JPH11153178A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH11153178A
JPH11153178A JP9323477A JP32347797A JPH11153178A JP H11153178 A JPH11153178 A JP H11153178A JP 9323477 A JP9323477 A JP 9323477A JP 32347797 A JP32347797 A JP 32347797A JP H11153178 A JPH11153178 A JP H11153178A
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JP
Japan
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stopper
vibration
fitting
rubber
cylindrical
Prior art date
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Application number
JP9323477A
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English (en)
Inventor
Katsumi Someya
勝己 染谷
Koji Nakamura
宏治 中村
Masatoshi Sakamoto
昌俊 坂本
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Bridgestone Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リバウンドストッパ機構の特性を容易に調整
可能とすると共に製造コストを低減する。 【解決手段】 弾性体18が内筒金具24と外筒金具1
6との間に取り付けられる。内筒金具24の頂面に対向
した位置にゴム製で弾性変形可能なストッパゴム22を
介して、アームブラケット26が配設される。つまり、
筒状のストッパゴム22内に、鉄鋳物等で形成されたア
ームブラケット26の一端側を構成する角柱部26Aが
圧入されて、ストッパゴム22がアームブラケット26
の一端側に被せられた構造となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動発生部からの
振動の伝達を防止する場合等に適用される防振装置に関
するものであり、振動を発生するエンジン等の部材を支
持するマウント類に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の振動発生部となるエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻
止するような構造となっている。
【0003】その一例として、図8及び図9に示すよう
な防振装置110が知られており、以下に説明する。
【0004】これらの図に示すように、この防振装置1
10の外筒金具120と内筒金具116との間に、ゴム
製の弾性体118がこれら金具に加硫接着されて配置さ
れている。さらに、ブラケット114に外筒金具120
が挿入され、カップ状のリバウンドストッパ金具112
がブラケット114にかしめられている。
【0005】また、突出部116Aを内筒金具116の
外周側に突出して形成し、この突出部116Aの周りに
弾性体118と一体的に成形されたゴム材を加硫接着し
て、ストッパリング140を構成している。
【0006】従って、これらリバウンドストッパ金具1
12及びストッパリング140でリバウンドストッパ機
構を構成し、このリバウンドストッパ金具112にスト
ッパリング140が当接することで、過大な振幅の振動
に対応しており、突出部116Aの周りのゴム材が、こ
の際の緩衝材とされている。
【0007】そして、外筒金具120内に配置されたダ
イヤフラム122と弾性体118との間に液室124が
設けられ、この液室124を一対の液室124A、12
4Bに区画すると共にオリフィス132を有した隔壁部
材130が、液室124内に設置された構造となってい
る。
【0008】従って、搭載されたエンジンが作動して振
動が発生した場合には、弾性体118の制振機能及び、
これら両液室124A、124Bを連通するオリフィス
132内の液体の粘性抵抗等で振動を吸収し、振動の伝
達を阻止するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
