JP4216996B2 - バーナ及び該バーナを備えたグリル - Google Patents

バーナ及び該バーナを備えたグリル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全一次空気式自然燃焼バーナとそのバーナを備えたグリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、燃焼ガスをこもらせて、被調理物を全面より加熱調理する、いわゆる、こもり焼のできるガスグリルにおいては、燃焼時に新鮮な二次空気を必要としない全一次空気式バーナが用いられてきた。
また、このようなグリルは、少ないガス消費量で加熱調理でき、省エネタイプのグリルとして高く評価されており、被調理物の焼き脂を受ける受皿への輻射加熱を抑えることにより、受皿に水を張らない水無しグリルとして適正に使用でき、被調理物をこんがりと焼くことができる。
【0003】
図8は、この水無しグリルの側面図を示している。
グリル40は、被調理物Fを載せる焼網51と、焼網51を載せたまま手前にスライドして引き出す受皿52と、燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱する全一次空気式のグリルバーナ70と、これらを収めるグリル庫50と、グリル庫50の背部に設けられグリルバーナ70の燃焼により発生した燃焼ガスを器体外に導く排気室62とから構成され、排気室62の上端には、排気口61が開口される。
【0004】
グリル庫50と排気室62とを仕切る仕切壁63には、連通口64が開口され、その開口部上端が焼網51における被調理物Fの載置面より少し低い位置となるように形成される。また、グリル庫50の底面には、排気室62底部と連通して冷却通路53が設けられ、その前部には外部空気が冷却通路53に進入できる空気導入口54が開口される。
【0005】
このグリル40に点火操作が行われると、グリルバーナ70から噴出される燃料ガスに着火して燃焼が開始される。
発生した燃焼ガスは、グリル庫50上方にこもり、被調理物Fを燃焼熱によって包み隅々まで加熱して良好に調理し、その後、連通口64へあふれて排気室62に流入し、ドラフト力により排気室62内を上昇して器体外へ流出する。これに伴って外部空気が、空気導入口54から流入し、冷却通路53に吸引されて受皿52を冷却して受皿52の過熱を防止するため、水無しグリルとして適正に使用できる。
【0006】
このグリル40は、グリルバーナ70に燃焼時に新鮮な二次空気を必要としない全一次空気式バーナを用いているため、燃焼を良好に維持したままグリル庫50内に燃焼ガスをこもらせることができ、少ないガス消費量で被調理物Fを加熱することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなこもり焼タイプのグリルは、ガス消費量が少なくても良好に調理できることから燃焼能力が抑えられている。このため、グリル庫内が高温状態になるまでに時間を要し、一般的なグリルよりも調理時間が長くなる傾向があった。そこで、グリル庫内に燃焼排気が充満して高温になるまでの間、バーナに供給されるガス量を増加させて燃焼能力を大きくすれば、上記問題は解決できるものの、全一次空気式バーナでは、ターンダウン比(燃焼増減幅)を大きくとることができないので、困難な問題があった。
なぜなら、全一次空気式バーナの火力調整は、ニードル弁開度の調整によってノズルへのガスの供給圧を下げてガス供給量を減らすことによって行っているが、ノズルへの供給圧を下げてガス量を絞ると噴出圧が下がってしまうことにより、一次空気吸引量が大幅に減少してしまい、燃焼が悪くなり、不完全燃焼の原因となる。
例えば、ガス供給量を2分の1にまで絞ろうとすると、一次空気吸入量は、その二乗に比例して4分の1にまで低下してしまい、良好な燃焼を維持できない。そのため、現状の全一次空気式バーナにおいては、ガス量を絞る許容限界は80%程度に制限されていた。
【0008】
この結果、このようなこもり焼タイプのグリルでは、グリル庫内が高温状態になるまでグリルバーナを強火にしておき、高温になったら火力を弱めて通常の省エネ運転にするといったことができず、グリル庫を高温にするのに多くの時間を要し、一般的なグリルよりも調理時間が長くなる傾向となっていたのである。
