JP3943908B2 - グリル - Google Patents

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JP3943908B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚等の被調理物をグリル庫内で加熱調理するグリルに関し、特にグリル庫内を照明する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からグリルは、例えば、グリル庫から被調理物を出し入れするための開閉扉にガラス製の窓を備え、調理中の被調理物の焼け具合を確認できるように構成されている。
しかしながら、室内が暗かったり、室内照明を背にしてグリル庫を覗く場合には、グリル庫内に十分な採光が得られず、グリル庫内の様子が分かりにくかった。
【0003】
被調理物の焼け具合を確認し易くする方法として、例えば、グリル庫内に設けられた照明用のセラミック棒を調理加熱用のブンゼンバーナを利用して加熱し赤熱させてグリル庫内を照らす方法がある。
【0004】
しかしながら、セラミック棒は、グリル庫内に設けられるため、被調理物を出し入れする際に当たって、欠けたり割れてしまうことがあり、長期に渡って良好にグリル照明をすることは難しかった。
【0005】
また、グリルに新たに照明部材を設けるのではなく、グリルのバーナ自体にセラミックを用いて照明する方法もある。このセラミックバーナは、全一次空気式で、セラミックプレートの表面で燃焼し、この表面が赤熱し橙色になって、ブンゼンバーナよりも庫内を明るくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この全一次空気式セラミックバーナは、燃焼に必要な空気を全て一次空気として取り入れるため、大きな燃焼面積を必要として、火炎の表面積がブンゼンバーナといった他のバーナよりも大きくなる。このため、熱が拡散され、しかも、周囲の空気により冷却されてしまい、セラミックプレートの表面温度が低下して、グリル庫内を明るく照らすには十分とは言えなかった。
【0007】
本発明のグリルは上記課題を解決し、調理性能を低下することなく、低コストで、かつ長期に渡って、被調理物の焼け具合を良好に確認できるグリルを提供することを目的とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のグリルは、
ガス燃焼によりグリル庫内に載置された被調理物を加熱調理する加熱調理手段と、ガス燃焼に伴う発光によりグリル庫内を照明する照明手段とを兼ねるガスバーナと、上記被調理物の調理具合を視認するための覗き窓と、上記ガスバーナへのガス供給圧を所定値以下に制限するガスガバナとを備えたグリルであって、
上記ガスバーナへのガス供給圧の制限を解除してガス供給圧を増大させるガス圧増大手段を設け、
上記グリル庫内を照明する際には、上記ガス圧増大手段より上記ガスバーナへのガス供給圧の制限を解除して、非照明時に比してガス供給圧を増大させるとともに、当該ガス供給圧の増大に合わせて上記ガスバーナの一次空気過剰率λ 増大さることを要旨とする。
【0009】
また、本発明の請求項2記載のグリルは、上記請求項1記載のグリルにおいて、
上記ガス圧増大手段は、上記ガスガバナを迂回する迂回路と、上記グリル庫内を照明する時のみ該迂回路を開く切替開閉弁とを備えたことを要旨とする。
【0010】
また、本発明の請求項3記載のグリルは、上記請求項1または2記載のグリルにおいて、
上記ガスバーナに全一次空気式セラミックバーナを用い、上記グリル庫内を照明する時の炎口負荷Aと一次空気過剰率λとの関係が
A>2.5(λ−1.1)+0.3
を満たすことを要旨とする。
【0011】
また、本発明の請求項4記載のグリルは、上記請求項1〜3の何れかに記載のグリルにおいて、
上記ガスバーナに全一次空気式セラミックバーナを用い、該セラミックバーナの燃焼プレートの燃焼面の正面に金属細線を張設し、該金属細線を該燃焼プレート上に形成される火炎であぶり赤熱させることによりグリル庫内を照明することを要旨とする。
