JP2007205097A - 作業機械のカウンタウエイト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】作業機械の後端部に配設され、作業機械の幅方向に延びる中空状に形成された筺体11と、筺体11内部に備えられた重量物12とを有する作業機械のカウンタウエイト10において、筐体11内部に略水平に配置された板状の重量物12としての第1ブロック13と、第1ブロック13の上面に積層された板状の重量物12としての第2ブロック14とを備える。そして、第2ブロック14に、その端部が第1ブロック13の端部よりも略水平方向へ突出した突出部14aを形成する。
【選択図】図1
Description
上部旋回体2は、架台となるスイングフレーム2aを有し、スイングフレーム2a上の後端部にはカウンタウエイト4が備えられ、カウンタウエイト4の前方にはエンジンや各種冷却装置等を内部に収めるエンジンルーム5が備えられ、左前部にはオペレータが搭乗するキャブ6が備えられ、中央前部に、上記作業装置3が前方へ延出するように取り付けられている。作業装置3は、一般に、ブーム7,アーム8及びバケット(アタッチメント)9からなっている。
ところで、油圧ショベルでは、作業装置3のアタッチメントとして、掘削作業を行なうバケット9以外にも、電磁石を利用し鉄を吊り上げるリフティングマグネットや、対象物を挟み付けて吊り上げて移動させるグラップルや、先端のチゼル(ノミ)によってコンクリート構造物やアスファルト等を破砕するブレーカー(破砕機)等、種々のものが使用されている。
しかしながら、例えば、上記のリフティングマグネットを装着した油圧ショベルや、ハイブリッドシステムの油圧ショベルにおいては、スイングフレーム2a上にリフティングマグネットやハイブリッドシステム用のバッテリ等の機器を搭載するための十分なスペースがないため、機体の外径寸法を変更する必要がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で多種多数の機器を搭載できるようにした、作業機械のカウンタウエイトを提供することを目的とする。
請求項4記載の本発明の作業機械のカウンタウエイトは、請求項1又は2記載の作業機械のカウンタウエイトにおいて、該第1ブロック及び該第2ブロックが、該筺体内部における該幅方向の中央部に配置されるとともに、該突出部が、該第1ブロックの端部から該筺体の外側に向かって突出形成されていることを特徴としている。
請求項6記載の本発明の作業機械のカウンタウエイトは、請求項1〜5の何れか1項に記載の作業機械のカウンタウエイトにおいて、該筺体内部に、該作業機械を作動させる作動機器と、該筺体外部から延在して該作動機器に接続される接続部品を集約して中継する中継装置とを備えたことを特徴としている。なお、該接続部品は、例えば配管や配線であって、該中継装置は、配管及び配線の少なくとも何れか一方を集約して中継するものであれば良い。
また、第2ブロックに第1ブロックよりも突出した突出部が形成されているので、突出部を機器類を配置するためのブラケットとして機能させることが可能となる。そして、従来単なるおもりとして機能していた重量物をブラケットとして利用するので、機器類を配置するための支持枠や間仕切壁等の構造を簡素にして、多種多数の機器類を搭載することができる。また、第1ブロックと第2ブロックとを溶接にて接合する場合、突出部を利用して隅肉溶接にて接合することができるので、溶接にかかるコストを低減させることができる。
請求項3記載の本発明の作業機械のカウンタウエイトによれば、カウンタウエイトの幅方向中央部に機器類を配置する空間を形成することができ、機器類を中央部に集約することができ、機器類のメンテナンス作業等がより容易となるという利点がある。
請求項6記載の本発明の作業機械のカウンタウエイトによれば、中継装置を備えるので、作動機器に接続される接続部品を一箇所で断接することができ、作業機械本体からカウンタウエイトを取り外す際及び組み付ける際に、機器類を搭載した状態でカウンタウエイトを単一モジュール(アッセンブリ)として扱うことができる。したがって、カウンタウエイトの取り外しや組み付け作業を容易にすることができる。
[構成]
