JP2002167701A - 枕 木 - Google Patents

枕 木

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JP2002167701A
JP2002167701A JP2000367403A JP2000367403A JP2002167701A JP 2002167701 A JP2002167701 A JP 2002167701A JP 2000367403 A JP2000367403 A JP 2000367403A JP 2000367403 A JP2000367403 A JP 2000367403A JP 2002167701 A JP2002167701 A JP 2002167701A
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JP2000367403A
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Ryuichi Matsuo
龍一 松尾
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 枕木、特に分岐枕木やレールの継ぎ目部に敷
設する枕木に関し、軌道沈下、振動、横ずれ力が働いて
も、横ずれせず、磨耗による強度低下のない枕木を提供
する。 【解決手段】 枕木本体の底面に、耐磨耗材層が設けら
れ、この耐磨耗材層には、バラスト材が引っ掛かる多数
の穴が設けられている。穴の大きさは、枕木の長手方向
の長さが3〜25mm、耐磨耗材層の面積に占める穴の面
積が40〜80%、穴の深さが3mm〜耐磨耗材層の厚さ
以下であるのが好ましい。耐磨耗材層は、枕木のレール
から直接荷重の掛かる位置に設けられ、枕木長手方向の
長さが直接荷重の掛かる幅以上で枕木長さの40%以下
であり、厚さが10mm以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、枕木、特に分岐部
やレールの継ぎ目部に敷設する枕木に関し、詳しくは、
軌道沈下、振動、横ずれ力等が働いても、横ずれせず、
磨耗による強度低下のない枕木に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、枕木としては、木枕木、PC(Pr
estressed Concrete)枕木、硬質発泡ポリウレタンなど
の硬質発泡体の長手方向をガラス長繊維で補強した合成
枕木などがあり、それぞれの特徴とコストを考慮して使
用されている。PC枕木は、コストは高いが耐用年数が
長いため数多く使用されている。しかし、分岐部やレー
ルの継ぎ目部では、列車荷重と横圧がかかり、振動が激
しく、軌道が上下するいわゆる「あおり現象」が発生
し、枕木が横ずれ移動を生じて危険なため、PC枕木を
使用できない。従って、分岐部やレールの継ぎ目部で
は、木枕木や合成枕木が使用される。
【0003】一方、枕木が敷設される道床としては、建
設コストが安価で、軌道狂いの整正が容易なことから、
バラスト道床が採用されている。しかし、バラスト道床
として使用されるバラストは、硬くて角のある砕石が多
く使われており、このバラストが列車の通過毎に、繰り
返し、木枕木や合成枕木に食い込み、枕木表面を凹ま
せ、その結果、枕木を磨耗させて強度低下をきたし、耐
用年数が短くなるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この木枕木や合成枕木
における欠点を解消するために、特開平9-165703号公報
には、枕木の底面または側面を耐磨耗性材料からなる保
護層で被覆する発明が開示されている。このように耐磨
耗性の保護層を設けると、バラストの食い込みによる磨
耗を防止できても、PC枕木と同様に、繰り返しかかる
列車荷重による横ずれ移動は防止できない。
【0005】本発明は、このような従来の木枕木または
