JP4284809B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

誘導加熱調理器 Download PDF

Info

Publication number
JP4284809B2
JP4284809B2 JP2000037795A JP2000037795A JP4284809B2 JP 4284809 B2 JP4284809 B2 JP 4284809B2 JP 2000037795 A JP2000037795 A JP 2000037795A JP 2000037795 A JP2000037795 A JP 2000037795A JP 4284809 B2 JP4284809 B2 JP 4284809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
value
oil
pan
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000037795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001230063A (ja
Inventor
由美子 原
貴宏 宮内
保道 小林
英樹 大森
忠明 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2000037795A priority Critical patent/JP4284809B2/ja
Publication of JP2001230063A publication Critical patent/JP2001230063A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4284809B2 publication Critical patent/JP4284809B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍋底の反りを判定し反った鍋を使用して揚げ物調理を行う場合にも油や鍋の温度を正確に制御する誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱調理器では、本体部に温度測定手段を設け、発熱する鍋の温度をプレートを介して間接的に測定している。この理由は、負荷に温度測定手段を直接投入すると、衛生上の問題や使用者の違和感を生ずるためである。従って、前記したように負荷から離れた本体部に温度測定手段を備えて間接的に負荷の温度を検知する構成となっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記の誘導加熱調理器では鍋の温度をプレートを介して間接的に検知しているため、鍋に反りがあると鍋が同じ温度でもプレート下面での測定温度は低くなり、従って測定温度が同じ温度になるよう制御を行うと反った鍋の場合反りのない鍋よりも鍋が高温になるという課題を有しているものである。これは、反った鍋の場合、鍋とプレートとの間に空間ができ、熱の伝導が悪くなることに起因している。揚げ物調理の場合は油温度を設定して調理を行うため、反った鍋では油温度が設定温度より高くなると揚げ物が不出来になる。そのため、反った鍋は使用しないようカタログ等に明記するが、多少の反りは使用者には見分けがつかないことがある。そこで反った鍋を見分けるため、従来、例えば温度測定手段の傾きに応じて設定温度を変化させる方法などが検討されていたが、傾きを用いた場合プレートの初期温度が高いと正しい判定ができない。更に、鍋の反りを判定する間に高パワーで加熱すると鍋の判定がされた時点で場合によっては油温度が高くなりすぎる。また、加熱開始後所定時間が経過した後に温度の変化を測定した場合油量の多少と鍋反りの影響を区別することは困難であった。
【0004】
