JP4965652B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、調理容器を誘導加熱する誘導加熱調理器に関する。
近年、鍋やフライパンなどの調理容器を、加熱コイルにより誘導加熱する誘導加熱調理器が、一般家庭や業務用のキッチンなどで広く用いられている。誘導加熱調理器は、調理容器の底面の温度を検出し、検出した温度が設定温度と一致するように加熱コイルを制御する。
例えば、特許文献1に記載の誘導加熱調理器は、調理容器の底面の温度を検出するために、トッププレートの下面の所定位置に温度検知部を設けている。この誘導加熱調理器は、まず、所定の加熱出力で加熱を開始し、調理容器の底面の温度勾配が所定の温度勾配よりも大きくなると、加熱を一旦停止している。その後、加熱出力を半分にして、加熱を再開している。加熱が再開された後は、検出された温度が設定温度より高くなると加熱を停止し、設定温度より低くなると加熱を再開することにより、調理容器の温度が設定温度に保たれるようにしている。
特開昭64−33881号公報
しかしながら、特許文献1の誘導加熱調理器のように調理容器の温度の検出を、温度検知部がトッププレートの下面の所定位置の温度を検出することによって行う場合、温度検知部の検出温度が、実際の調理容器の温度勾配と異なる、又は時間的に実際の調理容器の温度に追従できない場合があった。
例えば、加熱開始時に鍋が空焼き状態であると、実際の温度勾配が大きくなる。しかし、鍋の底が凸状態に反っていて、鍋底面とトッププレートとの隙間が大きい場合、鍋温度がトッププレートに伝わりにくくなるため、検出される温度勾配は小さい。そのため、加熱の停止が遅れ、鍋が高温になってしまうという問題があった。
また、鍋の底の厚みが薄い場合、鍋底温度が急激に上昇する。しかし、鍋底の温度が急激に上昇しても、トッププレート下面に熱が伝わるには時間を要するため、温度検知部が検出する温度は、実際の温度に時間的に追従できない。そのため、温度勾配を正しく判断できたとしても、その判断が時間的に遅れる場合があった。その結果、加熱の停止が遅れ、鍋底が高温になるという問題があった。
このように、従来の誘導加熱調理器では、鍋底が凸状態に反っている鍋や鍋底の厚みが薄い鍋が過加熱され、その結果、効率的な加熱ができないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、鍋底が凸状態に反っている鍋や鍋底の厚みが薄い鍋の過加熱を防止し、これにより、効率的な加熱を行う誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明の誘導加熱調理器は、赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、高周波電流を供給されることによって、トッププレート上に載置された調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、受光素子及び受光素子の出力を増幅する増幅器を備え、調理容器の底面から放射され、トッププレートを透過した赤外線を検出して底面温度に対し検出下限温度までは大きさが略一定で、検出下限温度を超えると調理容器の底面温度が高くなればなるほど増加の傾きが増加する検出信号を出力する赤外線センサと、インバータ回路が出力する加熱電力を積算する電力積算部と、赤外線センサの出力と電力積算部の出力とに基づいて、インバータ回路が出力する高周波電流を制御する加熱制御部と、を有し、加熱制御部は、第1の加熱電力で加熱を開始したときの赤外線センサの出力値に対する赤外線センサの出力値の増加量が第1の所定値に達したときに、電力積算部の積算値が第1の所定電力量未満かどうかを判断し、電力積算部の積算値が第1の所定電力量未満であれば、加熱電力を第1の加熱電力より低い第2の加熱電力に抑制する第1の加熱制御モードに移行し、電力積算部の積算値が第1の所定電力量以上であれば、第2の加熱電力より大きな第3の加熱電力で加熱する第2の加熱制御モードに移行する。
赤外線センサを用いて、調理容器底面が発する赤外線を検出し、直接、調理容器底面の温度を検知しているため、調理容器の底面が凸状態に反っていて調理容器とトッププレートとの間に隙間があっても、その隙間の影響を受けずに、実際の調理容器の温度勾配に追従して、調理容器の温度を正確に検出することができる。また、調理容器の底面の厚みが薄く、調理容器が急激に温度上昇する場合であっても、時間的な遅れが発生せずに、急激な温度上昇に追従して、温度検出が可能となる。
加熱制御部は、第1の加熱制御モードに移行すると、加熱を停止又は加熱電力を第2の加熱電力より小さくなるように抑制してから第1の所定時間経過後に、加熱電力を増加させて第2の加熱電力で加熱し、赤外線センサの出力値の増加量が第2の所定値に達すると、加熱を停止又は加熱電力を第2の加熱電力より小さくなるように抑制する、制御を繰り返してもよい。
加熱開始から所定温度に達するまでにインバータ回路から出力される加熱電力を積算し、積算電力が所定値より低い場合には、火力を下げて加熱すると共に、加熱を停止又は抑制するための赤外線センサの閾値を低くしている。よって、調理容器の底面の厚みが薄いとき又は空焼きの状態であっても、調理容器の過加熱を防止することができる。逆に、例えば、調理容器の厚みが大きいとき又は調理容器の中に液体や野菜が投入されたときなど調理容器の熱容量が大きい場合には、調理容器の底面の厚みが薄いとき又は空焼きの状態の時に比べ加熱電力を大きくして素早く調理容器の温度を立ち上げることができる。
