JP3334216B2 - 電磁調理器 - Google Patents

電磁調理器

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JP3334216B2
JP3334216B2 JP4250493A JP4250493A JP3334216B2 JP 3334216 B2 JP3334216 B2 JP 3334216B2 JP 4250493 A JP4250493 A JP 4250493A JP 4250493 A JP4250493 A JP 4250493A JP 3334216 B2 JP3334216 B2 JP 3334216B2
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一 大藪
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調理物の沸騰を自動的
に検知することができる電磁調理器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の自動沸騰検知機能付きの電磁調理
器の構成を、図11に基づいて説明する。101はセラ
ミックプレートからなる調理容器受け102の上に載置
されている調理容器で、調理容器受け102の下部に設
けた誘導加熱コイル103が発生する高周波磁界によっ
て誘導加熱されている。104は誘導加熱コイル103
に高周波電流を供給するコイル電流制御手段で、高周波
インバータ回路104aおよび高周波インバータ出力制
御回路104bより成っている。105は調理容器受け
102の下面に取り付けた温度センサで、調理容器受け
102の温度を検出することによって間接的に調理容器
101の温度を検出している。温度検知素子105の出
力は、沸騰開始を自動検知する自動沸騰検知手段106
に伝達されている。また107はスイッチで構成した使
用者が操作開始を指示する開始入力手段で、この信号は
同様に自動沸騰検知手段106に伝達されている。自動
沸騰検知手段106を構成している第一の傾き検知手段
108は、温度検知素子105の出力を受けて、図12
に示しているように、第一の所定の温度T1から第二の
所定の温度T2までの平均の温度上昇の傾きを検知して
いる。つまり、この2点の温度を通過するのに必要な時
間を計時して、平均の温度上昇の傾きを検知するもので
ある。傾き演算手段109は、この第一の傾き検知手段
108が検知した傾きの1/3を演算しているものであ
る。この1/3は経験的に決定した値である。また第二
の傾き検知手段110は、温度検知素子105の検知温
度信号を受けて、随時この微分値すなわち傾きを検出し
ているものである。自動沸騰検知手段106の出力であ
る沸騰判定手段111は、この第二の傾き検知手段11
0の出力と傾き演算手段109の出力とを比較して、第
二の傾き検知手段110の出力が傾き演算手段109の
出力よりも小さくなった時点で、調理容器101内の調
理物が沸騰したと判断する。つまり、この時点でコイル
電流制御手段104の出力を停止して、誘導加熱コイル
103への高周波電流の供給を停止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電磁調理器
は、沸騰検知のタイミングの設定があまり正確でないと
いう課題を有している。つまり、第一の傾き検知手段が
検知している温度上昇の傾きは、調理容器101の形状
特に底面の形状が調理容器受け102に密着していない
場合もあって、不安定なものとなっている。このため沸
騰の検知タイミングが早くなったり遅くなったりするも
のである。
【0004】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、精度の高い沸騰検知が可能な電磁調理器を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第一の手段は、調理容器を受ける調理容器受
