JP3690013B2 - ポリプロピレン系樹脂用改質剤およびポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂用改質剤およびポリプロピレン系樹脂組成物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂の高剛性、高耐衝撃性および高光沢性を高度にバランスさせることができるポリプロピレン系樹脂用改質剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系樹脂は、耐熱性、剛性が高く、成形性も良好で、しかも低価格であることから、自動車の内外装部品、例えば、バンパー、モール、フロントグリル、インパネ、電気機器外装部品、文具、日用品、容器、フィルムなどの用途に、近年、その使用が大幅に拡大している。しかしながら、このような特徴的なポリプロピレン系樹脂においても、用途や使用される状況によっては、その耐衝撃性が不十分であり、使用が制限される場合が多々ある。加えて、近年の地球環境問題への対応に対する高まりとも相まって、この分野においても製品の薄肉化への要求がますます強くなり、従来以上の剛性と耐衝撃性のバランスを有する材料の開発が望まれている。
【0003】
この点を解決するために、従来は、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・1−ブテン共重合ゴム(EBR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)などのゴム状弾性物質をブレンドすることが行われていた。また、最近では、メタロセン系触媒の出現により、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムにおいて、従来得られなかったより高級なα−オレフィン、例えば、1−ヘキセンや1−オクテンをコモノマーとしたエチレン・α−オレフィン共重合ゴムが得られるようになり、従来のゴム状弾性物質をブレンドした場合より剛性と耐衝撃性のバランスに優れるものが得られるようになった。さらに、ポリプロピレン系樹脂の剛性と耐衝撃性のバランスに関しては、従来より、プロピレンと少量のα−オレフィンとのブロック共重合によって、その目的を達成することが行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようなゴム状弾性物質をブレンドしたものでは、メタロセン系触媒で得られる新しいエチレン/高級α−オレフィン共重合ゴムといえども、先に示したようなより高度な剛性と耐衝撃性のバランスを発現することには限界があった。さらに、プロピレンと少量のα−オレフィンのブロック共重合による方法では、剛性と耐衝撃性のバランスに関してはある程度良好なものとなるが、成形品表面の光沢に劣るという欠点があり、商品としての価値を損ねる場合があった。
【0005】
本発明は、この分野を取り巻く上記のような外況に鑑みたもので、発明が解決しようとする課題は、ポリプロピレン系樹脂の長所である剛性を高度に保持しながら耐衝撃性を向上させた、剛性と耐衝撃性のバランスに優れ、なおかつ表面の高光沢性が達成されたポリプロピレン系樹脂を得ることができるポリプロピレン系樹脂用改質剤を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行った結果、ある特定の要件を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体[A]とある特定の要件を満たすエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体[B]を特定の割合で配合したものが、ポリプロピレン系樹脂[C]の剛性と耐衝撃性および表面光沢性のバランスを高度に保持させることができるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記(a),(b)の要件を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体[A]10〜80重量%と下記(c)の要件を満たすエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体[B]90〜20重量%とからなるポリプロピレン系樹脂用改質剤に関するものである。
【0008】
(a)α−オレフィンの炭素数が3〜20、
(b)100℃の熱水に1時間浸し、そのままの状態で室温まで放冷したものの密度が0.855〜0.910g/cm3
(c)100℃の熱水に1時間浸し、そのままの状態で室温まで放冷したものの密度が0.930g/cm3より大きい
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明の成分[A]であるエチレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンは、炭素数が3〜20であり、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。なかでも入手が容易であることから、プロピレン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。炭素数が20より多いα−オレフィンは、エチレンとの共重合性が低下し、満足する密度のエチレン・α−オレフィン共重合体が得られない。さらに、α−オレフィンの価格も高価となり、経済的な面でも好ましくない。
【0010】
また、本発明の成分[A]であるエチレン・α−オレフィン共重合体は、100℃の熱水に1時間浸し、そのままの状態で室温まで放冷したものの密度が0.855〜0.910g/cm3である。密度が0.855g/cm3より小さい場合はエチレン・α−オレフィン共重合体は非結晶性となり、室温でべたつき、自着が起こるようになり、それ自体の取り扱いに困難が伴なうとともに、特別な混練機を用いないと混練物が得られず、汎用性が低いため、この意味でも好ましくない。一方、密度が0.910g/cm3より大きくなると、成分[B]のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体とからなるポリプロピレン系樹脂用改質剤をプロピレン系重合体に添加した場合に、耐衝撃性に関する向上効果が小さく、この場合も好ましくない。
【0011】
