JP2004305244A - グリル - Google Patents

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JP2004305244A
JP2004305244A JP2003098810A JP2003098810A JP2004305244A JP 2004305244 A JP2004305244 A JP 2004305244A JP 2003098810 A JP2003098810 A JP 2003098810A JP 2003098810 A JP2003098810 A JP 2003098810A JP 2004305244 A JP2004305244 A JP 2004305244A
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Takumi Yoshino
卓己 吉野
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Paloma Kogyo KK
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Abstract

【課題】回動扉のスムーズな動きを担保しつつ、いきおいよく開けた時のバタつきを防止することを目的とする。
【解決手段】回動扉71を全開にするとアーム連結部82の先端が止片86に当接するため、つまみ79をすばやく操作して回動扉71を勢いよく開けても、リンク棒73が軸孔83内で踊ってしまうことはなく回動扉71がバタつくことを防止できる。つまり、リンク棒73にはL型アーム76に押されて上に行こうとする力が働いているため、アーム連結部82が止片86に当接すると、リンク棒73は軸孔83の上面におさえつけられるようになってバタつきが防止されるのである。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚等の被調理物をグリル庫内で加熱調理するグリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からガスグリル付きテーブルこんろにおいては、グリル正面にガラス製の回動窓を設けたものが一般的であるが、庫内の視認性を良くするために、グリル庫の上面に覗き窓を設けたものが提案されている。例えば、特許文献1で提案されたグリル102は、図12に示すように、グリル庫121の天井部となるグリル天板125に透過性の覗き窓103を備えている。このグリル102は、覗き窓103を通してグリル庫121内にグリル正面に回動窓を設けたものよりも多くの採光が得られるので、覗き窓103を覗くことにより、腰をかがめることなく立った姿勢のままでグリル庫121内の様子をより良好に確認できる。さらに、覗き窓103の下に回動扉171を設け、グリル庫121内の様子を確認したいときには開閉つまみ179を操作して回動扉171を開け、それ以外のときには、回動扉171を閉めて被調理物Fから覗き窓103を隔離することにより、被調理物Fからの焼き脂や油煙によって覗き窓103が汚れることを防止できる。
【0003】
次に、上述した回動扉171について説明する。覗き窓103の下方には、図12、図13に示されるように、覗き窓103を覆うような位置に回動扉171が設けられる。尚、図12は、回動扉171の閉状態を実線で示し、開状態を点線で示し、図13は、開状態を示している。
この回動扉171の両側には扉支持片172が設けられ、図13、図14に示されるように、突出部126の側部の手前上方に貫通されるリンク棒173を扉支持片172に挿通して回動扉171が軸支される。このリンク棒173は、左右の扉支持片172間を回動扉171の外周に沿うように曲折して設けられ、その途中で回動扉171の掛止片174と連結され、回動扉171と共に回動可能となる。
【0004】
