JP3900945B2 - 流体封入式防振装置および流体封入式防振装置の製造方法 - Google Patents

流体封入式防振装置および流体封入式防振装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、自動車用のエンジンマウントやボデーマウント等として好適に採用され得る防振装置に関連する技術であって、特に、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式の防振装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、特開平9−257090号公報や特開平10−38016号公報等に記載されているように、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一取付金具を、防振連結される他方の部材に取り付けられる全体として略カップ形状を有する第二取付金具の開口部側に離隔配置すると共に、それら第一取付金具と第二取付金具を本体ゴム弾性体で連結せしめて第二取付金具の開口部を流体密に覆蓋することにより、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を第二取付金具内に形成する一方、第一取付金具と第二取付金具の開口部との間に跨がって広がるゴム弾性膜を本体ゴム弾性体の外方に離隔して配設し、本体ゴム弾性体を挟んで受圧室と反対側においてゴム弾性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた構造の流体封入式防振装置が、知られている。
【0003】
このような流体封入式防振装置は、第一取付金具と第二取付金具の間に略中心軸方向の振動が入力された際に本体ゴム弾性体の弾性変形に伴って受圧室に圧力変動が惹起されることにより、ゴム弾性膜の弾性変形によって容積変化が許容される平衡室と受圧室の相対的な圧力変動に基づいてオリフィス通路を通じての流体流動が生ぜしめられることとなり、以て、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて有効な防振効果を得ることができるのである。しかも、かかる流体封入式防振装置においては、第一取付金具と第二取付金具の対向面間に受圧室が形成されると共に、第一取付金具の外周部分に平衡室が形成されることから、第一取付金具と第二取付金具の中心軸方向での対向面間距離を小さく抑えることが可能となって、防振装置全体の中心軸方向におけるサイズのコンパクト化や、防振装置における弾性中心の低位置化などが図られ得るという利点があり、例えば自動車用のエンジンマウント等への適用が検討されている。
【0004】
ところで、かくの如き流体封入式防振装置においては、受圧室や平衡室に非圧縮性流体を封入するために、受圧室や平衡室を画成する各部材の組み付けを非圧縮性流体中に浸けた状態で行なって、それら受圧室や平衡室の形成と同時に非圧縮性流体を充填することが考えられる。具体的には、例えば前記公報に記載の従来構造とされた流体封入式防振装置においては、第二取付金具の開口部に対して、ゴム弾性膜の外周縁部に加硫接着された筒状のかしめ固定金具を流体密にかしめ固定すると共に、かかるかしめ固定部位において、本体ゴム弾性体の外周面に加硫接着された筒状乃至は環状の支持金具を挟圧固定せしめることにより、本体ゴム弾性体を挟んだ両側に受圧室と平衡室を形成する構造が採用されており、第二取付金具の組み付けとかしめ固定金具へのかしめ固定を非圧縮性流体中で行なうようにされる。
【0005】
ところが、このような非圧縮性流体中での組付方法においては、非圧縮性流体中でのかしめ加工が難しいという問題があり、またそれに加えて、ゴム弾性膜の剛性が非常に小さくて該ゴム弾性膜の外周縁部に加硫接着されたかしめ固定金具を、本体ゴム弾性体に加硫接着された支持金具や第二取付金具に対して相対的に位置決めすることが困難となってしまい、それら各金具の相対的な位置決めを非圧縮性流体中で行なう必要があることと相俟って、製造が難しく極めて面倒であるという問題を有していたのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、非圧縮性流体中での各構成部材の組み付けを良好な作業性をもって行なうことが可能となって、本体ゴム弾性体を挟んだ両側に受圧室と平衡室を形成すると同時にそれら両室に非圧縮性流体を充填することが出来る、製造が容易な新規な流体封入式防振装置を提供すること、および流体封入式防振装置の新規な製造方法を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
すなわち、流体封入式防振装置に関する本発明の第一の態様は、第一取付部材を、全体として略カップ形状を有する第二取付部材の開口部側に離隔配置すると共に、それら第一取付部材と第二取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて該第二取付部材の開口部を流体密に覆蓋することにより、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を該第二取付部材内に形成する一方、第一取付部材と第二取付部材の開口部との間に跨がって広がるゴム弾性膜を本体ゴム弾性体の外方に離隔して配設し、該本体ゴム弾性体を挟んで受圧室と反対側において該ゴム弾性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、前記本体ゴム弾性体の外周面に筒状乃至は環状の支持部材を加硫接着すると共に、前記ゴム弾性膜の外周縁部に外筒スリーブを加硫接着せしめ、該外筒スリーブを軸方向に延び出させて該支持部材の周囲を覆い、且つ該支持部材をこえて該本体ゴム弾性体から該ゴム弾性膜と反対側に向かって突出して開口するようにする一方、該外筒スリーブの開口部に底蓋部材を挿し入れて該外筒スリーブを前記非圧縮性流体中で縮径せしめ、該外筒スリーブの軸方向中間部分に該支持部材を嵌着固定すると共に、該外筒スリーブの開口部に該底蓋部材を嵌着固定せしめて該外筒スリーブの開口部を流体密に覆蓋することにより、該支持部材と該外筒スリーブおよび該底蓋部材を含んで前記第二取付部材を構成すると共に、該本体ゴム弾性体の軸方向両側において、該底蓋部材側に前記受圧室を、該ゴム弾性膜側に前記平衡室をそれぞれ形成して、それら両室に該非圧縮性流体を充填せしめたことを、特徴とする。