本発明の成分[A]であるエチレン・α−オレフィン共重合体において、その分子量は特に制限されるものではない。ただし、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した数平均分子量(Mn)がポリエチレン換算で5000〜1000000であることが好ましく、さらに好ましくは10000〜600000である。Mnが5000未満では、これを用いたポリプロピレン系樹脂用改質剤の耐衝撃性に関する向上効果が小さい。さらに、表面にべたつきが生じることもある。一方、Mnが1000000を越えると、これを用いたポリプロピレン系樹脂用改質剤と成分[C]のプロピレン系重合体からなる組成物の流動性が低下し、成形加工が困難となるおそれがある。
【0012】
また、本発明の成分[A]であるエチレン・α−オレフィン共重合体において、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)も特に制限されるものではない。ただし、Mw/Mnが3より大きいと、べたつきの原因となる低分子量成分が多くなるので、この点では好ましくない。特に、本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体は、α−オレフィン含量の多い比較的低密度の樹脂を対象としており、それでなくても非結晶成分が多くてべたつく方向にある。したがって、Mw/Mnを狭くしてべたつきを抑えることが好ましい。
【0013】
以上のような成分[A]であるエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法については特に限定されるものではない。チタン系触媒、バナジウム系触媒またはメタロセン系触媒など種々の触媒を用いて製造することができる。なかでも、先に記したα−オレフィンの炭素数、分子量、分子量分布などの要件を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることが容易であるということを考慮すると、メタロセン系触媒を用いることが好ましい。
【0014】
すなわち、1個または2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子が周期表第4〜6族の遷移金属、好ましくはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムに配位した公知のメタロセン化合物とアルモキサンとを組み合わせた触媒、または、上記メタロセン化合物、これと反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物および有機金属化合物を組み合わせた触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンを共重合させて製造することができる。
【0015】
上記触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法などを挙げることができる。なかでも、生成する共重合体の融点以上280℃までの温度で重合する溶液法、高圧イオン重合法で製造することが好ましく、特に、本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の場合は、高圧イオン重合法で製造することが好ましい。なお、高圧イオン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭58−225106号の各公報により公知であるが、圧力が200kg/cm2以上、好ましくは300〜2000kg/cm2、温度125℃以上、好ましくは130〜250℃、特に好ましくは150〜200℃の反応条件下で行われるエチレン系重合体の連続的製造法である。
【0016】
一方、本発明の成分[B]であるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体は、100℃の熱水に1時間浸し、そのままの状態で室温まで放冷したものの密度が0.930g/cm3より大きいものである。この密度が0.930g/cm3以下の場合、これを用いたポリプロピレン系樹脂用改質剤は耐衝撃性の向上効果については十分なものの、高剛性に対する効果が十分でなく、本発明の目的である高剛性と耐衝撃性のバランスが高度に保持されたポリプロピレン系樹脂組成物を得るためには不十分である。
【0017】
本発明の成分[B]であるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する方法については特に限定されない。成分[B]の要件として満足すべきものは密度だけなので、従来公知の製造技術、例えば、固体触媒を用いてスラリー重合で得られたもの、チーグラー系触媒およびメタロセン系触媒を用いて高圧法、気相法、溶液法などで得られたものなど、いずれであってもよい。
【0018】
また、本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤は、成分[A]のエチレン・α−オレフィン共重合体と成分[B]のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体が重量比([A]:[B])で10:90〜80:20であることを特徴とする。成分[A]のエチレン・α−オレフィン共重合体が10重量%未満であると、これらからなるポリプロピレン系樹脂用改質剤をプロピレン系重合体に添加した場合の耐衝撃性の向上効果が十分でない。一方、成分[A]のエチレン・α−オレフィン共重合体が80重量%を越えると、これらからなるポリプロピレン系樹脂用改質剤をプロピレン系重合体に添加した場合の高剛性に関する効果が十分でなく、この場合も好ましくない。
【0019】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤は、ペレット形状であることが好ましく、これによって取り扱いが容易となる。具体的には、成分[A]のエチレン・α−オレフィン共重合体および成分[B]のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体のペレットを公知の種々の方法、例えば、V−ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダーなどで混合したもの、または混合後1軸または2軸押出機などで溶融混練し、造粒したもの、ならびに均一に溶融混合した後に2本のロールなどでシート状にし、シートペレタイズしたものなどである。ここで、本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤は、上記のいずれにおいてもプロピレン系重合体に対して目的とする効果を発揮するが、実施例で例示するように、同じ組成のポリプロピレン系樹脂用改質剤であっても、成分[A]と成分[B]をあらかじめ溶融混練したものの方が、成分[A]と成分[B]のペレットどうしを混合したものより大きな効果を発現するので好ましい。
