JP4403317B2 - ガスグリル付きテーブルこんろ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚等の被調理物をグリル庫内で加熱調理するガスグリル付きテーブルこんろに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からガスグリル付きテーブルこんろは、例えば、図16に示すように、グリル庫112から被調理物Fを出し入れするための開閉扉61にガラス製の回動窓61aを備え、調理中の被調理物Fの焼け具合を確認できるように構成されている。
この焼け具合を更に確認し易くするために、特開平5−285052においては、器体のトッププレート110の手前中央に長方形の下窓孔110aを開口し、グリル庫112の天井部となるグリル天板130に透光性の覗き窓140を設けたグリル101が知られている。
このグリル101は、覗き窓140を通してグリル庫112内に採光が得られるので、覗き窓140を覗くことにより、立った姿勢のままグリル庫112内の被調理物Fの焼け具合を随時確認できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、室内が暗かったり、室内照明を背にしてグリル庫を覗く場合には、グリル庫内に十分な採光が得られず、グリル庫内の様子が分かりにくかった。
【0004】
別の焼け具合を確認し易くする方法として照明部材を設ける方法があり、例えば、特開平11−155740においては、グリル庫内のバーナの燃焼炎にあぶられる位置に金属もしくはセラミックからなる照明部材を設けてこの照明部材を赤熱させることにより、調理中ずっとグリル庫内を照明するグリルが知られている。
しかしながら、バーナの燃焼中はずっと照明部材を赤熱させ続けるため、照明部材の耐久性が悪かった。
【0005】
本発明のガスグリル付きテーブルこんろは上記課題を解決し、簡単な操作でグリル庫内の被調理物の焼け具合を良好に確認でき、しかも照明部材の耐久性を向上するガスグリル付きテーブルこんろを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のガスグリル付きテーブルこんろは、
グリル庫内に被調理物を載置してバーナの燃焼熱により該被調理物を加熱調理し、器体上面に設けられた覗き窓から該被調理物の焼け具合を確認可能なガスグリル付きテーブルこんろにおいて、
上記覗き窓と上記グリル庫内の調理スペースとの間に開閉可能に設けられ、閉状態である時は上記被調理物から飛散してくる油の該覗き窓への付着を防止する汚れ防止手段と、
上記汚れ防止手段を開閉操作する開閉操作手段と、
上記グリル庫内を照らす照明手段と、
上記開閉操作手段の開操作に連動して上記照明手段を点灯させ、閉操作に連動して消灯させる連動機構と
を備えたことを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項2記載のガスグリル付きテーブルこんろは、上記請求項1記載のガスグリル付きテーブルこんろにおいて、
上記汚れ防止手段を上記照明手段と上記調理スペースとの間を仕切るようにして設けたことを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項3記載のガスグリル付きテーブルこんろは、上記請求項1または2記載のガスグリル付きテーブルこんろにおいて、
上記汚れ防止手段は、通常は付勢により閉成され、開操作により開成されることを要旨とする。
【0009】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のガスグリル付きテーブルこんろは、汚れ防止手段を開閉操作する開閉操作手段と照明手段とを連動させる連動機構を備えるため、汚れ防止手段の開操作をすると、覗き窓からグリル庫内を視認でき、しかも自動的に照明手段が点灯し、被調理物の焼け具合を良好に確認できる。
確認後、汚れ防止手段の閉操作をすると、汚れ防止手段が閉じ、被調理物から油が飛散してきても覗き窓に付着しないようにして覗き窓が汚れることを防止でき、しかも、この閉操作により自動的に消灯する。
