JP3940588B2 - 穴かがりミシンの下糸切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、穴かがりミシンに設けられる下糸切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボタン穴等の穴の周囲にかがり縫いを行う穴かがりミシンが一般に知られている。この種のミシンには、例えば特公平2−20277号公報や、特公平7−59266号公報に記載されているように下糸切断装置が設けられている。これら公報で開示されている下糸切断装置は、下糸切断ハサミにより縫製終了後下糸を切断するとともに、切断後の下糸を所定の待機位置で保持する。下糸は、下糸切断ハサミによって保持されることで、次の縫製開始の際には、かがり縫い目に縫いこまれるよう案内される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の穴かがりミシンでは、かがり縫いの幅、長さなど自在に変更して多様な形状のかがり縫いを形成することが可能になっている。また、多様なかがり縫いに対応して、太さや性質の点で様々な種類の糸を使用することになる。このようにかがり縫い目の形状や糸種等が多様になると、下糸の保持位置、すなわち下糸切断ハサミの待機位置によっては、下糸を好ましい方向に誘導できず、かがり縫い目への下糸の巻き込みが不良となったり、あるいは糸種によってはハサミの閉じ量が不足して下糸が切断できなかったり保持できなかったりといった問題が発生するおそれがある。
しかしながら、上記公報で開示されている下糸切断装置は、動作が機械的に決まっており、基本的に下糸切断ハサミの待機位置やストローク(閉じ量)が一定で変更することができない。ネジなどを外して下糸切断装置を構成する各部材を調整し待機位置などを変更することはできるが、時間と手間のかかる作業であり、しかも、待機位置を変更すれば、下糸切断ハサミのストロークも変わってしまうなどの制約もあった。
【0004】
本発明の課題は、穴かがりミシンの下糸切断装置において、待機位置や閉じ量などを自由にかつ簡単に変更し、確実な下糸切りや保持を可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図2、図3に示すように、
上糸と下糸により穴の周りにかがり縫いを形成する穴かがりミシンに設けられ、かがり縫い形成後に下糸を切断する下糸切断装置(130)において、
閉じることにより下糸を切断し、閉じた状態のまま切断された下糸を所定の待機位置で次のかがり縫いのために保持する下糸切断ハサミ(52)と、
前記下糸切断ハサミを開閉駆動するためのアクチュエータとしての一個のモータ(パルスモータ131)と、
前記一個のモータによって駆動されて一方向(n方向)へ回転することによって前記下糸切断ハサミを閉じ、他方向(m方向)へ回転することによって前記下糸切断ハサミを開く駆動カム部材(134)と
前記駆動カム部材の回転中心を中心にして、互いに対向するように、前記駆動カム部材に形成される第一カム(134b)、第二カム(134c)と、
前記第一カム、第二カムに個別に摺動自在に係合する第一カムフォロア(135a)、第二カムフォロア(136a)と、を備え、
前記駆動カム部材の回転停止時の回転位置を前記一方向へ変更することにより、前記下糸切断ハサミの前記待機位置を変更可能とし、
前記待機位置とは独立して、前記下糸切断ハサミを閉じるために前記駆動カム部材が前記一方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、前記下糸切断ハサミの閉じ量を変更可能とし、
前記駆動カム部材が前記他方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、前記下糸切断ハサミの開き量を変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、アクチュエータを駆動源とし、駆動カム部材を介して下糸切断ハサミを開閉する下糸切断装置において、前記駆動カム部材の回転停止時の回転位置を前記一方向へ変更することにより、下糸切断後に下糸を保持する待機位置を自由に変更することができる。従って、かがり縫いのかがり幅や、縫い長さなどの形状、あるいは糸種等に応じて、例えば、やわらかいたるみやすい糸であれば縫い始め位置から離したり、逆に硬い糸であれば近づけたりといったように変更することで、次に形成するかがり縫いに確実に縫いこまれるよう保持することができる。
【0010】
そして、下糸切断ハサミを閉じるために一方向へ回転するときの到達位置を変更することにより、前記待機位置及び閉じ量をそれぞれ独立に自由に変更できる。
したがって、かがり縫いのかがり幅や、縫い長さなどの形状、あるいは糸種等に応じて待機位置を変更することで、次に形成するかがり縫いに確実に縫いこまれる位置で保持することができる。また、閉じ量を変えることで、糸種などに応じて、切断力や保持力を変えることができる。結果として、糸切りと、次の縫い目への巻きこみのための保持の双方を確実に行うことができる。
【0012】
さらに、駆動カム部材が他方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、前記下糸切断ハサミの開き量を自由に変更できる。従って、保持状態から下糸を解放するときの開き量を自在に変更でき、例えば、暴れやすい性質の下糸であってかがり縫いの巻き込みの際保持しつづけた方が確実に縫いこめるような場合には、開き量を小さくしたり、逆に硬い糸で暴れ難いような場合には開き量を大きくしたりといったように変更することができ、結果として、確実に次のかがり縫いに縫い込めるようになる。
