JP2884800B2 - 流体封入式マウント装置およびその製造方法 - Google Patents

流体封入式マウント装置およびその製造方法

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JP2884800B2
JP2884800B2 JP4251291A JP4251291A JP2884800B2 JP 2884800 B2 JP2884800 B2 JP 2884800B2 JP 4251291 A JP4251291 A JP 4251291A JP 4251291 A JP4251291 A JP 4251291A JP 2884800 B2 JP2884800 B2 JP 2884800B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、マウント装置の組立作業の容易
化および簡略化が、簡単な構造をもって有利に達成され
得る、改良された構造の流体封入式マウント装置と、そ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、それら両部材を防振連結するマウント装置
の一種として、特開昭57−9340号公報等に開示さ
れている如く、防振連結されるべき一方の部材に取り付
けられる第一の取付金具と、該第一の取付金具に対して
振動入力方向に所定距離を隔てて配された筒状の連結金
具における軸方向一方の開口部とを、それらの間に介装
されたゴム弾性体によって弾性的に連結すると共に、か
かる連結金具における軸方向他方の開口部をゴム弾性膜
により流体密に覆蓋せしめて、その内部に所定の非圧縮
性流体が封入された流体室を形成する一方、該ゴム弾性
膜が取り付けられる連結金具の軸方向端部に対して、防
振連結されるべき他方の部材に取り付けられる第二の取
付金具をかしめ固定せしめてなる構造の、所謂流体封入
式マウント装置が知られている。このような流体封入式
マウント装置にあっては、前記流体室内が、オリフィス
通路を通じて相互に連通された複数の流体室に仕切られ
ることとなり、それらの流体室間を流動せしめられる流
体の流動作用乃至は共振作用に基づいて、所定の防振効
果が発揮され得るのである。
【0003】ところで、このような流体封入式マウント
装置においては、流体室の液密性を確保するために、前
記連結金具の開口部に対するゴム弾性膜の取付部位に対
して、高度なシール性が要求されることとなる。そこ
で、従来では、一般に、前記公報にも示されている如
く、連結金具の開口部に対する第二の取付金具のかしめ
部位において、ゴム弾性膜の外周縁部を挟圧保持せしめ
ることにより、かかるゴム弾性膜にて連結金具の開口部
を流体密に覆蓋するようにした構造が採用されている。
【0004】また、かかる構造のマウント装置にあって
は、通常、第一の取付金具と連結金具とを、前記ゴム弾
性体にて一体的に連結せしめてなる加硫成形品を、前記
流体室に封入されるべき流体中に浸漬せしめ、該流体中
において、その連結金具に対してゴム弾性膜および第二
の取付金具を組み付け、かしめ加工することによって、
形成されることとなり、それによって、流体室内への流
体の充填が為されることとなる。
【0005】しかしながら、このような従来構造の流体
封入式マウント装置においては、連結金具に対するゴム
弾性膜の組付操作のみならず、第二の取付金具の組付操
作をも、流体中にて行なう必要があるために、マウント
組立作業が面倒であったのであり、特にかかる第二の取
付金具は、大型のものが用いられることが多く、流体中
での組付作業が難しいという問題を有していたのであ
る。
【0006】しかも、かかる第二の取付金具の連結金具
に対する組付けを流体中にて行なうと、第二の取付金具
の内部にまで流体が入り込んでしまうために、組立体を
流体中から取り出した後、この第二の取付金具内に入り
込んだ流体を排出しなければならないという不具合もあ
った。
【0007】また、それに加えて、第一及び第二の取付
金具は、通常、それぞれ、防振連結されるべき部材に対
する取付位置や取付構造等の関係上、方向性を有してい
るために、上述の如く、加硫成形品に対して第二の取付
金具を組み付ける際に、その方向性をも考慮しなければ