図1〜図4は本発明の一実施形態に係る作業機械のカウンタウエイトを示すもので、図1はその斜視図、図2は図1の正面図、図3は図1の背面図、図4は重量物の接合の様子を示す断面図である。なお、従来技術のものと同じ部材等は同じ符号を付し、また、従来技術の説明に用いた図7を適宜流用して説明する。
油圧ショベルは、内燃機関であるエンジン(図示略)と電気モータとを原動機とするハイブリッドシステムの油圧ショベルであって、図7に示すように、下部走行体1と、下部走行体1上に回転自在に結合された上部旋回体2と、上部旋回体2に装着された作業装置3とから構成されている。上部旋回体2は、架台となるスイングフレーム2aを有し、スイングフレーム2a上の後端部には、カウンタウエイト10(図7では符号4を付している)が備えられ、カウンタウエイト10の前方には、エンジン,後述するバッテリ30aからの電力供給を受けて駆動される電気モータ(電動機兼発電機。図示略),エンジン及び電気モータの駆動力により駆動される油圧ポンプ等を内部に収めるエンジンルーム5が備えられている。
筺体11には、図3に示すように、その背面(機体後面)に開口部11aが形成され、その開口部11aには、ヒンジ等により外方へ開閉自在に取り付けられたカバー20が覆設されている。また、筺体11の正面下部には、図1及び図2に示すように、スイングフレーム2aへの取り付けのための凹部11bが形成されている。
そして、第2ブロック14には、その端部が第1ブロック13の端部よりも筺体11の内側へ向かって略水平に突出することで、突出部14aが形成されている。そして、幅方向両端部で相対する突出部14aはそれぞれ、同一の高さとなるように形成されている。
さらに、幅方向両端部で相対する突出部14aには、仕切板17が架設されている。そして、油圧ショベルをハイブリッドシステムで作動させるための、電気モータに電力を供給するバッテリ30aやバッテリ用冷却ファン30bやインバータ30c等の作動機器30と、該筺体11外部から延在して作動機器30に接続される配線(接続部品)を集約して中継する端子台(中継装置)40とが、仕切板17上や第3ブロック15上に載置されている。なお、上記筺体11背面の開口部11aは、作動機器30にアクセス可能な位置及び大きさに形成されている。
本発明の一実施形態にかかる作業機械のカウンタウエイトは上述のように構成されているので、以下のような作用・効果がある。
第1ブロック13及び第2ブロック14が板状のブロック形状に形成されているので、第1ブロック13及び第2ブロック14の形状や重量や配置を変更することで、容易にカウンタウエイト10内部にスペースSを形成することができ、本カウンタウエイト10を多様な機種に容易に適用することができる。
また、第2ブロック14に第1ブロック13よりも突出した突出部14aが形成されているので、突出部14aを作動機器30や端子台40等の機器類を配置するためのブラケットとして機能させることが可能となる。そして、従来単なるおもりとして機能していた重量物12である第2ブロック14をブラケットとして利用するので、機器類を配置するための支持枠や間仕切壁等の構造を簡素にして、多種多数の機器類を搭載することができる。
さらに、第1ブロック13の上面に第2ブロック14を積層するので、機器類を配置するための複数段(ここでは3段)の陳列棚を形成して、各段に配置された機器類を互いに接触しないように空間を空けて配置できるようになるので、機器の重量に関わらず、自由な配設位置が設定できる。そして、機器類を種類毎に分類して段毎に配置すれば、各段をモジュールとして扱えるため、取り外しや組み付け作業及びメンテナンス作業が容易に行なえるという利点がある。
また、仕切板17上に機器類を搭載することができるので、突起部14aは、仕切板17を支持できる程度の突出量を最低限確保すれば良く、第1ブロック13及び第2ブロック14の重量を容易に調節することができる。
なお、作動機器30にはそれぞれ、作動機器30を支持する防振マウント(図示略)を設置することが好ましい。これによれば、機体の振動が作動機器30に伝わることを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上記実施形態では、第1ブロック13及び第2ブロック14が、筺体11内部における幅方向両端部に配置されているが、第1ブロック13及び第2ブロック14の積層位置はこれに限らない。つまり、例えば図5に示すように、第1ブロック13及び第2ブロック14は、筺体11内部における幅方向中央部に配置されるとともに、突出部14aが、第1ブロック13の端部から筺体11の外側に向かって突出形成されていても良い。そして、突出部14aは、全幅に延びるように形成されていても良い。
