JP2000300885A - ミシンの下糸切り装置 - Google Patents

ミシンの下糸切り装置

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JP2000300885A
JP2000300885A JP11115049A JP11504999A JP2000300885A JP 2000300885 A JP2000300885 A JP 2000300885A JP 11115049 A JP11115049 A JP 11115049A JP 11504999 A JP11504999 A JP 11504999A JP 2000300885 A JP2000300885 A JP 2000300885A
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knife
cutting
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moving knife
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Katsuaki Sakai
克秋 坂井
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミシンの下糸切り装置において、従来の糸切
り機構に複雑な機構を付加することなく、糸切断時の下
糸抜けを確実に防止して、抜け落ちた下糸を作業者が手
作業でクランプする手間、時間的ロスの発生を未然に防
止する。 【解決手段】 固定メス44と、この固定メスと協働し
て下糸38及び芯糸34を切断する動メス50と、切断
された下糸38及び芯糸34を固定メス44との間で挟
持する挟持部材56,58,60と、この挟持部材と固
定メス44との間で挟持された下糸38及び芯糸34を
解放するように動メス50の移動に関連して固定メス4
4と挟持部材56,58,60との間に挿通・離脱可能
とした解放部材64と、を備えたミシンの下糸切り装置
において、解放部材64による固定メス44と挟持部材
56,58,60との間への挿通または離脱の少なくと
も一方の時期を調整可能とする。例えば、解放部材64
を、動メス50に対し取付調節可能に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洋服の釦穴などの
穴かがり縫いを自動的に行うための穴かがりミシン等の
ミシンの下糸切り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加工布に予めまたは事後的に形成される
鳩目穴にかがり縫い目を施す鳩目穴かがりミシンは、一
般に以下の基本的な構成を有している。即ち、ミシンフ
レームのアーム部に設けられ、下端部に縫い針を備えた
針棒は、針棒上下駆動機構によって上下動される。加工
布がセットされる送り台には、送り装置によって鳩目穴
の切り込み形状に沿わせた送り駆動が与えられる。ま
た、アーム部に設けた針振り機構によって、縫い針の針
落ち点は1針毎に左右に振らせられる。そして、針棒の
上下動及び針振りに併せて、ベッド部に設けたルーパー
駆動機構がルーパーを動作させ、両者の協働により鳩目
穴に沿ってかがり縫いが施される。なお、ベッド部に
は、下メスとハンマーとからなる布切り装置が設けら
れ、これにより加工布に所望のタイミングで鳩目穴が切
り込まれる。
【0003】このような鳩目穴かがりミシンは、ルーパ
ーの近傍に芯糸案内機構が設けられ、糸供給源から引き
出された芯糸を、縫い針の左右の針落ち点の間に導出さ
せて、芯糸を縫い目内に縫い込ませて縫い目を補強する
ようになっている。また、ミシンの送り台には、かがり
縫いが終了した後に下糸と芯糸とを切断する糸切り装置
が設けられる。この糸切り装置は、加工布における鳩目
穴に沿って形成された縫い目の終端と、ルーパー及び芯
糸案内機構との間に臨む下糸及び芯糸を挟む両側に、固
定メスと動メスとを備える。そして、動メスが配設され
た動メス固定腕を駆動機構により固定メスに向けて揺動
させる過程で、動メスにより下糸と芯糸を捕捉するとと
もに、この動メスを固定メスに当接させることにより両
糸を切断するよう構成している。