ならず、流体中での作業であることと相俟って、組立作
業性が極めて悪く、一々手作業にて方向合わせをしなけ
ればならないために、組立作業の自動化が極めて困難で
あったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、連結金具に対する第二の取付金具の組付け
を流体外にて行なうことが出来、流体中での組立作業の
容易化が効果的に達成され得ると共に、その自動化が有
利に図られ得る、改良された構造の流体封入式マウント
装置とその製造方法を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、防振連結されるべき一方の部材に取り
付けられる第一の取付金具と、該第一の取付金具に対し
て振動入力方向に所定距離を隔てて配された筒状の連結
金具における軸方向一方の開口部とを、それらの間に介
装されたゴム弾性体によって弾性的に連結すると共に、
かかる連結金具における軸方向他方の開口部をゴム弾性
膜により流体密に覆蓋せしめて、該連結金具の内部に、
相互に連通せしめられた前記ゴム弾性体側の受圧室と該
ゴム弾性膜側の平衡室とからなる、所定の非圧縮性流体
が封入された流体室を形成する一方、該ゴム弾性膜にて
覆蓋された前記連結金具の軸方向端部に対して、防振連
結されるべき他方の部材に取り付けられる第二の取付金
具をかしめ固定せしめてなる流体封入式マウント装置に
おいて、前記ゴム弾性膜の外周部分に金属リングを一体
的に設け、該金属リングを前記連結金具の軸方向他方の
開口部内に挿入配置せしめて、それら金属リングと連結
金具との間でシールゴム層を径方向に挟圧することによ
り、該連結金具の開口部を閉塞せしめると共に、かかる
金属リングを含む前記ゴム弾性膜の外周部分を、前記第
二の取付金具と共に、前記連結金具の軸方向端部にかし
め固定せしめてなる構造の流体封入式マウント装置を、
その特徴とするものである。
【0010】また、本発明は、防振連結されるべき一方
の部材に取り付けられる第一の取付金具と、該第一の取
付金具に対して振動入力方向に所定距離を隔てて配され
た筒状の連結金具における軸方向一方の開口部とを、そ
れらの間に介装されたゴム弾性体によって弾性的に連結
すると共に、かかる連結金具における軸方向他方の開口
部をゴム弾性膜により流体密に覆蓋せしめて、該連結金
具の内部に、相互に連通せしめられた前記ゴム弾性体側
の受圧室と該ゴム弾性膜側の平衡室とからなる、所定の
非圧縮性流体が封入された流体室を形成する一方、該ゴ
ム弾性膜にて覆蓋された前記連結金具の軸方向端部に対
して、防振連結されるべき他方の部材に取り付けられる
第二の取付金具をかしめ固定せしめてなる流体封入式マ
ウント装置を製造する方法であって、(a)前記第一の
取付金具と前記連結金具の軸方向一方の開口部とが、前
記ゴム弾性体にて連結されてなる加硫成形品を準備する
工程と、(b)外周部分に金属リングが一体的に設けら
れてなる、前記ゴム弾性膜を準備する工程と、(c)前
記流体室に封入されるべき流体中において、前記金属リ
ングを設けたゴム弾性膜の外周部分を、前記加硫成形品
における連結金具の軸方向他方の開口部内に挿入配置す
ると共に、該金属リングと該連結金具とにより、それら
の間に配されたシールゴム層を挟圧せしめることによ
り、前記流体室が内部に形成された組付体を得る工程
と、(d)かかる組付体を流体中から取り出し、流体外
において、該組付体における前記連結金具の軸方向他方
の開口部に対して、前記第二の取付金具をかしめ固定す
ることにより、前記金属リングを含む前記ゴム弾性膜の
外周部分を、該第二の取付金具と共に該連結金具の軸方
向端部にかしめ固定せしめる工程とを、含む流体封入式
マウント装置の製造方法をも、その特徴とするものであ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明をより具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0012】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た自動車用エンジンマウントの一具体例が示されてい
る。かかる図において、10は、第一の取付金具であ