グリル庫121の側方に設けられた支え板175には、L型アーム176が支軸177を中心に上下に回動可能に設けられ、その先端が器体前面に形成された縦長のレバー開口から突き出て開閉つまみ179が嵌着される。L型アーム176の他端には、長孔180を形成した折り曲げ部181が設けられ、この長孔180に支え板175に開口された軸孔183を挿通し曲折したリンク棒173の右端となるアーム連結部182が挿通される。また、支え板175上部には、図14に示されるように、L型アーム176の上部先端を時計回り方向へ付勢する引っ張りバネ184が設けられる。
【0005】
従って、L型アーム176が引っ張りバネ184により図12の時計回り方向に付勢され、回動扉171は覗き窓103に当接する閉位置(上)に至って静止する。一方、開閉つまみ179を開位置(下)へ回動させると、L型アーム176、リンク棒173を介して回動扉171が図面時計回り方向へ回動して突出部126の下方手前側へ隠れて、グリル庫121内に光が差し込み、グリル庫121内の様子をグリル庫121の奥の方まで良好に確認できるようになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−340348号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製造上余裕をもった構造とするために、支え板175に形成する軸孔183やL型アーム176に形成する長孔180は、リンク棒173が挿通できる大きさよりもかなり大きく形成しているため、回動扉171をいきおいよく開けるとリンク棒173が軸孔183内でおどって回動扉171がバタついてしまい使用感が悪くなっていた。
例えば、軸孔183や長孔180をリンク棒173の太さとほぼ同じくらいに設計してしまうと、製造時にわずかでも誤差が生じると回動扉171はスムーズに動かなくなってしまう。
本発明のグリルは上記課題を解決し、回動扉のスムーズな動きを担保しつつ、いきおいよく開けた時のバタつきを防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のグリルは、
グリル庫内に載置された被調理物を加熱調理するガスバーナと、
器体上面に設けられ、上記被調理物の調理具合を視認するための覗き窓と、
上記覗き窓と上記グリル庫内の調理スペースとの間に回動することによって開閉可能に設けられ、閉状態である時は上記被調理物から飛散してくる油の上記覗き窓への付着を防止する回動扉と、
上記回動扉を軸支し、該回動扉の回動の中心となるとともに、その端部が曲折されて曲折部を形成した軸棒と、
上記軸棒の曲折部と係合し、上記軸棒を動かすことによって、上記回動扉を回動させる扉開閉手段と
を備えたグリルにおいて、
上記軸棒の曲折部に当接してそれ以上の回転を規制することによって、上記回動扉の全開位置を規制する全開位置規制手段を設けたことを要旨とする。
【0009】
また、本発明の請求項2記載のグリルは、上記請求項1記載のグリルにおいて、
上記軸棒は、弾性変形する材料からなり、上記全開位置規制手段に当接した時に、弾性変形して上記扉開閉手段による上記回動扉への開操作力を吸収することを要旨とする。
【0010】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のグリルは、扉開閉手段を開操作して軸棒を動かすと、軸棒に軸支された回動扉が回動して開き、グリルの上方から覗き窓を通して被調理物の調理具合を確認できる。それ以外の時には、回動扉を閉めて被調理物から覗き窓を隔離することにより、被調理物からの焼き脂や油煙等によって覗き窓が汚れることを防止する。
そして、扉開閉手段を勢いよく開操作しても、全開位置規制手段が軸棒の曲折部に当接してそれ以上の回転を規制することによって、回動扉の全開位置を所定位置に規制するため、回動扉が全開位置近辺でバタつくことはなく使い勝手がよい。
【0011】
また、請求項2記載のグリルは、扉開閉手段をいきおいよく操作した時の操作力を回動扉を軸支している軸棒が、弾性変形することによって吸収するので、回動扉のバタつきを一層抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の発名称の好適な実施形態について説明する。
【0013】
本発明の一実施形態としてのグリルを備えたテーブルこんろについて図1〜図11を用いて説明する。
【0014】
