以下、本発明の実施の形態について、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。なお、実施の形態では、後述する油圧ショベル1の走行方向を前,後方向とし、油圧ショベル1の走行方向と直交する方向を左,右方向として説明する。
図中、建設機械を代表する油圧ショベル1は、前,後方向に自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3の前側に設けられた作業装置4とを含んで構成されている。下部走行体2と上部旋回体3とは、油圧ショベル1の本体(車体)を構成している。作業装置4は、上部旋回体3の前側にスイングポスト4Aを介して左,右方向に揺動可能に取付けられている。油圧ショベル1は、下部走行体2によって作業現場を走行し、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う。
上部旋回体3は、ベースとなる後述の旋回フレーム15を有している。旋回フレーム15の後端側には、作業装置4との重量バランスをとるカウンタウエイト5が設けられ、カウンタウエイト5の前側には、エンジン6が左,右方向に延びる横置き状態で搭載されている(図4参照)。エンジン6の左側には、後述の熱交換装置9に冷却風を供給する冷却ファン7が設けられ、エンジン6の右側には油圧ポンプ8が設けられている。油圧ポンプ8は、エンジン6によって駆動されることにより、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに向けて圧油を供給する。
熱交換装置9は、エンジン6の左側に位置して旋回フレーム15上に搭載されている。熱交換装置9は、例えばラジエータ、オイルクーラ等を含んで構成され、旋回フレーム15の後述する熱交換装置台座33に取付けられている。ラジエータは、冷却ファン7の作動により後述の建屋カバー14内に流入する冷却風によってエンジン冷却水を冷却することにより、エンジン6を冷却する。オイルクーラは、各種の油圧アクチュエータから作動油タンクに戻る戻り油(作動油)を冷却風によって冷却する。
図6に示すように、熱交換装置9の前側には、防塵ネット10が配置されている。防塵ネット10は、熱交換装置台座33上に立設された支持枠体10Aと、支持枠体10Aによって支持されたネット本体10Bとを有している。ネット本体10Bは、熱交換装置9に供給される冷却風に混入した塵挨を捕捉する。
キャブ11は、旋回フレーム15の前部左側に設けられている。キャブ11は、オペレータが搭乗する運転室を画成している。キャブ11は、前面11A、後面11B、左側面11C、右側面11D、および上面11Eによって囲まれた箱状に形成されている。キャブ11の内部には、運転席、各種操作レバー等(いずれも図示せず)が設けられている。
2個のバッテリ12,13は、キャブ11の後側に位置して旋回フレーム15上に設けられている。これら2個のバッテリ12,13は、エンジン6及び各種の電気機器の電源を構成し、例えば12Vの鉛蓄電池が用いられる。これらバッテリ12,13は、内部に電解液と鉛製の極板(いずれも図示せず)とを収容した直方体の筐体からなり、旋回フレーム15の後述するバッテリ台座34上に前,後方向に並んで取付けられている。これらバッテリ12,13は、建屋カバー14内に流入する冷却風の流れ方向に対し、防塵ネット10の上流側に配置されている。
ここで、2個のバッテリ12,13は、バッテリ台座34上に取付けられることにより、それぞれの上面12A,13Aが、防塵ネット10を構成するネット本体10Bの下縁部10Cと同一高さか、下縁部10Cよりも低い位置に配置されている。これにより、防塵ネット10を通過して熱交換装置9に供給される冷却風の流れが、バッテリ12,13によって妨げられるのを防止している。
建屋カバー14は、カウンタウエイト5の前側に位置して旋回フレーム15上に設けられている。建屋カバー14の内部は機器収容スペースとなり、この機器収容スペース内にエンジン6、油圧ポンプ8、熱交換装置9等の搭載機器が収容されている。建屋カバー14は、左側面カバー14Aと、右側面カバー(図示せず)と、上面カバー14Bとを含んで構成されている。ここで、左側面カバー14Aは、機器収容スペースを外部に開放する開位置と、機器収容スペースを閉塞する閉位置との間で開閉可能となっている。
次に、本実施の形態に用いられる旋回フレーム15について説明する。
メインフレームとしての旋回フレーム15は、上部旋回体3のベースを構成している。旋回フレーム15は、強固な支持構造体をなし、下部走行体2上に旋回可能に搭載されている。旋回フレーム15は、図2および図3に示すように、後述のセンタフレーム16、左張出しビーム22、右張出しビーム23、左サイドフレーム24、右サイドフレーム30等により構成されている。