【0012】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のグリルは、ガスガバナでガス供給圧を制限した状態でガスバーナへガスを供給し、適切な加熱量でグリル庫内の被調理物を加熱する。この被調理物の調理具合を確認する時には、ガス圧増大手段によりガス供給圧の制限が解除されてガスバーナへのガス供給量が増加され、これに合わせてガスバーナの一次空気過剰率λ が増大されるので、ガスバーナが明るくな、グリル庫内照らされる
【0013】
また、本発明の請求項2記載のグリルは、通常は切替開閉弁を閉じており、ガスが迂回路を通らずガスガバナを通って減圧された状態でガスバーナへ供給され、一方、被調理物の調理具合を確認する時には、切替開閉弁を開いて、ガスが迂回路を通ってガス供給圧のままガスバーナへ供給され、グリル庫内が明るくなる。
【0014】
また、本発明の請求項3記載のグリルは、グリル庫内を照明する時に、全一次空気式セラミックバーナの炎口負荷A(=インプット/炎口合計面積)と一次空気過剰率λ(=実際に供給した一次空気量/理論空気量)との関係が
A>2.5(λ−1.1)+0.3
を満たす。
このため、炎口負荷が十分に高く、しかも、一次空気過剰率λが1.1付近となり、セラミックプレート表面温度が高くなってグリル庫内が明るくなる。
例えば、一次空気が不足すると、未燃ガス領域が増えて火炎温度が下がってセラミックプレート表面温度も低くなり、逆に一次空気量が非常に多いと、燃焼に用いられない空気量が増えてセラミックプレートが冷やされ表面温度が低くなって、グリル庫内照明が不十分となる。これに対して本発明ではグリル庫内を十分に照らすことができる。
【0015】
また、本発明の請求項4記載のグリルは、全一次空気式セラミックバーナの燃焼面の正面に熱容量が非常に小さい金属細線が張設されているため、燃焼プレート上に形成される火炎により金属細線が良好に赤熱されて温度放射による赤色の光を発生させる。
従って、ガスバーナへのガス供給量の増加によるグリル照明に加えて、この金属細線による赤熱により、グリル庫を一層明るくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のグリルの好適な実施形態について説明する。
【0017】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態としてのグリルを備えたテーブルこんろについて図1〜図6を用いて説明する。
テーブルこんろは、図6に示されるように、トッププレート10に2組のこんろバーナ74a,74bが設けられ、それらの周囲に設けられた五徳75a,75b上に図示しない調理鍋を載せ、テーブルこんろの前面に設けられる操作ボタン71a,71bを押すことにより、それぞれのこんろバーナ74a,74bが点火され、調理鍋が加熱されるものである。
こんろバーナ74a,74b間の器体の中心部には、魚等の被調理物を焼くためのグリル1が設けられ、操作ボタン71cを押して点火し加熱調理が行われる。
【0018】
このグリル1は、図2に示されるように片面焼きタイプのグリルで、被調理物Fを加熱調理するグリル庫12を備える。
グリル庫12には、上段左右側面に設けられ燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱するバーナ20と、中段に設けられ被調理物Fを載せる焼網22と、底部に設けられ焼網22を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿24とを備える。
【0019】
グリル庫12の正面中央には、受皿24と一体的に固定され受皿24を手前に引き出す取手62と、受皿24を引き出す時に連動して回動しながら開閉する回動扉61とが設けられ、その回動扉61にはガラス製の前覗き窓61aが設けられる。
取手62を手前に引き出すと、取手62に固定された受皿24がグリル庫12の底面をスライドし、受皿24に載置された焼網22が同時に引き出される。
【0020】
グリル庫12の左右側面に設けたバーナ20は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面を有し、燃焼に必要な空気のほとんどを一次空気として吸入する全一次空気式のバーナである。
