JP3968311B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱コイル及びインバータ回路を用いて被加熱物を誘導加熱する誘導加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱調理器においては、その加熱出力を被加熱物の温度に基づいてフィードバック制御することが行われており、この場合には、被加熱物の温度を検知するためにサーミスタなどの温度センサが利用される。但し、誘導加熱調理器にあっては、その清掃性の向上やデザイン性を考慮して所謂スムーストップ仕様とされるのが一般的であり、このため、温度センサは、トッププレートの下面にこれと伝熱的に配置され、以てトッププレート上に載置された被加熱物の温度を当該トッププレートを介して検知する形態とされる。ところが、トッププレートは、一般的に4mm程度の板厚の耐熱強化ガラス製であって熱伝導性が悪いため、被加熱物の温度検知を精度良く行うことができないという背景があり、これが調理性能に悪影響を及ぼすという事情があった。
【0003】
このような事情に対処するために、従来では、トッププレートの下面に温度センサを配置した誘導加熱調理器において、トッププレート上に載置された鍋内の水の沸騰状態を、温度センサにより検知された温度勾配と加熱動作開始後の経過時間とに基づいて判別するようにしたものが考えられている(例えば、特許文献1参照)。また、従来では、トッププレートの下面に温度センサを配置した誘導加熱調理器において、天ぷらのような揚げ物調理を行う場合の油温制御を当該温度センサの検知温度に基づいて行う場合に、その検知温度の勾配に基づいて設定出力の制御を行うことにより揚げ物調理に適した調理性能を得る構成とすることが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公平6−75425号公報
【0005】
【特許文献2】
特公平6−65144号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来構成のものでは、被加熱物の実際の温度を、温度センサからの温度検知情報と時間情報のみにより推定する方式であるため、調理物の量や鍋とトッププレートとの間の接触状態(例えば鍋底の反り具合)などの影響により検知温度の誤差が大きくなることが避けられず、結果的に調理性能を十分に向上させることが困難になるという問題点があった。また、例えば、使用者が天ぷらのような揚げ物調理を行なう際に、誤って通常の加熱モード(一定加熱出力で調理を行うモード)で調理開始した場合には、鍋内の油の温度が無闇に上昇してしまう可能性があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被加熱物の温度検知精度が十分に得られない状況下であっても調理性能を大幅に改善可能になるなどの効果を奏する誘導加熱調理器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、調理容器が載置されるトッププレートと、前記調理容器を誘導加熱するための加熱コイル及びこの加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路から成る誘導加熱手段と、この誘導加熱手段による加熱出力などの調理条件を設定するための操作手段と、前記誘導加熱手段の入力電力または入力電流を積算する電力積算手段と、被加熱物の温度を前記トッププレートを介して検知する温度検知手段と、前記電力積算手段による積算値及び前記温度検知手段による検知温度の相関関係を被加熱物についての情報を得るための判定基準値情報として記憶した情報記憶手段と、この情報記憶手段に記憶された判定基準値情報と前記電力積算手段による積算値及び前記温度検知手段による検知温度とを比較した結果に基づいて被加熱物についての情報を取得して出力する被加熱物検知手段と、この被加熱物検知手段からの出力並びに前記操作手段による設定出力を出力制御情報として受けると共に、その出力制御情報に基づいて前記誘導加熱手段による加熱出力を制御する動作を行う加熱出力制御手段とを備えた構成としたものである。
【0009】
この構成によれば、調理容器を使用した調理動作時、つまり誘導加熱手段による被加熱物(調理容器及びこれの収納された調理物)の誘導加熱時には、その誘導加熱手段の入力電力または入力電流が電力積算手段により積算されると共に、被加熱物の温度が温度検知手段により検知される。この電力積算手段による積算値は、被加熱物の加熱のために実際に消費されたエネルギーに相当するものであり、また、温度検知手段による検知温度は、調理動作の種類(具体的には、例えば、加熱対象が水である鍋物調理、加熱対象が油である揚げ物調理など)、鍋などの調理容器の種類や重量、調理容器の底部の反り具合(調理容器と温度検知手段との間の温度伝達状態)、調理物の量などに依存して変化するようになる。従って、斯様な電力積算手段による積算値と温度検知手段による検知温度との相関関係は、調理動作の種類、鍋などの調理容器の種類や重量、調理容器の底部の反り具合、調理物の量などにより異なるものであり、情報記憶手段には、このような相関関係が判定基準値情報として記憶されている。
【0010】
そして、被加熱物検知手段においては、情報記憶手段に記憶された判定基準値情報と電力積算手段による積算値及び温度検知手段による検知温度とを比較した結果に基づいて、被加熱物についての情報(調理動作の種類、鍋などの調理容器の種類や重量、調理容器の底部の反り具合、調理物の量など)を取得して出力するようになる。また、加熱出力制御手段においては、上記被加熱物検知手段からの出力(被加熱物についての情報)並びに操作手段による設定出力(加熱出力などの調理条件)を出力制御情報として受けると共に、その出力制御情報に基づいて誘導加熱手段による加熱出力を制御する動作を行うようになる。
【0011】
従って、被加熱物の温度をトッププレートを介して検知する関係上、その検知温度の誤差が大きくなるという状況下にありながら、電力積算手段の積算値、つまり被加熱物の加熱のために実際に消費されたエネルギーと上記検知温度との相間関係に基づいて加熱出力を最適に制御可能になるものであり、以て調理性能の向上を実現可能になるものである。
【0012】
この場合、請求項2記載の発明のように、前記加熱出力制御手段は、前記温度検知手段による検知温度または調理時間に対応した複数種類の加熱出力制御パターンを記憶して成り、前記被加熱物検知手段からの出力に応じて前記複数種類の加熱出力制御パターンの何れかを選択すると共に、前記誘導加熱手段による加熱出力を選択された加熱出力制御パターンに基づいて制御する構成とすることができる。
この構成によれば、予め設定された複数種類の加熱出力制御パターンのうち、被加熱物検知手段から出力される被加熱物についての情報(調理動作の種類、鍋などの調理容器の種類や重量、調理容器の底部の反り具合、調理物の量など)に応じた制御パターンが選択され、その加熱出力制御パターンに基づいて誘導加熱手段による加熱出力が制御されることになる。従って、複数種類の加熱出力制御パターンを予め適宜に設定しておくことにより、加熱出力の制御を最適に行い得るようになる。
【0013】
請求項3記載の発明のように、前記被加熱物検知手段は、前記電力積算手段による積算値と前記温度検知手段による検知温度との関係を示す特性曲線の曲率に基づいて調理容器内の収納物の種類を判断する構成であっても良い。
一般的に、調理容器内に水が収納された状態、つまり加熱対象が水である鍋物調理時においては、その加熱のために実際に消費されたエネルギーを示す電力積算手段による積算値と、温度検知手段による検知温度との関係を示す特性曲線は、直線状を呈することになる。また、調理容器内の収納物が水以外のものであった場合、上記特性曲線は、その収納物の種類に応じて異なるようになる。従って、被加熱物検知手段においては、上記特性曲線の曲率に基づいて調理容器内の収納物の種類を的確に判断できることになる。
【0014】
請求項4記載の発明のように、前記被加熱物検知手段を、前記温度検知手段による検知温度の単位時間当たりの変化量に対応した前記電力積算手段による積算値の変化量、または、前記電力積算手段による積算値の単位時間当たりの変化量に対応した前記温度検知手段による検知温度の変化量との関係に基づいて被加熱物についての情報を取得する構成としても良い。
【0015】
請求項5記載の発明のように、前記被加熱物検知手段を、前記温度検知手段による検知温度が所定量変化する毎に前記電力積算手段の積算値に基づいて被加熱物についての情報を取得する構成、または、前記電力積算手段の積算値が所定量変化する毎に前記温度検知手段による検知温度に基づいて被加熱物についての情報を取得する構成としても良い。
