JP4662784B2 - 軌道分岐部の敷設方法 - Google Patents

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Description

本発明は軌道分岐部の敷設方法に関する。
鉄道軌道には、片開き分岐、両開き分岐、振り分け分岐、乗り越え分岐、ダイヤモンドクロッシング、シーサースクロッシングなどの種々の分岐部があり、分岐部の形状に応じて6m〜9mの長尺まくら木が必要となる。このような長尺まくら木をそのまま敷設しようとすると、運搬や敷設が大掛かりになる(特許文献1参照)。また、地下軌道や両側を擁壁で遮蔽された軌道では、まくら木が長すぎるために敷設が困難となり実際的ではない。
特開平11−152703号公報
そこで、長尺まくら木の敷設に際しては、通常、分割したまくら木を敷設現場で接合して長尺化する工法が採られ、このため、まくら木を敷設現場で容易に接合でき、しかも、接合後に直ちに強度を発現することが要求される。
従来の木まくら木を用いたものでは、接合強度を確保するために、まくら木片の長手端部同士を突き合わせて、専用金具を用いて接合を行っていた。しかし、このような金具を用いた接合方法では、まくら木片同士の接合部に金具が位置するため、当該接合部にレールを締結することができなかった。
ところで、シーサースクロッシングなどの分岐部では、レールの締結部位が長尺まくら木毎にその長手方向にずれる。従って、前記した金具を用いてまくら木同士を接合する場合は、金具の位置、則ち、まくら木の接合部をレールの締結位置を避けるように順次ずらせなければならない。このため、分岐部の形状に応じて、長さの異なるまくら木を多数準備して接合しつつ敷設を行わねばならず、作業が煩雑になり多大な手間を要するものであった。
また、軌道分岐部の移設を行うような場合は、作業が一層煩雑になっていた。例えば、軌道分岐部を有する地上軌道を高架軌道に移設する場合は、本線軌道を運用しつつ、移設工事が行われる。
則ち、地上軌道に隣接させて一つの高架軌道を構築し、高架軌道に隣接する一方の地上軌道を高架軌道に切り換え、当該地上軌道を撤去する。次いで、撤去した地上軌道の跡地に既設の高架軌道に隣接させて更に高架軌道を構築し、残る地上軌道を高架軌道に切り換え、この後に、高架化された本線軌道同士の間に分岐軌道を移設する手順で敷設される。
ところが、前記したように、長尺まくら木は、本線軌道および分岐軌道のレールの締結位置を避けるようにしてまくら木片を接合しなければならず、その上、一方の本線軌道を高架化してから隣接する本線軌道が高架化されるまでに、通常、1年から1年半程度の長期間を要する。
従って、最初の本線軌道を高架に移設する際は、軌道分岐部の敷設予定部位に適宜の長さのまくら木を用いて本線軌道を仮敷設し、隣接する高架が構築された時点で、仮敷設した本線軌道のまくら木片を撤去して、新たに長さの異なるまくら木片を接合しつつ敷設し直していた。このため、既設の本線軌道をそのまま利用して隣接軌道を敷設できず、敷設作業が煩雑で多大な時間を要するために改善が望まれていた。
本発明は、前記事情に鑑みて提案されるもので、敷設作業の繁雑さを解消した軌道分岐部を提供することを目的としている。また、同時に提案される本発明は、その軌道分岐部の敷設方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために提案される1つの発明は、二本のレールが組み合わされて一組の本線軌道が構成され、複数本の長尺まくら木上に本線軌道が複数列設けられ、更に、本線軌道同士を交錯させる分岐軌道が長尺まくら木上に設けられた軌道分岐部において、長尺まくら木は、二以上のまくら木片を接合して構成されており、当該まくら木片の接合部には互いに嵌合する嵌合部が設けられ、まくら木片同士は、嵌合部同士を嵌合させた状態で接合されて一体化されており、且つ、まくら木片の接合部は本線軌道同士の間に位置すると共に、各まくら木片の接合部は一列に配された構成とされている。
この発明によれば、まくら木片同士の接合に際して金具などを用いず、まくら木片の嵌合部同士を嵌合させて接合して一体化する。これにより、接合部にレールを締結するためのねじ釘などを打ち込み可能である。則ち、接合部を含む長尺まくら木の上面のいずれの部位にもレールを締結可能である。従って、レールの締結部位に拘わらず、長尺まくら木の接合部を任意の位置に設定することができる。
また、長尺まくら木の接合部を任意の位置に設定できることに関連して、この発明によれば、軌道分岐部における複数の長尺まくら木は、各まくら木片の接合部が一列に配されている。則ち、複数の長尺まくら木の接合部の位置が、全て長手方向の同一部位に揃えられている。従って、長尺まくら木を構成する複数のまくら木片の形状を、まくら木片毎に統一することができ、製造性および敷設作業性を向上させることができる。
また、この発明によれば、各まくら木片の接合部が本線軌道同士の間に位置し、しかも、各まくら木片の接合部は一列に配される。則ち、本発明によれば、各まくら木片は、少なくとも通常のまくら木と同等の長さを有する。
従って、まくら木片同士が接合されていない状態でも、各々のまくら木片は通常のまくら木と同様に機能する。これにより、軌道の移設などの際に、長尺まくら木のうちの一つのまくら木片を用いて一つの本線軌道のみを敷設した状態であっても、まくら木片の接合部を開放したままの状態で通常のまくら木として機能させることができ、当該軌道をその状態で運用することが可能である。