本発明はこのような従来の誘導加熱調理器が有している課題を解決するもので、鍋の反りを見分けることで反りのある鍋も反りのない鍋も揚げ物調理を精度良く行える誘導加熱調理器を実現することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の第一の手段は、鍋をのせるプレートと、前記プレート下に設けられ前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御して前記加熱コイルに供給する電力を制御する制御手段と、前記プレート下に前記プレートに接して設けた温度測定手段と、揚げ物モードを選択する揚げ物モード選択スイッチと、目的の油温度を設定する油温度設定手段と、計時手段と、ブザー等の報知手段と、揚げ物モードでの加熱を機器のフルパワーより低い低パワーで開始し、これ以上大きい値をとると鍋内の油の量によって温度上昇の早さが異なる所定の時間の間に前記温度測定手段の測定値を入力し、その時間に対する二階微分を算出し、前記二階微分の算出値が所定値G1以上のときは前記鍋に反りがないと判断し、前記二階微分の算出値が前記所定値G1より小さな所定値G2以下のときは揚げ物調理には使えない鍋と判断して鍋の反り度合いを判定することで鍋内の油量の影響を受けずに鍋反りを判定するとともに反り鍋判定中の油温上昇を抑える鍋反り判定手段と、前記鍋反り判定手段の判定結果が、揚げ物調理には使えない鍋のときは加熱を中止し、前記反り無しのときは、パワーをあげて、油量の演算を行った後、過渡温度調整動作を行う温度立ち上げ手段と、油温度が設定温度に達した後に制御手段に信号を出力して油温度を設定温度に保つ温度調整手段とを備え、前記温度立ち上げ手段は、鍋と油を一体にした負荷の熱容量αpと、前記プレートと前記温度測定手段を一体としたセンサ部の熱容量αsに基づき作成した伝熱モデルに基づいて、前記熱容量αpについて発熱量Pを時刻t−dtから時刻tまで積算したSP1、前記dt間の前記センサ部の測定温度の変化ΔTs及び前記熱容量αsを用いてSP1/ΔTs−αsから演算により求めて油量を算出し、前記負荷の温度Tpについて前記発熱量Pを測定開始時刻から時刻tまで積算したSP2、初期温度T0及び前記センサ部の温度Ts、前記センサ部の熱容量αs及び前記熱容量αpを用いて(SP2−αs・Ts+(αs+αp)・T0)/αpから演算により求めて鍋温度を算出する演算手段と、
前記演算手段の算出した鍋温度が所定温度Toffになるか、算出した油量が所定値asよりも少ない場合には動作を終了する演算立ち上げ手段と、前記演算立ち上げ手段の動作終了後において、時間ごとに温度測定値に応じて温度調整目標値Ttを設定し、前記温度調整目標値Ttが過渡温度調整の最終目標値Tm以上となると、前記温度調整目標値Ttの代わりに前記最終目標値Tmを用い、前記温度調整目標値Ttが前記最終目標値Tmより低い場合には前記温度調整目標値Ttを用いて、油量、温度測定値と前記温度調整目標値Ttとの差及び温度測定値の変化度合いに応じて不必要に加熱し過ぎないように設定されるパワー設定値Pmを用いて前記温度設定手段により測定された温度測定値が前記最終目標値Tm以上となるまで温度立ち上げを行う前記過渡温度調整動作をする過渡温度調整手段を有する誘導加熱調理器とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下本発明の第一の実施例について説明する。図1は本実施形態の誘導加熱調理器のブロック図である。誘導加熱調理器の本体1(以下単に本体1と称する)の上面を構成するプレート2上には、油4を収容した鍋3を載置している。この鍋3は、本体1内に設けた高周波磁界を発生して鍋3を誘導加熱する加熱コイル5と、加熱コイル5に高周波電流を供給するインバータ回路6、インバータ回路6を制御する制御手段7とともに、油4を加熱する加熱手段を構成している。プレート2の下面には、サーミスタ等によって構成した温度測定手段11を配置し、この温度測定手段11の出力は鍋反り判定手段8、温度立ち上げ手段9、温度調整手段10に伝達されている。温度立ち上げ手段9及び温度調整手段10は前記制御手段7に信号を出力して加熱パワーを調整する。計時手段14は時間を鍋反り判定手段8、温度立ち上げ手段9に出力する。スイッチ17は揚げ物モードを選択し開始するスイッチである。鍋反り判定手段8、温度立ち上げ手段9、温度調整手段10、計時手段14は図3に示しているマイクロコンピュータ19によって構成している。
【0007】
図2に示すように鍋反り判定手段8は、低パワー加熱開始手段16、温度測定手段11の測定値を入力としてΔt秒間の温度変化を出力する変化値出力手段12と、変化値出力手段12の出力を入力として加熱開始t2秒後の変化値から加熱開始t1秒後の変化値を減算する減算手段13と、減算手段13の出力結果から鍋反りを判断する判断手段15から成っている。
【0008】
図3に示すように温度立ち上げ手段9はT0決定手段29、パワー設定手段30、演算手段31、演算立ち上げ手段32、過渡温度調整手段33からなっている。
【0009】