【0010】
また、本発明の請求項2記載のガスグリル付きテーブルこんろは、汚れ防止手段を照明手段と調理スペースとの間を仕切るようにして設けたため、汚れ防止手段が閉まっている時は、汚れ防止手段によって照明手段が調理スペースから隠れ、被調理物から飛散する油が照明手段に付着しない。
従って、長期に渡ってグリルを使用しても、照明手段は汚れにより照度が弱まることなく、被調理物の焼け具合を良好に確認できる。
【0011】
また、本発明の請求項3記載のガスグリル付きテーブルこんろは、汚れ防止手段が閉方向に付勢されているため、通常は被調理物からの焼き油によって覗き窓が汚れることを防止する。
また、開操作により汚れ防止手段が開成されると共に照明手段が点灯するため、覗き窓から被調理物の焼け具合を良好に確認できる。
汚れ防止手段の開操作を止めると、わざわざ閉操作をしなくても自動的に汚れ防止手段が閉まり、必要時以外は被調理物からの焼き油を汚れ防止手段によって遮ることができるため、覗き窓が汚れにくく、しかも、照明手段も自動的に消灯され、照明手段を無駄に点灯させることがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のガスグリル付きテーブルこんろの好適な実施形態について説明する。
【0013】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態としてのガスグリル付きテーブルこんろについて図1〜図9を用いて説明する。
テーブルこんろは、図9に示されるように、トッププレート10に左右2組のこんろバーナ74a,74bが設けられ、それらの周囲に設けられた五徳75a,75b上に図示しない調理鍋を載せ、テーブルこんろの前面に設けられる操作ボタン71a,71bを押すことにより、それぞれのこんろバーナ74a,74bが点火され、調理鍋が加熱されるものである。
こんろバーナ74a,74b間の器体の中心部には、魚等の被調理物を焼くためのグリル1が設けられ、操作ボタン71cを押して点火し加熱調理が行われる。
【0014】
このグリル1は、図1〜図3に示すように片面焼きタイプのグリルで、被調理物Fを加熱調理するグリル庫12を備える。
グリル庫12には、上段左右側面に設けられ燃料ガスを燃焼させて被調理物Fを加熱するバーナ20と、中段に設けられ被調理物Fを載せる焼網22と、底部に設けられ焼網22を載せたまま手前にスライドさせて引き出すことができる受皿24とを備える。
【0015】
グリル庫12の正面中央には、受皿24と一体的に固定され受皿24を手前に引き出す取手62と、受皿24を引き出す時に連動して開閉する開閉扉61とが設けられ、その開閉扉61にはガラス製の回動窓61aが設けられる。
取手62を手前に引き出すと、取手62に固定された受皿24がグリル庫12の底面をスライドし、受皿24に載置された焼網22が同時に引き出される。
【0016】
グリル庫12の左右側面に設けたバーナ20は、多孔質セラミックの平面プレートに多数の小炎口を貫通させた燃焼面を有し、燃焼に必要な空気の殆どを一次空気として吸入する全一次空気式のバーナである。
尚、バーナ20に臨んで図示しない点火電極が設けられる。
【0017】
グリル庫12の背部には、仕切壁52を介して排気室50を併設し、この仕切壁52に開口してグリル庫12と排気室50とを連通する連通口54を焼網22よりも下方に設けている。従って、バーナ20から発生した燃焼排気をいったん庫内に充満させた後、排気室50を介して排気口51より排出されるよう排気路を構成している。
【0018】
トッププレート10には、五徳75a,bの手前中央に、図8に示されるように、グリル庫12内の被調理物Fを確認するための長方形の下窓孔10aが横長に開口される。グリル庫12の天井部となるグリル天板30は、トッププレート10より低い位置に形成され、その手前側には、筒状で上部ほど狭く形成された突出枠30aが下窓孔10aから突き出て設けられ、その上端全周を内側へ折り曲げて窓取付部30bが形成される。この窓取付部30bは、奥側ほど若干高く傾斜して形成され、その内周は、長方形の上窓孔30fとして形成される。
