JP4123036B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トッププレートに載置した鍋の反射率及び温度を精度良く検出することができる電磁誘導式の加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鍋内の調理物を加熱する加熱調理器においては、調理物の温度とほぼ等価である鍋底面の温度を検出する方式として、鍋を載置するトッププレートを介して接触型温度センサのサーミスタで鍋底温度を間接的に検出する方式が一般的である。この従来例を図7で説明する。
【0003】
本体上面にトッププレート1を設け、鍋2を載置する。この加熱コイル3に高周波電流供給手段4で高周波電流供給し鍋2を誘導加熱する。トッププレート1下面に温度を検出するサーミスタ5を配し、このサーミスタ5の出力から鍋2の底面温度を間接的に検知する。制御手段6がこの検知温度に基づいて、加熱コイル3に供給する電力を制御する。7は制御手段6へ電力を供給する直流電源、8は商用電源、9は全波整流手段、10は、電源コンデンサ11、共振コンデンサ12、スイッチング素子13から成るインバータである。
【0004】
また、図示していないが、入力電流Iinを検出する電流トランス14が整流ダイオード9の入力側に接続され、スイッチング素子13のコレクタ電圧を検出するVcc検知手段15がスイッチング素子13のコレクタ−エミッタ間に接続され、各々の検出出力が制御回路6へ入力され、その入力値に基づき、制御手段6はインバータ10の各種保護動作を行う。
【0005】
また、より応答性の良い検知方法として、鍋底面から放射される赤外線を検出して鍋底面の温度を直接検知する方法も知られている。しかし、誘導加熱調理器では、トッププレート1は、強度を高めるため特殊組成のガラスを再加熱してガラス中に微細結晶を析出させた結晶化ガラス(例えば、「リシア系セラミックス」)が用いられており(図6に、その透過特性例のグラフ図を、代表的な赤外線窓材の透過特性とともに示す。)、2.6μm以下の波長の赤外線は80%以上透過し、3〜4μmの波長の赤外線は30%程度透過し、4μmよりも長い波長の赤外線は殆ど通さない。従って、4μm以下の波長成分でのみ、鍋2の底面温度を測定する必要があるが、一般的に調理時の鍋2の底面温度は、約30℃〜230℃であり、この温度のピーク波長はステファン・ボルツマンの法則より6ミクロン〜10ミクロンの波長である。(温度が高くなればなるほど加速度的に大きなエネルギーを赤外線として放射する。図6のグラフ図下側に、その様子を30℃、100℃、200℃について示す。)従って、この4ミクロン以下の波長成分だけでは、約570K(300℃)の鍋2の底面からでも全赤外線放射エネルギーの30%以下なので、赤外線センサ5が受光する赤外線エネルギーは微弱であり、従って、赤外線センサ5内の検出器で電気信号に変換するだけではS/N比が悪く、調理時の温度を測定するには、精度が良くなく、別の工夫が必要となる。
【0006】
その解決策として、赤外線センサ5とアンプと一体化する方法や、トッププレート1に窓材を埋め込んで透過する赤外線放射エネルギー量を増加させる方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【0007】
また、多様な放射率を有する鍋種や多様な調理方法・調理シーンへ対応するために放射率を測定し、補正する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この補正方法は、赤外線LEDなどの安価な光源から参照光を鍋2の底面に投光し、鍋2の底面から反射される赤外線の強度から鍋2の底面の反射率を測定する方法である。従って、非接触で測定が可能であると共に、大がかりな装置や、鍋底への黒体塗布等の前処理も必要がなく、加熱調理器における放射率(≒1−反射率)測定用として最適である。
【0008】
【特許文献1】
特許第2897306号公報
【特許文献2】