尚、バーナ20に臨んで図示しない点火電極が設けられる。
【0021】
グリル庫12の背部には、仕切壁52を介して排気室50を併設し、この仕切壁52に開口してグリル庫12と排気室50とを連通する連通口54を焼網22よりも下方に設けている。従って、バーナ20から発生した燃焼ガスを排気室50を介して、排気口51より排出されるよう排気路を構成している。
【0022】
バーナ20へのガス供給管30には、図1に示されるように、バーナ20の燃焼時のみ開弁保持されるマグネット安全弁31と、点火・消火操作に伴ってガス供給路を開閉する主開閉弁32と、ガス供給圧を制限するガスガバナ33と、ガスガバナ33を迂回する迂回路34と、この迂回路34を開閉する切替弁48(切替開閉弁)とが設けられる。
【0023】
次に、このガス供給管30のガス供給路を切り替える構成について説明する。説明の都合上、ガス供給管30を、マグネット安全弁31,主開閉弁32,ガスガバナ33を備えた導入部30aと、ガスガバナ33から迂回路34との合流点までの流路となる通常流路部30bと、迂回路34との合流点からバーナ20までの流路となる合流部30cとに区分する。
また、迂回路34を、切替弁48の上流部となる迂回上流部34aと、切替弁48の下流部となる迂回下流部34bとに区分する。
【0024】
図3は、迂回下流部34bを内部に形成し、閉成バネ41により迂回下流部34bを閉成方向に付勢される切替弁48を備えた切替本体40を示す。
この切替本体40は、通常流路部30b,迂回上流部34a,合流部30cと接続され、図6に示される器体右前面に突出した照明ボタン35に連動し切替弁48を開成方向に押す連動棒42,連動棒42を切替弁48から離す方向に付勢する戻しバネ43,切替弁48と一体化して進退するスピンドル37,スピンドル37をガイドするガイド体44を備える。尚、照明ボタン35は、グリル庫12内を明るく照らすように操作指示する照明操作具であり、ボタンに代えてレバーを用いてもよい。
【0025】
また、連動棒42,ガイド体44には、ガスシール用のOリング45,Oリング46が設けられる。また、切替本体40には、連動棒42が切替本体40から飛び出ないように押さえる押さえ板47が設けられる。この押さえ板47とガイド体44とは、ビスによって切替本体40に固定される。
尚、図3,図4に示される符号36は、第2実施形態のグリルに用いられるオリフィスであり、第1実施形態のグリル1はこのオリフィス36を備えない。
【0026】
上述したグリル1によれば、操作ボタン71cを押すと、バーナ20へのガス流路を開閉するマグネット安全弁31,主開閉弁32が開弁され、燃料ガス(ガス供給圧P1)が、図1の実線矢印で示されるように、ガスガバナ33で2次圧P2(<P1)まで減圧されてバーナ20から噴出されると共に、点火電極の連続放電により点火する。
【0027】
調理中にバーナ20で発生した高温の燃焼ガスは、いったんグリル庫12の上部に溜まり連通口54から溢れて、排気室50を介して排出される。従って、被調理物Fは、輻射熱と滞留した排気熱とにより加熱され、被調理物Fが効率良く調理される。このこもり焼きにより、少ないインプットで調理でき、受皿を過熱することがなく、受皿24に水を張らなくても安心してグリル1を使用できる。
【0028】
通常、戻しバネ43の付勢力により、照明ボタン35は連動棒42により切替弁48を押していない。この切替弁48が閉成バネ41の付勢力により閉成されているため、燃料ガスは、ガスガバナ33を迂回することはできず、減圧される。
【0029】
調理の様子を確認したい時は、照明ボタン35を押し操作することにより、図4に示されるように、連動棒42は切替弁48を開成する。燃料ガスは、迂回路34を通り、減圧されることなく、図1の破線矢印で示されるように、ガス供給圧P1のままバーナ20へ供給される。つまり、ガスガバナ33によるガス供給圧の制限が解除される。
【0030】
バーナ20は、通常時よりもガス圧Pbが上昇してインプットIpが増加し、炎口負荷A(インプットIp/炎口の総面積S)も増加して、バーナ20のセラミックプレート表側(庫内側)の表面温度が850℃から950℃にまで上昇し、橙色から白色に変わりグリル庫12内を照明する。この結果、使用者は、前覗き窓61aを通して被調理物Fの焼け具合を良好に視認できる。