り、平板形状を呈している。また、該第一の取付金具1
0には、外方に突出する取付ボルト12が固設されてい
ると共に、該取付ボルト12とは反対側の面上に、略中
空円錐台状の作用金具14が固着されている。そして、
この第一の取付金具10は、取付ボルト12により、図
示しない自動車のパワーユニット側に取り付けられるよ
うになっている。なお、かかる第一の取付金具10は、
図からも明らかなように、取付ボルト12に対して非対
称な形状とされており、パワーユニット側の取付部形状
に応じた方向性をもって形成されている。
【0013】また、かかる第一の取付金具10における
作用金具14側には、全体として略円筒形状を呈する連
結金具16が配されており、その軸方向一方の開口部側
において、該第一の取付金具10に対して所定距離を隔
てて対向位置せしめられている。なお、かかる連結金具
16には、第一の取付金具10側の開口部分において、
漸次拡径する拡径部18が形成されており、作用金具1
4の外周面に対向せしめられている。また、該連結金具
16における軸方向他方の開口部には、軸直角方向外方
に向かって所定幅で外フランジ状に広がる段付部20が
形成されており、更に、該段付部20の外周縁部には、
かしめ部22が一体的に形成されている。
【0014】そして、これら第一の取付金具10および
連結金具16にあっては、それらの対向部間に介装され
たゴム弾性体24により、弾性的に連結されている。即
ち、かかるゴム弾性体24は、全体として略円錐台形状
にて形成されており、その小径側端面に対して第一の取
付金具10が、またその大径側端部外周面に対して連結
金具16の拡径部18が、それぞれ加硫接着されること
により、それら両金具10,16を一体的に連結してい
るのである。また、それによって、連結金具16におけ
る拡径部18側の開口が、ゴム弾性体24にて閉塞され
ており、以て該連結金具16内に、軸方向一端側に開口
する空所26が形成されている。
【0015】また、この空所26の開口部には、全体と
して略ハット形状を呈する仕切部材28と、薄肉円板形
状を呈するゴム弾性膜としてのダイヤフラム30とが、
それぞれの外周部分において、連結金具16の段付部2
0上に重ね合わされた状態で、配設されている。更にま
た、かかる連結金具16の段付部20上には、略浅底の
有底円筒形状を呈する第二の取付金具32が、その開口
周縁部に形成された外フランジ部34において、仕切部
材28およびダイヤフラム30の外周部分に重ね合わさ
れて、連結金具16のかしめ部22によりかしめ固定さ
れている。即ち、このかしめ固定により、連結金具16
に対して第二の取付金具32が固着されていると共に、
それら連結金具16と第二の取付金具32とのかしめ部
位において、仕切部材28およびダイヤフラム30の外
周部分が挟持されているのである。
【0016】そこにおいて、ダイヤフラム30にあって
は、その外周縁部において、円環形状の金属リング36
が加硫接着されており、この金属リング36が連結金具
16のかしめ部22に内挿されることにより、ダイヤフ
ラム30が該連結金具16の開口部位に組み付けられて
いる。また、連結金具16におけるかしめ部22の内周
面には、薄肉のシールゴム層38が形成されており、ダ
イヤフラム30の組付状態下、金属リング36とかしめ
部22との間でこのシールゴム層38が径方向に挟圧さ
れることにより、その組付部位におけるシール性が確保
されて、前記空所26の開口部がダイヤフラム30にて
流体密に閉塞されている。そして、このダイヤフラム3
0にて密閉された空所26内には、水やアルキレングリ
コール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或
いはそれらの混合物等の非圧縮性流体が充填されてお
り、以て該空所26が流体室として構成されているので
ある。
【0017】また、かかる空所26内に配される前記仕
切部材28は、それぞれ略ハット形状を呈する上下の仕
切金具40,42が、互いに重ね合わされてなる構造と
されており、空所26(流体室)内を軸方向両側に仕切
るようにして配されている。それによって、該仕切部材
28を挟んで、第一の取付金具10側には、壁部の一部
がゴム弾性体24にて構成されて振動入力時に内圧変動
