JP2001019827A - 傷付き性に優れるエラストマー組成物 - Google Patents
傷付き性に優れるエラストマー組成物Info
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Abstract
低温特性、耐候性、強度、成形加工性に優れる熱可塑性
エラストマー組成物の提供。 【解決手段】 次の(a)、(b)成分からなる熱可塑
性エラストマー組成物。 (a)少なくとも1個の、ビニル芳香族化合物と共役ジ
エン化合物とのランダム共重合体ブロックを有するビニ
ル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体を水素
添加してなる水添ジエン系共重合体:100重量部 (b) (b−1)ポリプロピレン系重合体(プロピレンを85
重量%以上含む):10〜60重量% (b−2)エチレン−プロピレン系共重合体ゴム(プロ
ピレンを75重量%以下含む):40〜90重量% の混合物であって、該混合物中のエチレン−プロピレン
系共重合体ゴムの平均分散粒径が2μm以下、該混合物
の曲弾性率が20〜700MPa、ショアD硬さが20
〜60、メルトフローレートが1〜60g/10分であ
るポリプロピレン混合物:5〜900重量部
Description
性(耐スクラッチ性)に優れ、また柔軟性、耐熱性、低
温特性、耐候性、強度、成形加工性に優れた各種成形物
の素材として利用できる熱可塑性エラストマー組成物に
関するものである。
品、家電部品、医療部品、雑貨用途に、生産性の優れる
熱可塑性エラストマーが多く利用されるようになってき
ている。これらの例としてはエチレン−プロピレン共重
合体とポリプロピレンからなるオレフィン系エラストマ
ー、ポリウレタンエラストマー、軟質ポリ塩化ビニル等
が挙げられる。
ラッチ性、柔軟性、加工性、経済性、リサイクル性の面
でそれぞれ欠点を有しているのが現状である。すなわち
オレフィン系エラストマーは比較的安価で耐候性、耐熱
性に優れるものの柔軟性、耐スクラッチ性に劣る。ポリ
ウレタンエラストマーは耐スクラッチ性に優れるもの
の、柔軟性、耐候性に劣りかつ高価であるという欠点を
有している。また軟質塩化ビニルは、比較的安価であり
耐候性、耐スクラッチ性に優れるものの、低温での柔軟
性、リサイクル性に劣るという欠点を有している。
合物ブロック共重合体の水素添加誘導体(以下、水添ブ
ロック共重合体と略記する)を用いたエラストマー組成
物についてもいくつかの提案がなされている。例えば特
開昭50−14742号、特開昭52−65551号、
特開昭58−206644号各公報には水添ブロック共
重合体にゴム用軟化剤およびオレフィン系樹脂を配合し
た組成物が開示されている。しかしこれらの組成物もオ
レフィン系エラストマーと同様、耐スクラッチ性の劣る
ものであった。
技術課題を背景になされたもので、柔軟性、耐候性、耐
熱性、低温特性、強度、成形加工性に優れた水添ブロッ
ク共重合体の特性を生かしつつ、耐スクラッチ性を改良
した熱可塑性エラストマー組成物を提供するものであ
り、そのエラストマー組成物は表面塗装の不要な自動車
の内、外装部品等に好適に用いることができる。
エン化合物とのランダム共重合体ブロックを有するビニ
ル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体を水素
添加してなる水添ジエン系共重合体:100重量部、 (b) (b−1)ポリプロピレン系重合体(プロピレンを85
重量%以上含む):10〜60重量% (b−2)エチレン−プロピレン系共重合体ゴム(プロ
ピレンを75重量%以下含む):40〜90重量% の混合物であって、エチレン−プロピレン系共重合体ゴ
ムの平均分散粒径が2μm以下、該混合物の曲弾性率が
20〜700MPa、ショアD硬さが20〜60、メル
トフローレートが1〜60g/10分であるポリプロピ
レン混合物:5〜900重量部、 からなることを特徴とするエラストマー組成物である。
発明の(a)成分は、少なくとも1個の、ビニル芳香族
化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体ブロッ
クを有するビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との
共重合体を水素添加してなる水添ジエン系共重合体であ
る。
族化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベン
ゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル
−p−アミノエチスチレン、N,N−ジエチル−p−ア
ミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、
より好ましくはスチレン、α−メチルスチレンであり、
これらは単独であるいは混合して使用される。また、好
ましい共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソ
プレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,