【0031】
ここで、炎口負荷Aと一次空気過剰率λと庫内の明るさとの関係について図5を用いて説明する。
図5は、バーナ20の炎口負荷Aと一次空気過剰率λ(=実際に供給した一次空気量/理論空気量)とを変化させて、グリル庫12内の明るさ(見えやすさ)を調べた実験結果を示している。尚、実際に使用される全一次空気式バーナは、燃焼用空気が不足しないように、一次空気過剰率λを1以上にして設計されている。
この実験では、同一のバーナを使用しているため、炎口の総面積Sは一定であり、バーナ20へのガス圧Pbを変化させることにより炎口負荷Aを変化させた。
このバーナ20へのガス圧Pbを上げると、バーナ20の吸入口に臨ませたノズル(図示略)でのガス噴出エネルギーが増加して、ノズルの周囲からバーナ20へ吸引される空気の量も増加するため、一次空気過剰率λも大きくなる。
【0032】
この実験結果から、図5中の2次曲線A=2.5(λ−1.1)+0.3よりも内側では、グリル庫12内が見えやすい、或いは非常に見えやすいことが分かる。
この図5から分かるように、同じ一次空気過剰率λでも、炎口負荷Aが高いほどバーナ20の熱量が大きく、セラミックプレート表面温度が高くなって、グリル庫12内が明るくなる。
【0033】
しかも、一次空気過剰率λが1.1付近にある場合に、照明効果が高い。例えば、一次空気が不足すると(一次空気過剰率λ<1)、未燃ガス領域が増え火炎温度が下がってセラミックプレート表面温度も低くなり照明効果が低くなる。逆に一次空気量が非常に多いと、燃焼に用いられない空気の量が増えてセラミックプレートが冷却され表面温度が低くなって、照明効果が低くなる。
【0034】
表1は、本実施形態でのバーナ20へ供給されるガス圧Pb,炎口負荷A(=Ip/S),インプットIp,一次空気過剰率λを通常時(照明操作をしていない時)と照明時とに分けて示したものである。尚、バーナ20の炎口の合計面積Sは、3478mmである。
【0035】
【表1】
Figure 0003943908
【0036】
図5中の点Nは、本実施形態のグリル1での通常時を示し、点Lは照明時を示す。この図5から分かるように、通常時を示す点Nは二次曲線の外側にあり、庫内が見えにくいが、照明時を示す点Lは二次曲線の内側になり、庫内が非常に見えやすくなる。
このように照明操作により、炎口負荷Aと一次空気過剰率λとの関係が二次曲線の内側になって、つまり、A>2.5(λ−1.1)+0.3を満たすことになって、グリル庫12内を十分に照らすことができる。
【0037】
ところで、炎口負荷Aを上げる方法として、本実施形態では、バーナ20ヘのガス圧Pbを上昇させている。これに代えて、ガス供給管30の合流部30cの先端に設けられる図示しないノズルの先端開口の内径を大きくすることにより、インプットIpを増加する方法が考えられる。
【0038】
しかし、ノズル径を大きくすると、燃料ガスと共に吸引される一次空気過剰率λも減少してしまう。
つまり、グリル照明時にこの方法で炎口負荷Aを上げると、一次空気過剰率λが通常時(λ=1.00)よりも小さくなり、燃焼用空気不足となってしまい、燃焼性能が悪化してしまう。
従って、本発明では、バーナ20へのガス圧Pbを増加する方法を採用している。
【0039】
調理具合の確認後、照明ボタン35から手を離すと、戻しバネ43の付勢力により連動棒42が自動的に元の位置に戻り、閉成バネ41により切替弁48が閉じ、燃料ガスは再びガスガバナ33で減圧され、元の炎口負荷に戻り、バーナ20のセラミックプレートは、橙色に戻る。つまり、照明ボタン35を操作しない限り、炎口負荷は上昇しない。
このように、被調理物Fの焼け具合を確認したい時だけ炎口負荷を上げてグリル庫内を明るく照らすため、バーナ20の耐久性に悪影響を与えることはなく、長期に渡ってグリル照明を行うことができる。
しかも、グリル庫12内の観察には1〜2秒程度しかかからず、インプットを上昇させる時間が短いため、被調理物Fを焦がすことがなく、調理性能を維持できる。
【0040】
更に、バーナ20へ供給するガス圧Pbを上昇させるという簡単な構成でグリル庫12内を照らすため、特別な照明具を必要とせず、低コストでグリル照明を行うことができる。
