JP5195078B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は赤外線センサを搭載した誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は、最大火力で使用するケースが湯沸しのような比較的短時間に限られていたため、一定時間最大火力で加熱後は加熱出力を低下させる機能が搭載されていた。これにより、最大火力を維持し続けることのできる冷却構成や、発熱量の低い部品を採用する必要がなく、部品構成を単純にし、かつ安価な部品を採用することができるため、安価な誘導加熱調理器を提供できることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年では誘導加熱調理器に赤外線センサを搭載したものが登場し、鍋底から放出される赤外線量に応じて加熱出力を制御し、鍋底温度を一定に保つため、従来のサーミスタ方式では温度追従性が悪い等の理由から困難だった高火力での炒め物調理が可能となり、湯沸し以外の用途においても最大火力が求められるようになった(例えば、特許文献2参照)。
特開昭63−110592号公報 特開2007−188658号公報
しかしながら、一定時間で加熱出力を低下させるような前記従来の誘導加熱調理器では、長時間炒め物をするような場合には、食材に加わる熱量が不足し、料理の出来栄えを損ねてしまうという課題を有していた。しかしながら、最大火力を出力し続けるような構成を実現するためには、冷却風を効率よく分配するための部品や、発熱量の低い部品が余分に必要になり、本体構成が複雑になるとともに、コストが増大してしまい、安価な誘導加熱調理器を提供することが困難となってしまう。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、湯沸しのような高火力が短時間でよい使用条件と、炒め物のような高火力を長時間維持することが必要な使用条件どちらにも対応できかつ、冷却構成を単純にできる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、高周波電流を供給されることによって前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物の底面から放射され、前記トッププレートを透過した赤外線を検出する赤外線センサと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、加熱を開始するための動作開始部と、加熱出力を設定するための加熱出力設定部と、前記インバータ回路の出力を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記赤外線センサで検知した前記被加熱物の温度が所定の温度になると加熱出力を抑制または加熱を停止させる命令を出力する温度調節部と、前記加熱出力設定部および温度調節部の出力信号を入力して前記インバータの出力を制御する出力制御部と、前記動作開始部から加熱開始命令が前記出力制御部へ出力されると、時間の計測を開始し、前記計測された時間が所定時間に達すると予め定められた第1の出力値より小さい第2の出力値に低下させる命令を前記出力制御部に与えるタイマとを備え、前記制御部は、炒め物検知手段を備え、前記炒め物検知手段は、前記赤外線センサが検知した温度が所定の温度以上でありかつ、前記加熱出力設定部で設定された出力が前記第1の出力値以上であると前記温度調節部が作動することで前記インバータ回路の部品温度が前記温度調節部が作動しない湯沸し時に比べて低くなる炒め物調理中であると判断し、前記所定時間を前記所定時間より長い第2所定時間に変更する命令を前記タイマへ出力することを特徴としたものである。
利用者が湯沸しをしていた場合、鍋底温度は100℃程度であるため、温度調節部による火力調節は行われず、誘導加熱調理器は一定出力で加熱し続ける。したがって、インバータ基板上の部品は発熱量が大きく高温となる。
また、利用者が炒め物調理をしていた場合、温度調節部は赤外線センサから出力された信号を入力として、鍋底温度が高温になった場合、出力制御部へ加熱出力を抑制または停止させる命令を出力する。炒め物調理の場合は、鍋底温度は100℃近くまで上昇し、赤外線センサによって検出された鍋底温度に応じて、温度調節部は火力を抑制または停止させる命令を出力制御部に出力する。これにより、インバータの出力は低下し、インバータ基板上の部品温度は低下する。また、鍋底温度が低下すると、赤外線センサから温度調節部へ出力された温度に応じて、温度調節部はインバータの出力を増大させる命令を加熱出力調節部へ出力し、インバータの出力は増大し、インバータ基板上の部品の発熱量は大きくなり、部品温度は上昇する。炒め物調理中には、前述のように部品温度が上昇と低下を繰り返すため、湯沸し時に比べて、部品温度は低くなる。