センタフレーム16は、旋回フレーム15の左,右方向の中央部に配置されている。このセンタフレーム16は、底板17と、左縦板18と、右縦板19とを含んで構成されている。
底板17は、厚肉な鋼板材を用いて形成され、前,後方向に延びている。底板17の前端側には、ほぼ三角形状の突起部17Aが設けられ、この突起部17Aには、作業装置4のスイングポスト4Aを揺動可能に支持する後述のスイングブラケット21が取付けられている。底板17の上面17Bには、左,右の縦板18,19が立設されている。
左縦板18は、底板17の上面17Bの左寄りに立設され、前,後方向に延びている。左縦板18の前,後方向の中間部には屈曲部が設けられ、左縦板18の後部側と右縦板19との間隔は、左縦板18の前部側と右縦板19との間隔よりも大きく設定されている。左縦板18の外側面18Aには、後述の後左張出しビーム22B等が固定されている。また、左縦板18の後端部には、カウンタウエイト5を取付けるためのウエイト取付部18Bが設けられている。
右縦板19は、底板17の上面17Bの右寄りに立設されている。右縦板19は、左縦板18と左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びている。右縦板19の外側面19Aには、後述の右張出しビーム23等が固着されている。また、右縦板19の後端部には、カウンタウエイト5を取付けるためのウエイト取付部19Bが設けられている。左縦板18の前側の上端と右縦板19の前側の上端との間は、上板20によって連結されている。上板20は、底板17の突起部17Aと上,下方向で対面し、上板20と底板17の突起部17Aとの間には、上,下方向に延びる円筒状のスイングブラケット21が固着されている。
左張出しビーム22は、センタフレーム16と左サイドフレーム24との間に左,右方向に延びて設けられている。左張出しビーム22は、前,後方向の前側に位置する前左張出しビーム22Aと、後側に位置する後左張出しビーム22Bとにより構成されている。前左張出しビーム22Aの基端側は、底板17の左端部に固定されている。また、前左張出しビーム22Aの先端側は、センタフレーム16から左側方に突出し、左サイドフレーム24に固定されている。後左張出しビーム22Bの基端側は、底板17の上面17Bと左縦板18の外側面18Aとに固定されている。また、後左張出しビーム22Bの先端側は、センタフレーム16から左側方に突出し、左サイドフレーム24に固定されている。そして、後左張出しビーム22Bの左,右方向の両端側には、それぞれマウント取付孔22Cが形成されている。これら各マウント取付孔22Cには、キャブ11を防振支持するためのマウント部材(図示せず)が取付けられる構成となっている。
右張出しビーム23は、センタフレーム16と右サイドフレーム30との間に左,右方向に延びて設けられている。右張出しビーム23は、前,後方向の前側に位置する前右張出しビーム23Aと、前,後方向の中間部に位置する中間右張出しビーム23Bと、前,後方向の後側に位置する後右張出しビーム23Cとにより構成されている。ここで、前右張出しビーム23A、中間右張出しビーム23B、後右張出しビーム23Cの基端側は、それぞれ底板17の上面17Bと右縦板19の外側面19Aとに固定されている。また、前右張出しビーム23A、中間右張出しビーム23Bおよび後右張出しビーム23Cの先端側は、センタフレーム16から右側方に突出し、右サイドフレーム30に固定されている。
左サイドフレーム24は、本実施の形態においてキャブ11側に位置する一方のサイドフレームであり、旋回フレーム15の左側の外周部分を構成している。この左サイドフレーム24は、左張出しビーム22を介してセンタフレーム16の左側に設けられ、円弧状に屈曲しつつ前,後方向に延びている。ここで、左サイドフレーム24は、キャブ11の下側に配置された前サイドフレーム部25と、キャブ11の後面11Bよりも後側に配置された後サイドフレーム部26とを含んで構成されている。
前サイドフレーム部25は、例えばD字型の断面形状を有する中空なパイプ体によって形成されている。前サイドフレーム部25は、横梁部25Aと縦梁部25Bとにより、上方から見てL字状に形成されている。横梁部25Aは、キャブ11の前面11A側に配置され左,右方向に延びている。縦梁部25Bは、横梁部25Aの左端側から後方に屈曲し、キャブ11の左側面11Cに沿って前,後方向に延びている。横梁部25Aの右端は、左縦板18に固定され、縦梁部25Bの長さ方向の中間部は、左張出しビーム22の先端に固定されている。前サイドフレーム部25の上面25Cは、センタフレーム16の底板17と平行な水平面となっている。また、縦梁部25Bの後端には後端板25Dが固定され、この後端板25Dには、後サイドフレーム部26が取付けられている。ここで、前サイドフレーム部25の縦断面(上,下方向の断面)の断面積は、後サイドフレーム部26の断面積よりも大きく形成され、キャブ11の重量を支持するための十分な強度が確保されている。
