JP4714369B2 - 合成枕木の接続構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道軌道等の分岐部などに用いられる長尺枕木を得るための合成枕木の接続構造並びに接続方法であって、特に、長繊維で補強した樹脂からなるいわゆる合成木材からなる合成枕木の接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄道軌道の分岐部においては、分岐部の種類(片開き分岐、両開き分岐、振り分け分岐、乗り越し分岐、複分岐、3分岐、3線式分岐、ダイヤモンドクロッシング、シーサースクロッシングなど)に応じ、6〜9mもの長さの長尺枕木が必要とされる。
【0003】
しかし、過密市街地、高架線部、あるいは防音壁などで囲まれた場所においては、上記6〜9mもの長尺の枕木を一体物で取り扱うと作業性の低下が余儀なくされ、特に、枕木の交換作業が極めて困難となる。
【0004】
そこで、旧来より、枕木の端部を突き合わせ、この部分をボルト挿通孔の開いた鉄板で上下もしくは左右側面から挟み、この鉄板と枕木を挿通してボルトナットで締結する枕木の接続構造が使用されている。
【0005】
ところで、本願出願人は、枕木として、汎用のブナ材などに代え、長繊維で補強した熱硬化性樹脂発泡体からなる合成木材を用いたものを製造販売しており、かかる合成枕木においても優れた曲げ強度が得られるように、現在までに種々の改良を行っている(例えば、特開平6−248604号公報、特開平6−240601号公報、特開平5−98601号公報、特開平5−51901号公報、特開平4−149302号公報参照)。
【0006】
しかし、これら合成枕木の従来の接続構造の場合、合成枕木の長手方向の位置によって曲げ強度に大きな差が生じているが、シーサースクロッシング等では、枕木毎に軌道の位置が長手方向にずれるため、合成枕木同士の接続部を個々の枕木毎に現場において位置決めしなければならないという不便があり、このようにして位置決めしなければ強度不足が懸念されることになる。
【0007】
かかる問題を改善するため、本願出願人は、既に特許第2809997号公報に開示された技術を提案している。この合成枕木の接続構造によれば、合成枕木同士を、無垢の合成枕木本来の曲げ強度に匹敵する十分な曲げ強度で接続できるとともに、最も強度不足が懸念される継ぎ目部分に曲げ応力が加わるような場合であっても十分な曲げ強度を発揮することができ、上下いずれの方向からも曲げ応力が作用する場合であっても、全体的に十分かつ比較的均等な曲げ強度を得ることができ、そのため、かかる構造の長尺枕木を敷設する際に、軌道が継ぎ目部分に重ならないように枕木毎に現場で位置決めするといった煩わしさもなく施工できるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した特許第2809997号公報に開示された接続構造では、金属製のボルト及び座金が接続部上面に露呈しており、枕木にタイプレート等を固定するためのねじ釘や犬釘の打ち込みに支障をきたす。特に、シーサークロッシング等においては、枕木毎のタイプレートの取付位置が一定でなく、現場において任意の位置にねじ釘等を打ち込むことができることが望ましい。
【0009】
また、スラブ軌道などにおいて、コンクリート上に枕木を直接敷設することがあり、枕木の下面に接続部材や補強板が突出していると、施工上大きな問題となる。更に、側面に接続部材や補強板が突出していても、充填材の型枠工に支障をきたす等の施工上の問題を含んでいた。
【0010】
そこで、本発明は、曲げ強度の最も弱い位置でも十分な曲げ強度を確保することができ、現場において接続位置を位置決めするという煩雑さを解消し得るものでありながら、接続強度を確保するための部材に金属を用いることなく、例えば合成木材製の部材の接着や合成木材製ピンの打ち込みのみで十分な曲げ強度を得ることのでき、さらに、枕木の下面もしくは側面に突出部が存在せず、コンクリート上への敷設にも問題なく利用できる合成木材製枕木の接続構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
【0012】
