JP3661567B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鍋底の反り具合や油量の多少によらず、揚げ物調理を行う場合に鍋底の反りと油の量を判定して油の温度を正確に制御する誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘導加熱調理器は、鍋をのせたプレートの下側にあって本体部に温度検知手段を設け、プレートを介して加熱された鍋の発熱する温度を間接的に測定している。一般に、前記プレートの上面に温度検知手段を設け、これに鍋を直接接触させて前記鍋の温度を測定する誘導加熱調理器の構成では、プレート上面が温度検知手段の存在で平にならず、使い勝手が悪くなる。また、鍋の油に温度検知手段を直接投入して測定するものにあっては、衛生上の問題や使用者の違和感を生ずる。
【0003】
従って、前記したように従来の誘導加熱調理器では、油を入れた鍋から離れた(プレートの下側)本体部に温度検知手段を備え、間接的に鍋の油である負荷の温度を検知する構成となっているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の誘導加熱調理器ではプレートを介して鍋の温度を間接的に検知しているため、プレートに接している鍋底に反りがあると鍋が同じ温度でもプレート下面での測定温度は低くなる。
【0005】
従って、測定温度が同じ温度になるよう制御を行うと鍋底の反った鍋の場合、鍋底の反りのない鍋よりも鍋が高温になるという課題を有しているものである。これは、反った鍋底の場合、鍋底とプレートとの間に空間ができ、熱の伝導が悪くなることに起因している。
【0006】
更に、同じ鍋で同じ制御方法で加熱した場合、実際の油の温度は油量により大きく異なり、油量が少ないほど油温は高く、多いほど低くなってしまう。一般に、揚げ物調理の場合は油温度を設定して調理を行うが、鍋底の反った鍋や油量が少ないと油温度が設定温度より高くなり揚げ物が不出来になる。そこで、鍋底の反った鍋を見分けるため、従来、例えば温度検知手段の検知した温度変化の傾き(勾配)に応じて設定温度を変化させる方法等が検討されていた。しかし、温度変化の傾きを用いた場合、プレートの初期温度が高いと正しい判定ができない。更に、鍋底の反りを判定する間に高パワーで加熱すると鍋底の判定がされた時点で場合によっては油温度が高くなりすぎる。また加熱開始後、所定時間が経過した後に温度の変化を測定した場合、油量の多少と鍋底反りの影響を区別することは困難であった。
【0007】
本発明は、このような従来の誘導加熱調理器が有している課題を解決するもので、鍋底反りを精度良く判定することで、鍋底の反りの有無にかかわらず、揚げ物調理を精度良く行える誘導加熱調理器を実現することを目的としている。
【0008】
また、鍋底の反りによらず油量を判定することで、油量の多少によらず揚げ物調理を精度良く行える誘導加熱調理器を実現することを目的としている。
【0009】
また、揚げ物モードスタート時、鍋がのせられたプレートの温度によらず正しく反り鍋判定を行うことを目的としている。
【0010】
また、他の加熱手段で事前に加熱された鍋がプレートに載せられ、その鍋を加熱しようとしている場合に油量の誤判定を防止することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明による誘導加熱調理器は、油の入った鍋をのせるプレートと、前記プレート下に設け、前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記プレート下に位置して前記プレートに接して設けた前記鍋の温度を測定する温度検知手段と、揚げ物モードを選択する揚げ物モード選択手段と、油温を設定する油温度設定手段と、前記揚げ物モード選択手段の信号を受けて加熱開始時に一定パワーP1にて加熱し、その間の前記温度検知手段により測定された温度Ts時間に対する2階微分値を計算し前記2階微分値が鍋底の反り量が大きくなるほど小さくなることにより前記鍋の鍋底の反りを判定する反り鍋判定手段と、前記反り鍋判定手段による前記反り量の判定終了後、前記油温度設定手段で設定された温度と同じもしくは異なる温度を目標とし、前記目標温度に達するまで油温と前記温度検知手段により測定された温度Tsが前記鍋の反り量が大きい場合でも急激に開くのを抑制すべく前記反り鍋判定手段で 