【0004】ところで、固定メスに近接する位置に、動
メスにより捕捉した下糸及び芯糸を、その切断位置より
ルーパー及び芯糸案内機構側において保持する保持手段
が配設されており、下糸及び芯糸は、保持手段により保
持された状態で切断されるようになっている。この保持
手段は、糸クランプ板の上側及び下側に糸クランプ板を
それぞれ備え、その開放端が弾性的に開閉可能に構成さ
れている。そして、動メスに捕捉された芯糸が、芯糸ク
ランプ板と糸クランプ板との間に強制的に挿入されて保
持されるとともに、動メスに捕捉された下糸が、下糸ク
ランプ板と糸クランプ板との間に挿入されて保持され
る。なお、下糸クランプ板の弾力は、糸クランプ板との
間に細い下糸を確実に保持するために強く設定されてお
り、このため、下糸クランプ板と糸クランプ板との間に
下糸を強制的に挿入すると、下糸が損傷したり切れる恐
れがある。そこで、下糸クランプ板に、糸クランプ板及
び芯糸クランプ板を貫通して上方に突出する糸つかみピ
ンを突設し、動メス固定腕に配設した糸つかみオープナ
ーにより糸つかみピンを押し下げることによって、下糸
クランプ板を僅かに開放した状態で、下糸を挿入するよ
う構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
保持手段では、下糸及び芯糸を切断する前に両糸を保持
する必要があるため、動メス固定腕に取り付けた糸つか
みオープナーは動メスが固定メスと合致する前に糸つか
みピンを押し下げるよう位置決めされている。また、動
メスと固定メスにより両糸が切断される間も糸つかみオ
ープナーは、糸つかみピンを押し下げているため、下糸
クランプ板は開放されたままとなる。従って、動メスと
固定メスの合致の際の動きや張力の変化により下糸が抜
け落ちてしまう問題がある。この場合は、作業者が縫製
を中断し、手作業により下糸を保持手段に保持させる手
間、時間的ロスが発生する。また、糸つかみオープナー
による糸つかみピンの押し下げタイミングは、固定メス
と動メスの合致直前に合わせる必要から、それらの取り
付けは部品精度を要求され、コスト高というデメリット
がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、従来の糸切り機
構に複雑な機構を付加することなく、糸切断時の下糸抜
けを確実に防止して、抜け落ちた下糸を作業者が手作業
でクランプする手間、時間的ロスの発生を未然に防止で
きるミシンの下糸切り装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、固定メス(44)と、この固定
メスと協働して下糸(38)を切断する動メス(50)
と、切断された下糸を固定メスとの間で挟持する挟持部
材(例えば、糸クランプ固定板56と芯糸つかみ板58
及び下糸つかみ板60)と、この挟持部材と固定メスと
の間で挟持された下糸を解放するように動メスの移動に
関連して固定メスと挟持部材との間に挿通・離脱可能と
した解放部材(例えば、糸つかみオープナー64)と、
を備えたミシンの下糸切り装置において、解放部材によ
る固定メスと挟持部材との間への挿通または離脱の少な
くとも一方の時期を調整可能とした構成、を特徴として
る。例えば、鳩目穴かがりミシンの場合は、下糸に加
え、芯糸(34)も含まれる。
【0008】このように、請求項1記載の発明によれ
ば、切断された下糸の解放部材による固定メスと挟持部
材との間への挿通または離脱の少なくとも一方の時期を
調整可能としたミシンの下糸切り装置なので、従来の糸
切り機構に複雑な機構を付加することなく、糸切断時の
下糸抜けを確実に防止できる。これにより、次サイクル
の縫製不良の発生を未然に防止でき、抜け落ちた下糸を
作業者が手作業でクランプする手間、時間的ロスの発生
も未然に防止できる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載のミ
シンの下糸切り装置であって、解放部材が、動メスに対
し取付調節可能に設けられている構成、を特徴としてい
る。例えば、動メス固定腕に解放部材を取付調節可能に
設けている(例えば、糸つかみオープナー64を、基部
66が軸ピン46の上方向の突出部に、中間部が長孔6
7,67にて止めねじ68,68により、動メス固定腕