第2の所定値は、第1の所定値以上であってもよい。
加熱制御部は、第2の加熱制御モードに移行すると、赤外線センサの出力値の増加量が第2の所定値より高い第3の所定値に達すると、加熱を停止又は加熱電力を第1の加熱電力より小さくなるように抑制し、赤外線センサの出力値の増加量が第3の所定値より低下すると、第3の加熱電力で加熱する、制御を繰り返してもよい。
第2の加熱制御モードでは、第1の加熱制御モードと比較して、より高火力で加熱すると共に、加熱を停止又は抑制するための赤外線センサの閾値をより高くしているため、調理容器の底面の厚みが厚いとき又は食材が調理容器内に投入されている状態のときに、調理容器を十分に十分加熱することができる。
加熱制御部は、第1の加熱制御モードでの加熱動作中における第2の所定時間内の加熱電力の積算値が、第2の所定電力量を超えると、第1の加熱制御モードから第2の加熱制御モードに移行してもよい。
これにより、油のみを入れて加熱する予熱工程から、食材を投入して炒める加熱工程に移行するような調理方法に適した温度制御ができる。すなわち、油のみが投入されている状態では低火力にすることによって過加熱を防止でき、食材が投入された後は高火力に変更することによって、十分に加熱することが可能となる。
加熱制御部は、第2の加熱制御モードでの加熱動作中において、第1の加熱電力で加熱を開始してから赤外線センサの出力値の増加量が第1の所定値に達するまでの時間が、第3の所定時間以内のときは、第2の加熱制御モードから第1の加熱制御モードに移行してもよい。
これにより、食材を加熱している状態から、食材が取り除かれた状態に変化した場合に適した温度制御をすることができる。すなわち、食材が投入されているときは高火力で十分に加熱でき、食材が取り除かれた後は低火力に変更することによって調理容器の過加熱を防止することが可能となる。
赤外線センサは、加熱コイルの半径方向の途中に配置されることが好ましい。
加熱コイルの半径方向の途中は、高周波磁界が強い位置であるため、調理容器の底面の略最高温度を検出することができる。よって、調理容器の略最高温度に基づいて、加熱電力を制御することが可能となり、過加熱を防止できる。
本発明によれば、調理容器から放射される赤外線を検出する赤外線センサを外乱光及び放射率の影響を受けにくい方法を用いて、調理容器の温度を精度良く検出し、積算電力を同時に測定することにより調理容器の熱容量を推定して加熱電力を制御しているため、調理容器の底面が凸状に反っていて調理容器とトッププレートの間に隙間があっても、その隙間の影響を受けずに、調理容器の温度勾配に追従して、調理容器の温度を応答性良く
制御することができる。すなわち、調理容器の底面の厚みが薄く、調理容器が急激に温度上昇する場合、逆に調理容器の底面の厚みが厚いときあるいは野菜などの被調理物が調理容器に投入されたときなど調理容器の熱容量が大きく大きな加熱電力が必要な場合を判別して、調理容器の状態に対応して加熱電力を適切に増減して時間的な遅れが発生せずに、調理容器の温度を立ち上げかつ急激な調理容器の温度上昇に追従しながら、調理容器の温度制御が可能となる。よって、大きな加熱電力で調理容器を素早く高温にするとともに、鍋の底が凸状態に反っている鍋や鍋底の厚みが薄い鍋の過加熱を防止することができる。
本発明の実施形態1及び実施形態2の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図 本発明の実施形態1及び実施形態2の誘導加熱調理器が用いる赤外線センサの回路図 図2の赤外線センサの特性図 本発明の実施形態1及び実施形態2における初期制御モードから第1の加熱制御モード又は第2の加熱制御モードに移行するまでの動作を示すフローチャート 本発明の実施形態1の第1の加熱制御モードでの動作を示すフローチャート 本発明の実施形態1における初期制御モードと第1の加熱制御モードにおける波形図であって、(a)は調理容器の温度、(b)は赤外線センサの出力増加量、(c)は加熱電力、(d)は積算電力、をそれぞれ示す図 本発明の実施形態1の第2の加熱制御モードでの動作を示すフローチャート 本発明の実施形態1における初期制御モードと第2の加熱制御モードにおける波形図であって、(a)は調理容器の温度、(b)は赤外線センサの出力増加量、(c)は加熱電力、(d)は積算電力、をそれぞれ示す図 本発明の実施形態2の第1の加熱制御モードでの動作を示すフローチャート 本発明の実施形態2の第2の加熱制御モードでの動作を示すフローチャート 本発明の実施形態2における初期制御モードと第1の加熱制御モードと第2の加熱制御モードにおける波形図であって、(a)は調理容器の温度、(b)は赤外線センサの出力増加量、(c)は加熱電力、(d)は加熱開始からの積算電力、(e)は第1の加熱制御モード中の所定時間内の積算電力、をそれぞれ示す図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
1.1 誘導加熱調理器の構成
図1に、本発明の実施形態1の誘導加熱調理器の構成を示す。本実施形態の誘導加熱調理器は赤外線センサ3を有し、赤外線センサ3の検出温度が所定値に達するまでに要した入力電力の積算値に基づいて、その後の加熱電力を制御して、鍋などの調理容器10を加熱する。