【0020】
また、本発明におけるポリプロピレン系樹脂改質剤は、その表面に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ステアリン酸、ポリオレフィンパウダーのうち1種もしくは2種以上を打粉することができ、これによって自着が抑えられるので、場合によっては有効である。ポリオレフィンパウダーとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂のパウダーが挙げられる。
【0021】
さらに、本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤には、自着防止を目的として、シリコンオイル、滑剤、ステアリン酸、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、ポリエチレンワックスなどを添加してもよい。
【0022】
また、本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤には、必要に応じて硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラスなどの無機充填剤や有機,無機顔料を配合することもできる。また、結晶核剤、透明化剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。さらに、本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤の改質性能を損なわない程度に、分岐低密度ポリエチレン、ポリ(1−ブテン)およびポリ(4−メチル−1−ペンテン)などの樹脂を添加してもよい。
【0023】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤によって、その性能が改質される成分[C]のプロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体、プロピレンと少量のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体のいずれでもよい。その製造方法についても特に限定されるものではなく、一般には、いわゆるチタン含有固体状遷移金属と有機金属成分とを組み合わせたチーグラ・ナッタ触媒、特に、遷移金属成分がチタンであり、マグネシウムおよびハロゲンを必須成分とし、有機金属成分が有機アルミニウム化合物である触媒を用いて、スラリー重合、気相重合、バルク重合、溶液重合など、またはこれらを組み合わせた重合法で製造される。プロピレン単独重合体の場合は、上記の重合法の1段または多段で、プロピレンを単独重合することによって得られ、プロピレンと少量のα−オレフィンとの共重合によって得られるランダムまたはブロック共重合体の場合は、プロピレンと炭素数2または4〜12のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを1種類以上、好ましくは炭素数2のエチレンとを1段または多段で共重合させることによって得られる。この中で、プロピレン系重合体がランダム共重合体の場合は、該共重合体中のα−オレフィンの割合は、高剛性と耐衝撃性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物が得られることから10重量%以下が好ましく、特に0.5〜7重量%が好ましい。また、プロピレン系重合体がブロック共重合体の場合は、剛性の高いプロピレン系重合体を用いることにより高剛性と耐衝撃性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物が得られることから、該共重合体中のα−オレフィンの割合は一般に40重量%以下、好ましくは1〜25重量%、特に2〜20重量%が好ましい。また、これらのプロピレン系重合体は、2種以上を併用しても構わない。さらに、成分[C]のプロピレン系重合体にあらかじめ前記の顔料、充填剤、各種添加剤をブレンドしておいても構わない。
【0024】
本発明の成分[C]であるプロピレン系重合体において、そのメルトフローレートに関しては特に限定されるものではない。ただし、得られるポリプロピレン系樹脂組成物が成形加工性、耐衝撃性に優れるためには、230℃,2160gの荷重下で測定した値が、1〜200g/10分であることが好ましい。
【0025】
また、本発明における剛性、耐衝撃性および表面光沢性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物は、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体[A]とエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体[B]からなるポリプロピレン系樹脂用改質剤を成分[C]のプロピレン系重合体に([A]+[B])/[C]が重量比で1/99〜50/50となるようにブレンドされることによって得られる。ポリプロピレン系樹脂用改質剤([A]+[B])の割合が1重量%未満の場合は、耐衝撃性に関する改良効果が小さく、50重量%を超えると剛性の向上効果が小さい。
【0026】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物は、成分[A]のエチレン・α−オレフィン共重合体と成分[B]のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体からなるポリプロピレン系樹脂用改質剤と成分[C]のプロピレン系重合体を公知の種々の方法、例えば、V−ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダーなどで混合する方法、混合後1軸または2軸押出機などで造粒する方法、あるいはロール、プラストミル、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの適当な混練機を用いて、成分[C]のプロピレン系重合体の結晶融点以上の温度で加熱混練する方法などを用いて調製される。
【0027】