3−ペンダジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3
−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、
クロロプレンが挙げられ、より好ましくは1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、最
も好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレンである。
芳香族化合物/共役ジエンの好ましい重量比は、5/9
5〜60/40であり、さらに好ましくは7/93〜5
0/50である。ビニル芳香族化合物が5重量%未満で
は、機械的強度、加工性、耐熱性が劣り、また得られる
水添ジエン系共重合体をペレット化した場合、ブロッキ
ングしやすくなる。ビニル芳香族が60重量%を超える
と、樹脂状となり、耐衝撃姓、柔軟性、低温特性および
透明性が劣る。
結合を有する共役ジエン部分の量は20%を超えて、さ
らに好ましくは40%以上、最も好ましくは60%以上
である。20%以下では、ポリオレフィン系樹脂にブレ
ンドした場合の柔軟改良効果が低下する。共役ジエン部
分の二重結合の水素添加率は、80%以上であり、好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であ
る。80%未満では透明性、耐熱性、耐候性、機械的強
度が劣り好ましくない。
万、好ましくは8万〜50万、さらに好ましくは10〜
30万である水添ジエン系重合体である。数平均分子量
が5万未満では得られる水添ジエン系共重合体をペレッ
ト化した場合ブロッキングしやすくなるほか、他の樹脂
とブレンドした場合、機械的強度、成形外観が劣り、7
0万を超えると加工性が劣る。
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)]は5以下、好ましくは2以下、さらに好ま
しくは1.5以下である。分子量分布が5を超えるとエ
ラストマー組成物の強度、耐熱性が十分でなく好ましく
ない。
は、たとえばGPC(Gel Permeation
Cromatograpy)法により測定される。GP
C分析では標準ポリスチレンで作成した検量線を用い分
子量を計算することができる。
に記載の水添ジエン系共重合体であり、これを用いると
機械的強度、成形性などのポリオレフィン系樹脂本来の
優れた特徴をより高く保持しつつ、耐傷付き性、柔軟
性、耐熱性に一段と優れたエラストマー組成物が得られ
る。以下の本発明の(a)成分の説明は、請求項2に示
した水添ジエン系共重合体を例にして説明する。
ル芳香族化合物を主体とした重合体ブロックを水素添加
してなるブロックであり、他に共重合可能なビニル化合
物を好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは10
重量%以下共重合してもよい。
好ましい結合含量は(a)成分を構成する全モノマーの
少なくとも3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30
重量%である。(A)ブロックのビニル芳香族の結合含
量が全モノマーの3重量%未満では、耐熱性、機械的強
度が劣り、また得られる水添ジエン系共重合体をペレッ
ト化した場合、ブロッキングしやすくなるほか、他の成
分とブレンドした場合、加工性が劣り、一方40重量%
を超えると透明性、柔軟性、加工性、低温特性が劣る。
役ジエンとのランダム共重合体ブロックを水素添加して
なるブロックである。(B)ブロック中のビニル芳香族
化合物の好ましい結合含量は(a)成分を構成する全モ
ノマーの2〜50重量%、好ましくは4〜40重量%、
さらに好ましくは6〜30重量%である。
ブロックの好ましい含量は、(A)ブロック3〜50重
量%、より好ましくは5〜40重量%〔ただし、(A)
+(B)=100重量%〕である。
くとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロック(A)、少なくとも1個のビニル芳香族化合物と
共役ジエン化合物とのランダム共重合体ブロック(B)
とからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロッ
ク共重合体であり、例えばB、A−B、A−B−A、B
−A−B−A、A−B−A−B−A、B−A−B−A−
B、[A−B]l−X、または[A−B−A]l−X
〔式中、A、Bは前記(A)、(B)ブロックに同じ。
lは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示す。〕
等の構造を有する。
る水添ブロック共重合体のビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロック(A)、ビニル芳香族化合物と共役
ジエン化合物とのランダム共重合体ブロック(B)は、
それぞれの重合体ブロックにおけるビニル芳香族化合物
または共役ジエン化合物の分布がテーパード(分子鎖に
そってモノマー成分が増加または減少するもの)または
一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせであっ
てもよく、また重合体ブロック(A)および(B)がそ
れぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞ
れが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよ
い。
を有するものであれば、その製造方法を制限するもので
はなく、例えば、特公昭40−23798号公報、特開
平3−72512号公報等に記載された方法により、リ
チウム触媒を用いて不活性溶媒中で水素添加前のビニル
芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合
成することができる。
公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公
報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−3
3132号公報あるいは特開昭62−207303号公
報の方法が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由
来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましく
は90%以上が水素添加され、一方ビニル芳香族化合物
の20%未満、好ましくは10%未満が水素添加される
ように選択される。上記水素添加ブロック共重合体の水
素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析
により容易に知ることができる。
混合物は従来のポリプロピレンとEPゴム等との押出
機、ブラベンダー等による混合物とは異なり、反応器中
で重合と同時に混合物が形成される、塑弾性を有するポ
リオレフィンエラストマーが好適に用いられる。この混
合物は、形成されるゴム相がポリプロピレンマトリック
ス中に微細かつ均等に分布するため、従来のブレンドに
よる混合物に比べ、耐スクラッチ性に優れる。従って本
発明の熱可塑性エラストマー組成物に添加すると、耐ス
クラッチ性、柔軟性を損なわず、成形加工性および成形
外観(フローマーク)を向上させる役割を有する。
混合物は、例えば少なくとも二段以上の逐次重合により
得られるプロピレン共重合体混合物である。第一工程に
おいてプロピレンの単独重合体またはプロピレンとα−
オレフィンの共重合体(プロピレンを85重量%以上含
む)またはエチレンプロピレン共重合体(プロピレンを
85重量%以上含む)を重合して成分(b−1)を生成
し、次の工程以降においてエチレン−プロピレン(プロ
ピレンを75重量%以下含む)またはエチレン−プロピ
レン−α−オレフィン(少量のジエンを含んでも良い)
共重合体(プロピレンを75重量%以下含む)を重合し
て成分(b−2)を生成する。
ポリプロピレンのアイソタクチック指数が80%以上、
好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上で
あるような量のエチレンまたはα−オレフィン、例えば
ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−
1、ヘキセン−1、およびオクテン−1またはそれらの
組み合わせの存在下で行うことができる。
合体またはエチレン−プロピレン−αオレフィン共重合
体を重合するために使用するモノマーはプロピレンとエ
チレンおよび/またはα−オレフィン(例えばブテン−
1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、およびオクテン−1またはそれらの組み合わ
せ)である。第二工程以降の共重合体の重合は、共役ま
たは共役でないジエン、例えば、ブタジエン、1,4−
ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、およびエチレデ
ン−ノルボルネン−1の存在下で行うことができる。ジ
エンは存在する時には典型的には第二工程以降に使用す
る全モノマーの重量に対して0.5〜10重量%であ
る。
(b−1)の量は10〜60重量%、好ましくは15〜
50重量%、(b−2)の量は40〜90重量%、好ま
しくは50〜85重量%である。
中に共重合された全エチレン量は15〜60重量%、好
ましくは17〜45重量%、さらに好ましくは20〜3
5重量%である。また(b)のポリプロピレン混合物中
に共重合された全α−オレフィンの量は0〜30重量
%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜
10重量%である。
SC)で測定すると、120℃よりも高い温度、好まし
くは140℃よりも高い温度において存在する少なくと
も1個の溶融ピークを示す。さらに、混合物(b)は曲
げ弾性率20〜700MPa、好ましくは50〜300
Mpa、さらにこのましくは70〜200MPaであ
る。また、混合物(b)のショアD硬さは20〜60、
好ましくは30〜50である。
(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重
に従って測定した値。以下MFRと略記する)は1〜6
0g/10分、好ましくは5〜50g/10分、さらに
好ましくは10〜40g/10分である。MFRが1g
