JP3947687B2 - ポリエチレン樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレン樹脂組成物及びその製造方法に関し、詳しくは、軟質性、耐熱性に優るポリエチレン樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、農業用フィルム、壁紙、建材、遮水シート、レザー、ホース、チューブ等に用いる軟質材料の市場では、環境問題に対する配慮から、軟質ポリ塩化ビニル樹脂から他の樹脂材料への代替が進んでいる。
このような分野における、軟質ポリ塩化ビニル樹脂の代替材料としては、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等の種々の熱可塑性エラストマーや、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の汎用熱可塑性樹脂が検討されている。しかし、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の汎用熱可塑性樹脂は、柔軟性に欠けるため広く用いるには難しく、また、種々の熱可塑性エラストマーは柔軟性に優れるものもあるが、高価であるため、柔軟性を活かして広く用いるには難しかった。
【0003】
一方、従来の触媒により製造されたポリエチレン系樹脂は、柔軟性に欠けるという問題があったが、シングルサイト触媒により製造されたポリエチレン系樹脂材料の出現により、より低密度のポリエチレン樹脂材料による製品を製造することが可能になり、ポリ塩化ビニルに可塑剤を50部以上添加した軟質ポリ塩化ビニル樹脂程度の柔軟性を有することが可能になった。
このようなシングルサイト触媒により製造されたポリエチレン系樹脂は、種々の熱可塑性エラストマーに比べて、非常に安価に製造でき、様々な用途に使われてきているが、軟質ポリ塩化ビニル樹脂や種々の熱可塑性エラストマーに比べて耐熱性が悪く、特に、密度が0.890g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を用いて成形した成型品上に高温のものを置いたときには、溶融してしまう等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリエチレン系樹脂の軟質性を損なうことなく、耐熱性の改良されたポリエチレン樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の性状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体に特定の関係を有する熱可塑性スチレン−ジオレフィンブロック共重合体又はその水素添加物を配合することにより、軟質性を損なうことなく、耐熱性の改良されたポリエチレン樹脂組成物が得られるとの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(A)密度が0.860〜0.890g/cm 3 、Q値が3.5以下、FRが7未満のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜85重量%と、(B)スチレン含量が15〜60重量%のスチレンブロック−ジオレフィンブロック−スチレンブロック共重合体又はその水素添加物15〜50重量%とを配合してなり、かつ、成分(A)の50℃における損失弾性率(E” A )と成分(B)の50℃における損失弾性率(E” B )とが、(E” A )<(E” B )を満たすポリエチレン混合物を、成分(A)の融点より60〜150℃高い温度で溶融混練することを特徴とする耐熱性の改良されたポリエチレン樹脂組成物の製造方法が提供される。
(但し、密度はJIS K7112−1999のD法による値、Q値はGPCにより測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)、FRはMFRより求めた値、損失弾性率は固体粘弾性測定により得られる値をそれぞれ示す。)
また、本発明の第2の発明によれば、前記第1の発明において、ポリエチレン樹脂組成物は、成分(A)が連続相を構成し、成分(B)が数平均円相当粒子径1000nm以下で分散相を構成する海島構造を有することを特徴とする製造方法が提供される。
【0007】
本発明に関連するものとして、(A)密度が0.860〜0.890g/cm 3 、Q値が3.5以下、FRが7未満のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜85重量%と、(B)スチレン含量が15〜60重量%の熱可塑性スチレン−ジオレフィンブロック共重合体又はその水素添加物15〜50重量%とを含有し、かつ、成分(A)が連続相を構成し、成分(B)が数平均円相当粒子径1000nm以下で分散相を構成する海島構造を有し、さらに、成分(A)の50℃における損失弾性率(E” A )と成分(B)の50℃における損失弾性率(E” B )とが、(E” A )<(E” B )を満たすことことを特徴とする耐熱性の改良されたポリエチレン樹脂組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、エチレン・α−オレフィン共重合体(成分(A))と熱可塑性スチレン−ジオレフィンブロック共重合体又はその水素添加物(成分(B))とを含有する組成物であり、各構成成分、製法、用途は以下の通りである。