次に、本実施形態の温度制御装置の具体回路構成を図4によって説明する。加熱コイル5を駆動するインバータ回路6は、交流電源を全波整流する整流器、平滑コンデンサ、限流インダクタンス、共振コンデンサ、スイッチング素子等によって構成している。加熱コイル5は前記共振コンデンサに並列に接続しており、インバータ回路6は加熱コイル5に高周波電流を供給している。また前記スイッチング素子は制御手段7からの出力によってオン・オフ制御されており、このオンオフの周期を調整することによってインバータ回路6の発振周波数を可変でき、加熱コイル5の加熱出力を制御できるものである。マイクロコンピュータ19は、加熱スイッチ17の信号をIから入力され、温度測定手段11の信号をADから入力されて、Oから制御手段7に制御信号を出力し、Oからブザー21を制御している。また20は、マイクロコンピュータ19等の直流電源を必要とする回路に電力を供給する直流電源回路である。
【0010】
以下本実施形態の動作について説明する。
【0011】
図5に動作の概要をフローチャートで示す。使用者は鍋に油を入れ、ステップ1で揚げ物モードを選択して揚げ物調理開始を指示する。設定温度はTsとする。ステップ2で低パワー加熱開始手段16が加熱を開始、計時手段14が計時を開始する。ステップ3で鍋反り判定手段8が鍋反り判定動作を行うとともに、T0決定手段29がT0を決定する。ステップ4で温度立ち上げ手段9が鍋反り判定手段8の判定結果を読み込んで温度立ち上げ動作を行う。ステップ5で温度調整手段10が温度調整を開始すると共に、使用者に準備完了を報知する。使用者はこれ以降に天ぷら等の材料を投入して調理を行うことができる。
【0012】
図6にT0決定手段及び鍋反り判定手段8の動作をフローチャートで示す。ステップ101で使用者がスイッチ17をオンし油の加熱を開始すると、ステップ102で温度立ち上げ手段がパワーをオンし低パワー(1kW)で加熱を開始すると共に、計時手段14が計時を開始する。ステップ103でΔt秒経過を待った後、ステップ104で変化値出力手段12が温度測定手段11の測定値を入力としてΔt秒間の温度変化を出力する。ステップ105でT’(t)が正でかつT0が未確定の場合はステップ106を実行し、T0=T(t)、t0=tとする。すなわち、初めてT’(t)>0となった時にT0=T(t)とする。ステップ106を一度実行するとT0が確定されるので以降はステップ107へ進む。ステップ107でt2秒経過かどうかを判断し、t2秒までステップ104から107を繰り返す。ステップ108で減算手段13が加熱開始後t2秒における変化値出力手段12の出力値から加熱開始後t1秒における変化値出力手段12の出力値を減算する。ステップ109で判断手段15が減算手段13の出力結果から鍋反りを判断し出力する。
【0013】
本実施例では減算手段13が変化値出力手段12のt1秒、t2秒の変化値を減算しており、近似的に2回微分を行っているに等しい。
【0014】
ΔT、t1、t2は10秒、20秒、40秒とした。t2はこれ以上大きい値をとると鍋内の油の量によって温度上昇の早さが異なる。t2を40秒以内に設定すれば鍋温度は上昇しているが油温度の上昇があまり大きくないので油量に関わりなく鍋の反りを判定することができる。パワーを1kWに設定しているのでt2が40秒の時、鍋反り判定は出来るが、油温度は上がりすぎない範囲に押さえることが出来る。t1はt2とのあいだが短いと鍋反り判定の精度が悪くなるため、20秒に設定した。ΔTはあまり短いと精度が悪く、あまり長いと変化の検知が遅れる。10秒に設定すれば精度良く、遅れも少ない検知が可能である。
【0015】
図7に減算手段の出力結果Gと鍋の反りの測定値例、及び、判断手段15の判定結果を示す。判断手段15はGを入力として図7の判定曲線に従って鍋反りを判定する。GがG1以上の時は実質的に反りなしと扱って良いため反り無しと出力する。GがG2以下の場合は揚げ物調理には使えない鍋であり、加熱を中止すると共に、ブザー21により異常報知を行う。GがG1からG2の場合は判定曲線に従って鍋の反りを出力する。
【0016】
図8に温度立ち上げ手段9の動作のフローを示す。ステップ201で温度立ち上げ手段9が動作を開始する。ステップ202で鍋反り判定手段8の判定結果を確認し、反りなしの場合、ステップ203でパワーを2kWに上げ、ステップ204で演算手段31が鍋温度Tpと油量aを伝熱モデルに基づいて算出する。ステップ205で油量aが所定値asより小さければステップ207の過渡温度調整動作へ進み、それ以外はステップ206へ進んで鍋温度Tpを確認する。ステップ206で鍋温度Tpが所定温度Toff(a)より大きければステップ207の過渡温度調整動作へ進み、それ以外はステップ204にもどり、ステップ204〜206を繰り返す。ステップ202で鍋反り判定手段8の判定結果が反り有りの場合、ステップ207の過渡温度調整動作へ進む。ここでasは油量200gに設定している。また、Toff(a)は図9のように油量が多いほど高く設定している。