従来の防振装置110のストッパリング140を構成す
るゴム材は弾性体118と一体的に形成されているの
で、ゴム材の硬さを変えることが困難であり、リバウン
ドストッパ機構の特性を調整することが難しかった。
尚、液体入りの防振装置の弾性体118の材質として
は、通常、天然ゴムが用いられている。
【0010】さらに、ストッパリング140は、弾性体
118の加硫成形時にゴム材を突出部116Aの周りに
加硫接着して形成される構造となっているので、突出部
116Aに接着剤を塗布等する接着作業が必要となり煩
わしく、製造コストの上昇の原因となる。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、リバウンドス
トッパ機構の特性を容易に調整可能とすると共に製造コ
ストを低減した防振装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結され且つ筒状
に形成される外側部材と、外側部材の内周側に位置した
内側部材と、一端側が内側部材の端部に固定されると共
に他端側が振動発生部及び振動受部の他方に連結される
取付部材と、これら内側部材と外側部材との間に配置さ
れて内側部材と外側部材とを弾性変形可能に連結する弾
性体と、外側部材側に設置されて取付部材の一端側と対
向して位置すると共に取付部材と当接することで外側部
材に対する内側部材の相対移動を制限し得るストッパ部
と、少なくともストッパ部との当接部分を覆うように取
付部材の一端側に圧入により被せられた弾性変形可能な
弾性ストッパ部材と、弾性ストッパ部材の取付部材への
圧入部分の入り口にテーパ状に設けられたテーパ部と、
を有することを特徴とする。
【0013】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。筒状に形成される外側部材が振動発生部及び振
動受部の一方に連結され、この外側部材の内周側に内側
部材が位置し、この内側部材の端部に取付部材の一端側
が固定されると共に、この取付部材の他端側が振動発生
部及び振動受部の他方に連結される。さらに、これら内
側部材と外側部材との間に配置される弾性体が、内側部
材と外側部材とを弾性変形可能に連結する。
【0014】従って、外側部材或いは取付部材に連結さ
れた振動発生部側から振動が伝達されると弾性体が変形
し、この弾性体の変形により振動が減衰されて、取付部
材或いは外側部材に連結された振動受部側に振動が伝達
され難くなる。
【0015】また、過大な振幅の振動が入力された場
合、外側部材側に設置されて取付部材の一端側と対向し
て位置するストッパ部が取付部材と当接することで、外
側部材に対する内側部材の相対移動を制限するが、この
際、取付部材の一端側に被せられた弾性ストッパ部材
が、少なくともストッパ部との当接部分を覆うので、ス
トッパ部が弾性変形可能な弾性ストッパ部材を介して取
付部材と当接することになる。
【0016】以上より、共に弾性変形可能な弾性ストッ
パ部材と弾性体とが別体で形成されるので、弾性ストッ
パ部材の材質を変えることが容易となると共に、弾性ス
トッパ部材を接着する為の煩わしい接着作業が不要とな
る。
【0017】また、圧入により弾性ストッパ部材を取付
部材の一端側に被せ、弾性ストッパ部材の圧入部分の入
り口に、テーパ状に形成したテーパ部を設けている為、
弾性ストッパ部材を圧入により取付部材に被せる場合で
も、テーパ部があるので、弾性ストッパ部材の圧入が容
易となる。
【0018】この結果、リバウンドストッパ機構の特性
を容易に調整できると共に防振装置の製造コストを低減
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の防振装置に係る第1の実
施の形態を図1から図5に示し、これらの図に基づき本
実施の形態を説明する。
【0020】本実施の形態を表す図1に示すように、こ
の防振装置10の外側部材を円筒状に形成される外筒金
具16が構成している。この外筒金具16は、円筒状に
形成される第1円筒部16B及び、第1円筒部16Bの
外径よりその外径が若干小径に第1円筒部16Bの下側
で円筒状に形成される第2円筒部16Cを、有してい
る。
【0021】そして、これら第1円筒部16Bと第2円
筒部16Cとの間の外筒金具16の軸方向中程の位置に
は、外筒金具16の外周面を一周にわたってへこませて
内周側に突出させた係合部16Eがプレス加工等により
設けられている。さらに、この外筒金具16の上端部に