が惹起される受圧室44が形成されている一方、第二の
取付金具32側には、壁部の一部がダイヤフラム30に
て構成されて容積変化が容易に許容される平衡室46が
形成されている。
【0018】さらに、仕切部材28には、流体室の外周
部に位置する部位において、上下仕切金具40,42間
を周方向に延び、受圧室44と平衡室46とを相互に連
通するオリフィス通路48が形成されており、該オリフ
ィス通路48を通じて、それら両室44,46間での流
体の流動が許容され得るようになっている。また、かか
る仕切部材28の中央部位には、ゴム弾性板50にて閉
塞された透孔が設けられており、該ゴム弾性板50の変
形に基づいて、受圧室44と平衡室46との間で、該透
孔を通じての流体の流動が許容されるようになっている
と共に、該ゴム弾性板50の弾性力に基づいて、透孔を
通じての流体の流動量が制限されるようになっている。
【0019】また一方、前記第二の取付金具32にあっ
ては、その外フランジ部34が、連結金具16のかしめ
部22にてかしめ固定されることにより、仕切部材28
およびダイヤフラム30の外周部分を、連結金具16に
対して固定的に保持せしめるようになっている。更に、
この第二の取付金具32は、底部中央において、外方に
突出する取付ボルト52を有しており、この取付ボルト
52により、車両ボデー側に取り付けられるようになっ
ている。
【0020】なお、かかる第二の取付金具32の底部に
は、外方に突出する位置決め突起54が設けられて、車
両ボデー側に対する取付方向が規定されるようになって
いる。即ち、第二の取付金具32にあっては、第一の取
付金具10に対する所定の方向性をもって、連結金具1
6に対してかしめ固定されているのである。
【0021】そうして、このような構造の流体封入式マ
ウント装置にあっては、第一の取付金具10と第二の取
付金具32との間に振動が入力された際、受圧室44と
平衡室46との間に惹起される相対的な内圧変動に基づ
いて、それら両室44,46間において、オリフィス通
路48を通じての流体の流動とゴム弾性板50の変形に
伴う流体の流動とが生ぜしめられることとなる。そし
て、シェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、オリ
フィス通路48内を流動せしめられる流体の共振作用に
基づいて、高減衰効果が発揮される一方、こもり音等の
高周波小振幅振動の入力時には、ゴム弾性板50の変形
に伴う流体の流動作用により受圧室44内の液圧変動が
吸収されることに基づいて、低動ばね効果が発揮され得
るのである。
【0022】以下、上述の如き構造とされた流体封入式
マウント装置の製造方法について、詳細な説明を加える
こととする。即ち、かかる流体封入式マウント装置を製
造するに際しては、先ず、第一の取付金具10と連結金
具16とを配設せしめた型内において、ゴム弾性体24
を成形し、加硫操作を加えることにより、図2に示され
ている如き、内部に空所26が設けられた一体加硫成形
品56を得る。なお、かかる一体加硫成形品56におい
て、連結金具16のかしめ部22は、軸方向外方に向か
って僅かに拡径するテーパ筒形状をもって形成されると
共に、該かしめ部22の内周面上には、全周に亘って延
びる薄肉のシールゴム層38が、ゴム弾性体24により
一体的に形成される。
【0023】また、この一体加硫成形品56とは別工程
において、図2に示されている如き、仕切部材28およ
びダイヤフラム30を形成する。かかる仕切部材28
は、前述の如く、それぞれ略ハット形状を呈する上下仕
切金具40,42を軸方向に重ね合わせると共に、中央
に形成された透孔を閉塞するようにゴム弾性板50を固
着せしめることにより形成されることとなる。また一
方、ダイヤフラム30は、ゴム材料により薄肉円板形状
をもって形成されることとなり、且つその外周縁部には
金属リング36が加硫接着せしめられる。
【0024】そして、前記一体加硫成形品56を、流体
室内に封入すべき流体中に浸漬せしめ、かかる流体中に
おいて、図3に示されている如く、該一体加硫成形品5
6を構成する連結金具16のかしめ部22に対して、仕
切部材28とダイヤフラム30を、順次、挿入し、それ
ら仕切部材28およびダイヤフラム30の外周部分を、