本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物には、前記のように、ポリオレフィン系樹脂に一般に用いられる補助添加成分、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、着色剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤などを添加しても構わない。また、有機酸の金属塩に代表される結晶核剤やソルビトール系化合物に代表される透明化剤を添加することもできる。さらに、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、中空ガラス球、酸化チタン、シリカ、カ−ボンブラック、アスベスト、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維などの充填剤、さらには、高密度ポリエチレンおよび高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレンに代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン・ブタジエンゴム、ポリブタジエンなどの樹脂またはゴム状弾性物質をブレンドしても構わない。
【0028】
この様にして得られたポリプロピレン系樹脂組成物は、周知の射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形およびキャストフィルム成形等の成形法に適用される樹脂成形用素材として使用される。これらの中でも、射出成形用素材もしくは押出成形用素材として用いる場合は、成分[C]のプロピレン系重合体に特に制限は加わらない。一方、これらをフィルム成形用素材として用いる場合にも成分[C]のプロピレン系重合体に特に制限は加わらないが、一般には、プロピレン単独重合体またはプロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体が好ましい。
【0029】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例および比較例における樹脂ならびに組成物の諸特性は、以下の方法で測定し、評価した。
【0031】
<密度>
100℃の熱水に1時間浸し,そのままの状態で室温まで放冷したものについて,JIS K6760(1995年)に準拠して,23℃に保った密度勾配管で測定した。
【0032】
<重量平均分子量(Mw),数平均分子量(Mn)>
MwとMnは,ウォーターズ(株)製 150CALC/GPC(カラム:東ソー(株)製 GMHHR−H(S),7.8mmIDX30cmを3本、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン、温度140℃、流量1.0ml/分、注入濃度:30mg/30ml(注入量300μl)を用いるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法により測定した。なお、カラム溶出体積は、東ソー(株)製の標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブレーション法により校正した。
【0033】
<メルトフローレート(MFR)>
JIS K7210(1976年)に準拠し、成分[A]や成分[B]のエチレン系重合体の場合は、190℃,2160gの荷重下で、成分[C]のプロピレン系重合体の場合は、230℃,2160gの荷重下で測定した。
【0034】
<曲げ弾性率>
JIS K7203(1995年)に準拠し、3点曲げ方式により測定した。測定は、オリエンテック(株)製の自動曲げ試験機 RTM−100を用いて行った。曲げ弾性率の測定には、射出成形で得られたテストピースを用いた。ここで、この射出成形では、曲げ弾性率測定用のテストピースに加えて、下記のアイゾット衝撃強度およびグロスのいずれもが同時に得られる金型を用いている。射出成形には、東芝機械(株)製の射出成形機 IS100Eを用い、シリンダ−温度250℃、金型温度50℃、金型保持時間15秒で成形した。
【0035】
<アイゾット衝撃強度>
JIS K7110(1995年)に準拠し、東洋精機(株)製の全自動Izod衝撃試験機を用いて行った。測定試料は、Izod衝撃強度測定用の試料であること以外は、曲げ弾性率の測定で用いたものと一緒に得られるテストピースを用いた。なお、測定は温度23℃,湿度50%の環境下で行った。
【0036】
<グロス>
JIS Z8741(1990年)に準拠し、日本電色工業(株)製のグロスメーター、VGS−SENSORを用いて行った。測定試料は、グロス測定用の試料であること以外は、曲げ弾性率の測定で用いたものと一緒に得られる厚さ2mmの射出成形板を用いた。
【0037】
実施例1
ここでは、成分[A]のエチレン・α−オレフィン共重合体として、メタロセン系触媒で重合されたエチレン・1−ブテン共重合体を用いた。具体的には、メタロセン化合物としてジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イオン性化合物としてN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウムとの組合せからなる触媒を用いて、メタロセン化合物、イオン性化合物および有機アルミニウムの量は、モル比(メタロセン化合物:イオン性化合物:有機アルミニウム)で1:1.2:250とした。触媒の調整にはトルエンを用いた。重合は、上記触媒を用い、重合温度125℃、重合圧力900kg/cm2で、200lのパイロットプラントで重合し、得られたものである。重合、精製、反応および触媒精製は、すべてあらかじめ不活性ガス雰囲気で行った。また、反応に用いた溶媒などはあらかじめ公知の方法により合成、同定したものを用いた。ここでは、このエチレン・1−ブテン共重合体を[A1]とする。表1には[A1]の特性を示す。一方、成分[B]のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・1−ブテン共重合体[B1]を用いた。具体的には、東ソー(株)製の高密度ポリエチレンであるニポロンハード グレード4010である。表2には[B1]の特性を示す。ここでは、[A1]のペレットと[B1]のペレットを重量比で20:80として、ペレットどうしを十分に混合したものをポリプロピレン系樹脂用改質剤([A1]+[B1])とした。また、ここでは、成分[C]のプロピレン系重合体として、プロピレン単独重合体を用いた。具体的には、東ソー(株)製のポリプロピレン グレードJ5200Aである。これは、230℃,2160gの荷重下で測定したメルトフローレートが20g/10分である。本実施例では、([A1]+[B1]):[C1]を重量比で40:60、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)を1000ppm加えて、単軸押出機(東洋精機(株)製)を用いて、200℃,50rpmで溶融混練し、ロッド状の溶融混練物を水冷した後に、ストランドカットして、ペレットとした。曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスは、このペレットから上記のように成形された射出成形体を用いて測定した。表3には実施例1の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0038】