判定された前記鍋底の反り量に応じて変えて設定されるパワーP2で加熱を行うように前記インバータ回路を制御する温度立ち上げ手段と、前記温度立ち上げ手段の動作中に熱伝達方程式を用いて、前記鍋の発熱量Pの積算値の変化量と、前記温度検知手段により測定された温度Tsの変化量ΔTsと、前記温度検知手段の熱容量αsとに基づき前記鍋の熱容量αpを導くとともに前記鍋の発熱量Pの積算値と、前記温度検知手段の熱容量αsと、前記温度検知手段により測定された温度Ts及びその初期温度T0と、前記導かれた鍋の熱容量αpに基づき前記鍋底の温度Tpを推定し、油量が多いほど、前記推定された鍋底温度Tpと温度検知手段により測定された温度Tsとの差が大きくなることにより油量を判定する油量判定手段と、油温度を設定温度に保つよう前記インバータ回路を制御して加熱を行う温度調整手段とを備え、前記油量判定手段にて判定された油量により、前記温度立ち上げ手段と前記温度調整手段の制御を前記油温度のオーバーシュートを抑制するとともに前記油温度設定手段で設定された温度に前記油温を保つように変える構成とする。
【0012】
上記手段によれば、油量の多少による油温の差や温度立ち上げ時のオーバーシュートを抑えることができ、油量の多少によらず精度良く揚げ物調理を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、油の入った鍋をのせるプレートと、前記プレート下に設け、前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記プレート下に位置して前記プレートに接して設けた前記鍋の温度を測定する温度検知手段と、揚げ物モードを選択する揚げ物モード選択手段と、油温を設定する油温度設定手段と、前記揚げ物モード選択手段の信号を受けて加熱開始時に一定パワーP1にて加熱し、その間の前記温度検知手段により測定された温度Ts時間に対する2階微分値を計算し前記2階微分値が鍋底の反り量が大きくなるほど小さくなることにより前記鍋の鍋底の反りを判定する反り鍋判定手段と、前記反り鍋判定手段による前記反り量の判定終了後、前記油温度設定手段で設定された温度と同じもしくは異なる温度を目標とし、前記目標温度に達するまで油温と前記温度検知手段により測定された温度Tsが前記鍋の反り量が大きい場合でも急激に開くのを抑制すべく前記反り鍋判定手段で判定された前記鍋底の反り量に応じて変えて設定されるパワーP2で加熱を行うように前記インバータ回路を制御する温度立ち上げ手段と、前記温度立ち上げ手段の動作中に熱伝達方程式を用いて、前記鍋の発熱量Pの積算値の変化量と、前記温度検知手段により測定された温度Tsの変化量ΔTsと、前記温度検知手段の熱容量αsとに基づき前記鍋の熱容量αpを導くとともに前記発熱量Pの積算値と、前記温度検知手段の熱容量αsと、前記温度検知手段により測定された温度Ts及びその初期温度T0と、前記導かれた鍋の熱容量αpに基づき前記鍋底の温度Tpを推定し、油量が多いほど、前記推定された鍋底温度Tpと温度検知手段により測定された温度Tsとの差が大きくなることにより油量を判定する油量判定手段と、油温度を設定温度に保つよう前記インバータ回路を制御して加熱を行う温度調整手段とを備え、前記油量判定手段にて判定された油量により、前記温度立ち上げ手段と前記温度調整手段の制御を前記油温度のオーバーシュートを抑制するとともに前記油温度設定手段で設定された温度に前記油温を保つように変える誘導加熱調理器である。
【0014】
上記実施形態において、油量の多少による油温の差や立ち上げ時のオーバーシュートを抑えることができ、油量の多少によらず精度良く揚げ物調理を行うことができる。
【0015】
また請求項記載の発明は、請求項1記載において、反り鍋判定手段は初期加熱開始時のプレートの温度により鍋底の反り量を判定するしきい値を、初期加熱開始時のプレート温度に前記鍋底の反り量の判定が影響されなくなるようにすべく変えてなる誘導加熱調理器である。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、反り鍋判定手段は初期のプレートの温度により鍋底の反り量を判定するしきい値を、初期加熱開始時のプレート温度に前記鍋底の反り量の判定が影響されなくなるようにすべく変えるので、鍋を載せたプレートの初期温度や油温によらず、反り鍋判定を行うことができる。
