JP3974258B2 - レンジフードファン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンジフードファン、更に詳しくはフード部の下方開放部を開閉するフードカバー(下板)の取付構造の改良に関するものである。
【0002】
【技術背景】
平型レンジフードファンは、専らフード部の下方開放部をフードカバー(下板)で被蓋しており、ブーツ型等その他のレンジフードファンの中にもフード部の下方開放部をフードカバー(下板)で被蓋したタイプのものがある。
フードカバー(下板)の深さは種類によって異なるも、概括的にはフード部内に進入する凹窪状とし、その凹窪部を廃ガスの捕獲空間としている。
そして、このフードカバー(下板)は4コーナーをフード部にネジ止めされ、フード部内を清掃する時や内部の送風機を保守管理する時等にフード部を開放することができるようになっている。
【0003】
ところが、フード部を開放するに際して、全てのネジ(連結具)を外すまでフードカバーが落下しないようにフードカバー自体を手で支えておかねば危険である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたもので, その目的とする処は、フード部の下方開放部へを閉口するフードカバーを操作してその下方開放部を簡単に開口できるレンジフードファンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために講じた技術的手段は、請求項1では、フードカバーの周縁の一縁部分を、フード部の対応する開放縁の一縁部分に設けられている油受けにクリアランスを確保した状態で引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバーを前記フード部に回動可能に設けるとともに、前記フードカバーの周縁の残りの任意な縁部分を、前記フード部の対応する開放縁の縁部分に取着手段で取着するように構成してなり、
前記取着手段は、前記フードカバーの前記任意な縁部分に設けられる係合部と、この係合部と対応する前記フード部の開放縁部分に設けられて、前記係合部を係止し且つ前記フードカバーを、前記クリアランスを利用して移動させたときに、前記係合部の係止状態を解除するための仮止め機構と、この仮止め機構に前記係合部を係止させた状態で、前記フードカバーを前記仮止め機構に解除可能に締結するための連結具と、を備え、
前記仮止め機構は、前記係合部を面係合状に仮止め係止するための被係止部を備え、この被係止部に前記係合部を面係合状に係止させることによって、前記フードカバーが前記フード部に仮止め係止状態で支持されるようにしていることを要旨とする。
請求項2では、前記引っ掛け部が、前記フードカバーの周縁の後縁に設けられる引っ掛け片であり、かつ、前記被係止部は、前記フード部の前縁の下方から該フード部の前方の天井方向に向かって上向き傾斜状に設けられ、前記係合部は、前記被係止部に対して面係合状に係止されるように、前記フードカバーの前縁から背面方向に向けて曲設され、さらに、前記クリアランスは、前記被係止部に対する前記係合部の係止状態を解除するときに、フードカバーを前記フード部の前方に向けて移動させることができるように、前記フードカバーの後縁に設けられている既設の油受けの前側に確保されていることを要旨とする。
請求項3では、フードカバーの周縁の後縁を、下向きに開口しているフード部の対応する開放縁の一縁部分にクリアランスを確保した状態で引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバーを前記フード部に回動可能に設けるとともに、前記フードカバーの周縁の前縁を、前記フード部の対応する開放縁の縁部分に取着手段で取着するように構成してなり、
前記取着手段は、前記フードカバーの前記任意な縁部分に設けられる係合部と、この係合部と対応する前記フード部の開放縁部分に設けられて、前記係合部を係止し且つ前記フードカバーを、前記クリアランスを利用して移動させたときに、前記係合部の係止関係を解除するための被係止部を備えている仮止め機構と、この仮止め機構に前記係合部を係止させた状態で、該係合部を前記仮止め機構に解除可能に締結させるための連結具と、を備え、