加えて、照明具を用いないため、被調理物Fから飛散してきた焼き油Gの付着により光の透過を遮って十分に照明できないという不具合がない。しかも、照明具の掃除をする必要もなく、便利である。
【0041】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について図7〜図9を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
グリル2は、図7に示されるように、バーナ20に加えて、グリル庫12内の左右両側で焼網22よりも下方にブンゼン燃焼式の下バーナ21を備えており、被調理物Fを上下両面から加熱調理する両面焼グリルである。尚、バーナ20を下バーナ21と区別するために、上バーナ20と呼ぶ。
【0043】
トッププレート80には、五徳75a,75bの手前中央に、図9に示されるように、グリル庫12内の被調理物Fを確認するための長方形のトップ開口80aが横長に形成される。このトッププレート80の下には、図7に示されるように、グリル庫12の天井部となるグリル天板81が形成される。
このグリル天板81には、突出部81aがトップ開口80aから突き出て形成され、突出部81aの上から、ガラス製の窓板82aを備えた上覗き窓82が載置される。
【0044】
グリル庫12の正面中央には、被調理物Fの出入口となるグリル庫12の扉63aを備えた取手63が設けられる。尚、第2実施形態のグリル2は、第1実施形態で用いられた前覗き窓61aを備えない。
【0045】
ガスガバナ38には、図8に示されるように、通常時の上バーナ20へのガス供給路となる通常流路部30bに加えて、下バーナ21へのガス供給路となる下バーナ管39が接続される。
通常時の全一次空気式の上バーナ20の要求ガス圧Puは、75mmHOで、ブンゼン式の下バーナ21の要求ガス圧Pdは、140〜150mmHOである。上バーナ20と下バーナ21とに共通のガスガバナ38を用いているため、上バーナ20への通常流路部30bには、ガス圧を制限するオリフィス36が設けられている。
【0046】
上述したグリル2によれば、操作ボタン71cを押すと、マグネット安全弁31が開弁され、燃料ガス(ガス供給圧P1)がガスガバナ38でガス圧P4(150mmHO)まで減圧されて、一部が下バーナ21から噴出されると共に、残りの燃焼ガスがオリフィス36により75mmHOまで減圧されて上バーナ20から噴出され、点火電極の連続放電により点火される。
ガス圧P4は、燃料ガスがオリフィス36を通過するため、下バーナ管39のガス圧Pdがガスガバナ38の目標値P3(140mmHO)よりも若干増加して、150mmHOとなる。
【0047】
被調理物Fは、上バーナ20および下バーナ21で発生し滞留した燃焼ガスの熱と上バーナ20の輻射熱とにより加熱調理される。
【0048】
調理の様子を確認したい時は、照明ボタン35を押し操作して、切替弁48を開成し、燃料ガスをガス供給圧P1(200mmHO)のままバーナ20へ供給し、グリル庫12内を照明する。この結果、使用者は上覗き窓82を通して被調理物Fの調理具合を良好に視認できる。この上覗き窓82は器体上面に設けられているため、使用者は、立った状態でグリル庫12内を観察することができ、便利である。このグリル照明時は、燃料ガスがオリフィス36を通過しないため、下バーナ管39のガス圧PdはP3(140mmHO)となる。
【0049】
従って、照明操作時は、上バーナ20のガス圧Puが75mmHOから200mmHOと大きく上昇してグリル庫12内を照らすのに対して、下バーナ21では、そのガス圧Pdが照明操作に関係なく常に140〜150mmHOの範囲となる。
このようにグリル照明に用いられない下バーナ21では、上バーナ20のように照明時にインプットが激増することはないため、調理性能に悪影響を与えない。
この結果、両面焼グリル2においても、第1実施形態の片面焼グリル1と同様に、調理性能を悪化させることなく、低コストで、グリル庫12内の被調理物Fの調理具合を良好に確認することができる。
【0050】
特に、両面焼グリルは、片面焼グリルよりも上バーナの炎口負荷が小さいため、グリル庫内が暗く観察しにくかったが、この照明を採用することで非常に便利なものになる。