この発明において、まくら木片同士の接合部に設ける嵌合部は、互いに相補形状とするのが良い。嵌合部同士を相補形状とすることにより、嵌合部同士を密着した状態で嵌合させることができ、接合強度が向上する。また、接合部に補強部材を接合する構成や、接合部に接合ピン(埋栓)などを打ち込む構成を採用することもでき、接合強度が一層向上する。
この軌道分岐部によれば、まくら木の長手方向におけるレールの締結位置が異なるシーサースクロッシングなどの分岐部においても、同一形状のまくら木片を接合して使用することができる。これにより、レールの締結部位を避けるべく長さの異なるまくら木片を用意する必要がなく、部材を統一化することができ、まくら木の製造性が向上すると共に、敷設現場における作業性の向上を図ることが可能である。
前記目的を達成するために提案される請求項に記載の発明は、二本のレールが組み合わされて一組の本線軌道が構成され、複数本の長尺まくら木上に前記本線軌道が複数列設けられ、更に、前記本線軌道同士を交錯させる分岐軌道が前記長尺まくら木上に設けられた軌道分岐部の敷設方法であって、
前記長尺まくら木は、二以上のまくら木片を接合して構成されており、当該まくら木片の接合部には互いに嵌合する嵌合部が設けられ、まくら木片同士は、前記嵌合部同士を嵌合させた状態で接合されて一体化されており、且つ、まくら木片の接合部は本線軌道同士の間に位置すると共に、各まくら木片の接合部は一列に配されており、
複数列の本線軌道のうちの一つの本線軌道の敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置し、配置したまくら木片にレールを締結して当該本線軌道を完成させる初期工程と、前記既設の本線軌道に隣接する軌道敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置しつつ配置したまくら木片と前記既設軌道のまくら木片との接合部同士を順次接合し、接合した当該まくら木片上にレールを締結して軌道を完成させる増設工程と、隣接して敷設された本線軌道同士の間に分岐軌道を敷設する分岐部敷設工程とを有し、前記初期工程が施工された後は、前記増設工程によってまくら木片を接合して長尺化しつつ本線軌道の増設を行うと共に前記分岐部敷設工程を行い、複数列の本線軌道と当該本線軌道同士を交錯させる分岐軌道を備えた軌道分岐部を敷設するものであり、
既設軌道に敷設されたまくら木片に隣接軌道に敷設予定のまくら木片が接合されるまでの期間は、前記既設軌道に敷設されたまくら木片の接合部に保護部材が装着され、
前記保護部材は、前記接合部と相補形状を成す嵌合部を有することを特徴とする軌道分岐部の敷設方法である。
本発明によれば、初期工程が完了すると、まくら木片の接合部が開放された状態で本線軌道が敷設され、当該本線軌道の運用を直ちに開始することができる。また、初期工程に続く増設工程では、初期工程で敷設済みのまくら木片に別のまくら木片を順次接合し、接合したまくら木片上にレールを締結して軌道を完成させる。
これにより、既設の軌道に手を加える必要がなく、既設の軌道をそのまま利用して、まくら木片を接合延長して隣接する軌道を完成させることが可能であり、軌道の増設を容易に行うことができる。このようにして増設された軌道も直ちに運用を開始することができる。
更に、初期工程と増設工程が施工された後は、増設工程によってまくら木片を接合して長尺化しつつ本線軌道の増設を行う。また、敷設された本線軌道同士の間に分岐軌道を敷設する分岐部敷設工程を行う。これらの増設工程および分岐敷設工程を繰り返すことにより、複数列の本線軌道と分岐軌道とを敷設して軌道分岐部の施工を完了させることができる。
尚、施工に際しては、増設工程を全て行って複数の本線軌道を完了させた後に、分岐部敷設工程を行ってもよく、増設工程を行って本線軌道を増設する毎に分岐部敷設工程を行っても良い。
本発明は、例えば、本線軌道の運用を行いつつ軌道分岐部を含む本線軌道を移設する場合に好適に採用することができ、移設に際する手間を削減し作業効率が向上する。
また本発明においては、既設軌道に敷設されたまくら木片に隣接軌道に敷設予定のまくら木片が接合されるまでの期間は、既設軌道に敷設されたまくら木片の接合部に保護部材が装着される構成とされている。
本発明において、まくら木片の接合部への保護部材の装着は、まくら木片の製造工程で行っても良く、また、敷設現場で行っても良い。製造工程において、まくら木片の接合部へ保護部材を装着すれば、まくら木片の搬送中や敷設中における接合部の破損を未然に防止することが可能である。
本発明によれば、初期工程において、まくら木片の接合部に保護部材が装着された状態でまくら木片が敷設される。従って、敷設作業中にまくら木片の接合部が破損することが防止される。また、初期工程が完了して本線軌道の運用が開始されても、保護部材はそのまま継続して装着される。
従って、増設工程によってまくら木片が接合されるまでの期間は、まくら木片の接合部に設けられた嵌合部が直接雨水や塵埃に晒されることがなく、嵌合部の表面が疲弊することが防止され、しかも、増設工程に際しては、保護部材を取り外してまくら木片を接合することができる。これにより、嵌合部の疲弊を抑えて接合強度の低下を防止し、しかも、接合に際しての作業性が向上する。
