JP4709592B2 - まくら木の連結構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されたまくら木は、レールに沿って平行に配された一対の縦まくら木の間に複数の横まくら木を配して梯子状とし、横まくら木を長手方向に貫通して縦まくら木に固定する長尺の連結部材を各々の横まくら木毎に装着して一体化した梯子状のまくら木である。
また、特許文献1に開示された別のまくら木は、半分の長さの複数の横まくら木を所定間隔をあけて縦まくら木に固定した一対の構造体を用意し、この一対の構造体の横まくら木の端部同士を突き合わせて配し、突き合わせ部分を固定して一体化した梯子状のまくら木である。
また、列車の通過に伴って印加される振動や衝撃で連結部材や固定部分の緩みが生じ易い問題があった。更に、構造が複雑なために高い加工精度が要求されることとなり、コストの増加を招くために改善が望まれていた。
また、双方の嵌合部を嵌合すると、まくら木の長手方向または上下方向の少なくともいずれかの方向に対して係合するので、嵌合部に加わる荷重に対する抗力が高い。また、嵌合部を設けることにより、連結部材同士を単に突き合わせて接合する場合に比べて接合面積を増加させることができ、接合強度が著しく増大する。
また、まくら木を必要な数だけ順次継ぎ足して連結することができるので、規定数のまくら木を一度に一体化する構成に比べて嵩張らず軽量で敷設が容易である。
双方の方向に対して係合する構成とすることにより、嵌合部に加わる荷重に対する抗力を一層増大させることが可能となる。
例えば、断面が方形の連結部材であれば、平板状の接続部材によって突き合わせ部分の上面側だけを覆う構成や上下両面を覆う構成、あるいは、突き合わせ部分の上下左右全面を覆う構成を採ることができる。突き合わせ部分の上下左右全面を覆う構成では、接続部材として方形状の管材を採用することも可能である。
また、まくら木を必要数だけ順次継ぎ足して連結することができるので、規定数のまくら木を一度に一体化する構成に比べて嵩張らず軽量で敷設が容易である。
本発明において、接続部材は、連結部材の突き合わせ部分の一部だけを覆う形状であっても良く、また、突き合わせ部分の全部を覆う形状であっても良い。
さらに、前記溝は、断面視でコ字状である。
請求項3に記載の発明は、前記接合部材は、隣接するまくら木の長手側面間距離に略等しい長さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のまくら木の連結構造である。
発泡樹脂の種類としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化樹脂であって硬質のものが好適に使用される。尚、発泡樹脂中に、圧縮強度の向上や低コスト化を図るために、炭酸カルシウム、石膏、タルク、水酸化アルミニウム、クレーなどの無機充填材や、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン等の軽量骨材が添加されても良い。
(第1参考例)
図1(a),(b)は、第1参考例のまくら木の連結構造1(1a)に採用する連結用まくら木10の分解斜視図および斜視図、図1(c)はまくら木の連結構造1aを示す斜視図であり、図2および図3は、図1(b)の連結用まくら木10の変形例を示す斜視図である。また、図4(a),(b)は、変形例のまくら木の連結構造1(1b)に採用する連結用まくら木19の分解斜視図および斜視図、図4(c)はまくら木の連結構造1bを示す斜視図である。
まくら木11は、通常サイズのまくら木であり、レールが締結される軌道位置の近傍には、幅方向に貫通する角穴11a,11aが開けられている。第1参考例では、まくら木11を合成木材で製している。
第1参考例では、連結部材12,13も合成木材で製している。
組み立てられた連結用まくら木10は、図1(b)の様に、まくら木11の一方の長手側面から軌道方向へ向けて2本の連結部材12,12が突出し、他方の長手側面から軌道方向へ向けて2本の連結部材13,13が突出した形状となる。
連結構造1aは、図1(c)の様に、連結用まくら木10,10を隣接させ、一方の連結用まくら木10の連結部材12,12と、他方の連結用まくら木10の連結部材13,13とを突き合わせて、双方の凹条12aと凸条13aとを嵌合させて連結する。嵌合に際しては、凹条12aと凸条13aに樹脂接着剤を塗布する。これにより、隣接して配置された連結用まくら木10,10同士が連結部材12,13によって互いに連結される。
例えば、図2に示す連結用まくら木14の構造を採ることも可能である。
連結用まくら木14は、図2(a)の様に、上下に分割されたまくら木片15a,15の間に連結部材16,16を挟み込んだ構造である。