【0009】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、加硫接着されたゴム弾性膜の剛性が小さいために他部材に対する相対的な位置決めが難しい外筒スリーブを軸方向に比較的大型の部材として形成したことにより、非圧縮性流体中でも外筒スリーブの取扱いが容易とされて、外筒スリーブを支持部材や底蓋部材に対して相対位置決めすることも容易となる。そして、外筒スリーブに対して支持部材と底蓋部材をそれぞれ内挿位置せしめた状態で、非圧縮性流体中で外筒スリーブを縮径させるだけで、難しい非圧縮性流体中でのかしめ加工を必要とすることなく、受圧室と平衡室を形成すると同時にそれら両室に非圧縮性流体を充填することが可能となり、目的とする流体封入式防振装置を良好な作業性をもって容易に製造することが出来るのである。
【0010】
なお、本態様においては、外筒スリーブの支持部材や底蓋部材に対する嵌着部位には、シールゴムを介在せしめることが望ましく、そのようなシールゴムは、例えば、ゴム弾性膜を外筒スリーブの内周面まで延び出させて、外筒スリーブの略全体に薄肉のゴム層を形成して加硫接着せしめることによって有利に実現され得る。また、ゴム弾性膜の内周縁部は、第一取付部材に対して直接に加硫接着されていても良いが、例えば、ゴム弾性膜の内周縁部に固定部材を加硫接着せしめて、該固定部材を第一取付部材に対して圧入や溶着、かしめ等で後固定したり、第一取付部材を相互に後固着される二分割構造体で形成して、その一つの分割構造体に対して本体ゴム弾性体を加硫接着せしめる一方、もう一つの分割構造体に対してゴム弾性膜を加硫接着するようにしても良い。このようにゴム弾性膜と本体ゴム弾性体を別体加硫成形品で構成することにより、それぞれの加硫成形を容易に行なうことが出来ると共に、ゴム弾性膜と本体ゴム弾性体にそれぞれ要求される特性に応じて互いに異なるゴム材料を採用することも可能となる。
【0011】
また、流体封入式防振装置に関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式防振装置において、前記底蓋部材の中央部分に透孔を形成すると共に、該透孔を流体密に閉塞せしめるようにして可動ゴム板を配設し、更に該可動ゴム板の外方への膨出変形量を制限するカバー部材を該底蓋部材の外側に配設して、該カバー部材を前記外筒スリーブの開口部に対して外嵌固定せしめたことを、特徴とする。このような本態様においては、可動ゴム板の弾性変形による受圧室の圧力変動の吸収軽減作用に基づいて、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域での防振性能が向上され得ると共に、外筒スリーブの開口部に外嵌固定されたカバー部材により、外筒スリーブの底蓋部材への嵌着固定力の補強作用も期待され得る。
【0012】
また、流体封入式防振装置に関する本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る流体封入式防振装置において、前記支持部材と前記底蓋部材及び/又は前記外筒スリーブとの間でオリフィス部材を挟み込んで配設固定して、前記オリフィス通路を該オリフィス部材により前記第二取付部材の筒壁部に沿って周方向に延びるように形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、オリフィス通路の通路長さの設定自由度が大きく確保され得ると共に、そのようなオリフィス通路を形成するためのオリフィス部材を、支持部材や底蓋部材,外筒スリーブを利用して簡単な構造で容易に組み付けることが出来るのである。
【0013】
また、流体封入式防振装置の製造方法に関する本発明の第一の態様は、上述の如き本発明の何れかの態様に係る流体封入式防振装置を製造するに際して、(a)前記本体ゴム弾性体に対して前記第一取付部材と前記支持部材が加硫接着されると共に、前記外筒スリーブが外周縁部に加硫接着された前記ゴム弾性膜の内周縁部が該第一取付部材に固着せしめられ、該外筒スリーブが開口部側に向かって次第に拡開するテーパ形状とされた本体ゴム組立体を準備する工程と、(b)該本体ゴム組立体を前記非圧縮性流体中に浸けて、前記外筒スリーブにおいて前記支持部材をこえて該本体ゴム弾性体から前記ゴム弾性膜と反対側に向かって突出して開口する開口部に前記底蓋部材を挿し入れる工程と、(c)前記非圧縮性流体中で前記外筒スリーブを縮径せしめて、前記支持部材と前記底蓋部材に対して該外筒スリーブを外嵌固定することにより、該外筒スリーブの開口部を該底蓋部材で流体密に覆蓋せしめて、該本体ゴム弾性体の軸方向両側において、該底蓋部材側に前記受圧室を、該ゴム弾性膜側に前記平衡室をそれぞれ形成すると同時にそれら両室に該非圧縮性流体を充填する工程とを、含む流体封入式防振装置の製造方法を、特徴とする。
【0014】
このような本態様の製造方法に従えば、外筒スリーブがテーパ形状とされていることによって、外筒スリーブに対して底蓋部材を容易に挿し入れることが出来ると共に、外筒スリーブを八方絞り等の縮径加工するだけで、難しい非圧縮性流体中でのかしめ加工を必要とすることなく、受圧室と平衡室を形成すると同時にそれら両室に非圧縮性流体を充填することが出来るのであり、それ故、目的とする本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置を容易に製造することが可能となるのである。
【0015】
なお、外筒スリーブに縮径加工を施すに際しては、外筒スリーブに対して支持部材や底蓋部材を位置精度良く安定して嵌着固定するために、絞り用保持金具等によって、外筒スリーブに対して、例えば第一取付部材を相対固定することにより本体ゴム弾性体を介して支持部材や底蓋金具を位置決めしたり、或いは、それら支持部材や底蓋金具を直接的に相対固定して位置決めすることが望ましい。また、外筒スリーブは、少なくとも底蓋部材が嵌着される開口部が該底蓋金具よりも大径となるようなテーパが付されていれば良く、必ずしもその軸方向全長に亘ってテーパ形状とする必要はない。
【0016】
また、流体封入式防振装置の製造方法に関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る本発明方法であって、前記本体ゴム組立体において、前記外筒スリーブの内径寸法を前記支持部材の外径寸法よりも大径として該支持部材の外周側に離隔位置せしめると共に、前記非圧縮性流体中で該外筒スリーブを縮径することによって、該外筒スリーブの開口部を前記底蓋部材に外嵌固定せしめると同時に、該外筒スリーブの軸方向中間部分を該支持部材に外嵌固定せしめることを、特徴とする。このような本態様の製造方法に従えば、外筒スリーブに対する支持部材や底蓋部材の嵌着固定を一層容易に且つ速やかに行なうことが可能となる。なお、支持部材や底蓋部材は、外筒スリーブに嵌着固定するに際して、互いに直接に、或いは他部材を介して間接的に相対位置決めされることが望ましい。