前記被係止部は、前記フード部の開放縁の前縁の油受けで兼用し、前記係合部を前記フードカバーの前縁から起設し、前記クリアランスを前記フードカバーの後縁の後方側に確保していることを特徴とすることを要旨とする。
請求項4では、フードカバーの周縁の一縁を、フード部の対応する開放縁の一縁部分に引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバーを回動可能に設けるとともに、該フードカバーの周縁の残りの任意な縁部分を、前記フード部の対応する開放縁の縁部分に取着手段で取着するように構成してなり、
前記取着手段は、前記フードカバーと前記フード部とを解除可能の締結するための連結具と、前記フード部と前記フードカバーとの間に形成されて、前記連結具による締結状態を解除させたのちに、前記フードカバーの下側への人為的な引き下げによって係合関係が解除されるように形成されている仮止め用の弾性係合機構と、を備えていることを要旨とする。
請求項5では、フードカバーの周縁の一縁部分を、フード部の対応する開放縁の一縁部分に設けられている油受けに引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバーを前記フード部に回動可能に設け、かつ、前記フード部の前板の裏面部分と、この裏面部分に対応する前記フードカバーの裏面部分との間に、該フードカバーの下側への人為 的な引き下げによって係合関係が解除されるように形成されている仮止め用の弾性係合機構を設けるとともに、該弾性係合機構の係合関係を解除させたときに、前記フード部(a)の前縁に設けられている油受けに係止されるための掛け片を、前記フードカバーの前縁に設け、さらに、前記フードカバーを前記フード部の背板側に移動させるためのクリアランスを、前記油受けに確保していることを要旨とする。
請求項6では、前記フードカバーに備えられている開口を包囲するように、前記フードカバーの上面に接続ダクトを着脱自在に取り付け、
前記接続ダクトは、前記フード部内に縦型に設置されている送風機の吸気口に突き合わせ連絡させるための連絡口を開口している垂直状の矩形板部を備えているとともに、この矩形板部から前記フードカバーの上面に向かうように連設させた湾曲胴部を備えている側面視で略ベンド管形状に形成されていることを要旨とする。
【0006】
(作用)前記技術的手段によれば下記の作用を奏する。
請求項1に記載の構成によれば、連結具による締結状態を解除しても、被係止部に対する係合部の係止関係が維持されてフードカバーはフード部への引っ掛け部を支点に下方に回動することはない。そして、被係止部に対する係合部の係止関係が解除されるようにフードカバーを、前記クリアランスを利用して移動させたのちに、下方へ回動させて初めてフード部を開放することができる。
また、連結具を解除しても、フードカバーの前縁から背後方向に向かって曲設されている係止部を、面係合状に係止するための被係止部が、フード部の前縁の下方から前方の室内天井方向に向かって上向き傾斜状に設けられていることで、フードカバーを被係止部に沿うように室内方向の斜め上方に向けて故意に引き出さなければ、被係止部に対する係合部の係止関係が解除されない安全な誤落下防止策を構成することができる。
請求項3に記載の構成によれば、被係止部をフード部の縁の既存の油受けで兼用しているから、フード部に何ら改造を加える必要がなく、製作コストも低減できる。
請求項4に記載の構成によれば、請求項1と同様に連結具の締結状態を解除しても、仮止め用の弾性係合機構によってフードカバーはフード部との引っ掛け部を支点に下方に回動しない。そして、弾性係合機構の弾性係合力以上の力での人為的なフードカバーの引っ張りによってのみ、フードカバーを回動させてフード部を開放することができる。
請求項5に記載の構成によれば、フードカバーを下方に引き下げて解除してもフードカバーの前縁の掛け片が既設の油受けに引っ掛かって、誤回動することがない。そして、油受けとの引っ掛かりを逃がすように、フードカバーを若干上方に持ち上げながら後方に移動させることによってフードカバーを回動させてフード部を開放することができる。
請求項6に記載の構成によれば、調理器具から立ち上ぼる廃ガスは、フードカバー4のグリスフィルターに案内されて含有される油脂分などが吸着除去されて送風機の吸込作用で接続ダクト5を通って該送付機に吸い込まれて屋外に排気される。