突出枠30aは、前部30cと後部30dと左右の鉛直面となる側部30eとからなる。この側部30eの左右外側には、コの字形状のスペーサ39を介して、先端を内側に折り曲げた引掛片37aを形成する板バネ37が立設される。
【0019】
また、上窓孔30fの上には、図4,図5に示されるように、覗き窓組立38が設けられる。この覗き窓組立38は、上窓孔30fより大きい長方形状の耐熱ガラスで形成された覗き窓40と、覗き窓40の前後に設けられ覗き窓40の前後の移動を制限する前後押さえ34と、覗き窓40の左右に設けられ覗き窓40を下から支える窓受け36と、覗き窓40の外周を上から覆う外枠35と、覗き窓40と外枠35との隙間を埋めるパッキン32と、外枠35の外周に嵌着されるパッキン枠64とにより構成される。
【0020】
覗き窓組立38の窓受け36は、図4〜図7に示されるように、覗き窓40の左右側面に当接する垂直面36aと、覗き窓40の下面を支えるために垂直面36aの前後下部を水平に内側に曲げた支え面36b,36cと、垂直面36aと同一面で支え面36bと支え面36cとの間から下方に伸びて形成され板バネ37の引掛片37aを掛止するバネ孔36eが開口されたバネ受け部36dと、カシメ用の水平鍔部36fとを備える。尚、図7は、外枠35とパッキン枠64とを組み付ける前の覗き窓組立38を示す。
【0021】
一方、覗き窓組立38の前後押さえ34は、覗き窓40の前面と後面とに当接する垂直面34aと、垂直面34aの上端から外側(覗き窓40から見て)へ下向きに傾斜する傾斜面34bと、カシメ用の水平鍔部34cとからなる。
覗き窓組立38は、窓受け36の支え面36b,36cの上に覗き窓40を載置し、前後押さえ34を覗き窓40の前後に並べ、覗き窓40上にパッキン32を載せて、外枠35によって覗き窓40を上から覆い、窓受け36の水平鍔部36fと前後押さえ34の水平鍔部34cとを外枠35の外周でかしめて、その外枠35の外周を、上下段に水平内周切り込みの入ったパッキン枠64の上段切り込みにはめて一体となる。
【0022】
こうして形成される覗き窓組立38は、図5,図8に示されるように、グリル天板30の窓取付部30bに長方形リング形状の断熱材33を載置した上から押さえられ、窓受け36のバネ孔36eにグリル天板30の板バネ37の引掛片37aがはまって突出枠30aに固定される。
この時、断熱材33が押し潰されて窓取付部30bと覗き窓40とに密着するため、調理鍋から煮汁がふきこぼれても上窓孔30fを通ってグリル庫12に入ることはない。また、断熱材33は、グリル庫12の熱によるトッププレート10への加熱を抑えると共に、グリル庫12から燃焼排気がトッププレート10へ流出することを防止する。
しかも、パッキン枠64がトッププレート10上面に接する際、パッキン枠64の下段切り込みがクッションとなるため、トッププレート10上面が外枠35により傷つくことを防止する。
【0023】
一方、覗き窓組立38を取り外す時は、外枠35を上方に引っ張って板バネ37の引掛片37aをバネ孔36eから外す。このように取り外すことにより、調理鍋から直接煮汁がかかって覗き窓40が汚れても、水洗いすることができる。
【0024】
覗き窓40の下方には、図1〜図3に示されるように、覗き窓40を下から覆うような位置に回動扉81が設けられる。尚、図1および図3は、回動扉81の開状態を示し、図2は、閉状態を示している。
この回動扉81の両側には扉支持片81aが設けられ、突出枠30aの側部30eの手前上方に貫通されるリンク棒82を扉支持片81aに挿通して回動扉81が軸支される。このリンク棒82は、左右の扉支持片81a間を曲折して設けられ、その途中で回動扉81の掛止片81bと連結され、回転扉81と共に回動可能となる。
回動扉81を開閉操作するために、リンク棒82の右端となるアーム連結部82aがL型アーム83と連結される。
このL型アーム83は、図3に示される支え板84の支点84aを中心に上下に回動可能に設けられ、図9に示されるように、その先端が器体前面に形成された縦長のレバー開口72から突き出てつまみ86が嵌着される。