/10分未満ではエラストマー組成物の溶融粘度が高
く、エラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下
し、また成形品の外観が悪化する(フローマークの発
生)ので好ましくない。また、MFRが1g/10分未
満では、エラストマー組成物の耐スクラッチ性も低下す
るので好ましくない。一方、MFRが60g/10分を
超えるとエラストマー組成物の強度、耐熱性が低下する
ので好ましくない。
ロピレン系共重合体ゴムの平均分散粒径は2μm以下、
好ましくは1.5μm以下である。ゴムの平均分散粒径
が2μmを越えると、エラストマー組成物の耐スクラッ
チ性が極端に低下するので好ましくない。
に使用する触媒は、チーグラー・ナッタ型触媒である。
好ましい触媒は塩化マグネシウム上に担持されたチタン
化合物および電子供与体化合物(内部供与体)を含有す
る固体触媒成分とトリアルキルアルミニウム化合物およ
び電子供与体化合物(外部供与体)との反応生成物であ
る。触媒の調整方法、成分(b)の重合方法としては、
例えば、特開平3−205439号公報、特開平6−2
5367号公報、特開平6−25489号公報等が挙げ
られる。
成分(b)のポリプロピレン混合物の配合量は、水添ブ
ロック共重合体(a)100重量部に対し、5〜900
重量部、好ましくは10〜500重量部、さらに好まし
くは15〜200重量部である。成分(b)のポリプロ
ピレン混合物の配合量が900重量部を越えるとゴム弾
性が低下し好ましくない。成分(b)のポリプロピレン
混合物の配合量が5重量部未満では、熱可塑性エラスト
マー組成物の成形外観が悪化する(フローマークが発生
する)ので好ましくない。
ロピレン混合物としては、Adflex、Hifax
(Montell社製、Catalloy TPOシリ
ーズ)等の名称で容易に入手することができる。
を添加することができる。炭化水素油は得られる組成物
の柔軟性、加工性を改良する効果を有しており、非芳香
族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤
が適している。非芳香族系の鉱物油としては一般に知ら
れているパラフィン系オイルおよびナフテン系オイルを
使用することができるが、なかでも芳香族環成分が10
重量%以下のパラフィン系オイルが好ましい。
共重合体100重量部に対し、0〜200重量部、好ま
しくは0〜100重量部、さらに好ましくは0〜60重
量部である。炭化水素油の配合量が200重量部を超え
るとエラストマー組成物の耐スクラッチ性、耐熱性が低
下するので好ましくない。
オレフィン系樹脂を添加することができる。添加できる
ポリオレフィオン系樹脂としては、具体的にはポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂等があげられる。ポリエ
チレン樹脂としては低密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数
3〜8のα−オレフィンとの共重合体等があげられる。
エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体
の場合、共重合体中のα−オレフィンとしてはプロピレ
ン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン
−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等があげ
られる。また、α−オレフィンの割合は30重量%以下
のものが用いられる。
単独重合体またはプロピレンとエチレンまたは炭素数3
〜8のα−オレフィンとの共重合体である(以下プロピ
レン系樹脂と略記する)。プロピレンとエチレンまたは
炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体の場合、共
重合体中のα−オレフィンとしては、ブテン−1、イソ
ブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペン
テン−1、オクテン−1等があげられる。また、エチレ
ンまたはα−オレフィンの割合は30重量%以下のもの
が用いられる。これらのプロピレン系樹脂は、従来公知
の方法で合成することができ、例えばチーグラー・ナッ
タ型触媒を用いて合成されるプロピレン単独重合体、ま
たはランダムあるいはブロックのプロピレンとエチレン
またはα−オレフィンとの共重合体があげられる。耐熱
性、成形性の優れるエラストマー組成物を得るために
は、ポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレン系樹
脂を用いる方が好ましい。これらのポリオレフィン系樹
脂のMFRは1〜100g/10分、好ましくは5〜6
0g/10分である。MFRが1g/10分未満ではエ
ラストマー組成物の溶融粘度が高く、エラストマー組成
物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観
が悪化する(フローマークの発生)ので好ましくない。
また、MFRが100g/10分を超えるとエラストマ
ー組成物の強度、耐熱性が低下するので好ましくない。