この構成によれば、被加熱物についての情報を取得する動作が、温度検知手段による検知温度が所定量変化する毎、または、電力積算手段の積算値が所定量変化する毎、つまり所定時間が経過する毎に反復して行われることになるから、加熱出力の最適制御を行う上で有益になる。
【0016】
請求項6記載の発明のように、前記加熱出力制御手段に湯沸し用の制御モードを設定し、前記被加熱物検知手段を、当該湯沸し用の制御モードが選択された状態では、前記温度検知手段の検知温度と前記電力積算手段の積算値とに基づいて被加熱物を所定の目標加熱温度まで温度上昇させるのに必要な加熱出力量を予測すると共に、その予測結果を前記加熱出力制御手段に対して出力制御情報として与える構成とすることもできる。
この構成によれば、誘導加熱手段による加熱出力が湯沸し用の制御モードにて制御される状態では、被加熱物(このような湯沸し時には、やかんのような調理容器に収納された水)を目標加熱温度まで温度上昇させるのに必要な加熱出力量が予測され、加熱出力制御手段は、その予測結果に基づいて誘導加熱手段による加熱出力を制御するようになる。このため、水の沸騰がする直前には、加熱出力が自動的に抑制されるようになり、以て水の沸騰間際において過大な加熱出力による加熱動作が行われてしまって沸騰水の吹きこぼれを招く事態を未然に防止できるようになる。
【0017】
このような湯沸し用の加熱制御を行う場合、請求項7記載の発明のように、前記湯沸し用の制御モードは、前記温度検知手段の検知温度が上昇するのに応じて前記誘導加熱手段による加熱出力を漸減させるものとすることができる。
この構成によれば、加熱中の水が沸騰状態に近づくに連れて加熱出力が漸減されることになるから、沸騰水の吹きこぼれを確実に防止する上で有益になる。
【0018】
請求項8記載の発明のように、前記操作手段に対し、設定された加熱出力を表示する機能、並びに実際の加熱出力が前記加熱出力制御手段により変更されたときにこれを表示する機能を設ける構成としても良い。
この構成によれば、操作手段において設定された加熱出力が表示されると共に、その後の調理動作時において実際の加熱出力が加熱出力制御手段により変更されたときには、その変更後の加熱出力が表示されるから、使用者側においては、調理動作の実際の進行状況に応じて加熱出力を修正する操作を自身の判断で行い得るようになる。つまり、例えば、揚げ物調理時において加熱出力制御手段によって加熱出力を減少させる制御が行われた場合において、使用者側でそのような出力減少制御が不要と判断したときには加熱出力を上げる操作を行い得るようになるから、実際に調理を行なう場合に有益になる。
【0019】
請求項9記載の発明は、前記操作手段に、炒め物調理コースを選択するための操作部を設けた上で、前記加熱出力制御手段を、前記炒め物調理コースが選択された状態では、被加熱物の温度が通常加熱時より高くなるように制御する構成としたものである。
この構成によれば、高温度での加熱が要求される炒め物調理を効果的に行ない得るようになる。
【0020】
この場合、請求項10記載の発明のように、前記操作手段に、前記炒め物調理コース選択機能の他に、加熱出力設定機能、揚げ物調理コース選択機能を設定した上で、前記加熱出力制御手段を、前記炒め物調理コースが選択された状態では、被加熱物の温度が前記加熱出力設定機能により加熱出力が設定された状態並びに前記揚げ物調理コースが選択された状態より高くなるように制御する構成とすることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を誘導加熱調理器(IHクッキングヒータ)に適用した一実施例について図面を参照しながら説明する。
図2には要部の断面構造が概略的に示されている。この図2において、トッププレート1は、4mm程度の板厚の耐熱強化ガラス製のもので、その下方部に周知の加熱コイル2が設置される。トッププレート1上には加熱コイル2と対応した位置に金属性の調理容器3が載置されるものである。また、トッププレート1の下面には、加熱コイル2による被加熱物(調理容器3及びこれの収納された調理物)の温度を検知するためのサーミスタ4(温度検知手段に相当)が伝熱的に取り付けられた構造となっている。
【0022】
図1には全体の電気的構成が示されている。この図1において、直流電源回路5は、交流電源6の出力を全波整流するための整流スタック7と、その整流出力を平滑化するための平滑コンデンサ8とによって構成されている。この直流電源回路5から給電されるハーフブリッジ型のインバータ回路9は、前記加熱コイル2と共に本発明でいう誘導加熱手段を構成するものである。このインバータ回路9は、平滑コンデンサ8と並列に、IGBT10、11の直列回路並びに共振用のコンデンサ12、13の直列回路をそれぞれ接続すると共に、IGBT10、11の共通接続点とコンデンサ12、13の共通接続点との間に当該コンデンサ12、13との各間で直列共振回路を形成するようにして前記加熱コイル2を接続した構成となっている。尚、IGBT10、11の各コレクタ・エミッタ間にはフライホイールダイオード(符号なし)がそれぞれ接続される。
【0023】
インバータ電圧位相検知回路14は、インバータ回路9の出力端子(IGBT10、11の共通接続点)から出力されるインバータ電圧Vivを検出し、この検出したインバータ電圧Vivを位相比較回路15へ出力する。また、コンデンサ電圧位相検知回路16は、コンデンサ12、13の共通接続点の電圧、つまり当該コンデンサ12、13を流れるインバータ電流と位相的に相関するコンデンサ電圧Vc を検出し、この検出した電圧Vc を位相比較回路15へ出力する。
【0024】
位相比較回路15は、インバータ電圧Viv及びコンデンサ電圧Vc の位相を比較することにより各入力信号の位相差を示す位相差信号Vp1を出力するものであり、その位相差信号Vp1は差分比較回路17に与えられる。また、位相差設定回路18は、可変設定できる位相差設定電圧Vset を入力電力決定のための入力電力調整用信号として出力する構成となっており、その位相差設定電圧Vset は差分比較回路17に与えられる。
【0025】
差分比較回路17は、位相比較回路15から出力される位相差信号Vp1と、位相差設定回路18において可変設定された位相差設定電圧Vset との大小を比較して、その比較結果を2値信号Vp2として電圧制御発振器(以下VCOと称する)19へ出力する。即ち、差分比較回路17は、Vp1>Vset であればVp2を大きくし、Vp1≦Vset であればVp2を小さくする。
【0026】
VCO19は、インバータ電圧Viv及びコンデンサ電圧Vc の位相差が前記位相差設定回路18によって可変設定された位相差となるようにインバータ回路9の発振周波数を制御するための周波数制御手段であり、差分比較回路17からの出力信号に応じて発振周波数を変化させる。
【0027】
尚、一般的なアナログ回路としてのVCOは、入力電圧に応じて発振周波数が変化するものであるが、ここでのVCO19は、回路動作をデジタル的にシミュレートしたものであり、差分比較回路17より与えられる比較結果に応じて発振周波数を変化させる構成となっている。
【0028】
駆動回路20はVCO19からの信号に基づいてIGBT10、11を交互にオンオフ動作させる。このようにIGBT10、11が交互にオンオフ動作すると、加熱コイル2とコンデンサ12、13の一方とが交互に直列共振状態を呈するようになり、これにより加熱コイル2が高周波電力を発生してトッププレート1上に載置された調理容器3を誘導加熱する。
【0029】
初期回路21はインバータ回路9の出力電圧と位相的に相関するインバータ電圧Vivと、インバータ回路9の出力電流と位相的に相関するコンデンサ電圧Vc との位相差を初期設定するための手段であり、電源が投入されると初期信号を位相差設定回路18に与える。この場合、位相差設定回路18は、上記初期信号が与えられると、インバータ電圧Viv及びコンデンサ電圧Vc の位相差が基準の位相差となるような位相差設定電圧Vset を出力した状態を呈する構成となっている。これにより、入力電力が所定の初期設定電力(例えば、トッププレート1上に載置された調理容器3が鉄製の鍋である場合には100W程度)となるように設定される。尚、このような初期設定電力での動作は調理開始初期のきわめて短い時間だけ行なわれるものである。
【0030】
カレントトランスCT(1)は、交流電源6からの入力電流Iinを検出するために、当該交流電源6と直流電源回路5との間の通電路を一次導体とした状態で設けられている。入力電流検知回路22は、カレントトランスCT(1)の二次側出力に基づいて入力電流Iinに応じた電圧レベルの電流検知信号を出力するものであり、その電流検知信号を、負荷状態検知回路23に与えると共に、A/D変換部26bを介して電力量検出部27に与える。
