JP3949930B2 - 保護層熱転写シートおよび印画物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、剥離可能に保護層が設けられた保護層熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、簡便な印刷方法として熱転写記録方法が広く使用されている。熱転写記録方法は、各種画像を簡便に形成できるため、印刷枚数が比較的少なくてもよい印刷物、例えば、身分証明書などのIDカードの作成や営業写真、あるいはパーソナルコンピュータのプリンタや、ビデオプリンタなどにおいて利用されている。
【0003】
そして、使用される熱転写シートとしては、顔写真などの如くフルカラーの階調画像が好ましい場合は、連続した基材シート上に、色材層として、例えば、イエロー、マゼンタ、およびシアン(さらに必要に応じてブラック)の各色材層を面順次に繰返し多数設けたものが使われている。
【0004】
また、このような熱転写シートは大別すると、加熱によって色材層が溶融軟化して色材層自身が被転写体、すなわち受像シートに転写移行する、いわゆる溶融転写タイプの熱転写シートと、熱により色材層中の染料が昇華して染料が受像シートに移行する、いわゆる昇華タイプの熱転写シートとに分類される。
【0005】
上記のような熱転写シートを使用して身分証明書などを作製した場合、熱溶融型の熱転写シートを使用すると、文字や数字などの如き単調な画像の形成は容易であるが、これらの画像は、耐久性、特に耐磨耗性に劣るという欠点がある。
【0006】
一方、昇華型の熱転写シートを使用した場合には、顔写真などの階調性画像を精密に形成することができるが、形成された画像は、通常の印刷インキによるものとは異なり、ビヒクルがなく、染料のみによって形成されているので、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性などの耐久性に劣るという欠点がある。
【0007】
上記の対応として、熱溶融性インキ層あるいは昇華性染料の熱転写によって得られた画像上に、転写性保護層を有する保護層熱転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロールなどを用いて転写性保護層を転写させ、画像上に保護層を形成する方法が知られている。
【0008】
このように保護層を設けることによって、画像の耐摩擦性、耐薬品性、耐溶剤性などをある程度向上させることができ、さらに保護層中に紫外線吸収剤などを添加することにより、耐光性を向上させることが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術における保護層熱転写シートは、転写性保護層と基材シートとの間に種々の材料からなる離型層が設けられているが、従来の保護層熱転写シートにおける離型層は、熱の非印加時(転写前)と保護層転写時とにおいて、保護層に対する剥離性が殆ど変わらないことから、保護層の転写不良あるいは過転写(熱印加領域の外周まで転写される現象)が生じ、保護すべき画像と保護層とが整合しないという保護層の転写安定性に劣るという問題点がある。
【0010】
また、従来の保護層熱転写シートを用いて保護層を転写する場合、転写時に静電気が発生して、印画物に帯電して印画物の排紙性が劣るという問題があり、特に低温低湿度条件下において、この帯電による排紙性の問題が大きくなっている。
【0011】
従って、本発明の目的は、非転写時には保護層の剥離性が低く、転写時に保護層の剥離性が良好になって、保護すべき画像に整合して保護層の安定した転写が可能であり、さらに低温低湿度条件下において保護層の転写を行なっても、保護層が転写された画像の排紙性に優れる保護層熱転写シートを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、背面に耐熱滑性層が形成された基材シートの一方の面の少なくとも一部に離型層および保護層がこの順序に積層されてなる、感熱プリンタにおいて使用される保護層熱転写シートにおいて、上記離型層が、熱架橋性のエポキシ−アミノ樹脂またはアルキッド−アミノ樹脂からなり、かつ上記保護層が、アクリル樹脂を主成分としてなることを特徴とする保護層熱転写シートを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の保護層熱転写シート10の基本形態を示す模式的拡大断面図であり、基材シート1の一方の面に離型層2を介して転写性保護層3が設けられ、基材シート1の他方の面には耐熱滑性層4が設けられている。なお、好ましい実施の形態では、上記保護層の表面に感熱接着剤層5が設けられている。
【0014】
図2は、本発明の保護層熱転写シート10の他の実施の形態を示す模式的断面図であり、基材シート1の一方の面に、上記と同様な離型層2と転写性保護層3とからなる保護層領域に加えて、該保護層と面順次に昇華性染料層Y、M、C、Bkと熱溶融性インキ層6とがそれぞれ面順次に設けられている。耐熱滑性層4および感熱接着剤層5は図1の場合と同様である。この実施形態の保護層熱転写シートを用いることにより、1種の保護層熱転写シートと1個の感熱プリンタにより、熱転写受像シートに所望の画像を形成するとともに、所望の画像領域に保護層を転写することができる。
【0015】
図3は、本発明の保護層熱転写シートにより、画像表面に保護層が転写された印画物の断面図を示す。図3において、受像シートの基材7に設けられた染料受容層8を有する基材シート7に形成された染料画像9の表面にのみ保護層3が接着剤層5を介して転写されているが、該保護層3は他の画像(例えば、熱溶融性インキ層の転写による文字などの画像)を含む全体に転写されていてもよい。さらに保護される画像は、昇華転写方式による染料画像に限定されず、表面耐久性などが低いインクジェット画像や電子写真画像など、特に限定されるものではない。
【0016】
以下に本発明の保護層熱転写シートを構成する各層の説明を行う。
(基材シート)