そして、接続ダクトを清掃するときには、請求項1から請求項4のように、フードカバーのフード部に対する引っ掛け部を回動支点として下方に回動させることによって、フードカバーの上面に着脱自在に取り付けられている接続ダクトを、フード部内からフード部の下方へ取り出すことができる。
【0007】
次に本発明に係るレンジフードファンの実施の形態を説明すると、図1乃至図8に示す実施の形態は、数例の実施の形態を示し、符号は、レンジフードファンである。
【0008】
まず、図1乃至図4に示すレンジフードファンを説明すると、このレンジフードファンAはブーツ型であり、左右側板11、背板21、天板31とで構成される平面視コ型の函体1の前方開放部を前板2で着脱可能に被蓋したフード部a内に縦型の送風機(多翼ファンを内蔵している)3を設置し、そのフード部aの下方開放部をフードカバー4で開閉可能に被蓋し、更にそのフードカバー4内と送風機3とを連通する接続ダクト5をフードカバー4の上面に取付けて、フードカバー4内とその接続ダクト5とで廃ガス流路を構成している。
【0009】
前記フードカバー4は、図1、図2に示すように周縁の縁枠部14で囲繞された中央部分を凹窪状とした下向き略ラッパ状を呈してなり、プレス絞り加工による一体成形品もしくは構成板必要枚の端部同士を溶着した凹凸、隙間のない一体成形品で形成され、フード部aの下方開放部よりも僅かに大きな平面積になっており、その下方開放部を開閉可能に被蓋している。
また、フードカバー4は、婦女子でもグリスフィルター6の係脱部16を備えた頂面24に手が届く程度の深さにすることによって日常的な家庭清掃時に付着した油脂分等を拭き取ることができるように配慮してある。
その係脱部16は開口16aとその開口16a周縁から上方に向けて突設したフィルター枠16bとで形成され、従来と同様にフィルター枠16bへのグリスフィルター6の抜き差しが下方から行えるようにしてある。
【0010】
また、このフードカバー4の縁枠部14は図2に示すように後縁を除く3縁を上側に向くように略L形状をもって折曲して形成されている。
そして、このフードカバー4は、その後縁部分をフード部aの開放縁の後縁にクリアランスa1を確保して抜き差し可能に引っ掛け、更に前縁とフード部aの開放縁の前縁とを取着手段7で取着してある。
【0011】
引っ掛け部は、前記するフードカバー4の後側の縁枠部14部分から下向きL形状に折曲形成した引っ掛け片14aであり、被引っ掛け部は、前記フード部aの後縁から上向きL形状に折曲形成した既設の油受け21aであり、この油受け21aに引っ掛け片14aを引っ掛けてフードカバー4を前後方向に回動可能に支承している。
また、その油受け21aの水平面の幅寸法分が前記フードカバー4を前後移動可能とするクリアランスa1として使用されるようになっている。
【0012】
取着手段7は、フードカバー4の前側の縁枠部14の部分に設けられる係合部17bと、この係合部17bと対応するフード部aの開放縁部分に設けられる仮止め機構17、この仮止め機構17に係合部17bを係止させた状態で、フードカバー4を仮止め機構17に解除可能に締結するための連結具27とを備えて構成されている
【0013】
仮止め機構17は、図3に示すように、フード部aの前縁である前板2の下端左右両側部分に取り付けられる被係止部17aを備え、この被係止部(17a)にフードカバー(4)の係合部(17b)が面係合状に係止されるように形成されている。
【0014】
被係止部17aは、同図に示すように前板2下端両コーナー近傍の油受け2aに端部を溶着等適宜手段で固着して片持ち状にした前方の室内天井方向に向かって上向き傾斜状になっている本体板部17a‘から被係止板17a“をその本体板部17a’と同様な角度をもって前方に延設して形成されている。
【0015】
係合部17bは、同図に示すように前記被係止部17aと対応してフードカバー4の前側の縁枠部14から内向き(背後方向)に折曲した縁片で構成してあり、前記被係止板17a“に面係合状となる傾斜状になっている。
この係合部17bを前記被係止部17a“に面係合状に係止した使用状態においてフードカバー4の引っ掛け片14aがフード部aの背板21に当接し、その引っ掛け片14aの前方に実際のクリアランスa1が確保される構成されている。
【0016】