合成枕木における欠点を解消しようとしてなされたもの
で、繰り返し、列車荷重がかかっても横ずれ移動がな
く、また、磨耗を防止でき、軽量で人力による施工が可
能な枕木を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の枕木は、枕木本体の底面に、
耐磨耗材層が設けられ、この耐磨耗材層には、バラスト
材が引っ掛かる多数の穴が設けられていることを特徴と
する。また、請求項2記載の発明の枕木は、請求項1記
載の枕木において、穴の大きさは、枕木の長手方向の長
さが3〜25mm、耐磨耗材層の面積に占める穴の面積が
40〜80%、穴の深さが3mm〜耐磨耗材層の厚さ以下
であることを特徴とする。
【0007】また、請求項3記載の発明の枕木は、枕木
本体の底面に、耐磨耗材層が設けられ、この耐磨耗材層
は、枕木のレールから直接荷重の掛かる位置に設けら
れ、枕木長手方向の長さが直接荷重の掛かる幅以上で枕
木長さの40%以下であり、厚さが10mm以上であるこ
とを特徴とする。また、請求項4記載の発明の枕木は、
請求項3記載の枕木において、耐磨耗材層には、バラス
ト材が引っ掛かる多数の穴が設けられていることを特徴
とする。
【0008】また、請求項5記載の枕木は、請求項1〜
4項のいずれかに記載の枕木において、耐磨耗材層が、
ゴムまたは樹脂層と金属またはコンクリート層との積層
体からなり、ゴムまたは樹脂層側が枕木本体底面に接着
されていることを特徴とする。
【0009】本発明における枕木は、枕木本体として木
枕木または合成枕木が使用される。合成枕木は、硬質発
泡ポリウレタンなどの硬質発泡体の長手方向をガラス長
繊維で補強した繊維強化硬質発泡体からなる枕木、充填
材と熱硬化性樹脂からなる芯材の表面に前記繊維強化硬
質発泡体を積層した枕木などで、PC枕木に較べて軽量
であり、木枕木に較べて耐久性に優れている。
【0010】また、本発明において用いられる耐磨耗材
層としては、道床に用いられるバラストに対して耐磨耗
性を有する材料であればよく、金属材料、樹脂、ゴム、
コンクリートなどが使用できる。例えば、金属材料とし
ては、鋼板、アルミ板、ステンレス板などで、耐久性の
面から厚さは請求項1記載の発明においては1mm以上で
あることが好ましい。また樹脂材料としては、2液反応
型のエポキシ樹脂板やウレタン樹脂板等で、厚さ5mm以
上のものが好ましい。また、ゴムとしては、SBRやウ
レタンエラストマーのシートが使用でき、特にカーボン
ブラックや炭酸カルシウム等の充填材が混合されたもの
が好ましい。また、廃タイヤのチップをバインダーによ
り固めたり、溶融してシート状に成形したものも使用可
能で、厚さ5mm以上であるのが好ましい。
【0011】またコンクリートとしては、骨材や充填材
で補強された、比重が1.5以上、厚さ3mm以上のもの
が好ましいが、骨材を混合しないモルタルやセメントの
代わりに樹脂を使用したレジンコンクリートであっても
よい。コンクリートは金属網や鉄筋などの補強筋やガラ
ス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維等の繊維で補強したも
のであってもよい。
【0012】本発明の枕木においては、枕木本体の底面
に、耐磨耗材層が設けられているが、耐磨耗材層は、枕
木本体の底面に隙間の生じないように強固に固定されて
いれば、どのような固定方法であってもよい。例えば、
接着剤で接着されていても、耐磨耗材層としてエポキシ
樹脂やウレタン樹脂等のように、反応により硬化するタ
イプの樹脂であれば、枕木本体の底面に未硬化樹脂層を
形成し、硬化させる方法で一体化されていてもよい。枕
木本体と耐磨耗材層との間に、隙間があると、そこへ砂
が入り込み、枕木の振動により枕木本体が磨耗するの
で、隙間の生じないよう接着することが必要である。
【0013】請求項1に記載の発明における枕木におい
ては、耐磨耗材層に、バラスト材が引っ掛かる多数の穴