本発明のバーナは上記課題を解決し、全一次空気式のバーナのターンダウン比を大きくすること、及び、そのバーナを用いてグリルのガス消費量を抑えつつ調理時間を短縮することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のバーナは、
ノズルから燃料ガスをバーナ本体内に噴出するとともに、該燃料ガスの噴出に伴って燃焼に必要な燃焼用空気を吸引し、この混合気を炎口の表面付近で燃焼させる全一次空気式のバーナにおいて、
上記ノズルを1つのバーナ本体に対して複数設けるとともに、各ノズルの周囲に該ノズルから噴出される燃料ガスを完全燃焼させるのに十分な量の一次空気がとりこめる空気吸入口と、各ノズルへの燃料供給路の少なくとも一部を独立して開閉するガス開閉手段とを備え、
上記ガス開閉手段により上記ノズルへの燃料ガス供給パターンを切り替えて、上記バーナ本体への燃料ガス供給量を調整することにより、該調整にあわせて上記バーナ本体への空気供給量調整を追従させたことを要旨とする。
【0010】
また、本発明の請求項2記載のバーナは、上記請求項1記載のバーナにおいて、
上記複数のノズルに対して共通の上記空気吸入口を設けることを要旨とする。
【0011】
また、本発明の請求項3記載のグリルは、
被調理物を収納して加熱調理するためのグリル庫と、燃料ガスを燃焼するグリルバーナと、該グリル庫に併設された排気室と、該グリル庫と該排気室とを連通する連通口とを備え、
上記グリルバーナの燃焼ガスを上記グリル庫内に充満させると共に、該充満した燃焼ガスを上記連通口から上記排気室にあふれさせるように排気経路を形成したグリルにおいて、
上記グリルバーナとして請求項1記載のバーナを用いることを要旨とする。
【0012】
また、本発明の請求項4記載のグリルは、上記請求項3記載のグリルにおいて、
グリル庫内の加熱状態を検知する状態検知手段と、
上記状態検知手段により検知された加熱状態に応じて上記ガス開閉手段を作動させ、グリル庫内が低温状態にあればバーナ本体への燃料ガス供給量を増大側に切り替え、グリル庫内が高温状態になれば該燃料ガス供給量を減少側に切り替える自動切替手段とを備えたことを要旨とする。
【0013】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のバーナによれば、ガス開閉手段により、同一バーナに対して備えられた複数個のノズルへの燃料ガスの供給パターンを切り替えて火力調節する。この時、各ノズルから噴出する燃料ガス量に対して、完全燃焼させるのに十分な一次空気を吸引できるため、燃料供給パターンを切り替えても、常にその燃料量に応じた十分の一次空気が吸入され、燃焼性能が常に良好に保たれる。
【0014】
例えば、1つのバーナ本体に対して同一の2つのノズルが設けられている場合を考えると、一方のノズルへのガスの供給をガス開閉手段によって止めて、バーナ本体に供給されるガス量を2分の1にしても、吸引される一次空気量も2分の1になるだけであり、燃焼性能を良好に維持したまま燃焼能力を大幅に切り替えることができる。
この結果、大きな燃焼能力を必要とする時には、全てのノズルにガスを供給し、小さな燃焼能力を必要とする場合には、一部のノズルへのガスの供給を止めることによって、燃焼性能を良好に維持したまま全一次空気式バーナにおける火力調節が可能となる。
【0015】
また、本発明の請求項2記載のバーナによれば、複数のノズルへの空気吸入口を共通化しているので、バーナ本体の構造が簡略化できる。
【0016】
また、本発明の請求項3記載のグリルによれば、バーナの燃焼により発生した燃焼ガスがグリル庫内に充満して排気室からあふれるように排気経路が形成されるため、被調理物はこの充満した燃焼ガスにより、こんがりと均一に加熱調理される。そして、グリルバーナとして請求項1記載のターンダウン比の大きな全一次空気式バーナを備えることにより、大幅な火力調節が自由に行えるので、調理にあわせて適切な火力を用いることができる。従って、こもり焼タイプのグリルであっても、火力調節により調理開始時の立ち上がり(庫内温度上昇)を早くすることができる。
【0017】
