機能すると共に、レール載置部76aには、タイプレート(不図示)を固定する四個の固定孔76bが設けられている。また、短尺まくら木76の長手側面両端部には、幅方向へ貫通する二つの貫通孔76cが設けられている。
連結部材77は、断面がコ字状の溝形フレームであり、当該連結部材77の両端部近傍の溝底部には、短尺まくら木76の貫通孔76cと対応させて、各々二つずつの長穴形状の固定開口77aが設けられている。また、連結部材77の溝底部の外面側(図14aの円内参照)は、図14(b)の様に、溝形フレームの幅方向全長に渡って凹凸77bが設けられている。この凹凸77bは、連結部材77の長手両端部近傍から内方へ向けて短尺まくら木76と略同一長さだけ設けられている。
まくら木75を組み立てる際は、まず、連結部材77を外面に設けた凹凸77bが対向するように水平に配置し、連結部材77の間に二本の短尺まくら木76を配置する。そして、二本の連結部材77で短尺まくら木76の両側面を挟むように当接させる。次いで、平ワッシャ79を装着したボルト78を、一方の連結部材77の固定開口77aから短尺まくら木76の貫通孔76cへ挿入し、他方の連結部材77の固定開口77aから先端部を突出させる。そして、ボルト78の先端部に平ワッシャ79を装着しナット74で固定する。同一の手順で、他の三本のボルト78を装着してまくら木75の組み立てが完了する。
組み立てられたまくら木75は、図14(c)の様に、二本の短尺まくら木76を両側から連結部材77で挟持した形状となる。このまくら木75は、対向する連結部材77が短尺まくら木76の両側面に圧接され、連結部材77に設けた凹凸77bの凸部が短尺まくら木76の両側面に食い込んだ状態となる。従って、短尺まくら木76に長手方向に向かう荷重が印加された場合に大きな抗力を発現する。これにより、短尺まくら木76のレール載置部76aに固定されたレールの間隔のずれを効果的に抑制することが可能となる。
また、まくら木75は、連結部材77の固定開口77aが長穴形状とされているので、ボルト78を仮固定した状態では、連結部材77の短尺まくら木76への固定位置を長手方向に調整することができる。これにより、レール間距離に合わせて容易に締め付け固定することができ、敷設作業を効率良く行うことが可能である。
更に、短尺まくら木76が通常のまくら木に比べて半分以下の長さであり、しかも、連結部材77は溝形フレームで形成されるため、軽量で長手方向に対する曲げ剛性の高いまくら木を形成することが可能となる。
図15は、本発明の実施形態に係るまくら木80の構造を示す分解斜視図および斜視図である。
まくら木80は、図15(a)の様に、二本の短尺まくら木81と長尺の連結部材82を備えた構成である。
短尺まくら木81は、前記まくら木75(図14参照)に用いた短尺まくら木76と同一の外形、機能を有するもので、上面81aはレール載置部81aとして機能すると共に、当該レール載置部81aには、タイプレート(不図示)を固定する四個の固定孔81bが設けられている。
連結部材82は、上面82aおよび両側面82bを有する断面がコ字状の長尺部材であり、両側面82b同士の内寸は短尺まくら木81の幅と略同一で、短尺まくら木81の高さよりも深い形状を有する。連結部材82には、上面82aの両端部に各々四個ずつ固定
孔82cが設けられている。
まくら木80を組み立てる際は、図15(a)の様に、二本の短尺まくら木81を長手方向に並べて配置し、レール載置部81aに樹脂接着剤を塗布する。そして、連結部材82を溝部の開口が下方になるようにして短尺まくら木81を覆うように被せる。次いで、図15(b)の様に、タイプレートTを連結部材82の上面82aに載置し、タイプレートTの固定孔にねじ釘83を挿通し、連結部材82の固定孔82cを介して短尺まくら木81の固定孔81bにねじ込んで固定する。これにより、短尺まくら木81のレール載置部81aは、連結部材82の天面に密着して固定される。
組み立てられたまくら木80は、図15(b)の様に、二本の短尺まくら木81が連結部材82で覆われ、連結部材82の両側面82bは短尺まくら木81の下面よりも下方に突出する。従って、まくら木80を道床に敷設すると、連結部材82の突出部分がバラストに食い込み、縦方向(レール敷設方向)に加わる荷重に対して大きな抗力を発現する。これにより、まくら木80の縦方向への位置ずれを効果的に抑えることが可能となる。