【0009】
1.構成成分
(1)成分(A)
本発明のポリエチレン樹脂組成物において、成分(A)として用いるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体であり、次の(i)〜(v)の性質を有している。
【0010】
(i)α−オレフィン
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体に用いる炭素数3〜18のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができ、単独で用いても2種以上を併用して用いても良い。なかでも炭素数3〜10、好ましくは炭素数3〜8のα−オレフィンが望ましい。
かかるエチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン3元共重合体等が挙げられる。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体における、エチレン単位は70モル%以上が好ましく、α−オレフィン単位が30モル%以下が好ましい。エチレン単位が70モル%未満(α−オレフィン単位が30モル%を超える)であると、べた付きが生じ、取り扱い性に欠けやすい。
【0011】
(ii)密度
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.860〜0.890g/cm3であり、好ましくは0.865〜0.884g/cm3であり、より好ましくは0.875〜0.882g/cm3である。密度が0.890g/cm3を超えると、柔軟性が失われる。一方、密度が0.860g/cm3未満となると、成形品同士のブロッキングが生じるため好ましくない。ここでいう密度は、メルトフローレート(MFR)測定のストランドを用い、JIS K7112−1999のD法(密度勾配管法)に準拠して測定した値である。
【0012】
(iii)Q値
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のQ値は、3.5以下であり、好ましくは3.0〜1.5であり、より好ましくは2.5〜2.0である。Q値が3.5を超えると、べた付き性が出てくるため、取り扱い性に欠け、好ましくない。ここで、Q値とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で定義されるものである。
Q値の測定条件は次の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本(カラムの較正は東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量はポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いてポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリエチレンはα=0.723、logK=−3.407である。)
測定温度:140℃
注入量:0.2ml
濃度:20mg/10mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/min
【0013】
(iv)FR
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のFRは、7未満であり、好ましくは6.5未満である。FRが7以上であると、成形品の衝撃強度が悪くなる。
FRは、エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布、長鎖分岐の量と相関が深いことが知られている。したがって、これらの因子を調整することで、所定の物性を有するものとすることができる。ここで、FRは、メルトフローレート(MFR)のMFR(10)/MFR(2.16)から計算により求めた値である。ここでいうMFR(2.16)は、JIS−K7210−1999(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値であり、MFR(10)は、JIS−K7210−1999(190℃、10kg荷重)に準拠して測定した値である。
【0014】
(v)溶融張力(MT)
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の溶融張力(MT)は、好ましくは1.1g以下であり、より好ましくは1.0g以下であり、さらに好ましくは0.6g以下である。MTが1.1gを超えると、透明性や衝撃強度が悪化する恐れがある。ここで、MTは、(株)東洋精機製作所製キャピログラフを使用し、ノズル径2.095mmφ、ノズル長8.00mm、設定温度190℃で、ピストン押し出し速度10.0mm/分、引き取り速度4.0m/分の条件で測定したときの、定常状態時の張力とした。
MTは、分子量、高分子量成分の存在割合、長鎖分岐の量などの因子に依存することが知られている。上述した因子においては、いずれも値が小さいほど、MTは小さくなることも知られている。したがって、本発明に好ましく用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、これらの因子を制御することで、所定の物性を有するものとすることができる。