また、グリル庫12上部には、図1に示されるように、L型アーム83の上部先端を図面左方向へ付勢する引っ張りバネ85が設けられる。
【0025】
従って、L型アーム83が引っ張りバネ85により図1の反時計回り方向に付勢され、回動扉81は図2に示されるように、覗き窓組立38に当接する閉位置(上)に至って静止する。
一方、つまみ86を開位置(下)へ回動させると、L型アーム83,リンク棒82を介して回動扉81が図面反時計回り方向へ回動して突出枠30aの下方手前側へ隠れて、グリル庫12内に光が差込み、グリル庫12内の様子をグリル庫12の奥の方まで確認できるようになる。
【0026】
グリル天板30の前部30cの中央で回動扉81の上方には、グリル庫12内を照らすランプ55が設けられ、グリル庫12底面には、ランプ55の電源供給源となる乾電池58が設けられ、また、L型アーム83の下方には、ランプ55用の照明スイッチ56を備えたスイッチ台57が設けられる。この照明スイッチ56は、L型アーム83が下降して押されている間のみオンになるように配置される。
【0027】
上述したグリル付テーブルこんろによれば、操作ボタン71cを押すと、バーナ20へのガス流路を開閉する開閉弁が開弁され、バーナ20から燃料ガスが噴出されると共に、点火電極の連続放電により点火する。
調理中にバーナ20で発生した高温の燃焼排気は、いったんグリル庫12の上部に溜まり連通口54から溢れて、排気室50を介して排出される。従って、被調理物Fは、輻射熱と滞留した排気熱とにより加熱され、被調理物Fが効率良く調理される。
【0028】
通常、つまみ86は引っ張りバネ85に付勢されて閉位置にあり、回動扉81が閉まっているため、調理中に被調理物Fからの焼き油Gや油煙が覗き窓40に付着することはない。
調理の様子を確認したい時は、つまみ86を開位置へ操作することにより回動扉81を開けグリル庫12内を覗くことができ、しかも、開閉操作と同時に、L型アーム83が照明スイッチ56を押してランプ55が自動的に点灯し、被調理物Fを照明する。
確認後、つまみ86から手を離すと引っ張りバネ85の付勢力により自動的に閉位置に戻り、回動扉81が閉まって再び覗き窓40が油によって汚れることを防止する。同時に、ランプ55は自動的に消灯する。
【0029】
従って、照明の切り替えのための専用操作をしなくても回動扉81の開操作をするだけでよく、操作が簡単で使い易い。
更に、ランプ55を点灯させるための手動操作部(例えばレバー)を開閉扉81の開閉装置(L型アーム83等)とは別に設けなくてもよく、製造コストを抑えることができ、しかも、この手動操作部のためのスペースが要らず、グリル庫12を広々と使用することができる。
また、つまみ86を操作しない限り、回動扉81が引っ張りバネ85の付勢力により常に閉じているため、閉め忘れにより覗き窓40が汚れてしまうといった不具合を防止できる。
同様に、ランプ55の消し忘れも防止できる。つまり、被調理物Fの焼け具合を確認したい時だけランプ55が点灯するため、ランプ55および乾電池58の寿命が延び、長期に渡ってランプ55および乾電池58を使用することができる。
【0030】
被調理物Fの焼け具合を確認しない時は、覗き窓40と同様に回動扉81によりランプ55が調理スペースから隠れるため、ランプ55に被調理物Fから飛散してくる汚れGが付着することを防止できる。
従って、長期に渡ってランプ55を使用しても、油汚れの付着によって暗くなることがなく、被調理物Fの焼け具合を良好に確認できる。
また、回動扉81の開閉操作とランプ55の点灯・消灯切り替え動作との間に遅れが生じないので、開閉扉81が開いている時は常にランプ55が点灯しており、すぐに被調理物Fの焼け具合を確認できて使い勝手が良い。
【0031】
また、覗き窓40を傾斜して設けてグリル庫12内の奥の方まで見ることができるため、覗き窓40の奥行寸法が短くてよく、狭い五徳75a,b間に覗き窓40を設ける必要が無く、幅の大きな覗き窓40を設けて、グリル庫12内の左右両端まで隅々見ることができる。しかも、五徳75a,b間に覗き窓40を設けないため、グリル調理の熱が覗き窓40越しに調理鍋の取手に伝わって過熱することがなく、安全である。