【0017】
演算の元になる伝熱モデルは鍋と油を一体とした負荷と、プレートと温度測定手段を一体としたセンサ部の2部分のみで考える。これは演算を容易にするためであり、より複雑なモデルでは商品に搭載したマイクロコンピュータでは算出が不可能である。熱伝導方程式を以下に示す。
αp・dTp/dt=P−hp(Tp−Ts)…(式1)
αs・dTs/dt=hp(Tp−Ts)…(式2)
ここでαpは負荷の熱容量、αsはセンサ部の熱容量、Pは発熱量、hpは負荷とセンサ部の間の熱伝達率、Tpは負荷の温度、Tsはセンサ部の温度である。
【0018】
(式1)と(式2)を加算し、積分して演算すると以下のようにαpとTpが求められる。
αp=SP1/ΔTs−αs …(式3)
Tp={SP2−αs・Ts+(αs+αp)・T0}/αp …(式4)
ここでSP1はPを時刻t−dtからtまで積算したもの、SP2はPを時刻t0からtまで積算したものである。
【0019】
このように、積分演算を用いて式を解いているため、(式3)、(式4)に示すように微分項が現れず、実際の測定データを用いて算出してもノイズの影響を受けにくい。
【0020】
演算立ち上げ手段を用いた温度立ち上げの結果を図10に示す。図10に示すように、演算で算出した鍋温度Tpが所定温度Toff(a)になると演算立ち上げ手段が動作を終了するため、センサ部の温度、すなわち、温度測定手段11による測定温度が低くても正しく終了できるものである。
【0021】
次に、過渡温度調整手段10の動作を図11のフローチャートで示す。ステップ301で過渡温度調整を開始する。ステップ302で現在温度T(t)が過渡温度調整の最終目標値Tm(反り、油量)以上のときステップ308へ移り過渡温度調整を終了する。未満の場合ステップ303にすすみ、tm=t+Δt、Tt=T(t)+ΔT(反り)とする。すなわち、過渡温度調整の時刻tにおける目標値Ttはそのときの測定値T(t)に所定シフト幅ΔTを加えたものである。シフト幅ΔT、ディレイ時間Δtは鍋の反りに応じて設定し、鍋の反りが大きいほどΔTを小さく、Δtを大きくする。ステップ304、305でもしTtが過渡温度調整の最終目標値Tm以上であればTt=Tmとして、最終目標温度を越えないように設定する。ステップ306でパワーPを設定する。設定する値Pmは鍋の反り、油量、温度測定値と目標との差すなわち偏差、温度測定値の変化度合いすなわち傾きに応じて設定する。時刻tがtmを越えるまでステップ306を繰り返す。時刻tがtmを越えると、ステップ302にもどる。ステップ302に戻った際に測定温度T(t)が過渡温度調整の最終目標値Tm(反り、油量)以上のときステップ308へ移り過渡温度調整を終了する。
【0022】
図12にTm、Tt、T(t)の例を図示する。図11のフローチャートに示したように、時間Δtごとに目標値Ttを設定する。設定はTt=T(t)+ΔTとする。この算出の結果Ttが過渡温度調整の最終目標値Tm以上であればTt=Tmとする。Δt、ΔTは図13、図14に示すような反りの関数である。反りが大きいほどプレート温度の鍋温度への追随は遅れるため、反りが大きいほどΔtを長く、ΔTを小さく設定してゆっくりと温度を上げるように設定している。
【0023】
測定温度と鍋の反りに応じて目標温度を設定することで、パワーの入りすぎを防ぎ、プレート温度を鍋温度に追随させながら加熱することが出来る。
【0024】
過渡温度調整の最終目標値Tmは鍋の反りと油量に応じて設定する。Tmと反り、油量の関係の例を図15に示す。また、パワー設定値Pmを図16に示す。Pmは鍋の反り、油量、温度測定値と目標との差すなわち偏差、温度測定値の変化度合いすなわち傾きに応じて設定する。図16でP1〜P5は油量が少量の時1kW〜0kWを等分した値、油量が中量と多量の際は2kW〜0kWを等分した値を用いている。反りのある鍋の時は温度測定手段の鍋温度への追随遅れを考慮して傾きが正の場合の加熱パワーを低く設定している。
【0025】
このように過渡温度調整を行うことで、プレート温度の鍋温度への非追随に起因する不必要な加熱しすぎを防ぐことが出来、油温度の制御精度を上げることが出来るものである。