円板状のフランジ部16Aが形成され、また、この外筒
金具16の下端部にテーパ状に縮まるテーパ部16Dが
繋がっている。
【0022】この外筒金具16は、カップ状に形成され
ると共に、外周に拡がるフランジ部12Aが上部に形成
されたブラケット12に圧入されて、ブラケット12内
に配置されている。つまり、外筒金具16の第1円筒部
16Bと対向するブラケット12の上部側寄りの部分
は、第1円筒部16Bと緊密に嵌合している上部円筒部
12Bとされ、外筒金具16の第2円筒部16Cと対向
するブラケット12の下部側寄りの部分は、上部円筒部
12Bより若干小径に形成され且つ第2円筒部16Cと
は図示しない若干量の隙間を有した下部円筒部12Cと
されている。
【0023】このブラケット12の外周側には、図2及
び図3に示すように、それぞれU字状に形成された一対
の脚部14がブラケット12の外周側に突出するよう
に、設けられている。
【0024】また、外筒金具16の内周面には、円筒形
状に形成されると共にインターリング20を埋設したゴ
ム製の弾性体18の外周面が加硫接着されており、この
外筒金具16が弾性体18を囲んで保持することにな
る。そして、外筒金具16の第2円筒部16Cに対応す
る弾性体18の部分は薄肉とされた肉薄部18Aとされ
ている。
【0025】さらに、外筒金具16の内周側の弾性体1
8の中心部には、金属製であって円錐状に形成された内
側部材である内筒金具24が加硫接着されつつ埋設され
ており、この内筒金具24の上端部が弾性体18から突
出している。この内筒金具24には、雌ねじが形成され
たねじ穴24Aが設けられていると共に回り止めピン2
5が取り付けられている。
【0026】以上より、弾性体18は、内筒金具24と
外筒金具16との間に配置されて取り付けられることと
なり、ブラケット12に外筒金具16が圧入されて、こ
れら外筒金具16、内筒金具24及び弾性体18が、ブ
ラケット12に収納される形となっている。
【0027】内筒金具24の頂面である上方側端部に対
向した位置には、ゴム製で弾性変形可能な弾性ストッパ
部材であるストッパゴム22を介して、取付部材である
アームブラケット26が配設されている。つまり、筒状
のストッパゴム22内に、鉄鋳物等で形成されたアーム
ブラケット26の一端側を構成する角柱部26Aが圧入
されて、このストッパゴム22がアームブラケット26
の一端側に被せられた構造となっている。
【0028】さらに、図5に示すように、このストッパ
ゴム22の圧入部分の入り口に、テーパ部22Cが形成
されている。そして、ストッパゴム22の上壁には孔2
2Aが形成され、ストッパゴム22の下壁にU字状の開
口22Bが形成されており、角柱部26Aには貫通穴2
7Aが形成されている。
【0029】従って、テーパ部22Cに案内されてスト
ッパゴム22内に角柱部26Aが圧入された状態で、ス
トッパゴム22の上壁に形成された孔22A、角柱部2
6Aに形成された貫通穴27A及び、ストッパゴム22
の下壁に形成された開口22Bに、それぞれ上方から止
めボルト28が挿通され、内筒金具24のねじ穴24A
にこの止めボルト28が螺合されて、アームブラケット
26が内筒金具24に固定されている。
【0030】つまり、孔22A及び開口22Bが、スト
ッパゴム22にこの止めボルト28の締結を可能とする
逃げ部を構成し、開口22Bにより細く帯状とされるス
トッパゴム22の下壁の部分が帯部22Dとなり、この
帯部22Dが内筒金具24と当接して内筒金具24に係
合することで、ストッパゴム22の抜け出しが防止され
る。
【0031】また、アームブラケット26の他端側に
は、振動発生部となるエンジン(図示せず)にアームブ
ラケット26を連結するための複数個のボルト孔27B
が形成されている。従って、この弾性体18から突出さ
れる内筒金具24はエンジンへの連結用として用いられ
ることとなり、内筒金具24がアームブラケット26を
介して振動発生部となるエンジンに連結されることにな
る。
【0032】この内筒金具24の上部には、外筒金具1
6に対する内筒金具24の相対移動をアームブラケット
26と当接して一定範囲内に制限するストッパ部である
リバウンドストッパ金具60が、アームブラケット26
を介して内筒金具24と対向して配置されている。図3
上、逆U字状に形成されたこのリバウンドストッパ金具
60の両端部は、一対の脚部14に圧入されている。
【0033】これらリバウンドストッパ金具60の両端
部及び脚部14には、それぞれ貫通穴14A、60Aが
形成されていて、図3に示す一対の止めねじ64によ