【0013】
請求項に記載の発明は、
請求項1に記載の穴かがりミシンの下糸切断装置において、
前記第一カムフォロア(135a)は、第一リンク部材(135)の一端側に設けられ、前記下糸切断ハサミが閉じるように作用する下糸切断ハサミ閉じ手段(53)を構成し、
前記第二カムフォロア(136a)は、第二リンク部材(136)の一端側に設けられ、前記下糸切断ハサミが開くように作用する下糸切断ハサミ開放手段(54)を構成することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1には、本発明を適用したミシンの構成をブロック図で示した。本実施の形態におけるミシンは、図5(b)に示すように、直線状の眠り穴u1を形成するとともに、該眠り穴u1の周りにミシン針の上下動と釜の回転動作によりかがり縫い目u0を形成するものである。本発明において、ミシン針及び釜を駆動する機構・動作は従来周知のボタン穴かがりミシンと同様であるので、図示及び説明は省略する。
【0017】
ミシンは、制御回路210に各駆動源等が接続されて構成される。
制御回路210は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)211に、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、各パルスモータの駆動を行うY送りパルスモータドライバ214、基線送りパルスモータドライバ215、および針振り送りパルスモータドライバ216、上糸切断アクチュエータドライバ217、下糸切断アクチュエータドライバ218、ミシンモータドライバ219、シリンダドライバ228等が接続されて構成される。さらに、CPU211には、後述する操作パネル200や、縫製動作のスタートを指示するためのスタートスイッチ225、下糸切断装置130のセンサ137などが接続されている。
【0018】
Y送りパルスモータドライバ214により駆動されるY送りパルスモータ220は、縫製中、ボタン穴かがり縫い目が形成される布地を所定方向に送る。
針振り送りパルスモータドライバ216によって駆動される針振り送りパルスモータ222は、ミシン針がかがり幅方向に所定距離振られるよう駆動するものである。
基線送りパルスモータドライバ215によって駆動される基線送りパルスモータ221は、ミシン針の針振り運動の基線を変更するものである。
上糸切断アクチュエータドライバ217によって駆動される上糸切断アクチュエータ101は、ミシン針に通されている上糸を縫製終了後切断する上糸切断装置を駆動するもので、例えばモータやソレノイドである。
下糸切断アクチュエータドライバ218によって駆動されるパルスモータ131は、縫製終了後に釜から布地に連なる下糸を切断するものである。これについては後で詳述する。
ミシンモータドライバ219によって駆動されるミシンモータ150は、ミシン針と釜を駆動する主軸を回転駆動するものである。
【0019】
ROM212には、ボタン穴かがり縫いを縫製するための制御データや制御プログラム212aが記憶されている。
さらに、ROM212は縫製用データベース212bを有し、ここに形成されるボタン穴かがり縫い目の形状や大きさなどを特定するパターンデータが複数組記憶されている。パターンデータについては後述する。
【0020】
CPU211は、RAM213の所定領域を作業領域として、ROM212に記憶されている制御プログラム212aに従い、操作パネル200や各種スイッチからの入力信号や、図示しない各種センサーからの検出信号などに基づいて、各ドライバを介して各モータやアクチュエータの制御を行う。
すなわち、CPU211は、スタートスイッチ225が操作されると、各ドライバを介してミシンモータ150、Y送りパルスモータ220、基線送りパルスモータ221、針振り送りパルスモータ222を駆動し、かがり縫いを形成する。また、シリンダドライバ228を介して布切りメスシリンダ229を駆動し、布切りメスによりボタン穴を形成する。また、ボタン穴かがり縫いの終了後は、上糸切断アクチュエータ101、パルスモータ131をそれぞれ駆動し、上糸及び下糸を切断する。
【0021】
次に、図2及び図3により本発明において特徴的な下糸切断装置130について説明する。なお、図2は底面図で実際とは上下逆である。
下糸切断装置130は、針板台51と、針板台51に対して作動可能に設けられる下糸切断ハサミ52と、開いた状態の下糸切断ハサミ52を閉じた状態にする下糸切断ハサミ閉じ手段53と、閉じた状態の下糸切断ハサミ52を開いた状態にする下糸切断ハサミ開放手段54と、を備える。
【0022】
針板台51は、板状の部材であり、ミシンベッド(図示略)に略水平に固定される。針板台51の上面には、針板55が固定されている。針板55には、縫い針5を挿通するための挿通孔が形成されている。
【0023】
下糸切断ハサミ52は、上メス56と、下メス57と、板バネ58とを備える。下メス57は、針板台51の前部に設けられる。そして、下メス57の基端部57aは、上下方向の軸回りに回転可能となるように、針板台51の下面に取り付けられている。