また、短尺まくら木81が通常のまくら木に比べて半分以下の長さであり、しかも、連結部材82は薄板材を用いて形成されるため、軽量で長手方向に対する曲げ剛性の高いまくら木を形成することが可能となる。
図16は、本発明の実施形態に係るまくら木85の構造を示す分解斜視図および斜視図である。
まくら木85は、図16(a)の様に、二本の短尺まくら木86と長尺の二本の連結部材87を備えた構成であり、スラブ軌道に適したまくら木である。
短尺まくら木86は、前記まくら木80(図15参照)に用いた短尺まくら木81と同一の外形、機能を有するもので、上面86aはレール載置部86aとして機能すると共に、当該レール載置部86aには、タイプレート(不図示)を固定する四個の固定孔86bが設けられている。また、長手両端部近傍の側面には、短尺まくら木86を幅方向へ貫通する貫通孔86cが二個設けられている。
連結部材87は、水平部と垂直部を有する断面がL字状の長尺部材であり、長手両端部近傍の垂直部には、短尺まくら木86の貫通孔86cと対応させて固定開口87bが二個ずつ設けられている。また、連結部材87の水平部が突出する方向とは逆の面の垂直部には、長手両端部に近接させて固定開口を有するL形アングル87aが各々設けられている。このL形アングル87aはスラブ軌道に設けられた固定部(不図示)へ固定する機能を有する。
まくら木85を組み立てる際は、図16(a)の様に、二本の短尺まくら木86を長手方向に並べて配置し、その両側に二本の連結部材87を水平部を内方へ向けて対向させて配置する。そして、ボルト88を一方の連結部材87の固定開口87bを介して短尺まくら木86の貫通孔86cに挿入し、他方の連結部材87の固定開口87bを介して突出させて、突出部分にナット89を装着して締め付け固定する。他のボルト88も同様にして装着する。
組み立てられたまくら木85は、図16(b)の様に、二本の短尺まくら木86を連結部材87で両側から挟持した形状となる。このまくら木85は、連結部材87に設けたL形アングル87aをスラブ軌道の固定部(不図示)に直接固定することが可能である。
また、短尺まくら木86が通常のまくら木に比べて半分以下の長さであり、しかも、連結部材87はL形フレームを用いて形成されるため、軽量で長手方向に対する曲げ剛性の
高いまくら木を形成することが可能となる。
図17は、本発明の実施形態に係るまくら木90の構造を示す分解斜視図および斜視図である(請求項5,6に対応)。
まくら木90は、図17(a)の様に、二本の短尺まくら木86と長尺の二本の連結部材91を備えた構成である。
短尺まくら木86は、前記まくら木85(図16参照)に用いた短尺まくら木86と同一である。
連結部材91は、水平部と垂直部を有する断面がT字状の長尺部材であり、長手両端部近傍の水平部よりも上部側の垂直部には、短尺まくら木86の貫通孔86cと対応させて、長穴形状の固定開口91aが二個ずつ設けられている。また、固定開口91aの近傍における水平部突出側の垂直部面には、凹凸91bが設けられている。この凹凸91bは、前記まくら木75(図14参照)に設けた凹凸77bと同一である。
まくら木90を組み立てる際は、図17(a)の様に、二本の短尺まくら木86を長手方向に並べて配置し、その両側に二本の連結部材91を水平部を内方へ向けて対向させて配置する。そして、平ワッシャ93を装着したボルト92を一方の連結部材91の固定開口91aを介して短尺まくら木86の貫通孔86cに挿入する。そして、他方の連結部材91の固定開口91aを介して突出させ、突出部分に平ワッシャ93およびナット94を装着して締め付け固定する。他のボルト92も同様にして装着する。
組み立てられたまくら木90は、図17(b)の様に、二本の短尺まくら木86を連結部材91で両側から挟持した形状を有する。
まくら木90は、前記まくら木75(図14参照)と同様に、連結部材91に凹凸91bを設けている。これにより、短尺まくら木86に長手方向に向かう荷重が印加された場合に大きな抗力を発現させることができ、短尺まくら木86のレール載置部86aに固定されたレール間隔のずれを効果的に抑制することが可能となる。
また、前記まくら木75(図14参照)と同様に、連結部材91の固定開口91aが長穴形状とされているので、ボルト92を仮固定した状態で、連結部材91の短尺まくら木86への固定位置を長手方向に調整することができる。これにより、レール間距離に合わせて容易に締め付け固定することができ、敷設作業を効率良く行うことが可能である。