【0031】
負荷状態検知回路23は、入力電流検知回路22からの電流検知信号に基づいてトッププレート1上に載置された被加熱物(調理容器3)が適正な負荷であるか否かを検知する。
ここで、上記負荷状態検知回路23における検知動作について図3を参照して説明する。図3は、位相差設定回路18から出力される位相差設定電圧Vset に対する入力電流Iinを負荷の状態例えば被加熱物の材質毎に示した特性図である。具体的に説明すると、同図曲線aは無負荷状態の特性曲線であり、同図曲線bはアルミニウム製の調理容器についての特性曲線であり、同図曲線cは非磁性のステンレス製の調理容器についての特性曲線であり、同図曲線dは鉄製の調理容器についての特性曲線である。
【0032】
ここで図3の横軸には位相差設定電圧Vset を示しているが、この位相差設定電圧Vset が大きくなるに応じてインバータ電圧Vivとコンデンサ電圧Vc との位相差が大きくなる。例えば、位相差設定電圧Vset が0Vであるときには位相差90°と対応し、位相差設定電圧Vset が4Vのときには位相差130°と対応する。また、位相差が90°であるときには、入力電力が例えば3kWに設定され、位相差が130°であるときには入力電力が例えば200Wに設定される。
【0033】
負荷状態検知回路23は、負荷の状態を判断するための所定の幅を有するしきい値、即ち、図3に示すようなしきい値Is1及びIs2(Is1<Is2)を設定しており、これらのしきい値Is1及びIs2と入力電流検知回路22によって検知した入力電流Iinの値とを比較する。具体的には、負荷状態検知回路23は、入力電流Iinの値がしきい値Is1を下回る場合には、トッププレート1上に載置された被加熱物が鉄製若しくは非磁性のステンレス製の調理容器であると判断する。また、入力電流Iinの値がしきい値Is1しきい値Is2との間であるときには、トッププレート1上に載置された被加熱物がアルミニウム製の調理容器であると判断する。さらに、入力電流Iinの値がしきい値Is2より大きい場合には無負荷状態であると判断し検出信号を出力する。
【0034】
図1において、タイマ回路24は、所定のタイマ時間例えば3秒に設定されており、負荷状態検知回路23からの検知信号を入力すると、3秒経過後に初期回路21を動作させることにより再び負荷検出動作を実行する。
【0035】
一方、IGBT10、11の共通接続点(インバータ回路9の出力端子)と加熱コイル2との間にも、その間の通電路を一次導体とした状態のカレントトランスCT(2)が設けられている。インバータ電流検知回路25は、カレントトランスCT(2)の二次側出力に基づいてインバータ電流に応じた電圧レベルの電流検知信号を出力するものであり、その電流検知信号をA/D変換部26bによりデジタル値の信号に変換した後に位相差設定回路18に与えることによりインバータ電流の最大値を制限する。また、電源電圧検知回路28は、交流電源6の電圧を検知し、その電源電圧検知信号をA/D変換部26bによりデジタル値の信号に変換した後に電力量検出部27に与える。
【0036】
この電力量検出部27は、入力電流を時間的に積分することにより入力電力を積算し、その電力積算値を被加熱物検知部29(被加熱物検知手段に相当)に与える。尚、電力量検出部27は、電源電圧が一定であることを前提に入力電力を算出する構成のものであり、電源電圧が変動する場合には、電源電圧検知回路28から与えられる電源電圧信号を加味して入力電力の算出を行なうことになる。
【0037】
電圧信号発生回路30は、サーミスタ4の抵抗値変化を当該サーミスタ4による検知温度に応じたレベルの電圧信号に変換して出力するものであり、その電圧信号はA/D変換部31によりデジタル値の信号に変換されて被加熱物温度判定部32に与えられる。この被加熱物温度判定部32は、A/D変換部31からの電圧信号に基づいてサーミスタ4による実際の検知温度(被加熱物の温度)を示す温度信号を発生するものであり、その温度信号は、被加熱物検知部29並びに後述する火力設定部33に与えられる。
【0038】
被加熱物判定基準記憶部34(情報記憶手段に相当)には、電力量検出部27による電力積算値及びサーミスタ4による検知温度(被加熱物温度判定部32の出力)の相関関係が、被加熱物についての情報を得るための後述する判定基準値情報として記憶されており、その判定基準値情報を被加熱物検知部29に与える構成となっている。
【0039】
被加熱物検知部29は、被加熱物判定基準記憶部34に記憶された判定基準値情報と、電力量検出部27からの電力積算値及び被加熱物温度判定部32からの温度信号とを比較した結果に基づいて、被加熱物についての情報(調理動作の種類(例えば、加熱対象が水である鍋物調理、加熱対象が油である揚げ物調理など)、調理容器3の種類や重量、調理容器3の底部の反り具合、調理物の量など)を取得して出力するためのものであり、その情報取得の具体例については後で詳述する。
【0040】
操作・表示部35(操作手段に相当)は、加熱出力(入力電力)や調理時間などの調理条件の設定、複数種類の中から選択可能な加熱調理コースの設定、加熱調理の開始及び停止などの操作を行うために設けられたもので、このような操作機能の他に、設定された加熱出力、調理時間、加熱調理コースの表示、調理動作中にあるか否かなどを表示する機能、並びに後述する加熱出力制御手段36により実際の加熱出力が変更されたときにこれを表示する機能が設定されている。
【0041】
この場合、上記加熱調理コースとしては、一定の加熱出力で調理開始する通常加熱コースの他に、例えば、炒め物調理コース、揚げ物調理コース、湯沸しコースが設定されており、操作・表示部35には、炒め物調理、揚げ物調理、湯沸しの各コースを選択するためのキースイッチ(例えば「炒め物キー」、「天ぷらキー」、「湯沸しキー」)が操作部として設けられていると共に、加熱調理の開始及び停止を行なうためのスタートキーやストップキー並びに加熱出力や調理時間を設定する操作ダイヤルなども設けられている。尚、通常加熱コースについては、上記スタートキーが操作されたときに自動的に選択される構成となっている。
【0042】
加熱出力制御手段36は、前記火力設定部33とこれの出力を受ける火力比較回路37とにより構成されている。これらのうち火力設定部33は、被加熱物検知部29からの出力並びに操作・表示部35による設定出力を出力制御情報として受けると共に、その出力制御情報及び被加熱物温度判定部32からの温度信号に基づいて加熱コイル2による加熱出力の制御、並びに操作・表示部35での表示制御を行う構成となっている。具体的には、火力設定部33は、操作・表示部35による設定出力(設定された調理条件や加熱調理コースに応じた加熱出力)を、被加熱物温度判定部32からの温度信号をフィードバックしながら設定する構成のもので、その設定加熱出力を被加熱物検知部29が取得した被加熱物についての情報に基づいて変更する機能を備えており、さらに、変更後の設定加熱出力を操作・表示部35において表示させる機能を備えている。
【0043】
この場合、火力設定部33は、サーミスタ4による検知温度に対応した複数種類の加熱出力制御パターンを記憶しており、被加熱物検知部29からの設定出力に応じて上記複数種類の加熱出力制御パターンの何れかを選択するようになっている。図4には、このような加熱出力制御パターンの具体例が示されている。尚、このような加熱出力制御パターンは、調理時間に対応した形態のものとしても良いものである。
【0044】
即ち、図4(a)に示す加熱出力制御パターン▲1▼は、加熱温度のオーバーシュートを抑止した制御パターンであり、サーミスタ4による検知温度が電力抑制開始温度(例えば140℃)に到達するまで最大入力電力(例えば3kW)を維持し、電力抑制開始温度に到達後は、検知温度が上昇するのに応じて入力電力を漸減させ、その検知温度が制御温度Tconとなったときに入力電力を零にする形態となっている。
【0045】
尚、上記制御温度Tconは、加熱調理コースとして炒め物調理コース以外のものが設定されたときに例えば220℃とされ、炒め物調理コースが設定されたときに240℃とされる構成となっている。
【0046】
図4(b)に示す加熱出力制御パターン▲2▼は、加熱速度(加熱温度の上昇速度)を優先した制御パターンであり、サーミスタ4による検知温度が制御温度Tconより所定温度(例えば55℃)だけ低い電力抑制開始温度に到達するまで最大入力電力(3kW)を維持し、電力抑制開始温度に到達後は、検知温度が上昇するのに応じて入力電力を漸減させ、その検知温度が制御温度Tconとなったときに入力電力を零にする形態となっている。