けと、前記調理容器受けの下面に配置した高周波磁界を
発生する誘導加熱コイルと、この調理容器受けの下面
設けた温度を検知する温度検知素子と、この温度検知素
子の出力を受けて沸騰検知の基準となる傾きを演算する
傾き演算手段と、前記温度検知素子の出力を受けて随時
検知温度の傾きを検知する第三の傾き検知手段と、前記
傾き演算手段の出力と第三の傾き検知手段の出力とを比
較して沸騰開始時点を判断すると前記加熱コイルの加熱
量を変更する沸騰判定手段とを備え、前記傾き演算手段
は、前記誘導加熱コイルで前記調理容器の加熱を開始し
その後所定時間後までの加熱開始時の温度変化を第一の
傾きとし、加熱中間時の所定温度での温度変化を第二の
傾きとして検知し、かつ、前記第一の傾きにより調理容
器の底面形状と調理容器受けとの密着状態を判断すると
ともに、前記第一の傾きと前記第二の傾きから沸騰検知
の基準となる傾きを演算する電磁調理器とするものであ
る。
【0006】また本発明の第の手段は、第一の手段に
加え、第一の傾きをもとに遅延時間を決定し沸騰判定手
段の判定を遅延させる遅延手段を備えた電磁調理器とす
るものである。
【0007】また本発明の第の手段は、上記第の手
段に加え、遅延手段は、第一の傾きと第二の傾きからフ
ァジィ推論により沸騰判定の遅延時間を推論する電磁調
理器とするものである。
【0008】
【作用】本発明の第一の手段は、第一の傾きと第二の傾
きの二つの検出値に基づいて、沸騰検出の基準を設定し
ているため、精度の高い沸騰検出が可能な電磁調理器と
して作用するものである。
【0009】本発明の第の手段は、遅延手段が、第一
の傾きをもとに遅延時間を決定し沸騰の判定を遅延させ
るように作用するもので、より精度の高い沸騰検出が可
能な電磁調理器を実現するものである。
【0010】さらに本発明の第の手段は、遅延手段
が、傾きファジィ推論でが最適な沸騰検出基準を推論
し、さらに遅延時間ファジィ推論で最適な遅延時間を推
論し、沸騰判定に最適な遅延を持たせるよう作用するた
め、より精度の高い沸騰検出を実現するものである。
【0011】
【実施例】以下本発明の第一の実施例について図1、図
2に基づいて説明する。図において、1は鍋等の調理容
器で、底面が調理容器受け2に密着する形状となってい
る。調理容器受け2はセラミックプレート等からなって
いるもので、この下面には高周波磁界を発生する誘導加
熱コイル3を設けている。この誘導加熱コイル3に供給
する高周波電流は、誘導加熱コイル3に高周波電流の出
力部を接続している高周波インバータ回路4aと、この
高周波インバータ回路4aの発振を制御し高周波出力電
流を制御する高周波インバータ出力制御回路4bとから
なるコイル電流制御手段4が行っている。コイル電流制
御手段4は、誘導加熱コイル3の出力調整のツマミを備
えている。5は調理容器受け2の下面の中心部に取り付
けた温度を検知する温度検知素子である。6は使用者が
加熱開始を指示する開始入力手段で、スイッチで構成し
ている。使用者は調理容器1に調理材料をセットして、
この開始入力手段6を操作するものである。7は本実施
例の骨子である自動沸騰検知手段で、前記開始入力手段
6から調理開始信号を受けると、コイル電流制御手段4
に加熱開始信号を送る。自動沸騰検知手段7は、第一の
傾き検知手段11・第二の傾き検知手段12・傾き演算
手段13・第三の傾き検知手段14・沸騰判定手段15
で構成している。
【0012】第一の傾き検知手段11は、温度検知素子
5が検知した温度情報を受けて、加熱開始時刻t1より
あらかじめ設定した時間dt1の間の温度上昇の傾きを
検知しているものである。また第二の傾き演算手段12
は、同様に温度検知素子5からの温度情報を受けて、予
め設定した温度T1からT1から所定の温度差dTを有し
た温度T2に達するまでの温度上昇の傾きを検知してい
るものである。前記T1は前記第一の傾き検知手段11
が傾きを検知し終わったタイミングでの設定となってい
るものである。この第一の傾き検知手段11と第二の傾