テーブルこんろ1は、図2に示されるように、トッププレート11に2組のこんろバーナ12a,12bが設けられ、それらの周囲に設けられた五徳13a,13b上に図示しない調理鍋を載せ、テーブルこんろ1の前面に設けられる操作ボタン14a,14bを押すことにより、それぞれのこんろバーナ12a,12bが点火され、調理鍋が加熱されるものである。
こんろバーナ12a,12b間の器体の中心部には、魚等の被調理物Fを焼くためのグリル2が設けられ、操作ボタン14cを押して点火し加熱調理が行われる。
【0015】
このグリル2は、図3に示されるように、被調理物Fを加熱調理するグリル庫21を備える。グリル庫21には、上段左右側面に設けられ燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱調理するメインのバーナ22と、中段に設けられ被調理物Fを載せる焼網23と、底部に設けられ焼網23を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿24とを備える。
【0016】
トッププレート11には、五徳13a,13bの手前中央に、グリル庫21内の被調理物Fを確認するための長方形のトップ開口11aが横長に形成される。このトッププレート11の下には、グリル庫21の天井部となるグリル天板25が形成される。
このグリル天板25には、突出部26がトップ開口11aから突き出て形成され、突出部26の上から、ガラス製の2重の窓板31を備えた覗き窓3が載置される。
【0017】
グリル庫21の正面中央には、被調理物Fの出入口となるグリル庫21の扉を備えた取手27が設けられる。取手27は、受皿24と一体的に固定される。
取手27を手前に引き出すと、取手27に固定された受皿24がグリル庫21の底面をスライドし、受皿24に載置された焼網23が同時に引き出される。
【0018】
グリル庫21の左右側面に設けたバーナ22は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面を有し、燃焼に必要な空気のほとんどを一次空気として吸入する自然燃焼式の全一次空気式バーナである。
尚、バーナ22に臨んで図示しない点火電極が設けられる。
【0019】
グリル庫21の背部には、仕切壁41を介して排気室42を併設し、この仕切壁41に開口してグリル庫21と排気室42とを連通する連通口43を焼網23よりも下方に設けている。従って、バーナ22から発生した燃焼ガスを排気室42を介して、排気口44より排出されるよう排気路を構成している。
【0020】
バーナ22へのガス供給管51には、図4に示されるように、バーナ22の燃焼時のみ開弁保持されるマグネット安全弁52と、点火・消火操作に伴ってガス供給路を開閉する主開閉弁53と、ガス供給圧を制限するガスガバナ54と、図示しない火力調節レバーにより調節されガス供給圧を調整してバーナ22の火力を調整するガス量調整弁57と、ガスガバナ54及びガス量調整弁57を迂回する迂回路55と、この迂回路55を開閉する切替弁56(切替開閉弁)とを備えたガス量制限機構5が設けられる。
【0021】
次に、このガス供給管51のガス供給路を切り替えて、一時的にガス量を増量させてグリル庫21内を照明するガス量制限機構5の構成について説明する。
説明の都合上、ガス供給管51を、マグネット安全弁52、主開閉弁53、ガスガバナ54、ガス量調整弁57を備えた導入部51aと、ガス量調整弁57からその下流の迂回路55との合流点までの流路となる通常流路部51bと、迂回路55との合流点からバーナ22までの流路となる合流部51cとに区分する。
また、迂回路55を、切替弁56の上流部となる迂回上流部55aと、切替弁56の下流部となる迂回下流部55bとに区分する。
【0022】
図5、図6は、迂回下流部55bを内部に形成し、閉成バネ61により迂回下流部55bを閉成方向に付勢される切替弁56を備えた切替本体6を示す。
この切替本体6は、通常流路部51b、迂回上流部55a、合流部51cと接続され、後述するL型アーム76の操作に連動し切替弁56を開成方向に押す開成棒62、開成棒62を切替弁56から離す方向に付勢する戻しバネ63、切替弁56と一体化して進退するスピンドル64、スピンドル64をガイドするガイド体65を備える。