連結金具16の段付部20上に重ね合わせて配置せしめ
る。次いで、流体中において、かかる連結金具16のか
しめ部22に八方絞り加工を施すことにより、図4に示
されている如く、その内周面を、ダイヤフラム30の外
周縁部に配された金属リング36に対して圧着せしめ
る。即ち、この八方絞り加工により、かしめ部22の内
周面に設けられたシールゴム層38が、金属リング36
とかしめ部22との間で挟圧せしめられて、それらの間
における流体密性が確保されることとなるのであり、そ
れよって、一体加硫成形品56における空所26の開口
が、ダイヤフラム30により流体密に閉塞せしめられ、
以てかかる空所26内に、それぞれ流体が封入されて成
る受圧室44および平衡室46が形成されることとなる
のである。
【0025】なお、このような一体加硫成形品56に対
するダイヤフラム30の挿入時または挿入後、かしめ部
22の八方絞り加工による流体の封止前には、必要に応
じて、ダイヤフラム30を空所26側に押圧、湾曲さ
せ、該空所26内から所定量の流体を排出させることに
より、流体室(受圧室44および平衡室46)内に封入
する流体量の調節が行なわれることとなる。
【0026】さらに、上述の如く、流体中において、一
体加硫成形品56に対して仕切部材28およびダイヤフ
ラム30を組み付けた後、かかる組付体を流体から取り
出し、流体外において、該組付体に対し、別途形成した
第二の取付金具32を組み付ける。かかる第二の取付金
具32の組付けは、図5に示されている如く、連結金具
16のかしめ部22内に第二の取付金具32を挿入せし
めて、その外フランジ部34を、該連結金具16の段付
部20上に重ね合わされた前記仕切部材28およびダイ
ヤフラム30の外周部分の外側に重ね合わせた後、連結
金具16のかしめ部22をかしめ加工することにより、
行なわれることとなり、それによって、図1に示されて
いる如き、目的とするエンジンマウントが得られるので
ある。なお、かかる第二の取付金具32の一体加硫成形
品56に対する組付けに際しては、該第二の取付金具3
2の第一の取付金具10に対する相対的な方向性を考慮
しつつ、かしめ固定されることとなる。
【0027】そして、このように第二の取付金具32が
連結金具16にかしめ固定されることにより、前記仕切
部材28およびダイヤフラム30の外周部分が、連結金
具16の段付部20と第二の取付金具32の外フランジ
部34との間で挟持せしめられて、連結金具16に対し
て、固定的に保持されることとなるのである。
【0028】従って、上述の如き手法によれば、流体室
(受圧室44および平衡室46)内への流体の封入に際
して、ダイヤフラム30の外周縁部に設けられた金属リ
ング36と連結金具16のかしめ部22との間でシール
ゴム層38を挟圧せしめることにより、該流体室の液密
性が確保され得ることから、第二の取付金具32の組付
操作を流体外にて行なうことができるのである。
【0029】そして、それ故、比較的大型の金具である
第二の取付金具32を流体中に浸漬させて組み付ける必
要がなく、しかも、第二の取付金具32の内部への流体
の入り込みが完全に回避され得て、組立後における液抜
き操作も不要となることから、マウント組立操作の簡略
化と作業性の向上が、極めて有利に達成され得るのであ
る。
【0030】また、このようなマウント組立方法によれ
ば、第二の取付金具32を組み付ける際の、第一の取付
金具10に対する方向合わせを、流体外にて行なうこと
ができることから、かかる第二の取付金具32の組付作
業、即ち流体室内への流体の封入作業が容易となると共
に、流体中では組付部材の方向性を考慮する必要がなく
なることから、流体中での組付作業も単純化され得るの
であり、それ故、流体中における組付作業の自動化を図
ることも容易となるのである。
【0031】更にまた、本実施例においては、ダイヤフ
ラム30の外周縁部に設けられた金属リング36が挿入
される、連結金具16におけるかしめ部22が、テーパ
筒形状をもって形成されていることから、流体中での、
該かしめ部22に対する金属リング36の挿入操作が、
一層容易に為され得ることとなる。
【0032】次に、図6には、本発明に従う構造とされ
たエンジンマウントの別の実施例が示されている。な
