JP2003144332A - グリル - Google Patents

グリル

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JP2003144332A
JP2003144332A JP2001350912A JP2001350912A JP2003144332A JP 2003144332 A JP2003144332 A JP 2003144332A JP 2001350912 A JP2001350912 A JP 2001350912A JP 2001350912 A JP2001350912 A JP 2001350912A JP 2003144332 A JP2003144332 A JP 2003144332A
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burner
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公一 光藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理性能を低下することなく、低コストで、
かつ長期に渡って、被調理物の焼け具合を良好に確認で
きるグリルを提供することを目的とする。 【解決手段】 通常は、閉成バネ41により切替弁48
は閉じており、燃料ガスは必ずガスガバナ33で75m
mHOまで減圧されてからバーナ20へ供給される。
調理の様子を確認したい時は、照明ボタン35を押して
連動棒42を介して切替弁48を開成することにより、
燃料ガスを減圧せずガス供給圧200mmHOのまま
バーナ20へ供給し、バーナ20の炎口負荷Aを増加さ
せる。この結果、バーナ20のセラミックプレートの表
面温度が上昇し、橙色から白色に変わりグリル庫12内
を照明する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚等の被調理物を
グリル庫内で加熱調理するグリルに関し、特にグリル庫
内を照明する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からグリルは、例えば、グリル庫か
ら被調理物を出し入れするための開閉扉にガラス製の窓
を備え、調理中の被調理物の焼け具合を確認できるよう
に構成されている。しかしながら、室内が暗かったり、
室内照明を背にしてグリル庫を覗く場合には、グリル庫
内に十分な採光が得られず、グリル庫内の様子が分かり
にくかった。
【0003】被調理物の焼け具合を確認し易くする方法
として、例えば、グリル庫内に設けられた照明用のセラ
ミック棒を調理加熱用のブンゼンバーナを利用して加熱
し赤熱させてグリル庫内を照らす方法がある。
【0004】しかしながら、セラミック棒は、グリル庫
内に設けられるため、被調理物を出し入れする際に当た
って、欠けたり割れてしまうことがあり、長期に渡って
良好にグリル照明をすることは難しかった。
【0005】また、グリルに新たに照明部材を設けるの
ではなく、グリルのバーナ自体にセラミックを用いて照
明する方法もある。このセラミックバーナは、全一次空
気式で、セラミックプレートの表面で燃焼し、この表面
が赤熱し橙色になって、ブンゼンバーナよりも庫内を明
るくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この全
一次空気式セラミックバーナは、燃焼に必要な空気を全
て一次空気として取り入れるため、大きな燃焼面積を必
要として、火炎の表面積がブンゼンバーナといった他の
バーナよりも大きくなる。このため、熱が拡散され、し
かも、周囲の空気により冷却されてしまい、セラミック
プレートの表面温度が低下して、グリル庫内を明るく照
らすには十分とは言えなかった。
【0007】本発明のグリルは上記課題を解決し、調理
性能を低下することなく、低コストで、かつ長期に渡っ