また、本発明の請求項4記載のグリルによれば、状態検知手段によって検知されたグリル庫内の加熱状態に応じて、グリルバーナの燃焼能力を、低温であれば大能力へ、高温であれば小能力へ、自動切替手段を用いて自動で切り替えることができる。従って、グリルバーナの点火初期は、通常能力よりも大きな能力で燃焼させて、短時間でグリル庫内に燃焼ガスを充満させて高温状態にすることができ、庫内温度が所定温度よりも高温となった後は、通常能力燃焼に切り替えて、グリル庫内に充満した燃焼ガスで被調理物を包んで隅々まで加熱し、本来の省エネタイプの機能を有効に活かすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のバーナ及び該バーナを備えたグリルの好適な実施形態について説明する。
【0019】
本発明の一実施形態としてのグリルについて図1〜図7を用いて説明する。
図4は、グリル付きテーブルこんろの外観図を示している。
テーブルこんろは、トッププレート41に2組のこんろバーナ43a,43bが設けられ、それらの周囲に設けられた五徳44a,44b上に図示しない調理鍋を載せ、テーブルこんろの前面に設けられる操作ボタン42a,42bを押すことによりそれぞれのこんろバーナ43a,43bが点火され、調理鍋が加熱されるものである。こんろバーナ43a,43b間の器体の中心部には、魚等の被調理物Fを焼くためのグリル40が設けられ、操作ボタン42cを押して点火し加熱調理が行われる。
【0020】
このグリル40は、図2及び図3に示すように、被調理物Fを収納して加熱するグリル庫50を備える。
このグリル庫50は、上下左右側面に設けられ燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱する全一次空気式のグリルバーナ70と、中段位置に被調理物Fを載せる焼網51と、底面に設けられ焼網51を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿52とを備える。受皿52は、被調理物Fから落下する焼脂Gを受けるための浅い皿で、上面がフッ素コーティングしてある。
【0021】
グリル庫50の正面中央には、受皿52と一体的に固定され受皿52を手前に引き出す取手45と、受皿52を引き出す時に連動して開閉する開閉扉46とが設けられ、その開閉扉46にはガラス製の覗き窓46aが設けられる。
取手45を手前に引き出すと、取手45に固定された受皿52がグリル庫50の底面をスライドし、受皿52に載置された焼網51が同時に引き出される。
【0022】
グリル庫50の上段左右側面には、グリルバーナ70が設けられ、このグリルバーナ70は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面を有し、燃焼に必要な空気のほとんどを一次空気として吸入する全一次空気式自然燃焼バーナで、その燃焼面はグリル庫50の奥行方向に沿って形成され、鉛直面に対してやや上方に傾けて設けられる。
グリル庫50の天井部となるグリル天板55は、正面から見てV字形状に形成され、中央が下がっている。被調理物Fは、主に、破線矢印で示される燃焼ガス対流と、グリルバーナ70からの輻射熱とにより加熱される。
【0023】
グリル庫50の後方には、上方に開口する排気口61を備えた排気室62が仕切壁63を介して並設され、この仕切壁63の下部にグリル庫50と連通する連通口64が開口する。
排気室62の上部には、複数の通気孔を形成する多孔板を用いて形成したステンレス製の遮炎装置65を、排気室62を流れる燃焼ガスの全てが多孔板を通過するように燃焼ガスの流れ方向に沿って設置する。
また、グリル庫50の底面には、排気室62底部と連通して冷却通路53が設けられ、その前部には外部空気が冷却通路53に進入できる空気導入口54が開口される。
【0024】
次に、グリルバーナ70へのガス供給系について図1、図5、図6を用いて説明する。