【0047】
図4(c)に示す加熱出力制御パターン▲3▼は、入力電力(加熱出力)を所定量だけ抑制した制御パターンであり、サーミスタ4による検知温度が前記パターン▲1▼より低い値の電力抑制開始温度(例えば80℃)に到達するまで最大入力電力より低い状態の所定入力電力(例えば2kW)を維持し、電力抑制開始温度に到達後は、検知温度が上昇するのに応じて入力電力を漸減させ、その検知温度が制御温度Tconとなったときに入力電力を零にする形態となっている。
【0048】
図4(d)に示す加熱出力制御パターン▲4▼は、最大入力電力での加熱を前記パターン▲1▼より穏やかに行なうための制御パターンであり、サーミスタ4による検知温度が前記加熱出力制御パターン▲1▼より低く且つ前記加熱出力制御パターン▲3▼より高い値の電力抑制開始温度(例えば100℃)に到達するまで最大入力電力(3kW)を維持し、電力抑制開始温度に到達後は、検知温度が上昇するのに応じて入力電力を漸減させ、その検知温度が制御温度Tconとなったときに入力電力を零にする形態となっている。
【0049】
また、火力比較回路37は、火力設定部33において選択された加熱出力制御パターンと、入力電流検知回路22及び電源電圧検知回路28からA/D変換部26a及び26bを通じて与えられる電流検知信号及び電源電圧信号により示される実際の入力電力とを比較し、その比較出力を位相差設定回路18に与える構成となっている。このような比較出力を受けた位相差設定回路18は、当該比較出力に応じた位相差設定電圧Vset を出力することにより、入力電力を上記選択された加熱出力制御パターンとなるように制御する。
【0050】
尚、本実施例においては、位相比較回路15、差分比較回路17、位相差設定回路18、VCO19、初期回路21、負荷状態検知回路23、タイマ回路24、A/D変換部26a、26b及び31、電力量検出部27、被加熱物検知部29、被加熱物温度判定部32、被加熱物判定基準記憶部34、加熱出力制御手段36によりインバータ出力制御回路38を構成しているが、このインバータ出力制御回路38は、RISCアーキテクチャのCPUコアを有するマイクロコンピュータ(RISCマイコン)によって構成されている。
【0051】
さて、被加熱物検知部29は、被加熱物判定基準記憶部34からの判定基準値情報と、電力量検出部27からの電力積算値及び被加熱物温度判定部32からの温度信号(サーミスタ4による検知温度)とを比較した結果に基づいて、被加熱物についての情報(調理動作の種類、調理容器3の種類や重量、調理容器3の底部の反り具合、調理物の量など)を取得する機能が設定されたものであるが、以下においては、その情報取得原理について説明する。
【0052】
即ち、調理動作時の積算入力電力(電力量検出部27からの電力積算値)とサーミスタ4による検知温度との関係を示す特性曲線は、その調理の種類及び調理容器3の底部の反り具合に応じて異なる状態となるものである。図5には、このような特性曲線の具体例が示されている。この図5の特性曲線には、5種類の被加熱物サンプルを、トッププレート1上において一定の入力電力で加熱したときの積算入力電力と検知温度との関係が示されている。被加熱物のサンプルとしては、被調理物が入っていない無負荷状態の調理容器(特性曲線を「空焚き」と表記)、水を収納した調理容器3(特性曲線を「水負荷」と表記)、底部に反りがなく且つ天ぷら用の油を収納した調理容器3(特性曲線を「天ぷら鍋反りなし」と表記)、底部に2mm程度の反りがあり且つ天ぷら用の油を収納した調理容器3(特性曲線を「天ぷら鍋反り(2mm)」と表記)、少量の炒め油を収納した調理容器3(特性曲線を「野菜炒め」と表記)を用意した。
【0053】
この図5から理解できるように、「水負荷」の場合(鍋物調理が行われる場合に相当)は、検知温度が積算入力電力の増加に応じて緩やかに且つ直線的に上昇し、「野菜炒め」の場合(炒め物調理が行われる場合に相当)は、検知温度が積算入力電力の増加に応じて急激に上昇することになり、「空焚き」の場合(調理容器3が無負荷で加熱される状態に相当)は、「野菜炒め」の場合よりさらに急激に上昇することになる。また、「天ぷら鍋反りなし」及び「天ぷら鍋反り(2mm)」の場合(揚げ物調理が行われる場合に相当)については、何れの場合も検知温度が積算入力電力の増加に応じて二次関数的に上昇することになるが、「天ぷら鍋反り(2mm)」の場合は、検知温度の上昇が「天ぷら鍋反りなし」に比べて遅れる傾向を示す。この傾向は、調理容器3の底部に反りがある場合には、その調理容器3とサーミスタ4との間の熱抵抗係数が大きくなるために発生する。
【0054】
このような特性が存在する結果、サーミスタ4による検知温度が所定温度(例えば図5中に示した25deg.)だけ上昇する期間の積算入力電力を参照することにより、調理の種類(鍋物調理、揚げ物調理、炒め物調理)、揚げ物調理時における調理容器3の反りの有無を示す情報を取得できることになる。
【0055】
本実施例における被加熱物検知部29は、図5に示した特性に鑑み、上記のような情報を以下のような手法により取得している。
即ち、被加熱物検知部29は、サーミスタ4による検知温度の傾きを検知することにより、被加熱物が少量の炒め油を収納した調理容器3であるか否か、つまり、調理種類が炒め物調理であるか否かを判定する。具体的には、サーミスタ4による検知温度が、入力電力(加熱出力)が一定とされた所定の温度計測期間、例えば、調理動作開始後に予め設定された計測待機時間(例えば10秒)を経過した時点から一定時間(例えば20秒)が経過するまでの期間において設定温度範囲(例えば10deg.)を越えて上昇した場合には、被加熱物が少量の炒め油を収納した調理容器3であって調理種類が炒め物調理であると判定する。また、上記のような温度計測期間におけるサーミスタ4の検知温度の変化幅が上記設定温度範囲(10deg.)以下であった場合には、調理種類が炒め物調理以外のものであると判定する。
【0056】
被加熱物検知部29は、調理の種類が炒め物調理以外のものであると判定した場合には、以下のようにして調理の種類を判定する。即ち、図6は、実際の調理動作時における積算入力電力とサーミスタ4による検知温度との関係のモデルを示すものである。被加熱物検知部29は、この図6中に示した所定期間での積算入力電力、具体的には、サーミスタ4による検知温度が、調理動作開始後に所定の待機時間(例えば20秒)が経過した時点から25℃だけ上昇するまでの期間の入力電力を時間積分した積算入力電力Jの大小により、調理の種類が鍋物調理及び揚げ物調理に何れであるか判定すると共に、揚げ物調理であった場合の調理容器3の反りの有無を判定する。
【0057】
例えば、積算入力電力Jが240kW・s以上の場合には、被加熱物が水負荷であって調理種類が鍋物調理であると判定する。また、積算入力電力Jが170kW・s未満の場合には、被加熱物が天ぷら用の油を収納した調理容器3であって調理種類が揚げ物調理であると判定すると共に、その調理容器3の底部に反りがないと判定する。さらに、積算入力電力Jが170kW・s以上で240kW・s未満の場合には、被加熱物が天ぷら用の油を収納した調理容器3であって調理種類が揚げ物調理であると判定すると共に、その調理容器3の底部に反りがあると判定する。
【0058】
また、揚げ物調理時において調理容器3の底部に反りがあるか否かの判定は、調理動作開始後の所定時点からの積算入力電力とサーミスタ4の検知温度の上昇値との関係に基づいて判定することも可能である。具体的には、調理動作開始後の所定時点(例えば10秒後)からの積算入力電力が所定値になったときに、サーミスタ4の検知温度の上昇値が所定のしきい値温度以上であった場合に、これを調理容器3の底部に反りがあると判定することができる。
【0059】
被加熱物検知部29は、調理種類が鍋物調理であるか、それ以外の調理であるかを、調理動作時の積算入力電力とサーミスタ4による検知温度との関係を示す特性曲線の直線性を参照する手法によっても判定する構成となっている。即ち、被加熱物検知部29は、調理動作開始後に所定の待機時間(例えば20秒)が経過した時点でのサーミスタ4による検知温度を基準温度として設定すると共に、その時点での積算入力電力を記憶する。また、被加熱物検知部29は、サーミスタ4による検知温度が上記基準温度から5℃刻みで上昇した各タイミングでの積算入力電力を逐次記憶する。そして、検知温度が例えば10℃上昇する期間における積算入力電力を、複数の期間にわたって比較し、その比較結果に基づいて上記の特性曲線の直線性を調べ、その結果に基づいて被加熱物が水負荷であるか否か(調理種類が鍋物調理であるか否か)を判定する。
【0060】