【0015】
上記エチレン・α−オレフィン共重合体は、メタロセン系触媒により製造されたものであることが好ましい。
上記メタロセン系触媒としては、特開昭58−19309号、特開昭60−35006号、特開昭60−35007号、特開昭60−35008号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、及び国際公開公報W091/04257号明細書に記載されている触媒、すなわち、メタロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒、または、例えば国際公開公報W092/07123号明細書等に開示されている様なメタロセン化合物とメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触媒を挙げることができる。
【0016】
メタロセン系触媒に使用されるメタロセン化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、ハフニウム等のIV〜VI族遷移金属化合物、特にIV族遷移金属化合物と、シクロペンタジエンあるいはシクロペンタジエン誘導体との有機遷移金属化合物を使用することができる。
シクロペンタジエン誘導体としては、ペンタメチルシクロペンタジエン等のアルキル置換体、あるいは2以上の置換基が結合して飽和もしくは不飽和の環状置換基を構成したものを使用することができ、代表的には、インデン、フルオレン、アズレン、あるいはこれらの部分水素添加物を挙げることができる。
また、複数のシクロペンタジエンがアルキレン基、シリレン基等で結合されたものを用いることもできる。
助触媒としては、有機アルミニウムあるいはメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物を用いることができ、一般にアルモキサンが使用される。
【0017】
重合方法としては、これらの触媒の存在下でのスラリー法、気層流動床法(例えば、特開昭59−23011号公報に記載の方法)や溶液法、あるいは圧力が200kg/cm2以上、重合温度が100℃以上での高圧バルク重合法等が挙げられる。
【0018】
また、本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体は、市販品から適宜選択して使用することもできる。市販品としては、例えば、日本ポリケム社製カーネルなどを例示することができる。
【0019】
(2)成分(B)
本発明で用いられる成分(B)は、熱可塑性スチレン−ジオレフィンブロック共重合体又はその水素添加物であり、分子中のハードセグメントとしてポリスチレンを、ソフトセグメントとして、ポリジオレフィンを用いたブロック共重合体又はその水素添加物である。スチレン−ジオレフィンブロック共重合体において、ジオレフィンブロックを構成する単量体としては、ブタジエン、イソプレン、ビニルイソプレン等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。スチレンブロックとジオレフィンブロックとのブロック共重合体またはその水素添加物の具体例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体のエラストマー、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ビニル化ポリイソプレンブロック共重合体エラストマー、スチレン−ビニル化ポリイソプレンブロック共重合体の水素添加物が挙げられ、これらは、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0020】
成分(B)中のスチレン含量は、15〜60重量%であり、好ましくは20〜50重量%であり、より好ましくは25〜40重量%である。スチレン含量が60重量%を超えると、成分(A)との親和性が著しく低下するので、分散性が低下し、又は、マトリクスがスチレンとなるため柔軟性が著しく低下する。一方、15重量%未満であると、耐熱性が低下する。
【0021】
スチレン−ブタジエンブロック共重合体としては、旭化成工業(株)より「アサフレックス」や「タフプレン」の商品名で販売されている。スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物は、シェルジャパン(株)より「クレイトンG」として、また、旭化成工業(株)より「タフテック」の商品名で販売されている。スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物は、(株)クラレより「セプトン」の商品名で販売されている。さらに、スチレン−ビニル化ポリイソプレンブロック共重合体やその水素添加物は、(株)クラレより「ハイブラー」の商品名で販売されている。これらの商品群から適宜選択し、本発明に用いることが可能である。
【0022】
(3)成分(A)と成分(B)の関係
本発明のポリエチレン樹脂組成物における成分(A)と成分(B)は、次の条件を満たさなければならない。
(i)損失弾性率
固体粘弾性測定により得られる、成分(A)の50℃における損失弾性率(E”A)と成分(B)の50℃における損失弾性率(E”B)とが、(E”A)<(E”B)を満たす必要がある。好ましくは、1.05×(E”A)<(E”B)、より好ましくは、1.07×(E”A)<(E”B)である。