特開平10−030985号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、赤外線センサ方式は、一般的にサーミスタ方式に比べてコストが高くなるため、高価格帯の誘導加熱調理器にしか採用できなかった。また、放射率測定用の発光素子と受光素子の取付角度を最適にすると取り付け面積が大きくなり、加熱コイルの中心部に納めるのに機構設計上の制約事項となっていた。
【0010】
本発明の目的は、ひとつの受光素子で被加熱物が自らの温度により発する放射光の受光と、被加熱物より反射される反射光の受光を兼用することにより、より小形で低コストで、鍋2の底面の温度を高精度に測定することができる加熱調理器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方より前記トッププレートの上方に載置した前記被加熱物を加熱する電磁誘導加熱手段と、前記被加熱物の載置の有無を認識する被加熱物認識手段と、前記被加熱物に対し前記トッププレートの下方より光を投光する発光手段と、前記発光手段の光が前記被加熱物より反射される反射光と前記被加熱物が自らの温度により発する放射光とを受光する受光手段と、前記受光手段の出力をもとに前記被加熱物の温度を算出する温度算出手段とを備え、前記温度算出手段は、前記被加熱物認識手段が前記被加熱物の有りを認識した後前記発光手段を消灯させた状態で前記受光手段の受光出力と所定値とを比較し、前記受光出力が所定値より小さい時は、前記発光手段を発光させ前記発光手段を発光させた状態での前記受光手段の受光量から前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段の受光量を引き算した受光量を前記反射光の量とし前記被加熱物の反射率を算出し、前記被加熱物が誘導加熱され前記被加熱物の温度が上昇し前記受光出力が所定値より大きい状態に移行後前記温度算出手段が前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段から出力される出力を前記放射光の量としこの放射光の量と前記算出した反射率をもとに前記被加熱物の温度を算出する加熱調理器であり、前記温度算出手段は、ひとつの受光素子で前記放射光の受光と前記反射光の受光を兼用し受光できるようにした加熱調理器としているものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方より前記トッププレートの上方に載置した前記被加熱物を加熱する電磁誘導加熱手段と、前記被加熱物の載置の有無を認識する被加熱物認識手段と、前記被加熱物に対し前記トッププレートの下方より光を投光する発光手段と、前記発光手段の光が前記被加熱物より反射される反射光と前記被加熱物が自らの温度により発する放射光とを受光する受光手段と、前記受光手段の出力をもとに前記被加熱物の温度を算出する温度算出手段とを備え、前記温度算出手段は、前記被加熱物認識手段が前記被加熱物の有りを認識した後前記発光手段を消灯させた状態で前記受光手段の受光出力と所定値とを比較し、前記受光出力が所定値より小さい時は、前記発光手段を発光させ前記発光手段を発光させた状態での前記受光手段の受光量から前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段の受光量を引き算した受光量を前記反射光の量とし前記被加熱物の反射率を算出し、前記被加熱物が誘導加熱され前記被加熱物の温度が上昇し前記受光出力が所定値より大きい状態に移行後前記温度算出手段が前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段から出力される出力を前記放射光の量としこの放射光の量と前記算出した反射率をもとに前記被加熱物の温度を算出する加熱調理器であり、前記温度算出手段は、ひとつの受光素子で前記放射光の受光と前記反射光の受光を兼用でき、且つ、高精度に鍋の温度測定が出来る加熱調理器としているものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記に加え、温度算出手段の比較手段は、反射率算出中は受光出力が所定値を越えても反射率の算出を継続