更に、短尺まくら木86は通常のまくら木に比べて半分以下の長さであり、しかも、連結部材91は垂直部分の高さが大きいT字形のフレームで形成されるため、軽量で長手方向に対する曲げ剛性の高いまくら木を形成することが可能となる。
図18は、本発明の実施形態に係るまくら木95を下方から見た状態で示す分解斜視図および斜視図である。まくら木95は、前記図17に示したまくら木90の下部に横圧抵抗板96を追加した構成であり、同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
横圧抵抗板96は、金属平板の両端部を折曲し、折曲部分に固定開口96aを設けた構造である。押圧抵抗板96の全長は、対向する連結部材91の垂直部同士の内寸と略同一である。また、横圧抵抗板96の高さは、連結部材91の水平部より下方に延びる垂直部分の長さと略同一である。
また、本実施形態に用いる連結部材91は、長手両端部の垂直部下方に固定開口91eが追加して設けられている。
横圧抵抗板96は、連結部材91と直交するように連結部材91の下部に挿入し、固定
開口96aが各連結部材91の固定開口91eと重なるように配する。そして、ボルト97を固定開口91eと固定開口96aに通し、ナット98を装着して固定する。
横圧抵抗板96を装着したまくら木95は、図18(b)の様に、短尺まくら木86の下部にまくら木の長手方向と交差するように下方へ突出する。
従って、まくら木95を道床に敷設すると、横圧抵抗板96がバラストに食い込み、
横方向(レール方向と交差する方向)に対する荷重に対して大きな抗力を発現する。これにより、まくら木の横ずれを効果的に抑えることが可能となる。則ち、本実施形態のまくら木95は、連結部材91によって縦方向の位置ずれを防止すると共に、横圧抵抗板96によって横方向への位置ずれを防止することができ、まくら木の位置ずれを効果的に抑制することが可能となる。
図19は、本発明の実施形態に係るまくら木99を下方から見た状態で示す斜視図である。まくら木99は、前記図17に示したまくら木90の連結部材91の形状を変更した構成であり、同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
前記まくら木90に採用した連結部材91は、断面がT字状であった。これに対して、本実施形態に採用する連結部材91は、垂直部の下端と水平部の突出端部とを繋ぐ傾斜面91fを追加したフレーム構造を有する。
則ち、本実施形態に採用する連結部材91は、断面がL字状の上部側のフレームと、断面が三角形状の下部側のフレームとを結合した構造を有する。これにより、少ない断面積によって長手方向の断面二次モーメントを著しく向上させることができ、軽量性を確保しつつ曲げ剛性を向上させたまくら木とすることができる。また、連結部材91の下端は三角形状の頂部に位置するので、バラストへの食い込みも良好で、まくら木99の縦方向への位置ずれをも効果的に抑制することができる。
図20は、本発明の実施形態に係るまくら木100の構造を示す分解斜視図および斜視図である。
まくら木100は、図20(a)の様に、二本の短尺まくら木101と長尺の連結部材102を備えて構成される。
短尺まくら木101は、前記まくら木90(図17参照)に用いた短尺まくら木86と同一外形および機能を有するものであり、上面101aはレール載置部101aとして機能すると共に、レール載置部101aにはタイプレートを固定する固定孔101bが四個設けられている。また、短尺まくら木101を長手方向へ貫通する貫通孔101cが設けられている。
連結部材102は、剛性の高い金属製の長尺のロッド102aを用いて構成される。ロッド102aの両端部外周面にはねじが刻設されたねじ部102bが設けられ、ロッド102aの両端部から内方へ向けて全長の略1/3の長さの位置には、各々、方形状の位置決め板102cがロッド102aに対して垂直となるように固定されている。
まくら木100を組み立てる際は、図20(a)の様に、ロッド102aの両端部側に短尺まくら木101を配し、短尺まくら木101の貫通孔101cにロッド102aを挿入する。ロッド102aは、位置決め板102cが短尺まくら木101の長手端部に当接するまで挿入する。そして、図20(b)の様に、短尺まくら木101を貫通して貫通孔101cの反対側から突出したロッド102aの端部に位置決め部材103を挿入し、ナット104をねじ部102bに装着して固定する。