連結具27は、同図に示すようにネジであり、フードカバー4の前縁コーナー部位と前記被係止部17aの本体板部17a‘とを解除可能に締結する。
尚、この実施の形態ではフードカバー4のコーナー部位に樹脂ピース34を一体形成し、この樹脂ピース34と前記本体板部17a‘とを締結解除可能に連結している。
【0017】
接続ダクト5は、図1に示すように前記係脱部16よりも一回り大きな面積を有する矩形な下端口15と、送風機3の吸気口13に連通する連絡口25bを開口した垂直状の矩形板部25aとを後方に向かう湾曲胴部25で連設した側面視略ベンド管形態を呈してなり、前記フードカバー4の頂面24に係脱部16を包囲するように下端口15をパッキン(図示せず)等を介在した状態で着脱可能に取着してある。
図2において符号8、8がその接続ダクト5を着脱可能にネジ等で取着する一対の平行な取付板である。
【0018】
斯様に構成されているレンジフードファンAは調理器具から立ち上ぼる廃ガス100をフードカバー4の懐空間(廃ガス捕獲空間)で室内に漏気させずに取り込む。その廃ガスは頂面24のグリスフィルター6に案内され、そこで廃ガスに含有される油脂分等を吸着除去されて送風機3の吸込作用で接続ダクト5、ファンケーシング23、排気ダクト9を介して屋外に排気される。
【0019】
そして、油脂分等はフードカバー4、グリスフィルター6に付着し、またグリスフィルター6を通過する汚れは接続ダクト5の内面に徐々に付着するも、清掃する時には、油脂分等の付着が激しいフードカバー4は手を伸ばして日常的な日々の清掃時に拭き取り、また同様に丸洗いしたい時のグリスフィルター6は手を伸ばし取り外して行う。
接続ダクト5の清掃は日々行うものではないが、清掃する時には下方から前記連結具27を外して取り外されたフードカバー4から接続ダクト5自体を外して行えばよい。この接続ダクト5は拭き取り面積が縮減され尚且つ凹凸の無い平面と曲面とからなる拭き易い形態である。そのため、従来のフード部a内面を清掃する時のようにフランジ等の鋭利な突起物で怪我したり、微小な隙間にこびり付いた油脂分等の除去が労苦になることもない。
【0020】
また、前記のようにフード部aの前縁の被係止部17aの上面にフードカバー4前縁の係合部17bが面係合状に係止する仮止め構造にしているため、連結具27の締結を解いてもフードカバー4が回動することはなく、その上、その被係止部17aを前方の室内天井方向に向かって上向き傾斜状にしていることから、故意にフードカバー4を前方斜め上向きに引き出さなければその係止関係が解除されず、締結解除の動作やその振動等でふいにフードカバー4が落下(回動)して使用者が怪我をするようなアクシデントを防止することができる。
【0021】
尚、前記実施の形態ではフードカバー4が接続ダクト5を有する場合を詳述しているも、図示しないが接続ダクトが無い場合でも包含するものである。
また、接続ダクトが送風機に取着され、使用時にフードカバーの頂面に接続ダクトの下端口が当接状となるレンジフードファンでも良いものである。この場合にはフィルタ枠16と接続ダクトの下端口15の口縁との間に前記クリアランスa1以上のスペースを確保しておけば良いものである。
【0022】
次に図5に示すレンジフードファンを説明すると、このレンジフードファンAは偏平状の平型を示し、フードカバー4の中央部の凹窪量が小さな点、接続ダクトを具備しない点を除いて、前記する実施の形態と差異はないため同一符号を付し具体的な説明は省略する。
【0023】
図6に示す実施の形態は前記被係止部17aを前板2下縁の油受け2aで兼用し、係合部17bをフードカバー4の前側の縁枠部14部分に前向きに折曲(起設)した掛け片で構成したものである。連結具27は、油受け11aの底面とその掛け片17bとを締結するネジである。他の構成で前記実施の形態と相違する点は、クリアラスa1を前記引っ掛け片14aとフード部aの背板21との間、即ち後方に確保した点と、接続ダクト5を具備しない点であり、締結を解いた後、フードカバー4を後方に移動(スライド)させることによって係止を解除して回動し抜き取ることができる。
【0024】
図7および図8に示す実施の形態は、前記した実施の形態の取着手段7を構成する仮止め機構17を、フードカバー4を下側へ人為的に引き下げることによって係合関係が解除されるように形成されている弾性係合機構37に変更したものである。