また、本発明は、増設工程において敷設されるまくら木片についても同様に適用可能である。則ち、まくら木片の一端の接合部が既設の軌道のまくら木片に接合され、他端の接合部を開放した状態で敷設される場合に、当該接合部に保護部材を装着することにより、同様の作用・効果を奏することが可能である。
請求項に記載の発明は、二本のレールが組み合わされて一組の本線軌道が構成され、複数本の長尺まくら木上に前記本線軌道が二列設けられ、更に、前記本線軌道同士を交錯させる分岐軌道が前記長尺まくら木上に設けられた軌道分岐部の敷設方法であって、
前記長尺まくら木は、二つのまくら木片を接合して構成されており、当該まくら木片の接合部には互いに嵌合する嵌合部が設けられ、まくら木片同士は、前記嵌合部同士を嵌合させた状態で接合されて一体化されており、且つ、まくら木片の接合部は本線軌道同士の間に位置すると共に、各まくら木片の接合部は一列に配されており、
一方の本線軌道の敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置し、配置したまくら木片にレールを締結して当該本線軌道を完成させる初期工程と、前記既設の本線軌道に隣接する軌道敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置しつつ配置したまくら木片と前記既設軌道のまくら木片との接合部同士を順次接合し、接合した当該まくら木片上にレールを締結して軌道を完成させる増設工程と、敷設された本線軌道同士の間に分岐軌道を敷設する分岐部敷設工程とを有し、
既設軌道に敷設されたまくら木片に隣接軌道に敷設予定のまくら木片が接合されるまでの期間は、前記既設軌道に敷設されたまくら木片の接合部に保護部材が装着され、
前記保護部材は、前記接合部と相補形状を成す嵌合部を有することを特徴とする軌道分岐部の敷設方法である。
本発明は、請求項に記載の軌道分岐部の敷設方法において、本線軌道の列数を二列に限定した場合の敷設方法を示したものであり、請求項に記載の発明と同様の作用・効果を奏する。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の軌道分岐部の敷設方法において、長尺まくら木を構成する一組のまくら木片には、組または接合順序の少なくともいずれかを示す固有符号が予め付された構成とされている。
ここで、まくら木片同士を嵌合部を嵌合させて接合する場合、嵌合部が密接した状態で嵌合することが、接合強度の向上を図る上で重要である。このため、まくら木片同士を嵌合させる場合に、嵌合部の形状の一致したまくら木片同士を組み合わせて接合する必要がある。
本発明によれば、製造段階において各まくら木片に組または接合順序の少なくともいずれかを示す固有符号が付されている。従って、当該固有符号を参照することにより、長尺まくら木を構成する一組のまくら木片を容易に抽出でき、しかも、形状の一致した嵌合部同士を嵌合させて接合することが可能となり、接合強度を向上させつつ作業性を向上させることができる。
本発明は、まくら木片の製造に際して、一本の長尺まくら木を接合部で切断して相補形状を成す嵌合部を形成するものに好適である。この構成によれば、固有符号を参照して嵌合部の形状の一致したまくら木片を容易に抽出することができ、作業性を向上しつつ接合強度の向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、まくら木片の接合部には開口又は貫通孔が設けられており、保護部材の嵌合部には、保護部材を前記接合部に装着した状態において前記開口又は貫通孔に対応する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の軌道分岐部の敷設方法である。
請求項5に記載の発明は、まくら木の接合部に装着された保護部材は、まくら木片の接合部に設けられた開口又は貫通孔と保護部材の嵌合部に設けられた貫通孔とに挿入した締結部材によって締結して固定されることを特徴とする請求項4に記載の軌道分岐部の敷設方法である。
発明によれば、既設の軌道に手を加えることなく、まくら木を順次接続して接続強度を維持しつつ長尺化して隣接軌道および分岐軌道を敷設することができる。これにより、軌道分岐部の敷設の作業性を向上させることができ、夜間などにおける限られた時間内の敷設作業を効率良く行うことが可能となる。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。説明に際しては、本発明の対象となる軌道分岐部に採用するまくら木(長尺まくら木)の構造を先に述べ、その後に、当該長尺まくら木を用いた軌道分岐部の敷設方法を述べる。
図1は本実施形態に係る軌道分岐部Sを示す平面図、図2〜図6は図1に示す軌道分岐部Sに採用する長尺まくら木の製造手順を示す説明図であり、図2は軌道分岐部に採用する長尺まくら木の一方のまくら木片の分解斜視図および斜視図、図3は図2のまくら木片に採用する補強部材の部分拡大斜視図、図4は図2に示すまくら木片と対で使用するまくら木片の分解斜視図および斜視図、図5は図4に示すまくら木片に保護部材を装着する手順を示す斜視図、図6は図2に示すまくら木片に保護シートを被せた状態を示す斜視図である。