本発明の実施形態1の誘導加熱調理器は、機器上面に設けられたトッププレート1と、高周波磁界を発生させることによって、トッププレート1上の調理容器10を誘導加熱する加熱コイル2と、を備える。トッププレート1は、ガラスなどの電気絶縁物からなり、赤外線を透過する。加熱コイル2は、トッププレート1の下方に設けられている。加熱コイル2は、同心円状に2分割されて外コイル2aと内コイル2bを形成している。外コイル2aと内コイル2bの間に、隙間が設けられている。調理容器10は、加熱コイル2の高周波磁界により発生した渦電流によって、発熱する。
トッププレート1の使用者側には、複数のスイッチを含む操作部4が設けられている。例えば、加熱の開始/停止などを使用者が指示するための加熱開始/停止スイッチが操作部4に含まれる。
赤外線センサ3は、調理容器10の半径方向の途中、本実施形態では、外コイル2aと内コイル2bとの間の隙間の下方に設けられる。この位置は、加熱コイル2の高周波磁界が強いため、調理容器10の底面の略最高温度を検出することができる。調理容器10の底面から放射された、調理容器10の底面温度に基づく赤外線は、トッププレート1を通って入射し、外コイル2aと内コイル2bとの間の隙間を通って、赤外線センサ3により受光される。赤外線センサ3は、受光した赤外線を検出し、検出した赤外線量に基づいた赤外線検出信号35を出力する。
加熱コイル2の下方には、商用電源5から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流平滑部6と、整流平滑部6から直流電圧を供給されて高周波電流を生成し、生成した高周波電流を加熱コイル2に出力するインバータ回路7とが設けられる。整流平滑部6は、ブリッジダイオードで構成される全波整流器61と、全波整流器61の出力端子間に接続された、チョークコイル62及び平滑コンデンサ63で構成されるローパスフィルタと、を有する。インバータ回路7は、スイッチング素子73(本実施形態ではIGBT)と、スイッチング素子73と逆並列に接続されたダイオード72と、加熱コイル2に並列に接続された共振コンデンサ71と、を有する。インバータ回路7のスイッチング素子73がオン/オフすることによって、高周波電流が発生する。インバータ回路7と加熱コイル2は、高周波インバータを構成する。
商用電源5と整流平滑部6との間に、商用電源5から整流平滑部6に流れる入力電流を検出するための入力電流検出部9が設けられている。入力電流検出部9は、本実施形態において、カレントトランスである。
本実施形態の誘導加熱調理器は、入力電力を積算する電力積算部81と、インバータ7を制御する加熱制御部82と、を含む制御部8を有する。電力積算部81は、入力電流検出部9が検出した入力電流に基づいて、入力電力を積算し、これにより、インバータ回路7が出力する積算電力を算出する。加熱制御部81は、インバータ回路7のスイッチング素子73のオン/オフを制御する駆動信号を出力することによって、インバータ回路7から加熱コイル2に供給される高周波電流を制御する。加熱制御部8は、操作部4から送信される信号と、赤外線センサ3が検出した温度と、電力積算部81が算出した積算電力とに基づいて、スイッチング素子73のオン/オフを制御する。
図2に、赤外線センサ3の回路図を示す。赤外線センサ3は、フォトダイオード31と、増幅器であるオペアンプ32と、抵抗33、34とを有する。抵抗33、34の一端はフォトダイオード31に接続され、他端はオペアンプ32の出力端子及び反転入力端子にそれぞれ接続されている。フォトダイオード31は、トッププレート1を透過するおよそ3ミクロン以下の波長の赤外線が照射されると電流が流れるシリコン等で形成された受光素子であり、調理容器10から放射される赤外線を受光できる位置に設けられる。オペアンプ32は、電流変換回路及び増幅回路を構成する。フォトダイオード31により発生した電流は、オペアンプ32によって増幅され、調理容器10の温度を示す赤外線検出信号35(電圧値Vに相当)として、制御部8に出力される。赤外線センサ3は、調理容器10から放射される赤外線を受光するため、トッププレート1を介して温度を検出するサーミスタと比較して、熱応答性が良い。
図3に、赤外線センサ3の出力特性を示す。図3において、横軸は調理容器10の底面温度であり、縦軸は赤外線センサ3が出力する赤外線検出信号35の電圧値を示す。本実施形態では調理容器10の過加熱を防止できればいいため、赤外線センサ3は、調理容器10の底面温度が約250℃以上のときに赤外線検出信号35を出力し、約250℃未満のときは赤外線検出信号35を出力しない特性を有する。この場合の「赤外線検出信号35を出力しない」とは、赤外線検出信号35を全く出力しないだけでなく、実質的に出力しないこと、すなわち制御部8が赤外線検出信号35の大きさの変化に基づいて調理容器10の底面の温度変化を実質的に読み取れない程の微弱な信号を出力することを含む。赤外線検出信号35の出力値は、信号を出力する範囲、すなわち、調理容器10の温度が所定の温度(約250℃)以上になると、被加熱物の温度が高くなればなるほど増加の傾きが増加する非線形的な単調増加特性を示し、累乗関数的に増加するように、増幅器32の増幅率が設定される。なお、赤外線センサ3の出力特性は、増幅器32の増幅率を下げると、あるいは、赤外線検出素子の受光感度のより低いものを採用すると出力の立ち上がり温度T0は高温側にシフトする。また、太陽光などの静的な外乱光が入射すると赤外線検出信号35aのように、高出力側にシフトする。