すなわち、この実施の形態では、取着手段7を、図7に示すように、ネジからなる連結具27と、弾性係合機構37とを備えて構成している。
弾性係合機構37は、図7および図8に示すように、フードカバー4の前側の縁枠部14の裏面(上面)に上向きに固着される被挟持部37aと、この被挟持部37aに対応する前板2の油受け2aの底面に、被挟持部37aが弾性的に抱持されるように下向きに固着される一対の弾性挟持部37bとを備えて構成されている。
連結具27は、図7に示すように、ネジ27である。
この実施の形態の場合には、連結具27による締結状態を解除させた後に、前記した各実施の形態のように、クリアランスa1を利用してフードカバー4を移動させずに、フードカバー4を人為的に下方に引き抜くだけでフードカバー4を下方へ回動させてフード部aを開放することができるようにしている。
【0025】
図9及び図10に示す実施の形態は、図1乃至図4に示す連結具であるネジ27を回転可能で且つ落下不能に支承したものである。
【0026】
この実施の形態の場合には前記樹脂ピース34内にその底部分から上端を開放した筒状部34aを立設すると共に、図10に示すようにフードカバー4のコーナー部位にその樹脂ピース34を嵌着固定した際、フードカバー4に、丁度筒状部34aの上端の開放部を被蓋する位置に塞ぎ板44を固着し、その塞ぎ板44にローレットネジ27のネジ軸27aのみを上方に挿通させる切欠44aもしくは挿通孔を形成し、筒底にネジ頭部27bよりも小径な操作口34bを開口している。
この実施の形態では、ローレットネジ27の締結を解いてもそのローレットネジ27は落下することがない。
【0027】
次に、図11及び図12の実施の形態を説明すると、ネジ等の連結具27を使用しない場合の形態である。この実施の形態は、前述する弾性係合機構37を、フード部aの前板2裏面と、その部分に対応するフードカバー4の裏面部分とのどちらか一方に固着された被挟持部37a、その被挟持部37aが弾性的に挟持される一対の弾性挟持部37bとで構成し、更にフードカバー4の前側の縁枠部14に前記前板2の油受け2aに係止される逆L形状の掛け片14bを曲設し、更に引っ掛け部14aであるフードカバー4の後縁とフード部aの背板21との間にフードカバー14を移動可能とするクリアランスa1を設けている。
この実施の形態の場合には、フードカバー4を下方に引き抜いて弾性挟持部37bと被挟持部37aとの連結を解除すると、図12に示すように掛け片14bが前板2の既設の油受け2aに係止してフードカバー4が誤回動することを防止し、浮上させてクリアランスa1を利用して油受け2aに対する掛け片14bの係止関係を解除するようにフードカバー4を後方に移動させて初めてフードカバー4を回動することができる。
【0028】
尚、平型のレンジフードファンについては図5に示す一例のみを説明したが、記載する他の実施の形態の仮止め機構や弾性係合機構を使用すること勿論自由である。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、下記の利点がある。
フード部内の清掃や送風機のメンテナンスなどを理由として、フード部を開放するときにネジなどの連結具を外してもフードカバーはフード部との引っ掛け部を支点として下方に回動することがない。そして、クリアランスを利用してフードカバーを人為的に移動させたり、人為的に引っ張ることで、初めてフード部を開放する方向にフードカバーを回動させることができる。
このために、フードカバーが落下しないように手で支えながらネジを外すような厄介な作業を行うことなく、フード部を開放することができために、安全である。
しかも、ネジなどの連結具を解除しても、フード部を被係止部に沿うように室内方向斜め上方に向けて故意に引き出さなければ、係止関係が解除されない安全な誤落下防止策を持たせることができために、連結具を解除した拍子にフードカバーが移動したとしてもフードカバーが回動するようなアクシデントを確実に回避することができる。
また、フード部を開放するときに、フードカバーを回動させる引っ掛け部として、フード部に備えられている既設の油受けで兼用していることから、フード部に何ら改造を加える必要がなく、フードカバーをフード部に対して可動可能に取り付けることができることで、製作コストも低減することができる。