【0017】
また請求項記載の発明は、請求項1記載において、温度立ち上げ手段は反り鍋判定手段により判定された反り量が小さいときほど加熱するパワーP2を大きく、反り量が大きいほど前記パワーP2を小さくして成る誘導加熱調理器である。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、鍋底反り量が大きい鍋ほど温度検知手段による測定温度と実際の油温の差が急激に開くが、温度立ち上げ手段は鍋底反り量が小さいときほど加熱パワーP2を大きく、反対に反り量が大きいほど前記パワーP2を小さくして加熱するので、前記油温の差の開きを抑制することができる。
【0019】
また請求項記載の発明は、請求項1記載において、温度上昇検知手段を設け、前記温度上昇検知手段は揚げ物モードが選択された時、所定時間加熱を行わず温度検知手段により測定された温度の傾きが所定値以下になると加熱を開始し、他の加熱手段で既に加熱された鍋がプレートにのせられた時に、油量判定手段が油量を正しく判定できるようにした誘導加熱調理器である。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、揚げ物モードが選択された時に温度上昇検知手段は所定時間加熱が行われないようにせしめ、温度検知手段により測定された温度の傾きが所定値以下になると加熱開始の作用をするので、他の加熱手段で既に加熱された鍋がプレートにのせられた時等も、正しく油量を判定することができる。
【0021】
【実施例】
以下本発明誘導加熱調理器の一実施例について、図を参照しながら説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は本発明の請求項1〜請求項4に対応する実施例1における誘導加熱調理器の加熱制御を示すブロック図で、図2(a)は同温度検知手段の検知した温度の2階微分値と鍋底の反り量を示すグラフで、図2(b)は同鍋底の反り量と判定値の関係を示す図で、図3は同熱伝達方程式を用いて推定した鍋の熱容量αp、鍋の温度Tpと鍋を加熱するパワーの関係を示す図で、図4(a)は同油量が少ない場合の計算した鍋の温度Tp、温度検知手段の検知した温度Tsの関係を示す図で、図4(b)は同油量が中の場合で、図4(c)は同油量が多い場合で、図5は同油量判定の動作を示すフローチャートである。
【0023】
1は油14を入れて揚げ物を行う鍋で、プレート2にのせて使用する。3はプレート2の下に設け、鍋1を誘導加熱する加熱コイル、4は加熱コイル3に高周波電力を供給して駆動するインバータ回路、5は感温素子であるサーミスタをプレート2の下に位置して前記プレート2に接して設け、プレート1を介して鍋1の温度を検知する温度検知手段、6は揚げ物モードを選択するスイッチ等の揚げ物モード選択手段6aと油14を目的(目標温度)の温度に設定する油温度設定手段6bからなるキースイッチ等の操作部、12はマイクロコンピュータで、制御手段7、反り鍋判定手段8、温度立ち上げ手段9、油量判定手段10、温度調整手段11等で構成している。前記制御手段7は、インバータ回路4を制御し加熱コイル3に供給する電力を制御する。前記反り鍋判定手段8は、揚げ物モード選択手段6aの信号を受けて加熱開始時に一定パワーP1にて鍋1を所定時間加熱し、その間の温度検知手段5により測定された温度の2階微分値より鍋1の鍋底反りを判定する。前記温度立ち上げ手段9は、油温度設定手段6bと温度検知手段5の信号を入力し、かつ反り鍋判定手段8による反り鍋判定終了後より動作して前記油温度設定手段6bで設定した温度と同じもしくは異なる温度を目標とし、この目標温度に達するまで制御手段7に信号を送りインバータ回路4を制御しパワーP2で加熱を行わせるものである。前記油量判定手段10は、温度立ち上げ手段9が動作中に熱伝達方程式(後述する)より鍋1の熱容量と鍋底の温度を推定し油量を判定する。前記温度調整手段11は、油温度設定手段6bの信号と温度検知手段5の検知信号および温度立ち上げ手段9の信号を受けて、油温度が設定温度に達した後に油温度を設定温度に保つよう制御手段7にインバータ回路4を制御させて加熱を行うよう信号を送るものである。
【0024】