このような判定についての具体例を述べると以下のようになる。つまり、図7の特性曲線は、被加熱物が、底部に2mm程度の反りがあり且つ天ぷら用の油を収納した調理容器3である場合の積算入力電力とサーミスタ4による検知温度との関係を示すものである。この図7の例では、サーミスタ4による検知温度が基準温度(41℃)から5℃刻みで上昇した各時点での積算入力電力が得られることになり、検知温度が10℃上昇する期間における積算入力電力を示すデータとして、
ΔT1 =(53−20)×3kW・s
ΔT2 =(66−36)×3kW・s
ΔT3 =(73−53)×3kW・s
ΔT4 =(86−66)×3kW・s
が得られることになる。
【0061】
このようなデータの最初の二つを足した値ΣΔa(=ΔT1 +ΔT2 )と、後の二つを足した値ΣΔb(=ΔT3 +ΔT4)とを比較することにより、上記特性曲線の直線性を調べ、以て被加熱物が水負荷であるか否かを判定する。例えば、
ΣΔa×0.9≦ΣΔb
の関係にあるときに水負荷と判定する。但し、図7の例では、ΣΔa=63×3kW・s、ΣΔb=40×3kW・sとなって、
ΣΔa×0.9>ΣΔb
の関係になるから、水負荷以外であると判定されることになる。
【0062】
尚、被加熱物判定基準記憶部34には、被加熱物検知部29において上述したような種々の判定を行うために必要な判定基準値情報(電力量検出部27による電力積算値(積算入力電力)及びサーミスタ4による検知温度の種々の相関関係)が記憶されているものである。
【0063】
さて、図8ないし図13には、インバータ出力制御回路38による制御内容のうち本発明の要旨に関係した部分が示されており、以下これについて関連した作用と共に説明する。尚、以下の説明においては、加熱出力制御パターン▲1▼〜▲4▼をそれぞれ単に制御パターン▲1▼〜▲4▼と略称する。
【0064】
図8には全体の制御内容が示されている。この図8において、初期状態では、被加熱物検知部29において制御パターン▲1▼(図4(a)参照)を設定するものであり(ステップS0)、これにより加熱出力制御手段36内の火力設定部33が当該制御パターン▲1▼を選択した状態となる。この初期設定状態では、操作・表示部35に設けられたスタートキー、「炒め物キー」、「天ぷらキー」、「湯沸しキー」の操作により、通常加熱コース、炒め物調理コース、揚げ物調理コース、湯沸しコースの何れかによる調理動作を開始する。
【0065】
通常加熱コースによる調理動作開始時には、制御温度Tcon を220℃に設定し(ステップS1)、負荷判定処理ルーチンS2を実行する。炒め物調理コースによる調理動作開始時には、制御温度Tcon を240℃に設定し(ステップS3)、負荷判定処理ルーチンS2を実行する。尚、この負荷判定処理ルーチンS2の実行後には、被加熱物検知部29において制御パターン▲2▼(図4(b)参照)を設定するステップS4を実行するものであり、これにより火力設定部33が当該制御パターン▲2▼を選択した状態となる。
【0066】
揚げ物調理コースによる調理動作開始時には、前記負荷判定処理ルーチンS2と同じ内容の負荷判定処理ルーチンS5を実行した後に、天ぷら制御ルーチンS6が実行され、湯沸しコースによる調理動作開始時には、湯沸し制御ルーチンS7が実行される。これら制御ルーチンS6及びS7のうち、天ぷら制御ルーチンS6は、サーミスタ4による検知温度が設定温度となったときに加熱出力を低減させるなどの制御を行う周知のものであるが、本発明の要旨と直接関係しないので説明を省略する。また、湯沸し制御ルーチンS7は、加熱対象の水が沸騰したときに吹きこぼれる事態を未然に防止した制御を行うためのものであり、その内容は図9に示されている。
【0067】
図9において、湯沸し制御ルーチンS7は、加熱パターン▲1▼が設定された状態で開始されるものであり(ステップA1)、最大加熱出力つまり最大入力電力(3kW)での加熱動作が行われる(ステップA2)。この後には、所定時間(例えば20秒)が経過するまで待機し(ステップA3)、その時間が経過したときには、サーミスタ4による検知温度をTaとして記憶する(ステップA4)。この後には、電力量検出部27において積算入力電力の演算を開始し(ステップA5)、サーミスタ4による検知温度が第1の目標温度である例えば65℃に到達するまで待機する(ステップA6)。
【0068】
検知温度が65℃に到達したときには、入力電力を2kWに低減させ(ステップA7)、この後にサーミスタ4による検知温度が第2の目標温度である例えば90℃に到達するまで待機する(ステップA8)。そして、検知温度が90℃に到達したときには、入力電力を1kWに低減させる(ステップA9)。
以上のような制御が行われる結果、サーミスタ4による検知温度の上昇と共に入力電力が漸減されることになる。
【0069】
上記のように入力電力を1kWに低減させたときには、その後に所定時間(例えば20秒)が経過するまで待機し(ステップA10)、その時間が経過したときにはサーミスタ4による検知温度をTbとして記憶する(ステップA11)。次いで、電力量検出部27において、加熱動作の開始20秒後から今までの期間(検知温度がTaからTbまで上昇した期間)における積算入力電力Jを計算する(ステップA12)。
【0070】
この後には、計算した積算入力電力Jとサーミスタ4による前記検知温度Ta及びTbに基づいて、被加熱物である調理容器3内の水を所定の目標加熱温度(100℃)まで温度上昇させるのに必要な入力電力量を予測するためのステップA13を実行する。このステップA13においては、上記入力電力量を、入力電力が1kWの状態を何秒間継続すれば被加熱物が目標加熱温度になるかという「1kW加熱時間(t1kW)」として計算するものであり、その計算は次式により行われる。
t1kW=(J/1)×{(100−Tb}/(Tb−Ta))
尚、(J/1)の項の「1」は、その単位が[kW]であり、また積算入力電力Jの単位は[kW・S]であるから、従って、t1kWの単位は[s]つまり[秒]になる。
【0071】
t1kWを計算した後には、入力電力(加熱出力)を1kWに低減させた後にt1kW[秒]が経過するまで待機し(ステップA14)、t1kW[秒]が経過したときには、入力電力を保温入力(例えば300W)に低減させる(ステップA15)。この後には、入力電力を300Wに変更してから設定時間が経過するまで待機し(ステップA16)、その設定時間が経過したときには湯沸し制御ルーチンS5を終了する。
【0072】
要するに、このような制御が行われる結果、湯沸しコースによる加熱調理が行われる状態、つまり、入力電力(加熱出力)が湯沸し用の制御モードにて制御される状態では、被加熱物(調理容器3(例えばやかん)に収納された水)を目標加熱恩である100℃まで温度上昇させるのに必要な入力電力量(加熱出力量)が予測され、加熱出力制御手段36は、その予測結果に基づいて入力電力を制御するようになる。このため、水の沸騰がする直前には、入力電力が自動的に抑制されるようになり、以て水の沸騰間際において過大な入力電力による加熱動作が行われてしまって沸騰水の吹きこぼれを招く事態を未然に防止できるようになる。また、被加熱物の温度が上昇するの応じて入力電力が段階的に漸減される構成となっているから、沸騰水の吹きこぼれを確実に防止する上で有益になる。
【0073】
一方、負荷判定処理ルーチンS2の内容は図10ないし図13に示されている。 即ち、負荷判定処理ルーチンS2の開始後には、まず、図10に示すように、サーミスタ4からの温度信号に基づいてスタート時温度T(調理動作開始時の温度)を検知する(ステップE1)。次いで、スタート時温度Tが設定されている制御温度(Tcon )以上か否かを判断し(ステップE2)、制御温度以上であった場合には制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行する。
【0074】
これに対してスタート時温度Tが制御温度以下であった場合には、そのスタート時温度Tのレベルに応じて異なる制御を行う。具体的には、T≦80℃の場合には、図11に示す制御処理(A)を実行し、80℃<T<150℃の場合には図12に示す制御処理(B)を実行し、150℃≦Tの場合には図13に示す制御処理(C)を実行する。
【0075】
T≦80℃の場合に実行される制御処理(A)の内容を示す図11においては、まず、被加熱物検知部29において制御パターン▲1▼(図4(a)参照)を設定するステップB1を実行するものであり、これにより火力設定部33が、当該制御パターン▲1▼を選択した状態で調理動作を開始させるようになる。
【0076】
調理動作開始後には、被加熱物が少量の炒め油を収納した調理容器3であるか否かを判定するために、サーミスタ4による検知温度の傾きを検知する(ステップB2)。尚、このような検知温度の傾きの具体的検知手法は前述した。次いで、検知した温度傾きに基づいて、被加熱物が少量の炒め油を収納した調理容器3であるか否か(調理種類が炒め物調理であるか否か)を判断する(ステップB3)。