き検知手段12の出力は、傾き演算手段13に送られ
る。
【0013】傾き演算手段13は、この2つの傾き情報
に基づいて基準となる傾きを決定しているものである。
第三の傾き検知手段14は、第一・第二の傾き検知手段
11・12と同様に温度検知素子5の検出温度を受け
て、前記第二の傾き検知手段12が第二の傾きを検知し
終わってから随時に温度上昇の傾きを検知しているもの
である。すなわち、温度検知素子5の検出温度の時間に
対する微分値を検出しているものである。
【0014】沸騰判定手段15は、傾き演算手段13の
出力と第三の傾き検知後手段14の出力とを比較して、
第三の傾き検知手段の出力の方が小さくなったときを調
理物の沸騰タイミングと判断するものである。この沸騰
タイミングには、沸騰判定手段15はコイル電流制御手
段4を構成する高周波インバータ出力制御回路4bを予
め設定した出力に変更するよう駆動するものである。
【0015】以下本実施例の動作について説明する。本
実施例で使用している調理容器1は、調理容器受け2に
対して密着する専用の容器となっている。つまり、誘導
加熱コイル3が発生する高周波磁界は、大部分がこの調
理容器1の誘導加熱に有効に使用されるものである。こ
のため、温度検知素子5は正確で高精度な温度を検知す
ることができる。
【0016】以下、図2により自動沸騰検知手段7の動
作について説明する。使用者が調理の準備を終えて、開
始入力手段6を時刻t1に操作したとする。この信号は
自動沸騰検知手段7に伝達される。自動沸騰検知手段7
は、この信号を受けると先ず自分をリセットして沸騰を
検出していないモードとする。同時にコイル電流制御手
段4を、加熱出力の設定を最大として駆動させる。こう
して誘導加熱コイル3には高周波電流が供給され、調理
容器1は時刻t1より温度上昇を開始する。この温度
は、温度検知素子5によって検知され、第一・第二・第
三の傾き検知手段11・12・14は作用を開始する。
【0017】第一の傾き検知手段11は、時刻t1と時
刻t1から所定の時間差を有した時刻t2との間の温度上
昇の傾きを検知している。つまり第一の傾きを検知して
いる。第二の傾き検知手段12は、温度検知素子5から
の温度情報を受けて、予め設定した温度T1からT1から
所定の温度差dTを有した温度T2に達するまでの温度
上昇の傾き、第二の傾きを検知している。調理物が沸騰
に達するまでの温度上昇の傾きは、従来例で説明したよ
うに調理物の量や種類によって変動するものであるが、
発明者らは実験の結果、調理容器1を専用のものとした
場合は、この温度上昇の傾きは第一の傾きおよび第二の
傾きに相関を示すものとなることを見いだしている。傾
き演算手段13は、前記第一の傾きと第二の傾きとか
ら、この調理物の沸騰時の傾き、換言すれば温度制御の
基準となる傾きK1を次式のように演算決定しているも
のである。
【0018】 K1=(第二の傾き)/(C1×(第一の傾き)+C2) (ただし、C1およびC2は予め設定した定数とする。) こうして温度制御基準Kを決定してから、第三の傾き検
知手段14は温度検知素子5の出力を受けて、随時第三
の傾きを検知しているものである。この第三の傾きを示
す情報は、前記温度制御基準K1とともに沸騰判定手段
15に伝達され、沸騰状態に達したかどうかを判定され
るものである。つまり沸騰判定手段15は、第三の傾き
を示す情報が温度制御基準K1よりも大きな値を示す状
態を介して、小さい値を示す状態に移ったタイミングを
調理物が沸騰状態に達したと判断しているものである。
また沸騰判定手段13は、前記沸騰状態と判定した場合
は、コイル電流制御手段4の加熱出力の設定を予め設定
した値に減ずるよう作用するものである。また更に、こ
の時沸騰状態に到達した旨を適切な手段を使用して報知
するようにすれば、より好ましいものとなる。
【0019】以上のように本実施例によれば、沸騰状態
の検知が正確に自動的にできるため、使用者は安心して
例えば別の仕事をすることができるわけである。