本発明の誘導加熱調理器は鍋底温度が高温になる炒め物等の調理の場合には、加熱出力を小刻みに調節し、鍋底温度を一定に保つ制御を行っているため、インバータ基板上の部品温度が湯沸し時に比べて低くなることから、炒め物検知手段によってタイマの設定時間を延長させることにより、湯沸しのような高火力が短時間でよい使用条件と、炒め物のような高火力を長時間維持することが必要な使用条件どちらにも対応できかつ、冷却構成を単純にできるため、安価で使い勝手のよい誘導加熱調理器を提供することができる。
本発明の誘導加熱調理器は、湯沸しのような高火力が短時間でよい使用条件と、炒め物のような高火力を長時間維持することが必要な使用条件どちらにも対応できかつ、冷却構成を単純にできるため、安価で使い勝手をよくすることができる。
第1の発明は、赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、高周波電流を供給されることによって前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物の底面から放射され、前記トッププレートを透過した赤外線を検出する赤外線センサと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、加熱を開始するための動作開始部と、加熱出力を設定するための加熱出力設定部と、前記インバータ回路の出力を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記赤外線センサで検知した前記被加熱物の温度が所定の温度になると加熱出力を抑制または加熱を停止させる命令を出力する温度調節部と、前記加熱出力設定部および温度調節部の出力信号を入力して前記インバータの出力を制御する出力制御部と、前記動作開始部から加熱開始命令が前記出力制御部へ出力されると、時間の計測を開始し、前記計測された時間が所定時間に達すると予め定められた第1の出力値より小さい第2の出力値に低下させる命令を前記出力制御部に与えるタイマとを備え、前記制御部は、炒め物検知手段を備え、前記炒め物検知手段は、前記赤外線センサが検知した温度が所定の温度以上でありかつ、前記加熱出力設定部で設定された出力が前記第1の出力値以上であると前記温度調節部が作動することで前記インバータ回路の部品温度が前記温度調節部が作動しない湯沸し時に比べて低くなる炒め物調理中であると判断し、前記所定時間を前記所定時間より長い第2所定時間に変更する命令を前記タイマへ出力することにより、湯沸しのような高火力が短時間でよい使用条件と
、炒め物のような高火力を長時間維持することが必要な使用条件どちらにも対応できかつ、冷却構成を単純にできるため、安価で使い勝手のよい誘導加熱調理器を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記制御部にはタイマに替えて、前記動作開始部から加熱開始命令が前記出力制御部へ出力されると、出力の積算を開始し、積算出力が所定の値に達すると、予め定められた第1の出力値より小さい第2の出力値に低下させる命令を前記出力制御部に与える出力積算手段を備え、前記炒め物検知手段を、前記赤外線センサが検知した温度が前記所定の温度以上でありかつ、前記加熱出力設定部で設定された出力が前記第1の出力値以上であると、前記所定積算出力を前記所定積算出力より長い第2所定積算出力に変更する命令を前記出力積算手段へ出力するとすることにより、第1の発明と同等の効果が得られる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記インバータ回路上に設けられた温度検知手段を備え、前記炒め物検知手段を、前記赤外線センサが検知された温度が前記所定の温度以上でありかつ、前記加熱出力設定部で設定された出力が前記第1の出力値以上でありかつ、前記温度検知手段が予め設定された温度以下であると、前記所定時間を前記所定時間より長い前記第2所定時間に変更する命令をタイマへ出力するとすることにより、使用者が炒め物調理中であることを精度よく検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の斜視図を示したものであり、赤外線が透過する材料で形成されたトッププレート1と、高周波電流を供給されることによってトッププレート1上に載置された被加熱物Pを誘導加熱する加熱コイル2と、被加熱物Pの底面から放射され、トッププレート1を透過した赤外線を検出する赤外線センサ3と、加熱コイル2に高周波電流を供給するインバータ回路4と、加熱を開始するための動作開始部5と、加熱出力を設定するための加熱出力設定部6を有している。