上記実施例において、プレート2の上に油14を入れた鍋1をのせて揚げ物モード選択手段6aが押されると、マイクロコンピュータ12は制御手段7を介して一定パワーP1[W](本実施例では1000W)で鍋1が加熱されるようインバータ回路4を制御する。そして、反り鍋判定手段8は加熱開始から所定の時間もしくは所定の積算電力となったとき、温度検知手段5で検知された温度の2階微分値(加速度)d2Tを計算し、鍋1の反り量を判定する。図2(a)は温度検知手段5の検知した温度の2階微分値d2Tと鍋底の反り量の関係を示しており、図2(b)は初期加熱開始時のプレート2の温度による鍋底反り量の判定値を変えることを示している。
【0025】
一般に、図2(a)に示すように鍋底の反り量が大きくなるほど前記2階微分値d2Tの値は小さくなり、d2Tを計算することで反り量を判定しているが、図2(a)に示すように同じ反り量の鍋でも加熱開始時のプレート2の温度が高いほどd2Tの値は小さくなる傾向がある。
【0026】
そこで、本実施例では図2(b)に示すように反り鍋判定手段8は初期加熱開始時におけるプレート2の温度により鍋底反り量の判定値(しきい値)を変えることで、初期のプレート2の温度に影響されることなく鍋1の鍋底反り量を判定することができる。
【0027】
次に温度立ち上げ手段9の動作を説明する。温度立ち上げ手段9は、反り鍋判定手段8の判定終了後から動作し、制御手段7を介して一定パワーP2[W]で鍋1が加熱されるようインバータ回路4を制御する。そして、反り鍋判定手段8で判定された反り量と温度立ち上げ手段9の動作中に熱伝達方程式を用いて油量を判定する油量判定手段10で判定された油量より決定される条件が成り立つまでパワーP2での加熱を継続する。
【0028】
しかし、鍋1の鍋底反り量が大きいほど実際の油の温度に対して温度検知手段5で検知される温度の追従が悪いので、高パワーで加熱するほど油温と温度検知手段5の温度の差が大きくなってしまう。
【0029】
そこで、本実施例では反り鍋判定手段8で判定された鍋底反り量に応じて温度立ち上げ手段9によるパワーP2を変える(本実施例では例えば、反り量小の場合は1450W、反り量中の場合は1450W、反り量大の場合は1000Wとする。)。すなわち、温度立ち上げ手段9は、反り鍋判定手段8により判定された反り量により、反り量が小さいときほど加熱するパワーP2を大きく、反り量が大きいほど前記パワーP2を小さくして成る。これにより、鍋1の反り量が大きい場合でも油温と温度検知手段5の検知した温度差が急激に開くことはなく、以降安定した制御を行うことができる。
【0030】
次に油量判定手段10の動作について説明する。油量判定手段10は以下の熱伝達方程式を用いて、鍋1の熱容量αpおよび温度Tpを計算し、計算された前記温度Tpと温度検知手段5で検知した温度との差より油量を判定する。前記の熱伝達方程式は次の(数1)で示す数式1、(数2)で示す数式2で表すことができる。
【0031】
【数1】
Figure 0003661567
【0032】
【数2】
Figure 0003661567
【0033】
ここでαpは鍋1(本実施例では油と鍋をあわせて考える)の熱容量、αsは温度検知手段5(本実施例ではサーミスタとプレートをあわせて考える)の熱容量、Pは鍋1の発熱量、hpは鍋1と温度検知手段5の間の熱伝達率、Tpは鍋1の温度、Tsは温度検知手段5で検知される鍋の温度である。上記数式1と数式2より以下の(数3)で示す数式3、(数4)で示す数式4が導き出せる。
【0034】
【数3】
Figure 0003661567
【0035】
【数4】
Figure 0003661567
【0036】
ここでSP1はPを時刻(t−dt)からtまで積算したもの、SP2はPを時刻t0からtまで積算したものである。上記熱伝達方程式より計算されるαp、Tp、温度検知手段5で検知される鍋の温度Ts、および実際の油の温度を示した図が図3である。
【0037】
また、図4(a)、(b)、(c)で示すように、同じ鍋底反り量の鍋を使用した場合でも、油量によりTpとTsの軌跡が異なるため、その関係を利用し油量判定を行う。
【0038】
次に図5を用いて実際のフローで説明する。油量判定がスタートすると、まずステップ501でdT=Tp−Tsを計算する。次にステップ502でdT<Y1(本実施例では5℃)を比較し、条件が成立するなら油量を少(本実施例では200g以下)と判定し、油量判定を終了する。もし、ステップ502の条件が成立しないならステップ503に移る。ステップ503でdT<Y2(本実施例では10℃)を比較し、条件が成立するなら油量を中(本実施例では200g〜500g)と判定し、条件が成立しないなら油量を多(本実施例では500g以上)と判定し、油量判定を終了する。これにより、比較的に精度良く油量を判定することができる。
