JP3939874B2 - 作業車両のリア部品の取付構造 - Google Patents

作業車両のリア部品の取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カウンタウエイトを有する作業車両にリヤコンビネーションランプなどのリヤ部品を取り付けるための取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホイールショベルやフォークリフトなどの作業車両においては、車体後部のカウンタウエイトにリヤコンビネーションランプなどの部品が取り付けられる。車体の一部を構成するカウンタウエイトは、車体の寸法・形状等によってその形状、大きさが決まるため、定まる形状において車体の重量バランスを考慮して重量を増やすためには、比重の大きな鋳物によって形成されることが行われる。そして、鋳物によって形成されたカウンタウエイトに、車体後部に設けられるウインカー、ブレーキランプ等を備えたコンビネーションランプを取り付けるには、カウンタウエイト形成後に後加工にてボルト穴を加工し、そのボルト穴にコンビネーションランプをボルト付けすることが行われる。しかし、鋳物にボルト穴等の後加工を施すには、作業上、手間と労力を要し、また、位置精度良くボルト穴を加工することは困難であり、作業効率を悪化させる問題がある。この問題を解決するものとして、例えば特開平4−221237号公報には、カウンタウエイトへのボルト穴の加工を不要とした取付構造が開示されている。
【0003】
この公報記載の構造によると、カウンターウエイトの車両後方側に部品取り付け用の座面を設け、その座面から車両前方に向けて貫通穴(横穴)を設ける。平板状のブラケットには、断面コの字状(上方から見てコの字)のブラケットを予めボルトで仮止めしておき、平板状のブラケットをカウンターウエイトの座面に当接させ、コの字状のブラケットを横穴に挿通する。さらに、横穴に交差するようにカウンタウエイトに上下方向の穴(縦穴)を設け、その縦穴にストッパを挿入する。ストッパにはフックを設けておき、そのフックをコの字状のブラケットの最前部に係止させてストッパの落下を防止する。この状態で仮止めしていたボルトを締め付けると、コの字状のブラケットと平板状のブラケット互いに引き寄せられ、コの字状のブラケットの移動はストッパにより阻止されるとともに、平板状のブラケットの移動は座面により阻止される。これによって、ブラケットはカウンタウエイトに固定される。この状態で車両後方から平板状のブラケットにランプを取り付ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の取付構造では、カウンタウエイトに上下方向の貫通穴が必要であり、鋳物によるカウンタウエイトの形成過程で鋳型を形成する場合、前後方向の鋳型に対し、上下方向の貫通穴を形成するための鋳抜きが必要となって加工コストが上昇する。また、部品点数が多く、取付作業も面倒である。
【0005】
本発明の目的は、加工コストを抑え、取付作業を容易にすることのできる作業車両のリア部品の取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 一実施の形態を示す図3,5,7を参照して説明すると、請求項1の発明は、作業車両のリア部品の取付構造に適用され、車両前後方向に貫通穴2cの開口されたカウンタウエイト2と、カウンタウエイト2に固定されるブラケットと3,10と、貫通穴2cを介してブラケット3,10とともにカウンタウエイト2の車両前後面を挟み込んでカウンタウエイト2にブラケット3,10を固定する手段4,,11,12と、固定手段によりブラケット3,10が固定された状態で、車両後方からの操作によりブラケット3,10にリア部品5を着脱可能に取り付ける手段7とを備えることにより、上述した目的は達成される。
(2) 請求項2の発明は、ブラケット3,10には、カウンタウエイト2を挟み込むための挟み込み部3a、3b,10a,10bが設けられ、固定手段が、カウンタウエイト2の車両前側に当接された固定用部材4 , 11と、この固定用部材4,11とカウンタウエイト2の車両後側に当接されたブラケットの挟み込み部3b,10aとを螺合して締結する締結部材5,12とを有するものである。