図2は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の回路構成を示すブロック図であり、制御部7は温度調節部8、出力制御部9、タイマ10、炒め物検知手段11を有している。温度調節部8は赤外線センサ3で検知された被加熱物Pの底温度に応じて加熱出力を抑制または停止させる命令を出力制御部9へ送る。タイマ10は動作開始部5で加熱開始命令が出力されると、時間計測を開始する。計測された時間が所定時間に達すると、予め決められた第1の出力値より小さい第2出力値に低下させる命令を出力制御部9へ送る。炒め物検知手段11は、赤外線センサ3で検知された温度が所定の温度以上でありかつ、加熱出力設定部6で設定された出力が第1の出力値以上であると、所定時間を所定時間より長い第2所定時間に変更する命令をタイマ10へ出力する。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートであり、まず、101で利用者が動作開始部5を選択すると、加熱が開始され、102でタイマ10が時間計測を開始し、103で使用者が加熱出力設定部6を用いて加熱出力を選択する。104で炒め物検知手段11は赤外線センサ3で検出された鍋底温度が所定温度(本実施の形態では、例えば、300℃)以上であり、かつ設定された火力が予め決められた第1出力値(本実施の形態では、例えば、2600W)以上であるかを判断し、条件を満たしていれば、105でタイマ10の設定時間(本実施の形態では、例えば、5分)を第2所定時間(本実施の形態では、例えば、20分)へ延長させる。104で条件を満たしていなければ106に進む。106で計測された時間が所定時間に達すると、タイマ10から加熱出力を第2の出力値に抑制させる命令を出力制御部9へ送り、108で出力制御部9がインバータ4の出力値を第2の出力値(本実施の形態では、例えば、2500W)に低下させる。
以上のように、本発明の誘導加熱調理器に設けられた炒め物検知手段11は、赤外線センサ3からの出力と、加熱設定手段6で設定された火力情報を入力として、鍋底温度が一定温度以上でありかつ、加熱出力が所定の火力以上であれば、タイマ10に設定時間を延長する命令を出力し、タイマ10は設定時間を延長させる。これにより、炒め物時は加熱出力を抑制することなく、高火力で炒め物調理を続けることができる。また、最大火力を維持し続ける冷却構成が不要なため、冷却構成を単純にでき、安価で使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器の回路構成を示すブロック図であり、制御部7は、動作開始部5から加熱開始命令が出力制御部9へ出力されると、出力の積算を開始し、積算出力が所定の値に達すると、予め定められた第1の出力値より小さい第2の出力値に低下させる命令を出力制御部9に与える出力積算手段21を有している。炒め物検知手段11は、赤外線センサ3が検知した温度が所定の温度以上でありかつ、加熱出力設定部6で設定された出力が予め定められた第1の出力値以上であると、所定積算出力を所定積算出力よりも大きい第2所定積算出力に変更する命令を出力積算手段21へ出力する。
図5は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートであり、まず、101で利用者が動作開始部5を選択すると、加熱が開始され、202で出力積算手段21が加熱出力の積算を開始し、103で使用者が加熱出力設定部6を用いて加熱出力を選択する。104で炒め物検知手段は赤外線センサ3で検出された鍋底温度が所定温度以上であり、かつ設定された火力が予め決められた第1出力値以上であるかを判断し、条件を満たしていれば、205で予め決められた所定積算出力を第2所定積算出力へ変更する。104で条件を満たしていなければ206に進む。206で積算出力が所定積算出力に達すると、出力積算手段21から加熱出力を第2の出力値に抑制させる命令を出力制御部9へ送り、108で出力制御部9がインバータ4の出力値を第2の出力値に低下させる。これにより、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
図6は本発明の第3の実施の形態における誘導加熱調理器の回路構成を示すブロック図であり、インバータ回路4は基板上の温度を検出する温度検知部22を有しており、炒め物検知手段11は、赤外線センサ3で検知された温度が所定の温度以上でありかつ、加熱出力設定部6で設定された出力が第1の出力値以上であり、かつ温度検知部22で検出されたインバータ回路4上の温度が予め定められた所定の温度以下であると、所定時間を所定時間より長い第2所定時間に変更する命令をタイマ10へ出力する。
図7は本発明の第3の実施の形態における誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートであり、まず、101で利用者が動作開始部を選択すると、加熱が開始され、102でタイマ10が時間計測を開始し、103で使用者が加熱出力設定部6を用いて加熱出力を選択する。304で炒め物検知手段は赤外線センサ3で検出された鍋底温度が所定温度以上であり、かつ設定された火力が予め決められた第1出力値以上であり、かつインバータ回路4上に設けられた温度検知部22が所定の温度(本実施の形態では、例えば、60℃)以下であるかを判断し、条件を満たしていれば、105でタイマ10の設定時間を第2所定時間へ延長させる。304で条件を満たしていなければ106に進む。