【0017】
また、流体封入式防振装置の製造方法に関する本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る本発明方法において、前記本体ゴム組立体を略鉛直上方に向かって前記外筒スリーブが開口する状態で前記非圧縮性流体中に浸けて、前記底蓋部材を該外筒スリーブに対して略鉛直上方から挿し入れることを、特徴とする。このような本態様の製造方法に従えば、非圧縮性流体中で外筒スリーブ内に形成された領域が鉛直上方に向かって開口する状態とされることから、かかる領域内の空気が効率的に排出され得て、受圧室や平衡室へのエアの残留がより効果的に防止され得る。
【0018】
また、流体封入式防振装置の製造方法に関する本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る本発明方法に従って、前述の如き本発明の第三の態様に係る流体封入式防振装置を製造するに際して、前記底蓋部材を前記非圧縮性流体中に浸ける前に、予め該底蓋部材に前記オリフィス部材を組み付けることを、特徴とする。このような本態様の製造方法に従えば、製造作業性を大幅に低下させることなく、オリフィス部材を備えた流体封入式防振装置を得ることが出来る。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0020】
先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が、示されている。このエンジンマウント10は、第一取付部材としての第一取付金具12と第二取付部材としての第二取付金具14が離隔配置されて、それら第一取付金具12と第二取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造を有しており、第一取付金具12が自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二取付金具14が自動車のボデーに取り付けられることによって、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
【0021】
より詳細には、第一取付金具12は、逆向きの略円錐台形状を有しており、その大径側端部には、軸方向上方に向かって突出する嵌合突部18が一体形成されている。この嵌合突部18は、円形外周面を備えており、突出先端部分の外周面には二面幅が形成されている。また、第一取付金具12には、嵌合突部18の突出先端面に開口して中心軸方向に延びるねじ穴20が形成されており、このねじ穴20に植込ボルト22が螺着されることにより植込ボルト22が軸方向上方に突設されている。また一方、第一取付金具12の小径側端部には、軸方向下方に向かって突出する支持軸24が一体形成されており、この支持軸24の先端部に対して、軸直角方向に広がる略傘形状の傘金具26がかしめ固定されている。
【0022】
また、この第一取付金具12には、本体ゴム弾性体16が加硫接着されている。本体ゴム弾性体16は、全体として略円錐台形状を有しており、その小径側端面から第一取付金具12が中心軸上に挿し込まれた状態で配設されている。また、本体ゴム弾性体16には、大径側端面に開口する大径の凹所28が形成されており、この大径凹所28の上底面中央において、第一取付金具12の支持軸24が突設されており、支持軸24によって支持された傘金具26が、大径凹所28内に位置せしめられている。
【0023】
更にまた、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、第二取付金具14の一部を構成する支持部材としての円筒形状を有する外周筒金具30が加硫接着されている。かかる外周筒金具30の上側開口縁部には、径方向外方に向かって広がる円環形の外向きのフランジ状部32が一体形成されている。なお、このフランジ状部32には、径方向外方に向かって開口する切欠状の開口窓34が、周方向で略等間隔に複数個(本実施形態では、合計3個)形成されており、フランジ状部32は、実質的に、それら開口窓34が形成されていない部分だけに残存する状態となっている。また一方、外周筒金具30の下側開口縁部には、径方向内方に向かって広がる円環形の内向きのフランジ状部36が一体形成されている。なお、このフランジ状部36の軸方向下面には、本体ゴム弾性体16と一体形成されて下方に突出するシールゴム38が、周方向全周に亘って延びる状態で加硫接着されている。
【0024】
要するに、本体ゴム弾性体16には、中心軸上に第一取付金具12が貫通配置せしめられて加硫接着されていると共に、外周面上に外周筒金具30が重ね合わせられて加硫接着されており、本体ゴム弾性体16が、それら第一取付金具12と外周筒金具30を備えた一体加硫成形品40として形成されているのである。また、上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、第二取付金具の開口部を構成する外周筒金具30の上側開口部が、本体ゴム弾性体16によって流体密に覆蓋されている。
【0025】
さらに、第一取付金具12には、ゴム弾性膜としてのダイヤフラム42が組み付けられて本体ゴム弾性体16の上方外面を覆うようにして配設されている。このダイヤフラム42は、変形容易な薄肉のゴム膜によって形成されており、変形し易いように十分な弛みを持たせた全体として略円環板形状を有していると共に、内周縁部には、略円環形状を有する内周嵌着金具44が加硫接着されている。そして、内周嵌着金具44に対して第一取付金具12の嵌合突部18が圧入されることにより、第一取付金具12に対してダイヤフラム42の内周縁部が流体密に固着されており、以て、ダイヤフラム42が、本体ゴム弾性体16の上面を全体に亘って覆うようにして独立して配設されている。
【0026】