て、被調理物の焼け具合を良好に確認できるグリルを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1記載のグリルは、グリル庫内に載置された
被調理物を加熱調理するガスバーナと、該被調理物の調
理具合を視認するための覗き窓と、該ガスバーナへのガ
ス供給圧を所定値以下に制限するガスガバナとを備えた
グリルにおいて、上記グリル庫内を照明する時は、上記
ガスバーナへのガス供給圧の制限を解除してガス供給圧
を増大させるガス圧増大手段を設けたことを要旨とす
る。
【0009】また、本発明の請求項2記載のグリルは、
上記請求項1記載のグリルにおいて、上記ガス圧増大手
段は、上記ガスガバナを迂回する迂回路と、上記グリル
庫内を照明する時のみ該迂回路を開く切替開閉弁とを備
えたことを要旨とする。
【0010】また、本発明の請求項3記載のグリルは、
上記請求項1または2記載のグリルにおいて、上記ガス
バーナに全一次空気式セラミックバーナを用い、上記グ
リル庫内を照明する時の炎口負荷Aと一次空気過剰率λ
との関係がA>2.5(λ−1.1)+0.3を
満たすことを要旨とする。
【0011】また、本発明の請求項4記載のグリルは、
上記請求項1〜3の何れかに記載のグリルにおいて、上
記ガスバーナに全一次空気式セラミックバーナを用い、
該セラミックバーナの燃焼プレートの燃焼面の正面に金
属細線を張設し、該金属細線を該燃焼プレート上に形成
される火炎であぶり赤熱させることによりグリル庫内を
照明することを要旨とする。
【0012】上記構成を有する本発明の請求項1記載の
グリルは、ガスガバナでガス供給圧を制限した状態でガ
スバーナへガスを供給し、適切な加熱量でグリル庫内の
被調理物を加熱する。この被調理物の調理具合を確認す
る時には、ガス圧増大手段によりガス供給圧の制限が解
除されてガスバーナへのガス供給量が増加し、ガスバー
ナが明るくなって、グリル庫内を照らす。
【0013】また、本発明の請求項2記載のグリルは、
通常は切替開閉弁を閉じており、ガスが迂回路を通らず
ガスガバナを通って減圧された状態でガスバーナへ供給
され、一方、被調理物の調理具合を確認する時には、切
替開閉弁を開いて、ガスが迂回路を通ってガス供給圧の
ままガスバーナへ供給され、グリル庫内が明るくなる。
【0014】また、本発明の請求項3記載のグリルは、
グリル庫内を照明する時に、全一次空気式セラミックバ
ーナの炎口負荷A(=インプット/炎口合計面積)と一
次空気過剰率λ(=実際に供給した一次空気量/理論
空気量)との関係がA>2.5(λ−1.1)
0.3を満たす。このため、炎口負荷が十分に高く、し
かも、一次空気過剰率λが1.1付近となり、セラミ
ックプレート表面温度が高くなってグリル庫内が明るく
なる。例えば、一次空気が不足すると、未燃ガス領域が
増えて火炎温度が下がってセラミックプレート表面温度
も低くなり、逆に一次空気量が非常に多いと、燃焼に用
いられない空気量が増えてセラミックプレートが冷やさ
れ表面温度が低くなって、グリル庫内照明が不十分とな
る。これに対して本発明ではグリル庫内を十分に照らす
ことができる。
【0015】また、本発明の請求項4記載のグリルは、
全一次空気式セラミックバーナの燃焼面の正面に熱容量
が非常に小さい金属細線が張設されているため、燃焼プ
レート上に形成される火炎により金属細線が良好に赤熱
されて温度放射による赤色の光を発生させる。従って、
ガスバーナへのガス供給量の増加によるグリル照明に加
えて、この金属細線による赤熱により、グリル庫を一層
明るくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明のグリルの好適
な実施形態について説明する。
【0017】《第1実施形態》本発明の第1実施形態と
してのグリルを備えたテーブルこんろについて図1〜図
6を用いて説明する。テーブルこんろは、図6に示され
るように、トッププレート10に2組のこんろバーナ7
4a,74bが設けられ、それらの周囲に設けられた五