本発明の保護層熱転写シートに用いられている基材シートとしては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートをそのまま用いることができるとともに、シートの表面に易接着処理のしてあるものや、その他のものも使用することができ、特に制限はされない。
【0017】
好ましい基材シートの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマーなどのプラスチックフィルム、およびグラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類、セロファンなどがあり、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなども使用できる。これらの基材シートの厚さは、その強度および耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更するが、通常は2.5〜100μm程度が好ましい。
【0018】
(離型層)
基材シート上には、その上に形成する転写性保護層の転写性を適当にする離型層を設ける。本発明は、該離型層を特定の樹脂から形成することが第1の特徴である。離型層を形成する樹脂は、熱架橋性のエポキシ−アミノ樹脂および/または熱架橋性のアルキッド−アミノ樹脂である。熱架橋性のエポキシ−アミノ樹脂それ自体は公知であり、例えば、TCM−02メジウム(大日本インキ化学製)などの商品名で市場から入手して使用できる。また、アルキッド−アミノ樹脂それ自体も公知であり、例えば、TD−01透明メジウムコンク、TCM−150(いずれも大日本インキ化学製)などの商品名で市場から入手して使用できる。これらの熱架橋性樹脂は単独でも混合物としても使用できる。
【0019】
以上の如き熱架橋性樹脂から離型層を形成するには、上記の如き樹脂を架橋剤または触媒とともに、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコールなどの汎用溶剤に、例えば、固形分約5〜50重量%になるように溶解して塗布液を調製し、該塗布液を基材シートの転写性保護層を形成する領域に、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコートなどの方法で厚み(乾燥基準)0.5〜5μm程度になるように塗布および乾燥して形成する。
【0020】
上記離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは基材シート側に残るもの、あるいは凝集破壊するものなどを、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が基材シート側に残存し、離型層と転写性保護層との界面が、熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性などの点で優れている。また、転写後に艶消しの保護層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、あるいは離型層の保護層側の表面をマット処理することにより、表面マット状にすることもできる。
【0021】
(転写性保護層)
本発明の第2の特徴は、上記離型層面にアクリル樹脂を主成分とする転写性保護層を形成することである。アクリル樹脂としては、種々のアクリル樹脂が使用でき、例えば、ダイヤナールBR−83(三菱レイヨン製)などの商品名で市場から入手して使用できる。
【0022】
以上の如きアクリル樹脂から転写性保護層を形成するには、上記の如きアクリル樹脂を、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコールなどの汎用溶剤に、例えば、固形分約5〜50重量%になるように溶解して塗布液を調製し、該塗布液を離型層の表面に、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコートなどの方法で厚み(乾燥基準)0.5〜5μm程度になるように塗布および乾燥して形成する。
【0023】
(感熱接着剤層)
本発明では、転写性保護層の表面に感熱接着剤層を形成し、転写性保護層の転写と、転写後の保護層の画像面に対する密着性を向上させることが好ましい。この感熱接着剤層は、従来公知の感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などの如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
【0024】
(耐熱滑性層)
本発明の保護層熱転写シートは、基材シートの裏面、すなわち、転写性保護層の設けてある面と反対面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、耐熱滑性層を設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
【0025】
また、耐熱滑性層の耐熱性や塗膜強度および基材シートとの密着性を向上させるために、樹脂中に反応基を有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応硬化物や、不飽和結合を有するモノマー、オリゴマーとの反応生成物を用いることができ、硬化方法は加熱したり、電離放射線を照射したり、その硬化手段は特に限定されない。
【0026】
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサンなどのシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物および燐酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
【0027】