組み立てられたまくら木100は、図20(c)の様に、二本の短尺まくら木101を
連結部材102が貫通した形状を有する。
本実施形態のまくら木100は、短尺まくら木101が通常のまくら木に比べて半分以下の長さであり、軽量化、省コスト化を図ることができる。また、連結部材102に剛性の高い金属ロッドを用いることにより、曲げ剛性の高いまくら木とすることができる。
図21は、本発明の実施形態に係るまくら木105の構造を示す分解斜視図および斜視図である。本実施形態のまくら木105は、前記まくら木100(図20参照)の連結部材と位置決め部材の形状を変更したものである。従って、同一構成部分には同一符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態に採用する連結部材102’は、ロッド102aに固定された位置決め板102c’の面積が拡大されている。則ち、位置決め板102c’の幅および高さは、短尺まくら木101の幅および高さに比べていずれも大きい。また、位置決め板102c’の面積拡大に伴って、位置決め板102c’の一方の面とロッド102aの間にリブ102dが立設されている。また、位置決め部材103’も位置決め板102c’と同一サイズに拡大させている。
まくら木105を組み立てると、図21(c)の様に、位置決め板102c’と位置決め部材103’が短尺まくら木101の両側面および下面から突出する。従って、まくら木105を敷設すると、位置決め板102c’および位置決め部材103’をバラストに容易に食い込み、横方向(レール方向と交差する方向)に対する荷重に対して大きな抗力を発現する。これにより、まくら木の横ずれを効果的に抑えることが可能となる。
図22は、本発明の実施形態に係るまくら木106の構造を示す分解斜視図および斜視図である。本実施形態のまくら木106は、前記まくら木105(図21参照)の構成を一部変更したものである。従って、同一構成部分には同一符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態に採用する連結部材107は、前記まくら木105に採用した連結部材102’に更にロッド102eを追加した構造とされている。則ち、連結部材107は、ロッド102aの下方に、当該ロッド102aと平行にロッド102eを追加した構造を有する。この連結部材107の形状変更に伴い、位置決め部材108にロッド102eを貫通させる開口が追加されている。
組み立てに際しては、短尺まくら木101をロッド102aに貫通させる。これにより、ロッド102eが短尺まくら木101の下面に近接して位置する。
本実施形態のまくら木106によれば、前記まくら木105(図21参照)と同様の効果を奏するのに加えて、連結部材107にロッド102eが追加されて長手方向の曲げ剛性を一層向上させることが可能となる。
ここで、前記説明した実施形態では、短尺まくら木を構成する素材については特に述べなかった。本発明においては、種々の素材を用いて短尺まくら木を製することが可能であり、前記したように、木材、合成木材(繊維強化硬質合成樹脂発泡体)、PCブロック、鉄、ポリエチレン樹脂などを用いて製することができる。
また、合成木材の廃材やリサイクル品、あるいは、合成樹脂廃材の成形品、PCブロック廃材などを利用して製することも可能である。
ところで、短尺まくら木を製する場合、単一素材を用いて製しても良いが、短尺まくら木の各部に要求される強度に応じて、異なる素材を積層して製することも可能である。
図23は、異なる素材を用いて積層構造とした短尺まくら木110を示す説明図である
(請求項8に対応)
この例では、合成樹脂廃材やリサイクル材などを高圧縮成形した高圧縮材111の間に、リサイクル材などを低圧縮成形した低圧縮材112を積層した構成を採用している。
このような短尺まくら木110によれば、タイプレートを固定する締結部材が挿入される部位、則ち、締結部材の固定孔110aを設ける部位には、強度の高い高圧縮材111を積層し、他の部位には比較的強度の低い低圧縮材112を採用することにより、廃材を広く利用しつつ短尺まくら木110を製することが可能となる。
ここで、図23に示した短尺まくら木110は、長手方向へ向けて異なる素材を積層する構造を採用しているため、レールから印加される振動や衝撃によって、積層部分の接合強度が劣化し易い。