48に水平回転方向調節可能に枢支する)。
【0010】このように、請求項2記載の発明によれ
ば、請求項1記載の解放部材が、動メスに対し取付調節
可能に設けられたミシンの下糸切り装置なので、簡単な
構成で、請求項1記載の発明による利点が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るミシンの下
糸切り装置の実施の形態例を図1から図12に基づいて
説明する。先ず、図1は本発明を適用した一例としての
鳩目穴かがりミシンの概略構成を示す全体斜視図で、こ
の鳩目穴かがりミシンは、基本的に次の構造を有してい
る。即ち、図1において、ミシンフレーム10は、略矩
形の箱状をなすベッド部12と、このベッド部12の奥
行き方向から上部前方に延びるアーム部14とから構成
され、ミシンテーブル(図示せず)上にボトムカバー1
6を介して載置されている。アーム部14の前方頭部に
は、下端部に縫い針18を備えた針棒20が、上下動可
能でかつ1針毎に左右の針振り運動可能に配設される。
この針棒20は、アーム部14に配設した図示しない針
棒上下駆動機構により上下駆動される。
【0012】また、ベッド部12には、針棒20の直下
に位置して2個の図示しないルーパーが設けられてい
る。これらのルーパーは、針棒20の上下動及び針振り
運動と同期して作動し、これにより縫い針と協働して送
り台24上に載置した加工布26に縫い目を形成する。
また、ルーパーの近傍に、糸供給源から引き出された芯
糸34を、縫い針18の左右の針振り位置の間に導出さ
せる図示しない芯糸案内機構が配設され、芯糸34を縫
い目内に縫い込ませることにより縫い目を補強するよう
構成される。さらに、ベッド部12には、ルーパーの奥
行き側(後側)に位置する布切りメス28と、この布切
りメス28に上方から接離する図示しないハンマーとか
らなる布切り装置32が配設され、この布切り装置32
を所要タイミングで作動させることにより、加工布26
に丸孔部と直線部とからなる鳩目穴を切り込み得るよう
になっている。
【0013】ベッド部12の上面には、加工布26が載
置される送り台24が配設され、この送り台24には加
工布26と前記切り込みの両側で押さえる布押さえ36
が設けられている。送り台24は全体として薄い矩形状
の箱体をなし、図示しない2つのパルスモータを備えた
送り装置により駆動されて、左右方向及び前後方向に移
動可能になっている。この送り台24は、原点位置に位
置決めされている状態で、その上面に載置された加工布
26における鳩目穴の形成予定位置の上下に、布切りメ
ス28とハンマーとが臨むよう設定されている。そし
て、送り台24は、布切り装置32により加工布26に
鳩目穴が形成された後、図示しないスタートスイッチの
操作により原点位置より前方の縫製開始位置に移動し、
加工布26に形成された鳩目穴の切り込み形状に沿って
移動するよう設定される。これにより、送り台24に載
置した加工布26を縫い針18の直下の必要位置に移動
させ、鳩目穴の切り込み縁部に順次かがり縫いを施すこ
とができる。なお、縫製が終了すると、送り台24は縫
製位置から原点位置に戻るよう制御される。
【0014】さらに、送り台24には、かがり縫いが終
了した後に、加工布26における鳩目穴に沿って形成さ
れた縫い目の終端から針板22及び芯糸案内機構に延在
している下糸38及び芯糸34を切断する糸切り装置3
7が設けられている。即ち、図2において、針板22の
手前側に臨む送り台24に、固定メス取付補助台40が
左右方向に延在するよう配設して固定され、この固定メ
ス取付補助台40の左端部に、固定メス取付板42が前
後調整可能に配設される。また、固定メス取付板42の
アーム部14を指向する端部に、下糸38及び芯糸34
の左側に臨むように固定メス44がネジ止め固定され、
その自由端を下糸38及び芯糸34を指向する側に所要
長さで延出している。その下糸38及び芯糸34を挟ん
で固定メス取付板42と反対側(糸の右側)の送り台2
4に、軸ピン46を介して動メス固定腕48が水平揺動
自在に枢支されている。
【0015】そして、この動メス固定腕48の下糸38
及び芯糸34を挟んで固定メス44と対向する動メス5
0がねじ止め固定され、その自由端を下糸38及び芯糸