【0077】
ステップSで「YES」と判断した場合には、被加熱物検知部29において制御パターン▲3▼(図4(c)参照)を設定するものであり(ステップB4)、これにより火力設定部33が、当該制御パターン▲3▼を選択した状態、つまり入力電力を抑制した状態で調理動作を続行させるようになる。
【0078】
この後には、サーミスタ4による検知温度の傾きが予め決められた基準傾きより緩やかか否かを判断し(ステップB5)、緩やかであった場合、つまり入力電力が不足していると考えられる場合には、被加熱物検知部29において制御パターン▲1▼へ戻すものであり(ステップB6)、これにより火力設定部33が、当該制御パターン▲1▼に基づいて入力電力を制御した状態で調理動作を続行させるようになる。
【0079】
また、検知温度の傾きが基準傾き以上であった場合には、制御パターン▲3▼での調理動作を、サーミスタ4による検知温度が制御温度以上になるまで続行させ(ステップB7)、検知温度が制御温度以上となった場合には制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行する。
【0080】
上述したステップB6の実行後、つまり制御パターン▲1▼での調理動作が行われた状態では、サーミスタ4による検知温度が制御温度以上になったか否かを判断し(ステップB8)、「YES」と判断したときには制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行する。
【0081】
これに対して、サーミスタ4による検知温度が制御温度に到達していない状態では、その検知温度が180℃以上になるまで待機し(ステップB9)、180℃以上になったときには検知温度が制御温度以上になったか否かを再度判断する(ステップB10)。尚、このステップB10が最初に実行される段階では、検知温度<制御温度の関係にあるため当該ステップB10で「NO」と判断されることになる。
【0082】
ステップB10で「NO」と判断されたときには、サーミスタ4による検知温度の傾きが予め設定された傾きである例えば2℃/10s以下であるか否かを判断し(ステップB11)、「NO」と判断したときにはステップB10を再実行する。つまり、検知温度の傾きを判断するためのステップB11は、当該検知温度が180℃以上・制御温度未満の状態時に実行されるものである。そして、ステップB10及びB11の何れかで「YES」と判断した場合には、制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行する。
【0083】
一方、前記ステップB3で「NO」と判断した場合、つまり、調理種類が炒め物調理以外であると判断した場合には、被加熱物が水負荷であるか否かを判断する(ステップB12)。このような判断は、例えば、調理動作時の積算入力電力とサーミスタ4による検知温度との関係を示す特性曲線の直線性を参照する手法(これの詳細については前述した)によって行う。そして、水負荷であると判断したとき、つまり調理種類が鍋物調理であると判断したときには、前記ステップB8以降の制御を実行する。
【0084】
これに対して、水負荷でないと判断したときには、サーミスタ4による検知温度の傾き検知を終了する(ステップB13)。尚、このように水負荷でないと判断した状態は、調理種類が揚げ物調理であると想定される状態である。そして、ステップB13の実行後には、積算入力電力Jが、
170kW・s≦J<240kW・s
の関係にあるか否かを判断する。
【0085】
ここで、前述したように、積算入力電力Jが170kW・s以上で240kW・s未満の状態は、被加熱物が天ぷら用の油を収納した調理容器3であって調理種類が揚げ物調理であると共に、その調理容器3の底部に反りがあると判定できるものであり、このように判定した場合(ステップB14で「YES」)には、被加熱物検知部29において制御パターン▲3▼(図4(c)参照)を設定するものであり(ステップB15)、これにより火力設定部33が、当該制御パターン▲3▼を選択した状態、つまり入力電力を抑制した状態で調理動作を続行させるようになる。
【0086】
この後には、入力電力(加熱出力)がそれまでの入力電力から所定量以上落ちたか否かを判断し(ステップB16)、落ちていない状態では、サーミスタ4による検知温度が制御温度以上になったか否かを判断する(ステップB17)。その検知温度が制御温度以上となった場合には制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行するが、検知温度が制御温度未満の状態ではステップB16を再実行する。
【0087】
また、入力電力がそれまでの入力電力から所定量以上落ちたときには、操作・表示部35における実際の加熱出力表示を変更し(ステップB18)、使用者による加熱出力(入力電力)変更操作が行われたか否かを判断する(ステップB19)。その操作が行われなかった場合にはステップB17へ移行するが、操作が行われた場合には、被加熱物検知部29において元の制御パターン▲1▼を設定し直すものであり(ステップB20)、これにより、火力設定部33が、当該制御パターン▲1▼を選択した状態、つまり入力電力を元の状態に戻して調理動作を続行させるようになる。尚、ステップB20の実行後には、操作・表示部35における実際の加熱出力表示を元の状態に戻し(ステップB21)、この後にステップB17へ移行する。
【0088】
一方、ステップB14で「NO」と判断した場合、つまり、被加熱物が天ぷら用の油を収納した調理容器3であって、当該調理容器3の底部に反りがないと想定される場合には、被加熱物検知部29において制御パターン▲1▼(図4(a)参照)または制御パターン▲4▼(図4(d)参照)を設定し(ステップB22)、この後に前記ステップB8以降の制御を実行する。尚、ステップB22においては、例えば、調理動作開始後においてサーミスタ4による検知温度が所定温度幅だけ上昇する期間における積算入力電力が所定のしきい値電力以上であった場合(つまり、負荷量が相対的に大きい場合)に、制御パターン▲1▼を選択し、その積算入力電力が当該しきい値電力未満であった場合に制御パターン▲4▼を選択するという処理を行うものである。
【0089】
80℃<T<150℃の場合に実行される制御処理(B)の内容を示す図12においては、まず、被加熱物検知部29において制御パターン▲4▼(図4(d)参照)を設定するステップC1を実行するものであり、これにより火力設定部33が、当該制御パターン▲4▼を選択した状態で調理動作を開始させるようになる。
【0090】
調理動作開始後には、被加熱物が少量の炒め油を収納した調理容器3であるか否かを判定するために、サーミスタ4による検知温度の傾きを検知する(ステップC2)。尚、このような検知温度の傾きの具体的検知手法は前述した。次いで、検知した温度傾きに基づいて、被加熱物が少量の炒め油を収納した調理容器3であるか否か(調理種類が炒め物調理であるか否か)を判断する(ステップC3)。
【0091】
調理種類が炒め物調理であると判断した場合には、被加熱物検知部29において制御パターン▲3▼(図4(c)参照)を設定するものであり(ステップC4)、これにより火力設定部33が、当該制御パターン▲3▼を選択した状態、つまり入力電力を抑制した状態で調理動作を続行させるようになる。この後には、制御パターン▲3▼での調理動作を、サーミスタ4による検知温度が制御温度以上になるまで続行させ(ステップC5)、検知温度が制御温度以上となった場合には制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行する。
【0092】
一方、前記ステップC3で「NO」と判断した場合、つまり、調理種類が炒め物調理以外であると判断した場合には、被加熱物が揚げ物調理を行なっている反り鍋であるか否か(天ぷら油を収納した状態の調理容器3の底部に反りがあるか否か)を判断し(ステップC6)、反り鍋であると判断した場合には、被加熱物検知部29において制御パターン▲3▼(図4(c)参照)を設定する前記ステップC4へ移行し、反り鍋でないと判断した場合(鍋物調理、或いは反りのない調理容器で揚げ物調理が行われている状態と想定される場合)には、制御パターン▲1▼(図4(a)参照)を設定するステップC7へ移行する。
【0093】