【0026】
図17に温度調整手段10の目標値Teをしめす。目標値Teは鍋の反りと油量に応じて設定され、鍋の反りが大きいほど低く、油量が少ないほど低く設定している。
【0027】
本実施例では温度立ち上げ手段9の動作完了後完了報知をしているが、反りのない鍋は演算温度立ち上げ手段32の動作完了後完了報知を行うことで、使用者がより早く調理開始出来る。
【0028】
【発明の効果】
本発明の第一の手段は、鍋をのせるプレートと、前記プレート下に設けられ前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御して前記加熱コイルに供給する電力を制御する制御手段と、前記プレート下に前記プレートに接して設けた温度測定手段と、揚げ物モードを選択する揚げ物モード選択スイッチと、目的の油温度を設定する油温度設定手段と、計時手段と、ブザー等の報知手段と、揚げ物モードでの加熱を機器のフルパワーより低い低パワーで開始し、これ以上大きい値をとると鍋内の油の量によって温度上昇の早さが異なる所定の時間の間に前記温度測定手段の測定値を入力し、その時間に対する二階微分を算出し、前記二階微分の算出値が所定値G1以上のときは前記鍋に反りがないと判断し、前記二階微分の算出値が前記所定値G1より小さな所定値G2以下のときは揚げ物調理には使えない鍋と判断して鍋の反り度合いを判定することで鍋内の油量の影響を受けずに鍋反りを判定するとともに反り鍋判定中の油温上昇を抑える鍋反り判定手段と、前記鍋反り判定手段の判定結果が、揚げ物調理には使えない鍋のときは加熱を中止し、前記反り無しのときは、パワーをあげて、油量の演算を行った後、過渡温度調整動作を行い、前記二階微分の算出値が前記所定値G1から所定値G2で反りがあると判定した場合には予め決められた所定の油量を設定してただちに前記過渡調整温度動作を行う温度立ち上げ手段と、油温度が設定温度に達した後に制御手段に信号を出力して油温度を設定温度に保つ温度調整手段とを備え
前記温度立ち上げ手段は、鍋と油を一体にした負荷の熱容量αpと、前記プレートと前記温度測定手段を一体としたセンサ部の熱容量αsに基づき作成した伝熱モデルに基づいて、前記熱容量αpについて発熱量Pを時刻t−dtから時刻tまで積算したSP1、前記dt間の前記センサ部の測定温度の変化ΔTs及び前記熱容量αsを用いてSP1/ΔTs−αsから演算により求めて油量を算出し、前記負荷の温度Tpについて前記発熱量Pを測定開始時刻から時刻tまで積算したSP2、初期温度T0及び前記センサ部の温度Ts、前記センサ部の熱容量αs及び前記熱容量αpを用いて(SP2−αs・Ts+(αs+αp)・T0)/αpから演算により求めて鍋温度を算出する演算手段と、
前記演算手段の算出した鍋温度が所定温度Toffになるか、算出した油量が所定値asよりも少ない場合には動作を終了する演算立ち上げ手段と、前記演算立ち上げ手段の動作終了後において、時間ごとに温度測定値に応じて温度調整目標値Ttを設定し、前記温度調整目標値Ttが過渡温度調整の最終目標値Tm以上となると、前記温度調整目標値Ttの代わりに前記最終目標値Tmを用い、前記温度調整目標値Ttが前記最終目標値Tmより低い場合には前記温度調整目標値Ttを用いて、油量、温度測定値と前記温度調整目標値Ttとの差及び温度測定値の変化度合いに応じて不必要に加熱し過ぎないように設定されるパワー設定値Pmを用いて前記温度設定手段により測定された温度測定値が前記最終目標値Tm以上となるまで温度立ち上げを行う前記過渡温度調整動作をする過渡温度調整手段を有する構成として、鍋の反りを見分けることで揚げ物調理を精度良く行える誘導加熱調理器を実現できるものである。
【0029】
本発明の第二の手段は、鍋反り判定手段は、温度測定手段の測定値の二階微分を算出する二階微分手段を備え、前記二階微分手段が、温度測定手段の測定値の時間Δt経過する間における変化値を出力する変化値出力手段と、t1<t2とし、加熱開始後時間(t2−Δt)経過時点から加熱開始後時間t2経過時点間における前記変化値出力手段の出力値から、加熱開始後時間(t1−Δt)経過時点から前記加熱開始後t1経過時点間における前記変化値出力手段の出力値を減算する減算手段から成る構成として、マイクロコンピュータの演算能力が低くても鍋の反り度合いを判定できる誘導加熱調理器を実現出来るものである。
【0030】
本発明の第の手段は、t1を概20秒、t2を概40秒、Δtを概10秒とする構成として油量によらず鍋の反り度合いを判定できる誘導加熱調理器を実現出来るものである。