34を指向する側に所要長さで延出している。なお、動
メス50の固定メス44を指向する自由端には、図3に
示すように、上下に2つの凹部50a,50bが形成さ
れ、動メス固定腕48の揺動により動メス50が固定メ
ス44に向かって近接移動する際に、その上側の凹部5
0aに芯糸34を捕捉するとともに、下側の凹部50b
に下糸38を捕捉して、下糸38及び芯糸34を確実に
分離するよう構成してある。
【0016】また、送り台24の下面にシリンダ52が
配設され、そのロッド52aは、動メス固定腕48に連
繋する糸切りリンク腕54に連繋されている。このシリ
ンダ52を正逆方向に付勢することにより、糸切りリン
ク腕54を介して動メス固定腕48は、図4に示す待機
位置と図8に示す切断位置との間を揺動するよう構成さ
れる。そして、動メス50は、動メス固定腕48が待機
位置から切断位置に揺動する過程で、その自由端に形成
した一対の凹部50a,50bに芯糸34と下糸38と
を捕捉し、動メス固定腕48が切断位置に到来すること
により、固定メス44の自由端に、動メス50の側面
(アーム部14を指向する面)が当接して下糸38及び
芯糸34を切断するようになっている。なお、動メス5
0の側面は、弧状に形成されて、この動メス50の円弧
運動により固定メス44の自由端に円滑に当接するよう
設定されている。
【0017】また、固定メス取付補助台40には、図2
に示すように、動メス50が下糸38及び芯糸34を捕
捉する位置と、固定メス44及び動メス50による糸切
断位置との間に臨むように保持手段55が配設され、こ
の保持手段55により下糸38及び芯糸34を保持する
ようになっている。即ち、固定メス取付補助台40に
は、糸クランプ固定板56が前面部において前後方向に
位置調整自在に配設されて、固定メス取付補助台40か
ら後方に向けて所要長さだけ延出している。この糸クラ
ンプ固定板56の上面には、芯糸つかみ板58が前部側
においてねじ止めされ、後側を指向する自由端側と糸ク
ランプ固定板56との間に芯糸34を弾性的に保持する
よう構成される(図9参照)。
【0018】また、糸クランプ固定板56の下面には、
下糸つかみ板60が前部側においてねじ止めされ、後側
を指向する自由端側と糸クランプ固定板56との間に下
糸38を弾性的に保持するよう構成される(図9参
照)。なお、芯糸つかみ板58及び下糸つかみ板60
は、図5に示すように、その自由端が糸クランプ固定板
56から離間する上下方向に所要角度で折曲され、動メ
ス50により捕捉された下糸38及び芯糸34を、糸ク
ランプ固定板56と芯糸つかみ板58及び下糸つかみ板
60との間に確実に案内するようになっている。また、
下糸つかみ板60の所要箇所には、糸クランプ固定板5
6及び芯糸つかみ板58を貫通して上方に延出する糸つ
かみピン62が突設され、この糸つかみピン62を押し
下げることにより、糸クランプ固定板56に対して下糸
つかみ板60の自由端側が大きく開放するよう設定され
る。以上の糸クランプ固定板56と芯糸つかみ板58及
び下糸つかみ板60により挟持部材が構成されている。
【0019】さらに、動メス固定腕48には、動メス5
0が待機位置から切断位置まで移動する間に、下糸つか
み板60の糸つかみピン62に係合・離脱して下糸つか
み板60の開閉を行う糸つかみオープナー(解放部材)
64が配設されている。この糸つかみオープナー64
は、その基部66が軸ピン46の上方向の突出部に、中
間部が長孔67,67にて止めねじ68,68により、
動メス固定腕48に水平回転方向調節可能に枢支される
とともに、基部66から動メス50の延出方向に作動部
70が所要長さで延出している。この作動部70の下面
レベルは、下糸つかみ板60が閉成した状態での糸つか
みピン62の上端よりも低くなるよう設定され、この作
動部70の下面に糸つかみピン62の上端が当接した状
態で、下糸つかみ板60が開放されるよう構成される
(図7参照)。また、作動部70の延出寸法は、図6に
示すように、動メス50により捕捉された下糸38及び
芯糸34が保持手段55の自由端側の直前まで移動され
たときに、当該作動部70の自由端が糸つかみピン62
の上端に係合してこれを押し下げるよう調節し固定され
る。これにより、下糸38は糸クランプ固定板56と下
糸つかみ板60との間に円滑に挿入される。なお、作動