上メス56は、下メス57に対して上下方向の軸回りに回転可能となるように、下メス57に取り付けられている。上メス56の下面には、ピン56aが下方に突出するように設けられている。上メス56の前部には、前方に向けて突出する突出部56bが形成されている。板バネ58は、下メス57に固定され、切断及びその後の糸保持を確実にするため、上メス56を下メス57に押し付けるものである。
【0024】
下糸切断ハサミ閉じ手段53は、基端部57aを中心に下メス57を回転させることにより、下糸切断ハサミ52を閉じるものである。
下糸切断ハサミ閉じ手段53の構成について説明する。下糸切断ハサミ閉じ手段53は、リンク部材61と、下糸切りリンク62と、下糸手繰腕63と、リンク部材64と、リンク部材65とを備える。
【0025】
リンク部材61の一端部は、後述の第一L型リンク部材135に接続されている。リンク部材61の他端部は、上下方向の軸回りに回転自在となるように、下糸切りリンク62の一端部(後端部)に連結している。L字型に形成されている下糸切りリンク62は、その屈曲部近傍において上下方向の軸回りに回転自在となるように、針板台51の下面に連結されている。
下糸切りリンク62の先端部は、上下方向の軸回りに回転自在となるように、下糸手繰腕63の中間部及びリンク部材64の一端部に連結されている。下糸手繰腕63は、その先端部によって釜内のボビンから導出される下糸を手繰るものである。リンク部材64の他端部は、回転自在に下メス57に取り付けられている。下糸手繰腕63の後端部は、上下方向の軸回りに回転自在となるように、リンク部材65の一端部に連結する。リンク部材65の他端部は、回転自在に、針板台51に連結する。
【0026】
下糸切断ハサミ開放手段54は、アクチュエータの駆動によってピン56aを押して、これにより下糸切断ハサミ52を開くものである。
下糸切断ハサミ開放手段54は、リンク部材67と、作動部材68とを備える。
リンク部材67の後端部は、第二L型リンク部材136に連結されている。リンク部材67の前端部は、上下方向の軸回りに回転自在となるように、作動部材68の一端部に連結する。作動部材68の中間部は、上下方向の軸回りに回転自在となるように、針板台51に連結し、さらにその他端部は、ピン56aに向けて延出している。
【0027】
下糸切断装置130において、下糸切断ハサミ閉じ手段53及び下糸切断ハサミ開放手段54は、アクチュエータであるパルスモータ131の駆動力によって作動する。すなわち、下糸切断装置130は、パルスモータ131(図2では図示略)と、パルスモータ131の回転駆動により下糸切断ハサミ閉じ手段53及び下糸切断ハサミ開放手段54を作動させる作動手段133とを備える。
【0028】
パルスモータ131は、ミシンベッドに水平に固定された土台132の下方に固定され、その駆動軸131aは、土台132から上方に向かって突出しており、土台132に対して回転自在である。パルスモータ131は、CPU211からの制御信号を受けた下糸切断アクチュエータドライバ218により制御駆動されて正方向及び逆方向のいずれかに回転し、下糸切断ハサミ閉じ手段53及び下糸切断ハサミ開放手段54を駆動する。その回転角度や回転速度はCPU211に制御される。
【0029】
作動手段133は、駆動カム部材134と、第一L型リンク部材135と、第二L型リンク部材136とを備える。駆動カム部材134は、土台132の上方に配置される。駆動カム部材134は略円盤状の部材であり、その中央部(回転中心)が駆動軸131aに固定され、駆動軸131aとともに回転する。駆動カム部材134の外周部には検出部134aが形成されており、この検出部134aのエッジ134dを前記センサ137が検出する。センサ137はエッジ134dを検出することによって、駆動カム部材134の回転角度が初期状態であることを検出する。センサ137は、エッジ134dを検知した場合に、検知信号をCPU211に出力し、CPU211は、センサ137からの信号に基づき下糸切断装置130が初期状態にあるか否かを判断する。
【0030】
駆動カム部材134には、駆動カム部材134の回転中心を中心にして互いに対向する、第一カム孔134bと第二カム孔134cとが形成されている。
第一カム孔134bは、カム部3Aと、カム部3Aに連続するカム部3Bと、カム部3Bに連続するカム部3Cとから構成される。カム部3Aは、いずれの角度においても駆動カム部材134の回転中心からの距離が一定である。カム部3Bは、カム部3Aからカム部3Cに向かうにつれて駆動カム部材134の回転中心からの距離が大きくなる。カム部3Cは、いずれの角度においても駆動カム部材134の回転中心からの距離が一定である。
【0031】
第二カム孔134cは、カム部4Aと、カム部4Aに連続するカム部4Bと、カム部4Bに連続するカム部4Cとから構成される。カム部4Aは、いずれの角度においても駆動カム部材134の回転中心からの距離が一定である。カム部4Bは、カム部4Aからカム部4Cに向かうにつれて駆動カム部材134の回転中心からの距離が小さくなる。カム部4Cは、いずれの角度においても駆動カム部材134の回転中心からの距離が一定である。
【0032】
第一L型リンク部材135の一端部にはカムフォロア135aが設けられており、カムフォロア135aが第一カム孔134bに摺動自在に係合する。第一L型リンク部材135は、その曲折部において上下方向の回転軸回りに回転自在にミシンベッドに取り付けられている。第一L型リンク部材135の他端部は、前記下糸切断ハサミ閉じ手段53のリンク部材61の後端部に回転自在に連結する。