後サイドフレーム部26は、例えば前サイドフレーム部25よりも一回り小さなD字型の断面形状を有するパイプ体によって構成されている。即ち、本実施の形態では、左サイドフレーム24は、互いに別部材として形成された前サイドフレーム部25と後サイドフレーム部26との2つの部材を接合することにより形成されている。後サイドフレーム部26の前端26Aは、前サイドフレーム部25の後端板25Dに接合されている。後サイドフレーム部26の後側は、前サイドフレーム部25の後端板25Dから左縦板18のウエイト取付部18Bに向けて斜め後方へと延びている。そして、後サイドフレーム部26の後端26Bは、左縦板18のウエイト取付部18Bから左側方に突出した左後連結板27に固定されている。また、後サイドフレーム部26の上面26Cは、センタフレーム16の底板17と平行な水平面となっている。
ここで、図5に示すように、後サイドフレーム部26の上面26Cは、前サイドフレーム部25の上面25Cよりも、上,下方向の高さ寸法H1だけ低い位置に配置されている。即ち、左サイドフレーム24を構成する前サイドフレーム部25の上面25Cと後サイドフレーム部26の上面26Cとの間には、高さ寸法H1の段差が形成されている。また、後サイドフレーム部26の上面26Cは、センタフレーム16を構成する底板17の上面17Bよりも高さ寸法H2だけ高い位置に配置されている。
前サイドフレーム部25の横梁部25Aと縦梁部25Bとが交わる角部には、左前キャブ支持板28が設けられている。前サイドフレーム部25の横梁部25Aと左縦板18との間には、右前キャブ支持板29が設けられている。左前キャブ支持板28と右前キャブ支持板29とには、それぞれマウント取付孔28A,29Aが穿設されている。これらマウント取付孔28A,29Aには、キャブ11を防振支持するマウント部材(図示せず)が取付けられる。従って、キャブ11は、後左張出しビーム22Bと、左前キャブ支持板28と、右前キャブ支持板29とに、マウント部材を介して支持される構成となっている。
右サイドフレーム30は、右張出しビーム23を介してセンタフレーム16の右側に設けられ、旋回フレーム15の右側の外周部分を構成している。右サイドフレーム30は、例えばD字型の断面形状を有する中空なパイプ体によって形成され、前右張出しビーム23Aから後右張出しビーム23Cに亘って前,後方向に延びている。そして、右サイドフレーム30の前端30Aは、前右張出しビーム23Aの先端に固定され、右サイドフレーム30の長さ方向の中間部は、中間右張出しビーム23B及び後右張出しビーム23Cの先端に固定されている。右サイドフレーム30の後端30Bは、右縦板19のウエイト取付部19Bから右斜め前方に突出した右後連結板31に固定されている。
4個のエンジン取付ブラケット32は、センタフレーム16の後側に設けられている。これら4個のエンジン取付ブラケット32は、前,後方向と左,右方向とに間隔をもって左縦板18及び右縦板19の近傍に配置されている。各エンジン取付ブラケット32は、マウント部材(図示せず)を介してエンジン6を支持している。これにより、エンジン6は、左縦板18及び右縦板19上を左,右方向に延びる横置き状態に配置されている。
熱交換装置台座33は、左縦板18と左サイドフレーム24との間に設けられ、熱交換装置9を支持している。熱交換装置台座33は、前,後方向に延びる長方形状の上板33Aと、上板33Aの左端部から下方に垂下する側板33Bと、側板33Bの下端から左側方に張出す下板33Cとを有している。熱交換装置台座33の前端は、後左張出しビーム22Bに固定され、熱交換装置台座33の後端は、左後連結板27に固定されている。ここで、熱交換装置台座33を構成する下板33Cの左端縁は、例えば左サイドフレーム24を構成する後サイドフレーム部26の下面に固定されている。本実施の形態では、熱交換装置台座33の下板33Cが、バッテリ12,13等を下側から覆うアンダカバーを構成している。
バッテリ台座34は、後左張出しビーム22Bの後側に設けられ、2個のバッテリ12,13を下側から支持している。バッテリ台座34は、前,後方向に延びる長方形の平板によって形成されている。バッテリ台座34の右端34Aは、例えばL字型のブラケット35を介して熱交換装置台座33の側板33Bに取付けられ、バッテリ台座34の左端34Bは、例えば左サイドフレーム24を構成する後サイドフレーム部26の上面26Cに取付けられている。