【0032】
覗き窓40の汚れが気になる場合には、覗き窓組立38の外枠35の外周をつかんで覗き窓組立38を器体から簡単に取り外して、汚れた覗き窓組立38を水洗いすることができ、再び良好に被調理物Fの焼け具合を確認できる。
【0033】
加えて、覗き窓40がグリル天板30よりも高い位置の窓取付部30bにあって被調理物Fから遠ざかるため、加熱調理中に回動扉81を開けていても、被調理物Fから飛び散った焼き油Gや油煙が覗き窓40に付着しにくく、しかも、覗き窓40がグリル庫12内の雰囲気により加熱されにくい。また、回動扉81により覗き窓40やランプ55が過熱されることを防止する。加えて、覗き窓40が器体外部の空気により冷却される。
この結果、煮汁,焼き油Gや油煙が覗き窓40に焦げ付きにくくなり、視界を確保できて被調理物Fの焼け具合を良好に確認できる。
【0034】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について図10を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。第2実施形態は、第1実施形態のランプ照明に代えて、炎色反応を起こす金属またはその化合物を用いた炎色反応照明を利用した点のみ異なる。
【0035】
グリル2には、バーナ20にガスを供給するためのガスパイプ26が設けられ、このガスパイプ26の先端に、バーナ20のガス供給口にガスを噴射するノズル27が臨設される。このガス供給口には、一次空気量を調節するダンパー28が嵌着される。
ダンパー28の下方近傍には、気化混合装置を構成する容器66が載置される。この容器66には、塩化ナトリウムに潮解性を有する物質(MgCl2等)を含有させた炎色反応源65が収容されている。
また、容器66の上方には、イグナイター68に接続された電極67が設けられ、また、イグナイター68用の照明スイッチ56がL型アーム83に当接可能に設けられる。
【0036】
上述したグリル付テーブルこんろにおいて、調理の様子を確認したい時は、つまみ86を開位置へ操作することにより、回動扉81が開くと共に、L型アーム83が照明スイッチ56を押してイグナイター68が作動して電極67から容器に連続放電させる。炎色反応源65の表面が湿っているため、スパークの通路が確保され、電極67からの放電により塩化ナトリウムのイオンが局部加熱を起こし瞬時に気化を開始する。気化した塩化ナトリウムは、燃料ガス,一次空気と共にバーナ20内に吸引され混合される。この時の炎色は、通常の青色からナトリウムの炎色反応による黄色となって、バーナ20全体でグリル庫内を万遍なく照明する。
確認後、つまみ86から手を離すと引っ張りバネ85の付勢力により自動的に閉位置に戻り、回動扉81が閉まると同時に、電極67の放電が止まり、塩化ナトリウムは気化しなくなり、炎色は通常の青色に戻る。
【0037】
従って、回動扉81の開操作をするだけで、自動的に炎色が黄色となって庫内照明を行い、使い勝手が良い。つまり、照明の切り替えのための専用操作をしなくてもよく、操作が簡単で使い易い。
また、第1実施形態のグリル付テーブルこんろと同様に、照明のための手動操作部を開閉扉81の開閉装置とは別に設けなくてもよく、製造コストを抑えることができる。
また、つまみ86を操作しない限り、L型アーム83の照明スイッチ56との当接部が引っ張りバネ85の付勢力により常に持ち上げられているため、庫内の様子を確認しない時は電極67が放電せず、塩化ナトリウムが気化することはない。従って、炎色反応源65および乾電池58の寿命が延び、長期に渡って炎色反応源65および乾電池58を使用することができる。
【0038】
また、この照明方法では、照明装置がグリル庫外に設けられるため、回動扉81が開いている状態でも、照明装置が被調理物Fからの油によって汚れることはない。
【0039】
《第3実施形態》