(E”A)≧(E”B)であると、耐熱性の改良が不充分となる。
ここで、損失弾性率は、固体粘弾性測定装置(岩本製作所(株)製 粘弾性スペクトロメーターVES−HF3)により、−150℃〜110℃の範囲で2.5℃ごとに20ヘルツ(Hz)の低周波を引張(歪み量 約0.03%)により組成物に与えることにより、求めた値である。
【0023】
(4)成分(A)と成分(B)の配合割合
本発明のポリエチレン樹脂組成物の成分(A)と成分(B)の配合割合は,成分(A)50〜85重量%に対して、成分(B)が15〜50重量%となるようにする。好ましくは成分(A)50〜80重量%に対して、成分(B)が20〜50重量%、より好ましくは成分(A)50〜75重量%に対して成分(B)が25〜50重量%である。成分(A)が85重量%を超過すると、得られるポリエチレン樹脂組成物の十分な耐熱改良効果が見られない。成分(B)が50重量%を超過すると、得られるポリエチレン樹脂組成物の耐熱性の改良効果が発現しにくくなる。
【0024】
(5)他の添加成分
本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、一般に樹脂組成物用として用いられる補助添加成分や改質剤を必要に応じて配合することもできる。そのような補助添加剤成分や改質剤としては、例えば、酸化防止剤(中でも、フェノール系、及びリン系酸化防止剤が好ましい)、アンチブロッキング剤、中和剤、熱安定剤、無機フィラー、界面活性剤、抗菌剤、顔料、粘着防止剤を挙げることができる。上記補助添加剤成分を配合する場合、上記成分(A)及び成分(B)の混合前、混合途中、あるいは混合後に、配合することができる。
【0025】
(6)他の樹脂材料
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等、他の熱可塑性樹脂材料を配合することもできる。上記他の樹脂材料を配合する場合、上記成分(A)及び成分(B)の混合前、混合途中、あるいは混合後に、配合することができる。
【0026】
2.ポリエチレン樹脂組成物の製造
本発明のポリエチレン樹脂組成物の製造方法は、上記(A)成分及び(B)成分を、必要に応じて、他の添加成分及び他の樹脂材料とともに、混合又は溶融混練する方法によって製造することができる。成分(B)の分散性の観点で、溶融混練する方法によって製造することが好ましい。ここで用いることができる溶融混練機としては、例えば、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ロールミル、単軸又は二軸等の多軸混練押出機等を挙げることができる。混練温度は、成分(A)の融点より60〜150℃高い樹脂温度で行う。混練温度が、上記の範囲未満であると、成分(B)の分散不良がおこり、好ましくなく、上記の範囲を超えると、成分(A)の分解が始まり、好ましくない。
【0027】
上記のようにして製造された本発明のポリエチレン樹脂組成物は、成分(A)が連続層を構成し、成分(B)が成分(A)中で粒子状を形成して分散している海島構造を有している。成分(B)の粒子は、数平均円相当粒子径が1000nm以下が好ましく、より好ましくは700nm以下であり、特に好ましくは500nm以下である。数平均円相当粒子径が1000nmを超えると、材料の均一性が損なわれ、十分な耐熱効果が得られない。
【0028】
また、成分(B)粒子は、(面積平均円相当粒子径/数平均円相当粒子径)が3以下であるように成分(A)中に分散していることが好ましい。面積平均円相当粒子径が1000nmを超えると、または(面積平均円相当粒子径/数平均円相当粒子径)が3を超えると、材料の均一性が損なわれ、十分な耐熱効果が得られない。
ここで、(面積平均円相当粒子径/数平均円相当粒子径)の値は、成分(B)が成分(A)中へ分散するときの分散性の度合を表している。大きいほど、不均一になる。
なお、数平均円相当粒子径、面積平均円相当粒子径は、透過電子顕微鏡観察により得られる測定値をもとに、それぞれ、次の式(1)及び式(2)のように定義される。
【0029】
【数1】
【0030】
透過電子顕微鏡観察に用いる試料は、プレスシートを四酸化ルテニウムで処理することにより電子染色した超薄に作製される。観察画像においては、コントラストの違いにより成分(A)と成分(B)とを区別することが可能である。観察画像における分散している個々の成分(B)の面積を求め、円相当粒子径を測定する。観察画像においては、数平均円相当粒子径、面積平均円相当粒子径の数値のばらつきを減らすために、少なくとも100個の分散粒子の観測が必要である。
【0031】
3.ポリエチレン樹脂組成物の成形
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、Tダイ成形、異型押出成形、圧縮成形、射出成形、インフレーション成形などの押出成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、圧空成形等により種々の成形品に加工することができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物からなるシートは、Tダイ成形、圧縮成形、射出成形、インフレーション成形などの押出成形やカレンダー成形等により製造することができる
【0032】
4. ポリエチレン樹脂組成物の用途