り、脚部14の貫通穴14A及びリバウンドストッパ金
具60の貫通穴60Aが一体的に貫通され、振動受部と
なる車体62に締結されて車体62に防振装置10が固
定される。つまり、外筒金具16は、ブラケット12の
外周側に形成された一対の脚部14を介して車体62に
連結されることになる。
【0034】他方、内周面にゴム製のダイヤフラム30
が加硫接着されているリング材31が第2円筒部16C
内に嵌合して固着される。
【0035】このダイヤフラム30と弾性体18との間
には、これらの部材で内壁面が形成された液室32が設
けられていて、例えば水、オイル等の液体が封入されて
いる。そして、この液室32内には、例えば合成樹脂材
料で形成された隔壁部材34が、弾性体18の肉薄部1
8Aの内壁面に嵌合されると共に係合部16Eに外周側
が係合して軸方向の位置決めがされて、配置されてい
て、液室32を一対の小液室である主液室32Aと副液
室32Bとに二分して区画している。
【0036】さらに、この隔壁部材34の中央部には、
円形の開口部38が形成されており、また、この隔壁部
材34の外周面となる外周端部34Bの内側には、外周
端部34Bに沿いほぼ一周にわたって溝状に形成された
溝部36が設けられている。この溝部36の一端部に
は、主液室32Aと溝部36内とを連通する小孔52が
形成され、他端部には、副液室32Bと溝部36内とを
連通する小孔54が形成されている。従って、弾性体1
8の内壁面により塞がれたこの溝部36及び小孔52、
54が主液室32Aと副液室32Bとの間を連通するオ
リフィス42を構成することとなる。
【0037】さらに、ダイヤフラム30とブラケット1
2の底壁との間は空気室44とされてダイヤフラム30
の変形を可能としている。
【0038】一方、隔壁部材34には、開口部38の上
部側に突出するリブ34Aが形成されており、中央部が
円形に突出する弾性板であるメンブラン46が、このリ
ブ34Aに係止されている。
【0039】そして、メンブラン46の下側外周寄りの
部分には、外周端側がダイヤフラム30と隔壁部材34
との間に挟持されて固定され且つ中央部が開口部38に
嵌合されるように円形に突出した金属製の円板48が当
接して、メンブラン46をリブ34Aとの間で挟着して
いる。尚、小孔54に対応する円板48の位置には、図
示のように孔部を有している。
【0040】次に、本実施の形態に係る防振装置10の
製造の手順を説明する。まず、第1円筒部16B、第2
円筒部16C及び係合部16E等を有した外筒金具16
をプレス加工により形成し、内筒金具24及びこの外筒
金具16を金型内に入れて、弾性体18を加硫する。そ
して、液体中において、メンブラン46、円板48が装
着された状態の隔壁部材34及びダイヤフラム30等を
外筒金具16内に挿入し、外筒金具16の係合部16E
に隔壁部材34の外周側を係合して隔壁部材34の軸方
向の位置決めをしつつ、外筒金具16の第2円筒部16
Cを絞り加工すると共に、外筒金具16の下端部をかし
めてテーパ部16Dを形成する。これにより、これらの
部材が外筒金具16内に収納されるだけでなく、弾性体
18の薄肉となった肉薄部18Aと隔壁部材34とが緊
密に当接しつつ嵌合されて一対の液室32A、32B間
が隔壁部材34によりシールされ、図4に示すような状
態になる。
【0041】そして、図5に示すストッパゴム22内
に、アームブラケット26の角柱部26Aを圧入し、ス
トッパゴム22及びアームブラケット26に止めボルト
28を挿通させて、この止めボルト28を内筒金具24
にねじ止めることで、アームブラケット26を内筒金具
24に固定する。
【0042】次に、外筒金具16の第1円筒部16Bを
ブラケット12の上部円筒部12Bに圧入しつつ、内筒
金具24、外筒金具16及び弾性体18をこのブラケッ
ト12に収納すると共に、ブラケット12から突出して
形成された一対の脚部14にリバウンドストッパ金具6
0の両端部を圧入して、これら一対の脚部14にリバウ
ンドストッパ金具60を仮止めすれば、図1及び図2に
示すように組立は完了する。
【0043】この後、このように完成された防振装置1
0を車両内に設置し、一対の止めねじ64を一対の脚部
14及びリバウンドストッパ金具60の両端部に貫通さ
せ車体62に締結することにより、図3に示すように、
一対の脚部14に繋がるブラケット12及び、リバウン
ドストッパ金具60を車体62に固定し、防振装置10
を車体62に搭載することができる。そして、アームブ
ラケット26の複数個のボルト孔27Bに図示しないボ
ルトを締結してエンジンにアームブラケット26を連結