(3) 請求項3の発明は、車両前後方向に貫通孔2cの開口されたカウンタウエイト2と、貫通孔2cを介してカウンタウエイト2の車両前後面を挟み込んでカウンタウエイト2に固定されるブラケット20と、車両後方からの操作によりブラケット20にリア部品5を着脱可能に取り付ける手段7とを備え、ブラケット20が、貫通孔2cの内側方向に収縮可能なバネ状部材20b,20cを有するものである。
【0007】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の実施の形態に係わる取付構造によってリアコンビネーションランプが取り付けられるカウンタウエイトを車両後方側から見た図であり、図2は図1のII-II線断面図である。図1、2に示すように、車体フレーム1の取付部1aに支持されるカウンタウエイト2の左右両側には、ランプ取付用の座面2a,2bが車両前側および後側の双方にそれぞれ設けられ、その座面2a,2bには車両前後に向かって貫通孔2cが設けられている。本実施の形態において、カウンタウエイト2は砂型による鋳造で製作される。この場合、車両前後方向から砂型を抜くことで、カウンタウエイト2は中子などを使用することなく容易に形成することができる。なお、図1、2において、カウンタウエイト2の中央にも座面2dが設けられ、その座面2dにはナンバープレートや旋回フラッシャなどが取り付けられるが、その説明は省略する。以下ではリアコンビネーションランプ5の取付構造について説明する。
【0009】
図3は、第1の実施の形態に係わる取付構造によってカウンタウエイト2の右側(図2のa部)に取り付けられたリヤコンビネーションランプ5の取付状態を示す断面図である。図3に示すように、カウンターウエイト2の貫通穴2cには、ブラケット3とストッパー4とランプ5がそれぞれ設けられている。ブラケット3はその斜視図である図4に示すように、略長方形状の平板3aと、その平板3aに固設された断面コの字状の2組の側板3bからなり、平板3aの内側には開口部3cが設けられている。平板3aの縦横の長さ(上下左右の長さ)はそれぞれカウンターウエイト2の貫通穴2cの上下左右(図1参照)よりも長くなっており、それ故、側板3bは貫通穴2cに挿通されるが、平板3aの縁端部は車両後側の座面2aに当接される。ストッパー4は略長方形状を有し、側板3bに対応して一対設けられている。ストッパー4の長手方向の長さは貫通穴2cの左右の長さより長くなっており、ストッパー4の左右端部は車両前側の座面2bに当接される。各側板3bには2つのねじ穴3dが設けられ、そのねじ穴3dに対応して各ストッパー4には2つのねじ挿通孔4aが設けられている。したがって、図3に示すように、ねじ挿通孔4aを介しねじ穴3dにボルト6を螺合することで、ブラケット3とストッパー4は互いに引き寄せられ、その結果、ブラケット3とストッパー4は貫通穴2cを介してカウンターウエイト2を挟み込んで締結される。
【0010】
リヤコンビネーションランプ5は、外側のカバー5a、内側のカバー5b、ハーネス5cおよびコネクタ5d等からなっており、内側のカバー5bが平板3aの開口部3cにはめ込まれるようになっている。外側のカバー5aは平板3aの開口部3cの形状よりも大きく、カバー5a縁端部の端面は平板3aの後面に当接される。図4に示すように、平板3aには4つのねじ穴3eが設けられており、このねじ穴3eに対応してカバー5aにはねじ挿通孔5eが設けられている(図3に2つのみ図示)。したがって、図3に示すように、ねじ挿通孔5eを介しねじ穴3eにボルト7を螺合することで、ランプ5はブラケット3に固定される。また、図3の状態からボルト7を取り外すことで、ランプ5の交換を行える。
【0011】
このように車両後方からのボルト7の締め付けによってランプ5の着脱などが容易に行われるので、カウンタウエイト2にブラケット3を一旦組み付けておくと、以降ブラケット3を取り外す必要はない。したがって、本実施の形態ではカウンターウエイト2を車体1にセットする前に、貫通孔2cを介しブラケット3とストッパー4を予め締結しておき、以降はブラケット3とカウンタエイト2を一体として扱う。