本発明のポリエチレン樹脂組成物の用途としては、食品包装材、機械、電気部品の容器、文具、OA機器、家電製品、自動車部品、自動車用内装品、包装容器、チューブ、ホース、フィルム、シートなどが挙げられる。具体的には、文具としては、デスクマット、カードケース等が挙げられ、自動車用内装品としては、シューズトレイ等が挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下に本発明を実施例で説明する。これらの実施例及び比較例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、本発明は実施例の範囲のみに限定されるものではない。実施例及び比較例における物性の評価方法及び用いたエチレン・α−オレフィン共重合体の製造法は、以下に示す通りである。
【0034】
1.物性の評価
物性測定時に用いた試験片は特に断りのない限り、ペレット状配合物を用いて、金型温度:160℃、圧力:150kgf/cm2、冷却速度:14℃/minで作製した厚み2mmのプレスシートを用いた。
【0035】
(1)損失弾性率:固体粘弾性測定装置(岩本製作所(株)製 粘弾性スペクトロメーターVES−HF3)により、−150℃〜110℃の範囲で2.5℃ごとに20ヘルツ(Hz)の低周波を引張(歪み量 約0.03%)により組成物に与え、各温度における損失弾性率を測定した。また、試験片は、50mm×5mm×1mmのプレスシート切り出し片を用いた。
(2)融点:DSC(示差走査熱量計)を用いて測定した。一旦、170℃で5分間保持後、10℃/分で−10℃まで下降させ、170℃まで10℃/分で昇温させ測定した。融点は昇温させたときの最大ピーク温度とした。
(3)数平均円相当粒子径:透過電子顕微鏡(JEM−1230;日本電子製)で、プレスシートの厚さ方向の断面を50000倍の倍率で観察して求めた。なお、加速電圧は120KVとした。
(4)耐熱性:15mm×15mm×2mmのプレス片を準備し、熱変形温度測定機(東洋精機製作所製)にて下記条件で加熱した際に、直径5.9mmの円柱が、試験片に0.02mm沈下したときの温度で評価した。
昇温速度条件:開始温度35℃〜昇温速度2℃/時間〜試験終了まで
荷重:1kg
試験片への接触面:直径5.9mmの円
(5)オルゼン曲げこわさ:JIS K7106−1995 「片持ちばりによるプラスチックの曲げこわさ試験方法」に準拠して行った。ただし、曲げ角度目盛指針が10°のときの荷重目盛指針指示値(%)のみを採用し、JIS K7106−1995中に与えられた式に代入することにより、曲げこわさ値を決定した。この値が小さいほど柔軟性が良好と判断できる。
(6)硬さ:JIS K 6301−1995に準拠して測定した。
(7)引張衝撃強度:JIS K 7160−1996に記載のB法を参考にし、測定した。具体的には、下記に示す事項以外は、基本的にB法に従い測定を行った。
(i)使用した振り子式衝撃試験機の特性
振り下ろす前の位置エネルギー:20kgcm
衝撃速度:3.4m/s
クロスヘッド質量:65g
(ii)試験片
JIS K 7160記載の4形試験片
(iii)引張衝撃強度(T)の計算法
T=(E1−E)/(a×b)
ただし、T:引張衝撃強さ(kgcm/cm2)
E1:引張衝撃エネルギー(kgcm)
E:摩擦損失エネルギー(kgcm)
a:試験片の幅の狭い部分の厚さ(cm)
b:試験片の平行部の最小幅(cm)
【0036】
2.実施例、比較例で用いた成分(A)及び成分(B)
(1)成分(A)
成分(A)として、表1に示すエチレン・α−オレフィン共重合体を用いた。
【0037】
【表1】
【0038】
製造例1
触媒の調整を、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー社製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して、触媒溶液を調整した。次に、得られた触媒溶液を用い、以下の方法で重合を行った。
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を、1−ヘキセンの組成が89重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、100℃の温度で反応を行った。反応終了後、MFR2.16が3.5g/10分、密度が0.880g/cm3、Q値が2.0、MTが0.5g、FRが6.1であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(PE−1)を得た。
【0039】
製造例2
重合時の1−ヘキセンの組成を78重量%にし、重合温度を190℃に代えた以外は製造例1と同様の製法で触媒調整及び重合を行い、MFR(2.16)が3.5g/10分、密度が0.905g/cm3、Q値が2.3、MTが0.5g、FRが6.0であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(PE−2)を得た。
【0040】
(2)成分(B)
成分(B)として、表2に示すスチレン−ジオレフィンブロック共重合体又はその水素添加物を用いた。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例1