【0031】
本発明の第の手段は、所定温度Toffを油量に応じて決定し、油量が多いほどToffを高く設定する構成として、油量に応じて立ち上げ終了温度を設定することでどんな油量でも同じ温度に立ち立ち上げを行えるものである。
【0032】
本発明の第の手段は、所定値asを概200gとする構成として、少量の油として200g以下をめどとすることで、通常天ぷらでは使わない少量の油でも目標温度に立ち上げを行うことが出来るものである。
【0033】
本発明の第の手段は、過渡温度調整手段の最終目標値Tmが油量に応じて設定され、油量が少ないほど低く設定される構成として、センサの鍋温度への追随の際も油量に応じて油温度を目標値に保つことが出来るものである。
【0034】
本発明の第の手段は、パワー設定値Pm油量、温度測定値と前記温度調整目標値Ttの差及び温度測定値の変化度合いに応じて設定し、油量が少ないほど小さく、差が小さいほど小さく、傾きが大きいほど小さく設定される構成として、調理性能の良い温度制御を行うことが出来るものである。
【0035】
本発明の第の手段は、温度調整手段の目標値Teが油量に応じて設定され、油量が少ないほど低く設定される構成として、温度立ち上げ終了後の温度調整工程に置いても、油量に応じて精度良く温度調整を行うことが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例である誘導加熱調理器の構成を示すブロック図
【図2】 同、鍋反り判定手段の構成を示すブロック図
【図3】 同、温度立ち上げ手段の構成を示すブロック図
【図4】 同、回路構成を示す回路図
【図5】 同、動作を示すフローチャート
【図6】 同、鍋反り判定動作を示すフローチャート
【図7】 同、減算結果と鍋反りの関係を示す図
【図8】 同、温度立ち上げ動作を示すフローチャート
【図9】 同、油量とオフ時間の関係を示す図
【図10】 同、油温、算出鍋温度と測定温度の関係を示す図
【図11】 同、過渡温度調整動作を示すフローチャート
【図12】 同、過渡温度調整動作を示す図
【図13】 同、Δtと反りの関係を示す図
【図14】 同、ΔTと反りの関係を示す図
【図15】 同、Tmと油量、反りの関係を示す図
【図16】 同、Pmと反り、偏差、傾きの関係を示す図
【図17】 同、Teと油量、反りの関係を示す図
【符号の説明】
1 本体
2 プレート
3 鍋
4 油
5 加熱コイル
6 インバータ回路
7 制御手段
8 鍋反り判断手段
9 温度立ち上げ手段
10 温度調整手段
11 温度測定手段
12 変化値出力手段
13 減算手段
14 計時手段
15 判断手段
16 低パワー加熱開始手段
17 スイッチ
18 二階微分手段

Claims (8)

  1. 鍋をのせるプレートと、前記プレート下に設けられ前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御して前記加熱コイルに供給する電力を制御する制御手段と、前記プレート下に前記プレートに接して設けた温度測定手段と、揚げ物モードを選択する揚げ物モード選択スイッチと、目的の油温度を設定する油温度設定手段と、計時手段と、ブザー等の報知手段と、揚げ物モードでの加熱を機器のフルパワーより低い低パワーで開始し、これ以上大きい値をとると鍋内の油の量によって温度上昇の早さが異なる所定の時間の間に前記温度測定手段の測定値を入力し、その時間に対する二階微分を算出し、前記二階微分の算出値が所定値G1以上のときは前記鍋に反りがないと判断し、前記二階微分の算出値が前記所定値G1より小さな所定値G2以下のときは揚げ物調理には使えない鍋と判断して鍋の反り度合いを判定することで鍋内の油量の影響を受けずに鍋反りを判定するとともに反り鍋判定中の油温上昇を抑える鍋反り判定手段と、前記鍋反り判定手段の判定結果が、揚げ物調理には使えない鍋のときは加熱を中止し、前記反り無しのときは、パワーをあげて、油量の演算を行った後、過渡温度調整動作を行う温度立ち上げ手段と、油温度が設定温度に達した後に制御手段に信号を出力して油温度を設定温度に保つ温度調整手段とを備え
    前記温度立ち上げ手段は、鍋と油を一体にした負荷の熱容量αpと、前記プレートと前記温度測定手段を一体としたセンサ部の熱容量αsに基づき作成した伝熱モデルに基づいて、前記熱容量αpについて発熱量Pを時刻t−dtから時刻tまで積算したSP1、前記dt間の前記センサ部の測定温度の変化ΔTs及び前記熱容量αsを用いてSP1/ΔTs−αsから演算により求めて油量を算出し、前記負荷の温度Tpについて前記発熱量Pを測定開始時刻から時刻tまで積算したSP2、初期温度T0及び前記センサ部の温度Ts、前記センサ部の熱容量αs及び前記熱容量αpを用いて(SP2−αs・Ts+(αs+αp)・T0)/αpから演算により求めて鍋温度を算出する演算手段と、