することによって、反射率が測定当初の低い値を優先し採用することで、大きな発光量でもって反射率の測定を行い、精度良く反射率の算出が行えるものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記に加え、インバータは加熱コイルに電力を供給して被加熱物の有無を検知し前記被加熱物が無い場合は待機しながら間欠的にその検知動作を行う保護機能を有し、被加熱物認識手段は、前記インバータの保護機能により被加熱物の載置の有無を検出するようにすることで、インバータに備わる載置検知機能を兼用し構成を簡潔にしているものである。
【0015】
請求項4に記載の発明は、上記に加え、被加熱物が非載置状態の反射光の量を反射率”0”の基準値とすることで、精度良く反射率を算出することが可能となるものである。
【0016】
請求項5に記載の発明は、上記に加え、温度算出手段は、反射率1の反射板を載置した状態の反射光の量を反射率”1”の基準値とすることで、精度良く反射率を算出することが可能となるものである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は本実施例における調理器の構成を示すブロック図である。本実施例の加熱調理器は、トッププレート1に載置し調理物を加熱調理する鍋2と、鍋2を加熱する加熱コイル3と、加熱コイル3に高周波電流を供給する高周波電流供給手段4と、トッププレート1下面に配し鍋2の底面から放射される赤外線を検知する赤外線センサ5と、赤外線センサ5の受光面に装着した所定帯域の波長の光を透過させるバンドパスフィルター20と、赤外線センサ5の出力を増幅するアンプ21と、切替手段22と、反射光により反射率を算出する反射率算出手段24と、発光手段25と、反射率と放射光より鍋2底面の温度を算出する温度算出手段26と、この温度算出手段26の出力に応じて加熱コイル3に供給する電力を制御する制御手段27と、防磁筒28を備えている。
【0019】
次に実施例1の動作を説明する。図示していない電源スイッチを投入し、操作スイッチで所定の温度を設定し、加熱キーを押すと、制御手段27が高周波電流供給手段4を制御して加熱コイル3に最小電力を供給し、制御手段27内のインバータの保護機能(小物検知)により鍋2有りを判定した後、高周波電流の供給を休止する。この鍋有り信号は図2に点線で示すように、制御回路27から反射率算出手段24と温度算出手段26へ出力される。赤外線センサ5は受光した赤外線のエネルギーに比例した電圧を出力するもので、熱応答型検出器であるボロメータ、熱電対を一点に集めたサーモパイルあるいは、焦電素子を用いている。従って、鍋2の温度が上昇し底面からの赤外線放射強度が強くなると、赤外線センサ5が受光する赤外線エネルギー量が増え、赤外線センサ5の出力信号電圧は高くなる。
【0020】
上述したように、トッププレート1は4μm以下の波長の赤外線しか透過せず、赤外線センサ5に届く赤外線エネルギーは微弱であるが、測定誤差となるトッププレート1自身から放射される赤外線や外乱光をカットするため所定帯域の(例えば、0.76μm〜3μmの透過波長域とする)波長の光を透過させる光学フィルター20を赤外線センサ5の受光面に装着し、アンプ21で1000〜10000倍程度に増幅することで、S/N比を確保し、実用的な温度測定を可能としている。切替手段22は、このアンプ21の出力と所定値を比較し、アンプ21の出力が所定値より小さい時(即ち、鍋2の底面温度が所定温度より小さい時)は、アンプ21の出力を反射率算出手段24へ接続し、反射率算出手段24は発光手段25をオンして鍋2へ波長0.76〜1.5μmの赤外線を投光し、アンプ21出力の増加分を測定する。この出力の増加分が鍋2の反射光によるものとして、鍋2の反射率を算出する。反射率の算出が完了する(赤外線センサが熱応答型のため、0.5秒程度の時間を要する)と、制御手段27は高周波電流供給手段4を制御して加熱コイル3に所定の電力を供給し、加熱コイル3から誘導磁界が発せられ、トッププレート1上の鍋2が誘導加熱される。この熱によって鍋2の温度が上昇し、鍋2内の調理物の加熱が開始される。
【0021】
ここで、アンプ21の出力が所定値より大きくなると(即ち、鍋2の底面温度が所定温度より高い時)、切替手段22はアンプ21の出力を温度算出手段26へ接続するので、反射率算出手段24が算出した反射率(≒1−放射率)と、アンプ21の出力より温度算出手段26が鍋2底面の温度を近似式により算出し、この温度を入力して制御手段27ほ鍋2の温度が設定された温度になるように、高周波電流供給手段4を制御して、加熱コイル3への供給電力量を調整する。調理が終了し、停止キーを操作されると加熱を停止する。従って、温度算出手段26が鍋2の反射率と、赤外線センサ5の検知出力をアンプ21で増幅した値とから温度を算出することで、鍋2底面の非接触で高精度な温度測定が可能となり、微妙な火加減での自動調理機能や炊飯シーケンスの火加減自動調節の実現が可能となる。
【0022】
なお、切替手段内の比較手段に与える所定値は、例えば、図2に鍋底温度と検知出力(アンプ21の出力)の関係を示すグラフに示す例では、鍋底の温度が45℃の時の検知出力0.2Vとする。一般的に調理に必要な温度情報は約50℃〜230℃であり、鍋が50℃以下の場合は温度出力がゼロでも問題は生じない。
【0023】
なお、量子型のHgTdTeやIgAS等シリコン検出素子、ピンフォトダイオードは、熱応答型の検出素子よりも、赤外線の検出感度が2桁程度高いが、波長依存性を有する(即ち、測定波長範囲が狭い)ため、本発明のように0.76μm〜3μmまで、フラットな検出感度を持った赤外線センサが必要となる場合には使用できない。
【0024】
なお、本実施例の反射率算出手段24は初期値として一般的な鍋の反射率(例えば、0.9)を記憶させておき、加熱キーを押された時に、既に、アンプ21の出力が所定値より大きい(即ち、鍋2の温度が所定温度より高い)時は、温度算出手段26はこの反射率と、アンプ21の出力を入力して、温度を算出する。
【0025】
また、鍋2を載置したまま繰り返し調理が行われる時は、前回算出した反射率を反射率算出手段24は記憶しておく。
【0026】
また、反射率と、発光手段25を投光した時のアンプ21出力の増加分は良好な比例関係にあるので、単純な変換回路で反射率を出力することができる。
【0027】
なお、本実施例ではインバータの保護機能により鍋の有無を検出したが、使用者のキー操作により鍋の有りを入力する方法や、電源スイッチ投入後は鍋の有無によらず、アンプ21の出力が所定値以下の間は、周期的に反射率を測定する方法でも良い。
【0028】
なお、鍋側面の反射率を測定し、赤外線センサによる温度測定値を補正する製品も実用化されているが、側面の測定には様々な障害物、例えば、鍋から生じる水蒸気や、調理用材料、ボール等の調理器具があり、測定不可能となる場合が存在するため、鍋底面の反射率を測定する本発明の方式の方が優れており、構成上からも別の技術であるのは、明らかである。
【0029】
(実施例2)
本実施例は、調理器としての基本構成は実施例1と同様であり、基本構成についての説明は省略する。この実施例2は、切替手段と、反射率算出手段と、温度算出手段と、制御手段とをマイクロコンピュータのプログラムで実現した点が上記の実施例1とは異なるものであり、この点を中心に説明する。
【0030】
図3は、本実施例のブロック図、図4はゼネラルフローチャートである。図4のフローチャートに基づき温調なしの加熱時の動作を説明する。使用者が図示していない電源スイッチを投入すると、マイクロコンピュータ30に直流電源7から電圧が供給され、ステップ40(step40)の初期化動作を行い、step41で加熱キーが押されるのを待つ。使用者が加熱キーを押すと、step42で高周波電流供給手段4を制御して加熱コイル3に最小電力を所定時間だけ供給し、インバータの保護機能のひとつである小物検知機能(Iin−Vce制限)により鍋2の有無を判定し、鍋2が無い場合は待機しながら、間欠的に小物検知を行う。鍋2が有る場合はstep43でアンプ21の出力と所定値を比較し、アンプ21の出力が所定値より小さい時(即ち、鍋2の底面温度が所定温度より小さい時)は、step44で発光手段25を駆動し、反射率の算出を行う。アンプ21の出力が所定値より大きい時は(即ち、鍋2の底面温度が所定温度より高い時)、step45へ進む。step44で反射率を測定している間は、アンプ21のが所定値を越えても反射率の算出は継続される。step45で算出した反射率あるいは記憶していた反射率と、アンプ21の出力から鍋2底面の温度を算出する。ここで、約30℃〜230℃の鍋2自体から放射される赤外線エネルギーは6μm〜55μmの波長領域に及ぶが、赤外線センサ5で検出できるのは0.76μm〜3μm波長範囲であり、検出赤外線エネルギー量Wd(W/cm^2)はPlankの式を0.76μm〜3μmの波長領域にわたって部分積分して求まるように、Wdは絶対温度の4乗に比例(ステファンボルツマンの法則)しなくなる。
【0031】
従って、本実施例では近似式により温度を算出する。step46でこの算出温度がアラーム温度(焦げ付き)以下であれば、高周波電流供給手段4を制御して加熱コイル3に所定の電力を供給し、加熱コイル3から誘導磁界が発せられ、トッププレート1上の鍋2が誘導加熱される。この熱によって鍋2の温度が上昇し、鍋2内の調理物の加熱が開始される。
【0032】
step47で停止キーが押されたかどうかを判断し、押されていなければstep45〜step47の処理を繰り返す。停止キーが押されたら加熱動作を終了する。上記の動作により、反射率算出中はアンプ21の出力が所定値を越えても反射率の算出を継続する、このことは発光手段25の照度を大きくするように作用し、その結果として継続しない場合より正確な反射率測定が可能となる。
【0033】
また、発光手段25の経時的な照度変化や、トッププレート1の汚れ、赤外線センサの感度変化等で長期的な使用において、step44で算出した反射率が実際の反射率との間に誤差が生じる恐れがあるが、所定の使用時間が経過した時に使用者に校正操作を行わせることにより、上記問題を解消する方法が考えられる。
【0034】
図5は校正動作のフローチャートである。以下その動作を説明する。マイクロコンピュータ30に加熱調理器の総使用時間Twと反射率’0’の基準値P0と、反射率’1’の基準値P1をデータ用EEPROM領域に記憶させておき、使用者が電源スイッチを投入し、step40の初期化動作を行った後に、使用者に校正動作が必要な旨を表示器で表示して知らせ(step51)、校正動作を開始する。最初は’0’校正なので使用者は鍋を載置しない。step52で反射率’0’の校正用に定義されたキーが押されるのを待ち、’0’キーが押されたら、step53で反射光量を測定し、その値を反射率の’0’基準P0とする。
【0035】
次に、step54で’1’校正を表示器で表示して知らせる。’1’校正なので使用者は所定(反射率=1)の反射板を加熱コイル3の中央に相当する位置に載置する。step55で反射率’1’の校正用に定義されたキーが押されるのを待ち、’1’キーが押されたら、step56で反射光量を測定し、その値を反射率の’1’基準P1とする。以上により、反射率’0’と反射率’1’が校正されたので、より長期的に安定した正確な反射率測定が可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方より前記トッププレートの上方に載置した前記被加熱物を加熱する電磁誘導加熱手段と、前記被加熱物の載置の有無を認識する被加熱物認識手段と、前記被加熱物に対し前記トッププレートの下方より光を投光する発光手段と、前記発光手段の光が前記被加熱物より反射される反射光と前記被加熱物が自らの温度により発する放射光とを受光する受光手段と、前記受光手段の出力をもとに前記被加熱物の温度を算出する温度算出手段とを備え、前記温度算出手段は、前記被加熱物認識手段が前記被加熱物の有りを認識した後前記発光手段を消灯させた状態で前記受光手段の受光出力と所定値とを比較し、前記受光出力が所定値より小さい時は、前記発光手段を発光させ前記発光手段を発光させた状態での前記受光手段の受光量から前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