お、本実施例のエンジンマウントにおいては、前記第一
の実施例と同様な構造とされた部材および部位に対し
て、それぞれ、同一の符号を付することにより、その詳
細な説明は省略することとする。
【0033】すなわち、前記第一の実施例におけるエン
ジンマウントにあっては、第二の取付金具32を連結金
具16に対してかしめ固定するためのかしめ部22が、
連結金具16側に形成されていたが、本実施例における
エンジンマウントにおいては、第二の取付金具32を連
結金具16に対してかしめ固定するためのかしめ部58
が、第二の取付金具32側において、その外フランジ部
34の外周縁部に一体的に形成されている。
【0034】そして、第二の取付金具32における段付
部20の外周縁部には、軸方向外方に突出する筒状の嵌
着部60が、ダイヤフラム30の外周縁部に設けられた
金属リング36が内挿配置され得るだけの高さをもっ
て、形成されており、それら金属リング36と嵌着部6
0との間でシールゴム層38を挟圧せしめることによ
り、流体室(受圧室44および平衡室46)の液密性が
確保され得るようになっている。
【0035】それ故、本実施例のエンジンマウントにあ
っても、連結金具16に対するダイヤフラム30の組付
操作によって流体室の液密性が確保され得ることとな
り、第二の取付金具32の組付操作を、流体外にて行な
うことが可能となるのであって、それによって、前記第
一の実施例と同様な効果が、何れも有効に発揮され得る
のである。
【0036】なお、このような本実施例構造のエンジン
マウントは、前記第一の実施例に示されたエンジンマウ
ントの組立方法に従い、それと同様な工程をもって製作
されるものであることから、前記第一の実施例における
図2〜図5に相当する組立工程図を、図7〜図10に示
すことにより、ここでは、その詳細な説明は省略するこ
ととする。
【0037】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0038】例えば、前記実施例では、ダイヤフラム3
0の外周縁部に設けられた金属リング36と連結金具1
6との間で挟圧されて、それらの間をシールするシール
ゴム層38が、連結金具16側に一体的に設けられてい
たが、かかるシールゴム層38に代えて、或いはそれに
加えて、金属リング36側にシールゴム層を形成した
り、また金属リング36および連結金具16の何れとも
別体でシールゴム層を形成することも可能である。
【0039】また、ダイヤフラム30に対する金属リン
グ(36)の取付構造は、加硫接着に限定されるもので
はなく、流体密性が充分に確保され得る限り、公知の各
種の取付構造が採用されるものであり、例えば、図11
に示されているように、ダイヤフラム30の外周縁部に
対して、その軸方向両側から組み付けられ、該ダイヤフ
ラム30を挟圧せしめる状態で互いに嵌合される上下リ
ング62,64により、金属リングを構成することも可
能である。
【0040】更にまた、前記実施例では、金属リング3
6が挿入される連結金具16のかしめ部22(嵌着部6
0)が、外方に向かって拡径するテーパ形状をもって形
成されていたが、かかるかしめ部22(嵌着部60)に
は、必ずしもテーパを付する必要はない。尤も、かかる
かしめ部22(嵌着部60)にテーパを付しない場合に
は、金属リング36の圧入作業性を確保するために、該
かしめ部22(嵌着部60)に固着されたシールゴム層
38の内周面にテーパを付したり、金属リング36の外
周面に逆テーパを付したり、或いは該かしめ部22(嵌
着部60)を金属リング36よりも所定寸法大きな内径
をもって形成し、絞り率を上げる等の対策を施すことが
望ましい。
【0041】さらに、前記実施例では、金属リング36
を連結金具16に挿入せしめた後、該連結金具16のか
しめ部22(嵌着部60)を絞り加工することにより、
それら金属リング36とかしめ部22(嵌着部60)と
の間でシールゴム層38を挟圧するようになっていた
が、その他、例えば、かしめ部22(嵌着部60)やそ
の内周面に形成されるシールゴム層38にテーパを付
し、それを利用するようにすれば、金属リング36のか
しめ部22(嵌着部60)に対する圧入操作により、そ
れら金属リング36とかしめ部22(嵌着部60)との
