JP3747310B2 - ガスグリル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱庫内で魚等の調理物を加熱するガスグリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガステーブルこんろにおいては、魚等の調理物を加熱調理できるガスグリルを備えたタイプのものがある。こうしたガスグリルは、図4,図5に示すように、調理物12を載せる焼網90と、焼網90を載せたまま手前にスライドさせて引き出す受皿100と、ガスを燃焼させて調理物12を加熱するバーナ130と、これらを収める加熱庫70等から構成される。また、魚等の調理物12を加熱調理する際、油脂分即ち焼き脂4が受皿100に流れ落ちて底に溜まっていくが、もしこの焼き脂4がバーナ130の輻射熱により過熱されて発火すると、その燃焼炎により調理物12が焦げてしまうばかりでなく、ガスグリルの排気口140より炎があふれてしまことがある。そのため、受皿100には予め水を入れて焼き脂4が発火するのを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、調理に先立ち毎回受皿100に水を入れ、調理終了時に排水することはたいへん手間がかかる。しかも、受皿100に水を入れるのを忘れたり、繰り返し長時間使用して水が蒸発してしまった場合に、受皿100に溜まった焼き脂4がバーナ130の輻射熱で過熱され発火してしまうことがある。
【0004】
本発明のガスグリルは、上記課題を解決し、調理時に受皿に水を張る手間をなくし、使い勝手の良い安全なガスグリルの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のガスグリルは、
燃料ガスを燃焼し、燃焼に必要な空気全てが一次空気として供給される表面燃焼式のバーナを備えた加熱庫と、
上記加熱庫内で調理物を載置する焼網と、
上記調理物から落下する焼き脂を直接受けて溜める受皿と、
上記加熱庫の背部にあって連通口を介して上記加熱庫と連通し、上記バーナの燃焼排気を排出するための排気室とを備えたガスグリルにおいて、
上記バーナを、上記焼網よりも上方で上記加熱庫の左右の側面に、夫々燃焼面が斜め上方を向くように傾斜させて配置して、上記受皿の焼き脂への輻射加熱を軽減するとともに、上記連通口を、その開口上端が前記焼網よりも低くなる位置に形成して、上記左右のバーナの燃焼排気が上記加熱庫内に充満した後、上記連通口からあふれて背部の上記排気室に至る燃焼排気経路を形成することで、燃焼排気の対流により上記焼網上の調理物を加熱しつつ、上記受皿に溜まる焼き脂の過熱発火を防止可能としたことを要旨とする。
【0006】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のガスグリルは、焼網よりも上方で加熱庫の左右の側面に表面燃焼式のバーナを、夫々燃焼面が斜め上方を向くように傾斜させて配置し、そのバーナの燃焼による燃焼排気を、燃焼排気経路によって加熱庫内に充満させた後、開口上端が焼網よりも低い連通口から背部の排気室に至らせるため、この充満する燃焼排気中におかれた調理物は、燃焼排気の対流加熱によってすみずみまで良好に加熱調理されるとともに、調理物の下方の受皿に溜まった焼き脂はバーナにより輻射加熱されることがないため過熱発火が防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のガスグリルの好適な実施の形態について図を用いて説明する。
図1,図2は、一実施形態としてのガスグリルの概略構成図である。ガスグリル1は、ガステーブルこんろに設けられ加熱庫7を備えて魚等を加熱調理するものである。加熱庫7内には、中段に調理物12を載せる焼網9と、下段に焼網9を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿10と、上段にガスを燃焼させて調理物12を加熱する表面燃焼式のバーナ13とが設けられている。
【0008】
加熱庫7の背部には、上方に開口した開口部31を備えた排気室17が設けられ、連通口16により加熱庫7と連通する。連通口16は、焼網9より5〜10mm程度低い位置から底面まで開口を形成されている。
また、排気室17の後壁にはガイドが設けられ、加熱庫7の排気を行なう排気ボックス30がガイドに沿って上から着脱自在に挿着される。
排気ボックス30は、図3に示すように、上方に開口した排出口31aと、排気室17の連通口16と重合する排気入口33と、背後に上下方向に凹凸状のスライド部32とを備えた箱型の形状で構成される。
【0009】
焼網9は、複数のステンレス棒を溶接して格子(調理物の載置部)を形成し、格子の左右に焼網9を支える板状の脚9aを備え、受皿上に載置されている。
加熱庫7の正面中央には、受皿10と一体的に固定され受皿10を手前に引き出す取手6と、受皿10を引き出す時に連動して開閉する開閉扉8が設けられ、その開閉扉8にはガラス製の覗き窓8aが設けられる。
取手6を手前に引き出すと、取手6に固定された受皿10と、受皿10に載置された焼網9とが同時に引き出される。この時、受皿10は、加熱庫7底面をスライドする。また、加熱庫7の手前の底面には外部空気が進入できる隙間11が設けている。
【0010】
バーナ13は、加熱庫7の上部左右側面に設けられ、このバーナ13からの輻射熱と燃焼排気により調理物12が加熱される。バーナ13は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面13aを有する全1次空気式バーナで、燃焼面13aは、垂直面に対して30度上方向に傾斜させて設置される。
【0011】