1.2 誘導加熱調理器の動作
本実施形態の誘導加熱調理器は、初期制御モード、第1の加熱制御モード、及び第2の加熱制御モードを含む制御方法により、調理容器を加熱する。ここで、「初期制御モード」とは、使用者により、加熱開始が指示されたときに、最初に実行する制御モードである。「第1の加熱制御モード」と「第2の加熱制御モード」はそれぞれ、初期制御モードが所定時間、実行された後に実行される制御モードであって、「第1の加熱制御モード」は、調理容器の底面の厚みが薄いとき、又は空焼きの状態のときに適した制御モードであり、「第2の加熱制御モード」は、調理容器の底面の厚みが厚いとき、又は食材が調理容器に投入されている状態のときに適した制御モードである。これらの制御モードを用いた調理容器の具体的な加熱制御について、図4〜図8を用いて、以下に説明する。
図4は、初期制御モードから第1の加熱制御モード又は第2の制御モードに移行するまでのフローチャートを示す。図5は、第1の加熱制御モードにおける加熱制御のフローチャートを示す。図6は、初期制御モード及び第1の加熱制御モードにおける波形を示し、(a)に加熱中における調理容器10の底面温度、(b)に赤外線センサ3の出力増加量、(c)に加熱電力、(d)に積算電力、を示している。図7は、第2の加熱制御モードにおける加熱制御のフローチャートを示す。図8は、初期制御モード及び第2の加熱制御モードにおける波形を示し、(a)に加熱中における調理容器10の底面温度、(b)に赤外線センサ3の出力増加量、(c)に加熱電力、(d)に積算電力、を示している。
図4から説明する。図1に示すトッププレート1上に調理容器10が置かれ、操作部4の加熱開始/停止スイッチが操作されて加熱開始が指示されると、加熱制御部82は、インバータ回路7を駆動し、加熱コイル2に高周波磁界を発生させて、調理容器10の加熱を開始する。このとき、加熱電力が高火力の第1の加熱電力P1(例えば3kW)となるように、加熱を開始する(S401)(図6(c)及び図8(c)参照)。なお、第1の加熱電力P1は、常に一定である必要は無く、調理容器10の立ち上げに必要な加熱電力となるようにすればよい。
加熱を開始すると、加熱コイル2の高周波磁界により発生した渦電流により、調理容器10が発熱する。赤外線センサ3は、調理容器10から放射される赤外線に基づいて、調理容器10の温度を検出する。調理容器10の半径方向の途中に設けられた赤外線センサ3は、高周波磁界の強い位置にあるため、調理容器10の底面の略最高温度を検出する。調理容器10の温度上昇にともない、赤外線センサ3の出力が増加する。加熱制御部82は、第1の加熱電力で加熱を開始したときの赤外線センサ3の出力値に対する赤外線センサ3の出力増加量が、第1の所定値V1以上に達したかどうかを判断する(S402)(図6(b)及び図8(b)参照)。
赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1以上になれば(S402でYes、図6(b)及び図8(b)の時刻t1)、電力積算部81は、加熱を開始してからの積算電力が所定電力量Wh1(第1の所定電力量)以上かどうかを判断する(S403)(図6(d)及び図8(d)参照)。調理容器10の底面の厚みが薄い又は空焼きの状態である場合は、加熱を開始してからの積算電力が所定電力量Wh1を超えず、調理容器10の底面の厚みが厚い又は食材が調理容器10に投入されている場合は、加熱を開始してからの積算電力が所定電力量Wh1を超えるように、所定電力量Wh1は設定される。
加熱を開始してからの積算電力が所定電力量Wh1以上でなければ(S403でNo)、第1の加熱制御モードでの加熱制御を実行する(S404)(図6参照)。加熱を開始してからの積算電力が所定電力量Wh1以上であれば(S403でYes)、第2の加熱制御モードを実行する(S405)(図8参照)。
第1の加熱制御モードについて、図5及び図6を用いて説明する。図5は、図4のステップS404の具体的な加熱制御のフローチャートである。初期制御モードから第1の加熱制御モードに移行すると、加熱制御部82は加熱を停止する(S501)(図6(c)の時刻t1参照)。加熱制御部82は、加熱を停止してから所定時間T1経過したか否かを判断する(S502)。所定時間T1経過すれば、加熱制御部82は、第2の加熱電力P2で加熱を始める(S503、図6(c)の時刻t2参照)。ここで、第2の加熱電力P2は、第1の加熱電力P1より小さい値(例えば、1.5kW)である。なお、第2の加熱電力P2は常に一定としておく必要はなく平均した加熱力において、第2の加熱電力P2は、第1の加熱電力P1より小さい値とすればよい。また、所定時間T1は、赤外線センサ3の出力増加量が、第1の所定値V1よりも小さくなるような時間である。