徳75a,75b上に図示しない調理鍋を載せ、テーブ
ルこんろの前面に設けられる操作ボタン71a,71b
を押すことにより、それぞれのこんろバーナ74a,7
4bが点火され、調理鍋が加熱されるものである。こん
ろバーナ74a,74b間の器体の中心部には、魚等の
被調理物を焼くためのグリル1が設けられ、操作ボタン
71cを押して点火し加熱調理が行われる。
【0018】このグリル1は、図2に示されるように片
面焼きタイプのグリルで、被調理物Fを加熱調理するグ
リル庫12を備える。グリル庫12には、上段左右側面
に設けられ燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱する
バーナ20と、中段に設けられ被調理物Fを載せる焼網
22と、底部に設けられ焼網22を載せたまま手前にス
ライドさせて引き出すことができる受皿24とを備え
る。
【0019】グリル庫12の正面中央には、受皿24と
一体的に固定され受皿24を手前に引き出す取手62
と、受皿24を引き出す時に連動して回動しながら開閉
する回動扉61とが設けられ、その回動扉61にはガラ
ス製の前覗き窓61aが設けられる。取手62を手前に
引き出すと、取手62に固定された受皿24がグリル庫
12の底面をスライドし、受皿24に載置された焼網2
2が同時に引き出される。
【0020】グリル庫12の左右側面に設けたバーナ2
0は、多孔質セラミックスの平面プレートに多数の小炎
口を貫通させた燃焼面を有し、燃焼に必要な空気のほと
んどを一次空気として吸入する全一次空気式のバーナで
ある。尚、バーナ20に臨んで図示しない点火電極が設
けられる。
【0021】グリル庫12の背部には、仕切壁52を介
して排気室50を併設し、この仕切壁52に開口してグ
リル庫12と排気室50とを連通する連通口54を焼網
22よりも下方に設けている。従って、バーナ20から
発生した燃焼ガスを排気室50を介して、排気口51よ
り排出されるよう排気路を構成している。
【0022】バーナ20へのガス供給管30には、図1
に示されるように、バーナ20の燃焼時のみ開弁保持さ
れるマグネット安全弁31と、点火・消火操作に伴って
ガス供給路を開閉する主開閉弁32と、ガス供給圧を制
限するガスガバナ33と、ガスガバナ33を迂回する迂
回路34と、この迂回路34を開閉する切替弁48(切
替開閉弁)とが設けられる。
【0023】次に、このガス供給管30のガス供給路を
切り替える構成について説明する。説明の都合上、ガス
供給管30を、マグネット安全弁31,主開閉弁32,
ガスガバナ33を備えた導入部30aと、ガスガバナ3
3から迂回路34との合流点までの流路となる通常流路
部30bと、迂回路34との合流点からバーナ20まで
の流路となる合流部30cとに区分する。また、迂回路
34を、切替弁48の上流部となる迂回上流部34a
と、切替弁48の下流部となる迂回下流部34bとに区
分する。
【0024】図3は、迂回下流部34bを内部に形成
し、閉成バネ41により迂回下流部34bを閉成方向に
付勢される切替弁48を備えた切替本体40を示す。こ
の切替本体40は、通常流路部30b,迂回上流部34
a,合流部30cと接続され、図6に示される器体右前
面に突出した照明ボタン35に連動し切替弁48を開成
方向に押す連動棒42,連動棒42を切替弁48から離
す方向に付勢する戻しバネ43,切替弁48と一体化し
て進退するスピンドル37,スピンドル37をガイドす
るガイド体44を備える。尚、照明ボタン35は、グリ
ル庫12内を明るく照らすように操作指示する照明操作
具であり、ボタンに代えてレバーを用いてもよい。
【0025】また、連動棒42,ガイド体44には、ガ
スシール用のOリング45,Oリング46が設けられ
る。また、切替本体40には、連動棒42が切替本体4
0から飛び出ないように押さえる押さえ板47が設けら
れる。この押さえ板47とガイド体44とは、ビスによ
って切替本体40に固定される。尚、図3,図4に示さ