焼網9に調理物12を載せバーナ13に点火して加熱調理を行なうと、調理物12は加熱され、水蒸気を発生するとともに調理物12の油脂分即ち焼き脂4が焼網9の間より下方の受皿10に落下する。また、飛び散った焼き脂4の一部が排気ボックス30の側壁面や底面に付着する。
高温の燃焼排ガスは、加熱庫7上部にたまり連通口16より排気ボックス30へあふれてから、ドラフト効果により上昇する。また、ドラフト効果により加熱庫7の手前の隙間11から外部の冷たい空気が吸引され、その空気は受皿10に沿って流れ、後方の排気ボックス30から排出される。
【0012】
また、バーナ13は加熱庫7の上部左右側面に設けられ、その燃焼面13aが垂直面に対して30度上方向に傾斜させているので、調理物12,焼き脂4への輻射加熱が弱くなる。しかも、冷たい外気が隙間11から供給され、受皿10に沿って流れ焼き脂4を常に冷却するので、焼き脂4の温度は発火点以下に保持される。また、調理物12は、バーナ13の輻射に頼ることなく、いったん加熱庫7上部に充満する高温の燃焼排ガスの対流によってすみずみまで加熱され、良好に調理される。また、バーナ13は、全1次空気式のものを用いているので、燃焼排ガスが加熱庫7内に充満しても燃焼用空気が不足するといったことはなく良好な燃焼が保たれる。また、バーナ13が加熱庫7の左右側面に設けられているので、上面に設けたタイプのものに比較して加熱庫7の高さがコンパクトにでき、加熱庫7内も広く利用できる。
【0013】
また、排気ボックス30は、排気室17に着脱自在に収納されており、凹凸状のスライド部32に沿って取り出し、容易に掃除することができるので、焼き脂4が排気室17に多く溜まってしまうといったことはない。
【0014】
ガスグリル1は、従来、調理物12に直接輻射熱を照射し受皿100には水を張って使用していたが、本実施例では、連通口16の開口上端を焼網9より5〜10mm程度低い位置に形成することにより、調理物12への加熱を燃焼排ガスの対流によって行ない、輻射熱を制限しているため、焼き脂4の温度が発火点まで上がることはない。また、排気ボックス30を着脱自在に収納しているので、排気入口が掃除のし難い下方位置にあっても排気ボックス30を取り外して丸洗いすることができる。
この結果、調理に先立ち、受皿10に水を入れたり、終了後に排水したりする手間が省けるので、使い勝手がよい。また、全1次空気式のバーナ13を加熱庫7上部側面に形成することによりコンパクトで良好な燃焼を実現している。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0015】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のガスグリルは、表面燃焼式のバーナを、焼網よりも上方で加熱庫の左右の側面に夫々燃焼面が斜め上方を向くように傾斜させて配置するのと併せて、燃焼排気経路によって加熱庫内に充満する燃焼排気の対流加熱で調理物を加熱調理するため、受皿への輻射加熱の制限と良好な調理とが可能となり、受皿に溜まった焼き脂の過熱発火が防止され、わざわざ受皿に水を張る必要はなくなり、その手間が省けて使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態としてのガスグリルの概略構成図である。
【図2】一実施形態としてのガスグリルの概略構成図である。
【図3】一実施形態としてのガスグリルの排気ボックスの概略図である。
【図4】従来のガスグリルの概略構成図である。
【図5】従来のガスグリルの概略構成図である。
【符号の説明】
1 ガスグリル
7 加熱庫
9 焼網
10 受皿
13 バーナ
16 連通口
17 排気室
Claims (1)
- 燃料ガスを燃焼し、燃焼に必要な空気全てが一次空気として供給される表面燃焼式のバーナを備えた加熱庫と、
上記加熱庫内で調理物を載置する焼網と、
上記調理物から落下する焼き脂を直接受けて溜める受皿と、
上記加熱庫の背部にあって連通口を介して上記加熱庫と連通し、上記バーナの燃焼排気を排出するための排気室とを備えたガスグリルにおいて、
上記バーナを、上記焼網よりも上方で上記加熱庫の左右の側面に、夫々燃焼面が斜め上方を向くように傾斜させて配置して、上記受皿の焼き脂への輻射加熱を軽減するとともに、上記連通口を、その開口上端が前記焼網よりも低くなる位置に形成して、上記左右のバーナの燃焼排気が上記加熱庫内に充満した後、上記連通口からあふれて背部の上記排気室に至る燃焼排気経路を形成することで、燃焼排気の対流により上記焼網上の調理物を加熱しつつ、上記受皿に溜まる焼き脂の過熱発火を防止可能としたことを特徴とするガスグリル。
Priority Applications (1)
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Family
ID=16731694
Family Applications (1)
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JP21919499A Expired - Fee Related JP3747310B2 (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | ガスグリル |
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JP (1) | JP3747310B2 (ja) |
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- 1999-08-02 JP JP21919499A patent/JP3747310B2/ja not_active Expired - Fee Related
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