【0033】
第二L型リンク部材136の一端部にはカムフォロア136aが設けられており、カムフォロア136aが第二カム孔134cに摺動自在に係合する。第二L型リンク部材136は、その曲折部において上下方向の回転軸回りに回転自在にミシンベッドに取り付けられている。第二L型リンク部材136の他端部は、前記下糸切断ハサミ開放手段54のリンク部材67の後端部に回転自在に連結する。
【0034】
次に、上記構成を有する下糸切断装置130の動作を説明する。なお、下糸切断装置130では、後述するようにパルスモータ131を制御することで、下糸切断ハサミ52の初期位置や閉じ量、開き量を所定の基準値に対して変更可能となっているが、以下では基準値で動作する場合について説明する。
ミシンの縫製中、下糸切断装置130は、図2で示す初期状態である。即ち、(1)駆動カム部材134のエッジ134dはセンサ137に検知され、(2)カムフォロア135aは第一カム孔134bのR点に位置するとともに、カムフォロア136aは第二カム孔134cのS点に位置する。これらR点、S点がカムフォロア135a・カムフォロア136aの原点位置である。さらに、(3)上メス56の突出部56bは針板台51の開口部51aに当接しておらず、下糸切断ハサミ52は開いた状態で初期位置に待機している。
【0035】
上記の状態から、かがり縫いが終了すると、下糸切断装置130は次のように動作する。すなわち、CPU211の制御信号によりパルスモータ131が正転し、駆動カム部材134が時計回り(図2に示すn方向)に回転する。これにより、カムフォロア136aはカム部4Aを摺動するが、カム部4Aと駆動カム部材134の回転中心との距離が一定であるため、第二L型リンク136は回転しない。一方、駆動カム部材134の時計回りの回転により、カムフォロア135aがカム部3Bを摺動するが、摺動するにつれて駆動カム部材134の回転中心とカムフォロア135aとの距離が小さくなる。従って、カムフォロア135aが駆動カム部材134の回転中心に近づくように移動するにともない、第一L型リンク部材135は図2の反時計方向に回転する。
【0036】
第一L型リンク部材135の回転に伴い、リンク部材61を介して下糸切りリンク62が図2において反時計方向に回転する。
下糸手繰腕63の中間部は下糸切りリンク62の先端部に回動自在に連結され、一方、針板台51に連結されたリンク部材65の一端部が下糸手繰腕63の後端部に回動自在に取り付けられている。したがって、下糸切りリンク62の反時計方向の回転によるその先端部の移動にともない、下糸手繰腕63が移動し、このとき下糸手繰腕63はリンク部材65に引っ張られて図2の反時計回りに回転する。この下糸手繰腕63の動きによって、リンク部材64を介して下メス57が時計回りに回転する。同時に、下糸手繰腕63は回転しながら、下糸を下メス57へと手繰る。
【0037】
下メス57の回転に伴い、上メス56も同方向に回転する。やがて上メス56の突出部56bは針板台51の開口部51aに当接し、上メス56の回転は停止する。さらに下メス57が回転することにより、上メス56と下メス57が合致し、下糸切断ハサミ52が閉じて手繰られた下糸を切断して、上メス56と板バネ58との間で切断した下糸を保持する。
ここで、下糸手繰腕63が下糸に当接する直前に、CPU211はパルスモータ131の回転速度を低下させる。これによって、下糸手繰腕63が下糸を手繰ってからの回転速度が低下し、下糸手繰腕63が誤って下糸を切断してしまうことが防止される。更に、下糸切断ハサミ52の回転速度も低下し、保持した下糸を確実に保持できる。
【0038】
なお、駆動カム部材134が所定角度以上n方向に回転し、カムフォロア135aがカム部3Aを摺動しても、カム部3Aと駆動カム部材134の回転中心との距離が一定であるので、第一L型リンク部材135は回転しない。従って、下糸切断ハサミ52も回転しない。即ち、下糸切断ハサミ52の閉じ量は、駆動カム部材134の回転によりカムフォロア135aがカム部3A内に入り始めたときの状態を限度とする。
【0039】
その後、CPU211がパルスモータ131を逆転させ、パルスモータ131の駆動軸131aを初期状態に戻す(正転のパルス数と同一のパルス数逆転させる)。パルスモータ131の逆転により、駆動カム部材134がm方向に回転し、カムフォロア136aはカム部4Aを摺動するとともに、カムフォロア135aはカム部3A次いでカム部3Bを摺動する。これによって、第二L型リンク部材136は回転しないとともに、第一L型リンク部材135は時計回りに回転する。
第一L型リンク部材135の回転に伴い、下糸切断ハサミ52は閉じた状態のまま元の初期位置である待機位置に向かう。
なお、後述するように閉じ量を変更することで、カムフォロア135aがカム部3Aにまで到達しない場合には、カムフォロア135aはカム部3Bのみを戻ることになる。
【0040】
次いで、作業者によってスタートスイッチ225が操作されると、ミシンは次サイクルの縫製を開始する。ミシンの縫製開始後、下糸切断装置130は以下のように動作する。
【0041】