する。
【0044】次に本実施の形態の作用を説明する。筒状
に形成される外筒金具16が、ブラケット12及び脚部
14を介して車体62に連結され、この外筒金具16の
内周側に内筒金具24が位置し、この内筒金具24の端
部にアームブラケット26の一端側が固定されると共
に、このアームブラケット26の他端側がエンジンに連
結される。さらに、これら内筒金具24と外筒金具16
との間に配置される弾性体18が、内筒金具24と外筒
金具16とを弾性変形可能に連結する。
【0045】従って、内筒金具24にアームブラケット
26を介して搭載されるエンジンが作動すると、エンジ
ンの振動がアームブラケット26及び内筒金具24を介
して弾性体18に伝達される。
【0046】弾性体18は吸振主体として作用し、弾性
体18の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収
することができる。さらに、主液室32A及び副液室3
2B内の液体がオリフィス42を通って相互に流通し、
オリフィス空間に生ずる液体の圧力変化、液体流動の粘
性抵抗等に基づく減衰作用で防振効果を向上することが
できる。
【0047】一方、高周波の振動が伝達された場合など
のように、狭い振動数範囲の低減のみ可能なオリフィス
42が目詰まりしてオリフィス42のみによっては十分
に振動が低減されないときでも、メンブラン46が弾性
変形して、液室32内の内圧が高くなることがない。こ
の結果、オリフィス42では振動を低減できない高周波
数の振動が生じても低動ばねとなり、防振特性が低減さ
れずに維持され、防振装置10の効果が十分発揮され
る。
【0048】他方、このエンジンから過大な振幅の振動
が入力された場合には、外筒金具16側のブラケット1
2に設置され且つアームブラケット26の一端側と対向
して位置するリバウンドストッパ金具60が、アームブ
ラケット26と当接することで、外筒金具16に対する
内筒金具24の相対移動を制限する。この際、アームブ
ラケット26の一端側に被せられたストッパゴム22
が、少なくともリバウンドストッパ金具60との当接部
分を覆うので、リバウンドストッパ金具60が弾性変形
可能なストッパゴム22を介してアームブラケット26
と当接することになる。
【0049】以上より、共に弾性変形可能なストッパゴ
ム22と弾性体18とが別体で形成されるので、ストッ
パゴム22の材質を変えることが容易となると共に、ス
トッパゴム22を接着する為の煩わしい接着作業が不要
となる。
【0050】そして、圧入によりストッパゴム22をア
ームブラケット26の一端側に被せ、このストッパゴム
22の圧入部分の入り口に、テーパ状に形成したテーパ
部22Cを設けるようにされている。この為、ストッパ
ゴム22を圧入によりアームブラケット26に被せる場
合でも、テーパ部22Cがあるので、ストッパゴム22
の圧入が容易となる。
【0051】この結果、リバウンドストッパ機構の特性
を容易に調整できると共に防振装置10の製造コストを
低減できる。
【0052】つまり、ストッパゴム22と弾性体18と
が別体で形成される為、ストッパゴム22のゴム材の硬
さを変えることで、リバウンドストッパ金具60にスト
ッパゴム22が当たった後の特性を調整可能となる。例
えば、簡単にゴム材の材質をNR/BR、NR/SBR
などに変更したり、簡単に厚さを変更したりすることが
できる。
【0053】また、本実施の形態では、ストッパゴム2
2を筒状に形成し、このストッパゴム22がアームブラ
ケット26の一端側に被せられている。この為、ストッ
パゴム22をアームブラケット26に被せ易くなると共
に、不用意にストッパゴム22が外れ難くなる。
【0054】さらに、内筒金具24とアームブラケット
26の一端側とを固定する止めボルト28の挿通及び締
結を可能とする孔22A及び開口22Bが、ストッパゴ
ム22に設けられている。この為、ストッパゴム22を
アームブラケット26に被せた後でも、ストッパゴム2
2に邪魔されずに、止めボルト28の締結ができるよう
になる。
【0055】また、本実施の形態では、ストッパゴム2
2の内筒金具24と当接し得る部分に帯部22Dが設け
られ、この帯部22Dを内筒金具24に係合してストッ
パゴム22の抜け出しを防止するようになっている。
【0056】次に、本発明の防振装置に係る第2の実施
の形態を図6及び図7に示し、これらの図に基づき本実
施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態と同一の部