【0023】
また、開成棒62、ガイド体65には、ガスシール用のOリング67、Oリング68が設けられる。また、切替本体6には、開成棒62が切替本体6から飛び出さないように押さえる押さえ板69が設けられる。この押さえ板69とガイド体65とは、ビスによって切替本体6に固定される。
【0024】
次に、窓板31がグリル庫21内の被調理物Fの焼き脂で汚れないように設けた汚染防止機構7について説明する。窓板31の下方には、図1、図7に示されるように、窓板31を覆うような位置に回動扉71が設けられる。尚、図1は、回動扉71の閉状態を実線で示し、開状態を点線で示し、図7は、開状態を示している。尚、図3中では、汚染防止機構7は省略した。
この回動扉71の両側には扉支持片72が設けられ、図7、図8に示されるように、突出部26の側部の手前上方に貫通されるリンク棒(本発明の軸棒)73を扉支持片72に挿通して回動扉71が軸支される。このリンク棒73は、左右の扉支持片72間を回動扉71の外周に沿うように曲折して設けられ、その途中で回動扉71の掛止片74と連結され、回動扉71と共に回動可能となる。
【0025】
グリル庫21の側方に設けられた支え板75には、L型アーム76が支軸77を中心に上下に回動可能に設けられ、その先端が器体前面でグリル2の取手27と操作ボタン14bとの間に形成された縦長のレバー開口78から突き出てつまみ79が嵌着される。L型アーム76の他端には、長孔80を形成した折り曲げ部81が設けられ、この長孔80にリンク棒73の右端となり直角に曲げられたアーム連結部(本発明の曲折部)82が挿通される。アーム連結部82は、長孔80の押辺85に当接する。リンク棒73は、グリル庫21の上部に設けられた軸孔83を挿通することによって、変形しないように支持される。また、支軸77には、L型アーム76を時計回り方向に付勢するコイルバネ84が設けられる。
【0026】
従って、L型アーム76がコイルバネ84により時計回り方向に付勢され、回動扉71は覗き窓3に当接する閉位置(上)に至って静止する。一方、つまみ79を開位置(下)へ回動させると、L型アーム76は反時計回り方向に回動する。そして、リンク棒73のアーム連結部82が長孔80の押辺85に押され、図1に示すように、リンク棒73が時計回り方向に回動し、回動扉71も時計回り方向へ回動して突出部26の下方手前側へ隠れて、グリル庫21内の様子をグリル庫21の奥の方まで良好に確認できるようになる。
また、支え板75の上部には、止片86が一体に形成される。そして、つまみ79を下まで押しきって回動扉71を全開にすると、アーム連結部82の先端がこの止片86に当接する。
【0027】
また、L型アーム76には、連動棒87が取り付けられる。この連動棒87は、つまみ79を開位置(下)へ回動させて、L型アーム76を反時計回り方向へ回動させると前方へ引っ張られる。連動棒87の他端には、グリル庫21に固定された固定軸88を中心に回動して、ガス量制限機構5の開成棒62を押す回動体89が取り付けられる。従って、回動扉71を開けようと、つまみ79を開位置(下)に回動させると、連動棒87が前方へ引っ張られ、回動体89が回動して、連動棒87が取り付けられた方とは反対の面で開成棒62を押す。
【0028】
上述したグリル2によれば、操作ボタン14cを押すと、バーナ22へのガス流路を開閉するマグネット安全弁52、主開閉弁53が開弁され、燃料ガス(元圧P1)が、図4の実線矢印で示されるように、ガスガバナ54で2次圧P2(<P1)まで減圧されてバーナ22から噴出されると共に、点火電極の連続放電により点火する。尚、ガス量調整弁57で2次圧P2を調整して火力を調節できる。以下、特に説明がない場合は、ガス量調整弁57を全開にして最大火力で使用していることとする。
調理中にバーナ22で発生した高温の燃焼排気は、いったんグリル庫21の上部に溜まり連通口43から溢れて、排気室42を介して排出される。従って、被調理物Fは、輻射熱と滞留した排気熱とにより加熱され、被調理物Fが効率良く調理される。
【0029】