PE−1(MFR:3.5g/10分、密度:0.880g/cm3、Q値:2.0、FR:6.1、融点:60℃)80重量%、SB−1(スチレン含量:29重量%)20重量%をドライブレンドし、これを次に40mmφの単軸押出機にて、温度220℃で溶融混練しポリエチレン樹脂組成物を得た。得られたポリエチレン樹脂組成物の物性を測定した。その結果を表3に示す。
【0043】
実施例2
ブレンド比をPE−1 70重量%、SB−1 30重量%に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表3に示す。
【0044】
実施例3
成分(B)として、SB−2(スチレン含量:20重量%)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表2に示す。
【0045】
実施例4
成分(B)として、SB−3(スチレン含量:40重量%)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表3に示す。
【0046】
実施例5
成分(B)として、SB−4(スチレン含量:22重量%)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表3に示す。
【0047】
実施例6
成分(B)として、SB−5(スチレン含量:30重量%)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
比較例1
成分(B)として、SB−6(スチレン含量:13wt%)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表4に示す。
【0050】
比較例2
成分(A)として、PE−2(MFR:3.5g/10分、密度:0.905g/cm3、Q値:2.3、FR:6.0、融点:95℃)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表4に示す。
【0051】
比較例3
成分(A)として、PE−3(MFR:1.0g/10分、密度:0.870g/cm3、Q値:2.0、融点:46℃、FR:7.5)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表4に示す。
【0052】
比較例4
PE−1 70重量%、SB−1 30重量%をドライブレンドする以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表4に示す。
【0053】
比較例5
PE−2 70重量%、SB−2 30重量%をドライブレンドする以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を得、物性を測定した。その結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
表3及び4より明らかなように、本発明のポリエチレン組成物は、成分(A)単体よりも耐熱性にすぐれ、かつ柔軟性(オルゼン曲げ)に優れている。一方、スチレン含量の少ないスチレン−ジオレフィンブロック共重合体との溶融混練物は、耐熱性が発現しない(比較例1)、密度が大きすぎるエチレン・α−オレフィン共重合体を用いると、耐熱性の改善、柔軟性が発現しない(比較例2)、FRが大きいエチレン・α−オレフィン共重合体を用いると、耐熱性、柔軟性が発現しない(比較例3)、組成物の製造を溶融混練しないと耐熱性、柔軟性が発現しない(比較例4)。
【0056】
【発明の効果】
本発明の組成物は、柔軟性を損なうことなく耐熱性を向上させたポリエチレン樹脂組成物であるため、その利用価値は極めて大きい。特に、耐熱性が必要な軟質ポリ塩化ビニルの代替材料として、食品包装材、機械、電気部品の容器、文具、OA機器、家電製品、自動車部品、包装容器、チューブ、ホース、フィルム、シートなどの用途に有効に利用できる。
Claims (2)
- (A)密度が0.860〜0.890g/cm3、Q値が3.5以下、FRが7未満のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜85重量%と、(B)スチレン含量が15〜60重量%のスチレンブロック−ジオレフィンブロック−スチレンブロック共重合体又はその水素添加物15〜50重量%とを配合してなり、かつ、成分(A)の50℃における損失弾性率(E”A)と成分(B)の50℃における損失弾性率(E”B)とが、(E”A)<(E”B)を満たすポリエチレン混合物を、成分(A)の融点より60〜150℃高い温度で溶融混練することを特徴とする耐熱性の改良されたポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
(但し、密度はJIS K7112−1999のD法による値、Q値はGPCにより測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)、FRはMFRより求めた値、損失弾性率は固体粘弾性測定により得られる値をそれぞれ示す。) - ポリエチレン樹脂組成物は、成分(A)が連続相を構成し、成分(B)が数平均円相当粒子径1000nm以下で分散相を構成する海島構造を有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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