が設けられている。この穴は、枕木を道床のバラスト材
に上面を露出させて埋設設置したとき、バラスト材の一
部分がこの穴に入り込み、枕木に横方向へ移動させる力
が働いても、枕木の耐磨耗材層の穴がバラスト材に引っ
掛かり、枕木の水平面内の移動を防止するものである。
このような穴の形状および大きさは、道床抵抗力(枕木
の横方向への移動に要する力で、詳しくは実施例の中で
説明する。)を測定した結果、以下の通りの範囲であれ
ばよいことが分かった。
【0014】穴の形状としては、円形、楕円形、三角
形、四角形等であり、この場合の穴の大きさとしては、
円形では直径が3mm以上であり、楕円形では短径が3mm
以上であり、三角形では高さが3mm以上であり、四角形
では頂点から対辺に下ろした垂線の最小の寸法が3mm以
上であればよい。三角形および四角形の形状は正三角形
および正方形に近い形状であるのが、多数の穴の配列上
好ましい。
【0015】一方、穴の大きさが大き過ぎると、穴の中
にバラスト材が深く入り込み、枕木に作用する列車荷重
により、バラスト材が枕木本体に食い込むことになり、
繰り返し荷重が掛かることにより、枕木本体を磨耗さ
せ、枕木の強度低下を来す。従って、穴の大きさは、バ
ラスト材が穴に引っ掛かっても、枕木本体に接触しない
程度のものが好ましいが、バラスト材の大きさや形状は
様々であるし、耐磨耗材層の厚さも耐磨耗材層の材質に
よって変わるので、枕木本体を磨耗させず、強度低下を
来さない範囲である25mm以下とするのがよい。好まし
くは15mm以下である。
【0016】また、この穴は、耐磨耗材層の全面に均一
に設けられるのが好ましく、耐磨耗材層の面積に占める
穴の面積の割合、即ち、開口率は40%〜80%の範囲
とするのが好ましい。40%以下であると、小さい穴の
場合にバラスト材の引っ掛かりが少なくなって、枕木の
水平面内の移動の防止が十分でなくなることが生ずると
共に、枕木の重量が増えて枕木の施工時の作業性が低下
するからである。開口率は50%以上とするのが好まし
い。また、80%を越えると、耐磨耗材層で枕木をバラ
スト材上に支持するためには耐磨耗材層の強度が不足
し、列車荷重により変形して、耐磨耗材層としての機能
を発揮できなくなるからである。
【0017】また、この穴の深さは3mm〜耐磨耗材層の
厚さ以下であるのが好ましい。穴の深さが3mm未満であ
ると、バラスト材が穴に入り込む割合が少なくなると共
に、バラスト材が穴に引っ掛かり難くなり、枕木の水平
面内の移動の防止が十分でなくなるからである。また、
穴は耐磨耗材層を貫通していてもよい。穴の大きさが前
記のように制限されているので、枕木本体は凹むことが
あっても、磨耗することがないからである。
【0018】請求項3に記載の発明における枕木におい
ては、耐磨耗材層は、枕木のレールから直接荷重の掛か
る位置に設けられ、枕木長手方向の長さが直接荷重の掛
かる幅以上で枕木長さの40%以下であり、厚さが10
〜80mmである。
【0019】枕木のレールから直接荷重の掛かる位置と
は、枕木に直接レールを設置する場合では、レールの底
面が枕木と接触する面積に相当する位置であり、枕木本
体底面のレール底面に相当する面積のレール直下の部分
を意味する。また、レールは枕木上に直接設置されるの
ではなく、枕木とレールの間に金属製のタイプレートを
介して設置される場合もある。この場合は、タイプレー
ト直下のタイプレートの枕木長手方向の長さに相当する
部分(幅は枕木本体の底面の幅)を意味する。
【0020】この耐磨耗材層は最低限、枕木底面の上記
レールから直接荷重の掛かる位置に設けられていれば、
レールに繰り返し掛かる列車荷重や振動を、枕木を介し
て、この耐磨耗材層がバラスト材で支持されることによ
り吸収できるので、枕木底面が磨耗することが防止され
るが、列車荷重や振動は枕木の底面の広い面積で受ける
のが好ましい。
【0021】一方、枕木には、列車荷重による振動や横