また、図7〜図15は長尺まくら木を用いて地上軌道を高架軌道に移設する場合の軌道分岐部の敷設方法を示す説明図であり、図7は図1に示す軌道分岐部を有する地上軌道を高架軌道に移設する際の軌道分岐部の敷設方法の初期工程を示す説明図、図8は図7に示す初期工程において高架部に敷設された本線軌道を示す斜視図、図9は図7に示す初期工程において敷設された本線軌道を示す平面図である。また、図10は本発明の軌道分岐部の敷設方法の初期工程に続く増設工程を示す説明図、図11は図10に示す増設工程におけるまくら木片同士の接続手順を示す斜視図、図12は図11に示すまくら木片同士の接続に際して埋栓の打ち込み手順を示す斜視図、図13は図10に示す増設工程においてまくら木片同士を接続した状態を示す斜視図、図14は本発明の軌道分岐部の敷設方法において増設工程が完了した状態を示す説明図、図15図14に示す増設工程の完了状態を示す平面図である。
本実施形態に採用する長尺まくら木1は、図13の様に、まくら木片2とまくら木片3とを、軌道分岐部の敷設現場において接続して敷設するものである。
最初に、まくら木片2の構造を製造工程を参照しつつ説明する。
まくら木片2に用いるまくら木10は、図2(a)の様に、角柱材の一方の長手方向端部に接合部Aを形成したまくら木である。
接合部Aは、長手方向端部へ向かうに連れて、まくら木10の下面10c側から上面10a側へ向かう傾斜面12を有する。傾斜面12の下端からまくら木10の長手中央部側へ続く下面10cは、傾斜面12の略半分の長さに渡って、後述する補強部材20の厚さだけ上方へ切り欠いて退入させて段部14が形成されている。また、傾斜面12の上端からまくら木10の長手中央部側へ続く上面10aは、傾斜面12の略半分の長さに渡って後述する補強部材20の厚さだけ下方へ切り欠いて退入させて段部13が形成されている。
更に、接合部Aにおけるまくら木10の両側面10b,10bは、後述する補強部材25の厚さだけ幅方向へ切り欠いて退入させて段部15,15が形成されている。
接合部Aは、後述するまくら木片3に設けられる接合部Bと相補形状を成し、接合部Aは接合部Bに嵌合する嵌合部Aを形成している。
まくら木10の接合部Aには、図2(a)の様に、埋栓を打ち込むための複数の埋栓孔が穿設されている。則ち、段部14には、まくら木10の高さの略半分の深さを有する埋栓孔18が上方へ向けて2個穿設され、まくら木10の傾斜面12には、上下方向へ貫通する埋栓孔16が2個設けられ、段部13には、上下方向へ貫通する埋栓孔17が2個設けられている。また、段部15,15には、まくら木10の幅の略1/3の深さの埋栓孔19が幅方向へ向けて3個ずつ穿設されている。
補強部材20は、方形平板状の部材であり、まくら木10の段部15,15間の長さと略等しい幅を有し、段部14のまくら木10の長手方向へ向かう長さの略2倍の長さを有する。また、補強部材20は、段部13,14の深さと略等しい厚さを有する。補強部材20には、まくら木10に設けた埋栓孔14,16に対応した部位に、埋栓を打ち込むための開口21が4個設けられている。
補強部材25は、長尺方形平板状の部材であり、まくら木10の高さと略等しい幅を有し、前記補強部材20の略2倍の長さを有する。また、補強部材25は、段部15の深さと略等しい厚さを有する。補強部材25には、まくら木10に設けた埋栓孔19に対応した部位に、埋栓を打ち込むための3個の開口26が設けられ、更に、補強部材25の長手方向および幅方向の中央の点に対してこれらの3個の開口26が点対称となる部位にも開口26が設けられている。
本実施形態では、まくら木10、補強部材20、埋栓22,27、および、後述する埋栓40は、ガラス長繊維強化ウレタン樹脂発泡体を素材とする合成木材を用い、ガラス長繊維の引き揃えられた方向が各部材の長手方向となるように、合成木材の原材から各部材を切り出して製している。
一方、補強部材25は、図3の様に、ガラス長繊維強化ウレタン樹脂発泡体を素材とする合成木材の板材25aの両面に、FRP補強層25b,25bを被覆した構成とされている。本実施形態では、FRP補強層25bとして、ガラスマットとガラスロービングとを交互に3層以上積層したものに合成樹脂剤を含浸させて被覆硬化させたものを用いている。
補強部材25に用いる板材25aも、ガラス長繊維の引き揃えられた方向が各部材の長手方向となるように、合成木材の原材から各部材を切り出して製している。
次に、まくら木片2の製造手順を図を参照して説明する。
まず、図2(a)の様に、接合部Aの段部14に樹脂接着剤を塗布し、当該段部14に補強部材20を接合する。次いで、埋栓22に樹脂接着剤を塗布し、補強部材20の開口21を介して2個の埋栓孔18に各々埋栓22を打ち込む。
続いて、図2(b)の様に、接合部Aの両側の段部15,15に樹脂接着剤を塗布し、各々に補強部材25を接合する。次いで、埋栓27に樹脂接着剤を塗布し、補強部材25の開口26を介して両側面の3個の埋栓孔19に埋栓27を各々打ち込む。
以上の手順により、図2(c)の様に、まくら木10に補強部材20,25が予め取り付けられたまくら木片2の製造が完了する。
次に、まくら木片3の構造を説明する。
まくら木片3に用いるまくら木30は、図4(a)の様に、角柱材の一方の長手方向端部に接合部Bを形成した部材であり、まくら木30は、前記まくら木10と同一の幅および高さを有する。