実施例2
実施例1で[A1]を重合する温度を180℃、α−オレフィンを1−ヘキセンとした他は全て[A1]と同様に重合したエチレン・1−ヘキセン共重合体 [A2]のペレットと上記[B1]のペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤とした。表1には[A2]の特性を示す。[A1]の代わりに[A2]とし、[A2]:[B1]を重量比で35:65とした以外は全て実施例1と同様に行った。表3には実施例2の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0039】
実施例3
メタロセン系触媒で得られた市販のエチレン・1−オクテン共重合体[A3]のペレットと上記[B1]のペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤とした。表1には[A3]の特性を示す。[A1]の代わりに[A3]とした以外は全て実施例1と同様に行った。表3には実施例3の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0040】
実施例4
バナジウム系触媒で得られた市販のエチレン・プロピレン共重合体[A4]のペレットと上記[B1]のペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤とした。表1には[A4]の特性を示す。[A1]の代わりに[A4]とした以外は全て実施例1と同様に行った。表3には実施例4の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0041】
比較例1
成分[A]と成分[B]からなるポリプロピレン系樹脂用改質剤を添加しない[C1]単品である。表3には比較例1の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。これより、高剛性と表面光沢性は良好であるが、耐衝撃性が著しく小さいことがわかる。
【0042】
比較例2
上記の実施例1〜4に共通に用いられている[B1]のペレットだけを上記プロピレン単独重合体[C1]のペレットに添加し、実施例1と同様に単軸押出機を用いて溶融混練後、ペレット化したものである。[B1]:[C1]は重量比で40:60とした。成分[A]を加えず[B1]だけを[C1]に添加したこと以外は全て実施例1と同様に行った。表3には比較例2の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。これより、[B1]だけでは剛性はわずかに向上するものの、耐衝撃性はほとんど向上しないことがわかる。
【0043】
比較例3
実施例1で用いた[A1]のペレットを上記プロピレン単独重合体[C1]のペレットに添加し、実施例1と同様に単軸押出機を用いて溶融混練後、ペレット化したものである。成分[A]と成分[B]からなるものをポリプロピレン系樹脂用改質剤とした実施例と異なり、成分[A]だけを成分[C]のプロピレン系重合体に添加したものである。ここでは、[A1]:[C1]を重量比で15:85とし、上記の実施例1〜4とほぼ同じ曲げ弾性率になるものとした。成形体の作製および物性評価は実施例1と同様に行った。表3には比較例1の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0044】
比較例4
実施例2で用いた[A2]のペレットを上記[C1]に添加し、実施例1と同様に単軸押出機を用いて溶融混練後、ペレット化したものである。ここでは、 [A2]:[C1]を重量比で15:85とし、上記の実施例1〜4とほぼ同じ曲げ弾性率になるものとした。[A1]の代わりに[A2]とした以外は全て比較例3と同様に行った。表3には比較例4の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0045】
比較例5
実施例3で用いた[A3]のペレットを上記[C1]に添加し、実施例1と同様に単軸押出機を用いて溶融混練後、ペレット化したものである。これも上記の実施例1〜4とほぼ同じ曲げ弾性率となるものである。[A1]の代わりに[A3]とした以外は全て比較例3と同様に行った。表3には比較例5の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0046】
比較例6
実施例4で用いた[A4]のペレットを上記[C1]に添加し、実施例1と同様に単軸押出機を用いて溶融混練後、ペレット化したものである。これも上記の実施例1〜4とほぼ同じ曲げ弾性率となるものである。[A1]の代わりに[A4]とした以外は全て比較例3と同様に行った。表3には比較例6の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0047】
実施例5
実施例1と同じ[A1]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A1]:[B1]が重量比で50:50としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A1]:[B1]を重量比で50:50とした以外は全て実施例1と同様に行った。表4には実施例5の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0048】
実施例6
上記実施例5と同じ組成物であるが、[A1]のペレットと[B1]のペレットをあらかじめ溶融混練し、ペレット化したものをポリプロピレン系樹脂用改質剤としている点が異なる。具体的には、[A1]と[B1]のペレットの混合物を前記の単軸押出機を用いて、180℃,50rpmで溶融混練し、その際にダイスを通って得られるロッド状の溶融混練物を水冷した後に、ストランドカットしてペレットとした。このペレットを上記[C1]に添加したものである。[A1]と[B1]をあらかじめ混練、ペレット化した以外は全て実施例5と同様に行った。表4には実施例6の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。これより、実施例5に比べて剛性、耐衝撃性および表面光沢性のバランスに優れることがわかる。