また、ダイヤフラム42の外周縁部には、第二取付金具14の一部を構成する外筒スリーブとしてのアウタ筒金具46が加硫接着されている。このアウタ筒金具46は、上述の本体ゴム弾性体16に加硫接着された外周筒金具30よりも大径の円筒形状とされており、且つ外周筒金具30の外周側に配設されて、該外周筒金具30の軸方向両端部から更に軸方向上方および下方に向かってそれぞれ大きく延び出す軸方向長さとされている。そして、ダイヤフラム42の外周縁部が、アウタ筒金具46の上端開口縁部に対して加硫接着されており、アウタ筒金具46がダイヤフラム42の外周縁部から軸方向下方に向かって延び出して配設されている。これにより、ダイヤフラム42が、第一取付金具12(嵌合突部18)の上端部分とアウタ筒金具46の上側開口部の間に跨って広がる状態で配設されている。また、アウタ筒金具46の内周面には、ダイヤフラム42と一体形成された薄肉のシールゴム48が、アウタ筒金具46の内周面の略全面を覆うようにして加硫接着されている。
【0027】
而して、アウタ筒金具46は、その軸方向中間部分において、収容状態で配設された外周筒金具30の外向きのフランジ状部32が、開口窓34の形成されていない部分の外周縁部において嵌合固定されている。なお、本実施形態では、このようにして第一取付金具12と外周筒金具30を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品40に、内周嵌着金具44やアウタ筒金具46を加硫接着したダイヤフラム42が組み付けられることにより、本体ゴム組立体45が構成されている。
【0028】
また、アウタ筒金具46の下端部分が、外周筒金具30の下方において軸方向下方に延び出して開口せしめられており、該外周筒金具30の開口部としての下側開口部に対して、底蓋部材としての蓋金具50が組み付けられている。かかる蓋金具50は、浅底の有底円筒形状を有しており、中央部分には内外に貫通する透孔52が形成されている。また、透孔52には、可動ゴム板としての所定厚さで広がる円板形状の弾性ゴム板54が配設されており、該弾性ゴム板54の外周縁部が、蓋金具50における透孔52の外周縁部に対して加硫接着されることによって、かかる透孔52が弾性ゴム板54で流体密に閉塞されている。即ち、弾性ゴム板54は、その外周縁部を固定的に支持されて展張状態で透孔52に配設されており、それ自体の弾性に基づいて初期の展張状態への復元力を有していると共に、表裏面に及ぼされる圧力差に基づいて弾性変形が許容されるようになっている。また、蓋金具50の底壁部には、弾性ゴム板54と一体形成された薄肉のシールゴム56が、内外周面の略全体を覆うようにして加硫接着されている。
【0029】
また、蓋金具50の内部には、オリフィス部材としてのオリフィス金具58が組み付けられている。このオリフィス金具58は、全体として略円板形状を呈しており、その外周縁部が屈曲されることにより、下方に開口して周方向の全周に亘って延びる周溝60が形成されている。そして、オリフィス金具58は、蓋金具50の筒壁部に対して圧入されることにより、蓋金具50に固定的に組み付けられている。また、オリフィス金具58の中央部分には、内外に貫通する複数の流通孔62が形成されており、これら流通孔62によって、オリフィス金具58と蓋金具50の組付状態における弾性ゴム板54の上方への弾性変形量が、オリフィス金具58の底壁部で制限されつつ許容されるようになっている。
【0030】
そして、オリフィス金具58が組み付けられた蓋金具50が、アウタ筒金具46の下側開口部から該アウタ筒金具46の筒壁部に圧入や後述する絞り加工等で嵌着固定されることにより、アウタ筒金具46、ひいては本体ゴム弾性体16やダイヤフラム42を含んで構成される本体ゴム組立体45に組み付けられている。これにより、アウタ筒金具46の下側開口部が、蓋金具50によって流体密に覆蓋されている。また、上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、本体ゴム弾性体16で第一取付金具12と連結される第二取付金具14が、外周筒金具30やアウタ筒金具46、蓋金具50を含んで構成されている。
【0031】
また、このようにしてオリフィス金具58が組み付けられた蓋金具50が、上述の如き本体ゴム組立体45に組み付けられて、アウタ筒金具46の下側開口部を流体密に覆蓋せしめることにより、本体ゴム弾性体16と蓋金具50の対向面間には、非圧縮性流体が封入された受圧室64が形成されている。かかる受圧室64は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、第一取付金具12と第二取付金具14の間への振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて振動が入力されて圧力変動が生ぜしめられるようになっている。
【0032】
更にまた、上述の如くして、本体ゴム組立体45が形成されると共に、蓋金具50が本体ゴム組立体45に組み付けられることにより、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム42が、それぞれの内周縁部と外周縁部において互いに流体密に組み合わされており、それによって、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム42の対向面間には、非圧縮性流体が封入された平衡室66が形成されている。この平衡室66は、壁部の一部が変形容易なダイヤフラム42で構成されており、該ダイヤフラム42の弾性変形に基づいて容易に容積変化が許容されるようになっている。なお、受圧室64や平衡室66に封入される非圧縮性流体としては、第二取付金具14内を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振効果を自動車用エンジンマウント10に要求される振動周波数域で効率的に得るために、一般に、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体を用いることが望ましく、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油などが好適に採用される。
【0033】
また、受圧室64は、壁部の別の一部が弾性ゴム板54で構成されており、第一取付金具12と第二取付金具14の間への振動入力に伴って該受圧室64に圧力変動が惹起された際に、弾性ゴム板54の弾性変形に基づいて受圧室64内の圧力変動が軽減乃至は吸収されるようになっている。なお、本実施形態では、アイドリング振動や低速こもり音等の中乃至高周波振動に対して有効な防振効果(振動絶縁効果)を得るために、弾性ゴム板54の剛性や流通孔62の断面積等がチューニングされるようになっている。
【0034】