段の受光量を引き算した受光量を前記反射光の量とし前記被加熱物の反射率を算出し、前記被加熱物が誘導加熱され前記被加熱物の温度が上昇し前記受光出力が所定値より大きい状態に移行後前記温度算出手段が前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段から出力される出力を前記放射光の量としこの放射光の量と前記算出した反射率をもとに前記被加熱物の温度を算出する加熱調理器であり、前記温度算出手段は、ひとつの受光素子で前記放射光の受光と前記反射光の受光を兼用し受光できるようにしたとを備えたことによって、小形で低コストで、且つ、非接触に高精度な鍋の温度測定ができる誘導加熱調理器が実現できるものである。
【0037】
また、被加熱物が非載置状態の反射光の量を反射率”0”の基準値とし、反射率1の反射板を載置した状態の反射光の量を反射率”1”の基準値とする校正動作を行うことで、長期的に安定した温度測定ができる誘導加熱調理器が実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における本実施例における調理器の構成を示すブロック図
【図2】 本発明の実施例1における検知出力と鍋底温度の関係を示すグラフ
【図3】 本発明の実施例2における本実施例における調理器の構成を示すブロック図
【図4】 本発明の実施例2におけるゼネラルフローチャート
【図5】 本発明の実施例2における校正動作のフローチャート
【図6】 材料の透過特性例と黒体の赤外線放射エネルギーのグラフ
【図7】 従来の加熱調理器の構成を示す図
【符号の説明】
1 トッププレート
2 鍋
3 加熱コイル
4 高周波電流供給手段
5 赤外線センサ
20 バンドパスフィルタ
21 アンプ
22 切替手段
24 反射率算出手段
25 発光手段
26 温度算出手段
27 制御手段
28 防磁筒
30 マイクロコンピュータ
Claims (5)
- 被加熱物を載置するトッププレートと、前記トッププレートの下方より前記トッププレートの上方に載置した前記被加熱物を加熱する電磁誘導加熱手段と、前記被加熱物の載置の有無を認識する被加熱物認識手段と、前記被加熱物に対し前記トッププレートの下方より光を投光する発光手段と、前記発光手段の光が前記被加熱物より反射される反射光と前記被加熱物が自らの温度により発する放射光とを受光する受光手段と、前記受光手段の出力をもとに前記被加熱物の温度を算出する温度算出手段とを備え、前記温度算出手段は、前記被加熱物認識手段が前記被加熱物の有りを認識した後前記発光手段を消灯させた状態で前記受光手段の受光出力と所定値とを比較し、前記受光出力が所定値より小さい時は、前記発光手段を発光させ前記発光手段を発光させた状態での前記受光手段の受光量から前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段の受光量を引き算した受光量を前記反射光の量とし前記被加熱物の反射率を算出し、前記被加熱物が誘導加熱され前記被加熱物の温度が上昇し前記受光出力が所定値より大きい状態に移行後前記温度算出手段が前記発光手段を消灯させた状態での前記受光手段から出力される出力を前記放射光の量としこの放射光の量と前記算出した反射率をもとに前記被加熱物の温度を算出する加熱調理器。
- 温度算出手段は、反射率算出中は受光出力が所定値を越えても反射率の算出を継続する請求項1に記載の加熱調理器。
- インバータは加熱コイルに電力を供給して被加熱物の有無を検知し前記被加熱物が無い場合は待機しながら間欠的にその検知動作を行う保護機能を有し、被加熱物認識手段は、前記インバータの保護機能により被加熱物の載置の有無を検出する請求項1に記載の加熱調理器。
- 温度算出手段は、被加熱物が載置されていない状態の反射光の量を反射率”0”の基準値とする請求項1に記載の加熱調理器。
- 温度算出手段は、反射率1の反射板を載置した状態の反射光の量を反射率”1”の基準値とする請求項1に記載の加熱調理器。
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