即ち、本発明は、2本の合成枕木の長手方向端部を突き合わせて接着することにより接続される合成枕木の接続構造であって、上記合成枕木の接続される端部同士が互いに相補形状の接続部であり、該接続部は該端部から長手方向に所定の長さに亘って設けられており、補強板が上記合成枕木の下面に設けられ、該補強板は、双方の合成枕木の表面に接着されているとともに、補強板と合成枕木とに亘り樹脂成形品からなる補強ピンが打ち込まれており、補強板の下面が補強ピンを含め、合成枕木の下面と面一であることを特徴とするものである。なお、相補形状の接続部は種々の形態とすることができ、いわゆるフィンガー接合、凹凸嵌合やテーパー面突き合わせなどによって両接続部を接合した状態で枕木本来の断面形状とほぼ同じ断面を有する柱状を呈するものであればよい。また、補強板は、長方形状の底板側板からなるものとしてもよく、また、底板部と側板部とを一体成形してなるアングル状の部材により構成してもよい。また、補強板の繊維方向は枕木長手方向に沿ったものとするのが好ましい。
【0013】
上記本発明の接続構造によれば、次の作用を奏することができる。即ち、補強板の材質を合成枕木と同種の合成木材としているので、ボルト等の金属製の固定治具を用いなくとも、プラスチック用接着剤によって大きな接着強度が得られ、接続部の全範囲にわたって実用的に十分な曲げ強度を得ることが可能となる。したがって、シーサースクロッシングなどに用いられた場合でも、構造部材に金属を使用していないので任意の位置にねじ釘や犬釘を打ち込むことができ、レール支持用のタイプレートの取付け作業に支障をきたすこともない。
【0014】
また、合成枕木の接続部同士の接着面が長手方向に所定の幅を有しているので、合成枕木に埋設された長繊維の切断位置が長手方向に分散することになり、長手方向任意位置での縦断面における大部分の長繊維に引っ張り応力支承作用を得ることができ、大きな曲げ強度を得ることが可能となる。そして、接続部の先端近傍において引っ張り応力を支承し得る長繊維が最も少なくなるため、該部分の曲げ強度が比較的小さくなるが、該部分の下面側や下面側と両側面側に補強板を配設することにより、該補強板の長繊維によっても引っ張り応力を支承させることが可能となり、この引張力を枕木に伝達する作用を奏する補強板と合成木材との接着面の接着強さを上記したように十分大きくすることにより、簡単な構造で施工容易なものでありながら実用強度を得ることが可能である。
【0015】
さらに、接合部においても補強板の下面が合成枕木の下面と面一であって、枕木の下面に凸部が形成されないので、スラブ軌道にも問題なく使用することが出来る。
【0016】
なお、合成枕木としては、長繊維で補強した樹脂柱状体からなるものを使用できる。また、対の合成枕木の接続部形状は、例えば、一方の合成枕木の端部を略垂直な先端端面を有するテーパー面に加工するとともに、他方の合成枕木の端部を一方の合成枕木のテーパー面に相補する形状の略垂直な先端端面を有するテーパー面に加工し、これら合成枕木を先端端面において突き合わせ、これら端面同士を接着剤で接着することができ、その他、種々の嵌合形状やテーパー形状としても良い。
【0017】
上記本発明の合成枕木の接続構造において、より好ましくは、互いに接続される合成枕木の接続部を接続するとともに補強板を接着してなる接合部の表面がすべて、合成枕木の表面と面一であるようにするのが良い。これによれば、2本の合成枕木を接続することで、1本の長尺枕木を構成し、この枕木の表面が、上面、前後側面並びに下面のすべてにおいて面一であるから、タイプレートなどの取付上邪魔となる構成がなく、利便性の向上が図られる。
【0018】
また、補強板と合成枕木とに亘る樹脂成形品からなる補強ピンを打ち込むことにより、補強板を合成枕木に接着する接着剤が硬化して十分な接着強度を発揮する前においても、上記補強ピンによって補強板と合成枕木との接着面の剪断強度を持たせることができ、また、補強ピンも樹脂成形品、好ましくは合成木材からなるものとしているので、この補強ピンを打ち込んだ部位にねじ釘等を打ち込むことも可能となる。なお、上記樹脂成形品としては、合成枕木や補強板と同種の合成木材(長繊維強化樹脂発泡体)からなるものが好ましいが、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂のみにより成形されたものや、これら合成樹脂をガラス繊維やカーボン繊維等の強化繊維で補強したものなど、適宜のものを用いることができる。より一層の強度向上を図るためには、補強板下側面と両側面並びに上側面の2以上の面に接着し、各面に接着した補強板といずれか一方又は双方の枕木とにわたって上記補強ピンを打ち込むことが好ましい。
【0019】
また、補強板及び対の枕木の双方にわたって樹脂成形品からなる補強ピンを打ち込むことも可能である。これによれば、補強板と合成枕木との接着面のみならず、対の合成枕木同士の接着面の剪断強度をも補強ピンによって向上することができ、より一層の曲げ強度の向上を図ることが可能となる。かかる補強ピンは、特に、対の合成枕木の接続部同士の接合面が、長手方向に沿って厚み方向に傾斜するテーパー面である場合や、両接続部が上下に嵌合する構造の場合に好適に用いることが可能である。