尚、このような反り鍋か否かの判断は、被加熱物検知部29において以下のような手法で行う。即ち、調理動作開始後の所定時点(例えば10秒後)からの積算入力電力J′が所定値になったときに、サーミスタ4の検知温度の上記所定時点からの上昇値t(deg.)が所定のしきい値温度P以上であった場合に、これを調理容器3の底部に反りがある状態と判定することができる。図14には、このような判定に使用されるデータテーブル(これは被加熱物判定基準記憶部34に判定値基準情報として記憶されている)の一例を示す。
【0094】
この図14の(A)及び(B)項には、積算入力電力J′が100kW・s、120kW・s、150kW・s、200kW・s、250kW・s、300kW・sの各状態のしきい値温度Pが、それぞれ14deg.、20deg.、35deg.、70deg.、80deg.、100deg.であることを示している。そして、t≧Pの関係にあるときには、天ぷら鍋、フライパンなどの調理容器3に被調理物がほとんど入っていない無負荷(空焚き)状態であると判断するものであり、これによりステップC4で制御パターン▲3▼が設定され、t<Pの関係にあるときには、調理容器3に被調理物が入っていると判断するものであり、これによりステップC7で制御パターン▲1▼が設定されることになる。
【0095】
尚、ここでは、無負荷(空焚き)か否かの判定結果に基づいて制御パターン▲1▼若しくは▲3▼の何れかを設定する構成としたが、各積算入力電力J′についての温度上昇値tとしきい値温度Pとの関係に図14(C)項のような条件(フライパンに野菜などの被調理物が入っている状態、または調理容器3が反りのない天ぷら鍋である状態が想定される)を付加し、前記(B)項の条件を満足したときに制御パターン▲3▼を設定し、この(C)項の条件を満足したときのみ制御パターン▲1▼を設定し、これら両条件を満足していないときには、制御パターンの変更設定を行わない構成(反り鍋と想定され、制御パターン▲4▼を維持する構成)とすることもできる。さらに、図14(D)のような条件を付加し、このような条件が満たされたとき(例えば、調理容器3内に水が入っている状態が想定される)には、制御パターン▲1▼を設定する構成とすることもできる。
【0096】
ステップC7の実行後には、サーミスタ4による検知温度が180℃以上になるまで待機し(ステップC8)、180℃以上になったときには検知温度が制御温度以上になったか否かを再度判断する(ステップC9)。尚、このステップC9が最初に実行される段階では、検知温度<制御温度の関係にあるため当該ステップC9で「NO」と判断されることになる。
【0097】
ステップC9で「NO」と判断されたときには、サーミスタ4による検知温度の傾きが予め設定された傾きである例えば2℃/10s以下であるか否かを判断し(ステップC10)、ここで「NO」と判断したときにはステップC9を再実行する。つまり、検知温度の傾きを判断するためのステップC10は、当該検知温度が180℃以上・制御温度未満の状態時に実行されるものである。そして、ステップC9及びC10の何れかで「YES」と判断した場合には、制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行する。
【0098】
150℃≦Tの場合に実行される制御処理(C)の内容を示す図13においては、まず、被加熱物検知部29において制御パターン▲1▼(図4(a)参照)を設定するステップD1を実行するものであり、これにより火力設定部33が、当該制御パターン▲1▼を選択した状態で調理動作を開始させるようになる。この後には、サーミスタ4による検知温度が制御温度以上になるまで待機し(ステップD2)、制御温度以上となったときには、制御パターン▲2▼を設定するための前記ステップS4(図8参照)へ移行する。
【0099】
尚、上記図10ないし図13中には示さなかったが、制御パターン▲3▼による調理動作の実行期間(つまり、入力電力を抑制した期間)において、以下のような条件が成立したときには制御パターン▲1▼による調理動作を行う状態へ移行する構成となっている。即ち、制御パターン▲3▼による調理動作へ移行した後の所定期間においてサーミスタによる検知温度が所定温度以上低下したときには、制御パターン▲1▼による調理動作へ移行する。
【0100】
また、サーミスタ4による検知温度が40℃以上・120℃以下の状態において、10deg.刻みの積算入力電力を算出し、各温度帯において図15に一例を示すデータテーブル(これは被加熱物判定基準記憶部34に判定値基準情報として記憶されている)のような条件となったときに制御パターン▲1▼による調理動作へ移行する。尚、図14のデータテーブルにおいて、条件(A)は、揚げ物調理が底部に反りのない調理容器3により行われている状態に相当し、条件(B)は、鍋物調理が行われている状態に相当するものである。
【0101】
要するに、このような制御が行われる結果、以下に述べるような作用・効果を奏することができる。
即ち、調理容器3を加熱コイル2により誘導加熱する調理動作時には、そのときの入力電力(加熱出力)が電力量検出部27により積算されると共に、被加熱物(調理容器3及びその収納物)の温度がサーミスタ4により検知される。この電力量検出部27による積算入力電力は、被加熱物の加熱のために実際に消費されたエネルギーに相当するものであり、また、サーミスタ4による検知温度は、調理動作の種類(具体的には、例えば、加熱対象が水である鍋物調理、加熱対象が油である揚げ物調理など)、鍋などの調理容器3の種類や重量、調理容器3の底部の反り具合(調理容器3とサーミスタ4との間の温度伝達状態)、調理物の量などに依存して変化するようになる。従って、斯様な積算入力電力と検知温度との相関関係は、調理動作の種類、調理容器3の種類や重量、調理容器3の底部の反り具合、調理物の量などにより異なるものであり、被加熱物判定基準記憶部34には、このような相関関係が判定基準値情報として記憶されている。
【0102】
そして、被加熱物検知部29においては、被加熱物判定基準記憶部34に記憶された判定基準値情報と上記積算入力電力及び検知温度とを比較した結果に基づいて、被加熱物についての情報、具体的には、調理種類(炒め物調理、鍋物調理、揚げ物調理)を示す情報、並びに揚げ物調理であった場合に調理容器3の底部に反りがあるか否かの情報を取得して出力するようになる。また、加熱出力制御手段36においては、上記被加熱物検知部29からの出力(被加熱物についての情報)並びに操作・表示部35による設定出力(加熱出力などの調理条件)を出力制御情報として受けると共に、その出力制御情報に基づいて入力電力(加熱コイル2による加熱出力)を制御する動作を行うようになる。
【0103】
従って、被加熱物の温度をトッププレート1を介して検知する関係上、その検知温度の誤差が大きくなるという状況下にありながら、電力量検出部27による積算入力電力、つまり被加熱物の加熱のために実際に消費されたエネルギーと、サーミスタ4による検知温度との相間関係に基づいて入力電力を最適に制御可能になるものであり、以て調理性能の向上を実現可能になるものである。
【0104】
この場合、揚げ物調理が行われている状態で調理容器3の底部に反りがあるとの情報を取得したときには、入力電力が自動的に抑制される制御が行われる構成となっている。このため、例えば通常加熱コースの設定で誤って天ぷらのような揚げ物調理を開始させたような状況下でも、調理容器3内の油の温度が無闇に上昇してしまうことがなくなる。
【0105】
また、加熱出力制御手段36内の火力設定部33には、サーミスタ4による検知温度に対応した複数種類の加熱出力制御パターン▲1▼〜▲4▼が記憶されており、被加熱物検知部29からの出力に応じて上記加熱出力制御パターン▲1▼〜▲4▼の何れかが選択されると共に、入力電力が選択された加熱出力制御パターンに基づいて制御する構成となっている。この結果、複数種類の加熱出力制御パターン▲1▼〜▲4▼を予め適宜に設定しておくことにより、加熱出力の制御を最適に行い得るようになる。
【0106】
被加熱物検知部29は、積算入力電力とサーミスタ4による検知温度との関係を示す特性曲線の曲率に基づいて調理容器内の収納物が水であるか否かを判断する構成となっているから、調理動作の種類が鍋物調理であるかそれ以外の料理であるかという情報を正確に取得できるようになる。
【0107】
調理動作時において実際の加熱出力が加熱出力制御手段36により変更されたときには、操作・表示部35において表示された状態の設定加熱出力が変更後の加熱出力に変更される構成となっているから、使用者側においては、調理動作の実際の進行状況に応じて加熱出力を修正する操作を自身の判断で行い得るようになる。つまり、例えば、揚げ物調理時において加熱出力制御手段36によって加熱出力を減少させる制御が行われた場合において、使用者側でそのような出力減少制御が不要と判断したときには加熱出力を上げる操作を行い得るようになるから、実際に調理を行なう場合に有益になる。