グリル40のガス供給路入口には、操作ボタン42cの操作に連動してガス流路を開閉するとともに火力調節ツマミ1の左右への操作に連動してガス量を調節する点滅器10が設けられる。尚、この時のガス調節量は燃焼を良好に保てる範囲の80%程度までとしている。この点滅器10は、ガス流路を開閉する開閉弁としてメイン弁12、マグネット弁13を備える。メイン弁12は、操作ボタン42cの押し操作に連動して点火レバー2を介して進退するスピンドル11の移動位置に応じて開閉する。一方、マグネット弁13は、スピンドル11の先端により弁体が押し開かれて開弁し、グリルバーナ70近傍に設けられる図示しない熱電対により炎検知して通電されている間開弁状態を保持する。
【0025】
マグネット弁13とメイン弁12とが共に開弁することにより、点滅器10に供給されたガスをガスガバナ15→火力調節弁14→ガス導管3を介してグリルバーナ70に送るガス流路が形成される。ここでガスガバナ15は、供給されるガスの最高ガス圧を制限して、その下流側が一定のガス圧となるよう調節する。また火力調節弁14は、火力調節ツマミ1の左右への操作に連動して上下に慴動するニードル弁の位置により流路面積を調節してグリルバーナ70での若干の火力調節を可能としている。尚、点滅器10には点火時の操作ボタン42cの押し操作の間オンするマイクロスイッチ4が設けられる。このマイクロスイッチ4がオンしている間図示しない乾電池の電圧が図示しない点火用イグナイタに印加されて高電圧を発生し、グリルバーナ70近傍に設けられる電極72が連続的にスパークする。
【0026】
各グリルバーナ70は、途中で2本に分岐されたガス導管3a,3bのそれぞれの先端部分に設けられる2つのノズル71a,71bと、そのノズル71a,71bから噴主するガス及びその際吸引される一次空気からなる混合ガスを流入させるバーナ本体73と、バーナ本体73の開口に設けられ多数の炎口を有するセラミックプレート74とからなる。また、各バーナ本体73には、それぞれ2つの吸入部75が設けられ、ノズル71a,71bのうちの一方がそれぞれ挿入される。この吸入部75のノズル71a,71bの周囲には、噴主するガスに対して十分な一次空気を吸入できる空気吸入口76が設けられる。ノズル71a,71bからバーナ本体73にガスが噴出すると、燃焼に必要な全空気が一次空気として空気吸入口76から吸入され、バーナ本体73で混合されてセラミックプレート74の表面に噴出する。そして、点火用イグナイタの作動によりセラミックプレート74の表面付近に直接スパーク点火して着火させる構成となっている。
【0027】
点滅器10とグリルバーナ70との間には、ガス導管3の流路をガス導管3aとガス導管3bとに分岐する分岐部7と、各グリルバーナ70の片側のノズル71aへのガス供給を独立して給断するガス開閉機構100が設けられる。分岐部7は、ガス導管3が接続されガス入口部となるガス流路8と、ガス導管3a及びガス導管3bがそれぞれ接続されガス出口部となるガス流路8a及びガス流路8bとを備える。ガス開閉機構100は、2方へ分岐されたガス流路の一方の流路8aの開閉を行う開閉弁部20と、開閉弁部20を動かす弁駆動装置30とからなる。
開閉弁部20は、分岐された一方のガス流路8aを開閉する進退可能に設けらた開閉スピンドル21と、開閉スピンドル21をガス流路8aとは反対側へ付勢するバネ22と、バネ22の外周を覆って開閉スピンドル21のガス流路8aとは反対側への移動を規制する蓋23とからなる。また、開閉スピンドル21の先端には、ガス流路8aを遮断するための開閉弁体24が設けられる。
【0028】
一方、弁駆動装置30は、有底箱体31と蓋体32との間に皿バネ35を挟んで構成され、箱体31には、戻しバネ33をガイドする皿部34aを有する駆動スピンドル34が、箱体31の底部開口で挿通され進退可能となるように設けられる。この戻しバネ33は、皿部34aを介して皿バネ35を蓋体32側に付勢する。蓋体32内には、箱体31方向に皿バネ35を押す押し棒36が設けられ、蓋体32底面には、容積が変化するベローズ37が押し棒36と一体となって設けられる。
【0029】
グリル庫50後部の排気室62上部には、感熱部5が設けられ、毛細管のように径の細いキャピラリーチューブ6により弁駆動装置30のベローズ37と接続され、水が感熱部5、キャピラリーチューブ6、ベローズ37の共通空間に充満される。
【0030】