【0051】
《第3実施形態》
次に、第3実施形態について図10を用いて説明する。尚、第2実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。第3実施形態のグリル3は、第2実施形態のグリル2の上バーナ20に金属細線91を設けた点が異なる。
【0052】
グリル3には、第2実施形態の上バーナ20と同じセラミックプレートを用いた全一次空気式の上バーナ90が設けられる。尚、この上バーナ90は、後述する金属細線91を見やすくするために、中間に形成される炎口の図示を省略している。
【0053】
この上バーナ90には、セラミックプレートの取付枠の上下辺に引掛片が一体形成される。この引掛片には、燃焼面90a(セラミックプレートの表面)から所定距離離して、照明用補助部材としての細いワイヤー状の電熱用金属線91(材質:Cr;23〜26%、Al;4〜6%、Fe;残量、 直径:0.32mm)が格子上に張設される。
【0054】
本実施形態では、照明操作時のみ、炎口負荷が増大した上バーナ90の火炎によって金属細線91が赤熱するように、燃焼面90aと金属細線91との間隔が決められている。
【0055】
上述した構成のグリル3によれば、上バーナ90の燃焼時に照明操作が行われると、上バーナ90の炎口負荷が増大してセラミックプレート自体も明るくなり、グリル庫12内が照らされる。この炎口負荷の増大に伴って、金属細線91が燃焼面90aに形成された火炎によって赤熱され、温度放射により光を発生してグリル庫12内が更に明るくなり、上覗き窓82から調理状態を一層良好に確認することができる。
【0056】
このグリル3では、照明用補助部材として線径の細い金属細線91を用いて熱容量を非常に小さくし、かつ、燃焼面90aの近傍に張設することにより、火炎温度が比較的低い全一次空気式バーナの火炎によっても金属細線91は十分に赤熱し、グリル庫12内を上覗き窓82を通して視認するのに十分な照明効果が得ることができる。
【0057】
また、金属細線91は、照明操作時だけ赤熱するように配置されるため、耐久性を良好に維持できる。尚、照明操作に拘らず上バーナ90の燃焼中は常時、金属細線91の赤熱によるグリル照明を行いたい場合には、この間隔を狭めることにより実現できる。テスト結果によれば、特に1〜2mmに間隔を設定すると良好な照度が得られる。
【0058】
更に、金属細線91は、電熱用金属線であるから、熱伝導性が非常に良好なものであるためにより照明を明るくすることができ、熱伝達速度が速いので、すばやく赤熱し十分な照明効果が得られるまでの時間が短くてすむ。しかも、燃焼面90aの正面に金属細線91を張設するだけの簡単な構成であると共に従来の照明用部材である破損しやすいセラミック棒と比べて、金属細線91は、扱いやすく加工しやすいため、このようなグリル3を製造する工程が複雑化せず生産コストを抑えることができる。
【0059】
また、金属細線91は、変形自在なものであるから、燃焼面90aの正面に自由にレイアウトして張設することが可能である。
また、金属細線91を燃焼プレート4の正面に格子状に張設することにより、発光面積を大きくして照明を明るくすることができる。
【0060】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、炎口負荷Aと一次空気過剰率λとの関係は、
A>2.5(λ−1.1)+0.3
を満たすことが望ましいが、必ずしもこの範囲に限定されず、グリル庫内が明るくなる範囲であればよい。
【0061】
また、第1実施形態では、器具前面に前覗き窓61aを設けた片面焼グリルにおいて説明したが、前覗き窓61aを備えた両面焼グリルに適用しても差し支えない。
また、第2,3実施形態では、器具上面に上覗き窓82を設けた両面焼グリルにおいて説明したが、上覗き窓82を備えた片面焼グリルに適用しても差し支えない。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のグリルによれば、グリル庫内の様子を確認したい時に、ガスガバナによる制限を解除してガス供給圧を増大させ、これに合わせてガスバーナの一次空気過剰率λ 増大さるという簡単な構成で安価にグリル照明を行うことができ、被調理物の調理具合を良好に確認できる。