【0012】
上述したように第1の実施の形態によると、カウンタウエイト2の車両前後方向にそれぞれストッパー4とランプ取り付け用のブラケット3の端面が当接する座面2a,2bを設けるとともにその座面2a,2bを貫通するような穴2cを設け、その貫通穴2cを介してブラケット3とストッパー4をボルト6で締結するようにしたので、すなわち、カウンタウエイト2を車両前後方向から挟み込むことでブラケット3とストッパー4を固定するようにしたので、カウンタウエイト2に他の加工(例えば従来技術のような縦孔の加工)をする必要がなく加工工数が低減されるとともに、部品点数が少なく取付性も向上する。
【0013】
−第2の実施の形態−
図5は、本発明の第2の実施の形態に係わる取付構造によって取り付けられたコンビネーションランプ5の取付状態を示す図であり、図6はその一部斜視図(ランプは省略)である。なお、図3と同一の箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違点を主に説明する。図5、6に示すように、第2の実施の形態では前板10a、側板10b、後板10cからなる断面略ユの字状のブラケット10がそれぞれ左右に設けられている。図6は右側のブラケット10を車両前方から、すなわちコンビネーションランプ5の背面から見た図である。前板10aにはねじ穴10dが設けられ、そのねじ穴10dにはボルト12が螺合されている。ボルト12の先端には止め板11が回転可能に連結されている。第2の実施の形態では車両前方側からブラケット10をカウンターウエイト2の貫通穴2cにセットしてボルト12を締め付けることで、止め板11と後板10cがそれぞれカウンターウエイト2の座面2a,2bに当接される。これによって、止め板11と後板10cがカウンタウエイト2を挟み込んで、ブラケット10はカウンターウエイト2に固定される。以降、第1の実施の形態と同様に、車両後方から左右のブラケット10にランプ5をはめ込み、後板10cに設けられたねじ穴10fにボルト7を螺合してランプ5が取り付けられる。
【0014】
このように第2の実施の形態によると、断面略ユの字状のブラケット10の前板10aにねじ穴10dを設け、そのねじ穴10dに止め板11の固設されたボルト12を螺合することで、貫通穴2cの左右端部にブラケット10を固定するようにしたので、貫通穴2cの大きさが大きくなったとしてもブラケット10を大型化する必要がなく、同一のブラケット10を利用することができる。
【0015】
−第3の実施の形態−
図7は、本発明の第3の実施の形態に係わる取付方法によって取り付けられたコンビネーションランプ5の取付状態を示す図であり、図8はその一部斜視図(ランプは省略)である。なお、図3と同一の箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違点を主に説明する。図7、8に示すように、第3の実施の形態では前板20a、側板20b、後板20cからなる一体形状のブラケット20が設けられている。前板20aにはハーネス5c通過用の開口部20dが設けられ、後板20cにはランプ5取り付け用のねじ穴20eが設けられている。ブラケット20の後板20cの両端部は、図7の2点鎖線で示すように弾性変形して収縮可能となっている。したがって、カウンターウエイト2にブラケット20を取り付ける際には、後板20cの両端部を収縮させて貫通穴2cを通過させ、通過し終わると元に戻す。この場合、ブラケット2の前板20a端面から後板20c端面までの長さLは貫通孔2cの長さに等しく設定しておく。これによって、ブラケット20の前後端面をカウンタウエイト2の座面2a,2bに当接させ、ブラケット20を固定することができる。なお、ブラケット20のガタツキを防止するためブラケット20の角部にはゴム部材21が取り付けられている。
【0016】
このように第3の実施の形態によると、ブラケット20の後板20c側の左右端部を収縮させて貫通穴2cに通過させることで、ブラケット20の前後端面をカウンターウエイト2の座面2a,2bに当接させ、ブラケット20を固定するようにしたので、ブラケット固定用のボルト5,11などが不要となり、部品点数が低減される。