ずれ力等が働いて枕木が横方向にずれるので、この枕木
の横ずれを防止する必要がある。この横ずれを防止する
ためには、耐磨耗材層の端面にバラスト材が引っ掛かる
ようにすればよい。このため、耐磨耗材層の端面が枕木
の底面に存在すればよく、また、耐磨耗材層はレール毎
に設けられるので、耐磨耗材層の枕木長手方向の長さ
は、枕木長さの半分未満とするのが好ましい。しかし、
横ずれを防止するには、枕木の底面に存在するバラスト
材が耐磨耗材層の端面に引っ掛かるのが、効果的であ
り、また、耐磨耗材層による枕木の重量増加を抑制する
ためにも、耐磨耗材層の長さは、直接荷重の掛かるレー
ル幅もしくはタイプレート幅の1.5倍〜枕木長さの4
0%以下とするのが更に好ましい。
【0022】また、耐磨耗材層の端面がバラスト材に引
っ掛かってレールの横ずれを防止するには、耐磨耗材層
に一定の厚みが必要であり、このためには、耐磨耗材層
の厚さは、10mm以上であればよい。しかし、厚くなる
と、枕木の重量が増加して、枕木を敷設する際の作業性
が低下するので、耐磨耗材層の厚さは、80mm以下とす
るのが好ましい。
【0023】また、この耐磨耗材層には、請求項1に記
載の発明と同様に、バラスト材が引っ掛かる多数の穴が
設けられていてもよい。この穴の形状、大きさ、開口率
等は、上記請求項1において説明したものと同じであれ
ばよい。
【0024】本発明で、耐磨耗材層は、ゴムまたは樹脂
層と金属またはコンクリート層との積層体からなり、ゴ
ムまたは樹脂層側が枕木本体底面に接着されているのが
好ましい。このような構成の耐磨耗材層とすると、バラ
スト材に対しては、金属またはコンクリート層が接触し
て支持されるので、耐磨耗性と横ずれ防止機能が達成さ
れ、枕木と接着する側は、ゴムまたは樹脂層であるの
で、列車荷重の衝撃や揺れを吸収して軌道のずれや騒音
を防止でき、列車の乗り心地が改善できる。
【0025】この耐磨耗材層におけるゴムまたは樹脂層
としては、SBR、NBR、アクリルゴム、EPR、E
PDM、ウレタンエラストマー、弾性ウレタン樹脂等が
好ましく、特に、ゴム層が衝撃や揺れの吸収性に優れて
いる。また、このゴムまたは樹脂層は、カーボンブラッ
クや炭酸カルシウム等の充填材を配合して補強されてい
てもよい。また、ゴムとしては、廃タイヤ等の再生材も
使用できる。また、樹脂としては、繊維強化硬質樹脂発
泡体、好ましくは比重が0.5〜1.0である繊維強化
硬質発泡ウレタンを使用すると、耐磨耗材層の厚みを厚
くしても枕木の重量が増加せずに道床抵抗を増加するこ
とができ、枕木の横ずれを効果的に防止できる。
【0026】この耐磨耗材層の各層は、隙間なく結合さ
れていれば、接着されていても、ネジ止め、ボルト止め
等で積層されていてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明枕木の第1
実施形態を示し、図1(a)は斜視図、図1(b)は底
面図、図2〜図4は本発明枕木の第2実施形態を示し、
図2(a)は斜視図、図2(b)は底面図、図3および
図4は第2実施形態における他の例を示す側面図であ
る。
【0028】(第1実施形態)(図1) 1は本発明の第1実施形態の枕木で、この枕木1は、硬
質発泡ポリウレタンなどの硬質発泡体の長手方向をガラ
ス長繊維で補強した合成枕木本体2の底面に、耐磨耗材
層3が接着剤で接着されている。枕木本体2は、幅23
0mm、厚さ140mmの矩形断面を有する長尺体で、ガラ
スロービング束に熱硬化性発泡性樹脂を含侵し、所定断
面を有する成形筒内を通しながら発泡性樹脂を発泡さ
せ、冷却することにより、所定断面の合成枕木が得られ
る。この枕木本体2は、枕木としての物性を有するよう
ガラス長繊維の含有量と発泡倍率が調整される。ガラス
長繊維の含有量は36〜55重量%、発泡倍率は比重が
0.5〜1.0程度になるよう調整される。
【0029】この枕木本体2の底面に設けられる耐磨耗
材層3は、鋼板等の金属板、樹脂板、ゴム板、コンクリ