また、仮止め用の弾性係合機構を用いることで、ネジなどの連結具を使用せずにフードカバーを固定し、その固定がアクシデントなどで解除されるようなことがあってもフードカバーが誤回動するおそれがないことから、フードカバーの着脱における取扱いが非常に簡単で、使用者の対する安全性の向上が図られる。
その上、フードカバーのフード部に対する引っ掛け状態を解除するように、フードカバーを若干上方に上げてから手前に引き出せば、フードカバーをフード部から取り外すことができる。これにより、グリスフィルターを外すときや接続ダクトを外すときにフードカバーを外すのも造作ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンジフードファンの側面図で一部切欠して示す。
【図2】フードカバーの裏面側からの斜視図で一部切欠して示す。
【図3】係合部と被係止部との関係を示す要部の斜視図で部分的に示し、(イ)は係止状態を示し、(ロ)は分離状態を示す。
【図4】引っ掛かけ部分を示す拡大断面図。
【図5】他の実施の形態の側面図で一部切欠して示す。
【図6】更に他の実施の形態の側面図で一部切欠示す。
【図7】他の実施の形態の側面図で一部切欠して示す。
【図8】要旨の拡大斜視図で一部切欠して示す。
【図9】別の実施の形態の部分側面図で一部切欠して示す。
【図10】樹脂ピース部分の斜視図、フードカバーへの嵌着状態を示す。
【図11】更に他の実施の形態の側面図で一部切欠し中間省略して示す。
【図12】フードカバーを回動する場合を示す同側面図で一部切欠し中間省略して示す。
【符号の説明】
3:送風機 4:フードカバー
5:接続ダクト 6:グリスフィルター
a:フード部 a1:クリアランス
7:取着手段 13:吸気口
14a:引っ掛け片部 17:仮止め機構
17a:被係止部 17b:係合部
25:湾曲胴部 25a:矩形板部
25b:連絡口 27:連結具(ネジ、ローレットネジ)
37:弾性係合機構 2a,21a:油受け
2:前板

Claims (6)

  1. フードカバー(4)の周縁の一縁部分を、下向きに開口しているフード部(a)の対応する開放縁の一縁部分に設けられている既設の油受け(21a)にクリアランス(a1)を確保した状態で引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバー(4)を前記フード部(a)に回動可能に設けるとともに、前記フードカバー(4)の周縁の残りの任意な縁部分を、前記フード部(a)の対応する開放縁の縁部分に取着手段(7)で取着するように構成してなり、
    前記取着手段(7)は、前記フードカバー(4)の前記任意な縁部分に設けられる係合部(17b)と、
    この係合部(17b)と対応する前記フード部(a)の開放縁部分に設けられて、前記係合部(17b)を係止し且つ前記フードカバー(4)を前記クリアランス(a1)を利用して移動させたときに、前記係合部(17b)の係止関係を解除するための仮止め機構(17)と、
    この仮止め機構(17)に前記係合部(17b)を係止させた状態で、該係合部(17b)を前記仮止め機構(17)に解除可能に締結させるための連結具(27)と、を備え、
    前記仮止め機構(17)は、前記係合部(17b)を面係合状に仮止め係止するための被係止部(17a)を備え、この被係止部(17a)に前記係合部(17b)を面係合状に係止させることによって、前記フードカバー(4)が前記フード部(a)に仮止め係止関係で支持されるようにしていることを特徴とするレンジフードファン。
  2. 前記引っ掛け部は、前記フードカバー(4)の周縁の後縁に設けられる引っ掛け片(14a)であり、
    かつ、前記被係止部(17a)は、前記フード部(a)の前縁の下方から該フード部(a)の前方の天井方向に向かって上向き傾斜状に設けられ、前記係合部(17b)は、前記被係止部(17a)に対して面係合状に係止されるように、前記フードカバー(4)の前縁から背面方向に向けて曲設され、
    さらに、前記クリアランス(a1)は、前記被係止部に対する前記係合部の係止状態を解除するときに、フードカバー(4)を前記フード部(a)の前方に向けて移動させることができるように、前記フードカバー(4)の後縁に設けられている前記油受け(21a)の前側に確保されていることを特徴とする請求項1記載のレンジフードファン。