【0020】次に本発明の第二の実施例について図3に
基づいて説明する。前記実施例と同様のものには同一番
号を付して以下の説明を省略する。21は自動沸騰検知
手段で、ファジィ推論手段22を有する。ファジィ推論
手段22は、以下の各要素を備えている。23は図4
(a)で示した第一の傾きの度合を推論するためのメン
バシップ関数を記憶した第一の傾きメンバシップ記憶手
段である。24は第一の傾き検知手段11の出力を基に
第一の傾き度を推論する第一の傾き適合度演算手段であ
る。また25は図4(b)に示した第二の傾きの度合を
推論するためのメンバシップ関数を記憶した第二の傾き
メンバシップ記憶手段である。26は第二の傾き検知手
段12の出力を基に第二の傾き度を推論する第二の傾き
適合度演算手段である。前記第一の傾き適合度演算手段
24・第二の傾き適合度演算手段25の出力は、沸騰制
御基準となる傾きを演算する出力適合度演算手段28に
送られている。出力適合度演算手段28は、この情報を
一旦出力メンバシップ関数記憶手段27に送って、図4
(c)に示したメンバシップ関数から最適出力を推論す
るための最適出力値を決定している。この情報を受けた
出力適合度演算手段28は、最終的に沸騰制御基準とな
る傾きを決定し、沸騰判定手段15にこの信号を伝達す
るものである。第三の傾き検知手段14・沸騰判定手段
15の機能は前記実施例と同様である。
【0021】以下本実施例の動作について説明する。使
用者が開始入力手段6を操作して調理を開始すると、誘
導加熱コイル3から高周波磁界が発生して調理容器1の
加熱が開始される。この調理容器1の温度は、調理容器
受け2に設けた温度検知素子5によって検知されてい
る。温度検知素子5の温度情報は、第一の傾き検知手段
11に、次いで第二の傾き検知手段12に送られ、ファ
ジィ推論手段22がファジィ推論を開始する。つまり、
第一の傾き検知手段11から加熱初期時の温度変化の情
報を受けた第一の傾き適合度演算手段24は、第一の傾
きメンバシップ関数記憶手段23にこの情報を送って、
加熱初期時における第一の傾きを演算決定する。
【0022】また第二の傾き検知手段12から中間温度
における温度変化の情報を受けた第二の傾き適合度演算
手段26は、同様に第二の傾きメンバシップ関数記憶手
段25にこの情報を送って、中間温度における第二の傾
きを演算決定する。すなわち第一の傾きメンバシップ関
数記憶手段23は、図4(a)に示す適合度推定ルール
に基づいて、加熱初期時の温度上昇の傾き程度を評価し
ている。つまり、現在の温度上昇の傾きを、急〜緩迄の
間を5段階に分けたときにどの段階に合致しているかを
推論するものである。
【0023】第一の傾き検知手段24からこの情報を受
けた第一の傾き適合度演算手段24は、第一の傾きを決
定してこの情報を出力適合度演算手段28に伝達する。
第二の傾き適合度演算手段26は、同様に中間温度に第
二の傾きを、第二の傾きメンバシップ関数記憶手段25
が図4(b)に基づいて評価した評価値から決定して、
出力適合度演算手段28に伝達する。この情報を受けた
出力適合度演算手段28は、この情報を一旦図4(c)
に示した推論ルールを備えた出力メンバシップ関数記憶
手段27に送る。出力メンバシップ関数記憶手段27
は、第一の傾きの程度と第二の傾きの程度から、沸騰制
御基準となる傾きを推定するための最適出力値を演算す
る。
【0024】出力適合度演算手段28は、この情報を受
けて最終的に沸騰制御基準となる傾きを決定し、沸騰判
定手段15にこの信号を伝達するものである。沸騰判定
手段15は、第三の傾き検知手段14が温度検知素子5
の出力を受けて随時検知している温度変化の傾きと、前
記沸騰制御基準とを比較して、第三の傾き検知手段14
の検出値が前記沸騰制御基準より小さくなった時点を沸
騰状態と判定する。つまり、コイル電流制御手段4を予
め設定した出力に変更して動作させるよう作用するもの
である。また前記実施例と同様、この沸騰状態への到達
を適切な報知手段を使用して使用者に報知するようにす