ート板等が使用できる。耐磨耗材層3には、多数の穴3
1が全面に均等に設けられている。穴31の形状は、円
形、楕円形、三角形、四角形などで、その大きさは枕木
の長手方向の長さが3〜25mmであり、耐磨耗材層31
の面積に占める穴31の面積割合が40〜80%、穴の
深さが3mm〜耐磨耗材層の厚さ以下となされている。耐
磨耗材層3は、枕木本体2の底面全面に接着剤で強固に
接着されている。
【0030】この枕木1は、バラスト道床上に設置さ
れ、その上にレールが固定され、列車の運行により繰り
返し荷重がかかる。特に分岐部、曲がり部、レールの継
ぎ目部では、振動と共に横圧がかかり、また軌道が上下
する「あおり現象が」発生するが、耐磨耗材層3の多数
の穴31にバラストが引っ掛かり、枕木1の横ずれ移動
を防止できる。また、耐磨耗材層3により枕木1にバラ
ストが食い込むことが防止され、また、耐磨耗材層3に
設けられている穴31は、バラストが引っ掛かる程度の
穴となされているので、バラストが穴31に入り込み、
枕木本体2に食い込むことが防止される。したがって、
バラストの食い込みにより、枕木本体2が磨耗すること
がなく、枕木本体2の強度を損なうことがない。
【0031】(実施例1)次のような枕木1を得た。枕
木本体2として、硬質発泡ポリウレタンの長手方向をガ
ラス長繊維で補強した合成枕木(積水化学工業株式会社
製、商品名エスロンネオランバーFFU、ガラス長繊維
含有量50重量%、比重0.74、幅230mm、厚さ1
40mm、長さ2700mm)を使用した。また、底面には
全面に耐磨耗材層3として、鋼板がエポキシ樹脂接着剤
で張り合わされている。耐磨耗材層3は、厚さ3mmで、
直径3mmの穴31が、耐磨耗材層3の全面に均等に、穴
の面積が全面積の60%となるように設けられている。
穴31の配列は、長手方向にに、3.6mmピッチで75
0個の穴が配列され、この列が幅方向に70列、千鳥状
に配置して設けられている。 (実施例2)実施例1において、耐磨耗材層3として、
厚さ6mmのSBR製ゴムシートと厚さ2mmのステンレス
板との積層板を使用し、直径4mmの穴を設け、ゴムシー
ト側を枕木本体2に接着した以外は、実施例1と同様に
して枕木1を得た。 (比較例1)実施例1において、穴31が設けられてい
ない鋼板を耐磨耗材層3として使用した以外は実施例1
と同様の枕木を得た。 (比較例2)実施例1において、穴31が設けられてい
ない、厚さ24mmの鋼板を耐磨耗材層3として使用した
以外は実施例1と同様の枕木を得た。 (比較例3)実施例1において、直径50mmの穴31が
設けられた以外は実施例1と同様の枕木を得た。
【0032】(第2実施形態)(図2〜図4) この実施形態においては、枕木本体5は、芯材51と表
面層52とからなり、所定断面の長尺体からなる芯材5
1の表面に、繊維強化硬質発泡体を一体に成形してなる
ものである。芯材51は、充填材と熱硬化性樹脂との混
合物を所定の断面形状に低発泡させてなる長尺体であ
り、表面層52は、長手方向に向けてガラス長繊維で補
強された硬質ポリウレタン樹脂発泡体層である。この枕
木本体5は、芯材51を、その周囲に発泡性ポリウレタ
ン樹脂を含浸したガラスロービングを沿わせて成形筒内
に導き、成形筒内で発泡性ポリウレタン樹脂を発泡さ
せ、冷却して一体化して得られる長尺体を必要長さに切
断して製造される。
【0033】6は、耐磨耗材層であり、ゴムまたは樹脂
層61と金属またはコンクリート層62との積層体から
なり、接着剤にて、ゴムまたは樹脂層61側が枕木本体
5の底面に接着されて、枕木4が形成される。図示の例
では、厚さ5mmのSBRゴムと厚さ5mmの鋼板の積層体
であり、鋼板には正方形の穴63が、開口率が50%と
なるよう均等に設けられている。この耐磨耗材層6は、
レールの敷設される枕木の直下に、レールまたはタイプ
レートの幅より長い幅にわたって設けられる。レール底