しかし、前記まくら木100(図20参照)の構造を採用することにより、積層部分の劣化を抑えることが可能となる。
図24は、図23に示した積層構造の短尺まくら木110を前記まくら木100の構造に適用したまくら木113を示すものである。
このまくら木113によれば、連結部材(ロッド)102の位置決め板102cと位置決め部材103によって、短尺まくら木110の長手両端部を内方へ向けて圧縮するように挟持して固定する。これにより、各積層部111,112は積層方向へ向けて圧縮力を受け、他の構造に比べて耐久性の向上を図ることが可能となる。
このように、図23に示した短尺まくら木110を用いたまくら木113によれば、廃材を再利用しつつ充分な強度を備えたまくら木を提供することが可能となる。
次に、レールまたはタイプレートを固定する締結部材を嵌入させて係止するための埋栓部材について説明する。短尺まくら木に締結部材を固定する場合、例えば、短尺まくら木に下穴を穿設し、当該下穴にねじ釘(締結部材)をねじ込んで固定することも可能である。しかし、予め、短尺まくら木に埋栓部材を装着しておくことにより、当該埋栓部材に対応した締結部材を用いて容易にレールやタイプレートを固定することが可能である。
図25は、本発明の実施形態に係る埋栓部材を示したものである(請求項9に対応)。図25(a)に示す埋栓部材120は、有底円筒形の埋栓本体122の上端部に鍔121が設けられ、埋栓本体122の内周面に、締結部材を係止するねじ124が刻設されている。また、埋栓本体122の外周面には、埋栓部材120に作用する引き抜き力に対する抵抗力を増加する突起123が全面に設けられている。
また、図25(b)に示す埋栓部材125は、円筒形状の上端部に鍔127を有する埋栓本体126と、埋栓本体127に係止するボルト129で構成される(請求項10に対応)。埋栓本体127の内周壁には締結部材およびボルト129を係止するねじ128が刻設されている。
本実施形態の埋栓部材125を短尺まくら木に固定する手順については後述する。
図25(c)に示す埋栓部材131は、角柱形状の埋栓本体132の内部に締結部材を係止するねじ134が刻設されたものであり、埋栓本体132の外面には、引き抜き力に対する抗力を増すための溝状の凹部133が横方向に全面に渡って設けられている。
図25(d)に示す埋栓部材135は、角柱形状の埋栓本体136の内部に締結部材を係止するねじ138が刻設されたものであり、埋栓本体136の外面の角部が削設されて、引き抜き力に対する抗力を増すための凹部137が形成されている。
また、図25(e)に示す埋栓部材140は、有底円筒形の埋栓本体142の上端に方
形状の鍔141が設けられ、埋栓本体の内部にねじ143が刻設されたものである。
このような構成の埋栓部材は、図26(a),(b)の様に、短尺まくら木150の上面に、埋栓部材120を嵌入させる下穴151を穿設し、当該下穴に適量の樹脂接着剤を注入した後に埋栓部材120を打ち込んで固定される。
本実施形態では、図25に示した埋栓部材をFRP(繊維強化プラスチック)、ナイロン、金属、あるいは、セラミックなどの素材を用いて形成している。
次に、図27および図28を参照して、前記図25(b)に示した埋栓部材125を短尺まくら木に固定する手順を説明する。図27は、埋栓部材125を短尺まくら木155に装着する状態を示す斜視図、図28は図27のC−C矢視断面図である。
短尺まくら木155は、図27,図28(a)の様に、上下方向に三層積層されて形成される。まず、埋栓部材125の埋栓本体126を挿入する固定開口159を短尺まくら木155に穿設する。固定開口159は、埋栓本体126を挿入したときに鍔127と短尺まくら木155の表面が面一となるように、埋栓本体126の周部128および鍔127の外径に合わせて穿設する。更に、固定開口159の内部底面に、ボルト130を挿入可能な開口を設けて固定開口159を貫通させる。
次いで、埋栓本体126を短尺まくら木155の上面側から固定開口159に挿入し、ボルト130を短尺まくら木155の下面側から挿入して埋栓本体126のねじ129にねじ込んで固定する。埋栓部材125を固定することにより、埋栓部材125の鍔127とボルト130は、短尺まくら木155を上下から挟持した状態で固定される。これにより、積層構造を有する短尺まくら木155の積層部位の強度の劣化を低減させることが可能となり耐久性が向上する。
