JP3972180B2 - ダイナミックダンパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防振技術に係るダンパーに係り、更に詳しくはプロペラシャフト等の回転軸の内周側に取り付けられるシャフト内挿型のダイナミックダンパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図3に示すように、スリーブ52と前記スリーブ52の内周側に配置されるマス53とをゴム部54を介して連結してなり、前記スリーブ52をプロペラシャフト55の内周側に圧入することによってプロペラシャフト55の中空部56に装着されるシャフト内挿型のダイナミックダンパー51が知られており、このダイナミックダンパー51は、マス53が振動してゴム部54が弾性変形することにより減衰を発生させる構造となっている(特開2000−283138公報参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来のダイナミックダンパー51においては、ゴム部54にマス53が直接加硫接着されているために、当該ダイナミックダンパー51の共振周波数をそれほど低く設定することができず、よって低周波大振幅の振動を有効に減衰させることができないことがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、プロペラシャフト等の回転軸の内周側に取り付けられるダイナミックダンパーにおいて、共振周波数を比較的低く設定することができ、もって低周波大振幅の振動を有効に減衰させることができるダイナミックダンパーを提供することを目的とする。
【0005】
またこれに加えて、比較的大きな減衰力を発揮することができ、もってこの点からも低周波大振幅の振動を有効に減衰させることができるダイナミックダンパーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるダイナミックダンパーは、プロペラシャフト等の回転軸の内周側に取り付けられるダイナミックダンパーにおいて、前記回転軸の内周側に配置される断面コ字形または略コ字形のケースの外周側に前記回転軸の内周に圧入されるゴム部を設けるとともに前記ケースの内側にマスを保持するためのゴム部を設けた成形品を二つ用いて前記マスを軸方向両側から挟み込む構造を有し、前記ケースの内側に設けたゴム部に軸方向に突出する突起部と凹み部とを円周上交互に設け、前記マスを挟み込む際、一方の前記成形品の突起部と他方の前記成形品の凹み部とを組み合わせ、このとき前記突起部と凹み部との間に隙間を形成し、前記隙間にシリコンオイルまたはグリス等の液体を封入したことを特徴とするものである。
【0008】
上記構成を備えた本発明の請求項1によるダイナミックダンパーにおいては、マスを加硫接着せず、ケースの内側にマス保持用のゴム部を設けた成形品を二つ用いてマスを軸方向両側から挟み込み、しかもゴム部に凹凸(突起部および凹み部)を設けた構造としたために、この凹凸を設けたゴム部によってマスを軸方向両側から軟らかく保持することでき、よって共振周波数を比較的低く設定することが可能となる。
【0010】
また、マスを挟み込んだ状態で凹凸間に形成される隙間にシリコンオイルやグリス等の液体を封入することにより、マスが振動したときに各隙間の形状や容積が変化するために、液体が流動し、よってその流動抵抗により大きな減衰力を得ることが可能となる。
【0011】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【0012】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一のダイナミックダンパーは、プロペラシャフト等の回転軸の内周側に取り付けられるダイナミックダンパーにおいて、コの字断面のケースの外周側にプロペラシャフト内周に圧入されるゴム部と、ケースの内側にマスを保持するためのゴム部が加硫接着された加硫品二個でマスを両側から挟み込んだ構造としたものであり、またこれに加えて、ケース内周のゴム部は軸方向に突起部と凹み部が円周上の交互に配され、挟み込む際にお互いの突起部と凹み部を組み合わせるとき、隙間が発生する形状とし、この隙間にシリコンオイル・グリス等の液体を封入した構造としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例に係るダイナミックダンパー1をプロペラシャフト11の内周に取り付けた状態を示しており、同図(A)はその断面図、同図(B)は同図(A)におけるA−O−A線断面図をそれぞれ示している。また、図2は同ダイナミックダンパー1における成形品3の単品図であって、同図(A)はその断面図、同図(B)は同図(A)におけるB−O−B線断面図をそれぞれ示している。
【0015】
当該実施例に係るダイナミックダンパー1は、以下のように構成されている。
【0016】
すなわち先ず、図1に示すように、当該ダイナミックダンパー1を取り付けるプロペラシャフト11の中空部12の軸芯位置に配置される質量体としてのマス2が設けられており、円柱形を呈するこのマス2が、全体を符号3で示す成形品(加硫品)を二つ用いて軸方向両側から挟み込まれている。
【0017】
二つの成形品3は互いに同じ形状とされて部品が共用化されており、それぞれ以下のように構成されている。
【0018】
すなわち、図2に示すように、有底円筒形を呈して断面コ字形または略コ字形を呈する金属製のケース4の外周部にプロペラシャフト11の内周に圧入される環状のゴム部5が加硫接着されるとともに、ケース4の内周部にマス2を保持する環状のゴム部6が加硫接着されており、更にこの内周側のゴム部6に、軸方向に突出する突起部7と凹み部8とが円周方向に交互に一体成形されている。突起部7および凹み部8は図上十二等配されている。また、この内周側のゴム部6には、マス2を径方向に位置決めして支持する円筒状の支持面6aと、マス2を軸方向に位置決めして支持する平面状の支持面6bとが設けられている。
【0019】
上記成形品3は、これを二つ軸方向に向かい合わせてマス2を軸方向両側から挟み込んで保持するものであって、この挟み込みに際して、一方の成形品3の突起部7と他方の成形品3の凹み部8とを噛み合わせると、この突起部7および凹み部8間に隙間9が形成されるよう構成されており、これを予定して一対の成形品3間に予めシリコンオイルまたはグリス等の粘性流体等の液体(図示せず)を充填する。挟み込み後、充填された液体は各突起部7および凹み部8間の隙間9に封入されることになる。
【0020】
上記構成のダイナミックダンパー1によれば、以下の作用効果を奏することが可能である。
【0021】
すなわち先ず第一に、上記従来技術のようにマスを加硫接着することなく、ケース4の内周部にマス保持用のゴム部6を加硫接着した成形品3を二つ用いてマス2を軸方向両側から挟み込む構造であって、しかもゴム部6に互いに噛み合わされる突起部7および凹み部8を一体成形した構造であるために、この突起部7および凹み部8を設けたゴム部6によってマス2を軸方向両側から比較的軟らかく保持することが可能である。したがって当該ダイナミックダンパー1の共振周波数を比較的低く設定することが可能となり、これにより低周波大振幅の振動を有効に減衰させることができる。
【0022】
また、上記したように突起部7および凹み部8間に形成される隙間9にシリコンオイルまたはグリス等の液体が封入されているために、作動時、マス2が振動するとゴム部6(突起部7および凹み部8)が弾性変形し、これにより隙間9の形状や容積が円周上の位置によって変化する。したがってこれにより液体が隙間9内を流動し、このときの流動抵抗によって比較的大きな減衰力が発生するために、この点からも低周波大振幅の振動を有効に減衰させることができる。この液体による高減衰は、シャフト11の捩り方向、軸方向、径方向または上下方向の振動に対して有効であり、特に上下方向が最も高減衰となる。
【0023】
また、ケース4の外周部にゴム部5を加硫接着した成形品3を二つ向かい合わせに配置してプロペラシャフト11の内周に圧入する構造であるために、圧入後はゴム部5同士が軸方向に突き合わされる。したがって内部に封入した液体がダンパー1の外部へ漏れるのを有効に防止することができる。
【0024】
尚、当該ダイナミックダンパー1の組立方法としては、成形品3二つとマス2とを液中で治具へ仮組みしてから、これをシャフト等の取付部材へ圧入するのが好適である。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0026】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1によるダイナミックダンパーにおいては、マスを加硫接着することなく、ケースの内側にマス保持用のゴム部を設けた成形品を二つ用いてマスを軸方向両側から挟み込み、しかもゴム部に突起部および凹み部を設けた構造としたために、この突起部および凹み部を設けたゴム部によってマスを軸方向両側から軟らかく保持することができる。したがってダイナミックダンパーの共振周波数を比較的低く設定することができ、これにより低周波大振幅の振動を有効に減衰させることができる。
【0028】
またこれに加えて、突起部および凹み部間の隙間にシリコンオイルまたはグリス等の液体を封入したために、作動時にマスが振動するとゴム部が弾性変形して隙間の形状や容積が円周上の位置によって変化する。したがって液体が隙間内を流動し、このときの流動抵抗によって比較的大きな減衰力が発生するために、この点からも低周波大振幅の振動を有効に減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るダイナミックダンパーをプロペラシャフト内周に取り付けた状態を示す図であって、(A)はその断面図、(B)は同図(A)におけるA−O−A線断面図
【図2】同ダイナミックダンパーにおける成形品の単品図であって、(A)はその断面図、(B)は同図(A)におけるB−O−B線断面図
【図3】従来例に係るダイナミックダンパーの断面図
【符号の説明】
1 ダイナミックダンパー
2 マス
3 成形品
4 ケース
5,6 ゴム部
6a,6b 支持面
7 突起部
8 凹み部
9 隙間
11 プロペラシャフト
12 中空部
Claims (1)
- プロペラシャフト(11)等の回転軸の内周側に取り付けられるダイナミックダンパー(1)において、
前記回転軸の内周側に配置される断面コ字形または略コ字形のケース(4)の外周側に前記回転軸の内周に圧入されるゴム部(5)を設けるとともに前記ケース(4)の内側にマス(2)を保持するためのゴム部(6)を設けた成形品(3)を二つ用いて前記マス(2)を軸方向両側から挟み込む構造を有し、
前記ケース(4)の内側に設けたゴム部(6)に軸方向に突出する突起部(7)と凹み部(8)とを円周上交互に設け、前記マス(2)を挟み込む際、一方の前記成形品(3)の突起部(7)と他方の前記成形品(3)の凹み部(8)とを組み合わせ、このとき前記突起部(7)と凹み部(8)との間に隙間(9)を形成し、前記隙間(9)にシリコンオイルまたはグリス等の液体を封入したことを特徴とするダイナミックダンパー。
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