面の幅は、110mm以上であり、タイプレートの幅(枕
木の長手方向の長さ)は、240mm以上であるので、最
低これだけの長さが必要である。重量の軽い材質を選択
するか、金属板でも穴を設けて軽量化を図り、耐磨耗材
層6の長さを長くするのが好ましい。この耐磨耗材層6
は、枕木本体5の底面の端面側部分には、枕木本体5の
底面が露出する部分が設けられる。また、レール直下に
2つの耐磨耗材層6、6が設けられるが、この2つの耐
磨耗材層6、6の間には、バラスト材が入り込むだけの
間隔が設けられているのがよい。
【0034】このような枕木本体5に耐磨耗材層6、6
が強固に接着された枕木4は、バラスト道床上に設置さ
れ、その上にレールが固定され、列車の運行により繰り
返し荷重がかかる。特に分岐部、曲がり部、レールの継
ぎ目部では、振動と共に横圧がかかり、また軌道が上下
する「あおり現象が」発生するが、耐磨耗材層6の端部
がバラスト材に引っ掛かり、枕木4の横ずれ移動を防止
できる。また、列車荷重や振動は主としてレールまたは
タイプレート直下の枕木で支持されるので、この部分に
耐磨耗材層6が設けられていることにより、枕木底面の
磨耗が防止される。
【0035】また、図3に示す実施形態においては、耐
磨耗材層7が厚さの厚い部分71、71と薄い部分72
とを有するものである。厚い部分71、71は、厚さが
10mm以上で、レールの敷設される枕木の直下に、レー
ルまたはタイプレートの幅とほぼ同じ長さにわたって設
けられていればよい。また厚さの厚い部分を長手方向の
他の部分にも複数箇所設けると、バラスト材との引っ掛
かりが強くなり、枕木の横ずれ防止をより完全なものと
できる。薄い部分72には第1実施形態における穴31
と同様の穴が設けられているとよい。また、図4に示す
実施形態においては、耐磨耗材層8がレールの敷設され
る枕木の直下部分に加えて、中間部分および両端部近く
にも耐磨耗材層81が設けられている例である。このよ
うに耐磨耗材層8および81が枕木の底面に複数箇所に
設けられていると、バラスト材との引っ掛かりが強くな
り、枕木の横ずれ防止をより完全なものとできる。ま
た、枕木底面の磨耗も防止できる。
【0036】(実施例3)枕木本体5としては、芯材5
1の表面に、長手方向に向けてガラス長繊維で補強され
た硬質発泡ポリウレタン樹脂発泡体層からなる表面層5
2を一体に成形してなるものを使用した。芯材51は、
珪砂3号67重量%、珪砂7号17重量%、実施例1で
使用した枕木本体2の粉砕粉末5重量%、発泡性の硬質
ウレタン樹脂11重量%の混合物を、幅210mm、厚さ
90mm、長さ2700mmの型内に供給して加熱発泡させ
たもので、比重は1.54である。この芯材51の長手
方向の4面に、実施例1で使用した合成枕木の板状体を
表面層52として貼り合わせて、幅230mm、厚さ14
0mm、長さ2700mmの枕木本体5を得た。表面層52
の厚さは、枕木の上面および底面は25mm、両側面は1
0mmである。
【0037】この枕木本体5の底面には、耐磨耗材層
6,6がエポキシ樹脂接着剤で貼り合わされて枕木4と
なされている。耐磨耗材層6、6は、厚さ10mm、幅2
30mm、長さ1025mmの鋼板であり、全面に均一に直
径8mmの穴(貫通孔)が設けられている。この穴の開口
率は60%である。耐磨耗材層6,6はそれぞれ枕木4
の両端から100mmを残して中央寄りに設けられてお
り、枕木4の中央部には、450mmにわたって耐磨耗材
層のない部分が存在する。
【0038】(実施例4)枕木本体5は実施例3と同じ
ものを使用した。耐磨耗材層6、6として、実施例1で
使用した合成枕木の板状体(厚さ10mm)と厚さ5mmの
ウレタンエラストマーシートと厚さ10mmのアルミニウ
ム板をこの順番に積層した、幅230mm、厚さ25mm、
長さ820mmのものを使用した。この耐磨耗材層6、6
には、アルミニウム板側から直径12mm、深さ13mmの
穴が、開口率50%となるように均等に設けられてい