材の図示及び説明を省略する。
【0057】図6及び図7に示すように、本実施の形態
では、ストッパゴム22の下壁にU字状の開口22Bを
形成する替わりに、孔22Eが孔22Aと同軸で形成さ
れている。さらに、ストッパゴム22の圧入部分の入り
口側の上壁及び下壁が、孔22A、22Eに沿って円弧
状に形成されている。
【0058】従って、本実施の形態のストッパゴム22
も第1の実施の形態と同様にアームブラケット26に被
せられ、第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏する
ことになる。
【0059】尚、上記実施の形態において、振動発生部
であるエンジンにアームブラケット26及び内筒金具2
4側を連結し、振動受部である車体62にブラケット1
2及び外筒金具16側を連結するような構成としたが、
この逆の構成としても良い。
【0060】また、上記実施の形態において、ストッパ
ゴム22を筒状に形成したが、挿入側の端部のみ開放さ
れているような袋状に形成しても良い。さらに、ストッ
パゴム22をアームブラケット26に圧入せずに、アー
ムブラケット26に単に被せるようにしても良い。
【0061】他方、実施の形態において、車両に搭載さ
れるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置
は例えば車両のボディマウント等、あるいは車両以外の
他の用途にも用いられることはいうまでもなく、また、
弾性体等の形状、寸法及びオリフィスの数なども実施の
形態のものに限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、リバウンドストッパ機構の特性を
容易に調整可能とすると共に製造コストを低減できると
言う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示
す部分断面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示
す側面図である。
【図3】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示
す別の側面図である。
【図4】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の組
立を説明する断面図である。
【図5】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態のス
トッパゴム及びアームブラケットの斜視図である。
【図6】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態のス
トッパゴム及びアームブラケットの斜視図である。
【図7】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態のス
トッパゴムを示す図であって(A)は平面図であり、
(B)は正面図である。
【図8】従来技術に係る防振装置を示す断面図である。
【図9】従来技術に係る防振装置を示す側面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 ブラケット 16 外筒金具 18 弾性体 22 ストッパゴム 24 内筒金具 26 アームブラケット 60 リバウンドストッパ金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 昌俊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れ且つ筒状に形成される外側部材と、 外側部材の内周側に位置した内側部材と、 一端側が内側部材の端部に固定されると共に他端側が振
    動発生部及び振動受部の他方に連結される取付部材と、 これら内側部材と外側部材との間に配置されて内側部材
    と外側部材とを弾性変形可能に連結する弾性体と、 外側部材側に設置されて取付部材の一端側と対向して位
    置すると共に取付部材と当接することで外側部材に対す
    る内側部材の相対移動を制限し得るストッパ部と、 少なくともストッパ部との当接部分を覆うように取付部
    材の一端側に圧入により被せられた弾性変形可能な弾性
    ストッパ部材と、 弾性ストッパ部材の取付部材への圧入部分の入り口にテ
    ーパ状に設けられたテーパ部と、 を有することを特徴とする防振装置。
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