CPU211がパルスモータ131を逆転させると、駆動カム部材134は図2の状態からm方向に回転し、カムフォロア135aはカム部3Cを摺動するとともに、カムフォロア136aはカム部4B次いで4Cを摺動する。ここで、カム部3Cと駆動カム部材134の回転中心との距離が一定であるため、第一L型リンク部材135は回転せず、下糸切断ハサミ52も移動しない。一方、カムフォロア136aがカム部4Bを摺動するにつれて、駆動カム部材134の回転中心とカムフォロア136aとの距離が小さくなる。これによって、第二L型リンク部材136は図2の時計回りに回転する。
【0042】
第二L型リンク部材136の回転に伴い、リンク部材67を介して作動部材68が底面視して反時計回りに回転する。作動部材68は、回転によってその他端部でピン56aを押す。これによって、上メス56が下メス57に対して図2における時計方向に回転し、閉じた状態の下糸切断ハサミ52が開くとともに下糸を放し、放した糸端は形成中のかがり縫い目に巻き込まれていく。
更に、駆動カム部材134がm方向に回転すると、カムフォロア136aはカム部4Cを摺動するが、カム部4Cと駆動カム部材134の回転中心との距離は一定であるので、第二L型リンク部材136はそれ以上回転せず、この状態以上下糸切断ハサミ52は開かない。
なお、開き量を制御することで、カムフォロア136aがカム部4Cにまで到達しないこともある。
【0043】
次いで、CPU211がパルスモータ131を正転させ、駆動カム部材134がn方向に回転すると、カムフォロア135aは、カム部3Cを摺動し、カムフォロア136aはカム部4C次いで4Bを摺動する。ここで、カム部3Cと駆動カム部材134の回転中心との距離が一定であるため、第一L型リンク部材135は回転しない。
【0044】
一方、カムフォロア136aがカム部4Bを摺動することによって、第二L型リンク部材136は図2の反時計回りに回転する。第二L型リンク部材136の回転に伴い、作動部材68が図2の時計回りに回転し、作動部材68の他端部とピン56aとの当接が解除される。
【0045】
そして、逆転のパルス数と同一のパルス数正転したところでパルスモータ131は停止し、下糸切断装置130は初期状態となる。
上記から明らかなように、下メス57は第一L型リンク部材135の回転によって、上メス56は第二L型リンク部材136の回転によって、動作する。上メス56は下メス57に取り付けられていることから、下糸切断ハサミ52全体の位置については、第一L型リンク部材135によって決まることになる。そして、第一L型リンク部材135は、カムフォロア135aがカム部3Bを摺動しているときのみ回転し、第二L型リンク部材136は、カムフォロア136aがカム部4Bを摺動しているときのみ回転するのである。
【0046】
図4には、制御回路210に接続されている操作パネル200を示す。
操作パネル200は、各種の縫製パラメーターを設定入力したり、設定値の表示や縫製制御上のエラー表示を行ったりするものである。
操作パネル200には、スタート操作部201、ナンバー操作部202、データ値入力操作部203、及びモード切替操作部204が設けられている。
スタート操作部201には、オペレータが縫製準備が整った旨及び再設定する旨を入力するための準備キー201aと、その状態を表示するLED(Light Emitting Diode)などからなる表示部201bとが設けられている。
【0047】
ナンバー操作部202には、ナンバー表示部202a、ダウンキー202bおよびアップキー202cが設けられている。ナンバー表示部202aは、2桁の7セグメント表示器からなり、データ値を入力するデータ項目のナンバーやパターンナンバーを表示する。
ダウンキー202bおよびアップキー202cは、データ項目のナンバーやパターンナンバーを1つずつずらすキーであり、ダウンキー202bは1つ繰り下げるキー、アップキー202cは1つ繰り上げるキーである。
【0048】
データ値入力操作部203には、データ値表示部203a、マイナスキー203b、プラスキー203cが設けられている。データ値表示部203aは、4桁の7セグメント表示器からなり、各データ項目のデータ値を表示する。マイナスキー203bとプラスキー203cは、データ値を所定の単位値ずつ増減させるキーである。後述するように各データ項目毎に所定の単位値と設定可能範囲とが決められており、マイナスキー203bを押すとデータ値が単位値ずつ小さくなっていき、プラスキー203cを押すとデータ値が単位値ずつ大きくなっていく。
【0049】
モード切替操作部204には、パターンナンバーの設定モードに切り替えるパターンナンバキー204aと、データ入力モードに切り替えるデータキー204bとが設けられている。パターンナンバキー204aおよびデータキー204b上には、それぞれLEDなどの表示器204c、204dが設けられており、これらの点灯によりパターンナンバー設定モードかデータ入力モードかをオペレータに知らせることが出来るようになっている。
作業者は、例えば、まず、パターンナンバーキー204aを操作して所望のパターンナンバーを、図5(a)のパターンNo.1、2…の中から選択し、次いでデータキー204bを操作して各データ項目を選択し、データ値入力操作部203においてデータ値を設定・変更する。なお、パターンナンバーを選択することで、そのパターンごとに予めデータ値が設定されているので、そのデータ値でよい場合には変更する必要はない。
【0050】