【0020】
上記した接続構造は、種々の方法によって施工することができ、例えば補強板は、施工現場において合成枕木に接着することもでき、予めいずれか一方の合成枕木に工場等において接着固定しておくこともできる。好ましい合成枕木の接合方法は、接続される2本の合成枕木の長手方向端部をそれぞれ互いに相補形状に形成し、いずれか一方の合成枕木の上面、下面若しくは両側面の少なくとも一面に、合成木材からなる補強板を予め接着しておき、他方の合成枕木の上面、下面若しくは両側面の少なくとも一面に面接し得るように一方の合成枕木の端部から突出させておき、現場施工時に2本の合成枕木の端部接合面同士を接着すると共に、他方の合成枕木と上記補強板とが面接する面を接着し、更に補強板表面から合成枕木に達するように樹脂成形品からなる補強ピンを打ち込むことを特徴とするものである。これによれば、補強板と一方の合成枕木とは、工場等において予め接着しているので、現場施工時には既に十分な接着強度が得られており、他方の合成枕木との接合強度は、補強ピンによって補強し得るから接着剤が硬化する前においても実用的な曲げ強度が得られる。
【0021】
上記接合方法において、好ましくは、一方の合成枕木に一の補強板を予め接着しておくとともに、他方の合成枕木にも、一の補強板とは配設位置の異なる他の補強板を予め接着しておく。これによれば、施工直後でも、いずれかの補強板が合成枕木に強固に接着されているため、十分大きな曲げ強度を得ることが可能となる。
【0022】
なお、上記接続構造において、複数の補強ピンが、合成枕木同士の接合面と複数の補強ピンとの交点が合成枕木の長手方向にずれるようにかつ幅方向若しくは厚み方向のいずれか一方向にもずれるように打ち込まれているものとすることができる。これによれば、曲げ強度の最も小さくなる長手方向位置(即ち、接続部の先端部近傍)に大きな集中荷重が作用する場合において、枕木の長手方向位置によって曲げ応力が変化するため、破壊に耐えうる接着強度も長手方向位置によって異なってくるが、上記長手方向にずれた複数の交点を幅方向及び/又は厚み方向にもずらしておくことにより、枕木に生じた曲げ応力をいずれかの補強ピンの軸方向応力(引っ張り又は圧縮)として伝達することができ、ピンの引っ張り・圧縮強度は剪断強度よりも一般的に大きいため、効果的に接続部の曲げ強度を向上することが可能となる。
【0023】
なお、上記した本発明において、合成枕木や補強板の原材料は、長手方向に向けて埋設した長繊維で補強した樹脂(これを「合成木材」という)により形成することができ、より好ましくはガラス長繊維を長手方向に引き揃えて埋設した熱硬化性樹脂発泡体(FFU)により形成することができる。また、上記合成木材単体から合成枕木を形成してもよいが、合成木材や樹脂発泡体などからなる板材を上下に積層してなる複合材により合成枕木を形成することもできる。なお、合成枕木の密度は、一般的には0.6〜1.0g/cm3であり、補強材である長繊維の含有量は40〜60重量%程度のものとすることができる。長繊維としては、無機質、有機質のいずれを使用してもよいが、ガラス繊維を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂発泡体としては、硬質ポリウレタン樹脂や硬質ポリエステル樹脂を好適に使用できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る合成枕木の接続構造を示している。図において、1a,1bは一対の合成枕木を示している。この合成枕木1a,1bとしては、ガラス長繊維補強樹脂複合材からなる柱状体を好適に用いることができる。なお、合成枕木1a,1bの補強長繊維方向は長手方向(枕木長手方向)に揃えられている。これら合成枕木1a,1bの互いに接合される長手方向端部はそれぞれ互いに相補形状の接続部2a,2bとなされている。本実施形態では、両合成枕木1a,1bの接続部2a,2b同士の接合面は、互いに雄雌関係のテーパー面に加工されているとともに、接続部2a,2bの先端面は略垂直に加工されている。而して、該接合面は枕木1a,1bの長手方向に所定の幅を有している。
【0026】