接合部Bは、長手方向端部へ向かうに連れて、まくら木30の上面30a側から下面30c側へ向かう傾斜面32を有する。また、傾斜面32の上端からまくら木30の長手中央部側へ続く上面30aは、傾斜面32の略半分の長さに渡って、前記補強部材20の厚さだけ下方へ切り欠いて退入させて段部33が形成されている。また、傾斜面32の下端からまくら木10の長手中央部側へ続く下面30cは、傾斜面32の略半分の長さに渡って前記補強部材20の厚さだけ上方へ切り欠いて退入させて段部34が形成されている。
更に、接合部Bにおけるまくら木30の両側面30b,30bは、前記補強部材25の厚さだけ幅方向へ切り欠いて退入させて段部35,35が形成されている。
接合部Bは、前記まくら木片2に設けられた接合部Aと相補形状を成し、接合部Bは接合部Aに嵌合する嵌合部Bを形成している。
尚、本実施形態では、前記まくら木片2の傾斜面12、および、まくら木片3の傾斜面32の傾斜角度を略9度に設定しているが、要求される接合強度(接合面積)に応じて、傾斜角度は適宜に設定可能である。
まくら木30の接合部Bには、図4(a)の様に、埋栓を打ち込むための複数の埋栓孔が穿設されている。則ち、段部33には、まくら木30の高さの略半分の深さを有する埋栓孔38が下方へ向けて2個穿設されている。また、傾斜面32には下面30へ貫通する埋栓孔36が2個設けられ、段部34には、傾斜面32へ貫通する埋栓孔37が2個設けられている。また、段部35,35には、まくら木10の幅の略1/3の深さを有する埋栓孔39が幅方向へ向けて3個ずつ穿設されている。
次に、まくら木片3の製造手順を説明する。
まず、図4(a)の様に、接合部Bの段部33に樹脂接着剤を塗布し、段部33に補強部材20を接合する。尚、補強部材20は、前記まくら木片2に用いたもの(図2a参照)と同一である。そして、埋栓22に接着剤を塗布し、補強部材20の開口21を介してまくら木30の2個の埋栓孔38に各々埋栓22を打ち込む。以上の手順により、まくら木片3の組み立てが完成する。
以上の手順により、製造工場において、長尺まくら木1を形成するまくら木片2,3が各々組み立てられる。
ここで、図示しないが、本実施形態では、長尺まくら木1を形成する一組のまくら木片2,3に、組を示す固有番号が付される。これにより、後述する軌道分岐部の敷設方法において、固有番号を手掛かりとしてまくら木片3と対を成すまくら木片2を容易に抽出可能にしている。
また、本実施形態に採用する長尺まくら木1では、製造工場において、更に、まくら木片3に保護部材が装着され、まくら木片2に保護シートが装着される。
まくら木片3には、図5の様に、保護部材5が装着される。保護部材5は、ウレタン樹脂材を僅かに発泡させつつ成形した部材である。則ち、保護部材5は、まくら木片3の接合部(嵌合部)Bと同一の高さおよび幅を有する本体部50で成る短尺の部材であり、本体部50の長手端部に、接合部(嵌合部)Bと相補形状を成す嵌合部Cを有する。
嵌合部Cは、長手方向端部へ向かうに連れて、本体部50の下面50c側から上面50a側へ向かう傾斜面51を有する。傾斜面51の上端から本体部50の長手他端部側へ続く上面50aは、傾斜面51の略半分の長さに渡って、前記補強部材20の厚さだけ下方へ切り欠いて退入させて段部52が形成されている。また、傾斜面50の下端から本体部50の長手端部側へ向けて前記補強部材20と同一の厚さを有する係合部52が、下面50cの延長線上に傾斜面32の略半分の長さに渡って延出している。
嵌合部Cには、まくら木片3の開口や貫通孔に対応させて複数の貫通孔が設けられている。則ち、段部51において補強部材20の開口21に対応する部位に上下方向へ貫通する2個の貫通孔53が設けられると共に、本体部50および係合部52において傾斜面32に設けた貫通孔37に対応する部位に上下方向へ貫通する貫通孔55,56が各々2個ずつ設けられている。
保護部材5はまくら木片3に嵌合させて装着され、締結部材(針金)Kによって締結して固定される。則ち、まくら木片3の嵌合部Bに保護部材5の嵌合部Cを嵌合させる。そして、補強部材20の開口21から針金Kの先端を挿入してまくら木30の下面30cから引き出し、針金Kの先端を折り返して係合部54の貫通孔55から挿入し、本体部50の上面50cの貫通孔56から引き出す。そして、挿通した針金Kの端部同士を撚り合わせて締結する。
保護部材5をまくら木片3に装着すると、嵌合部Bに相補形状を成す保護部材5が当接する。これにより、補強板20の端部や傾斜面32の端部に局部的に過大な力が加わることが防止され、搬送や敷設の際の破損を防止している。また、保護部材5を装着することにより、嵌合部Bが直接外部に晒されることが防止され、傾斜面32などの接合面が雨水や塵埃によって疲弊することが防止される。
一方、まくら木片2には、図6の様に、保護シート6が装着される。保護シート6はまくら木片2の接合部Aをほぼ覆う形状であり、端部から補強部材25,25を覆うように被せ、保護シート6の端部に粘着テープ60を巻き回して固定される。
次に、前記した長尺まくら木1を用いた軌道分岐部の敷設方法を説明する。尚、以下の説明では、分岐軌道を有する複線の地上軌道を、同様の分岐軌道を有する高架軌道(図1参照)へ移設する場合を例に挙げて述べる。また、移設元の地上軌道はバラスト道床とし、移設先の高架軌道はスラブ道床として述べる。