間でシールゴム層38を挟圧せしめてシール性を確保す
ることも可能であり、それによって流体中での八方絞り
加工も不要とされ得ることとなる。
【0042】また、前記実施例では、第一及び第二の取
付金具10,32の間に相対的な方向性のあるマウント
装置に対して、本発明を適用したものの具体例を示した
が、本発明は、それら両取付金具間に相対的な方向性の
ないマウント装置に対しても、有利に適用され得るもの
であることは、勿論である。
【0043】更にまた、オリフィス通路を含む流体室の
具体的構造は、前記実施例によって限定的に解釈される
ものでは決してなく、マウント装置に要求される防振特
性等に応じて、適宜、設計変更が加えられるべきもので
ある。
【0044】加えて、前記実施例では、本発明を、自動
車用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を
示したが、本発明は、その他、自動車用ボデーマウント
やデフマウント、或いは自動車以外の各種装置における
防振マウント等に対しても、有利に適用され得るもので
ある。
【0045】その他、一々列挙はしないが、本発明に
は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改
良等が加えられるものであり、また、そのような実施態
様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明
の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない
ところである。
【0046】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従えば、流体室内への流体の封入に際して、ゴム弾性
膜の外周縁部に設けられた金属リングの連結金具に対す
る組付けにより、流体室が流体密に封止され得ることか
ら、比較的大型の金具となる第二の取付金具を流体中で
組み付ける必要がなく、しかも該第二の取付金具の内部
への流体の入り込みが完全に回避され得て、組立後にお
ける液抜き等も不要となることから、マウント組立操作
の簡略化と作業性の向上が、極めて有効に達成され得る
のである。
【0047】また、本発明によれば、第二の取付金具の
組付操作を流体外で行なうことが可能となり、流体中で
の組付作業の単純化が効果的に達成され得ることから、
流体中における組付作業の自動化を図ることも容易とな
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造とされた自動車用エンジンマ
ウントの一具体例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントの一製造工程
を説明するための縦断面説明図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントの一製造工程
を説明するための縦断面説明図である。
【図4】図1に示されたエンジンマウントの一製造工程
を説明するための縦断面説明図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントの一製造工程
を説明するための縦断面説明図である。
【図6】本発明に従う構造とされた自動車用エンジンマ
ウントの別の具体例を示す、図1に対応する縦断面図で
ある。
【図7】図6に示されたエンジンマウントの一製造工程
を説明するための、図2に対応する縦断面説明図であ
る。
【図8】図6に示されたエンジンマウントの一製造工程
を説明するための、図3に対応する縦断面説明図であ
る。
【図9】図6に示されたエンジンマウントの一製造工程
を説明するための、図4に対応する縦断面説明図であ
る。
【図10】図6に示されたエンジンマウントの一製造工
程を説明するための、図5に対応する縦断面説明図であ
る。
【図11】図1および図6に示されているエンジンマウ
ントにおいて好適に採用され得る、ダイヤフラムに対す
る金属リングの取付構造の別の具体例を示す要部断面説
明図である。
【符号の説明】
10:第一の取付金具 16:連結金具 22:かしめ部 24:ゴム弾性
体 28:仕切部材 30:ダイヤフ