加熱制御部82は、使用者により、操作部4を介して、加熱終了が指示されたかどうかを判断する(S504)。加熱終了の指示が入力された場合は、加熱を終了する。加熱終了の指示が入力されていない場合は、赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1以上に達しているかどうかを判断する(S505)。赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1以上に達していれば(S505でYes)、ステップS501に戻り、加熱制御部82は加熱を停止する(図6(b)(c)の時刻t3、t5参照)。
このように、第1の加熱制御モードでは、低火力の第2の加熱電力P2で調理容器10を加熱し、赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1以上に達すると、加熱を停止し、所定時間T1経過すれば、再度、第2の加熱電力P2で加熱するという動作を繰り返す。
第2の加熱制御モードについて、図7及び図8を用いて説明する。図7は、図4のステップS405の具体的な加熱制御のフローチャートである。初期制御モードから第2の加熱制御モードに移行した時点では、加熱制御部82は第2の加熱電力P2より大きな第1の加熱電力P1で調理容器10を加熱している。なお、この場合、第1の加熱電力P1に代え、第1の加熱電力P1より大きな第3の加熱電力P3(例えば2.5kW)としてもよい。また、第3の加熱電力P3は常に一定としておく必要はなく平均した加熱電力において、第3の加熱電力P3は、第1の加熱電力P1より大きい値とすればよい。加熱制御部82は、赤外線センサ3の出力増加量が第2の所定値V2以上に達したかどうかを判断する(S701)(図8(b)参照)。第2の所定値V2とは、第1の所定値V1より大きな値である。赤外線センサ3の出力増加量が第2の所定値V2以上に達すると(S701でYes)、加熱制御部82は加熱を停止する(S702、図8(b)及び(c)の時刻t2参照)。
加熱制御部82は、加熱を停止してから、赤外線センサ3の出力増加量が第2の所定値V2未満に下がったかどうかを判断する(S703)。赤外線センサ3の出力増加量が第2の所定値V2未満に下がっていれば、再び、第1の加熱電力P1で加熱を開始する(S704、図8(b)(c)の時刻t3)。
加熱制御部82は、操作部4から加熱終了の指示を入力したかどうかを判断する(S705)。加熱制御部82が、操作部4から加熱終了の指示を入力すれば(S705でYes)、加熱制御部82は加熱を終了する。加熱終了の指示が入力されていない場合は、ステップS701に戻る。
このように、第2の加熱制御モードでは、第1の加熱制御モードでの第2の加熱電力P2より高火力の第1の加熱電力P1又は第3の加熱電力P3で加熱し、赤外線センサ3の出力増加量が第2の所定値V2以上に達すれば加熱を停止し、赤外線センサ3の出力増加量が第2の所定値V2未満になると第1の加熱電力P1で加熱する動作を繰り返す。
以上のように、第2の加熱制御モードでは、第1の加熱制御モードよりも、加熱電力が大きく(P1、P3>P2)、加熱を停止させるタイミングとなる閾値が高い(V2>V1)。したがって、第2の加熱制御モードでは、第1の加熱制御モードよりも、平均加熱電力が大きくなり調理中の加熱する際の火力感が強くなる。
1.3 まとめ
本実施形態の誘導加熱調理器によれば、調理容器10から放射される赤外線を検出する赤外線センサ3を用いて、調理容器10の温度を検出しているため、調理容器10の底面が凸状に反っていて、調理容器10とトッププレート1の間に隙間があっても、その隙間の影響を受けずに、調理容器10の温度勾配に追従して、調理容器10の底面の温度を正確に検出することができる。
また、熱応答性の良い赤外線センサ3によって、調理容器10の温度を検出しているため、赤外線センサ3の検出温度と実際の調理容器10の底面温度との間で時間的な遅れが発生しない。そのため、調理容器10の実際の温度を正確に検出することができる。よって、調理容器10の底面の厚みが薄く、調理容器10が急激に温度上昇する場合であっても、急激な温度上昇に追従して、温度検出が可能となる。
赤外線センサ3は、赤外線検出信号35が調理容器10の底面温度に対し、所定の温度までは大きさが略一定(この場合ゼロ)で、所定の温度を超えるとべき乗関数的に増加するように、オペアンプ32(増幅器)の増幅率を設定し、加熱制御部82は、第1の加熱電力で加熱を開始したときの赤外線センサ3の出力値に対する赤外線センサ3の出力値の増加量ΔVが第1の所定値に達したかどうかを判定する。これにより、調理容器10が所定の温度に到達したかどうかを精度良くかつ外乱光の影響、調理容器10の放射率の影響を抑制しつつ安定して測定することができる。以下、図3に基づき具体的に説明する。
調理容器10の加熱開始時の温度T1が検出下限温度T0(例えば、250℃)未満の場合、赤外線センサ3の出力の赤外線検出信号35は大きさが略一定であるので、加熱中における赤外線検出信号35の初期出力値V0に対する所定の増加量ΔVが得られるときの調理容器10の底面温度Tは、加熱開始時の温度T1に依存しない値となる。赤外線センサ10の加熱開始時の温度T1が検出下限温度である所定の温度T0以上の場合、調理容器10の底面温度Tが上昇すればするほど赤外線検出信号35の、大きさの増加の傾きが増加する、いわゆる、べき乗関数的な増加特性を示す赤外線検出信号35を出力する。