【0017】
なお、上記実施の形態においては、コンビネーションランプ5をカウンターウエイト2に取り付ける場合について説明したが、ナンバープレートや旋回フラッシャなどを取り付ける場合にも同様な方法を用いることができる。また、上記実施の形態におけるブラケット3,10,20の取付方向は一例であって前後方向が逆であってもよい。とくに、上記第2の実施の形態では、ブラケット20の取付方向を前後逆にすることで、すなわち止め板12のボルト11を車両後方側にもってくることで、カウンターウエイト2を車体フレーム1にセットした状態でブラケット10を着脱できるようになる。さらに、上記実施の形態においてカウンターウエイトは鋳造品としたが、鋳造品以外であってもよい。
【0018】
以上の実施の形態と請求項との対応において、ストッパー4とボルト、あるいは止め板11とボルト12が固定手段を、ブラケット3に設けられた平板3aと側板3b、あるいはブラケット10に設けられた前板10aと後板10cが挟み込み部を、ストッパー4あるいは止め板11が固定用部材を、ボルトあるいはボルト12が締結部材を、ブラケット20に設けられた側板20bと後板20cがバネ状部材をそれぞれ構成する。
【0019】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、カウンタウエイトの車両前後方向に開口された貫通孔を介してカウンタウエイトの車両前後面を挟み込んでカウンタウエイトにリア部品取付用のブラケットを固定するようにしたので、カウンタウエイトに他の加工する必要がなく加工工数が低減されるとともに、部品点数が少なく取付性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる取付方法によってリア取付部品の取り付けられるカウンターウエイトを車両後方から見た図。
【図2】図1のII-II線断面図。
【図3】第1の実施の形態に係わる取付方法によってカウンタウエイトに取り付けられたリヤコンビネーションランプの取付状態を示す図。
【図4】図3の一部斜視図。
【図5】第2の実施の形態に係わる取付方法によってカウンタウエイトに取り付けられたリヤコンビネーションランプの取付状態を示す図。
【図6】図5の一部斜視図。
【図7】第3の実施の形態に係わる取付方法によってカウンタウエイトに取り付けられたリヤコンビネーションランプの取付状態を示す図。
【図8】図7の一部斜視図。
【符号の説明】
2 カウンタウエイト 2c 貫通孔
3,10,20 ブラケット 4 ストッパー
5,12 ボルト 11 止め板

Claims (3)

  1. 車両前後方向に貫通穴の開口されたカウンタウエイトと、
    前記カウンタウエイトに固定されるブラケットと、
    前記貫通孔を介して前記ブラケットとともに前記カウンタウエイトの車両前後面を挟み込んで前記カウンタウエイトに前記ブラケットを固定する固定手段と、
    前記固定手段により前記ブラケットが固定された状態で、車両後方からの操作により前記ブラケットにリア部品を着脱可能に取り付ける手段とを備えることを特徴とする作業車両のリア部品の取付構造。
  2. 前記ブラケットには、前記カウンタウエイトを挟み込むための挟み込み部が設けられ、
    前記固定手段は、前記カウンタウエイトの車両前側に当接された固定用部材と、この固定用部材と前記カウンタウエイトの車両後側に当接された前記ブラケットの挟み込み部とを螺合して締結する締結部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の作業車両のリア部品の取付構造。
  3. 車両前後方向に貫通孔の開口されたカウンタウエイトと、
    前記貫通孔を介して前記カウンタウエイトの車両前後面を挟み込んで前記カウンタウエイトに固定されるブラケットと、
    車両後方からの操作により前記ブラケットにリア部品を着脱可能に取り付ける手段とを備え、
    前記ブラケットは、前記貫通孔の内側方向に収縮可能なバネ状部材を有することを特徴とする作業車両のリア部品取付構造。
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