例えば、図3(a)の様に、連結部材17の一方の長手端部にまくら木15の長手方向に向けて凹条(嵌合部)17aを設け、他方の長手端部にまくら木15の長手方向に向けて凸条(嵌合部)17bを設けた連結用まくら木14aを採用することも可能である。
連結部材20は、まくら木片15aに設けた溝15bの深さの倍の厚さを有する平板材であり、一方の長手端部に上下方向に向けて凹条(嵌合部)20aが設けられ、他方の長手端部に上下方向に向けて凸条(嵌合部)20bが設けられている。
図5(a),(b)は、第2参考例のまくら木の連結構造2(2a〜2e)に採用する連結用まくら木21の分解斜視図および斜視図、図5(c)はまくら木の連結構造2aを示す斜視図、図5(d)はまくら木の連結構造2bを示す斜視図、図6はまくら木の連結構造2c〜2eを示す斜視図である。また、図7(a),(b)は、まくら木の連結構造2(2f〜2h)に採用する連結用まくら木27の分解斜視図および斜視図、図7(c)はまくら木の連結構造2fを示す斜視図、図8はまくら木の連結構造2g,2hを示す斜視図である。
連結部材22は、平板材に固定孔22aを設けた部材である。則ち、連結部材22は、前記した連結部材20(図4a参照)から凹条および凸条を取り除き、代わりに、幅方向中央部に上下方向へ貫通する固定孔22a,22aを長手方向両端部近傍に各々設けた形状を有する。
組み立てられた連結用まくら木21は、図5(b)の様に、まくら木11の長手両側面から軌道方向へ向けて連結部材22,22が突出した形状となる。
接続部材23は、連結用まくら木21の連結部材22と略同一幅を有し、連結部材22がまくら木15から突出する長さの略2倍の長さを有する金属平板材であり、連結部材22の固定孔22aに対応する位置に4個の固定孔23aが開けられている。
則ち、連結構造2bは、突き合わせた連結部材22,22の上面および下面に各々接続部材23を宛がい、ボルトBとナットNによってこれら接続部材23,23と連結部材22とを一体的に固定して連結する。
接続部材24は、前記した接続部材23の長手両側縁を幅方向へ延長し、延長部分を下方へ折曲して側面24b,24bを形成した断面がコ字状の金属部材であり、上面には固定孔24aが4個設けられている。
接続部材25は、前記接続部材24の側面24bを更に下方に延長した側面25bを形成したものであり、上面には固定孔25aが4個設けられている。
接続部材26は、連結部材22の断面外形と略等しい内寸を有する方形管であり、その長さは前記した接続部材25(図6b参照)と略同一である。接続部材26の上面および下面には、各々4個ずつ固定孔26aが設けられている。
組み立てられた連結用まくら木27は、図7(b)の様に、まくら木15の長手両側面に拡大係止部28b,28bが当接した状態で、連結部材28,28が軌道方向へ突出した形状となる。従って、連結部材28に軌道方向へ向かう荷重が印加されても、拡大係止部28bによって連結部材28のまくら木に対する相対移動が阻止される構造とされている。
則ち、図7(c)の様に、連結用まくら木27,27を隣接させて配し、双方の連結用まくら木27,27の連結部材28,28の長手端部同士を互いに突き合わせ、突き合わせた連結部材28,28の上下面に接続部材23,23を宛がう。そして、上部の接続部材23,連結部材28および下部の接続部材23にボルトBを貫通させてナットNで締結固定するものである。
接続部材29は、前記した接続部材26(図8a参照)の下部に、位置ずれ防止部29b,29cを追加したものである。則ち、接続部材29は、方形管下面の幅方向中央部に長手方向へ向けて全長に渡って下方に突出する位置ずれ防止部29bを設けると共に、方形管下面の長手方向中央部に幅方向へ向けて全長に渡って下方に突出する位置ずれ防止部29cを設けた構造である。
連結構造2hによる連結用まくら木27,27の連結手順は、前記した連結構造2g(図8a参照)と同一である。接続部材29を連結部材28,28に固定すると、接続部材29の位置ずれ防止部29b,29cはまくら木15の下面よりも下方に突出する。
例えば、連結構造2b(図5d参照)に採用した下方の接続部材23や連結構造2e(図6c参照)に採用した接続部材26に、連結構造2h(図8b参照)に採用した接続部材29の位置ずれ防止部を追加した構成を採ることも可能である。
図9(a),(b)は第3参考例のまくら木の連結構造3に採用する連結用まくら木30の分解斜視図および斜視図、図9(c)はまくら木の連結構造3を示す斜視図である。