【0049】
実施例7
実施例2と同じ[A2]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A2]:[B1]を重量比で50:50としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A2]:[B1]を50:50とした以外は全て実施例2と同様に行った。表4には実施例7の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0050】
実施例8
実施例3と同じ[A3]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A3]:[B1]を重量比で50:50としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A3]:[B1]を50:50とした以外は全て実施例3と同様に行った。表4には実施例8の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0051】
実施例9
実施例4と同じ[A4]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A4]:[B1]を重量比で50:50としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A4]:[B1]を50:50とした以外は全て実施例4と同様に行った。表4には実施例9の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0052】
実施例10
成分[B]のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体として、エチレン・1−ブテン共重合体[B2]を用いた。具体的には、東ソー (株)製の高密度ポリエチレンであるニポロンハード グレード8300である。表2に[B2]の特性を示す。ここでは、この[B2]のペレットと上記エチレン・1−ブテン共重合体[A1]のペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[B1]の代わりに[B2]とした以外は実施例5と同様に行った。表4には実施例10の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0053】
比較例7
比較例3と同様に[A1]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A1]:[C1]を重量比で20:80とし、上記の実施例5〜10とほぼ同じ曲げ弾性率にしたものである。[A1]:[C1]を重量比で20:80とした以外は全て比較例3と同様に行った。表4には比較例7の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0054】
比較例8
比較例4と同様に[A2]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A2]:[C1]を重量比で20:80とし、上記の実施例5〜10とほぼ同じ曲げ弾性率にしたものである。[A2]:[C1]を重量比で20:80とした以外は全て比較例4と同様に行った。表4には比較例8の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0055】
比較例9
比較例5と同様に[A3]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A3]:[C1]を重量比で20:80とし、上記の実施例5〜10とほぼ同じ曲げ弾性率にしたものである。[A3]:[C1]を重量比で20:80とした以外は全て比較例5と同様に行った。表4には比較例9の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0056】
比較例10
比較例6と同様に[A4]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A4]:[C1]を重量比で20:80とし、上記の実施例5〜10とほぼ同じ曲げ弾性率としたものである。[A4]:[C1]を重量比で20:80とした以外は全て比較例6と同様に行った。表4には比較例10の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0057】
比較例11
プロピレンとエチレンの共重合によって得られるプロピレン・エチレンブロック共重合体[C2]である。具体的には、東ソー(株)製のポリプロピレン グレードJ7250Bである。これは、190℃,2160gの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が25で、上記の実施例5〜10とほぼ同じ曲げ弾性率のものである。表4には比較例11の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0058】
実施例11
([A1]+[B1]):[C1]を重量比で20:80とした以外は全て実施例5と同様に行った。表4には実施例11の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。これは、改質剤:[C1]が比較例7〜10と同じ20:80であり、耐衝撃性もほぼ同じであるが、剛性が大きい。また、次に述べる比較例12と比べて、ほぼ同じ剛性であるが、耐衝撃性が大きい。
【0059】
比較例12
[A1]:[C1]を重量比で10:90とした以外は全て比較例7と同様に行った。表4には比較例12の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0060】
実施例12
実施例1,5と同じ[A1]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A1]:[B1]を重量比で70:30としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A1]:[B1]を重量比で70:30とした以外は全て実施例1と同様に行った。表5には実施例12の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0061】