より詳細には、一方の合成枕木1aの接続部2aは、その下面が先端側にしたがって徐々に上方に傾斜するテーパー面に形成されている。このテーパー面の上方傾斜角は、図示例では9°(9度)としているが、所望の角度とすることができる。また、テーパー面の厚み方向幅は、枕木1aの厚み方向幅の約3分の1程度が好ましい。他方の合成枕木1bの接続部2bは、その上面が先端側にしたがって徐々に下方に傾斜するテーパー面に形成されており、このテーパー面は一方の合成枕木1aのテーパー面に適合する角度で形成されている。なお、テーパー面を境にして切断端が対向する長繊維間の張力伝達は、一方の繊維の張力が、上記切断端の間に位相的にブリッジする他の繊維に樹脂をマトリックスとして伝達され、この他の繊維から他方の繊維に伝達される経路が主体となり、この張力伝達の効率は繊維端の間に他の繊維が深くラップするほど大となる。従って、張力伝達の効率上は、テーパー角が小さいほど有利である。
【0027】
そして、対の合成枕木1a,1bの両接続部2a,2bの接合面(即ち、上記テーパー面並びに略垂直面)に接着剤を塗布し、これら接合面同士を突き合わせて接着するとともに、後述する上下補強板3a,3bを両枕木1a,1bに亘って接着しており、この上下補強板3a,3bを含む接合部の断面形状は、合成枕木1a,1bの他の部位における断面形状と同一となっている。なお、接着剤としては、合成枕木1a,1b同士の接合面を接着することができるものであれば特に限定されるものではなく、合成枕木を構成する長繊維や熱硬化性樹脂発泡体などの材質に応じて適宜選定することができる。例えば、合成枕木がガラス長繊維と硬質ウレタン樹脂発泡体とによって構成されている場合、接着剤としてはエポキシ樹脂を好適に用いることができる。
【0028】
対の合成枕木1a,1bの接合部の周囲には、上面補強板3a、下面補強板3b、前面補強板3c、後面補強板3dが、上下前後の側面にそれぞれ設けられている。各補強板3a,3b,3c,3dは、対の合成枕木1a,1bの接続部2a,2b同士の継ぎ目を跨いで両枕木1a,1bに接着されている。これら補強板はFFU若しくはFRP製の長方板状部材を用いることができ、好ましくは、補強材である長繊維方向が長手方向に揃えられたFFUを用いるのが良い。
【0029】
上面補強板3aは、その前後幅が枕木1a,1bの前後幅と同一であって、対の合成枕木1a,1bの双方の上面に設けた凹部4aに嵌着され、該補強板3aの上面が枕木1a,1bの上面と面一となるようにしているとともに、補強板3aの前後端面が枕木1a,1bの前後側面と面一となるようにしている。また、補強板3aの下面は凹部4aの底面に全面にわたって接着されており、而して、該補強板3aは、両枕木1a,1bの上面にわたって接着されている。
【0030】
下面補強板3bは、その前後幅が枕木1a,1bの前後幅と同一であって、対の合成枕木1a,1bの双方の下面に設けた凹部4bに嵌着され、該補強板3bの下面が枕木1a,1bの下面と面一となるようにしているとともに、補強板3bの前後端面が枕木1a,1bの前後側面と面一となるようにしている。また、補強板3bの下面は凹部4bの底面に全面にわたって接着されており、而して、該補強板3bは、両枕木1a,1bの下面にわたって接着されている。
【0031】
前面補強板3c及び後面補強板3dは、その上下幅が枕木1a,1bの上下幅と同一であって、その長手方向幅は、上記接続部2a,2bの長手方向幅(図示例ではテーパー面の長手方向寸法)よりも大きくなされている。上記接続部2a,2bは補強板3c,3dの長手方向両端部の内側中央に位置されている。また、補強板3c,3dの長手方向両端は、上下補強板3a,3bの外端と同じ位置にあり、該前後補強板3c、3dは、前後側面側に露呈する対の合成枕木1a,1b同士の継ぎ目並びに上下補強板3a,3bと各合成枕木1a,1bとの継ぎ目をもすべて覆う状態で、両合成枕木1a,1bの前後側面にそれぞれ接着されている。この前後補強板3c,3dの上端面は、両枕木1a,1bの上面と面一となされているとともに、前後補強板3c,3dの下端面は、両枕木1a,1bの下面と面一となされている。
【0032】
また、本実施形態では、接続部2a,2bよりも長手方向外側の部位で、上面補強板3a若しくは下面補強板3bと、両枕木1a,1bのいずれか一方とにわたって樹脂製の補強ピン5aが厚み方向(上下方向)に打ち込まれているとともに、上面補強板3a若しくは下面補強板3bと、対の枕木1a,1bの両接続部2a,2bの双方とにわたって樹脂製の補強ピン5bが厚み方向に打ち込まれている。
【0033】
上記補強ピン5bは、長手方向複数箇所(図示例では2箇所)に打ち込まれており、枕木1a,1bの接続部2a,2b同士の接合面と図1において左側の補強ピン5bとの交点と、該接合面と右側の補強ピン5bの交点とは、上記接合面が長手方向に沿って上下に傾斜しているために、これら交点は厚み方向にも変位している。