れば、一層好ましいものである。
【0025】以上のように本実施例によれば、ファジィ
推論による最適な推論出力を使用しているため、一層精
度の高い沸騰検知ができる電磁調理器が実現できるもの
である。
【0026】次に、参考例を実施例3として図5に基づ
いて説明する。前記実施例と同様のものには同番号を付
して以下の説明を省略する。31は調理容器受け2の上
面中央部に埋め込むよう取り付けた温度検知素子で、調
理容器受け2と調理容器1との接触面は平坦となってい
る。32は自動沸騰検知手段で、第一の傾き検知手段1
1・第二の傾き検知手段12の出力から温度制御の基準
となる傾きを演算する傾き演算手段33を有する。
【0027】以下本参考例の動作について説明する。本
参考例では温度検知素子31は、調理容器受け2の上面
で調理容器1の中心部の温度を検知するように設けてい
る。また調理容器受け2の表面の調理容器1との接触面
は、平坦で均一となっているものである。このため温度
検知素子31の温度検知精度は、前記各実施例の構成の
ものに比べて非常に高いものとなっている。従って、調
理物が沸騰に達するまでの温度上昇の傾きと、第一の傾
きおよび第二の傾きとの間の相関関係は一層高いものと
なっている。
【0028】本参考例では、傾き演算手段33は第一の
傾き検知手段11が検知した加熱開始時の第一の傾き
と、第二の傾き検知手段12が検知した中間時の第二の
傾きとを使用して、温度制御の基準となる傾きK2を次
式のように演算決定しているものである。
【0029】 K2=(第二の傾き)/(C3×(第一の傾き)+C4) (ただし、C3およびC4はあらかじめ設定した定数とす
る。) なお前記C3およびC4は、前記実施例のK1を設定した
ときの定数C1・C2よりも高い精度で決定できるもので
ある。
【0030】第三の傾き検知手段14は、前記実施例と
同様、温度検知素子31の温度情報を受けて、随時温度
上昇の傾きを検出している。また沸騰判定手段15は、
前記温度制御基準となる傾き値K2と第三の傾き検知手
段14の検出値とを比較して、第三の傾き検知手段14
の検出する傾きの方が温度制御基準となる傾き値K3よ
りも小さくなった時点を沸騰状態と判断するものであ
る。つまり、この時点でコイル電流制御手段4を予め設
定した出力に変更して動作させるよう作用するものであ
る。また前記実施例と同様、この沸騰状態への到達を適
切な報知手段を使用して使用者に報知するようにすれ
ば、一層好ましいものである。
【0031】このように本参考例によれば、温度検知素
子31の取付を工夫することによって、沸騰状態の検知
を一層正確にすることが出来るものである。
【0032】次に、本発明の第四の実施例について図6
に基づいて説明する。前記各実施例と同様のものには同
一番号を付して以下の説明を省略する。41は自動沸騰
検知手段で、第一の傾き検知手段11の出力値を基に沸
騰判定手段で判定した沸騰の判定を遅延させる遅延手段
42を有する。つまり、遅延手段42は、第一の傾き検
知手段11が検知する傾きが所定の値より小さい場合に
は、沸騰判定手段15による沸騰の判定を遅延させるも
のである。
【0033】以下本実施例の動作について説明する。調
理容器1を調理容器受け2上に載置したときに、調理容
器1の底裏面部にゴミなどの異物が付着したり、傾けた
状態でセットしたりした場合は、温度検知素子31が調
理容器1と密着しなくなる。このような場合は、調理物
の温度上昇に対し温度検出素子31の温度検出が時間的
に遅れるものとなる。つまり沸騰開始を検知する時期に
ついても、時間的に遅れるわけである。そこで本実施例
では、傾き演算手段33は第一の傾き検知手段11・第
二の傾き検知手段12の出力に基づいて、次式で示す温
度制御基準となる傾きK3を決定している。
【0034】 K3=((第二の傾き)/(C5×(第一の傾き)+C6))*a C5・C6:予め設定した定数a:予め設定した1より
大きい定数つまり、本実施例では温度制御基準となる傾