実施例13
実施例2,7と同じ[A2]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A2]:[B1]を重量比で70:30としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A2]:[B1]を重量比で70:30とした以外は全て実施例2と同様に行った。表5には実施例13の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0062】
実施例14
実施例3,8と同じ[A3]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A3]:[B1]を重量比で70:30としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A3]:[B1]を重量比で70:30とした以外は全て実施例3と同様に行った。表5には実施例14の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0063】
実施例15
実施例4,9と同じ[A4]のペレットと[B1]のペレットからなり、[A4]:[B1]を重量比で70:30としたペレットの混合物をポリプロピレン系樹脂用改質剤としたものである。[A4]:[B1]を重量比で70:30とした以外は全て実施例4と同様に行った。表5には実施例15の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0064】
比較例13
比較例3,7と同様に[A1]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A1]:[C1]を重量比で30:70とし、上記の実施例12〜15とほぼ同じ曲げ弾性率にしたものである。[A1]:[C1]を重量比で30:70とした以外は全て比較例3と同様に行った。表5には比較例13の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0065】
比較例14
比較例4,8と同様に[A2]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A2]:[C1]を重量比で30:70とし、上記の実施例12〜15とほぼ同じ曲げ弾性率にしたものである。[A2]:[C1]を重量比で30:70とした以外は全て比較例4と同様に行った。表5には比較例14の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0066】
比較例15
比較例5,9と同様に[A3]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A3]:[C1]を重量比で30:70とし、上記の実施例12〜15とほぼ同じ曲げ弾性率にしたものである。[A3]:[C1]を重量比で30:70とした以外は全て比較例5と同様に行った。表5には比較例15の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0067】
比較例16
比較例6,10と同様に[A4]のペレットだけを[C1]に添加したものである。[A4]:[C1]を重量比で30:70とし、上記の実施例12〜15とほぼ同じ曲げ弾性率にしたものである。[A4]:[C1]を重量比で30:70とした以外は全て比較例6と同様に行った。表5には比較例16の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0068】
比較例17
プロピレンとエチレンの共重合によって得られるプロピレン・エチレンブロック共重合体[C3]である。具体的には、上記の実施例12〜15とほぼ同じ曲げ弾性率を示すもので、比較例11で用いた[C2]より低剛性、高耐衝撃性の市販樹脂である。これは、230℃,2160gの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が23g/10分である。表5には比較例17の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度およびグロスを示す。
【0069】
【表1】
Figure 0003690013
【0070】
【表2】
Figure 0003690013
【0071】
【表3】
Figure 0003690013
【0072】
【表4】
Figure 0003690013
【0073】
【表5】
Figure 0003690013
【0074】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤をプロピレン系重合体に添加することにより、高剛性、耐衝撃性ならびに成形物の表面光沢性のバランスに優れた従来にないポリプロピレン系材料となる。
【0075】
したがって、本発明におけるポリプロピレン系樹脂用改質剤を添加したポリプロピレン系樹脂組成物は、剛性と耐衝撃性ならびに成形品の表面光沢性のバランスが要求される用途、例えば、自動車の内外装部品や電気機器外装部品などに対して、好適な素材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率とアイゾット衝撃強度の関係を示す図である。
【図2】 ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率とグロスの関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 下記(a),(b)の要件を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体[A]10〜80重量%と下記(c)の要件を満足するエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体[B]90〜20重量%からなるポリプロピレン系樹脂用改質剤。
    (a)α−オレフィンの炭素数が3〜20、
    (b)100℃の熱水に1時間浸し、そのままの状態で室温まで放冷したものの密度が0.855〜0.910g/cm
    (c)100℃の熱水に1時間浸し、そのままの状態で室温まで放冷したものの密度が0.930g/cmより大きい
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