【0034】
また、前後補強板3c,3dと各枕木1a,1bとに亘る補強ピン5cが幅方向(前後方向)に打ち込まれている。この補強ピン5cの打ち込み位置は、上記
補強ピン5a,5bの打ち込み位置から長手方向にずらしている。
【0035】
上記各補強ピン5a,5b,5cを打ち込む際に、これら補強ピンに接着剤を塗布しておくことで、軸方向強度を有効利用して合成枕木同士の接続部の曲げ強度の一層の向上を図ることができる。
【0036】
上記接続構造は、適宜の施工手順によって施工することができるが、好ましくは、次の接合方法を用いることができる。即ち、各補強板3a,3b,3c,3dを、いずれか一方の合成枕木に工場等において予め接着しておき、該補強板が、現場施工時に他方の合成枕木の下面に面接し得るように一方の合成枕木の端部から突出させておく。また、上記補強ピン5a,5b,5cを打ち込む位置に予め打ち込み孔を穿設しておく。そして、現場施工時に、合成枕木1a,1bの接合すべき端部の接合面に接着剤を塗布してこれら接合面同士を突き合わせることにより接着する。この際、一方の合成枕木1aに対し、他方の合成枕木1bを水平方向にスライドさせつつ近接させることで上記突き合わせを行うことができ、他方の合成枕木1bの接続部2bの先端を適宜切断して該先端部が一方の枕木1aの接続部2aの基端部に突き当たらないようにしておくことによって、テーパー面同士を確実に面接することができるとともに、テーパー面の楔効果によって強固な接続を行うことが可能になる。さらに、いずれか一方の枕木に予め固定された各補強板3a,3b,3c,3dと、他方の枕木との当接面にも接着剤を塗布しておき、これら当接面同士を接着する。その後、上記補強ピンを順次打ち込むことによって施工が完了する。この様に、施工現場で特殊な治工具を必要とせず、簡単に施工できる。なお、この場合において、上下補強板3a,3bの一方と、いずれか一方の枕木とを貫通する補強ピン5aは、工場等において予め打ち込んでおくことも可能である。また、施工後の接着強度が確実に発現するように、補強板3を枕木1a,1b側にシャコ万などの締結工具によって接着剤が硬化するまで押さえ付けておくこともできる。
【0037】
上記接続方法によれば、現場における接着面積を少なくすることができるので、作業工数の削減を図り、枕木の敷設や更正を迅速に行うことができるとともに、各補強板はいずれかの枕木に対して、施工時には既に強固に接着された状態となるとともに、現場にて接着した部位は、補強ピンの剪断強度や引っ張り強度によって強度を持たせることができ、施工後すぐに実用的な強度が得られるので、夜間作業に好適に実施することが可能である。
【0038】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、前後の補強板3c,3dは設けなくともよく、幅方向に打ち込まれる補強ピンも図4に示すように設けなくともよい。
【0039】
さらに、図5に示す実施形態のように、上面補強板も設けずに、下面補強板3bのみを設けても良い。この場合、枕木1aの接続部2aの先端部と、枕木1bの接続部2bの基端部との接続の補強のために、これら両接続部2a,2bに亘る補強ピン5dを上下方向に打ち込むのが好ましい。
【0040】
また、図6に示す実施形態のように、一方の合成枕木1aの接続部2aの前面を先端側にしたがって徐々に後方に傾斜するテーパー面に形成するとともに、他方の合成枕木1bの接続部2bの後面を先端側にしたがって徐々に前方に傾斜するテーパー面に形成し、このテーパー面を一方の接続部2aのテーパー面に適合する角度で形成することで、これら接続部2a,2bが前後に組み合わされて接続されるようにも構成できる。この場合、前後補強板3c,3dを、両枕木1a,1bにわたるように前後側面にそれぞれ形成された凹部4a,4dに嵌着して、該補強板3c,3dの外側面が、枕木1a,1bの前後側面と面一となるように構成できる。
【0041】
また、図7に示すように、上下の補強板以外に、前後の補強板の表面を全て枕木表面と面一となるようにもできる。この場合の左右の枕木の構造例を図8に示す。
【0042】
なお、上記枕木、補強板及び補強ピンは、好ましくは、ガラス繊維強化プラスチック発泡体(合成木材)からなるものとすることが好ましい。この発泡体における発泡樹脂の種類としては、例えば、ウレタン、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂であって硬質のものが好適に使用される。なお、発泡樹脂中に、圧縮強度の向上や低コスト化を図るために、炭酸カルシウム、石膏、タルク、水酸化アルミニウム、クレー等の無機充填材や、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン等の軽量骨材が添加されていてもよい。