更にまた、受圧室64には、傘金具26の外周縁部と本体ゴム弾性体16の凹所28内面との対向面間において、全体として環状の狭窄流路68が形成されており、振動入力時に第一取付金具12と第二取付金具14が相対変位されることに伴って傘金具26が受圧室64で変位せしめられることにより、狭窄流路68を通じての流体流動が生ぜしめられて、かかる流体の共振作用に基づく所定の防振効果(振動絶縁効果)が発揮されるようになっている。なお、本実施形態では、狭窄流路68が、例えばその内部を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、弾性ゴム板54の弾性変形に基づく防振効果が発揮される振動周波数域とは異なる周波数域の振動に対して、具体的には中〜高速こもり音等の高周波振動に対して低動ばね作用に基づく防振効果が発揮されるように、かかる狭窄流路68の断面積や長さ等が調節されている。
【0035】
また、上述の如き本体ゴム組立体45とオリフィス金具58および蓋金具50の組み付け状態において、外周筒金具30のフランジ状部32がダイヤフラム42と一体形成されるシールゴム48を介してアウタ筒金具46に流体密に嵌着固定されると共に、外周筒金具30のフランジ状部36とオリフィス金具58の上壁部分が、本体ゴム弾性体16と一体形成されるシールゴム38を介して流体密に重ね合わされることにより、外周筒金具30とアウタ筒金具46の軸直角方向対向面間には、周方向の全周に亘って延び、且つ外周筒金具30(フランジ状部32)の開口窓34を通じて平衡室66に接続される環状の流体流路70が形成されている。
【0036】
さらに、オリフィス金具58の底壁部は、その外周部分が弾性ゴム板54と一体形成されるシールゴム56を挟んで蓋金具50の底壁部に対して流体密に当接されており、以て、オリフィス金具58の周溝60が流体密に覆蓋されてオリフィス通路72が形成されているのであり、かかるオリフィス通路72の一方の端部が、周溝60の内側周壁部に設けられた連通孔74を通じて受圧室64に連通されていると共に、オリフィス通路72の他方の端部が、周溝60の上底壁部に設けられた連通孔76を通じて流体流路70に接続されており、更には該流体流路70と接続される外周筒金具30の開口窓34を通じて平衡室66に連通されている。
【0037】
そして、このように受圧室64と平衡室66がオリフィス通路72で連通されていることにより、振動入力時に受圧室64と平衡室66の間に惹起される相対的な圧力差に基づいてオリフィス通路72を通じての流体流動が生ぜしめられることとなり、その結果、かかる流体の共振作用に基づいて入力振動に対して有効な防振効果(減衰効果)が発揮されることとなる。特に、オリフィス通路72は、前述の如き狭窄流路68や弾性ゴム板54による防振効果が発揮される振動周波数域よりも低周波数域の振動に対して防振効果が発揮されるようにチューニングされることが望ましく、本実施形態では、例えばエンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して流体の共振作用に基づく防振効果が発揮されるように、オリフィス通路72の通路断面積や長さ等が調節されている。
【0038】
また、第二取付金具14の底部側、換言すれば弾性ゴム板54を配設した蓋金具50の外側には、浅底の有底円筒形状を有するカバー部材としての保護金具78が組み付けられている。かかる保護金具78は、蓋金具50の外側から組み付けられて、蓋金具50に重ね合わされて配設されており、該保護金具78の筒壁部がアウタ筒金具46の開口部に外嵌固定されている。更にまた、この保護金具78の中央部分には、内外に貫通する複数の空気通孔80が形成されている。これにより、保護金具78は、弾性ゴム板54の自由変形を許容しつつ、弾性ゴム板54の外方への過大な膨出変形を阻止するようになっている。また、本実施形態では、前述の如くして、本体ゴム組立体45に蓋金具50やオリフィス金具58、保護金具78が組み付けられることにより、自動車用エンジンマウント10が構成されている。
【0039】
さらに、このようなエンジンマウント10は、車両への装着に伴い、第一取付金具12にストッパ金具82が組み付けられると共に、第二取付金具14に筒形ブラケット84が組み付けられている。ストッパ金具82は、略円板形状を有しており、中央に貫設された嵌着孔86に対して第一取付金具12の嵌合突部18が圧入されることによって第一取付金具12に固着されて、第一取付金具12の上端部から軸直角方向外方に広がって配設されている。また、ストッパ金具82の外周縁部には、緩衝ゴム88が加硫接着されて下方に向かって突出せしめられている。更に、自動車のパワーユニット(図示せず)が、ストッパ金具82の中央部上面に重ね合わされるようにして載置せしめられて、植込ボルト22で締結されることにより、第一取付金具12がパワーユニットに対して固定的に取り付けられている。
【0040】
また一方、筒形ブラケット84は、大径円筒形状の筒壁部90を備えており、この筒壁部90に対してアウタ筒金具46、ひいては第二取付金具14が圧入固定されて組み付けられている。また、筒形ブラケット84の軸方向下側の開口部には、軸直角方向外方に向かって広がるフランジ状部92が一体形成されており、図面に明示されていないが、このフランジ状部92が自動車のボデーに載置されて、フランジ状部92の取付孔94に挿通されるボルト等によって固定されることにより、第二取付金具14が筒形ブラケット84を介して、ボデーに対して固定的に取り付けられるようになっている。更にまた、筒形ブラケット84の軸方向上側の開口部には、軸直角方向内方に向かって突出する環状の当接部96が一体形成されており、第一取付金具12に固設されたストッパ金具82の外周縁部に対して軸方向に離隔して対向配置されている。そして、第一取付金具12と第二取付金具14が接近せしめられるバウンド方向の過大な振動荷重の入力時に、ストッパ金具82が緩衝ゴム88を介して当接部96に当接されることにより、本体ゴム弾性体16の変形量を制限するストッパ機構が構成されている。なお、かかるマウント10の車両装着状態では、第一取付金具12と第二取付金具14の間にパワーユニットの分担荷重が及ぼされることにより、静的荷重においても本体ゴム弾性体16が所定量だけ弾性変形されることとなる。
【0041】