耐熱滑性層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、さらに充填剤を、適当な溶剤により、溶解または分散させて、耐熱滑性層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法などの形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。その耐熱滑性層の厚さは、固形分で0.1〜2μm程度である。
【0028】
本発明の保護層熱転写シートは、上記に記載した転写性保護層を基材シート上に単独で設けてもよいし、図2に示すように、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)各色の染料層や熱溶融性インキ層とともに、面順次に設ける構成としてもよい。上記染料層は公知の方法で適当な昇華性染料を適当なバインダー樹脂から形成され、上記熱溶融性インキ層は公知の方法で適当な顔料と適当なワックスなどの熱溶融性物質から形成される。
【0029】
上記の如き保護層熱転写シートを使用して、保護層が転写され、かつ画像が形成される被転写体である受像シートは、特に限定されない。例えば、基材として普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルムなど、いずれのシートでもよく、また、形状的には、カード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログなどいずれのものでもよく、その基材上に染料の受容性を有する受容層を設けたものが適用可能である。その受容層の設け方は、コーティング法でも、あるいはサーマルヘッドや熱ロールなどによる熱転写でもよい。なお、基材自体が染料の受容性を有していれば、受容層を設ける必要がない。
【0030】
また、本発明の保護層熱転写シートを用いて、IDカード、身分証明書、免許証などのカード類の作成を行うこともできる。これらのカードは写真などの画像情報の他に、文字情報を含むものである。この場合、例えば、文字情報形成は溶融転写方式により行い、写真などの画像形成は昇華転写方式で行うこともできる。さらにカードには、エンボス、サイン、ICメモリー、磁気層、ホログラム、その他の印刷などを設けることもでき、保護層転写後にエンボス、サイン、磁気層などを設けることもできる。
【0031】
転写に際しては熱転写プリンタは、昇華転写用、溶融転写用、保護層転写用というように別々に転写条件を設定してもよいし、また、共通のプリンタでそれぞれ印字エネルギーを適切に調整して行ってもよい。なお、本発明の保護層熱転写シートでは、加熱手段として熱転写プリンタを使用する。また、保護層は、形成された画像の全面に転写してもよいし、特定の部分のみに転写してもよい。
【0032】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中、部または%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
<実施例1>
背面に耐熱滑性層が形成されているポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、厚み6.0μm、東レ製)表面に、下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に下記の保護層用塗布液および接着剤層用塗布液を用いて、同様にして順次所定の乾燥時塗布量で塗布および乾燥して転写性保護層および接着剤層を形成して本発明の保護層熱転写シートを得た。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
<実施例2>
実施例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に実施例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して本発明の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は実施例1と同一)。
【0037】
【0038】
<実施例3>
実施例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に実施例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して本発明の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は実施例1と同一)。
【0039】
【0040】
<実施例4>
実施例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に実施例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して本発明の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は実施例1と同一)。
【0041】
【0042】
<実施例5>
実施例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に実施例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して本発明の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は実施例1と同一)。
【0043】
【0044】
<比較例1>
実施例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に下記の保護層用塗布液および接着剤層用塗布液を用いて同様にして順次所定の乾燥時塗布量で塗布および乾燥して転写性保護層および接着剤層を形成して比較例の保護層熱転写シートを得た。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
<比較例2>