したがって、赤外線センサ10の加熱開始時の温度T1が検出下限温度である所定の温度T0以上の場合、所定の増加量ΔVが得られるときの調理容器10の底面温度Tは、加熱開始時の底面温度T1に依存するが調理容器10の底面温度Tが高くなればなるほど、赤外線検出信号35の、調理容器10の温度Tの変化の傾きが急になり、所定の増加量ΔVに対応する調理容器10の温度変化ΔTが小さくなる。したがって、調理容器10の温度Tが高温になればなるほど、よりわずかな温度変化ΔTで所定の増加量ΔVが得られるので、加熱開始時の底面温度T1に大きな影響を受けることなく温度変化を検知して応答性良く出力を抑制しまたは加熱を停止して温度上昇を抑制することができる。また、外乱光が定常的に赤外線センサ10に入射した場合でも、実線で示す赤外線検出信号35は高出力側に平行移動して破線で示す赤外線検出信号35aとなるので、上記調理容器10の底面温度Tの検知動作は、その影響をほとんど受けないようにすることができる。
したがって、上記の方法によれば、赤外線センサ3により調理容器10が所定の温度に到達したときの、電力積算部81の積算値が第1の所定電力量Wh1未満かどうかを応答性よく且つ安定して判断することができる。このため、調理容器10の熱容量の大小、例えば底面の厚みが薄いものと熱いものを安定して検出することができる。
また、赤外線センサ3を加熱コイル2の巻線の半径方向の途中、すなわち、外コイル2aと内コイル2bとの間に設けて、加熱コイル2による高周波磁界が強い位置で、外コイル2aと内コイル2bとの巻線間の上部に位置する調理容器10の底面部分を測定しているため、調理容器10の高温部分に対する検知感度がより高い状態で、加熱コイル2への電力供給を制御することができる。これにより、過加熱を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、赤外線センサ3の検出温度が第1の所定値V1に達するまでに要した積算電力が所定電力量Wh1を超えているかどうかによって、その後の加熱制御を変えている。すなわち、調理容器10の底面が薄い又は空焼きの状態であると判断した場合は、火力を第2の加熱電力P2に下げて調理容器10を加熱すると共に、加熱を停止させるタイミングとなる赤外線センサ3の出力増加量の閾値を低い値V1に設定している。よって、厚みの薄い調理容器10や空焼きの状態における過加熱を防止することができる。また、これにより、調理容器10の変形を防止できる。
調理容器10の底面が厚い又は食材が調理容器10に投入されていると判断した場合は、高火力の第1の加熱電力P1のままで加熱を継続すると共に、加熱を停止させるタイミングとなる赤外線センサ3の出力増加量の閾値を高い値V2に設定している。よって、底面の厚みの厚い調理容器10や食材が調理容器10に投入されている状態などのように、高い加熱電力が必要で、高い加熱電力を加えても過加熱とならない場合には、高い加熱電力で短時間に調理容器10を加熱することができる。
また、赤外線センサ3の受光素子として、シリコンのフォトダイオード31を用いているため、赤外線センサ3を安価にすることができる。
1.4 変形例
なお、初期制御モード(図4のステップS402)と第1の加熱制御モード(図5のステップS505)において、同一の第1の所定値V1を用いる代わりに、異なる値を閾値として設定してもよい。例えば、初期制御モード(図4のステップS402)での閾値を第1の加熱制御モード(図5のステップS505)の閾値より低く設定してもよい。この場合、第2の加熱制御モードにおける第2の所定値V2は、第1の加熱制御モードでの閾
値より高くするとよい。高火力の第1の加熱電力P1で加熱しているときは、わずかな応答遅れでも過加熱になりやすい。そのため、閾値を低めにして感度を高くすることにより、応答遅れを防止することができる。また、火力を低下させて第2の加熱電力で加熱しているときは、応答が少し遅れても過加熱にはならないため、閾値を高めの値に設定することが可能になる。このように、第1の加熱電力で加熱しているときと第2の加熱電力で加熱しているときにおける閾値を異なる値にすることで、より適正に調理容器10を加熱することができる。
なお、本実施形態において、図8に示した第2の加熱制御モードでは、初期制御モードと同じ第1の加熱電力P1で加熱したが、第2の加熱制御モードにおける第3の加熱電力P3は第1の加熱電力P1に限定しない。第2の加熱制御モードでの第3の加熱電力は、第1の加熱制御モードでの第2の加熱電力P2より大きければよい。
なお、本実施形態では、図5のステップS501及び図7のステップ702で加熱を停止したが、加熱を停止する代わりに、加熱を抑制してもよい。例えば、図5のステップS501において、第2の加熱電力P2より小さな加熱電力で加熱をしてもよい。また、図7のステップS702において、第1の加熱電力P1より小さな加熱電力で加熱をしてもよい。
なお、図5のステップS502の代わりに、赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1未満かどうかを判断するステップを追加して、赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1未満の場合に、第2の加熱電力P2で加熱を開始するようにしてもよい。以下の実施形態2においても同様である。
なお、積算電力は簡易的に測定したものであってもよい。例えば、一定の入力電流となるように制御している場合に、加熱時間で置き換えてもよい。
(実施形態2)