このような構造とされたエンジンマウント10にあっては、振動入力時において受圧室64と平衡室66の間でオリフィス通路72を通じての流体流動が有効に生ぜしめられて、かかる流体の共振作用に基づいてシェイク等の低周波大振幅振動に対する有効な減衰効果が発揮され得ると共に、高周波小振幅の振動入力時には、弾性ゴム板54の弾性変形に伴う流通孔62を通じての実質的な流体流動に基づいて、受圧室64の圧力変動が軽減乃至は吸収されて、低動ばね化による振動絶縁効果が有利に発揮され得る。また、より高周波数域の振動入力に対しても、受圧室64の狭窄流路68を通じての流体流動に基づいて、有効な振動絶縁効果が発揮され得るのである。
【0042】
また、上述の如き構造とされたエンジンマウント10は、例えば、以下の工程に従って製造される。
【0043】
先ず、第一取付金具12および外周筒金具30を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品40と、内周嵌着金具44およびアウタ筒金具46を備えたダイヤフラム42の一体加硫成形品を、それぞれ、別体形成すると共に、大気中で、内周嵌着金具44に第一取付金具12の嵌合突部18を圧入して、第一取付金具12に対してダイヤフラム42の内周縁部を流体密に固着させることにより、ダイヤフラム42を本体ゴム弾性体16の外方に位置せしめ、且つ本体ゴム弾性体16の上面を全体に亘って覆うようにして配設位置する本体ゴム組立体45を形成,準備する(図2参照)。
【0044】
また、上述の如き本体ゴム組立体45の形成に際し、アウタ筒金具46は、図3にも示されているように、その内径寸法を外周筒金具30の外径寸法よりも十分に大径として外周筒金具30の外周側に離隔配置する。
【0045】
そこにおいて、図2にも示されているように、予めアウタ筒金具46の成形に際して、アウタ筒金具46には、開口部側に向かって次第に拡開するテーパを付している。このテーパの本体ゴム組立体45の中心軸に対する傾斜角度は、特に限定されるものでなく、アウタ筒金具46と蓋金具50における軸方向長さや径寸法の比率等を考慮して適宜に設定,変更され得るが、本実施形態では、テーパの傾斜角度:A(度)を、望ましくは、3≦A≦20、より望ましくは、5≦A≦10に設定している。蓋し、後述する蓋金具50のアウタ筒金具46への嵌め込み作業において、テーパの傾斜角度:Aが3度以下であると、蓋金具50の外周縁部がアウタ筒金具46の開口部に当接され易くなって、組付作業性の低下が惹起される一方、テーパの傾斜角度:Aが20度以上であると、蓋金具50のアウタ筒金具46への位置決めが難しくなると共に、後述するアウタ筒金具46の絞り加工用装置が大型化される等の問題が発生するからである。
【0046】
また、かかる本体ゴム組立体45を準備すると共に、蓋金具50を、後述の非圧縮性流体中に浸ける前、換言すれば本体ゴム組立体45に非圧縮性流体中で組み付ける前に、大気中で、オリフィス金具58を蓋金具50の筒壁部に圧入して、予め蓋金具50にオリフィス金具58を固定的に組み付けておく。
【0047】
上述の工程の後、本体ゴム組立体45を、略鉛直上方に向かってアウタ筒金具46が開口する状態(図2に示される状態)で非圧縮性流体中に浸けると共に、オリフィス金具58を組み付けた蓋金具50を、略鉛直下方に向かって開口する状態(図2に示される状態)でアウタ筒金具46の開口部に略鉛直上方から挿し入れて、かかる挿入方向に押圧力を及ぼした状態で保持することにより、図4にも示されるように、外周筒金具30のフランジ状部36にオリフィス金具58の外周部分を載置した状態で、これら本体ゴム組立体45や蓋金具50、オリフィス金具58を非圧縮性流体に浸漬,保持する。また、このように外周筒金具30にオリフィス金具58を載置した状態で保持することにより、オリフィス金具58および蓋金具50の本体ゴム組立体45に対する組み付け位置の位置決めを行う。
【0048】
そして、八方絞り等の縮径加工が可能な公知の絞り加工用装置(図示せず)を用いて、外周筒金具30にオリフィス金具58を載置した状態で、非圧縮性流体中でアウタ筒金具46に対して絞り加工をして、該アウタ筒金具46を縮径することにより、アウタ筒金具46の開口部を蓋金具50の筒壁部に外嵌固定すると共に、アウタ筒金具46の軸方向中間部分を外周筒金具30(フランジ状部32)に外嵌固定する。これにより、アウタ筒金具46の開口部を蓋金具50で流体密に覆蓋させて、本体ゴム弾性体16を挟んだ上下両側に受圧室64と平衡室66を、それぞれ、形成すると共に、それら両室64,66に非圧縮性流体を充填する。而して、大気中で、図1に示される如き保護金具78の筒壁部を蓋金具50の外側からアウタ筒金具46の開口部に外嵌固定して、保護金具78を蓋金具50に重ね合わせて配設することによって、本実施形態の自動車用エンジンマウント10が実現される。
【0049】
従って、上述の如きエンジンマウント10の製造方法に従えば、アウタ筒金具46に八方絞り等の縮径加工することにより、難しい非圧縮性流体中でのかしめ固定を必要とせずに、蓋金具50およびオリフィス金具58をアウタ筒金具46に対して簡単な構造で容易に固定することが出来ると共に、非圧縮性流体が受圧室64および平衡室66に容易に且つ確実に充填され得るのであり、それ故、目的とするエンジンマウント10を安定して且つ優れた製作性をもって製造することが可能となるのである。
【0050】
更にまた、本実施形態の製造方法に従えば、蓋金具50を非圧縮性流体中に浸ける前に、予め蓋金具50にオリフィス金具58を組み付けることにより、製作性の更なる向上が図られ得る。
【0051】
さらに、本実施形態の製造方法に従えば、本体ゴム組立体45を略鉛直上方に向かってアウタ筒金具46が開口する状態で非圧縮性流体中に浸けると共に、オリフィス金具58を組み付けた蓋金具50をアウタ筒金具46に対して略鉛直上方から挿し入れることにより、非圧縮性流体中でアウタ筒金具46内に形成された領域内の空気が効率的に排出されることとなり、それによって、受圧室64や平衡室66へのエアの残留がより効果的に抑えられる。
【0052】
また、本実施形態では、かかるエンジンマウント10の製造に際して、アウタ筒金具46が、テーパ形状とされていると共に、その内径寸法を外周筒金具30の外径寸法よりも十分に大径として外周筒金具30の外周側に離隔配置されていることにより、アウタ筒金具46に対して蓋金具50を容易に挿し入れることが出来、それによって、組付性が一層向上され得る。
【0053】
次に、図5には、本発明の別の実施形態としての自動車用エンジンマウントの要部が示されている。即ち、本実施形態は、前記実施形態における第一取付金具12の別の実施形態を例示するものであることから、以下の実施形態において前記実施形態と実質的に同様な構造とされた部材および部位については、図中および以下の説明中に、前記実施形態と同一の符号を付し或いは用いることにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0054】