性エラストマー組成物の硬さの調整、および加工性を改
良する効果を有しており、配合量は、水素添加ブロック
共重合体100重量部に対し0〜150重量部、好まし
くは0〜110重量部、さらに好ましくは0〜80重量
部である。
充填剤、安定剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、難燃
剤等を添加しても良い。無機充填剤としては、例えば炭
酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、
硫酸バリウム、けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタ
ン、カーボンブラック等が挙げられる。安定剤としては
ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤、
ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系U
V吸収剤等が挙げられる。滑剤としてはステアリン酸、
ステアリン酸エステル、ステアリン酸の金属塩等が挙げ
られる。
造する方法としては、重合体成分をブレンドする為に従
来技術で知られているいかなる方法を使用しても良い。
最も均質なブレンド物を得るためには、通常使われてい
るミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサーお
よび押出機のような各種の混練機を使用して溶融混練す
る方法が望ましい。溶融混練する前に、これらの配合物
をヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダー
のような混合機を用いて予めドライブレンドし、該混合
物を溶融混練することにより均質なエラストマー組成物
が得られる。
としては、射出成形、押出成形、圧縮成形等が適応可能
である。
性、低温特性、耐候性、強度、成形加工性にすぐれるの
で、外観の重要なエラストマー部品として使用すること
ができ、例えば、自動車のモール類、表皮材(シー
ト)、シフトレバーノブ、ハンドル、ドアノブ等の内、
外装部品、家電製品の各種取手、表皮材、バンパー、ホ
ース等、軟質PVCの代替材料として好適に用いること
ができる。
種の評価方法に用いられた試験法は以下の通りである。
Aタイプ、23℃で測定。 (2)引張強さ[kgf/cm2]:JIS K625
1、3号ダンベル、試料は2mm厚のプレスシートを用
いた。 (3)伸び[%]:JIS K6251、3号ダンベ
ル、試料は2mm厚のプレスシートを用いた。 (4) 反撥弾性[%]:JIS K6255、リュプケ
振子式、23℃ (5)メルトフローレイト(MFR)[g/10分]:
ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重に
て測定した。
出成形にて平滑な表面の平板を成形した。平板を水平に
置き、荷重40g/cm2を加えた綿布を置き、200
回往復させた。その摩擦面の光沢度をJISK7105
の方法で測定し(E1)、摩擦前の光沢度(E0)から
の保持率;(E1/E0)×100(%)を求めた。
ボ(梨地、エッジング深さ約20ミクロン)の平板を成
形した。平板を100℃のオーブン中に168時間放置
した。オーブンから取り出した後、目視にて表面状態を
観察し、変化の無いものを○、若干光沢の出たものを
△、光沢の出たものを×とした。
0mm、長さ130mm、厚み2mm、サイドゲート平
板を下記の条件にて成形した。その成形体を目視にてフ
ローマーク、艶等の外観を観察し、良好なものを○、や
や不良なものを△、不良なものを×とした。
10℃、C3:210℃、ノズル温度:200℃、射出
速度:低速、金型温度:40℃また、実施例および比較
例で使用された各成分は以下のとおりである。
役ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)、(a)
−1〜6において同じ]の構造を有し、数平均分子量1
30000、分子量分布1.1、全結合スチレン量35
重量%、(a)中の(A)ブロックの含量が35重量
%、ブロック(A)中に含まれるスチレン量が(a)に
含まれる全スチレン量35重量%中の60%、水素添加
前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が75重
量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン
/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重
合体を特開昭60−220147号公報に記載された方
法により合成した。
分子量分布1.1、全結合スチレン量15重量%、
(a)中の(A)ブロックの含量が18重量%、ブロッ
ク(A)に含まれるスチレン量が(a)に含まれる全ス
チレン量18重量%中の50%、水素添加前のポリブタ
ジエン部の1,2−ビニル結合量が76重量%、ポリブ
タジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエン
ブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭
60−220147号公報に記載された方法により合成
した。
分子量分布1.2、全結合スチレン量25重量%、
(a)中の(A)ブロックの含量が21重量%、ブロッ
ク(A)に含まれるスチレン量が(a)に含まれる全ス
チレン量25重量%中の60%、水素添加前のポリブタ
ジエン部の1,2−ビニル結合量が77重量%、ポリブ
タジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエン
ブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭
60−220147号公報に記載された方法により合成
した。
分子量分布1.2、全結合スチレン量31重量%、
(a)中の(A)ブロックの含量が36重量%、ブロッ
ク(A)に含まれるスチレン量が(a)に含まれる全ス
チレン量31重量%中の60%、水素添加前のポリイソ
プレン部の3、4−結合量が65重量%、ポリイソプレ
ン部の水素添加率99%のスチレン/イソプレンブロッ
ク共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−
220147号公報に記載された方法により合成した。
0、分子量分布1.1、結合スチレン量35重量%、
(a)中の(A)ブロックの含量が40重量%、ブロッ
ク(A)に含まれるスチレン量が(a)に含まれる全ス
チレン量35重量%中の50%、水素添加前のポリブタ
ジエン部の1,2−ビニル結合量が78重量%、ポリブ
タジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエン
ブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭
60−220147号公報に記載された方法により合成
した。
分子量分布1.1、結合スチレン量18重量%、(a)
中の(A)ブロックの含量が18重量%、ブロック
(A)に含まれるスチレン量が(a)に含まれる全スチ
レン量18重量%中の100%(したがって、ブロック
(A)に全スチレンが重合され、ブロック(B)はポリ
ブタジエンブロック)、水素添加前のポリブタジエン部
の1,2−ビニル結合量が80重量%、ポリブタジエン
部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック
共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−2
20147号公報に記載された方法により合成した。
するまで無水MgCl2および無水エタノール49.5
g、ワセリン油100mlおよびシリコンオイル100
mlを120℃にて窒素雰囲気化にて攪拌した。次い
で、この混合物を、ワセリン油150mlおよびシリコ
ンオイル150mlを予め入れた1500mlのオート
クレーブ中に移した後、120℃、3000rpmにて
3分間攪拌した。この混合物を冷却されたn−ヘプタン
1000ml中、攪拌下にて添加し、MgCl2・3E
tOHの球状固体を析出させた(平均粒径30〜150
μm)。さらに得られた固体を窒素雰囲気下にて50℃
から100℃に昇温しながら乾燥し、EtOH/MgC
l2モル比1.27に調整した。得られた固体は多孔度
0.139cc/g、表面積9.1m2/g、嵩密度
0.564g/ccを有した。
25ccを予め入れた攪拌付きオートクレーブ中に、0
℃、窒素雰囲気下にて添加した。さらにこのオートクレ
ーブを1時間かけて100℃に昇温した。昇温課程にお
いて温度が40℃になった時に、ジイソブチルフタレー
トをマグネシウムの1/8倍モル比添加した。100℃
で2時間攪拌後、同温度にて静置し固体を沈殿させた。
上澄み液をサイホンにて吸引し除去した。TiCl45
50mlを新たに添加し120℃にて1時間攪拌後静置
した。上澄み液をサイホンにて吸引除去後、残った固体
を無水ヘキサン200mlを用い60℃にて6回、室温
にて3回洗浄した。真空にて乾燥後、成分(b)の重合
用触媒として使用した。
法により重合した。重合は一つの反応器から次の反応器
へ順次移送する装置を備えた、一連の反応器中で連続的
に行った。22リットルの攪拌付きオートクレーブ中
に、20℃にて液体プロピレンを16リットル、および
前述の固体触媒約0.15gとトリエチルアルミニウム
10%のヘキサン溶液75mlとシクロヘキシルメチル
ジメトキシシラン(CMMS)との混合物よりなる重合
触媒(Al/CMMSモル比7.5)を添加し、20℃
で24分間重合させた。次いでこのプレポリマーを気相
中の第一の反応器に送り、そこでプロピレンの単独重合
を行った。さらにこの重合体を第二反応器へ移し、そこ
でエチレンとプロピレンとの共重合を行った。第一およ
び第二反応器の重合条件および得られた最終生成物の性
状を表1に示した。
P、MFR30g/10分。曲弾性率108MPa、シ
ョアD硬さ44、ゴムの平均分散粒径0.4μm。
P、MFR12g/10分。曲弾性率83MPa、ショ
アD硬さ41、ゴムの平均分散粒径0.6μm。
P、MFR2.5g/10分。曲弾性率350MPa、
ショアD硬さ53、ゴムの平均分散粒径0.5μm。
イルPW−380(動粘度;380cSt)。