れる符号36は、第2実施形態のグリルに用いられるオ
リフィスであり、第1実施形態のグリル1はこのオリフ
ィス36を備えない。
【0026】上述したグリル1によれば、操作ボタン7
1cを押すと、バーナ20へのガス流路を開閉するマグ
ネット安全弁31,主開閉弁32が開弁され、燃料ガス
(ガス供給圧P1)が、図1の実線矢印で示されるよう
に、ガスガバナ33で2次圧P2(<P1)まで減圧さ
れてバーナ20から噴出されると共に、点火電極の連続
放電により点火する。
【0027】調理中にバーナ20で発生した高温の燃焼
ガスは、いったんグリル庫12の上部に溜まり連通口5
4から溢れて、排気室50を介して排出される。従っ
て、被調理物Fは、輻射熱と滞留した排気熱とにより加
熱され、被調理物Fが効率良く調理される。このこもり
焼きにより、少ないインプットで調理でき、受皿を過熱
することがなく、受皿24に水を張らなくても安心して
グリル1を使用できる。
【0028】通常、戻しバネ43の付勢力により、照明
ボタン35は連動棒42により切替弁48を押していな
い。この切替弁48が閉成バネ41の付勢力により閉成
されているため、燃料ガスは、ガスガバナ33を迂回す
ることはできず、減圧される。
【0029】調理の様子を確認したい時は、照明ボタン
35を押し操作することにより、図4に示されるよう
に、連動棒42は切替弁48を開成する。燃料ガスは、
迂回路34を通り、減圧されることなく、図1の破線矢
印で示されるように、ガス供給圧P1のままバーナ20
へ供給される。つまり、ガスガバナ33によるガス供給
圧の制限が解除される。
【0030】バーナ20は、通常時よりもガス圧Pbが
上昇してインプットIpが増加し、炎口負荷A(インプ
ットIp/炎口の総面積S)も増加して、バーナ20の
セラミックプレート表側(庫内側)の表面温度が850
℃から950℃にまで上昇し、橙色から白色に変わりグ
リル庫12内を照明する。この結果、使用者は、前覗き
窓61aを通して被調理物Fの焼け具合を良好に視認で
きる。
【0031】ここで、炎口負荷Aと一次空気過剰率λ
と庫内の明るさとの関係について図5を用いて説明す
る。図5は、バーナ20の炎口負荷Aと一次空気過剰率
λ(=実際に供給した一次空気量/理論空気量)とを
変化させて、グリル庫12内の明るさ(見えやすさ)を
調べた実験結果を示している。尚、実際に使用される全
一次空気式バーナは、燃焼用空気が不足しないように、
一次空気過剰率λを1以上にして設計されている。こ
の実験では、同一のバーナを使用しているため、炎口の
総面積Sは一定であり、バーナ20へのガス圧Pbを変
化させることにより炎口負荷Aを変化させた。このバー
ナ20へのガス圧Pbを上げると、バーナ20の吸入口
に臨ませたノズル(図示略)でのガス噴出エネルギーが
増加して、ノズルの周囲からバーナ20へ吸引される空
気の量も増加するため、一次空気過剰率λも大きくな
る。
【0032】この実験結果から、図5中の2次曲線A=
2.5(λ−1.1)+0.3よりも内側では、グ
リル庫12内が見えやすい、或いは非常に見えやすいこ
とが分かる。この図5から分かるように、同じ一次空気
過剰率λでも、炎口負荷Aが高いほどバーナ20の熱
量が大きく、セラミックプレート表面温度が高くなっ
て、グリル庫12内が明るくなる。
【0033】しかも、一次空気過剰率λが1.1付近
にある場合に、照明効果が高い。例えば、一次空気が不
足すると(一次空気過剰率λ<1)、未燃ガス領域が
増え火炎温度が下がってセラミックプレート表面温度も
低くなり照明効果が低くなる。逆に一次空気量が非常に
多いと、燃焼に用いられない空気の量が増えてセラミッ
クプレートが冷却され表面温度が低くなって、照明効果
が低くなる。
【0034】表1は、本実施形態でのバーナ20へ供給
されるガス圧Pb,炎口負荷A(=Ip/S),インプ
ットIp,一次空気過剰率λを通常時(照明操作をし
ていない時)と照明時とに分けて示したものである。