    前記演算手段の算出した鍋温度が所定温度Toffになるか、算出した油量が所定値asよりも少ない場合には動作を終了する演算立ち上げ手段と、前記演算立ち上げ手段の動作終了後において、時間ごとに温度測定値に応じて温度調整目標値Ttを設定し、前記温度調整目標値Ttが過渡温度調整の最終目標値Tm以上となると、前記温度調整目標値Ttの代わりに前記最終目標値Tmを用い、前記温度調整目標値Ttが前記最終目標値Tmより低い場合には前記温度調整目標値Ttを用いて、油量、温度測定値と前記温度調整目標値Ttとの差及び温度測定値の変化度合いに応じて不必要に加熱し過ぎないように設定されるパワー設定値Pmを用いて前記温度設定手段により測定された温度測定値が前記最終目標値Tm以上となるまで温度立ち上げを行う前記過渡温度調整動作をする過渡温度調整手段を有する誘導加熱調理器。
  2. 鍋反り判定手段は、温度測定手段の測定値の二階微分を算出する二階微分手段を備え、前記二階微分手段が、温度測定手段の測定値の時間Δt経過する間における変化値を出力する変化値出力手段と、t1<t2とし、加熱開始後時間(t2−Δt)経過時点から加熱開始後時間t2経過時点間における前記変化値出力手段の出力値から、加熱開始後時間(t1−Δt)経過時点から前記加熱開始後t1経過時点間における前記変化値出力手段の出力値を減算する減算手段から成る請求項記載の誘導加熱調理器。
  3. t1を概20秒、t2を概40秒、Δtを概10秒とする請求項記載の誘導加熱調理器。
  4. 所定温度Toffを油量に応じて決定し、油量が多いほどToffを高く設定する請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  5. 所定値asを概200gとする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  6. 過渡温度調整手段の最終目標値Tmが油量に応じて設定され、油量が少ないほど低く設定される請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  7. パワー設定値Pm油量、温度測定値と前記温度調整目標値Ttの差及び温度測定値の変化度合いに応じて設定し、油量が少ないほど小さく、差が小さいほど小さく、傾きが大きいほど小さく設定される請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  8. 温度調整手段の目標値Teが油量に応じて設定され、油量が少ないほど低く設定される請求項1記載の誘導加熱調理器。
JP2000037795A 2000-02-16 2000-02-16 誘導加熱調理器 Expired - Fee Related JP4284809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000037795A JP4284809B2 (ja) 2000-02-16 2000-02-16 誘導加熱調理器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000037795A JP4284809B2 (ja) 2000-02-16 2000-02-16 誘導加熱調理器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001230063A JP2001230063A (ja) 2001-08-24
JP4284809B2 true JP4284809B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=18561630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000037795A Expired - Fee Related JP4284809B2 (ja) 2000-02-16 2000-02-16 誘導加熱調理器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4284809B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4852797B2 (ja) * 2001-06-05 2012-01-11 パナソニック株式会社 加熱調理器