比較例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に比較例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して比較例の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は比較例1と同一)。
【0049】
【0050】
<比較例3>
比較例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に比較例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して比較例の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は比較例1と同一)。
【0051】
【0052】
<比較例4>
比較例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に比較例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して比較例の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は比較例1と同一)。
【0053】
【0054】
<比較例5>
比較例1と同じ基材フイルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に比較例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して比較例の保護層熱転写シートを得た。(保護層および接着剤層は比較例1と同一)。
【0055】
【0056】
<比較例6>(離型層なし)
比較例1と同じ基材フイルムの表面に比較例1と同様にして転写性保護層および接着剤層を形成して比較例の保護層熱転写シートを得た。(但し離型層は形成せず)。
【0057】
【0058】
【0059】
<比較例7>
比較例1と同じ基材フィルムの表面に下記の離型層用塗布液を所定の乾燥時塗布量でグラビア印刷によって塗布し、乾燥して離型層を形成し、さらにその上に下記の保護層用塗布液および接着剤層用塗布液を用いて同様にして順次所定の乾燥時塗布量で塗布および乾燥して転写性保護層および接着剤層を形成して比較例の保護層熱転写シートを得た。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
以上の実施例および比較例における転写性保護層の構成材料を以下の表1に纏めた。
【0064】
以上の実施例および比較例の保護層熱転写シートについて下記の試験を行ない、その結果を表2に示す。
【0065】
[剥離力]
(1)熱印加前の剥離力
保護層熱転写シートの転写層側に日東電工社製ポリエステルテープ(品名:日東テープ31C)を貼り、その剥離力をJIS P 8139に規定するT字型剥離治具を用い、下記条件で新東化学社製のヘイドン14DRにて測定した。
【0066】
(2)熱印加後の剥離力
顔写真を色分解して得た電気信号に従って作動するプリンタのサーマルヘッドを用いて熱エネルギーを付加し、フルカラー画像を形成した(昇華熱転写シートおよび受像シートは上記プリンタに装備されているものを使用した。印画条件:20msec/line、14.5V)。
【0067】
上記の印画物の画像面に保護層熱転写シートの転写性受容層面を対向させて重ね合わせ、上記プリンタで85mmのベタ印画を行なった(温度0℃)。その後熱転写シートと保護層熱転写シートと印画物を前記と同様にしてT字剥離によって剥し、その時の剥離力を前記と同様に測定した。
【0068】
[剥離帯電量]
上記プリンタで保護層を転写後に、印画物表面の帯電量を測定した。測定器はキーエンス社製の高精度静電気センサーSK−030/200を用い、測定部位を印画物表面より10mm離れたところに設置して測定した。
【0069】
[印画物の排紙性]
上記プリンタでの印画時における排紙状況を目視観察した。評価基準は下記の通りである。
○:排紙性良好。
×:排紙性不良。前の印画物と重なりが生じる。
【0070】
【0071】
【発明の効果】
上の表1および表2に示す通り、保護層熱転写シートにおける離型層にアルキッド−アミノ樹脂および/またはエポキシ−アミノ樹脂を用い、かつ保護層にアクリル樹脂を用いることにより、保護層熱転写シートに良好な離型性を付与することができる。つまり、熱印加前の剥離力(1)と熱印加後の剥離力(2)が望ましい関係(1)>(2)であり、未熱印加時は保護層の脱離がなく、熱印加時には安定して保護層を剥離させることができる。また、上記剥離層にアクリル樹脂からなる保護層を組み合わせることで転写時の剥離帯電量が低減し、受像シートが帯電することによる排紙性の不具合が解消されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の保護層熱転写シートの1例の模式的断面図。
【図2】 本発明の保護層熱転写シートの他の例の模式的断面図。
【図3】 本発明の印画物の断面図。
【符号の説明】
1:基材シート
2:離型層
3:転写性保護層
4:耐熱滑性層
5:感熱接着剤層
6:熱溶融性インキ層
7:基材
8:染料受容層
9:染料画像
10:保護層熱転写シート
Claims (2)
- 背面に耐熱滑性層が形成された基材シートの一方の面の少なくとも一部に離型層および保護層がこの順序に積層されてなる、感熱プリンタにおいて使用される保護層熱転写シートにおいて、上記離型層が、熱架橋性のエポキシ−アミノ樹脂またはアルキッド−アミノ樹脂からなり、かつ上記保護層が、アクリル樹脂を主成分としてなることを特徴とする保護層熱転写シート。
- 転写性保護層が形成されている基材シートの同一面に、さらに昇華性染料層および/または熱溶融性インキ層が面順次に形成されている請求項1に記載の保護層熱転写シート。
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