尚、バーナ20の炎口の合計面積Sは、3478mm
である。
【0035】
【表1】
【0036】図5中の点Nは、本実施形態のグリル1で
の通常時を示し、点Lは照明時を示す。この図5から分
かるように、通常時を示す点Nは二次曲線の外側にあ
り、庫内が見えにくいが、照明時を示す点Lは二次曲線
の内側になり、庫内が非常に見えやすくなる。このよう
に照明操作により、炎口負荷Aと一次空気過剰率λ
の関係が二次曲線の内側になって、つまり、A>2.5
(λ−1.1)+0.3を満たすことになって、グ
リル庫12内を十分に照らすことができる。
【0037】ところで、炎口負荷Aを上げる方法とし
て、本実施形態では、バーナ20ヘのガス圧Pbを上昇
させている。これに代えて、ガス供給管30の合流部3
0cの先端に設けられる図示しないノズルの先端開口の
内径を大きくすることにより、インプットIpを増加す
る方法が考えられる。
【0038】しかし、ノズル径を大きくすると、燃料ガ
スと共に吸引される一次空気過剰率λも減少してしま
う。つまり、グリル照明時にこの方法で炎口負荷Aを上
げると、一次空気過剰率λ が通常時(λ=1.0
0)よりも小さくなり、燃焼用空気不足となってしま
い、燃焼性能が悪化してしまう。従って、本発明では、
バーナ20へのガス圧Pbを増加する方法を採用してい
る。
【0039】調理具合の確認後、照明ボタン35から手
を離すと、戻しバネ43の付勢力により連動棒42が自
動的に元の位置に戻り、閉成バネ41により切替弁48
が閉じ、燃料ガスは再びガスガバナ33で減圧され、元
の炎口負荷に戻り、バーナ20のセラミックプレート
は、橙色に戻る。つまり、照明ボタン35を操作しない
限り、炎口負荷は上昇しない。このように、被調理物F
の焼け具合を確認したい時だけ炎口負荷を上げてグリル
庫内を明るく照らすため、バーナ20の耐久性に悪影響
を与えることはなく、長期に渡ってグリル照明を行うこ
とができる。しかも、グリル庫12内の観察には1〜2
秒程度しかかからず、インプットを上昇させる時間が短
いため、被調理物Fを焦がすことがなく、調理性能を維
持できる。
【0040】更に、バーナ20へ供給するガス圧Pbを
上昇させるという簡単な構成でグリル庫12内を照らす
ため、特別な照明具を必要とせず、低コストでグリル照
明を行うことができる。加えて、照明具を用いないた
め、被調理物Fから飛散してきた焼き油Gの付着により
光の透過を遮って十分に照明できないという不具合がな
い。しかも、照明具の掃除をする必要もなく、便利であ
る。
【0041】《第2実施形態》次に、第2実施形態につ
いて図7〜図9を用いて説明する。尚、第1実施形態と
異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同
一符号を付してその説明を省略する。
【0042】グリル2は、図7に示されるように、バー
ナ20に加えて、グリル庫12内の左右両側で焼網22
よりも下方にブンゼン燃焼式の下バーナ21を備えてお
り、被調理物Fを上下両面から加熱調理する両面焼グリ
ルである。尚、バーナ20を下バーナ21と区別するた
めに、上バーナ20と呼ぶ。
【0043】トッププレート80には、五徳75a,7
5bの手前中央に、図9に示されるように、グリル庫1
2内の被調理物Fを確認するための長方形のトップ開口
80aが横長に形成される。このトッププレート80の
下には、図7に示されるように、グリル庫12の天井部
となるグリル天板81が形成される。このグリル天板8
1には、突出部81aがトップ開口80aから突き出て
形成され、突出部81aの上から、ガラス製の窓板82
aを備えた上覗き窓82が載置される。
【0044】グリル庫12の正面中央には、被調理物F
の出入口となるグリル庫12の扉63aを備えた取手6
3が設けられる。尚、第2実施形態のグリル2は、第1
実施形態で用いられた前覗き窓61aを備えない。
【0045】ガスガバナ38には、図8に示されるよう
に、通常時の上バーナ20へのガス供給路となる通常流