  3. フードカバー(4)の周縁の後縁を、下向きに開口しているフード部(a)の対応する開放縁の一縁部分にクリアランス(a1)を確保した状態で引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバー(4)を前記フード部(a)に回動可能に設けるとともに、前記フードカバー(4)の周縁の前縁を、前記フード部(a)の対応する開放縁の縁部分に取着手段(7)で取着するように構成してなり、
    前記取着手段(7)は、前記フードカバー(4)の前記任意な縁部分に設けられる係合部(17b)と、
    この係合部(17b)と対応する前記フード部(a)の開放縁部分に設けられて、前記係合部 ( 17b ) を係止し且つ前記フードカバー(4)を、前記クリアランス(a1)を利用して移動させたときに、前記係合部(17b)の係止関係を解除するための被係止部(17a)を備えている仮止め機構(17)と、
    この仮止め機構(17)に前記係合部(17b)を係止させた状態で、該係合部(17b)を前記仮止め機構(17)に解除可能に締結させるための連結具(27)と、を備え、
    前記被係止部(17a)は、前記フード部(a)の開放縁の前縁の油受け(2a)で兼用し、前記係合部(17b)を前記フードカバー(4)の前縁から起設し、前記クリアランス(a1)を前記フードカバー(4)の後縁の後方側に確保していることを特徴とすることを特徴とするレンジフードファン。
  4. フードカバー(4)の周縁の一縁を、下向きに開口しているフード部(a)の対応する開放縁の一縁部分に引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバー(4)を回動可能に設けるとともに、該フードカバー(4)の周縁の残りの任意な縁部分を、前記フード部(a)の対応する開放縁の縁部分に取着手段(7)で取着するように構成してなり、
    前記取着手段(7)は、前記フードカバー(4)と前記フード部(a)とを解除可能の締結するための連結具(27)と、
    前記フード部(a)と前記フードカバー(4)との間に形成されて、前記連結具(27)による締結状態を解除させたのちに、前記フードカバー(4)の下側への人為的な引き下げによって係合関係が解除されるように形成されている仮止め用の弾性係合機構(37)と、を備えていることを特徴とするレンジフードファン。
  5. フードカバー(4)の周縁の一縁部分を、下向きに開口しているフード部(a)の対応する開放縁の一縁部分に設けられている既設の油受け(21a)に引っ掛けて、この引っ掛け部を回動支点として前記フードカバー(4)を前記フード部(a)に回動可能に設け、
    かつ、前記フード部(a)の前板(2)の裏面部分と、この裏面部分に対応する前記フードカバー(4)の裏面部分との間に、該フードカバー(4)の下側への人為的な引き下げによって係合関係が解除されるように形成されている仮止め用の弾性係合機構(37)を設けるとともに、該弾性係合機構(37)の係合関係を解除させたときに、前記フード部(a)の前縁に設けられている既設の油受け(2a)に係止させるための掛け片(14b)を、前記フードカバー(4)の前縁に設け、
    さらに、前記フードカバー(4)を前記フード部(a)の背板(21)側に移動させるためのクリアランス(a1)を、前記油受け(21a)の後側に確保していることを特徴とするレンジフードファン。
  6. 前記フードカバー(4)に備えられている開口(16a)を包囲するように、前記フードカバー(4)の上面に接続ダクト(5)を着脱自在に取り付け、
    前記接続ダクト(5)は、前記フード部(a)内に縦型に設置されている送風機(3)の吸気口(13)に突き合わせ連絡させるための連絡口(25b)を開口している垂直状の矩形板部(25a)を備えているとともに、この矩形板部(25a)から前記フードカバー(4)の上面に向かうように連設させた湾曲胴部(25)を備えている側面視で略ベンド管形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか 1 項に記載のレンジフードファン。
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