る。この耐磨耗材層6,6を枕木本体5の底面に実施例
3と同様にして貼り合わせた。枕木4の中央部には、8
60mmにわたって耐磨耗材層のない部分が存在する。
【0039】(比較例4)実施例3で使用したものと同
じ枕木本体5を使用し、耐磨耗材層6、6として、幅2
30mm、厚さ26mm、長さ350mmの鋼板を使用した。
耐磨耗材層6、6は、枕木本体5の両端から230mmを
残して、JIS E1109で規定されているレール用
ねじ釘2本で、枕木本体5の底面に固定した。ねじ釘で
の固定には、鋼板に直径25mmの孔をあけ、枕木本体5
には、底面から深さ110mmの下穴を開けておき、ねじ
釘をインパクトレンチで打ち込んだ。
【0040】(実施例、比較例の評価) (1)道床抵抗力:平均粒径40mmのバラスト材を入れ
た、幅1810mm、長さ3810mm、深さ450mmの箱
体を実験用道床とした。この実験用道床に、評価サンプ
ルを、幅方向の中央部で、長さ方向では箱体から800
mm離して、枕木の上面がバラスト材と同一面となるよう
埋設し、タイタンパーでバラスト材を締め固めた。評価
サンプルの一方の端面にはワイヤーが取り付けられてい
て、枕木の埋設時には、このワイヤーが枕木と一直線と
なるように延ばした状態で、800mm離した側の箱体側
壁に設けたスリットから箱体外方へ引き出されている。
道床抵抗力は、ワイヤーを枕木の長手方向に油圧シリン
ダーで引っ張り、枕木を2mm移動させるのに要した力
(kN)を荷重計で測定した。
【0041】(2)耐磨耗性:枕木の上面に、端面から
200mm離して、410mm幅のタイプレートを取り付け
た。タイプレートは枕木上面に設けた直径18mm、深さ
110mmの下穴にJIS E 1109に規定のレール
用ねじ釘4本で取り付けた。枕木は長手方向の中央部で
切断し、枕木の半分の長さの枕木を耐磨耗性試験のサン
プルとした。このサンプルを上記実験用道床に埋設し、
タイタンパーでバラスト材を締め固めた。耐磨耗性は、
タイプレート上に、最大荷重78kN、最小荷重5k
N、周波数2Hzとなる繰り返し圧縮荷重を、100万
回加えたときの、枕木本体底面の磨耗度合いで評価し
た。磨耗量が3mm未満の場合は◎、3〜5mmの場合は
○、5mm以上の場合は×とした。
【0042】各実施例および各比較例のサンプルにつ
き、道床抵抗力および耐磨耗性を測定した結果は、表1
の通りであった。
【0043】
【表1】
【0044】表1から、以下のことが分かる。 (1)同一枕木本体である実施例1、2、比較例1、
2、3を対比すると、耐磨耗材層に適切な穴が設けられ
ている実施例1、2においては、枕木の横ずれ移動を防
止できる道床抵抗力を有するが、穴が設けられていない
比較例1では、道床抵抗力が小さく、列車荷重による横
ずれ力が掛かると枕木が横ずれする。また、比較例3の
ように穴の大きさが大きくなり過ぎると、枕木の底面が
磨耗して枕木の耐用年数が短くなる。また、比較例2の
ように、穴が設けられていなくとも、耐磨耗材層が厚
く、重量があると、道床抵抗力は増加し、枕木の横ずれ
は防止できるが、重量が大となり、枕木の敷設時に、手
作業による施工が困難となる。
【0045】(2)同一枕木本体である実施例3、4、
比較例4を対比すると、適切な耐磨耗材層が適切な位置
に設けられている実施例3、4においては、道床抵抗力
が大きく、枕木の横ずれ移動は殆どなく、また、枕木底
面の磨耗もない。枕木の重量が幾分増えるが、手作業に
よる施工が可能である。これに対して、厚い耐磨耗材層
であっても、この耐磨耗材層がタイプレート直下の枕木
底面全面に位置していない比較例4においては、道床抵
抗力は大きくても、耐磨耗性に劣ることが分かる。
【0046】尚、耐磨耗性を評価する繰り返し圧縮荷重
試験において、実施例2および実施例4のゴム層を有す
る耐磨耗材層を設けた枕木においては、騒音が少なかっ
た。また、比較例4の耐磨耗材層のように、ねじ釘で取