詳細には、本実施形態の第一取付金具98は、本体ゴムインナ金具100およびダイヤフラムインナ金具102を含んで構成されている。本体ゴムインナ金具100は、略逆円錐台形状を有しており、該本体ゴムインナ金具100の中心軸上には、略一定の内径寸法で軸方向にストレートに延びる固定用孔104が形成されている。また、固定用孔104の軸方向上側部分には、上端開口部に向かって拡開するすり鉢状の内周面を備えた嵌合凹部106が形成されている。そして、本体ゴムインナ金具100は、外周筒金具30のフランジ状部32側に離隔して外周筒金具30と略同一中心軸上で離隔配置されていると共に、本体ゴム弾性体16の略中央部分に軸方向に貫通配置されて加硫接着されている。これによって、本実施形態の本体ゴム弾性体16は、かかる本体ゴムインナ金具100および外周筒金具30を備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0055】
また、ダイヤフラムインナ金具102は、軸直角方向に拡がる円板状部108を有していると共に、該円板状部108の軸方向上側には、中心軸上にねじ穴20を備えたナット構造のボス状突部110が一体形成されている。また、円板状部108の軸方向下側には、ロッド状の固定用軸部112が一体形成されている。また、固定用軸部112には、下端面から中心軸上に延びる肉抜き穴114が所定深さで形成されており、それによって、固定用軸部112の下端部が円筒形状のかしめ部116とされている。更にまた、これら円板状部108と固定用軸部112の軸方向中間部分には、軸方向上側に向かって次第に大径化される逆テーパ状の外周面を備えた嵌合凸部118が形成されている。そして、ダイヤフラムインナ金具102は、アウタ筒金具46の上側開口部側に離隔してアウタ筒金具46と略同一中心軸上で離隔配置されていると共に、円板状部108の外周縁部がダイヤフラム42の内周縁部に加硫接着されている。これによって、本実施形態のダイヤフラム42は、かかるダイヤフラムインナ金具102およびアウタ筒金具46を備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0056】
而して、ダイヤフラム42の一体加硫成形品が、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対して上方から重ね合わされて組み付けられて、ダイヤフラムインナ金具102が本体ゴムインナ金具100に固着されており、以て、ダイヤフラム42が、本体ゴム弾性体16の径方向外方に離隔して、本体ゴム弾性体16の外周面を全体に亘って覆うようにして配設されている。
【0057】
すなわち、本実施形態では、ダイヤフラムインナ金具102の円板状部108が本体ゴム弾性体16の上端面に密接状態で載置されており、ダイヤフラムインナ金具102の固定用軸部112および嵌合凸部118が本体ゴムインナ金具100の固定用孔104および嵌合凹部106に内挿されて位置合わせされていることにより、ダイヤフラムインナ金具102が本体ゴムインナ金具100に対して軸直角方向で相互に位置決めされている。
【0058】
また、ダイヤフラムインナ金具102の固定用軸部112が、本体ゴムインナ金具100の固定用孔104に圧入されると共に、ダイヤフラムインナ金具102のかしめ部116の先端が、本体ゴムインナ金具100の小径側端面から軸方向下方に突出して拡径方向にかしめられることにより、本体ゴムインナ金具100とダイヤフラムインナ金具102が相互に固定されて、本実施形態の第一取付金具98が構成されている。なお、本実施形態において、これら本体ゴムインナ金具100とダイヤフラムインナ金具102の組み付け作業は、大気中で実現される。
【0059】
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウントにおいては、本体ゴムインナ金具100とダイヤフラムインナ金具102からなる第一取付金具98を採用したことにより、ダイヤフラムインナ金具102に本体ゴムインナ金具100に嵌着固定するための貫通孔が形成されないことから、それら両インナ金具100,102の重ね合わせ面が外部空間に面することなく、かかる重ね合わせ面の端縁部も受圧室64および平衡室66の内部に止まる構造とされるのであり、それ故、それら両インナ金具100,102の重ね合わせ部位におけるシール性が向上され得て、極めて高度な流体密性が容易に実現され得るのである。
【0060】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、これらの実施形態における具体的な説明によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0061】
例えば、前記実施形態では、蓋金具50に弾性ゴム板54が配設されていたが、かかる弾性ゴム板54は、マウントの要求される防振特性や製作性などを考慮して適宜に配設されるものであり、マウントの必須部材でない。
【0062】
また、オリフィス金具58の具体的な構造や形状などは、特に限定されるものでなく、例えば、オリフィス金具を、外周筒金具30に外挿配置させたり、或いはダイヤフラム42の外周縁部に加硫接着されるアウタ筒金具46に挿し入れて組み付けたり等する構造を採用することも可能である。
【0063】
また、前記実施形態におけるエンジンマウントの一製造工程では、蓋金具50を非圧縮性流体中に浸けて本体ゴム組立体45に組み付けることに先立って、大気中で、蓋金具50にオリフィス金具58を組み付けていたが、これに限定されるものでなく、例えば、非圧縮性流体中で、これら蓋金具50とオリフィス金具58を、それぞれ、別々に本体ゴム組立体45に組み付けることも可能である。
【0064】
加えて、本発明は、例示の自動車用エンジンマウントの他、自動車用ボデーマウントやメンバマウント等、或いは自動車以外に用いられる各種の流体封入式マウントおよび該流体封入式マウントの製造方法に対して適用され得ることは、勿論である。