ラム 32:第二の取付金具 36:金属リン
グ 38:シールゴム層 44:受圧室 46:平衡室 48:オリフィ
ス通路 56:一体加硫成形品 58:かしめ部 60:嵌着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−225838(JP,A) 実開 昭58−127234(JP,U) 実開 昭59−166041(JP,U) 実開 昭61−129946(JP,U) 実開 昭62−128245(JP,U) 実開 平2−119540(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振連結されるべき一方の部材に取り付
    けられる第一の取付金具と、該第一の取付金具に対して
    振動入力方向に所定距離を隔てて配された筒状の連結金
    具における軸方向一方の開口部とを、それらの間に介装
    されたゴム弾性体によって弾性的に連結すると共に、か
    かる連結金具における軸方向他方の開口部をゴム弾性膜
    により流体密に覆蓋せしめて、該連結金具の内部に、相
    互に連通せしめられた前記ゴム弾性体側の受圧室と該ゴ
    ム弾性膜側の平衡室とからなる、所定の非圧縮性流体が
    封入された流体室を形成する一方、該ゴム弾性膜にて覆
    蓋された前記連結金具の軸方向端部に対して、防振連結
    されるべき他方の部材に取り付けられる第二の取付金具
    をかしめ固定せしめてなる流体封入式マウント装置にお
    いて、前記ゴム弾性膜の外周部分に金属リングを一体的
    に設け、該金属リングを前記連結金具の軸方向他方の開
    口部内に挿入配置せしめて、それら金属リングと連結金
    具との間でシールゴム層を径方向に挟圧することによ
    り、該連結金具の開口部を閉塞せしめると共に、かかる
    金属リングを含む前記ゴム弾性膜の外周部分を、前記第
    二の取付金具と共に、前記連結金具の軸方向端部にかし
    め固定したことを特徴とする流体封入式マウント装置。
  2. 【請求項2】 防振連結されるべき一方の部材に取り付
    けられる第一の取付金具と、該第一の取付金具に対して
    振動入力方向に所定距離を隔てて配された筒状の連結金
    具における軸方向一方の開口部とを、それらの間に介装
    されたゴム弾性体によって弾性的に連結すると共に、か
    かる連結金具における軸方向他方の開口部をゴム弾性膜
    により流体密に覆蓋せしめて、該連結金具の内部に、相
    互に連通せしめられた前記ゴム弾性体側の受圧室と該ゴ
    ム弾性膜側の平衡室とからなる、所定の非圧縮性流体が
    封入された流体室を形成する一方、該ゴム弾性膜にて覆
    蓋された前記連結金具の軸方向端部に対して、防振連結
    されるべき他方の部材に取り付けられる第二の取付金具
    をかしめ固定せしめてなる流体封入式マウント装置を製
    造する方法であって、前記第一の取付金具と前記連結金
    具の軸方向一方の開口部とが、前記ゴム弾性体にて連結
    されてなる加硫成形品を準備する工程と、外周部分に金
    属リングが一体的に設けられてなる、前記ゴム弾性膜を
    準備する工程と、前記流体室に封入されるべき流体中に
    おいて、前記金属リングを設けたゴム弾性膜の外周部分
    を、前記加硫成形品における連結金具の軸方向他方の開
    口部内に挿入配置すると共に、該金属リングと該連結金
    具とにより、それらの間に配されたシールゴム層を挟圧
    せしめることにより、前記流体室が内部に形成された組
    付体を得る工程と、かかる組付体を流体中から取り出
    し、流体外において、該組付体における前記連結金具の
    軸方向他方の開口部に対して、前記第二の取付金具をか
    しめ固定することにより、前記金属リングを含む前記ゴ
    ム弾性膜の外周部分を、該第二の取付金具と共に該連結
    金具の軸方向端部にかしめ固定せしめる工程とを、含む
    ことを特徴とする流体封入式マウント装置の製造方法。
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