通常、つまみ79は閉位置にあり、回動扉71が閉まっているため、調理中に被調理物Fからの焼き脂や油煙が窓板31に付着することはない。調理の様子を確認したい時は、つまみ79を開位置へ操作することにより回動扉71を開けグリル庫21内を覗くことができる。確認後、つまみ79から手を離すとコイルバネ84の付勢力により自動的に閉位置に戻り、回動扉71が閉まって再び窓板31が油によって汚れることを防止する。
【0030】
また、通常は、ガス量制限機構5の戻しバネ63の付勢力により開成棒62は切替弁56を押していない。この切替弁56が閉成バネ61の付勢力により閉成されているため、燃料ガスは、ガスガバナ54を迂回することはできず、減圧される。
【0031】
そして、調理の様子を確認したい時に、つまみ79を開位置に操作して回動扉71を開けると、連動棒87を介してその動作に連動して回動体89が開成棒62を押すことによって、図6に示されるように、開成棒62が切替弁56を開成する。すると、燃料ガスは、迂回路55を通り、減圧されることなく、図4の破線矢印で示されるように、元圧P1のままバーナ22へ供給される。つまり、ガスガバナ54によるガス供給圧の制限が一時的に解除される。
【0032】
バーナ22は、通常時よりもガス圧Pbが上昇してインプットIpが増加し、炎口負荷A(インプットIp/炎口の総面積S)も増加して、バーナ22のセラミックプレート表側(庫内側)の表面温度が850℃から950℃にまで上昇し、橙色から白色に変わりグリル庫21内を照明する。この結果、使用者は、覗き窓3を通して被調理物Fの焼け具合を良好に視認できる。
このように、つまみ79を操作するだけで、回動扉71の開操作とバーナ22へのガス量増量操作の両方を同時に行うことができるため、被調理物Fの調理状態を一操作で使い勝手よく確認できる。
【0033】
ここで、ガス量のアップ率と燃焼排ガスの理論COと庫内の明るさとの関係について図9を用いて説明する。
尚、理論COとは、不完全燃焼の程度を表す指数であり、燃焼排ガス中で検出されたCOとCOの値から次式で計算される。理論COの値が小さい方が発生するCOが少なく燃焼性能が良好な状態であることを示す。
理論CO=測定CO%×(CO2max/測定CO%)
CO2max:燃料ガスを理論空気比(λ=1)で完全燃焼させた場合に発生する二酸化炭素の濃度
【0034】
図9は、ガス量のアップ率を変化させて、燃焼排ガス中の理論COとグリル庫21内の明るさ(見えやすさ)を調べた実験結果を示している。尚、バーナ22から噴出するガス量はガス供給圧の平方根に比例するので、例えば、ガス量を2倍にするにはガス供給圧を2=4倍にする必要があり、ガス量を1.5倍にするにはガス供給圧を1.5=2.25倍にする必要がある。
本実験では、供給ガス種として都市ガス(13Aガス)を用い、ガス供給管51へのガス供給圧(元圧)P1は、一般家庭へのガス供給圧と同じ200mmHOとした。従って、グリル庫21内照明時のガス供給量を通常使用時のガス供給量の例えば2倍にしたい時には、ガスガバナでガス供給圧P1をP2=200/4=50mmHOに絞る必要があり、例えば1.5倍にしたい時には、P2=200/2.25=88.9mmHOに絞る必要がある。
明るさ曲線は、ガスガバナ54によるガス供給圧の制限を解除して、バーナ22へ200mmHOで供給した時のグリル庫21内の明るさを示しており、理論CO曲線は、ガスガバナ54でガス供給圧を絞った通常使用時における燃焼排ガスの理論COの値を示している。また、通常使用時のガス供給圧が変わっても、その時のガス供給量が一定(従来のグリルの最大ガス供給量)となるように、ノズル径を調整している。つまり、通常使用時の火力は、従来のグリル同様の火力を維持して、照明時のみ火力をアップさせる。
【0035】
この実験結果から、ガス量のアップ率が1.6倍よりも大きくなるとグリル庫21内に十分な明るさが得られることが分かる。また、理論COが0.085%以下であれば燃焼が良好であるとすると(法規での排出基準は0.14%以下であり、余裕度を加味して本実施形態では基準を0.085%以下とした)、ガス量のアップ率が2倍を越えるとこの基準をオーバーしてしまい、燃焼性能が急激に悪化していることが分かる。
【0036】