図7の様に、移設元の地上軌道7は、バラスト道床70に敷設された長尺のまくら木74に2列の本線軌道71,72が敷設され、更に、本線軌道71,72を交錯させる分岐軌道73が敷設されている。まくら木74は、3本のまくら木片74a,74b,74cを接合して形成されている。このような分岐軌道73を有する複線の地上軌道7を高架軌道8に移設する工程は、次の手順に従って行われる。
最初に、移設に伴う初期工程が行われる。初期工程では、図7の様に、地上軌道7に隣接した高架用地に高架部80を構築する。そして、構築された高架部80にスラブ道床85を敷設し、前記したまくら木片3を配置してレールRを敷設する。
まくら木片3は、図8の様に、接合部Bに保護部材5を装着した状態で敷設現場である高架部80に搬入される。搬入したまくら木片3を、保護部材5を装着したまま、図7の様に、保護部材5が隣接軌道を敷設する側に位置するようにしてスラブ道床85に順次配置する。そして、図8の様に、配置した各まくら木片3にタイプレートTを介してレールRを締結して本線軌道71'を敷設する。
レールRの敷設に際しては、図9の様に、分岐軌道に繋がるトングレール(Tongue Rail)およびリードレール(Lead Rail)で形成される分岐レールS1も同時に敷設する。
次いで、図7の様に、地上の本線軌道71を移設部分を残して切り離し、切り離したレールを移設先である高架部80の本線軌道71'へ接続する。これにより、地上軌道7で運行されていた本線軌道71が高架部80の本線軌道71'に移設されて運行可能となる。この後、図7の様に、地上軌道7に敷設されていた本線軌道71と分岐軌道73とを撤去する。以上の手順により、軌道分岐部の敷設の初期工程が完了する。
初期工程が完了した状態では、図7の様に、高架部80の本線軌道71'と地上軌道7の本線軌道72によって運行が行われる。また、この状態では、本線軌道71'に敷設されたまくら木片3には保護部材5が装着されたままであり、隣接する高架部が構築されるまでの期間、まくら木片3の接合部Bを雨水や塵埃から保護して、接合部Bの疲弊を防止する。
尚、まくら木片3に接続するまくら木片2は、後述する増設工程が行われるまでの期間は、適宜の場所に保管される。
続いて、前記初期工程に続く増設工程が行われる。増設工程では、図10の様に、撤去した跡地に既設の高架部80に隣接させて高架部81を構築する。高架部81が構築されると、スラブ道床86を敷設し、保管されていたまくら木片2を搬入する。
次いで、本線軌道71'に敷設済みのまくら木片3に、搬入したまくら木片2を接合する。まず、敷設済みのまくら木片3に装着されている保護部材5を取り外す。則ち、保護部材5を固定している針金(締結部材)Kを切断して除去し、まくら木片3の接合部Bから保護部材5を取り外す(図8,図10参照)。また、まくら木片2に取り付けられた保護シート6を取り外す(図6参照)。
続いて、図10,図11の様に、敷設済みのまくら木片3の接合部Bとまくら木片2の接合部Aが対峙するようにして、まくら木片2を隣接する軌道に順次配置する。そして、各まくら木片2,3の接合部Aおよび接合部Bの接合面に樹脂接着剤を塗布し、接合部(嵌合部)Aと接合部(嵌合部)Bとを嵌合させる。この際、まくら木片3とまくら木片2に付された固有番号を一致させる。
そして、図11の様に、接合部Aの補強部材25,25によって接合部Bを両側から挟む様に先端部を宛う。そして、まくら木片2の端部をまくら木片3へ向けて軽くたたき込むことにより、補強部材25,25によって接合部A,Bの横方向の位置決めが行われ、傾斜面12と傾斜面32の当接によって接合部A,Bの上下方向の位置決めが行われつつ接合部A,Bが嵌合する。
接合部A,Bが嵌合すると、傾斜面12,32が密接する。また、まくら木片2に設けた補強部材20はまくら木片3の段部34に嵌入すると共に、まくら木片3に設けた補強部材20は、まくら木片2の段部13に嵌入する。また、補強部材25,25は、接合部Bを両側から挟むようにして段部35,35に嵌入する。
接合部A,Bを嵌合させた後に、図12の様に、埋栓を打ち込む。まず、埋栓40に樹脂接着剤を塗布し、まくら木片2の2個の埋栓孔16および補強部材20の2個の開口21に埋栓40を各々打ち込む。また、埋栓27に樹脂接着剤を塗布し、補強部材25の開口26から埋栓27を各々打ち込む。
以上の手順により、まくら木片2,3が接合されて長尺まくら木1が完成する。
接合された長尺まくら木1は、図12,図13の様に、まくら木10およびまくら木30が接合部A,Bによって長手方向の略中央部で接続され、しかも、上下面の補強部材20,20と両側面の補強部材25,25は、まくら木10,30の表面と面一となる。
また、接合部A,Bに打ち込む埋栓がまくら木10,30と同一素材の合成木材で製されているので、埋栓を打ち込んで樹脂接着剤が硬化した後は、埋栓がまくら木10,30と一体化して固着する。尚、本実施形態では、樹脂接着剤としてエポキシ系接着剤を用いており、略10〜15分で硬化して埋栓はまくら木と一体化して固着される。
これにより、分岐用のレールが接合部A,Bの部位に位置しても、接合強度を維持しつつレールやタイプレートを固定するための締結部材(ねじ釘)を打ち込むことが可能である。