図5(a)には、操作パネル200から入力可能なパターンデータとパターンデータに含まれるデータ項目の例を示すデータテーブルを、図5(b)には、ミシンにより形成されるかがり縫い目u0を示した。すなわち、かがり縫い目u0は、ボタン穴u1の周りに形成される側縫い部u2、閂止め部u3とからなる。各パターンデータは、形成したいボタン穴かがり縫い目に関する各種データから構成され、1つのパターンデータを選択することで、所定の形状のボタン穴かがり縫い目を形成することができる。
各パターンデータを構成するデータ項目としては、図5(a)で例示するように、布切り長さ(データナンバー01、ボタン穴u1の長さ)、閂止め長さ(データナンバー02)、平行部ピッチ(データナンバー03、側縫い部u2の2針間の縦方向の距離)などが挙げられる。
【0051】
データナンバー06〜08は、本発明において特徴的なデータ項目である。
前述したように、下糸切断装置130ではパルスモータ131の正転/逆転動作を切り替えながら、下糸切断の各動作を行っている。パルスモータ131を利用していることで、下糸切断装置130における各動作の動作量は一定ではなく、パルスモータ131の回転の程度に応じて適宜変えることができる。
そこで、下糸切断装置130の各動作の動作量を変更可能とし、図5(a)のデータナンバー06〜08に示すように設定した。これらは、いずれも基準値を「0」とし、その値に対する相対値が整数で設定され、1段階ずつ切り替えることができるようになっている。
【0052】
これらデータナンバーについて説明する。
データナンバー06の「下糸切り待機位置」は、動作前の初期位置であり、かつ、下糸切断後に下糸切断ハサミ52が下糸を保持した状態で戻る待機位置に関するデータで、駆動カム部材134の回転停止時の回転位置によって決まる。
前述のように下糸切断ハサミ52の位置は第一L型リンク部材135の回転位置による。すなわち、カムフォロア135aが、R点にある状態を「0」と設定する。それより駆動カム部材134がn方向に回転し、カムフォロア135aがカム部3B側へずれた位置を「1〜5」と設定し、0〜5の全6段階の中から設定値を変更するようになっている。数字が大きいほどカムフォロア135aはR点から離れ、下糸切断ハサミ52としては図2の左側に位置するようになる。
−(マイナス)の値を設定していないのは、駆動カム部材134が図2の状態からm方向に回転し、カムフォロア135aがR点からカム部3Cにずれても第一L型リンク部材135は回転しないからである。
このデータナンバー06は、かがり縫いのかがり幅や、縫い長さなどに応じて、下糸保持の際かがり縫いの中に確実に巻き込まれるように、適切な値を設定すればよい。
【0053】
データナンバー07の「下糸切り閉じ量」は、下糸切断時の下メス57の上メス56に対する合致の程度に関するデータである。下メス57の動きは第一L型リンク部材135のカムフォロア135aがカム部3Bのどこまで移動するか、つまり、下糸切断時の駆動カム部材134のn方向への回転到達位置で決まる。
ここでは、所定の基準値を「0」として、それよりカムフォロア135aがR点に近い位置までしか移動しない「−1」、「−2」、「−3」と、より遠い位置まで達する「1」、「2」、「3」の全7段階の中から設定値を選択できるようになっている。設定値が大きくなるほど、閉じ量が大きくなり、「3」であれば、カムフォロア135aはカム部3Aにまで至ることになる。
このデータナンバー07の設定値を変えることで、下メス57と上メス56の合致の程度を変えることができ、また、下糸を保持する保持力の程度を変えることにもなる。例えば、かなり大きな切断力を要する性質の糸であれば大きな設定値にしたり、切れやすい糸であれば小さくする。また、すべりやすく保持の際に外れやすい糸であれば大きな設定値とする、といったように設定値を変更することができる。
【0054】
なお、データナンバー07の値が同じであっても、データナンバー06の値が異なれば、駆動カム部材134の下糸切断時の回転量は異なることになる。また、下メス57と上メス56との合致位置そのものは機械的に決まっているので、データナンバー07の値が同じであっても、データナンバー06を+側にずらせば、動き出した時からより早く合致位置に到達することになり、切断のタイミングが早くなる。
【0055】
データナンバー08の「下糸切り開き量」は、下糸切断ハサミ52が開くとき、すなわち上メス56の下メス57に対する開き角度に関するデータである。すなわち、第二L型リンク部材136のカムフォロア136aが駆動カム部材134のカム部4Bのどこまで移動するか、つまり、開く時の駆動カム部材134のm方向への回転到達位置についての設定値である。
ここでは、所定の基準値を「0」として、カムフォロア136aがよりS点側に近い位置にまでしか達しない「−1」、「−2」、「−3」と、より遠い位置に到達する「1」、「2」、「3」の全7段階の中から設定値を選択できるようになっている。設定値が大きくなるほど、開き量は大きくなり、最大値の「3」であれば、カムフォロア136aがカム部4Cに至ることになる。
例えば、暴れやすい性質の下糸であって、かがり縫いの巻き込みの際最後まで保持しつづけた方が好ましいような場合には、開き量を小さくしたり、逆に硬い糸であるような場合には開き量を大きくしたりといったように設定を変えればよい。
なお、データナンバー07同様に、データナンバー08の値が同じであっても、データナンバー06の値が異なれば、駆動カム部材134の回転量は異なることになる。
【0056】