【0065】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、外筒スリーブが支持部材の周囲を覆うほどの大きな軸方向長さをもって形成されていることによって、外筒スリーブの取扱い容易とされて非圧縮性流体中での外筒スリーブの支持部材や底蓋部材に対する位置決め作業を高精度で且つ容易に行なうことが出来ると共に、かしめ加工を要することなく受圧室や平衡室が形成され得ることから、受圧室や平衡室の形成と非圧縮性流体の充填を容易に行なうことが出来、以て、製造の安定性および作業性の向上と、製品の品質安定性および信頼性の向上が、何れも有利に実現され得るのである。
【0067】
また、本発明方法に従えば、外筒スリーブに底蓋部材およびオリフィス部材を内挿位置させた状態で、非圧縮性流体中で外筒スリーブを縮径することにより、底蓋部材とオリフィス部材を外筒スリーブに対して簡単な構造で容易に固定することが出来ると共に、難しい非圧縮性流体中でのかしめ加工を必要とせずに、受圧室および平衡室に非圧縮性流体を容易に充填することが可能となるのであり、その結果、目的とする防振装置の製作性が有利に向上され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示された自動車用エンジンマウントを本発明方法に従って製造する場合の一製造工程を説明するための縦断面説明図である。
【図3】図2における本体ゴム組立体を示す平面説明図である。
【図4】図1に示された自動車用エンジンマウントを本発明方法に従って製造する場合の一製造工程を説明するための縦断面説明図である。
【図5】本発明の別の実施形態としての自動車用エンジンマウントの要部を拡大して示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一取付金具
14 第二取付金具
16 本体ゴム弾性体
30 外周筒金具
42 ダイヤフラム
46 アウタ筒金具
50 蓋金具
64 受圧室
66 平衡室
72 オリフィス通路

Claims (7)

  1. 第一取付部材を、全体として略カップ形状を有する第二取付部材の開口部側に離隔配置すると共に、それら第一取付部材と第二取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて該第二取付部材の開口部を流体密に覆蓋することにより、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室を該第二取付部材内に形成する一方、第一取付部材と第二取付部材の開口部との間に跨がって広がるゴム弾性膜を本体ゴム弾性体の外方に離隔して配設し、該本体ゴム弾性体を挟んで受圧室と反対側において該ゴム弾性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、
    前記本体ゴム弾性体の外周面に筒状乃至は環状の支持部材を加硫接着すると共に、前記ゴム弾性膜の外周縁部に外筒スリーブを加硫接着せしめ、該外筒スリーブを軸方向に延び出させて該支持部材の周囲を覆い、且つ該支持部材をこえて該本体ゴム弾性体から該ゴム弾性膜と反対側に向かって突出して開口するようにする一方、該外筒スリーブの開口部に底蓋部材を挿し入れて該外筒スリーブを前記非圧縮性流体中で縮径せしめ、該外筒スリーブの軸方向中間部分に該支持部材を嵌着固定すると共に、該外筒スリーブの開口部に該底蓋部材を嵌着固定せしめて該外筒スリーブの開口部を流体密に覆蓋することにより、該支持部材と該外筒スリーブおよび該底蓋部材を含んで前記第二取付部材を構成すると共に、該本体ゴム弾性体の軸方向両側において、該底蓋部材側に前記受圧室を、該ゴム弾性膜側に前記平衡室をそれぞれ形成して、それら両室に該非圧縮性流体を充填せしめたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記底蓋部材の中央部分に透孔を形成すると共に、該透孔を流体密に閉塞せしめるようにして可動ゴム板を配設し、更に該可動ゴム板の外方への膨出変形量を制限するカバー部材を該底蓋部材の外側に配設して、該カバー部材を前記外筒スリーブの開口部に対して外嵌固定せしめた請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記支持部材と前記底蓋部材及び/又は前記外筒スリーブとの間でオリフィス部材を挟み込んで配設固定して、前記オリフィス通路を該オリフィス部材により前記第二取付部材の筒壁部に沿って周方向に延びるように形成した請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置を製造するに際して、
    前記本体ゴム弾性体に対して前記第一取付部材と前記支持部材が加硫接着されると共に、前記外筒スリーブが外周縁部に加硫接着された前記ゴム弾性膜の内周縁部が該第一取付部材に固着せしめられ、該外筒スリーブが開口部側に向かって次第に拡開するテーパ形状とされた本体ゴム組立体を準備する工程と、
    該本体ゴム組立体を前記非圧縮性流体中に浸けて、前記外筒スリーブにおいて前記支持部材をこえて該本体ゴム弾性体から前記ゴム弾性膜と反対側に向かって突出して開口する開口部に前記底蓋部材を挿し入れる工程と、
    前記非圧縮性流体中で前記外筒スリーブを縮径せしめて、前記支持部材と前記底蓋部材に対して該外筒スリーブを外嵌固定することにより、該外筒スリーブの開口部を該底蓋部材で流体密に覆蓋せしめて、該本体ゴム弾性体の軸方向両側において、該底蓋部材側に前記受圧室を、該ゴム弾性膜側に前記平衡室をそれぞれ形成すると同時にそれら両室に該非圧縮性流体を充填する工程とを、
    含むことを特徴とする流体封入式防振装置の製造方法
  5. 前記本体ゴム組立体において、前記外筒スリーブの内径寸法を前記支持部材の外径寸法よりも大径として該支持部材の外周側に離隔位置せしめると共に、前記非圧縮性流体中で該外筒スリーブを縮径することによって、該外筒スリーブの開口部を前記底蓋部材に外嵌固定せしめると同時に、該外筒スリーブの軸方向中間部分を該支持部材に外嵌固定せしめるようにした請求項4に記載の流体封入式防振装置の製造方法。
  6. 前記本体ゴム組立体を略鉛直上方に向かって前記外筒スリーブが開口する状態で前記非圧縮性流体中に浸けて、前記底蓋部材を該外筒スリーブに対して略鉛直上方から挿し入れる請求項4又は5に記載の流体封入式防振装置の製造方法。
  7. 請求項3に記載の流体封入式防振装置を製造するに際して、前記底蓋部材を前記非圧縮性流体中に浸ける前に、予め該底蓋部材に前記オリフィス部材を組み付ける請求項4乃至6の何れかに記載の流体封入式防振装置の製造方法。
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