また、まくら木10,30の下面と補強部材20が面一であるので、スラブ軌道などのように、まくら木の下面とスラブ面との間隔が20〜30mmと狭い敷設構造においても、支障なく敷設することが可能となる。
図13,図14の様に、まくら木片3にまくら木片2が接合されて、長尺まくら木1が形成された後は、レールRをまくら木片2に締結して本線軌道72'を完成させる。この際、図15の様に、分岐軌道に繋がるトングレールおよびリードレールで形成される分岐レールS1も同時に敷設する。
次いで、図14の様に、地上に残された本線軌道72を移設部分を残して切り離し、切り離したレールを移設先である高架部81の本線軌道72'へ接続する。これにより、地上軌道7で運行されていた本線軌道72が高架部81の本線軌道72'に移設されて運行可能となる。以上の手順により、軌道分岐部の敷設の増設工程が完了する。
増設工程が完了した状態では、図14,図15の様に、分岐軌道を敷設する部位のまくら木片2,3は既に接合されて一体化した長尺まくら木1が形成され、移設された高架部8の本線軌道71',72'によって運行が行われる。
続いて、分岐部敷設工程が行われる。この工程では、図15および前記図1の様に、隣接する本線軌道71',72'の間に、トングレールおよびリードレールで形成される分岐レールS1同士を接続する分岐軌道S2が敷設される。前記したように、接合された長尺まくら木1は、表面が面一であるので、接合部A,Bを含むいずれの部位にも分岐軌道S2のレールを締結することが可能である。
以上の手順により、図1の様に、地上軌道7から高架軌道8へ軌道分岐部Sが移設され、最後に、図14の様に、地上軌道7に残された切り離された本線軌道72を撤去することにより、一連の軌道分岐部Sの敷設が完了する。
このように、本発明の軌道分岐部の敷設方法によれば、既設の本線軌道に並行させて隣接する本線軌道を敷設する際に、既設のまくら木片3に別のまくら木片2を接続して長尺化することができ、既設の本線軌道をそのまま利用して軌道分岐部を敷設することができる。また、まくら木片2,3の接合も極めて容易で充分な接合強度が得られ、しかも、接合された長尺まくら木1の表面のいずれの部位においてもレールを締結可能である。
従って、隣接する本線軌道同士の間に分岐軌道を敷設する際に、既設の本線軌道のまくら木を入れ換えたり、長さの異なるまくら木片を多数用意して接合するような手間が不要となり、煩雑さを解消して軌道分岐部の敷設を効率良く短時間に行うことが可能となる。
尚、前記実施形態では、運行中の地上軌道を高架軌道に移設する場合の軌道分岐部の敷設について説明したが、本発明は、このような例に限らず、運行中の地上軌道を別の場所に移設する場合など、列車の運行を継続しつつ本線軌道を増設して軌道分岐部を敷設する場合に適用することができ、前記した優れた効果を奏する。
また、前記実施形態で示した敷設方法は一例であり、高架部の敷設順序や地上軌道の撤去順序を限定するものではない。
また、前記実施形態では、2列の本線軌道に分岐軌道を備えた構成について述べたが、3列以上の本線軌道に分岐軌道を備えた軌道分岐部についても、接続するまくら木片の数を増すことにより、同様に敷設することが可能である。また、分岐部についても、シーサースクロッシングに限らず、他の分岐形態でも同様に適用することが可能である。
また、前記実施形態では、保護部材を装着したまくら木片3を予め敷設し、その後に、まくら木片3にまくら木片2を接合するものとして述べたが、先に敷設するまくら木片を入れ換えることも可能である。則ち、保護部材を装着したまくら木片2を予め敷設し、その後に、まくら木片2にまくら木片3を接合することも可能である。また、まくら木片2,3の接合部(嵌合部)の形状は前記実施形態の構造に限定されるものではなく、接合強度が確保されるものであれば、他の接合構造を採用することも可能である。
また、前記実施形態では、まくら木片2,3の接合部A,Bがまくら木10,30の表面と面一となる構成を採用することにより、スラブ道床などにも好適に使用可能としたが、本発明は、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
例えば、接合部A,Bにおいて、上面のみがまくら木10,30と面一であり、両側面および下面がまくら木10,30の表面から突出する構成であっても良い。特に、両側面や下面がまくら木10,30の表面から突出する構成では、バラスト道床などに適用することにより、まくら木の長手方向への道床抵抗を増大することができ、まくら木のずれを効果的に防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る軌道分岐部を示す平面図である。 (a)(b)は、図1に示す軌道分岐部に採用する長尺まくら木の一方のまくら木片の分解斜視図、(c)はそのまくら木片の斜視図である。 図2のまくら木片に採用する補強部材の部分拡大斜視図である。 (a)は図2に示すまくら木片と対で使用するまくら木片の分解斜視図、(b)はそのまくら木片の斜視図である。 (a),(b)は、図4に示すまくら木片に保護部材を装着する手順を示す斜視図である。 図2に示すまくら木片に保護シートを被せた状態を示す斜視図である。 図1に示す軌道分岐部を有する地上軌道を高架軌道に移設する際の、軌道分岐部の敷設方法の初期工程を示す説明図である。 図7に示す初期工程において、高架部に敷設された本線軌道を示す斜視図である。 図7に示す初期工程において敷設された本線軌道を示す平面図である。 本発明の軌道分岐部の敷設方法の初期工程に続く増設工程を示す説明図である。 図10に示す増設工程におけるまくら木片同士の接続手順を示す斜視図である。 図11に示すまくら木片同士の接続に際して、埋栓の打ち込み手順を示す斜視図である。 図10に示す増設工程において、まくら木片同士を接続した状態を示す斜視図である。 本発明の軌道分岐部の敷設方法において、増設工程が完了した状態を示す説明図である。 図14に示す増設工程の完了状態を示す平面図である。