2.1 誘導加熱調理器の動作
本実施形態においては、積算電力が所定電力量Wh1以上に達してからの制御(図4のステップ403以後の制御)が実施形態1と異なる。実施形態1では、第1の加熱制御モード(S404)又は第2の加熱制御モード(S405)が実行されている間、加熱途中で他方の加熱制御モードに切り替えず、最初に決定された制御モードで加熱が継続された。しかし、本実施形態では、加熱途中で、第1の加熱制御モードと第2の加熱制御モードとを切り換えることを可能にする。本実施形態の誘導加熱調理器の構成は、実施形態1と同一である。
実施形態1と異なる動作について、図9〜図11を用いて説明する。図9に本実施形態における第1の加熱制御モードのフローチャートを示す。図10に本実施形態における第2の加熱制御モードのフローチャートを示す。図11に、初期制御モードから第1の加熱制御モードに移行し、その後、第1の加熱制御モードと第2の加熱制御モードとが切り替わる場合の波形を示し、(a)に加熱中における調理容器10の底面温度、(b)に赤外線センサ3の出力増加量、(c)に加熱電力、(d)に加熱開始からの積算電力、(e)に所定時間T2内の積算電力を示している。
図9及び図11を用いて、第1の加熱制御モードにおける誘導加熱調理器の動作について説明する。本実施形態においては、第1の加熱制御モードから第2の加熱制御モードに切り換え可能であるため、制御モードを切り換えるかどうかを判断するためのステップS904が新たに追加されている。ステップS904を除いて、ステップS901〜S906は、実施形態1の図5のステップS501〜S505と同一である。異なるステップS904について説明する。
電力積算部81は、第1の加熱制御モードにおいて、第2の加熱電力で加熱中に、所定時間T2内の積算電力が所定電力量Wh2(第2の所定電力量)以上に達したかどうかを判断する(S904)(図11(e)参照)。所定時間T2内の積算電力が所定電力量Wh2以上であれば(S904でYes)、第2の加熱制御モードに移行し、高火力の第1の加熱電力P1で加熱を開始する(図10のS1004)(図9(c)の時刻t5参照)。以降、第2の加熱制御モードにおける加熱制御が実行される。これにより、例えば、空の調理容器10を低火力で加熱している状態で、その調理容器10に食材が投入されたときに、より高火力の加熱に変更して調理容器10を加熱することが可能となる。よって、短時間での調理が可能となる。所定時間T2内の積算電力が所定電力量Wh2以上でなければ(S904でNo)、第1の加熱制御モードでの加熱を継続する。
図10及び図11を用いて、第2の加熱制御モードにおける誘導加熱調理器の動作について説明する。本実施形態においては、第2の加熱制御モードから第1の加熱制御モードに切り換え可能であるため、制御モードを切り換えるかどうかを判断するためのステップS1005が新たに追加されている。ステップS1005を除いて、ステップS1001〜S1006は、実施形態1の図7のステップS701〜S705と同一である。異なるステップS1005について説明する。
加熱制御部82は、第2の加熱制御モードにおいて、加熱停止後に第1の加熱電力P1での加熱を開始した後、赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1達するまでの時間が所定時間T3以内かどうかを判断する(S1005)(図11(c)の時刻t6〜t7参照)。加熱を再開してから赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1に達するまでの時間が所定時間T3以内であれば、第1の加熱制御モードに移行して、まず加熱を停止する(S901)(図11(c)の時刻t7参照)。以降、第1の加熱制御モードにおける加熱制御が実行される。これにより、例えば、食材が投入されている調理容器10を高火力で加熱している状態で、その調理容器10から食材が取り除かれたときに、より低火力での加熱に変更して調理容器10を加熱することが可能となる。これにより、調理容器10の過加熱を防止することができる。赤外線センサ3の出力増加量が第1の所定値V1に達するまでの時間が所定時間T3以内でなければ(S1005でNo)、第2の加熱制御モードでの加熱を継続する。
2.2 まとめ
本実施形態では、第1の加熱制御モードから第2の加熱制御モードに切り換えることを可能にしている。具体的には、低火力の第2の加熱電力P2で加熱中の任意の時間において、所定期間T2中の積算電力が所定電力量Wh2を越えた場合に、加熱電力を高火力の第1の加熱電力P1に変更している。これにより、空焼きの状態から、食材が調理容器に投入された状態に変化したときに、変更後の状態に適した加熱制御モードで、調理容器を加熱することができる。このような加熱制御モードの変更は、例えば、肉じゃが等のように、調理容器10に少量の油のみを入れて加熱を開始し、調理容器10が200℃を越えるぐらいまで予熱された後に、肉、たまねぎなどを投入して炒める場合に適している。油のみを入れて加熱する予熱工程では、第1の加熱制御モードが選択されることによって、調理容器10の過加熱が防止され、食材を投入し炒める工程では、第2の加熱制御モードに変更することにより、高火力で炒めることが可能となる。