【0108】
操作・表示部35には、炒め物調理コースを選択するための炒め物キーが操作部として設けられており、この炒め物キーにより炒め物調理コースが選択された状態では、加熱出力制御手段36が、被加熱物の温度を通常加熱時より高くなるように制御する構成となっているから、高温度での加熱が要求される炒め物調理を効果的に行ない得るようになる。尚、このような炒め物調理コースの選択機能は、本発明の請求項1に記載した構成と無関係に設定することができるものである。
【0109】
(他の実施の形態)
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような変形或いは拡大が可能である。
被加熱物検知部29を、サーミスタ4による検知温度が所定量変化する毎に、電力量検出部27による積算入力電力に基づいて被加熱物についての情報を取得する構成、または、電力量検出部27による積算入力電力が所定量変化する毎にサーミスタ4による検知温度に基づいて被加熱物についての情報を取得する構成としても良い。この構成によれば、被加熱物についての情報を取得する動作が、サーミスタ4による検知温度が所定量変化する毎、または、電力量検出部27による積算入力電力が所定量変化する毎、つまり所定時間が経過する毎に反復して行われることになるから、加熱出力の最適制御を行う上で有益になる。
【0110】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、被加熱物の温度を検知するために、トッププレートを介して検知する温度検知手段を利用する構成でありながら、被加熱物についての情報(例えば、調理の種類、調理容器の底部の反り具合など)を、電力積算手段による入力電力または入力電力の積算値と前記温度検知手段による検知温度との相関関係に基づいて得る構成としたから、被加熱物の温度検知精度が十分に得られない状況下であっても調理性能を大幅に改善可能になるなどの効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す全体の電気的構成図
【図2】 要部の縦断面図
【図3】 負荷状態検知回路による検知動作の内容を説明するための特性図
【図4】 加熱出力制御パターンの具体例を示す図
【図5】 調理動作時の積算入力電力とサーミスタによる検知温度との関係を示す特性曲線図
【図6】 実際の調理動作時における積算入力電力とサーミス4による検知温度との関係のモデルを示す特性図
【図7】 底部に反りがあり且つ天ぷら用の油を収納した調理容器を加熱する場合の積算入力電力とサーミスタ4よる検知温度との関係を示す特性図
【図8】 制御内容を示すフローチャートその1
【図9】 制御内容を示すフローチャートその2
【図10】 制御内容を示すフローチャートその3
【図11】 制御内容を示すフローチャートその4
【図12】 制御内容を示すフローチャートその5
【図13】 制御内容を示すフローチャートその6
【図14】 調理容器の底部に反りがある状態を判定するときに使用されるデータテーブルの一例を示す図
【図15】 加熱制御パターンを変更設定する際に使用されるデータテーブルの一例を示す図
【符号の説明】
1はトッププレート、2は加熱コイル(誘導加熱手段)、3は調理容器、4はサーミスタ(温度検出手段)、9はインバータ回路(誘導加熱手段)、23は負荷状態検知回路、27は電力量検出部(電力積算手段)、29は被加熱物検知部(被加熱物検知手段)、32は被加熱物温度判定部、33は火力設定部、34は被加熱物判定基準記憶部(情報記憶手段)、35は操作・表示部(操作手段)、36は加熱出力制御手段、37は火力比較回路、38はインバータ出力制御回路を示す。

Claims (10)

  1. 調理容器が載置されるトッププレートと、
    前記調理容器を誘導加熱するための加熱コイル及びこの加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路から成る誘導加熱手段と、
    この誘導加熱手段による加熱出力などの調理条件を設定するための操作手段と、
    前記誘導加熱手段の入力電力または入力電流を積算する電力積算手段と、
    被加熱物の温度を前記トッププレートを介して検知する温度検知手段と、
    前記電力積算手段による積算値及び前記温度検知手段による検知温度の相関関係を被加熱物についての情報を得るための判定基準値情報として記憶した情報記憶手段と、
    この情報記憶手段に記憶された判定基準値情報と前記電力積算手段による積算値及び前記温度検知手段による検知温度とを比較した結果に基づいて被加熱物についての情報を取得して出力する被加熱物検知手段と、
    この被加熱物検知手段からの出力並びに前記操作手段による設定出力を出力制御情報として受けると共に、その出力制御情報に基づいて前記誘導加熱手段による加熱出力を制御する動作を行う加熱出力制御手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記加熱出力制御手段は、前記温度検知手段による検知温度または調理時間に対応した複数種類の加熱出力制御パターンを記憶して成り、前記被加熱物検知手段からの出力に応じて前記複数種類の加熱出力制御パターンの何れかを選択すると共に、前記誘導加熱手段による加熱出力を選択された加熱出力制御パターンに基づいて制御することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記被加熱物検知手段は、前記電力積算手段による積算値と前記温度検知手段による検知温度との関係を示す特性曲線の曲率に基づいて調理容器内の収納物の種類を判断することを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記被加熱物検知手段は、前記温度検知手段による検知温度の単位時間当たりの変化量に対応した前記電力積算手段による積算値の変化量、または、前記電力積算手段による積算値の単位時間当たりの変化量に対応した前記温度検知手段による検知温度の変化量との関係に基づいて被加熱物についての情報を取得することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記被加熱物検知手段は、前記温度検知手段による検知温度が所定量変化する毎に前記電力積算手段の積算値に基づいて被加熱物についての情報を取得する構成、または、前記電力積算手段の積算値が所定量変化する毎に前記温度検知手段による検知温度に基づいて被加熱物についての情報を取得する構成とされることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記加熱出力制御手段には湯沸しを行うための制御モードが設定され、
    前記被加熱物検知手段は、当該湯沸し用の制御モードが選択された状態では、前記温度検知手段の検知温度と前記電力積算手段の積算値とに基づいて被加熱物を所定の目標加熱温度まで温度上昇させるのに必要な加熱出力量を予測すると共に、その予測結果を前記加熱出力制御手段に対して出力制御情報として与えることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  7. 請求項6記載の誘導加熱調理器において、
    前記湯沸し用の制御モードは、前記温度検知手段の検知温度が上昇するのに応じて前記誘導加熱手段による加熱出力を漸減させる制御モードであることを特徴とする誘導加熱調理器。
  8. 前記操作手段には、設定された加熱出力を表示する機能、並びに実際の加熱出力が前記加熱出力制御手段により変更されたときにこれを表示する機能が設けられることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記操作手段には、炒め物調理コースを選択するための操作部が設けられ、
    前記加熱出力制御手段は、前記炒め物調理コースが選択された状態では、被加熱物の温度が通常加熱時より高くなるように制御することを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  10. 請求項9記載の誘導加熱調理器において、
    前記操作手段には、前記炒め物調理コース選択機能の他に、加熱出力設定機能、揚げ物調理コース選択機能が設定され、
    前記加熱出力制御手段は、前記炒め物調理コースが選択された状態では、被加熱物の温度が前記加熱出力設定機能により加熱出力が設定された状態並びに前記揚げ物調理コースが選択された状態より高くなるように制御することを特徴とする記載の誘導加熱調理器。
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