上述した構成のグリル40では、グリル庫50が所定温度以下となる低温時では、図5に示されるように、弁駆動装置30の戻しバネ33が駆動スピンドル34を蓋体32側に付勢するため、開閉弁部20の開閉スピンドル21はバネ22によって蓋23側に付勢されたままとなる。つまり、開閉スピンドル21の先端に取り付けられた開閉弁体24はガス流路8aを閉じないので、両方のノズル71a,71b共にガスが供給される。従って、グリルバーナ70の点火初期には、ガス供給量が多く、さらに、各ノズルへの供給圧も十分な一次空気を供給するだけの大きさがあるために、グリルバーナ70が大能力で良好に燃焼して速やかにグリル庫50を高温状態に加熱する。
【0031】
そして、グリル庫50内が高温に達すると、感熱部5内の水は気化し、その体積を増して弁駆動装置30のベローズ37を伸張させて、図6に示すように、押し棒36を介して皿バネ35を箱体31側(圧縮方向)に押す。この押し力が所定レベルに達すると、皿バネ35が一気に変形して駆動スピンドル34の皿部34aを箱体31側に押し、駆動スピンドル34が開閉スピンドル21をガス流路8a側に押し込むので、開閉弁体24によってガス流路8aが閉じられ、グリルバーナ70に備えられた2つのノズル71a,71bのうち一方のノズル71aへのガスの供給が断たれる。従って、グリル庫50内が高温に達した後は、グリルバーナ70へのガスの供給量が減少し、さらに、ノズルへの供給圧を絞ってガスの供給量を減らしているわけではないので、一次空気も片側のノズルから供給されるガス量に対して十分な量で供給され、燃焼性能を良好に維持しながら通常能力で燃焼する。
【0032】
次に、このグリル40の作動を説明する。
メイン弁12とマグネット弁13とが共に閉弁している状態で操作ボタン42cがいっぱいまで押されると、スピンドル11が移動してメイン弁12が開弁し、スピンドル11の先端でマグネット弁13が押し開かれてメイン流路が形成されて、グリルバーナ70にガスが供給される。この時、マイクロスイッチ4がオンされて図示しない点火用イグナイタが作動し、電極72からの連続スパークによりグリルバーナ70に直接点火される。そして図示しない熱電対が炎を検知すると、マグネット弁13の開弁状態が保持される。
【0033】
この際、各グリルバーナ70に設けられた2つのノズル71a,71bへ、同じガス供給圧力でガスが供給されるので、通常燃焼時に比べて大きな能力でグリルバーナ70を燃焼させることができ、グリル庫50内を短時間で高温にすることができる。
そして、グリル庫50後部の排気室62上部に設けられた感熱部5の温度が所定レベル以上になると、ガス開閉機構100によって一方のガス流路8aがふさがれ、1つのグリルバーナ70に設けられた2つのノズル71a,71bのうち、一方のノズル71aへのガスの供給が遮られ、グリルバーナ70へのガスの供給量が減少する。この時、ノズルへのガスの供給圧を絞ってグリルバーナ70へのガスの供給量を減少させているわけではないので、グリルバーナ70には、十分な一次空気が供給され、良好な燃焼性能を維持しながら通常能力で燃焼する。
【0034】
発生した燃焼ガスは、高温であるため図2、図3中の破線矢印に示すように、連通口64より上方のグリル庫50内で充満したのち連通口64から排気室62にあふれて、上方の排気口61より外部へ排出される。
【0035】
従って、グリル庫50の上部に溜まった高温の燃焼ガスにより被調理物Fを加熱するため、熱エネルギーを有効に利用できガス消費量が少なく省エネとなる。また、グリルバーナ70から遠いために輻射熱による受熱が少ない中央部分に載置された被調理物Fにも、燃焼ガスの対流により加熱が補われ、被調理物F全体がより均一に焼ける。しかも、グリル天板55がV字状に形成されているため、燃焼ガスを図中破線矢印に示すように一層効果的に中央部分に集めることができ、より均一に加熱できる。
【0036】
こうしたこもり焼調理において、燃焼ガスがグリル庫50内を充満し、連通口64からあふれ出ると、排気室62内の空気の温度が上昇し、排気口61の上流(排気室内)と下流(器体外部)との間に大きな温度差が生じて、排気室62内で上向きの十分なるドラフト力が発生する。この十分なドラフト力により、燃焼ガスが排気室62を通ってグリル外部へ円滑に排出されると共に、グリル庫50底面の空気導入口54から外部空気が冷却通路53に吸引され、受皿52下面に沿って流れて受皿52を冷却する。
【0037】