【0039】
前述のように油量を判定することで、温度立ち上げ手段9および温度調整手段11の制御方法やそれぞれの目標温度を変え、油温のオーバーシュートをできるだけ小さく抑えるとともに、油温度設定手段6bで設定された温度に油温を保つことができる。
【0040】
(実施例2)
図6は、本発明の請求項5に対応する実施例2における誘導加熱調理器の加熱制御を示すブロック図で、図7は同油量判定の動作を示すフローチャートである。庫の実施例2の発明は、プレートの未加熱状態での温度上昇の有無を検知する温度上昇検知手段を設けた点が実施例1の発明と異なるだけなので、同一構成および作用効果を奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0041】
上記実施例1で説明したように油量を判定することで、温度立ち上げ手段9および温度調整手段11の制御方法やそれぞれの目標温度を変え、油温のオーバーシュートをできるだけ小さく抑えるとともに、油温度設定手段6bで設定された温度に油温を保つことができる。
【0042】
しかし、上記熱伝達方程式は本来、誘導加熱調理器で鍋1に加えたパワーと温度検知手段5で検知した温度の変化より計算しているものである。従って、既に他の加熱手段で熱量を加えられた鍋1がプレート2に載せられて加熱された時などは正しく計算できなくなる。
【0043】
そこで、本実施例では図6で示すように未加熱状態での温度上昇の有無を検知する温度上昇検知手段13を設け、揚げ物モードスタート時に加熱を行わずに温度検知手段5で検知した鍋1の温度が上昇していないかを検知することで、正しく熱伝達方程式を用いた鍋1(本実施例では油14と鍋1をあわせて考える)の熱容量αp、鍋1の温度Tpの計算を行うことができるようにしたものである。
【0044】
温度上昇検知手段13の動作について図7のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップ701で揚げ物モード選択手段6aを選択し、次にステップ702でプレート2の初期温度T0を検知し、ステップ703でt1秒間(本実施例では10秒間)加熱を行わずt1秒経過後にステップ704で再びプレート2の温度T(t1)を検知し、ステップ705でスタートからt1秒間に温度上昇したか(スタート時の温度T0とt1秒時の温度T(t1)を比較しその差dT)を演算してステップ706で判断する。そして、変化量dTが1℃未満ならステップ710で加熱を開始する。1℃以上上昇していたらステップ707に移行し、その後1℃変化する時間を計時し、ステップ708でt2秒(本実施例では10秒)以内に温度上昇した場合は、再度その温度をステップ707で基準温度として1℃上昇する時間を計時する。そしてt2秒経過しても1℃上昇しなければパワーP1で加熱を開始する。
【0045】
これにより、プレート2に他の加熱手段で加熱された鍋1がのせられた時も、温度検知手段5が鍋の油の温度を正しく検知できるようになってから加熱を開始することができ、上記熱伝達方程式を用いた計算が正しく行え、油量を正しく判定することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、油量の多少による油温の差や温度立ち上げ時のオーバーシュートを抑えることができ、油量によらず精度良く揚げ物調理を行うことができる。
【0047】
た、熱伝達方程式を用いて油量が多いほど推定した鍋底温度と温度検知手段により検知した温度が離れていくことを利用し油量を判定することができる。
【0048】
また請求項に記載の発明によれば、初期のプレートの温度や油温によらず、鍋底反りの判定を正しく行うことができる。
【0049】
また請求項に記載の発明によれば、鍋底反り量により温度検知手段による測定温度と実際の油温の差が急激に開くのを、温度立ち上げ手段により加熱量を制御して抑制することができる。
【0050】
更に請求項に記載の発明によれば、他の加熱手段で既に加熱された鍋がプレートにのせられた時なども、正しく油量を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明誘導加熱調理器の実施例1における加熱制御を示すブロック図