1 長尺まくら木
2,3 まくら木片
5 保護部材
71,72,71',72' 本線軌道
A,B 接合部(嵌合部)
R レール
S 軌道分岐部
S2 分岐軌道

Claims (5)

  1. 二本のレールが組み合わされて一組の本線軌道が構成され、複数本の長尺まくら木上に前記本線軌道が複数列設けられ、更に、前記本線軌道同士を交錯させる分岐軌道が前記長尺まくら木上に設けられた軌道分岐部の敷設方法であって、
    前記長尺まくら木は、二以上のまくら木片を接合して構成されており、当該まくら木片の接合部には互いに嵌合する嵌合部が設けられ、まくら木片同士は、前記嵌合部同士を嵌合させた状態で接合されて一体化されており、且つ、まくら木片の接合部は本線軌道同士の間に位置すると共に、各まくら木片の接合部は一列に配されており、
    複数列の本線軌道のうちの一つの本線軌道の敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置し、配置したまくら木片にレールを締結して当該本線軌道を完成させる初期工程と、前記既設の本線軌道に隣接する軌道敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置しつつ配置したまくら木片と前記既設軌道のまくら木片との接合部同士を順次接合し、接合した当該まくら木片上にレールを締結して軌道を完成させる増設工程と、隣接して敷設された本線軌道同士の間に分岐軌道を敷設する分岐部敷設工程とを有し、前記初期工程が施工された後は、前記増設工程によってまくら木片を接合して長尺化しつつ本線軌道の増設を行うと共に前記分岐部敷設工程を行い、複数列の本線軌道と当該本線軌道同士を交錯させる分岐軌道を備えた軌道分岐部を敷設するものであり、
    既設軌道に敷設されたまくら木片に隣接軌道に敷設予定のまくら木片が接合されるまでの期間は、前記既設軌道に敷設されたまくら木片の接合部に保護部材が装着され、
    前記保護部材は、前記接合部と相補形状を成す嵌合部を有することを特徴とする軌道分岐部の敷設方法。
  2. 二本のレールが組み合わされて一組の本線軌道が構成され、複数本の長尺まくら木上に前記本線軌道が二列設けられ、更に、前記本線軌道同士を交錯させる分岐軌道が前記長尺まくら木上に設けられた軌道分岐部の敷設方法であって、
    前記長尺まくら木は、二つのまくら木片を接合して構成されており、当該まくら木片の接合部には互いに嵌合する嵌合部が設けられ、まくら木片同士は、前記嵌合部同士を嵌合させた状態で接合されて一体化されており、且つ、まくら木片の接合部は本線軌道同士の間に位置すると共に、各まくら木片の接合部は一列に配されており、
    一方の本線軌道の敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置し、配置したまくら木片にレールを締結して当該本線軌道を完成させる初期工程と、前記既設の本線軌道に隣接する軌道敷設予定地に当該軌道に対応したまくら木片を順次配置しつつ配置したまくら木片と前記既設軌道のまくら木片との接合部同士を順次接合し、接合した当該まくら木片上にレールを締結して軌道を完成させる増設工程と、敷設された本線軌道同士の間に分岐軌道を敷設する分岐部敷設工程とを有し、
    既設軌道に敷設されたまくら木片に隣接軌道に敷設予定のまくら木片が接合されるまでの期間は、前記既設軌道に敷設されたまくら木片の接合部に保護部材が装着され、
    前記保護部材は、前記接合部と相補形状を成す嵌合部を有することを特徴とする軌道分岐部の敷設方法。
  3. 長尺まくら木を構成する一組のまくら木片には、組または接合順序の少なくともいずれかを示す固有符号が予め付されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道分岐部の敷設方法。
  4. まくら木片の接合部には開口又は貫通孔が設けられており、保護部材の嵌合部には、保護部材を前記接合部に装着した状態において前記開口又は貫通孔に対応する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の軌道分岐部の敷設方法。
  5. まくら木の接合部に装着された保護部材は、まくら木片の接合部に設けられた開口又は貫通孔と保護部材の嵌合部に設けられた貫通孔とに挿入した締結部材によって締結して固定されることを特徴とする請求項4に記載の軌道分岐部の敷設方法。
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