これは、照明時にガス供給量が2倍以上に増量されるようにする、すなわちガスガバナ54で通常使用時のガス供給圧P2を元圧P1の1/4以下に絞ろうとすると、ガス供給圧P2が小さくなりすぎ(50mmHO以下)、一次空気を十分に吸引できなくなってしまうからである。本実施形態のような自然燃焼式のバーナ22では、一次空気は、ノズルから噴出するガスの勢い(噴流)によって吸入されるため、バーナ22へのガス供給圧が小さくなるとガスの勢いが弱くなり一次空気が吸入されにくくなる。
逆に、十分な一次空気吸引性能を得ようと、通常使用時のガス供給圧であるガスガバナ54で絞ったガス供給圧P2を高く設定しすぎ、照明時に増量されるガス量が1.6倍よりも小さくなる、すなわちガスガバナ54で通常使用時のガス供給圧P2を元圧P1の1/2.56以上にしか絞らないと(ガス供給圧P2は78mmHO以上)、グリル庫21内照明が不十分となる。
【0037】
表1は、本実施形態でのバーナ22へ供給されるガス圧Pb、炎口負荷A(=Ip/S)、インプットIp、一次空気過剰率λを通常時(照明操作をしていない時)と照明時とに分けて示したものである。尚、バーナ22の炎口の合計面積Sは、3478mmである。
【表1】
Figure 2004305244
【0038】
通常使用時のガス圧P2は、ガスガバナ54で元圧P1の75/200=3/8(1/4<3/8<1/2.56)に絞られているため、通常使用時の燃焼性能を良好に維持したまま、照明時にはグリル庫21内を十分に明るくでき、庫内が非常に見えやすくなる。このように、通常使用時のガス供給圧P2を元圧P1の1/4〜1/2.56倍に制限する、すなわち、照明時のガス供給量の増加率を2〜1.6倍に限定することによって、ガス供給量を絞った通常使用時の燃焼性能を良好に維持したまま、ガス供給量を増加させた照明時にはグリル庫21内を十分に明るく照らすことができるのである。
尚、通常使用時のガス供給圧P2を元圧P1の1/4〜1/2.56倍の範囲に制限するというのは、最大火力の時の制限値であり、火力調節によって火力を弱くした時にはガス供給圧P2はさらに絞られる。
【0039】
調理具合の確認後、つまみ79から手を離すと、連動して回動体89が開成棒62を押すことを止めるので、戻しバネ63の付勢力により開成棒62が自動的に元の位置に戻り、戻しバネ63により切替弁56が閉じ、燃料ガスは再びガスガバナ54で減圧され、元のガス量に戻り、バーナ22のセラミックプレートは、橙色に戻る。つまり、つまみ79を操作しない限り、ガス量は増加しない。
このように、被調理物Fの焼け具合を確認したい時だけガス量を増加させて炎口負荷を上げグリル庫21内を明るく照らすため、バーナ22の耐久性に悪影響を与えることはなく、長期に渡ってグリル照明を行うことができる。
しかも、グリル庫21内の観察には1〜2秒程度しかかからず、インプットを上昇させる時間が短いため、被調理物Fを焦がすことがなく、調理性能を維持できる。
【0040】
更に、バーナ22へ供給するガス圧Pbを上昇させるという簡単な構成でグリル庫21内を照らすため、特別な照明具を必要とせず、低コストでグリル照明を行うことができる。
加えて、照明具を用いないため、被調理物Fから飛散してきた焼き脂の付着により光の透過を遮って十分に照明できないという不具合がない。しかも、照明具の掃除をする必要もなく、便利である。
また、図示しない火力調節レバーを操作すると、通常使用時のバーナ22の火力を調節でき被調理物Fの微妙な焼き具合を調節できるが、ガス量調整弁57が迂回路55との合流点よりも上流側に設けられているので、火力調節レバーによる火力調節とは関係なく照明時の明るさを一定に保つことができる。従って、大火力で使っている時も小火力で使っている時も、照明時には十分な明るさを得ることができ、良好にグリル庫21内を確認できる。
【0041】