路部30bに加えて、下バーナ21へのガス供給路とな
る下バーナ管39が接続される。通常時の全一次空気式
の上バーナ20の要求ガス圧Puは、75mmH
で、ブンゼン式の下バーナ21の要求ガス圧Pdは、1
40〜150mmHOである。上バーナ20と下バー
ナ21とに共通のガスガバナ38を用いているため、上
バーナ20への通常流路部30bには、ガス圧を制限す
るオリフィス36が設けられている。
【0046】上述したグリル2によれば、操作ボタン7
1cを押すと、マグネット安全弁31が開弁され、燃料
ガス(ガス供給圧P1)がガスガバナ38でガス圧P4
(150mmHO)まで減圧されて、一部が下バーナ
21から噴出されると共に、残りの燃焼ガスがオリフィ
ス36により75mmHOまで減圧されて上バーナ2
0から噴出され、点火電極の連続放電により点火され
る。ガス圧P4は、燃料ガスがオリフィス36を通過す
るため、下バーナ管39のガス圧Pdがガスガバナ38
の目標値P3(140mmHO)よりも若干増加し
て、150mmHOとなる。
【0047】被調理物Fは、上バーナ20および下バー
ナ21で発生し滞留した燃焼ガスの熱と上バーナ20の
輻射熱とにより加熱調理される。
【0048】調理の様子を確認したい時は、照明ボタン
35を押し操作して、切替弁48を開成し、燃料ガスを
ガス供給圧P1(200mmHO)のままバーナ20
へ供給し、グリル庫12内を照明する。この結果、使用
者は上覗き窓82を通して被調理物Fの調理具合を良好
に視認できる。この上覗き窓82は器体上面に設けられ
ているため、使用者は、立った状態でグリル庫12内を
観察することができ、便利である。このグリル照明時
は、燃料ガスがオリフィス36を通過しないため、下バ
ーナ管39のガス圧PdはP3(140mmHO)と
なる。
【0049】従って、照明操作時は、上バーナ20のガ
ス圧Puが75mmHOから200mmHOと大き
く上昇してグリル庫12内を照らすのに対して、下バー
ナ21では、そのガス圧Pdが照明操作に関係なく常に
140〜150mmHOの範囲となる。このようにグ
リル照明に用いられない下バーナ21では、上バーナ2
0のように照明時にインプットが激増することはないた
め、調理性能に悪影響を与えない。この結果、両面焼グ
リル2においても、第1実施形態の片面焼グリル1と同
様に、調理性能を悪化させることなく、低コストで、グ
リル庫12内の被調理物Fの調理具合を良好に確認する
ことができる。
【0050】特に、両面焼グリルは、片面焼グリルより
も上バーナの炎口負荷が小さいため、グリル庫内が暗く
観察しにくかったが、この照明を採用することで非常に
便利なものになる。
【0051】《第3実施形態》次に、第3実施形態につ
いて図10を用いて説明する。尚、第2実施形態と異な
る部分について説明し、重複する部分に関しては同一符
号を付してその説明を省略する。第3実施形態のグリル
3は、第2実施形態のグリル2の上バーナ20に金属細
線91を設けた点が異なる。
【0052】グリル3には、第2実施形態の上バーナ2
0と同じセラミックプレートを用いた全一次空気式の上
バーナ90が設けられる。尚、この上バーナ90は、後
述する金属細線91を見やすくするために、中間に形成
される炎口の図示を省略している。
【0053】この上バーナ90には、セラミックプレー
トの取付枠の上下辺に引掛片が一体形成される。この引
掛片には、燃焼面90a(セラミックプレートの表面)
から所定距離離して、照明用補助部材としての細いワイ
ヤー状の電熱用金属線91(材質:Cr;23〜26
%、Al;4〜6%、Fe;残量、 直径:0.32m
m)が格子上に張設される。
【0054】本実施形態では、照明操作時のみ、炎口負
荷が増大した上バーナ90の火炎によって金属細線91
が赤熱するように、燃焼面90aと金属細線91との間
隔が決められている。
【0055】上述した構成のグリル3によれば、上バー
ナ90の燃焼時に照明操作が行われると、上バーナ90