次に、第3実施形態について図11〜図15を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態は、第1実施形態のランプ照明に代えて、セラミックスや金属からなる照明部材をバーナの火炎であぶって赤熱させる赤熱照明を利用した点のみ異なる。尚、図11,図13,図15(a)には回動扉81を開けた場合を、図12,図14,図15(c)には閉じた場合を、図15(b)にはその中間の場合を図示している。
【0040】
グリル3には、図11,図13に示されるように、バーナ20の上部に移動可能に設けられるアルミナ製のセラミック棒91と、セラミック棒91を先端2ヶ所で支持するコの字形状の揺動板94と、揺動板94の平行な2枚板をグリル天板92で軸支する軸96と、揺動板94をグリル庫外で下方に付勢する引っ張りバネ95と、回動扉81と揺動板94とを連動させるS型アーム93とが備えられる。
【0041】
S型アーム93は、図11,図12に示されるように、第1実施形態のL型アーム83の奥側のアーム先端93aを更に奥方向に伸ばしたものであり、そのアーム先端93aは、つまみ86が上方にある時は下方に位置し、下方にある時は上方に位置する。
グリル天板92には、左右2個ずつ天板孔92aが開口され、この孔92aから切り起こされた支持片92bには、軸96を挿入可能な支持片孔92cが開口される。
揺動板94は、図13,図14に示されるように、平行な2枚の板の先端に開口された支持孔94aにセラミック棒91を挿入して支持する。この2枚の平行板は、天板孔92aに挿入して設けられ、中間位置には軸孔94bが開口され、軸96をこの軸孔94bおよび支持片孔92cに挿入して軸支される。
この揺動板94の手前側(グリル庫の外側)の板には、位置決め溝94cが下方から切り欠かれ、その位置決め溝94cにアーム先端93aをはめ込むことにより引っ張りバネ95でアーム先端93aを下方へ付勢している。
【0042】
これらの具体的な位置関係を説明する。
つまみ86を操作しない限り、S型アーム93のアーム先端93aは、引っ張りバネ95により下方へ付勢された揺動板94に押し下げられて、回動扉81を閉じた状態にしている。また、揺動体94の先端の支持孔94aに挿入支持されたセラミック棒91は、アーム先端93aとは反対に上方に位置し、バーナ20から離れる。
つまみ86を下げると、アーム先端93aは、引っ張りバネ95の付勢力に逆らって上昇し、揺動板94の先端に支持されるセラミック棒91は、軸96を支点としてバーナ20の燃焼面上端まで下降する。この間に回動扉81が開く。
【0043】
上述したグリル付テーブルこんろにおいて、調理の様子を確認したい時は、つまみ86を開位置へ操作することにより、回動扉81が開くと共に、図15(a)に示されるように、セラミック棒91がバーナ20の燃焼面上端まで下降し、火炎であぶられて1000℃〜1100℃程度に赤熱され、温度放射による赤色の光を発して被調理物Fを照明する。
確認後、つまみ86から手を離すと引っ張りバネ85の付勢力により、自動的に閉位置に戻り、回動扉81が閉まると同時に、図15(c)に示されるように、セラミック棒91がバーナ20から離れる位置に上昇し、赤熱しなくなる。尚、図15(b)は、回動扉81の開閉途中を示している。
従って、第1実施形態のグリル付テーブルこんろと同様に、照明のための手動操作部を開閉扉81の開閉装置とは別に設けなくてもよく、製造コストを抑えることができる。
【0044】
また、つまみ86を操作しない限り、セラミック棒91が常に持ち上げられているため、庫内の様子を確認しない時はセラミック棒91を赤熱させることがなく、セラミック棒91の寿命が延び、長期に渡ってセラミック棒91を使用することができる。
しかも、グリルの照明に乾電池を使わないので乾電池の寿命に影響されず、末長くグリル3を照明できる。また、乾電池交換の手間がかからない。
【0045】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態では、片面焼きグリルにおいて説明したが、焼網の上下にバーナを設けた両面焼きグリルに適用しても差し支えない。
また、バーナをグリル庫天井面などの上部に設けてもよい。