きK3を大きく設定しているわけで、換言すれば沸騰検
知を早い時期に行うようにしているわけである。この状
態で沸騰判定手段15が、第三の傾き検知手段14の出
力と前記K3とを比較して、沸騰状態への到達を検知し
ているものである。この沸騰判定手段の出力は、前記遅
延手段42を介してコイル電流制御手段4に送られてい
る。このとき、遅延手段42が第一の傾き検知手段11
の出力が通常よりも小さい、つまり前記した載置異常の
状態であると認識した場合は、前記沸騰判定手段の出力
をそのままコイル電流制御手段4に伝達して、コイル電
流制御手段4の出力を所定値まで低減する。また、遅延
手段42が第一の傾き検知手段11の出力が通常どおり
であると認識した場合は、沸騰判定手段の出力を所定時
間だけ遅延してコイル電流制御手段4に伝達して、コイ
ル電流制御手段4の出力を所定値まで低減するものであ
る。つまり遅延手段42は、載置異常の場合は正規の沸
騰判定時期を所定時間だけ遅延するように作用している
ものである。
【0035】以上のように本実施例によれば、遅延手段
42を設けることによって、調理容器のセット時のばら
つきに対しても対応できる電磁調理器とすることが出来
るものである。
【0036】続いて本発明の第五の実施例を図7に基づ
いて説明する。51は自動沸騰検知手段で、ファジィ推
論手段52を有する。ファジィ推論手段52は以下の各
要素を備えている。53は図8(a)で示した第一の傾
きの度合を推論するためのメンバシップ関数を記憶した
第一の傾きメンバシップ関数記憶手段である。54は第
一の傾きメンバシップ関数記憶手段53の出力を基に第
一の傾き度を推論する第一の傾き適合度演算手段であ
る。また55は図8(b)に示した第二の傾きの度合を
推論するためのメンバシップ関数を記憶した第二の傾き
メンバシップ関数記憶手段である。56は第二の傾きメ
ンバシップ関数記憶手段55の出力を基に第二の傾き度
を推論する第二の傾き適合度演算手段である。前記第一
の傾き適合度演算手段54・第二の傾き適合度演算手段
56の出力は、沸騰制御基準となる傾きを演算する出力
適合度演算手段58に送られている。出力適合度演算手
段58は、この情報を一旦出力メンバシップ関数記憶手
段57に送って、図8(c)に示したメンバシップ関数
から最適出力を推論するための最適出力値を決定してい
る。この情報を受けた出力適合度演算手段58は、最終
的に沸騰制御基準となる傾きを決定し、沸騰判定手段1
5にこの信号を伝達するものである。
【0037】以下本実施例の動作について説明する。使
用者が開始入力手段6を操作して調理を開始すると、誘
導加熱コイル3から高周波磁界が発生して調理容器1の
加熱が開始される。この温度は温度検知素子5によって
精度よく検知され、第一の傾き検知手段11に、次いで
第二の傾き検知手段12に送られ、ファジィ推論手段5
2がファジィ推論を開始する。つまり、第一の傾き検知
手段11から加熱初期時の温度変化の情報を受けた第一
の傾き適合度演算手段54は、第一の傾きメンバシップ
関数記憶手段53にこの情報を送って、加熱初期時にお
ける第一の傾きを演算決定する。
【0038】また第二の傾き検知手段12から中間温度
における温度変化の情報を受けた第二の傾き適合度演算
手段56は、同様に第二の傾きメンバシップ関数記憶手
段55にこの情報を送って、中間温度における第二の傾
きを演算決定する。すなわち第一の傾きメンバシップ関
数記憶手段53は、図8(a)に示すメンバシップ関数
に基づいて、加熱初期時の温度上昇の傾き程度を評価し
ている。前記メンバシップ関数は、特に調理容器1と調
理容器受け2の熱的な密着度の変動による影響を最小限
とするよう配慮したものとなっている。つまり初期温度
上昇の程度は、調理容器1と調理容器受け2との間の密
着度によって影響されるため、この密着度の程度を評価
できるような推定ルールとなっているものである。第一
の傾きメンバシップ記憶手段52は、このルールを使用
して、現在の温度上昇の傾きを、急〜緩迄の間を5段階