の炎口負荷が増大してセラミックプレート自体も明るく
なり、グリル庫12内が照らされる。この炎口負荷の増
大に伴って、金属細線91が燃焼面90aに形成された
火炎によって赤熱され、温度放射により光を発生してグ
リル庫12内が更に明るくなり、上覗き窓82から調理
状態を一層良好に確認することができる。
【0056】このグリル3では、照明用補助部材として
線径の細い金属細線91を用いて熱容量を非常に小さく
し、かつ、燃焼面90aの近傍に張設することにより、
火炎温度が比較的低い全一次空気式バーナの火炎によっ
ても金属細線91は十分に赤熱し、グリル庫12内を上
覗き窓82を通して視認するのに十分な照明効果が得る
ことができる。
【0057】また、金属細線91は、照明操作時だけ赤
熱するように配置されるため、耐久性を良好に維持でき
る。尚、照明操作に拘らず上バーナ90の燃焼中は常
時、金属細線91の赤熱によるグリル照明を行いたい場
合には、この間隔を狭めることにより実現できる。テス
ト結果によれば、特に1〜2mmに間隔を設定すると良
好な照度が得られる。
【0058】更に、金属細線91は、電熱用金属線であ
るから、熱伝導性が非常に良好なものであるためにより
照明を明るくすることができ、熱伝達速度が速いので、
すばやく赤熱し十分な照明効果が得られるまでの時間が
短くてすむ。しかも、燃焼面90aの正面に金属細線9
1を張設するだけの簡単な構成であると共に従来の照明
用部材である破損しやすいセラミック棒と比べて、金属
細線91は、扱いやすく加工しやすいため、このような
グリル3を製造する工程が複雑化せず生産コストを抑え
ることができる。
【0059】また、金属細線91は、変形自在なもので
あるから、燃焼面90aの正面に自由にレイアウトして
張設することが可能である。また、金属細線91を燃焼
プレート4の正面に格子状に張設することにより、発光
面積を大きくして照明を明るくすることができる。
【0060】以上本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこうした実施形態に何等限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、炎口
負荷Aと一次空気過剰率λとの関係は、A>2.5
(λ−1.1)+0.3を満たすことが望ましい
が、必ずしもこの範囲に限定されず、グリル庫内が明る
くなる範囲であればよい。
【0061】また、第1実施形態では、器具前面に前覗
き窓61aを設けた片面焼グリルにおいて説明したが、
前覗き窓61aを備えた両面焼グリルに適用しても差し
支えない。また、第2,3実施形態では、器具上面に上
覗き窓82を設けた両面焼グリルにおいて説明したが、
上覗き窓82を備えた片面焼グリルに適用しても差し支
えない。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載のグリルによれば、グリル庫内の様子を確認したい
時に、ガスガバナによる制限を解除してガス供給圧を増
大するという簡単な構成で安価にグリル照明を行うこと
ができ、被調理物の調理具合を良好に確認できる。
【0063】更に、本発明の請求項2記載のグリルによ
れば、ガスガバナを迂回する迂回路とそれを開閉する切
替開閉弁とを設けるという簡単な構成でグリル庫内を照
明することができる。
【0064】更に、本発明の請求項3記載のグリルによ
れば、炎口負荷と一次空気過剰率との関係を適切にする
ことにより、セラミックプレート表面温度が高くなって
プレート自身が明るくなり、別の照明具を用いなくても
グリル庫内を明るく照らすことができる。
【0065】更に、本発明の請求項4記載のグリルによ
れば、照明用部材として線径の細い金属細線を用いて熱
容量を非常に小さくし、かつ、燃焼面の近傍に張設する
ことにより、火炎温度が低い全一次空気式バーナにおい
ても良好に赤熱するため、ガスバーナへのガス供給圧の
増大によるグリル照明に加えて、この金属細線による赤