また、上記実施形態では、筺体11の背面に開口部11aが形成され、ヒンジ等により外方へ開閉自在にカバー20が取り付けられているが、開口部11aが閉じた状態と開いた状態とを取りうるとともに、筺体11内部へのアクセスを容易することが可能であるならば、どのような開口部11aが形成されていても良いし、どのようにカバー20が取り付けられていても良い。
また、例えば、図6(b)に示すように、筺体11の前方,後方及び上方の3方向からアクセスができるように、前面,背面及び上面の3面に亘って開口する開口部11aが形成されていても良い。そして、前面,背面及び上面の開口部11aにそれぞれ、カバー20がボルト等の止め具により着脱自在に取り付けられていても良い。
もしくは、上記実施形態では、ハイブリッドシステムに用いる動力源の一つをバッテリとしたが、例えばバッテリの代わりにガスを動力源として、ガスボンベをカウンタウエイト10に搭載しても良い。この場合、ガス配管(接続部品)を集約して中継するシャットオフ弁の機能を有する中継装置を配設することが好ましい。
2 上部旋回体
2a スイングフレーム
3 作業装置
4,10 カウンタウエイト
5 エンジンルーム
6 キャブ
7 ブーム
8 アーム
9 バケット(アタッチメント)
11 筺体(容器)
11a 開口部
11b 凹部
12 重量物
13 第1ブロック
14 第2ブロック
14a 突出部
15 第3ブロック
16 第4ブロック
17 仕切板
18a 隅肉溶接
18b 突合せ接合
20 カバー
30 作動機器
30a バッテリ
30b バッテリ用冷却ファン
30c インバータ
40 端子台(中継装置)
S 中空空間(スペース)
Claims (7)
- 作業機械の後端部に配設され、該作業機械の幅方向に延びる中空状に形成された筺体と、該筺体内部に備えられた重量物とを有する作業機械のカウンタウエイトであって、
該筐体内部に略水平に配置された板状の該重量物としての第1ブロックと、
該第1ブロックの上面に積層された板状の該重量物としての第2ブロックとを備え、
該第2ブロックは、その端部が該第1ブロックの端部よりも略水平方向へ突出して、突出部が形成されている
ことを特徴とする、作業機械のカウンタウエイト。 - 該第1ブロック及び該第2ブロックがそれぞれ複数備えられるとともに、
該複数の第1ブロック及び該複数の第2ブロックが、該筐体内部において、該第1ブロック及び該第2ブロックの厚み方向へ交互に積層されている
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械のカウンタウエイト。 - 該第1ブロック及び該第2ブロックが、該筺体内部における該幅方向の両端部のそれぞれに配置されるとともに、
該突出部が、該第1ブロックの端部から該筺体の内側へ向かって突出形成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の作業機械のカウンタウエイト。 - 該第1ブロック及び該第2ブロックが、該筺体内部における該幅方向の中央部に配置されるとともに、
該突出部が、該第1ブロックの端部から該筺体の外側に向かって突出形成されている。
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の作業機械のカウンタウエイト。 - 該突出部に架設された仕切板を備えた
ことを特徴とする、請求項3記載の作業機械のカウンタウエイト。 - 該筺体内部に、該作業機械を作動させる作動機器と、該筺体外部から延在して該作動機器に接続される接続部品を集約して中継する中継装置とを備えた
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の作業機械のカウンタウエイト。 - 該筺体に形成された開口部と、
該開口部を覆うカバーとを備えた
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の作業機械のカウンタウエイト。
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