部70の自由端側の下面は、図12に示すように、テー
パ部71が形成され、糸つかみピン62を円滑に導くよ
うになっている。
【0020】以上の糸つかみオープナー64における作
動部70の動メス50と対向する側面には、動メス50
が切断位置に到来する直前の位置まで動メス固定腕48
が揺動したときに、糸つかみピン62と対応する位置に
凹部70aが形成されている。即ち、糸つかみオープナ
ー64の自由端から下面に導かれて下糸つかみ板60を
開放した糸つかみピン62は、糸つかみオープナー64
の移動により凹部70aと対応する位置に到来すると、
糸つかみオープナー64の下面から離脱して下糸つかみ
板60を閉成するようになっている。これにより、糸ク
ランプ固定板56と下糸つかみ板60との間に下糸38
が、その切断前に確実に保持される。なお、糸つかみオ
ープナー64の凹部70aには、図12に示すように、
作動部70の自由端側と同様、テーパ部72が形成され
ている。即ち、動メス50が切断後、復帰時、糸つかみ
オープナー64のテーパ部72にて糸つかみピン62が
再度押し下げられる際、緩やかに糸つかみピン62を作
動部70の下面に導き通過できるようになっている。
【0021】次に、以上の糸切り装置37の作用を説明
する。先ず、原点位置に臨む送り台24に加工布26を
セットし、布切り装置32を作動すると、加工布26に
は、丸孔部と直線部とからなる鳩目穴が切り込み形成さ
れる。次いで、ミシンのスタートスイッチを操作する
と、送り台24は原点位置から縫製開始位置まで前進移
動した後、鳩目穴の形状に沿って移動しつつ、縫い針1
8とルーパーとにより加工布26にかがり縫いがなされ
る。
【0022】かがり縫いが終了すると、送り台24は原
点位置に向けて復帰移動し、かがり縫いの終端と針板2
2及び芯糸案内機構との間に下糸38と芯糸34とが張
った状態で臨む。このとき、糸切り装置37の動メス5
0は、図4に示すように、下糸38及び芯糸34を挟ん
で固定メス44と反対側の待機位置に臨んでいる。ま
た、上下の芯糸つかみ板58及び下糸つかみ板60は、
図5に示すように、糸クランプ板56に当接した閉成状
態となっている。
【0023】次いで、糸切り装置37のシリンダ52が
所定方向に付勢され、糸切りリンク腕54を介して動メ
ス固定腕48が反時計方向に揺動し、動メス50の凹部
50a,50bに、芯糸34と下糸38とが上下の関係
に分離されて捕捉される。また、動メス50に捕捉され
た芯糸34及び下糸38が、上下の芯糸つかみ板58及
び下糸つかみ板60の自由端まで移動されると、図6及
び図7に示すように、動メス固定腕48に配設した糸つ
かみオープナー64における作動部70の自由端が、下
糸つかみ板60の糸つかみピン62の上端に係合し、こ
の糸つかみピン62が作動部70の下面に導かれる。即
ち、糸つかみピン62は作動部70により所要量だけ押
し下げられ、糸クランプ固定板56に対して下糸つかみ
板60が大きく開放されるに至る。そして、動メス固定
腕48の揺動により動メス50に捕捉された下側の下糸
38は、糸クランプ固定板56と下糸つかみ板60との
間を抵抗なく挿入される。なお、糸つかみオープナー6
4は、糸つかみピン62を押し下げ得る姿勢を保持した
状態で、切断位置直前まで移動する。
【0024】また、動メス固定腕48がさらに揺動し、
動メス50が切断位置に到来する直前に、図8及び図9
に示すように、糸つかみオープナー64における作動部
70の下面から糸つかみピン62が離脱して凹部70a
に臨む。これにより、下糸つかみ板60は閉成して糸ク
ランプ固定板56との間で下糸38を確実に保持する。
この状態で、動メス50が固定メス44に当接して芯糸
34及び下糸38の切断が行われる。
【0025】そして、シリンダ52が逆付勢され、切断
位置から待機位置に向けて動メス固定腕48が揺動を開
始すると、固定メス44から動メス50が離間する。こ
の動メス50とともに糸つかみオープナー64も待機位
置に戻る際、凹部70aに設けられたテーパ部72にて
糸つかみピン62を緩やかに再度押し下げ、作動部70
を通過させる。このとき、一旦、下糸つかみ板60は開
放されるが、既に下糸38の切断は完了しており、下糸
38が抜け落ちることはない。