また、第3実施形態においてセラミック棒を赤熱させる代わりに金属棒を赤熱させてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のガスグリル付きテーブルこんろによれば、汚れ防止手段の開閉操作をするだけで自動的に照明手段の点灯・消灯を切り替えることができ、操作が簡単で使い易い。
また、照明の切り替えを手動操作する機構を開閉操作手段とは別に新たに設けなくてもよく、製造コストを抑えることができ、しかも、照明切替の手動操作機構のためのスペースが不要になる。
加えて、被調理物の焼け具合を確認したい時だけ照明手段が点灯するため、照明手段の寿命が延び、長期に渡って照明手段を使用することができる。
【0047】
更に、本発明の請求項2記載のガスグリル付きテーブルこんろによれば、被調理物の焼け具合を確認したい時だけ、汚れ防止手段を開いてグリル庫内を照明し、それ以外の時は照明手段が覗き窓と同様に調理スペースから隠れるため、照明手段に被調理物から飛散してくる油が付着することを防止できる。
従って、長期に渡ってグリルを使用しても、油汚れの付着により照度が弱まることなく、被調理物の焼け具合を良好に確認できる。
【0048】
更に、本発明の請求項3記載のガスグリル付きテーブルこんろによれば、汚れ防止手段が閉方向に付勢されているため、汚れ防止手段の閉操作をする必要が無く、被調理物からの油によって覗き窓が汚れることを防止でき、しかも、照明手段の消灯操作をする必要も無く、照明手段を長期に渡って使用することができる。 つまり、汚れ防止手段の閉め忘れや、照明手段の消し忘れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のグリルを側面からみた断面図である。
【図2】第1実施形態のグリルを側面からみた断面図である。
【図3】第1実施形態のグリルを正面からみた断面図である。
【図4】第1実施形態の覗き窓組立を側面からみた断面図である。
【図5】覗き窓組立を正面からみた断面図である。
【図6】窓受けの斜視図である。
【図7】覗き窓組立の一部を上面からみた断面図である。
【図8】第1実施形態の覗き窓組立を外したテーブルこんろの外観図である。
【図9】テーブルこんろの外観図である。
【図10】第2実施形態のグリルの一部を上面からみた断面図である。
【図11】第3実施形態のグリルの一部を側面からみた断面図である。
【図12】第3実施形態のグリルの一部を側面からみた断面図である。
【図13】第3実施形態のグリルの一部の斜視図である。
【図14】第3実施形態のグリルの一部の斜視図である。
【図15】第3実施形態のグリルの一部を正面からみた断面図である。
【図16】従来例のグリルを側面からみた断面図である。
【符号の説明】
1,2,3…グリル、12…グリル庫、20…バーナ、30,92…グリル天板、38…覗き窓組立、40…覗き窓、55…ランプ、56…照明スイッチ、65…炎色反応源、67…電極、81…回動扉、82…リンク棒、83…L型アーム、86…つまみ、91…セラミック棒、93…S型アーム、94…揺動板。
Claims (3)
- グリル庫内に被調理物を載置してバーナの燃焼熱により該被調理物を加熱調理し、器体上面に設けられた覗き窓から該被調理物の焼け具合を確認可能なガスグリル付きテーブルこんろにおいて、
上記覗き窓と上記グリル庫内の調理スペースとの間に開閉可能に設けられ、閉状態である時は上記被調理物から飛散してくる油の該覗き窓への付着を防止する汚れ防止手段と、
上記汚れ防止手段を開閉操作する開閉操作手段と、
上記グリル庫内を照らす照明手段と、
上記開閉操作手段の開操作に連動して上記照明手段を点灯させ、閉操作に連動して消灯させる連動機構と
を備えたことを特徴とするガスグリル付きテーブルこんろ。 - 上記汚れ防止手段を上記照明手段と上記調理スペースとの間を仕切るようにして設けたことを特徴とする請求項1記載のガスグリル付きテーブルこんろ。
- 上記汚れ防止手段は、通常は付勢により閉成され、開操作により開成されることを特徴とする請求項1または2記載のガスグリル付きテーブルこんろ。
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