【図2】 (a)同温度検知手段の検知した温度の2階微分値と鍋底の反り量を示すグラフ
(b)同鍋底の反り量と判定値の関係を示す図
【図3】 同熱伝達方程式を用いた熱容量αp、鍋温度Tpと鍋を加熱するパワーの関係を示す図
【図4】 (a)同油量が少ない場合の計算した鍋の温度Tp、温度検知手段の検知した温度Tsの関係を示す図
(b)同油量が中の場合の計算した鍋の温度Tp、温度検知手段の検知した温度Tsの関係を示す図
(c)同油量が多い場合の計算下鍋の温度Tp、温度検知手段の検知した温度Tsの関係を示す図
【図5】 同油量判定の動作を示すフローチャート
【図6】 本発明誘導加熱調理器の実施例2における加熱制御を示すブロック図
【図7】 同温度上昇検知手段の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 鍋
2 プレート
3 加熱コイル
4 インバータ回路
5 温度検知手段
6a 揚げ物モード選択手段
6b 油温度設定手段
8 反り鍋判定手段
9 温度立ち上げ手段
10 油量判定手段
11 温度調整手段
13 温度上昇検知手段

Claims (4)

  1. 油の入った鍋をのせるプレートと、前記プレート下に設け、前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記プレート下に位置して前記プレートに接して設けた前記鍋の温度を測定する温度検知手段と、揚げ物モードを選択する揚げ物モード選択手段と、油温を設定する油温度設定手段と、前記揚げ物モード選択手段の信号を受けて加熱開始時に一定パワーP1にて加熱し、その間の前記温度検知手段により測定された温度Ts時間に対する2階微分値を計算し前記2階微分値が鍋底の反り量が大きくなるほど小さくなることにより前記鍋の鍋底の反りを判定する反り鍋判定手段と、前記反り鍋判定手段による前記反り量の判定終了後、前記油温度設定手段で設定された温度と同じもしくは異なる温度を目標とし、前記目標温度に達するまで油温と前記温度検知手段により測定された温度Tsが前記鍋の反り量が大きい場合でも急激に開くのを抑制すべく前記反り鍋判定手段で判定された前記鍋底の反り量に応じて変えて設定されるパワーP2で加熱を行うように前記インバータ回路を制御する温度立ち上げ手段と、前記温度立ち上げ手段の動作中に熱伝達方程式を用いて、前記鍋の発熱量Pの積算値の変化量と、前記温度検知手段により測定された温度Tsの変化量ΔTsと、前記温度検知手段の熱容量αsとに基づき前記鍋の熱容量αpを導くとともに前記鍋の発熱量Pの積算値と、前記温度検知手段の熱容量αsと、前記温度検知手段により測定された温度Ts及びその初期温度T0と、前記導かれた鍋の熱容量αpに基づき前記鍋底の温度Tpを推定し、油量が多いほど、前記推定された鍋底温度Tpと温度検知手段により測定された温度Tsとの差が大きくなることにより油量を判定する油量判定手段と、油温度を設定温度に保つよう前記インバータ回路を制御して加熱を行う温度調整手段とを備え、前記油量判定手段にて判定された油量により、前記温度立ち上げ手段と前記温度調整手段の制御を前記油温度のオーバーシュートを抑制するとともに前記油温度設定手段で設定された温度に前記油温を保つように変える誘導加熱調理器。
  2. 反り鍋判定手段は、初期加熱開始時のプレートの温度により鍋底の反り量を判定するしきい値を、初期加熱開始時のプレート温度に前記鍋底の反り量の判定が影響されなくなるようにすべく変えてなる請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 温度立ち上げ手段は、反り鍋判定手段により判定された反り量が小さいときほど加熱するパワーP2を大きく、反り量が大きいほど前記パワーP2を小さくして成る請求項1記載の誘導加熱調理器。
  4. 温度上昇検知手段を設け、前記温度上昇検知手段は揚げ物モードが選択された時、所定時間加熱を行わず温度検知手段により測定された温度の傾きが所定値以下になると加熱を開始し、他の加熱手段で既に加熱された鍋がプレートにのせられた時に、油量判定手段が油量を正しく判定できるようにした請求項1記載の誘導加熱調理器。
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