以下に、データナンバー06の下糸切り待機位置を基準値「0」ではなく、「1〜5」のいずれかに設定したときの下糸切断装置130の動作を簡単に述べる。この場合、縫製中の初期状態において、第一L型リンク部材135のカムフォロア135aはカム部3B内にある。第二L型リンク部材136のカムフォロア136aはカム部4A内にある。
この状態から、縫製終了直後の下糸切断時には、データナンバー07の設定値に応じて駆動カム部材134がn方向に回転し、カムフォロア135aはカム部3B(データナンバー07の設定値によってはカム部3Aまで)を相対的に移動し、下メス57が上メス56に合致する。
切断した下糸を保持し、元の待機位置に戻るときには、駆動カム部材134のm方向への回転によりカムフォロア135aは最初のカム部3Bの位置に戻り、カムフォロア136aも同様に元のカム部4A内の所定位置に戻る。
【0057】
次に縫製開始後に、データナンバー08の設定値に応じて駆動カム部材134がm方向に回転する。このとき、カムフォロア135aはカム部3Bを通りながら、原点Rを経て、カム部3C内を相対的に移動する。また、カムフォロア136aはカム部4Aを通り、原点Sを経て、カム部4Bを移動し、データナンバー08の設定値によってはカム部4Cに至る。この動きにより上メス56が下メス57に対して開く。
よって、下糸解放時は、カムフォロア135aのカム部3Bの移動により下メス57、つまり下糸切断ハサミ52は図2で示す原点位置に戻り、次に、カムフォロア136aのカム部4B内の移動により、上メス56が動き、下糸切断ハサミ52は開く。
糸解放後は、カムフォロア135aがカム部3B内の初期位置に戻るまで駆動カム部材134がn方向に回転し、元の状態に戻る。
【0058】
以上のデータナンバー06〜08は、それぞれ操作パネル200を介して設定することができるが、図5(a)に示すように各パターンナンバーにおいて予め設定されている。パターンナンバー01では、データナンバー06〜08それぞれについて基準値である「0」が設定されている。また、パターンナンバー02では、データナンバー06、07、08の順に「1」、「2」、「3」に設定されている。
従って、パターンナンバーを選択することで、他のデータナンバー同様にデータナンバー06〜08についても、わざわざ設定する必要はない。勿論、変更したければ、パターンナンバーの選択後、データナンバー06〜08のいずれかを選択し、予め設定されている値を変更することもできる。
【0059】
以上のミシン及び下糸切断装置130によれば、駆動カム部材134の回転停止時の回転位置をn方向へ変更することにより、下糸切断後に下糸を保持する待機位置を変更することができる。従って、かがり縫いのかがり幅や、縫い長さなどの形状、あるいは糸種等に応じて、例えば、たるみやすい糸であれば縫い始め位置から離したり、逆に硬い糸であれば近づけたりといったように変更することで、次に形成するかがり縫いに確実に縫いこまれる位置で保持することができる。
【0060】
また、下糸切断時に駆動カム部材134がn方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、下糸切断ハサミ52の閉じ量を変更することができることから、糸種などに応じて切断力を変えることができる。例えば、かなり大きな切断力を要する性質の糸であれば大きな設定値にしたり、切れやすい糸であれば小さくする。また閉じ量の変化は、ひいては下糸の保持力を変えることにもなり、例えば、すべりやすく保持の際に外れやすい糸であれば大きな設定値とする。このように、結果として、糸切り、及び次のかがり縫いのための糸の保持・巻きこみが確実なものとなる。
【0061】
さらに、下糸切断ハサミ52が開く時、駆動カム部材134がm方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、下糸切断ハサミ52の開き量を変更できる。従って、例えば、暴れやすい性質の下糸であってかがり縫いの巻き込みの際保持しつづけた方が確実に縫いこめるような場合には、設定値を小さくしたり、逆に硬い糸で暴れ難いような場合には設定値を大きくしたりといったように変更することができ、結果として、確実に次のかがり縫いに縫い込めるようになる。
【0062】
このように、駆動カム部材134の回転停止位置、回転到達位置を変更することで、待機位置、開き量、閉じ量を独立に変更可能であり、従来のように待機位置を変えると他のパラメータも変わってしまうといったことはなく、多様な状況に合わせて、各別に変更することで、確実な下糸切り、下糸巻き込みを可能とし、有用性が高い。
また、3つのパラメータを自在に変更できるにもかかわらず、駆動カム部材134という1つの部材の回転停止位置、回転到達位置を変更するだけであるので、機構が簡略化できる。
【0063】
以上のように、下糸切断装置130では、待機位置、開き量、閉じ量について、駆動カム部材134の回転を制御することで変更できる。そして、待機位置、開き量、閉じ量は、パターンデータの中に含まれる。これにより、操作パネル200を介して、1つのパターンデータを選択することで、所望の待機位置、開き量、閉じ量の設定値を選択することができる。また、パターンデータを選択した上で、更に待機位置、閉じ量、開き量を各別に変更することもできる。
従って、待機位置、閉じ量、開き量の設定・変更が容易であり、糸種や縫い形状に応じた糸切り、糸の保持、糸の巻きこみを、簡単に確実に実現することができる。