り付けられているものでは、枕木本体と耐磨耗材層との
間に砂が入り込み、耐磨耗材層が位置する枕木本体表面
が磨耗していた。
【0047】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の枕木は、枕
木本体の底面に耐磨耗材層が設けられ、この耐磨耗材層
にはバラスト材が引っ掛かる多数の穴が設けられている
ので、バラスト材が耐磨耗材層の穴に引っ掛かり、列車
の通過により、繰り返し列車荷重が掛かり、枕木に、軌
道沈下、振動、横ずれ力等が働いても、枕木は横ずれせ
ず、磨耗による強度低下もない。
【0048】また、耐磨耗材層が、枕木のレールから直
接荷重の掛かる位置に設けられ、枕木長手方向の長さが
直接荷重の掛かる幅以上で枕木長さの40%以下であ
り、厚さが10mm以上である本発明においては、耐磨耗
材層の端面にバラスト材が引っ掛かり枕木の横ずれが防
止され、列車荷重の直接掛かる枕木底面に耐磨耗材層が
設けられているので、枕木底面の磨耗が効率よく防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明枕木の第1実施形態を示し、図1
(a)は斜視図、図1(b)は底面図である。
【図2】図2は本発明枕木の第2実施形態を示し、図2
(a)は斜視図、図2(b)は底面図である。
【図3】図3は第2実施形態における他の例を示す側面
図である。
【図4】図4は第2実施形態における他の例を示す側面
図である。
【符号の説明】
1、4 枕木 2、5 枕木本体 3、6、7、8 耐磨耗材層 31、63 穴 51 芯材 52 表面層 61 ゴムまたは樹脂層 62 金属またはコンクリート層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枕木本体の底面に、耐磨耗材層が設けら
    れ、この耐磨耗材層には、バラスト材が引っ掛かる多数
    の穴が設けられていることを特徴とする枕木。
  2. 【請求項2】 穴の大きさは、枕木の長手方向の長さが
    3〜25mm、耐磨耗材層の面積に占める穴の面積が40
    〜80%、穴の深さが3mm〜耐磨耗材層の厚さ以下であ
    る請求項1記載の枕木。
  3. 【請求項3】 枕木本体の底面に、耐磨耗材層が設けら
    れ、この耐磨耗材層は、枕木のレールから直接荷重の掛
    かる位置に設けられ、枕木長手方向の長さが直接荷重の
    掛かる幅以上で枕木長さの40%以下であり、厚さが1
    0mm以上であることを特徴とする枕木。
  4. 【請求項4】 耐磨耗材層には、バラスト材が引っ掛か
    る多数の穴が設けられている請求項3記載の枕木。
  5. 【請求項5】 耐磨耗材層が、ゴムまたは樹脂層と金属
    またはコンクリート層との積層体からなり、ゴムまたは
    樹脂層側が枕木本体底面に接着されてなる請求項1〜4
    項のいずれかに記載の枕木。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013082679A1 (en) * 2011-10-21 2013-06-13 Cdm N.V. Sleeper with an elastic sole on ballast bed
USD910487S1 (en) 2019-07-15 2021-02-16 Voestalpine Railway Systems Nortrak Inc. Railroad tie

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WO2013082679A1 (en) * 2011-10-21 2013-06-13 Cdm N.V. Sleeper with an elastic sole on ballast bed
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