熱により、グリル庫を一層明るくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態としてのガス供給路の構成図であ
る。
【図2】第1実施形態としてのグリルを側面からみた断
面図である。
【図3】通常時の第1,第2実施形態としてのガス供給
路を上からみた断面図である。
【図4】照明時の第1,第2実施形態としてのガス供給
路を上からみた断面図である。
【図5】第1実施形態における炎口負荷と一次空気過剰
率との関係図である。
【図6】第1実施形態におけるテーブルこんろの外観図
である。
【図7】第2実施形態としてのグリルを側面からみた断
面図である。
【図8】第2実施形態としてのガス供給路の構成図であ
る。
【図9】第2実施形態におけるテーブルこんろの外観図
である。
【図10】第3実施形態としてのグリルを側面からみた
断面図である。
【符号の説明】
1,2,3…グリル、10,80…トッププレート、1
2…グリル庫、20,90…バーナ、21…下バーナ、
24…受皿、30…ガス供給管、30a…導入部、30
b…通常流路部、30c…合流部、31…マグネット安
全弁、33,38…ガスガバナ、34…迂回路、34a
…迂回上流部、34b…迂回下流部、48…切替弁、3
5…照明ボタン、36…オリフィス、39…下バーナ
管、40…切替本体、41…閉成バネ、43…戻しバ
ネ、61…回動扉、61a…前覗き窓、81…グリル天
板81、82…上覗き窓、82a…窓板、90a…燃焼
面、91…金属細線、F…被調理物、G…焼き油。
フロントページの続き Fターム(参考) 3K003 AA01 AB01 AB05 AC02 CA03 CB05 DA03 3K017 AA00 AB08 AC01 AD02 AD14 AF03 4B040 AA03 AA08 AB03 AC02 AD04 AE13 CA02 CA18 CB30 GA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリル庫内に載置された被調理物を加熱
    調理するガスバーナと、該被調理物の調理具合を視認す
    るための覗き窓と、該ガスバーナへのガス供給圧を所定
    値以下に制限するガスガバナとを備えたグリルにおい
    て、 上記グリル庫内を照明する時は、上記ガスバーナへのガ
    ス供給圧の制限を解除してガス供給圧を増大させるガス
    圧増大手段を設けたことを特徴とするグリル。
  2. 【請求項2】 上記ガス圧増大手段は、上記ガスガバナ
    を迂回する迂回路と、上記グリル庫内を照明する時のみ
    該迂回路を開く切替開閉弁とを備えたことを特徴とする
    請求項1記載のグリル。
  3. 【請求項3】 上記ガスバーナに全一次空気式セラミッ
    クバーナを用い、上記グリル庫内を照明する時の炎口負
    荷Aと一次空気過剰率λとの関係が A>2.5(λ−1.1)+0.3 を満たすことを特徴とする請求項1または2記載のグリ
    ル。
  4. 【請求項4】 上記ガスバーナに全一次空気式セラミッ
    クバーナを用い、該セラミックバーナの燃焼プレートの
    燃焼面の正面に金属細線を張設し、該金属細線を該燃焼
    プレート上に形成される火炎であぶり赤熱させることに
    よりグリル庫内を照明することを特徴とする請求項1〜
    3の何れかに記載のグリル。
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JP3199317U (ja) * 2015-01-14 2015-08-20 須美雄 村瀬 、ガスの炎を赤外線化し、熱効率を上げたガスレンジの魚焼き器。
JP2019100681A (ja) * 2017-12-08 2019-06-24 リンナイ株式会社 加熱調理器用ガス弁装置

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