こうして、グリル40は、受皿52に水を張らない水無しグリルとして適正に利用でき、被調理物Fをこんがりと焼くことができる。
また、グリルバーナ70を消火し忘れる等により、落下した焼脂Gや乾燥した被調理物Fが過熱状態となって、万が一グリル庫50内で発火した場合でも、排気室62に多孔板で形成された遮炎装置65を設けているため、その火炎は遮炎装置65で遮られ、排気口61から器体の外部へあふれることはなく、極めて安全性が高い。
【0038】
上述したグリルバーナ70によれば、1つのグリルバーナ70に対して2つのノズル71a,71bが設けられており、その内の一方のノズル71aへのガス流路8aの開閉を、ガス開閉機構100を用いて行うことにより、グリルバーナ70へのガスの供給量を大きく2段階に切り替えることができる。この時、ノズルへのガスの供給圧を変えることによってガスの供給量を切り替えているわけではなく、ノズルへの供給圧は、常に十分な一次空気が供給できる大きさで一定であり、空気吸入口76から十分な一次空気が吸引されるため、良好な燃焼性能を維持したまま燃焼能力を切り替えることができる。さらに、火力調節ツマミ1によって、ノズルへの供給圧の微調節が可能であり、これによっても燃焼性能が良好に保てる範囲(ガス量を絞る許容限界は80%程度)での、火力調節が可能である。例えば、2つのノズル71a,71bとして同じものを用い、ノズルへの供給圧を同一とした場合を考えると、1つのノズル71aへのガスの供給を止めるとノズルバーナ70へのガス供給量は50%に減少し、さらに、火力調節ツマミ1によりノズルへの供給圧を燃焼許容限界まで絞れば、ガス供給量は最初の40%となる。すなわち、このグリルバーナ70では、燃焼性能を良好に維持したまま燃焼能力をMAX時の40%まで切り替えることが可能となる。
【0039】
この結果、点火開始からグリル庫50内の温度が所定レベルを越えるまでは、2つのノズル71a,71bからガスを供給して、大能力で燃焼してグリル庫50内の温度をすみやかに上昇させて調理時間を短縮できる。そして、グリル庫内50の温度が高温に達した後は、一方のノズル71aへのガスの供給を止めて、グリルバーナ70へのガス供給量を減らし、通常能力で燃焼してガス消費量を抑えることができる。
【0040】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では、弁駆動装置30を用いてグリル庫50内の温度に応じて自動で開閉弁部20を動かしているが、例えば開閉スピンドル21にレバーのようなものを取り付け手動で開閉スピンドル21を操作できるようにしてもよい。この場合には、グリル庫50内の温度に関係なく、グリルバーナ70の燃焼能力を切り替えることが可能となるため、使用者の要求に合せて強火と弱火を使い分けることができる。
【0041】
また、本実施形態では、1つのバーナ本体73に対して2つの吸入部75を設け、各吸入部75ごとに1つのノズル71を設けているが、図7に示すように、1つの吸入部75aに2つのノズル71a,71bを並べて挿入する構造であってもよい。この場合、バーナ本体73の構造が単純になり、製造コストを下げることができる。
また、本実施形態では、1つのグリルバーナに対して、2つのノズルが設けられているが、3つ以上であってもかまわない。この場合は、より細かく、広範囲の火力調整が可能となる。
また、本実施形態では、2つのノズルとして同一のものが用いられているが、例えば、ガスの噴出量が8:2となるような異なるノズルを用いてもよい。
また、本実施形態では、排気室62に感熱部5を設けたが、グリル庫50内に設けてグリル庫50内の温度を直接検知してもよく、ようするに、グリル庫50内の温度が所定温度より高いのか低いのかを検知できればよい。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のバーナによれば、1つのバーナに対して複数個のノズルを設け、各ノズルへのガスの供給パターンを切り替えることによってバーナへのガス供給量を切り替えるため、ガス供給量を変化させても空気吸入口から燃焼に必要な一次空気を十分吸引して、燃焼性能を良好に維持できる。すなわち、燃焼性能を良好に維持したまま、ターンダウン比を大きくできる全一次空気式バーナを提供することができる。