ポリプロピレン)、MFR15g/10分。曲弾性率1
400MPa 実施例1〜4 水添ブロック共重合体として(a)−2、ポリプロピレ
ン混合物として(b)−1を用い表1に示した各割合に
てヘンシェルミキサーでブレンドした後、45mm径の
同方向二軸押出機にて220℃の条件で溶融混練しエラ
ストマー組成物のペレットを得た。物性および成形成形
加工性の結果を表2に示した。
(a)−7を用い、ポリプロピレン混合物として(b)
−1、および比較として押出しブレンドタイプのTPO
(PP/EPDMブレンド)であるSantopren
e 203−40(曲げ弾性率80MPa、ショアD硬
さ40、MFR8g/10分、ゴムの分散粒径9μm)
を用い、実施例1〜4の方法と同様に混練し評価した。
結果を表2に示した。この結果から本発明の範囲外の組
成物はいずれかの物性が悪いことが明らかである。
(a)−3、(a)−4、(a)−5、(a)−6を用
い、ポリプロピレン混合物として(b)−1、(b)−
2、(b)−3、(b)−4を用い、表4に示した各割
合にてヘンシェルミキサーでブレンドした後、45mm
径の同方向二軸押出機にて220℃の条件で溶融混練し
エラストマー組成物のペレットを得た。次にこのエラス
トマー組成物のペレットを成形して結果を表4、表5に
示した。この結果より、本発明のエラストマーは耐傷付
き性、強度、耐熱性に優れ、また溶融特性も良好であ
り、射出成形性に優れていることが明らかである。
(a)−5を用い、プロピレン混合物として(b)−
3、(b)−4を用い、炭化水素油として(c)を用
い、ポリオレフィン系樹脂として(d)を用い、表6、
表7に示した各割合にて、実施例5〜12の方法と同様
に混練し評価した。結果を表6、表7に示した。この結
果より、本発明のエラストマーは耐傷付き性、強度、耐
熱性に優れ、また溶融特性も良好であり、射出成形性に
優れていることが明らかである。
成物は、耐傷付き性、強度、耐熱性、柔軟性、成形加工
性に優れるため、自動車部品、家電部品、玩具、雑貨等
の分野で好適に利用することができるが、特に耐傷付き
性に優れるため製品外観を必要とするインパネ、アーム
レスト、ハンドル、ホーンパッド等の自動車内装部品や
ウインドモール、バンパー等の自動車外装部品に好適に
使用することができる。また、成形品表面の耐傷付き
性、成形加工性に優れるため、従来必要であった塗装工
程をなくすことができるので、高生産性、低コストが実
現される。
Claims (4)
- 【請求項1】(a)少なくとも1個の、ビニル芳香族化
合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体ブロック
を有するビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共
重合体を水素添加してなる水添ジエン系共重合体:10
0重量部 (b) (b−1)ポリプロピレン系重合体(プロピレンを85
重量%以上含む):10〜60重量% (b−2)エチレン−プロピレン系共重合体ゴム(プロ
ピレンを75重量%以下含む):40〜90重量% の混合物であって、該混合物中のエチレン−プロピレン
系共重合体ゴムの平均分散粒径が2μm以下、該混合物
の曲弾性率が20〜700MPa、ショアD硬さが20
〜60、メルトフローレートが1〜60g/10分であ
るポリプロピレン混合物:5〜900重量部 からなることを特徴とするエラストマー組成物。 - 【請求項2】 水素添加ブロック共重合体(a)が、少
なくとも1個のビニル芳香族化合物重合体を主体とする
ブロック(A)と、少なくとも1個のビニル芳香族化合
物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック(B)と
からなるブロック共重合体からなり、(a)成分を構成
する全モノマーにおけるビニル芳香族化合物/共役ジエ
ンの割合が重量比で5/95〜60/40、(a)中の
(A)ブロックの含量が3〜50重量%、(A)ブロッ
ク中のビニル芳香族化合物の結合量が(a)成分を構成
する全モノマーの3〜40重量%であるブロック共重合
体を水素添加し、共役ジエン部分の2重結合が80%以
上飽和された、数平均分子量が5万〜70万である水添
ジエン系共重合体である請求項1記載のエラストマー組
成物。 - 【請求項3】 ポリプロピレン組成物(b)が、少なく
との2段以上の逐次重合により得られるポリプロピレン
を主体とした混合物であり、第一工程においてプロピレ
ンの単独重合体またはプロピレンとα−オレフィンの共
重合体(プロピレンを85重量%以上含む)またはエチ
レン−プロピレン共重合体(プロピレンを85重量%以
上含む)を重合した後、第二工程以降で所望により少量
のジエンを含むエチレン−プロピレンまたはエチレン−
プロピレン−α−オレフィン共重合体を重合してなるこ
とを特徴とする、請求項1記載のエラストマー組成物。 - 【請求項4】 ビニル芳香族化合物がスチレンであり、
共役ジエン化合物がブタジエンまたはイソプレンもしく
はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1
記載のエラストマー組成物。
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