106で計測された時間が所定時間に達すると、タイマ10から加熱出力を第2の出力値に抑制させる命令を出力制御部9へ送り、108で出力制御部9がインバータ4の出力値を第2の出力値に低下させる。炒め物検知手段11はインバータ基板の温度を検出するため、炒め物中であることを精度よく検知することができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、湯沸しと炒め物を適切な高火力の時間で調理できるので、家庭用あるいは業務用の誘導加熱調理装置等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の斜視図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のブロック図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の動作フローチャート 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器のブロック図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の動作フローチャート 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器のブロック図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の動作フローチャート
符号の説明
1 トッププレート
2 加熱コイル
3 赤外線センサ
4 インバータ回路
5 動作開始部
6 加熱出力設定部
7 制御部
8 温度調節部
9 出力制御部
10 タイマ
11 炒め物検知手段
21 出力積算手段
22 温度検知部
P 被加熱物

Claims (3)

  1. 赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、高周波電流を供給されることによって前記トッププレート上に載置された被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物の底面から放射され、前記トッププレートを透過した赤外線を検出する赤外線センサと、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、加熱を開始するための動作開始部と、加熱出力を設定するための加熱出力設定部と、前記インバータ回路の出力を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記赤外線センサで検知した前記被加熱物の温度が所定の温度になると加熱出力を抑制または加熱を停止させる命令を出力する温度調節部と、前記加熱出力設定部および温度調節部の出力信号を入力して前記インバータの出力を制御する出力制御部と、前記動作開始部から加熱開始命令が前記出力制御部へ出力されると、時間の計測を開始し、前記計測された時間が所定時間に達すると予め定められた第1の出力値より小さい第2の出力値に低下させる命令を前記出力制御部に与えるタイマとを備え、前記制御部は、炒め物検知手段を備え、前記炒め物検知手段は、前記赤外線センサが検知した温度が前記所定の温度以上でありかつ、前記加熱出力設定部で設定された出力が前記第1の出力値以上であると前記温度調節部が作動することで前記インバータ回路の部品温度が前記温度調節部が作動しない湯沸し時に比べて低くなる炒め物調理中であると判断し、前記所定時間を前記所定時間より長い第2所定時間に変更する命令を前記タイマへ出力することを特徴とした誘導加熱調理器。
  2. 前記制御部には前記タイマに替えて、前記動作開始部から加熱開始命令が前記出力制御部へ出力されると、出力の積算を開始し、積算出力が所定の値に達すると、予め定められた第1の出力値より小さい第2の出力値に低下させる命令を前記出力制御部に与える出力積算手段を備え、前記炒め物検知手段は、前記赤外線センサが検知した温度が前記所定の温度以上でありかつ、前記加熱出力設定部で設定された出力が前記第1の出力値以上であると、前記所定積算出力を前記所定積算出力より大きい第2所定積算出力に変更する命令を前記出力積算手段へ出力することを特徴とした請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記インバータ回路上に設けられた温度検知手段を備え、前記炒め物検知手段は、前記赤外線センサが検知された温度が前記所定の温度以上でありかつ、前記加熱出力設定部で設定された出力が前記第1の出力値以上でありかつ、前記温度検知手段が予め設定された温
    度以下であると、前記所定時間を前記所定時間より長い前記第2所定時間に変更する命令をタイマへ出力することを特徴とした請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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