【0064】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、適宜変更可能である。例えば、下糸切断装置の駆動源としては、パルスモータを使用したが、その他の位置制御可能な駆動源であれば特に限定されず、リニアモータなどを使用することができる。
また、下糸切断ハサミの位置はパルスモータで自在に変更可能であることから、切断前の初期位置と切断後保持時の待機位置が異なる位置であっても構わない。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、アクチュエータを駆動源とし、駆動カム部材を介して下糸切断ハサミを開閉する下糸切断装置において、前記駆動カム部材の回転停止時の回転位置を前記一方向へ変更することにより、下糸切断後に下糸を保持する待機位置を自由に変更することができる。従って、かがり縫いのかがり幅や、縫い長さなどの形状、あるいは糸種等に応じて、例えば、やわらかいたるみやすい糸であれば縫い始め位置から離したり、逆に硬い糸であれば近づけたり変更することで、次に形成するかがり縫いに確実に縫いこまれるよう保持することができる。
【0067】
そして、駆動カム部材の回転停止時の回転位置と、下糸切断ハサミを閉じるために一方向へ回転するときの到達位置を変更することにより、前記待機位置及び閉じ量をそれぞれ独立に自由に変更できる。
したがって、かがり縫いのかがり幅や、縫い長さなどの形状、あるいは糸種等に応じて待機位置を変更することで、次に形成するかがり縫いに確実に縫いこまれる位置で保持することができる。また、閉じ量を変えることで、糸種などに応じて、切断力や保持力を変えることができる。結果として、糸切りと、次の縫い目への巻きこみのための保持の双方を確実に行うことができる。
【0068】
さらに、駆動カム部材が他方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、前記下糸切断ハサミの開き量を自由に変更できる。従って、保持状態から下糸を解放するときの開き量を自在に変更でき、例えば、暴れやすい性質の下糸であってかがり縫いの巻き込みの際保持しつづけた方が確実に縫いこめるような場合には、開き量を小さくしたり、逆に硬い糸で暴れ難いような場合には開き量を大きくしたりといったように変更することができ、結果として、確実に次のかがり縫いに縫い込めるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例としての穴かがりミシンの全体構成を示すブロック図である。
【図2】下糸切断装置を示す底面図である。
【図3】図2の下糸切断装置の分解斜視図である。
【図4】図1の操作パネルを示す平面図である。
【図5】(a)は操作パネルから入力可能なデータを示すデータテーブルを示し、(b)はボタン穴かがり縫いを模式的に示す図である。
【符号の説明】
210 制御回路
211 CPU
212 ROM
213 RAM
200 操作パネル
130 下糸切断装置
52 下糸切断ハサミ
53 下糸切断ハサミ閉じ手段
54 下糸切断ハサミ開放手段
56 上メス
57 下メス
58 板バネ
61、64、65、67 リンク部材
62 下糸切りリンク
63 下糸手繰腕
68 作動部材
131 パルスモータ(アクチュエータ)
134 駆動カム部材
135 第一L型リンク部材
135a カムフォロア
136 第二L型リンク部材
136a カムフォロア

Claims (2)

  1. 上糸と下糸により穴の周りにかがり縫いを形成する穴かがりミシンに設けられ、かがり縫い形成後に下糸を切断する下糸切断装置において、
    閉じることにより下糸を切断し、閉じた状態のまま切断された下糸を所定の待機位置で次のかがり縫いのために保持する下糸切断ハサミと、
    前記下糸切断ハサミを開閉駆動するためのアクチュエータとしての一個のモータと、
    前記一個のモータによって駆動されて、その回転中心に対して一方向へ回転することによって前記下糸切断ハサミを閉じ、他方向へ回転することによって前記下糸切断ハサミを開く駆動カム部材と
    前記駆動カム部材の回転中心を中心にして、互いに対向するように、前記駆動カム部材に形成される第一カム、第二カムと、
    前記第一カム、第二カムに個別に摺動自在に係合する第一カムフォロア、第二カムフォロアと、を備え、
    前記駆動カム部材の回転停止時の回転位置を前記一方向へ変更することにより、前記下糸切断ハサミの前記待機位置を変更可能とし、
    前記待機位置とは独立して、前記下糸切断ハサミを閉じるために前記駆動カム部材が前記一方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、前記下糸切断ハサミの閉じ量を変更可能とし、
    前記駆動カム部材が前記他方向へ回転するときに到達する回転位置を変更することにより、前記下糸切断ハサミの開き量を変更可能に構成されていることを特徴とする穴かがりミシンの下糸切断装置。
  2. 請求項1に記載の穴かがりミシンの下糸切断装置において、
    前記第一カムフォロアは、第一リンク部材の一端側に設けられ、前記下糸切断ハサミが閉じるように作用する下糸切断ハサミ閉じ手段を構成し、
    前記第二カムフォロアは、第二リンク部材の一端側に設けられ、前記下糸切断ハサミが開くように作用する下糸切断ハサミ開放手段を構成することを特徴とする穴かがりミシンの下糸切断装置。
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