に分けたときにどの段階に合致しているかを推論するも
のである。
【0039】第一の傾き検知手段53からこの情報を受
けた第一の傾き適合度演算手段54は、第一の傾きを決
定してこの情報を出力適合度演算手段58に伝達する。
第二の傾き適合度演算手段56は、同様に中間温度に第
二の傾きを、第二の傾きメンバシップ関数記憶手段55
が図8(b)に基づいて評価した評価値から決定して、
出力適合度演算手段58に伝達する。この第二のメンバ
シップ関数記憶手段55が有しているメンバシップ関数
も、調理容器1と調理容器受け2の熱的な密着度の変動
による影響を最小限とするよう配慮したものとなってい
る。つまり中間時の温度上昇の程度は、調理容器1と調
理容器受け2との間の密着度によって影響されるため、
この密着度の程度を評価できるような推定ルールとなっ
ているものである。
【0040】この情報を受けた出力適合度演算手段58
は、この情報を一旦図8(c)に示した推論ルールを備
えた出力メンバシップ記憶手段57に送る。図8(c)
に示した推論ルールは、図4(c)に示したものよりも
一層正確な沸騰検知を行う傾きの基準値の推論を行なえ
るものとなっている。出力メンバシップ記憶手段57
は、この推論ルールを使用して、第一の傾きの程度と第
二の傾きの程度から、沸騰制御基準となる傾きを推定す
るための最適出力値を演算する。出力適合度演算手段5
8は、この情報を受けて最終的に沸騰制御基準となる傾
きを決定し、沸騰判定手段15にこの信号を伝達するも
のである。
【0041】この際、本実施例ではファジィ推論手段5
2が決定する沸騰制御基準となる傾きは、調理容器1の
調理容器受け2に対する載置が異常気味であることを前
提とした設定となっており、つまり多少大きな設定とな
っているものである。このため沸騰判定手段15が判定
する沸騰判定の時期は、ゴミ等の付着時にはちょうど良
い判定時期となるものである。つまり遅延手段42は、
第一の傾き検知手段11の検知出力が所定値よりも小さ
くてゴミ付着あるいは載置異常であると判別した場合
は、沸騰判定手段15の出力をそのままコイル電流制御
手段4に送って、直ちにコイル電流制御手段4の出力を
所定値まで低減するものである。また正常状態を判別し
た場合は、沸騰判定手段15の出力を所定時間だけ遅延
してコイル電流制御手段4を制御するものである。
【0042】以上のように本実施例によれば、ファジィ
推論手段52と遅延手段42とを備えているため、常に
最適な推論出力ができまた調理容器の載置異常にも対応
できるものである。
【0043】次に本発明の第六の実施例について図9に
基づいて説明する。本実施例では、自動沸騰検知手段5
1は、ファジィ推論手段62を有する。ファジィ推論手
段62は、遅延手段42の遅延時間を決定する遅延メン
バシップ関数記憶手段63と、遅延適合度演算手段64
とを備えている。遅延メンバシップ記憶手段63は、図
10に示す適合度推定ルールを備えている。この適合度
推定ルールは、特に調理容器1と調理容器受け2との熱
的な密着度の変動による影響を小さくできるよう配慮し
たものとなっている。
【0044】以下本実施例の動作について説明する。第
一の傾き検知手段11の情報から、第一の傾き適合度演
算手段54による第一の傾きの適合度の演算と、遅延適
合度演算手段64による遅延時間の適合度の両方を決定
できる。従って、沸騰判定手段15の沸騰判定のタイミ
ングは、調理容器1と調理容器受け2との熱的な密着度
に応じて適切に遅延できるわけである。
【0045】以上のように本実施例によれば、常に正確
で高精度の沸騰判定ができる電磁調理器を実現できるも
のである。
【0046】
【発明の効果】本発明の第一の手段は、第三の傾き検知
手段、傾き演算手段、および沸騰判定手段とを備え、前
記傾き演算手段は、加熱開始時の温度変化を第一の傾き
とし、加熱中間時の所定温度での温度変化を第二の傾き
として検知し、かつ、前記第一の傾きにより調理容器の
底面形状と調理容器受けとの密着状態を判断するととも