【0026】以上の通り、鳩目穴かがりミシンの糸切り
装置37において、動メス固定腕48に取付調節可能に
設けた糸つかみオープナー64による、固定メス44と
挟持部材(糸クランプ固定板56、芯糸つかみ板58及
び下糸つかみ板60)との間を挿入・離脱する時期を調
整可能としたため、従来の糸切り機構に複雑な機構を付
加することなく、糸切断時の下糸抜けを確実に防止でき
る。従って、次サイクルの縫製不良を防ぐことができ
る、抜け落ちた下糸を作業者が手作業でクランプする
手間、時間的ロスを防ぐことができる、といった利点が
得られる。
【0027】なお、以上の実施の形態例においては、鳩
目穴かがりミシンとしたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、他のミシンであっても良い。また、その
他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であ
ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
るミシンの下糸切り装置によれば、切断された下糸の解
放部材による固定メスと挟持部材との間への挿通または
離脱の少なくとも一方の時期を調整可能としたため、従
来の糸切り機構に複雑な機構を付加することなく、糸切
断時の下糸抜けを確実に防止することができる。従っ
て、次サイクルの縫製不良の発生を未然に防止すること
ができるとともに、抜け落ちた下糸を作業者が手作業で
クランプする手間、時間的ロスの発生も未然に防止する
ことができる。
【0029】請求項2記載の発明に係るミシンの下糸切
り装置によれば、解放部材を動メスに対し取付調節可能
に設けたため、簡単な構成をもって、請求項1記載の発
明による効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての鳩目穴かがりミ
シンの概略構成を示す全体斜視図である。
【図2】糸切り切断部の構成を示す平面図である。
【図3】糸切り切断部を示した斜視図である。
【図4】動メス固定腕の待機位置状態を示した平面図で
ある。
【図5】図4の状態の保持手段を示した側面図である。
【図6】解放部材(糸つかみオープナー)の作動部が糸
つかみピンを押し下げる状態を示した平面図である。
【図7】図6の状態の保持手段を示した側面図である。
【図8】糸つかみオープナーの作動部下面から糸つかみ
ピンが離脱して凹部に臨んだ状態を示した平面図であ
る。
【図9】図8の状態の保持手段を示した側面図である。
【図10】動メス固定腕が切断位置から待機位置に揺動
する状態を示した平面図である。
【図11】図10の状態の保持手段を示した側面図であ
る。
【図12】図4の矢印A方向から見て、糸つかみオープ
ナーの作動部端面を拡大して示した図である。
【符号の説明】
22 針板 26 加工布 34 芯糸 37 糸切り装置 38 下糸 40 固定メス取付補助台 42 固定メス取付板 44 固定メス 46 軸ピン 48 動メス固定腕 50 動メス 52 シリンダ 55 保持手段 56,58,60 挟持部材(糸クランプ固定板、芯糸
つかみ板、下糸つかみ板) 62 糸つかみピン 64 解放部材(糸つかみオープナー) 66 基部 67 長孔 68 止めねじ 70 作動部 70a 凹部 71,72 テーパ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定メスと、 この固定メスと協働して下糸を切断する動メスと、 切断された下糸を固定メスとの間で挟持する挟持部材
    と、 この挟持部材と固定メスとの間で挟持された下糸を解放
    するように動メスの移動に関連して固定メスと挟持部材
    との間に挿通・離脱可能とした解放部材と、を備えたミ
    シンの下糸切り装置において、 解放部材による固定メスと挟持部材との間への挿通また
    は離脱の少なくとも一方の時期を調整可能としたこと、
    を特徴とするミシンの下糸切り装置。
  2. 【請求項2】解放部材が、動メスに対し取付調節可能に
    設けられていること、を特徴とする請求項1記載のミシ
    ンの下糸切り装置。
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