【0043】
また、発泡体を補強する繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の無機質繊維、天然繊維、合成繊維等の有機質繊維のいずれであってもよいが、強度や経済性の面からガラス繊維が適している。ガラス繊維としては、ガラスロービング、ガラスロービングクロス、ガラスマット、コンティニュアスストランドマット等の形態のものが挙げられる。この繊維は単独で使用してもよいし、二層以上積層してもよく、また、長繊維と短繊維を混ぜて使用してもよい。なお、ガラス長繊維を長手方向に引き揃えて補強繊維とした、ガラス長繊維強化硬質ウレタン発泡体(例えば、積水化学工業株式会社製、商品名「エスロンネオランバーFFU」など)を採用するのが、軽量化、耐久性および加工性の確保のために最も好ましい。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ボルトなどの金属製の固定部材を用いずとも、合成木材などの切削や穿孔容易な部材のみで長尺分岐枕木を構成することができ、シーサースクロッシングなどにおいて枕木の長手方向の任意の位置にタイプレートを固定するためのねじ釘等を打ち込むことが可能であり、現場に応じて接続部の位置を調整するといった煩雑な作業を行う必要がなく、かつ、最小曲げ強度を少なくとも実用に耐えうる程度にまで向上することが可能である。特に、補強板として合成枕木と同種の材料を用いることにより、これら部材間の優れた接着強度を得ることができ、さらに、補強ピンによって接着面の剪断強度を施工直後でも確保することができ、夜間における限られた時間内での枕木更正に好適に実施することが可能である。また、対の合成枕木同士の接合部においても、その表面、特に下面が合成枕木の下面と面一であるから、コンクリート上への敷設にも問題なく利用でき、スラブ軌道などにも問題なく利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る合成枕木の接続構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図2】 同接続構造の要部拡大図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図3】 同接続構造の要部の拡大縦断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る合成枕木の接続構造の要部拡大縦断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態に係る合成枕木の接続構造の要部拡大縦断面図である。
【図6】 本発明の第4実施形態に係る合成枕木の接続構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図7】 本発明の第5実施形態に係る合成枕木の接続構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図8】 同接続構造の左右の部材の構造図で、(a)と(c)は平面図、(b)と(d)は正面図をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1a,1b 合成枕木
2a,2b 相補形状の接続部
3b,3c,3d 補強板
5a,5b,5c 補強ピン

Claims (2)

  1. 2本の合成枕木の長手方向端部を突き合わせて接着することにより接続される合成枕木の接続構造であって、
    上記合成枕木の接続される端部同士が互いに相補形状の接続部であり、該接続部は該端部から長手方向に所定の長さに亘って設けられており、
    補強板が上記合成枕木の下面に設けられ、該補強板は、双方の合成枕木の表面に接着されているとともに、補強板と2本の合成枕木の両接続部の双方とに亘り樹脂成形品からなる補強ピンが打ち込まれており、補強板の下面が補強ピンを含め、合成枕木の下面と面一であることを特徴とする合成枕木の接続構造。
  2. 互いに接続される合成枕木の接続部を接続するとともに補強板を接着してなる接合部の表面がすべて、合成枕木の表面と面一であることを特徴とする請求項1に記載の合成枕木の接続構造。
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