に、前記第一の傾きと前記第二の傾きから沸騰検知の基
準となる傾きを演算する構成として、精度の高い沸騰検
出が可能な電磁調理器を実現するものである。
【0047】また本発明の第の手段は、第一の手段に
加え、第一の傾きをもとに遅延時間を決定し沸騰判定手
段の判定を遅延させる遅延手段を備えた構成として、調
理容器の載置状態の異常に対しても対応ができ、精度の
高い沸騰検出が可能な電磁調理器を実現するものであ
る。
【0048】本発明の第の手段は、第の手段に加
え、遅延手段は、第一の傾きと第二の傾きからファジィ
推論により沸騰判定の遅延時間を推論する構成として、
遅延時間の決定も高精度ででき、更に一層精度の高い沸
騰検出が可能な電磁調理器を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における電磁調理器のブ
ロック図
【図2】同動作を示す温度特性図
【図3】本発明の第二の実施例における電磁調理器のブ
ロック図
【図4】同ファジィ推論手段の内容を示す図
【図5】参考例における電磁調理器のブロック図
【図6】本発明の第四の実施例における電磁調理器のブ
ロック図
【図7】本発明の第五の実施例における電磁調理器のブ
ロック図
【図8】同ファジィ推論手段の内容を示す図
【図9】本発明の第六の実施例における電磁調理器のブ
ロック図
【図10】同遅延メンバシップ関数記憶手段が有するメ
ンバシップ関数を示す図
【図11】従来の電磁調理器のブロック図
【図12】同電磁調理器の温度検知素子が検知する温度
特性図
【符号の説明】
1 調理容器 2 調理容器受け 3 誘導加熱コイル 4 コイル電流制御手段 5 温度検知素子 6 開始入力手段 7、32、41 自動沸騰検知手段 11 第一の傾き検知手段 12 第二の傾き検知手段 13 傾き演算手段 14 第三の傾き検知手段 15 沸騰判定手段 22、52、62 ファジィ推論手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 杉浦 貴之 (56)参考文献 特開 昭62−142519(JP,A) 特開 昭59−56627(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/12 F24C 3/12 F24C 7/04 A47J 27/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理容器を受ける調理容器受けと、前記
    調理容器受けの下面に配置した高周波磁界を発生する誘
    導加熱コイルと、この調理容器受けの下面に設けた温度
    を検知する温度検知素子と、この温度検知素子の出力を
    受けて沸騰検知の基準となる傾きを演算する傾き演算手
    段と、前記温度検知素子の出力を受けて随時検知温度の
    傾きを検知する第三の傾き検知手段と、前記傾き演算手
    段の出力と第三の傾き検知手段の出力とを比較して沸騰
    開始時点を判断すると前記加熱コイルの加熱量を変更す
    る沸騰判定手段とを備え、前記傾き演算手段は、前記誘
    導加熱コイルで前記調理容器の加熱を開始しその後所定
    時間後までの加熱開始時の温度変化を第一の傾きとし、
    加熱中間時の所定温度での温度変化を第二の傾きとして
    検知し、かつ、前記第一の傾きにより調理容器の底面形
    状と調理容器受けとの密着状態を判断するとともに、前
    記第一の傾きと前記第二の傾きから沸騰検知の基準とな
    る傾きを演算する電磁調理器。
  2. 【請求項2】 第一の傾きをもとに遅延時間を決定し沸
    騰判定手段の判定を遅延させる遅延手段を備えた請求項
    記載の電磁調理器。
  3. 【請求項3】 遅延手段は、第一の傾きと第二の傾きか
    らファジィ推論により沸騰判定の遅延時間を推論する請
    求項に記載の電磁調理器。
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