また、本実施形態の埋栓部材125は、ボルト129に貫通孔130を設けている。これにより、埋栓本体126のねじ128にねじ込まれた締結部材を伝って雨水などが内部に侵入した場合でも、ボルト129の貫通孔130を通じて道床側に排出することが可能となり、雨水の滞留による埋栓部材125や締結部材の劣化を防止することができる。
図28(b)は、ボルト130に保護カバー156を設けた例を示す。保護カバー156を設けることにより、ボルト130がバラストと衝突して破損する不具合を未然に防止することができる。
図28(c)は、ボルト130と短尺まくら木155の下面との間に、断面がコ字状のフレーム157を、短尺まくら木155の幅方向全長に渡って設けた例を示すものである。また、図28(d)は、断面がL字状のフレーム158を、短尺まくら木155の幅方向全長に渡って設けた例を示すものである。フレーム157やフレーム158を設けることにより、まくら木を敷設するとフレームがバラストに食い込んで横方向に対する荷重に対して大きな抗力を生じる。これにより、まくら木の横ずれを効果的に防止することが可能となる。
次に、まくら木の敷設位置調整方法の実施形態を説明する(請求項11に対応)
本実施形態では、位置調整治具160を用いて調整を行う。位置調整治具160は、図29(a)の様に、長尺のロッド161の下端を支点部162とすると共に、ロッド161の上端を力点部163とし、支点部162の近傍に押圧部164を設けた構成を有する。押圧部164は、図29(b),(c)の様に、つまみ164a,164bを備え、つまみ164aの操作によって押圧部164を上下移動可能である。また、つまみ164bの操作によって押圧板164cの傾斜角度を変化させることができる。
このような位置調整治具160を用いて、まくら木の敷設位置を調整する方法を図30を参照して説明する。図30に示すまくら木は、前記図14において述べたまくら木75であり、短尺まくら木76を連結部材77に固定するボルト78が緩められて仮固定状態とされている。
レールRの固定された短尺まくら木76を長手方向へ移動させる場合、図30(a)の様に、位置調整治具160の支点部162を短尺まくら木76の長手端部近傍の道床に固定する。次いで、押圧部164を短尺まくら木76の長手端部に当接させ、短尺まくら木76を移動させようとする方向へ向けて力点に力を加える。これにより、てこの原理によって、押圧部164には強大な力が作用する。ここで、前記したように、まくら木75は、連結部材77と短尺まくら木76が仮固定状態である。従って、位置調整治具160の押圧部164で押圧された短尺まくら木76を容易に移動させて位置調整することができる。
また、位置調整治具160の押圧板164cの固定角度を調整することにより、図30(b)に示すように、支点部162を短尺まくら木76の下方へ挿入して固定し、押圧部164を短尺まくら木76の下面に当接させて上方へ移動させることも可能である。
このように、本発明の敷設位置調整方法によれば、位置調整治具160を用いて敷設作業を効率良く行うことが可能となる。
本発明の実施形態に係る軌道構造を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る軌道構造を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る軌道構造を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る軌道構造を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る軌道構造を示す説明図である。 (a)は本発明の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は(a)の組み立てた状態の斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は(a)の組み立てた状態の斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は(a)の組み立てた状態の斜視図、(c)は連結部材の変形例を示す斜視図である。 (a),(b)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(c)は組み立てた状態の斜視図である。 (a),(b)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(c)は組み立てた状態の斜視図である。 (a),(b)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(c)は組み立てた状態の斜視図、(d)は連結部材の変形例を示す斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は組み立てた状態の斜視図、(c)はそのまくら木を敷設した状態を示す斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は組み立てた状態の斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は組み立てた状態の斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は組み立てた状態の斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は組み立てた状態の斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(b)は組み立てた状態の斜視図である。 (a)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を下方から見た状態で示す分解斜視図、(b)は組み立てた状態を下方から見た状態で示す斜視図である。 本発明の別の実施形態に係るまくら木を示す斜視図である。 (a),(b)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(c)は組み立てた状態の斜視図である。 (a),(b)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(c)は組み立てた状態の斜視図である。 (a),(b)は本発明の別の実施形態に係るまくら木の構造を示す分解斜視図、(c)は組み立てた状態の斜視図である。 積層構造の短尺まくら木の構造を示す斜視図である。 図23の短尺まくら木を用いて構成したまくら木を示す斜視図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る埋栓部材の斜視図である。 図25に示す埋栓部材を短尺まくら木に固定する手順を示す説明図である。 図25に示す埋栓部材を積層構造の短尺まくら木に固定する手順を示す説明図である。 (a)は図27のC−C矢視断面図、(b)〜(d)は(a)の変形例の断面図である。 (a)〜(c)は、本発明のまくら木の敷設位置調整方法に採用する位置調整治具を示す斜視図である。 (a),(b)は、図29に示す位置調整治具を用いて行われるまくら木の敷設位置調整方法を示す説明図である。
符号の説明
R レール
10,13,14,16,18 軌道構造
11 一本のまくら木
A 通常支持部
12,15 短尺のまくら木
B 分割支持部
17,22,26,29,30,32,51,56,62 連結部材
68,77,82,87,91,102,102’,107 連結部材
20,25,28,31,50,55,65 まくら木
70 ,75,80,85,90,95,99 まくら木
100,105,106, まくら木
21,66,76,81,86,101,110 短尺まくら木
21a レール載置部
77b,91b 凹凸(連結部材の凹凸)
67 制振部材
102 連結ロッド
102c 位置決め板
120,125,131,135,140 埋栓部材
126 埋栓本体
130 ボルト
129 ねじ
162 支点部
163 力点部
161 ロッド
164 押圧部
160 位置調整治具

Claims (12)

  1. 複数のまくら木によって二本のレールが支持されて成る軌道構造において、二本のレールが一本のまくら木によって支持される通常支持部と、二本のレールが短尺のまくら木によって一本ずつ支持される分割支持部とが配されており、前記分割支持部を構成する短尺のまくら木同士が連結部材で結合するものであって、連結部材は調整可能であり、連結部材によって短尺のまくら木同士の間隔を変化させてレール載置部同士の間隔を変化させることができ、
    さらに、連結部材には長穴形状の固定開口が形成されて、前記固定開口にボルトが挿入されて固定するものであり、短尺のまくら木への固定位置を長手方向に調整することができることを特徴とする軌道構造。
  2. 二本のレールを支持して軌道を構成するまくら木であって、二本の短尺まくら木と連結部材を有し、二本の短尺まくら木は連結部材によって結合され、各短尺まくら木には各々レール載置部が設けられており、調整可能な連結部材によって短尺まくら木同士の間隔を変化させてレール載置部同士の間隔を変化させることができ、
    さらに、連結部材には長穴形状の固定開口が形成されて、前記固定開口にボルトが挿入されて固定するものであり、短尺のまくら木への固定位置を長手方向に調整することができることを特徴とするまくら木。
  3. 前記連結部材は結合可能に分割して構成され、前記二本の短尺まくら木に分割された連結部材が各々固定され、短尺まくら木に固定された連結部材同士を互いに結合して形成されることを特徴とする請求項2に記載のまくら木。
  4. 前記連結部材は、前記二本の短尺まくら木の上面または下面または両側面の少なくともいずれかの面同士の間に橋渡して固定されることを特徴とする請求項2に記載のまくら木。
  5. 前記連結部材は、短尺まくら木の上面または下面または側面のいずれか二面または三面に当接する形状を有し、当該連結部材を二本の短尺まくら木同士の間に橋渡して固定することを特徴とする請求項2に記載のまくら木。
  6. 前記連結部材は、前記短尺まくら木へ当接する部位に凹凸を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載のまくら木。
  7. 前記連結部材と短尺まくら木の当接部位に制振部材を貼設することを特徴とする請求項
    4乃至6のいずれか1項に記載のまくら木。
  8. 前記短尺まくら木は、当該短尺まくら木の長手方向または上下方向へ向けて、複数の板材を積層して形成されることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のまくら木。
  9. 前記短尺まくら木のレール載置部に、レールまたはタイプレートを締結する締結部材を嵌入させて係止する埋栓部材を備えることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載のまくら木。
  10. 前記埋栓部材は、円筒形状の上端部に鍔を有する埋栓本体と、当該埋栓本体に係止するボルトで構成され、前記埋栓本体の内周壁には、前記締結部材およびボルトを係止するねじが刻設され、当該埋栓本体は、短尺まくら木を上下方向に貫通する固定開口に上面から挿入され、短尺まくら木の下面側から前記ボルトを埋栓本体の内部に設けたねじに係合させて、短尺まくら木の上面と下面を挟持して固定されることを特徴とする請求項9に記載のまくら木。
  11. 請求項2乃至10のいずれか1項に記載のまくら木を敷設する際のまくら木の敷設位置調整方法であって、両端部に支点部および力点部を形成する長尺のロッドの前記支点部近傍に押圧部を有する位置調整治具を用い、前記短尺まくら木と連結部材とを仮固定した状態で前記短尺まくら木の近傍の道床に位置調整具の支点部を挿入し、前記押圧部を短尺まくら木の表面に宛いつつ短尺まくら木を移動させようとする方向へ向けて前記力点部を押圧することにより、てこによって押圧部に作用する力で短尺まくら木を連結部材に対して相対移動させることを特徴とするまくら木の敷設位置調整方法。
  12. 複数のまくら木によって二本のレールが支持されて成る軌道構造において、二本のレールが一本のまくら木によって支持される通常支持部と、二本のレールが短尺のまくら木によって一本ずつ支持される分割支持部とが配されており、分割支持部には請求項2乃至10のいずれか1項に記載のまくら木が用いられるものであり、
    前記分割支持部を構成する短尺のまくら木同士が連結部材で結合するものであって、連結部材は調整可能であり、連結部材によって短尺のまくら木同士の間隔を変化させてレール載置部同士の間隔を変化させることができ、
    さらに、連結部材には長穴形状の固定開口が形成されて、前記固定開口にボルトが挿入されて固定するものであり、短尺のまくら木への固定位置を長手方向に調整することができることを特徴とする軌道構造。
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