また、本実施形態では、第2の加熱制御モードから第1の加熱制御モードに切り換えることも可能にしている。具体的には、高火力の第1の加熱電力P1での加熱時に、第1の所定値V1に到達する時間が所定時間T3以内のときは、加熱電力を低火力の第2の加熱電力P2に変更している。これにより、加熱途中に、食材が調理容器10から取り出されて、調理容器10が空焼きの状態に変化したときに、調理容器10の過加熱を防止することができる。
2.3 変形例
なお、第1の加熱制御モードから第2の加熱制御モードに切り換えるための判断(S904)と、第2の加熱制御モードから第1の加熱制御モードに切り換えるための判断(S1005)を行うタイミングは、それぞれ図9及び図10に示すタイミングに限定されない。第1の加熱制御モード中の任意のタイミングで、第1の加熱制御モードから第2の加熱制御モードに切り換えるための判断(S904)を行うことができる。また、第2の加熱制御モード中の任意のタイミングで、第2の加熱制御モードから第1の加熱制御モードに切り換えるための判断(S1005)を行うことができる。
本発明の誘導加熱調理器は、鍋底が凸状態に反っている鍋や鍋底の厚みが薄い鍋の過加熱を防止できるという効果を有し、一般家庭などで使用される調理機器として有用である。
1 トッププレート
2 加熱コイル
3 赤外線センサ
4 操作部
5 商用電源
6 整流平滑部
7 インバータ回路
8 制御部
81 電力積算部
82 加熱制御部

Claims (7)

  1. 赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、
    高周波電流を供給されることによって、前記トッププレート上に載置された調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、
    受光素子及び前記受光素子の出力を増幅する増幅器を備え、前記調理容器の底面から放射され、前記トッププレートを透過した赤外線を検出して前記底面温度に対し検出下限温度までは大きさが略一定で、前記検出下限温度を超えると前記調理容器の底面温度が高くなればなるほど増加の傾きが増加する検出信号を出力する赤外線センサと、
    前記インバータ回路が出力する加熱電力を積算する電力積算部と、
    前記赤外線センサの出力と前記電力積算部の出力とに基づいて、前記インバータ回路が出力する高周波電流を制御する加熱制御部と、
    を有し
    記加熱制御部は、第1の加熱電力で加熱を開始したときの前記赤外線センサの出力値に対する前記赤外線センサの出力値の増加量が第1の所定値に達したときに、前記電力積算部の積算値が第1の所定電力量未満かどうかを判断し、
    前記電力積算部の積算値が前記第1の所定電力量未満であれば、前記加熱電力を前記第1の加熱電力より低い第2の加熱電力に抑制する第1の加熱制御モードに移行し、
    前記電力積算部の積算値が前記第1の所定電力量以上であれば、前記第2の加熱電力より大きな第3の加熱電力で加熱する第2の加熱制御モードに移行する、
    誘導加熱調理器。
  2. 前記加熱制御部は、前記第1の加熱制御モードに移行すると、
    加熱を停止又は前記加熱電力を前記第2の加熱電力より小さくなるように抑制してから第1の所定時間経過後に、前記加熱電力を増加させて前記第2の加熱電力で加熱し、
    前記赤外線センサの出力値の増加量が第2の所定値に達すると、加熱を停止又は前記加熱電力を前記第2の加熱電力より小さくなるように抑制する、
    制御を繰り返す、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記第2の所定値は、前記第1の所定値以上である、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記加熱制御部は、前記第2の加熱制御モードに移行すると、
    前記赤外線センサの出力値の増加量が前記第2の所定値より高い第3の所定値に達すると、加熱を停止又は前記加熱電力を前記第1の加熱電力より小さくなるように抑制し、
    前記赤外線センサの出力値の増加量が前記第3の所定値より低下すると、前記第3の加熱電力で加熱する、
    制御を繰り返す、請求項3に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記加熱制御部は、前記第1の加熱制御モードでの加熱動作中における第2の所定時間内の加熱電力の積算値が、第2の所定電力量を超えると、前記第1の加熱制御モードから前記第2の加熱制御モードに移行する、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記加熱制御部は、前記第2の加熱制御モードでの加熱動作中において、前記第1の加熱電力で加熱を開始してから前記赤外線センサの出力値の増加量が前記第1の所定値に達するまでの時間が、第3の所定時間以内のときは、前記第2の加熱制御モードから前記第1の加熱制御モードに移行する、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記赤外線センサは、前記加熱コイルの半径方向の途中に配置される、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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