【0063】
更に、本発明の請求項2記載のグリルによれば、ガスガバナを迂回する迂回路とそれを開閉する切替開閉弁とを設けるという簡単な構成でグリル庫内を照明することができる。
【0064】
更に、本発明の請求項3記載のグリルによれば、炎口負荷と一次空気過剰率との関係を適切にすることにより、セラミックプレート表面温度が高くなってプレート自身が明るくなり、別の照明具を用いなくてもグリル庫内を明るく照らすことができる。
【0065】
更に、本発明の請求項4記載のグリルによれば、照明用部材として線径の細い金属細線を用いて熱容量を非常に小さくし、かつ、燃焼面の近傍に張設することにより、火炎温度が低い全一次空気式バーナにおいても良好に赤熱するため、ガスバーナへのガス供給圧の増大によるグリル照明に加えて、この金属細線による赤熱により、グリル庫を一層明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態としてのガス供給路の構成図である。
【図2】第1実施形態としてのグリルを側面からみた断面図である。
【図3】通常時の第1,第2実施形態としてのガス供給路を上からみた断面図である。
【図4】照明時の第1,第2実施形態としてのガス供給路を上からみた断面図である。
【図5】第1実施形態における炎口負荷と一次空気過剰率との関係図である。
【図6】第1実施形態におけるテーブルこんろの外観図である。
【図7】第2実施形態としてのグリルを側面からみた断面図である。
【図8】第2実施形態としてのガス供給路の構成図である。
【図9】第2実施形態におけるテーブルこんろの外観図である。
【図10】第3実施形態としてのグリルを側面からみた断面図である。
【符号の説明】
1,2,3…グリル、10,80…トッププレート、12…グリル庫、20,90…バーナ、21…下バーナ、24…受皿、30…ガス供給管、30a…導入部、30b…通常流路部、30c…合流部、31…マグネット安全弁、33,38…ガスガバナ、34…迂回路、34a…迂回上流部、34b…迂回下流部、48…切替弁、35…照明ボタン、36…オリフィス、39…下バーナ管、40…切替本体、41…閉成バネ、43…戻しバネ、61…回動扉、61a…前覗き窓、81…グリル天板81、82…上覗き窓、82a…窓板、90a…燃焼面、91…金属細線、F…被調理物、G…焼き油。

Claims (4)

  1. ガス燃焼によりグリル庫内に載置された被調理物を加熱調理する加熱調理手段と、ガス燃焼に伴う発光によりグリル庫内を照明する照明手段とを兼ねるガスバーナと、上記被調理物の調理具合を視認するための覗き窓と、上記ガスバーナへのガス供給圧を所定値以下に制限するガスガバナとを備えたグリルであって、
    上記ガスバーナへのガス供給圧の制限を解除してガス供給圧を増大させるガス圧増大手段を設け、
    上記グリル庫内を照明する際には、上記ガス圧増大手段より上記ガスバーナへのガス供給圧の制限を解除して、非照明時に比してガス供給圧を増大させるとともに、当該ガス供給圧の増大に合わせて上記ガスバーナの一次空気過剰率λ 増大さることを特徴とするグリル。
  2. 上記ガス圧増大手段は、上記ガスガバナを迂回する迂回路と、上記グリル庫内を照明する時のみ該迂回路を開く切替開閉弁とを備えたことを特徴とする請求項1記載のグリル。
  3. 上記ガスバーナに全一次空気式セラミックバーナを用い、上記グリル庫内を照明する時の炎口負荷Aと一次空気過剰率λ1との関係が
    A>2.5(λ−1.1)+0.3
    を満たすことを特徴とする請求項1または2記載のグリル。
  4. 上記ガスバーナに全一次空気式セラミックバーナを用い、該セラミックバーナの燃焼プレートの燃焼面の正面に金属細線を張設し、該金属細線を該燃焼プレート上に形成される火炎であぶり赤熱させることによりグリル庫内を照明することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のグリル。
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