第3参考例の連結構造3は、まくら木31の長手両側面に係合部材32を取り付けた連結用まくら木30を用いるものである。則ち、隣接する連結用まくら木30,30の間に連結部材33を橋渡し、連結部材33を係合部材32に係合させて連結すると共に、係合保持部材34を連結部材33と係合部材32との間に取り付けるものである。
係合部32bは上下に貫通するスリット状の開口を備え、当該開口は後述する連結部材33の端部を嵌入させて係合する機能を有する。また、係合部32bの両側の本体部32aには固定孔32cが2個ずつ設けられている。
本体部34aは、金属平板の長手両端部を一旦下方へ向けて折曲し、更に外方へ向けて横方向に折曲した形状であり、横方向に折曲された長手両端部で保持部34bを形成している。また、本体部34aの平面部位には4個の固定孔34cが設けられている。
則ち、連結構造3は、図9(c)の様に、連結用まくら木30,30を隣接させて配し、対向する係合部材32,32の間に連結部材33を橋渡して、係合部材32,32の係合部32b,32bに連結部材33の係止部33a,33aを各々挿入する。更に、係合保持部材34の本体部34aを連結部材33の下面に当接させ、連結部材33と係合保持部材34にボルトBを挿通してナットNで締結する。
図10(a),(b)は第4参考例のまくら木の連結構造5a(5)に採用する連結用まくら木50の分解斜視図および斜視図、図10(c)はまくら木の連結構造5aを示す斜視図である。また、図11(a),(b)は、連結構造5b(5)に採用する連結用まくら木53,55の斜視図、図11(c)は連結構造5bを示す斜視図である。
まくら木51は、通常サイズのまくら木であり、長手両端部の上下が幅方向に切り欠かれて凸部51a,51aが形成されている。第4参考例では、まくら木51を合成木材で製している。
組み立てられた連結用まくら木50は、図10(b)の様に、まくら木51の長手両端部に連結部材52,52が軌道方向へ延出する形状となる。
則ち、連結構造5aは、図10(c)の様に、連結用まくら木50,50を隣接させて配し、一方の連結用まくら木50の連結部材52,52と、他方の連結用まくら木50の連結部材52,52とを突き合わせて、双方の凹部52aと凸部52bとを嵌合させて連結する。嵌合に際しては、凹部52aと凸部52bに樹脂接着剤を塗布する。これにより、隣接して配置された連結用まくら木50,50同士が連結部材52,52によって互いに連結される。
また、凹部52aと凸部52bを設けることにより、単に連結部材52,52の端部を突き合わせる構造に比べて接合面積が拡大される。これにより、連結部材52,52は強固に接合されて一体化される。
図12(a),(b)は本発明の実施形態のまくら木の連結構造6に採用する連結用まくら木60の分解斜視図および斜視図、図12(c)はまくら木の連結構造6を示す斜視図である。
まくら木61は通常サイズのまくら木であり、本実施形態では合成木材で製している。
組み立てられた連結用まくら木60は、図12(b)の様に、まくら木61の長手両端部に連結部材62,62が軌道方向へ延出する形状となる。
接続部材63は、図12(c)の様に、連結部材62の溝部62aと略等しい幅および高さを有し、隣接するまくら木61の長手側面間距離に略等しい長さを有する角材であり、連結部材62の固定孔62bに対応させて上下に貫通する固定孔63aが4個設けられている。
また、連結部材と接続部材をボルトBとナットNで固定する方法において、ナットNは事前に溶接しておくことにより、締め付け作業を容易にし、かつナット緩みの防止が図られて好ましい。
62 連結部材
62a 溝(溝部)
63 接続部材
Claims (3)
- バラスト道床に敷設される木製または樹脂製であって断面形状が四角形のまくら木を連結する構造であって、各まくら木の長手両側面に軌道方向へ延出する連結部材を一対設け、前記連結部材はまくら木とは別途に成形されたものであって断面視がコ字状の溝形状であり、連結部材の溝部をまくら木の両端部に嵌入して組み立てられており、隣接するまくら木の連結部材同士を互いに突き合わせて、当該突き合わせ部分の一部または全部を覆うように双方の連結部材に渡る接続部材を宛がい、前記接続部材を連結部材の溝の内部に挿入し、宛がった接続部材と双方の連結部材とを一体的に固定して連結することを特徴とするまくら木の連結構造。
- 前記接続部材は、前記コ字状の溝と略等しい幅および高さを有していることを特徴とする請求項1に記載のまくら木の連結構造。
- 前記接続部材は、隣接するまくら木の長手側面間距離に略等しい長さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のまくら木の連結構造。
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