また、回動扉71を開操作する時に、つまみ79を下まで押しきって回動扉71を全開にするとアーム連結部82の先端が止片86に当接するため、つまみ79をすばやく操作して回動扉71を勢いよく開けても、リンク棒73が軸孔83内で踊ってしまうことはなく回動扉71がバタつくことを防止できる。つまり、図10に示すように、リンク棒73にはL型アーム76に押されて上に行こうとする力が働いているため、アーム連結部82が止片86に当接すると、リンク棒73は軸孔83の上面におさえつけられるようになってバタつきが防止されるのである。従って、従来同様に、軸孔83や長孔80の大きさを製造上の余裕を持たせて、リンク棒73の太さよりも大きく設計して回動扉71がスムーズに動くようにしておいても、回動扉71のバタつきをしっかりとおさえることができる。
更に、リンク棒73を復元可能に弾性変形するバネ材で構成しておくと、図11に示すように、アーム連結部82が止片86に当接した際に、リンク棒73が弾性変形して全開位置における回動扉71へのL型アーム76を介しての操作力を吸収するので、回動扉71のバタつきをより一層抑えることができる。また、つまみ79から手を離すとアーム連結部82と止片86との当接がはずれ、リンク棒73は元の形に戻る。
【0042】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では、片面焼きグリルにおいて説明したが、焼網の上下にバーナを設けた両面焼きグリルに適用しても差し支えない。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のグリルによれば、扉開閉手段を勢いよく開操作しても、全開位置規制手段が回動扉の全開位置を所定位置に規制するため、回動扉が全開位置近辺でバタつくことはなく使い勝手がよい。
【0044】
更に、本発明の請求項2記載のグリルによれば、軸棒の曲折部が全開位置規制手段に当接した際に軸棒が弾性変形することによって、扉開閉手段をいきおいよく操作した時の操作力が吸収されるので、回動扉のバタつきを一層抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態としてのテーブルこんろを側面から見た断面図である。
【図2】本実施形態としてのテーブルこんろの外観図である。
【図3】本実施形態としてのグリルを側面から見た断面図である。
【図4】本実施形態としてのガス供給路の構成図である。
【図5】通常時のガス供給路の断面図である。
【図6】照明時のガス供給路の断面図である。
【図7】本実施形態としてのグリルを正面から見た断面図である。
【図8】本実施形態としての汚染防止機構の開閉機構を示す説明図である。
【図9】ガス量のアップ率と燃焼排ガスの理論COと庫内の明るさとの関係図である。
【図10】本実施形態としてのリンク棒が止片に当接する様子を説明する図である。
【図11】別の実施形態としてのリンク棒が止片に当接する様子を説明する図である。
【図12】従来例としてのグリルを側面から見た断面図である。
【図13】従来例としてのグリルを正面から見た断面図である。
【図14】従来例としての汚染防止機構の開閉機構を示す説明図である。
【符号の説明】
3…覗き窓、21…グリル庫、22…バーナ、71…回動扉、73…リンク棒、76…L型アーム、82…アーム連結部、86…止片、F…被調理物。

Claims (2)

  1. グリル庫内に載置された被調理物を加熱調理するガスバーナと、
    器体上面に設けられ、上記被調理物の調理具合を視認するための覗き窓と、
    上記覗き窓と上記グリル庫内の調理スペースとの間に回動することによって開閉可能に設けられ、閉状態である時は上記被調理物から飛散してくる油の上記覗き窓への付着を防止する回動扉と、
    上記回動扉を軸支し、該回動扉の回動の中心となるとともに、その端部が曲折されて曲折部を形成した軸棒と、
    上記軸棒の曲折部と係合し、上記軸棒を動かすことによって、上記回動扉を回動させる扉開閉手段と
    を備えたグリルにおいて、
    上記軸棒の曲折部に当接してそれ以上の回転を規制することによって、上記回動扉の全開位置を規制する全開位置規制手段を設けたことを特徴とするグリル。
  2. 上記軸棒は、弾性変形する材料からなり、上記全開位置規制手段に当接した時に、弾性変形して上記扉開閉手段による上記回動扉への開操作力を吸収することを特徴とする請求項1記載のグリル。
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