【0043】
更に、本発明の請求項2記載のバーナによれば、複数のノズルへの空気吸入口を共通化しているので、バーナ本体の構造が簡略化でき、製造コストを抑えることができる。
【0044】
更に、本発明の請求項3記載のグリルによれば、グリル庫内に充満させた燃焼ガスにより加熱調理するので、被調理物はこんがりと均一に加熱調理されるとともに、燃焼ガスの消費量を抑えることができ省エネルギーとなる。さらに、グリルバーナとして請求項1記載のターンダウン比が大きくとれる全一次空気式バーナを備えているので、大幅な火力調節が自由に行えるため、調理にあわせて適切な火力を用いることができ、調理性能を向上させることができる。そして、このようなこもり焼タイプのグリルであっても、火力調節により調理開始時の立ち上がり(グリル庫内温度上昇)を早くすることができる。
【0045】
更に、本発明の請求項4記載のグリルによれば、グリル庫内の温度に応じて自動でグリルバーナの燃焼能力が切り替わる。このため、こもり焼グリルの調理の立ち上がり遅れを補うために、使用者がわざわざ強火に切り替える手間がいらず、使い勝手がよい。さらに使用者のカンで燃焼能力を切り替えずに、グリル庫内の温度によって切り替えるので、ガス消費量を抑えつつ調理時間を短縮する精度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のグリルの概略構成図である。
【図2】本実施形態のグリルを側面からみた断面図である。
【図3】本実施形態のグリルを正面からみた断面図である。
【図4】テーブルこんろの外観図である。
【図5】本実施形態のガス開閉機構を側面からみた断面図である。
【図6】本実施形態のガス開閉機構を側面からみた断面図である。
【図7】1つの吸入部に2つのノズルを挿入した場合のグリルバーナを側面からみた断面図である。
【図8】従来例のグリルを側面からみた断面図である。
【符号の説明】
3,3a,3b…ガス導管、5…感熱部、7…分岐部、8,8a,8b…ガス流路、20…開閉弁部、30…弁駆動装置、50…グリル庫、62…排気室、64…連通口、70…グリルバーナ、71a,71b…ノズル、73…バーナ本体、75,75a…吸入部、76…空気吸入口、100…ガス開閉機構。

Claims (4)

  1. ノズルから燃料ガスをバーナ本体内に噴出するとともに、該燃料ガスの噴出に伴って燃焼に必要な燃焼用空気を吸引し、この混合気を炎口の表面付近で燃焼させる全一次空気式のバーナにおいて、
    上記ノズルを1つのバーナ本体に対して複数設けるとともに、各ノズルの周囲に該ノズルから噴出される燃料ガスを完全燃焼させるのに十分な量の一次空気がとりこめる空気吸入口と、各ノズルへの燃料供給路の少なくとも一部を独立して開閉するガス開閉手段とを備え、
    上記ガス開閉手段により上記ノズルへの燃料ガス供給パターンを切り替えて、上記バーナ本体への燃料ガス供給量を調整することにより、該調整にあわせて上記バーナ本体への空気供給量調整を追従させたことを特徴とするバーナ。
  2. 上記複数のノズルに対して共通の上記空気吸入口を設けることを特徴とする請求項1記載のバーナ。
  3. 被調理物を収納して加熱調理するためのグリル庫と、燃料ガスを燃焼するグリルバーナと、該グリル庫に併設された排気室と、該グリル庫と該排気室とを連通する連通口とを備え、
    上記グリルバーナの燃焼ガスを上記グリル庫内に充満させると共に、該充満した燃焼ガスを上記連通口から上記排気室にあふれさせるように排気経路を形成したグリルにおいて、
    上記グリルバーナとして請求項1記載のバーナを用いることを特徴とするグリル。
  4. グリル庫内の加熱状態を検知する状態検知手段と、
    上記状態検知手段により検知された加熱状態に応じて上記ガス開閉手段を作動させ、グリル庫内が低温状態にあればバーナ本体への燃料ガス供給量を増大側に切り替え、グリル庫内が高温状態になれば該燃料ガス供給量を減少側に切り替える自動切替手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載のグリル。
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