JP5061732B2 (ja) * 2007-06-01 2012-10-31 パナソニック株式会社 誘導加熱調理器
JP4823152B2 (ja) * 2007-06-06 2011-11-24 三菱電機株式会社 加熱調理器
JP2009059561A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Panasonic Corp 誘導加熱調理器およびプログラム
JP5455995B2 (ja) * 2011-09-05 2014-03-26 三菱電機株式会社 誘導加熱調理器
CN104914920A (zh) * 2015-04-13 2015-09-16 广东美的生活电器制造有限公司 电热水壶的功率控制电路、方法、系统和电热水壶
CN114995556B (zh) * 2022-07-27 2022-10-21 山东齐能电器有限公司 一种基于数据分析的电热锅运行用智能控制系统
CN116841332B (zh) * 2023-06-06 2024-02-06 迪森(常州)能源装备有限公司 一种用于碳纤维制品成型的热压罐温度控制方法及其系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001230063A (ja) 2001-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3968311B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP5089490B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP4284809B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP4932646B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP2003319875A (ja) 電磁誘導加熱調理器とそれを用いた炊飯制御方法
JP2019200002A (ja) 加熱調理装置
JP2006172727A (ja) 誘導加熱調理器
JP3903907B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP3049971B2 (ja) 加熱調理器
JP3661567B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP4444126B2 (ja) 加熱機器
JP4952214B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP2008135201A5 (ja)
JP3984273B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP2008262722A (ja) 誘導加熱調理器
JP4915187B2 (ja) 加熱調理器
JP6349551B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP2004335342A (ja) 電磁調理器の制御方法および電磁調理器
JP3965342B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP2001143858A (ja) 誘導加熱調理器
JP2785344B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP3334216B2 (ja) 電磁調理器
JP5855198B2 (ja) 調理器
JP3914191B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP3671812B2 (ja) 誘導加熱調理器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070109

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090316

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees