JP2004144238A - 液体封入式防振装置用オリフィス部材とそのオリフィス部材の組付けに使用する治工具 - Google Patents

液体封入式防振装置用オリフィス部材とそのオリフィス部材の組付けに使用する治工具 Download PDF

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Abstract

【課題】オリフィスケースと押えカバーとの間に膜体を適正に取付けることのできる液体封入式防振装置用オリフィス部材とそのオリフィス部材の組付けに使用する治工具を提供する。
【解決手段】オリフィス部材8は、液体封入式防振装置Mのゴム弾性体3の流体室5内に配置するオリフィスケース10と、そのオリフィスケース10に取付ける押えカバー20と、オリフィスケース10と押えカバー20との間に挟持する膜体30とを備える。オリフィスケース10と押えカバー20とを組付けるためのツイストロック手段TLを、オリフィスケース10と押えカバー20との嵌合周面の間に設ける。治工具を押えカバー20に係脱可能でかつ係合状態で回動操作可能に構成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体封入式防振装置用オリフィス部材とそのオリフィス部材の組付けに使用する治工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液体封入式防振装置用オリフィス部材には、図10に示すように、オリフィスケース110と、そのオリフィスケース110内に圧入によって取付けられた押えカバー120と、前記オリフィスケース110と前記押えカバー120との間に挟持された弾性を有する可動膜130とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。なお、オリフィス部材(図10に符号、108を付す)は、図示しない液体封入式防振装置におけるゴム弾性体の流体室内に配置される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−108008号公報(第3頁、図1及び図4参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したオリフィス部材108によると、オリフィスケース110に対する押えカバー120の圧入や、オリフィスケース110及び押えカバー120の寸法等の条件によって、両部材110,120の組付強度が変化し、可動膜130の取付状態が損なわれるという問題がある。また、オリフィスケース110と押えカバー120とが共に樹脂製である場合は、両部材110、120を超音波溶着等の溶着により組付けることがある。この場合も、溶着条件等によって、上記した圧入の場合と同様の問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ケース体とカバー体との間に膜体を適正に取付けることのできる液体封入式防振装置用オリフィス部材とそのオリフィス部材の組付けに使用する治工具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する請求項1に記載された発明の液体封入式防振装置用オリフィス部材は、液体封入式防振装置におけるゴム弾性体の流体室内に配置されるケース体と、そのケース体に取付けられるカバー体と、前記ケース体と前記カバー体との間に挟持される弾性を有する膜体とを備える。前記ケース体と前記カバー体とは、相互に嵌合させた状態で回動することによって抜け止め状態に係合するツイストロック手段を介して組付けられる。前記ツイストロック手段を前記ケース体と前記カバー体との嵌合周面の間に設ける。このように構成すると、ケース体とカバー体とがツイストロック手段を介して機械的に組付けられる。これにより、圧入や溶着等による組付けと異なり、諸条件による組付強度への悪影響がほとんどなく、ケース体とカバー体との間に膜体を適正に取付けることができる。さらに、ケース体とカバー体との嵌合周面の間にツイストロック手段を設けたことにより、ツイストロック手段にかかる突起物をオリフィス部材の外形上に突出させなくて済むので、オリフィス部材をコンパクトに構成することができる。
【0007】
また、請求項2に記載された発明の液体封入式防振装置用オリフィス部材は、請求項1に記載の液体封入式防振装置用オリフィス部材における前記ツイストロック手段が、前記ケース体と前記カバー体のどちらか一方の嵌合周面に突出された係合突起と、他方の嵌合周面に形成されかつ周方向に延びる係合溝部を有する係合孔とにより構成される。前記ケース体に対する前記カバー体の嵌合にともない前記係合孔内に前記係合突起が嵌合可能に形成される。前記ケース体に対する前記カバー体の回動にともない前記係合溝部内に前記係合突起が係合可能に形成されている。このように構成すると、ケース体に対するカバー体の嵌合にともない係合孔内に係合突起が嵌合された状態で、ケース体に対するカバー体の回動にともない係合孔の係合溝部内に係合突起が係合されるツイストロック手段が得られる。
【0008】
また、請求項3に記載された発明の液体封入式防振装置用オリフィス部材は、請求項2に記載の液体封入式防振装置用オリフィス部材における前記ケース体と前記カバー体とは、前記係合突起が前記係合孔の係合溝部内に係合した状態で前記膜体の弾性により相反方向に軸移動可能に設けられる。前記ケース体と前記カバー体との間には、前記相反方向の軸移動によって係合する回り止め手段を設ける。このように構成すると、係合孔の係合溝部内に係合突起が係合した状態で、膜体の弾性によるケース体とカバー体との相反方向の軸移動によって回り止め手段が係合する。したがって、ケース体とカバー体を特別な操作を要することなく確実に回り止めすることができる。
【0009】
また、請求項4に記載された発明の液体封入式防振装置用オリフィス部材の組付けに使用する治工具は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体封入式防振装置用オリフィス部材における前記ケース体又は前記カバー体に対して係脱可能でかつ係合状態で回動操作可能に構成する。このように構成すると、治工具をケース体又はカバー体に係合した状態で回動操作することにより、専用の設備を要することなく、ケース体とカバー体を容易にかつ適正に組付けることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1を説明する。本実施の形態では、液体封入式防振装置として、自動車のボディに対してエンジンを含むパワーユニットを防振支持するための自動車用エンジンマウントを例示する。図1に示すように、液体封入式防振装置Mは、第1の取付部材1と第2の取付部材2とゴム弾性体3とを備えている。第1の取付部材1は、金属製でほぼ円板形状に形成されており、その中央部に上方へ突出する取付ボルト1aが設けられている。第1の取付部材1は、自動車の振動発生源であるパワーユニット(図示省略)に取付けられる。また、第2の取付部材2は、金属製でほぼ円筒形状に形成されており、その上端部には上方へ向かって拡開するテーパ部2a、及び、テーパ部2aの上端部から外径方向に張り出すフランジ部2bを有している。第2の取付部材2の下端部には、径方向内方にかしめられたかしめ部2cが形成されている。第2の取付部材2は、自動車のボディ(図示省略)に取付けられる。また、ゴム弾性体3は、ゴム製でほぼ円錐台状に形成されており、その上端面に第1の取付部材1が加硫接着されていると共に、その下半部に一体形成した筒状部3aの外周面に第2の取付部材2が加硫接着されている。このようして、第1の取付部材1と第2の取付部材2がゴム弾性体3により弾性的に連結されている。また、ゴム弾性体3には、筒状部3a内に開口する凹所3bが形成されている。
【0011】
前記ゴム弾性体3の筒状部3aの下端部内には、ダイヤフラム4が配置されている。ダイヤフラム4は、撓み変形可能なゴム製でほぼ円板状に形成されている。ダイヤフラム4の外周部には、ほぼ円環状のリング金具4aが加硫接着されている。リング金具4aは、前記第2の取付部材2のかしめ部2cのかしめにより固定されている。このため、ゴム弾性体3の筒状部3aの開口端部がダイヤフラム4によって流体密に覆蓋され、ゴム弾性体3とダイヤフラム4との間に流体室5が形成されている。流体室5には、例えば、ポリエチレングリコール、水、アルキレングリコール等の液体が封入されている。なお、ダイヤフラム4の下面側は大気に開放されている。
【0012】
前記ゴム弾性体3の筒状部3a内には、前記ダイヤフラム4上に位置するオリフィス部材8が配置されている。オリフィス部材8は、前記第2の取付部材2のかしめ部2cのかしめによりダイヤフラム4のリング金具4aと共に固定されている。オリフィス部材8によって、前記流体室5が上側の受圧室6と下側の平衡室7とに区画されている。なお、オリフィス部材8の上端外周部は、前記ゴム弾性体3の筒状部3aの上端部内に形成された環状の段差部3cに対し流体密に圧接されている。これにより、オリフィス部材8は、第2の取付部材2のかしめ部2cとゴム弾性体3の段差部3cとによりサンドイッチ状に固定されている。
【0013】
次に、前記オリフィス部材8の構成を説明する。図1に示すように、オリフィス部材8は、オリフィスケース10と押えカバー20と可動膜30とを備えている(図2及び図4参照)。図4において、オリフィスケース10は、例えばPPS樹脂等の樹脂製で、ほぼ円筒形状の筒壁部12と、ほぼ有底円筒状の上底壁部17aを有する内筒部17と、内筒部17の下端部と筒壁部12の内壁面との間に架設された円環状の接続壁部18とを有し、下方に開口された凹部11を形成している。筒壁部12の外周面には、ほぼ螺旋状の溝部15が形成されている。溝部15の下端部は筒壁部12に設けた下連通窓(図示省略)により下方に開口され、その溝部15の上端部は筒壁部12に設けた上連通窓(図示省略)により上方に開口されている。また、前記接続壁部18の下面には、その径方向の中間部において断面ほぼ半円状をなす環状溝18aが形成されている。接続壁部18の下面のうち環状溝18aより内周側の面は、その外周側の面よりも凹んでいる。なお、オリフィスケース10は本明細書でいう「ケース体」に相当する。
【0014】
図4に示すように、前記押えカバー20は、例えばSPCC等の金属製でほぼ円環板状にプレス加工されている。押えカバー20は、外周部の取付フランジ21と、内周部の押えフランジ23と、取付フランジ21の内端部から押えフランジ23の外端部に立上がる立壁部22とを有している。取付フランジ21は、前記オリフィスケース10の筒壁部12の下端面に対して重合可能に形成されている(図2参照)。取付フランジ21には、前記オリフィスケース10の下連通窓と連通可能な連通孔(図示省略)が形成されている。また、図2に示すように、立壁部22は、オリフィスケース10の筒壁部12の下部内に嵌合可能に形成されている。また、押えフランジ23の上面は、前記オリフィスケース10の接続壁部18の下面と面対称状に形成されており,その径方向の中間部に環状溝23aが形成されている(図4参照)。押えカバー20は、前記オリフィスケース10に対して嵌合させた状態で回動されることによって抜け止め状態に係合するツイストロック手段TL(図2及び図3参照)を介して組付けられる。ツイストロック手段TLについては後ほど詳しく述べる。なお、押えカバー20は本明細書でいう「カバー体」に相当する。
【0015】
図4に示すように、前記可動膜30は、ゴム製で、ほぼ円板状の膜板部31と、膜板部31の外周部に断面ほぼ円形状に膨出する固定部32とを有している(図5参照)。固定部32は、前記オリフィスケース10の接続壁部18と前記押えカバー20の押えフランジ23との間において、両環状溝18a,23aの間に嵌合された状態で弾性を利用して圧縮状態で挟持されている(図2参照)。膜板部31は、弾性変形可能いわゆる撓み変形可能となっている。また、図2に示すように、可動膜30によってオリフィスケース10の内筒部17内に流体密の副液室9が形成されている。副液室9は、前記溝部15内と連通路(図示省略)を介して連通されている。なお、可動膜30は本明細書でいう「膜体」に相当する。
【0016】
上記したオリフィス部材8は、前にも述べたように、液体封入式防振装置Mの流体室5内に配置される(図1参照)。このとき、オリフィスケース10の外周面がゴム弾性体3の筒状部3a内に流体密に装入されることにより、オリフィスケース10の溝部15の外周側開口面が筒状部3aにより流体密に覆蓋され、溝部15内にオリフィス通路16が形成される。オリフィス通路16は、その上端部が上連通窓(図示省略)を通じて受圧室6と連通され、その下端部が下連通窓(図示省略)及び押えカバー20の連通孔(図示省略)を通じて平衡室7と連通される。また、オリフィス通路16は、連通路(図示省略)を通じて副液室9と連通される。したがって、受圧室6には、第1の取付部材1と第2の取付部材2の間への振動入力時における液体の流動によって、ゴム弾性体3の弾性変形に伴う圧力変化が生じる。また、副液室9は、前記液体の流動による可動膜30の膜板部31の弾性変形に基づいて容積変化を許容する。また、平衡室7は、前記液体の流動によるダイヤフラム4の変形に基づいて容積変化を許容する。
【0017】
次に、要部とするところのツイストロック手段TLについて詳述する。図2に示すように、ツイストロック手段TLは、前記オリフィスケース10と前記押えカバー20とを嵌合させた状態で回動することによって抜け止め状態に係合するものである。すなわち、ツイストロック手段TLは、オリフィスケース10の筒壁部12の内周面に突出された適数個(例えば、3個)の係合突起40と、押えカバー20の立壁部22(図4参照)に開口されかつ各係合突起40にそれぞれ対応する係合孔50とからなる(図5参照)。なお、オリフィスケース10の筒壁部12の内周面と、その内周面に面接触状に嵌合する押えカバー20の立壁部22の外周面とは、本明細書でいう「嵌合周面」に相当する。
【0018】
図5に示すように、前記係合突起40は、前記筒壁部12の内周面に対し周方向に所定間隔で形成されている。係合突起40は、筒壁部12の開口端部における内周面上に突出されて周方向に長いほぼ長四角形板状に形成されている。また、前記係合孔50は、前記立壁部22に対し周方向に所定間隔で形成されている。係合孔50は、図6に示すように、前記押えカバー20の軸方向に延びる嵌合孔部51と、嵌合孔部51の下端部に連続しかつ右回り方向(図5中、矢印Y参照)に延びる係合溝部52とにより形成されている。なお、本明細書における「右回り方向」及び「左回り方向」とは、オリフィスケース10及び押えカバー20の下面に向かって見た場合の方向である。
【0019】
図5に示すように、前記取付フランジ21の内周側端部には、前記係合孔50の係合溝部52を含む下端部に連続する切欠き溝部50bが形成されている。また、前記押えフランジ23の外周側端部には、係合孔50の前記嵌合孔部51の上端部に連続する凹溝部50aが形成されている。したがって、嵌合孔部51には、前記オリフィスケース10に対する前記押えカバー20の嵌合にともない係合突起40が凹溝部50aを通して嵌合可能となっている(図6中、二点鎖線40(1)参照)。また、係合溝部52は、オリフィスケース10に対する嵌合後の押えカバー20の左回り方向(図5中、矢印Z参照)の回動にともない、係合突起40を受け入れ可能に形成されている(図6中、二点鎖線40(2)参照)。
【0020】
図4に示すように、前記押えカバー20は、前記オリフィスケース10に対して次の治工具60(図7参照)を使用して容易に組付けることができる。ちなみに、押えカバー20の取付フランジ21の外周側端部には、ほぼ半円状をなす適数個(例えば2個)の係合凹部25が周方向に所定間隔で形成されている。また、治工具60は、図7に示すように、本体部61と操作部65とを備えている(図4参照)。本体部61は、押えカバー20の取付フランジ21の下面に対し重合可能なほぼ円板状に形成されている。本体部61の上面には、押えカバー20の立壁部22内に嵌合可能なほぼ円板状の嵌合部62が突出されている。本体部61の外周面には、相反方向に突出しかつ本体部61と同一平面をなす上面を有する一対の膨出部63が形成されている。各膨出部63の上面には、押えカバー20の各係合凹部25に係脱可能なほぼ円柱状の係合凸部64が形成されている。また、操作部65は、本体部61の下面よりほぼ半円形板状に突出されている。
【0021】
次に、上記したツイストロック手段TLを介して、オリフィスケース10に押えカバー20を組付ける場合の一例を説明する。まず、図7に示す状態から押えカバー20を治工具60にセットする。すなわち、嵌合部62に立壁部22を嵌合し、各係合凸部64と各係合凹部25とを係合させる。この状態で、オリフィスケース10の下面に押えカバー20を嵌合(図2参照)させることにより、押えカバー20の各係合孔50の嵌合孔部51内にオリフィスケース10の各係合突起40がそれぞれ嵌合される(図6中、二点鎖線40(1)参照)。次に、治工具60の操作部65を摘んで左回り方向(図5中、矢印Z参照)へ捻ることにより、押えカバー20が同方向に回動される。これにともない、係合突起40が係合孔50の係合溝部52内にそれぞれ係合される(図6中、二点鎖線40(2)参照)。このようにして、オリフィスケース10と押えカバー20との組付けが完了する(図2及び図3参照)。その後、治工具60は、押えカバー20から軸方向に分離して撤収すればよい。上記のように組付られたオリフィス部材8では、各係合突起40と各係合孔50の係合溝部52との係合により、オリフィスケース10と押えカバー20とが軸方向(図2において上下方向)に抜け止めされた状態となり、両部材10,20を分離することができない。また、上記した組付手順と逆順によれば、オリフィスケース10と押えカバー20とを分解することができる。
【0022】
また、オリフィスケース10と押えカバー20との組付けに際しての回動時には、オリフィスケース10と押えカバー20とを可動膜30の固定部32の弾性を利用して押し付けた状態で行なう。そして、係合突起40と係合孔50との係合が完了したならば、オリフィスケース10と押えカバー20に対する押し付け力を開放する。すると、オリフィスケース10と押えカバー20とが可動膜30の固定部32の弾性いわゆる弾性復元力により相反方向に軸移動され、係合突起40と係合孔50の係合溝部52の口縁部とが当接し合うことにより、両部材10,20の相互間のがたつきが防止される。また、両部材10,20が軸方向に抜け止め状態に保持されると共に、両部材10,20の戻り方向の回動が防止される。したがって、可動膜30をオリフィスケース10と押えカバー20によるサンドイッチ構造をもって組付けると同時に、可動膜30の固定部32を弾性により圧縮状態で挟持することができる。
【0023】
上記した液体封入式防振装置用オリフィス部材8(図1及び図2参照)によると、オリフィスケース10と押えカバー20とがツイストロック手段TLを介して機械的に組付けられる。これにより、従来の圧入や溶着等による組付けと異なり、諸条件による組付強度への悪影響がほとんどなく、オリフィスケース10と押えカバー20との間に可動膜30を適正に取付けることができる。さらに、オリフィスケース10と押えカバー20との嵌合周面の間にツイストロック手段TLを設けたことにより、ツイストロック手段TLにかかる突起物をオリフィス部材8の外形上に突出させなくて済むので、オリフィス部材8をコンパクトに構成することができる。このことは、オリフィス部材8の外形上に突出する突起物が制約を受ける場合に有効である。
【0024】
また、オリフィスケース10に対する押えカバー20の嵌合にともない係合孔50内に係合突起40が嵌合された状態で、オリフィスケース10に対する押えカバー20の回動にともない係合孔50の係合溝部52内に係合突起40が係合されるツイストロック手段TLが得られる(図2、図3及び図6参照)。
【0025】
また、オリフィスケース10に押えカバー20をツイストロック手段TLにより組付けるオリフィス部材8によれば、次の付随的効果も認められる。
(1)従来必要とされた専用の設備、すなわち圧入する場合のプレス設備、溶着する場合の溶着設備等が不要になるので、設備費を低減することができる。
(2)従来の圧入、溶着等の場合と異なり、オリフィスケース10と押えカバー20の組付状態を目視判定により容易に確認することができる。
(3)オリフィスケース10と押えカバー20の組付状態が不適正の場合には容易に組付し直すことができるので、不具合品の発生割合を減少することができる。すなわち、圧入、溶着等の場合には、組付し直すことができないため、組付完了品のオリフィス部材に形状不具合、ばらつき、可動膜のセット位置の不具合等が発生すると、例えば1ロット全てのオリフィス部材がNG(不具合品)となるが、組付けし直すことにより、そのような不具合を改善することができる。
(4)圧入の場合には圧入力が不均一になる可能性が高く、また溶着の場合には、溶着力が不均一になる可能性が高いのに対し、組付状態が不均一になる要因がないので、組付状態の均一化を図ることができる。
(5)オリフィスケース10と押えカバー20の組付けに要する力F1と、組付後の分解に要する力F2との関係が、F1<F2となるため、組付完了後の不用意な分解を防止あるいは低減することができる。すなわち、圧入の場合には、圧入に要する力f1と、圧入後の抜け外れを起こす力f2との関係が、f1>f2となるため、組付完了後に不用意な分解するおそれがあるのに対し、上記したF1<F2の関係により、そのような不具合を改善することができる。
(6)従来の場合には、十分な組付強度を確保するためにオリフィスケース110と押えカバー120の接合部分における径方向の肉厚g(図10参照)を大きく設定する必要があるためスペース上の制約ができる。これに対し、前記肉厚gを大きく設定しなくてもオリフィスケース10と押えカバー20との十分な組付強度が確保することができるので、スペース上の制約を解消することができる。
(7)従来の場合には、十分な組付強度を確保するためにオリフィスケース110と押えカバー120の接合部分における軸方向の接合長さf(図10参照)を大きく設定する必要がある。このため、オリフィスケース110内の奥深い位置に可動膜130を組付けなければならず、その組付けがしにくいのに対し、前記接合長さfを大きく設定しなくてもオリフィスケース10と押えカバー20との十分な組付強度が確保することができるので、可動膜30を容易に組付けることができる。
【0026】
また、上記治工具60によると、治工具60を押えカバー20に係合した状態で回動操作することにより、専用の設備を要することなく、オリフィスケース10と押えカバー20を容易にかつ適正に組付けることができる。
【0027】
また、オリフィスケース10と押えカバー20との間に可動膜30が適正に取付けられたオリフィス部材8を、ゴム弾性体3の流体室5内に配置した液体封入式防振装置Mを提供することができる(図1参照)。
【0028】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2を参照して説明する。実施の形態2は、上記した実施の形態1の一部を変更したものであるからその変更部分について詳述し、重複する説明は省略する。実施の形態2は、図8及び図9に示すように、前記実施の形態1におけるツイストロック手段TLに回り止め手段(符号省略)を設けたものである。図9に示すように、回り止め手段は、押えカバー20に設けた回り止め凹部54と、オリフィスケース10に設けた回り止め凸部42とにより構成される。回り止め凹部54は、押えカバー20の係合孔50における係合溝部52の奥端部(図9において左端部)上に凹設されている。また、回り止め凸部42は、オリフィスケース10の係合突起40の上に対し、回り止め凹部54に対応して突出されている。
【0029】
次に、上記した回り止め手段を備えたツイストロック手段TLを介して、オリフィスケース10に押えカバー20を組付ける場合を説明する。上記実施の形態1と同様に、オリフィスケース10に押えカバー20を嵌合させることにより、係合孔50の嵌合孔部51内に係合突起40が嵌合される(図9中、二点鎖線40(1)参照)。次に、オリフィスケース10に対し押えカバー20を、可動膜30(図5参照)の固定部32の弾性を利用して押し付けた状態で左回り方向(図8中、矢印Z参照)へ回動させる。これにより、係合突起40が係合孔50の係合溝部52内に係合される(図9中、二点鎖線40(2)参照)。そして、前記押し付け力を開放すると、可動膜30(図5参照)の固定部32の弾性によるオリフィスケース10と押えカバー20との相反方向の軸移動によって、回り止め凹部54と回り止め凸部42とが係合する(図9中、二点鎖線40(3)参照)。このようにして、オリフィスケース10と押えカバー20との組付けが完了する。また、上記した組付手順と逆順によれば、オリフィスケース10と押えカバー20とを分解することができる。
【0030】
上記した液体封入式防振装置用オリフィス部材8(図8参照)によると、オリフィスケース10と押えカバー20を特別な操作を要することなく確実に回り止めすることができる。
【0031】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、自動車用エンジンマウントの他、ボディマウント、ディファレンシャルマウント、あるいは自動車以外の液体封入式防振装置のオリフィス部材に適用することができる。また、オリフィスケース10は、樹脂製に限らず、アルミ合金等の金属製でもよい。また、押えカバー20は、金属製に限らず、樹脂製でもよい。また、係合突起40を押えカバー20に設け、係合孔50をオリフィスケース10に設けることができる。また、回り止め凸部42を係合孔50に設け、回り止め凹部54を係合突起40に設けることができる。また、回り止め手段は、ツイストロック手段TLとは別々に設けることができる。また、治工具60に係合凹部25を設け、押えカバー20に係合凸部64を設けることができる。また、治工具60を、オリフィスケース10に対して係脱可能でかつ係合状態で回動操作可能に構成してもよい。また、その他、一々列挙しないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良等を加えて実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の液体封入式防振装置用オリフィス部材によれば、ケース体とカバー体とがツイストロック手段を介して機械的に組付けられるものであるから、圧入や溶着等による組付けと異なり、諸条件による組付強度への悪影響がほとんどなく、ケース体とカバー体との間に膜体を適正に取付けることができる。さらに、ケース体とカバー体との嵌合周面の間にツイストロック手段を設けることにより、ツイストロック手段をコンパクトに構成することができる。また、本発明の治工具によれば、ケース体とカバー体を容易にかつ適正に組付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる液体封入式防振装置を示す断面図である。
【図2】液体封入式防振装置用オリフィス部材を一部破断して示す側面図である。
【図3】液体封入式防振装置用オリフィス部材を示す下面図である。
【図4】液体封入式防振装置用オリフィス部材を一部破断して示す分解図である。
【図5】液体封入式防振装置用オリフィス部材を示す分解斜視図である。
【図6】ツイストロック手段の係合突起と係合孔との関係を示す説明図である。
【図7】治工具と押えカバーとの関係を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる液体封入式防振装置を示す分解斜視図である。
【図9】ツイストロック手段の係合突起と係合孔との関係を示す説明図である。
【図10】従来の技術にかかるオリフィス部材を一部破断して示す側面図である。
【符号の説明】
3 ゴム弾性体
5 流体室
8 液体封入式防振装置用オリフィス部材
10 ケース体(オリフィスケース)
20 カバー体(押えカバー)
30 膜体(可動膜)
40 係合突起
42 回り止め凸部
50 係合孔
51 嵌合孔部
52 係合溝部
54 回り止め凹部
60 治工具
M 液体封入式防振装置
TL ツイストロック手段

Claims (4)

  1. 液体封入式防振装置におけるゴム弾性体の流体室内に配置されるケース体と、そのケース体に取付けられるカバー体と、前記ケース体と前記カバー体との間に挟持される弾性を有する膜体とを備える液体封入式防振装置用オリフィス部材であって、前記ケース体と前記カバー体とは、相互に嵌合させた状態で回動することによって抜け止め状態に係合するツイストロック手段を介して組付けられ、前記ツイストロック手段を前記ケース体と前記カバー体との嵌合周面の間に設けたことを特徴とする液体封入式防振装置用オリフィス部材。
  2. 前記ツイストロック手段が、前記ケース体と前記カバー体のどちらか一方の嵌合周面に突出された係合突起と、他方の嵌合周面に形成されかつ周方向に延びる係合溝部を有する係合孔とにより構成され、前記ケース体に対する前記カバー体の嵌合にともない前記係合孔内に前記係合突起が嵌合可能に形成され、前記ケース体に対する前記カバー体の回動にともない前記係合溝部内に前記係合突起が係合可能に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液体封入式防振装置用オリフィス部材。
  3. 前記ケース体と前記カバー体とは、前記係合突起が前記係合孔の係合溝部内に係合した状態で前記膜体の弾性により相反方向に軸移動可能に設けられ、前記ケース体と前記カバー体との間には、前記相反方向の軸移動によって係合する回り止め手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の液体封入式防振装置用オリフィス部材。
  4. 前記ケース体又は前記カバー体に対して係脱可能でかつ係合状態で回動操作可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体封入式防振装置用オリフィス部材の組付けに使用する治工具。
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