ここで、図5に示すように、左サイドフレーム24を構成する後サイドフレーム部26の上面26Cは、バッテリ台座34の上面34Cと同一高さに形成されている。なお、バッテリ台座34の上面34Cは、バッテリ台座34の板厚分だけ後サイドフレーム部26の上面26Cよりも上方に配置されるが、本実施の形態では、バッテリ台座34の板厚分を含めて同一高さと表現している。
これにより、バッテリ台座34は、熱交換装置台座33の下板33C(アンダカバー)と上,下方向で一定の間隔を保った位置に保持され、バッテリ台座34と熱交換装置台座33の下板33Cとの間には、ハーネス挿通部36が形成されている。ハーネス挿通部36には、例えばバッテリ12,13等に接続されたハーネス37等が挿通され、ハーネス37等を配索するときの作業性を高めることができる構成となっている。
このように、本実施の形態による旋回フレーム15は、左サイドフレーム24が、前サイドフレーム部25と、前サイドフレーム部25よりも断面積が小さな後サイドフレーム部26とにより構成されている。これにより、大きな断面積を有する前サイドフレーム部25によって、左サイドフレーム24の強度を確保し、キャブ11の重量を確実に支持することができる構成となっている。
また、後サイドフレーム部26の上面26Cは、前サイドフレーム部25の上面25Cよりも低く形成されている。これにより、建屋カバー14内の機器収容スペースを拡張することができ、エンジン6、熱交換装置9等の搭載機器を配置するときの自由度を高めることができる構成となっている。
しかも、後サイドフレーム部26の上面26Cは、キャブ11の後側に設けられたバッテリ台座34の上面34Cと同一高さに形成されている。これにより、バッテリ台座34上に取付けられた2個のバッテリ12,13の上面12A,13Aは、防塵ネット10を構成するネット本体10Bの下縁部10Cと同一高さか、下縁部10Cよりも低い位置に配置されている(図6参照)。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、油圧ショベル1の動作について説明する。
オペレータは、キャブ11に搭乗して運転席に座る。この状態で、エンジン6を始動させて走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2を駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、オペレータが作業用の操作レバーを操作することにより、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行うことができる。
ここで、旋回フレーム15のうちキャブ11側に位置する左サイドフレーム24は、キャブ11の下側に配置された断面積の大きな前サイドフレーム部25と、キャブ11の後面11Bよりも後側に配置された断面積の小さな後サイドフレーム部26とにより構成されている。このため、油圧ショベル1の稼働時にキャブ11が振動を生じたとしても、このキャブ11の重量を、大きな断面積によって強度が確保された前サイドフレーム部25によって確実に支持することができる。
一方、油圧ショベル1を停止させた状態で、バッテリ12,13に対するメンテナンスを行うときには、作業者は、建屋カバー14の左側面カバー14Aを開位置に移動させ、建屋カバー14内の機器収容スペースを開放する。この状態で、作業者は、バッテリ台座34上に支持されたバッテリ12,13を上部旋回体3の外部に取出し、上部旋回体3の外部で各バッテリ12,13に対するメンテナンスを行う。
この場合、左サイドフレーム24の後サイドフレーム部26の上面26Cは、前サイドフレーム部25の上面25Cよりも高さ寸法H1だけ低い位置に配置されている。このため、建屋カバー14内の機器収容スペースを拡張することができ、エンジン6、熱交換装置9等の搭載機器を配置するときの自由度を高めることができる。
しかも、後サイドフレーム部26の上面26Cは、バッテリ台座34の上面34Cと同一高さに形成されている。これにより、作業者は、重量物であるバッテリ12,13を、バッテリ台座34の上面34Cから上方に持上げることなく、バッテリ台座34の上面34Cから後サイドフレーム部26の上面26Cへとスライドさせることができる。この結果、重量物であるバッテリ12,13を、迅速かつ容易に上部旋回体3の外部に取出すことができるので、バッテリ12,13に対するメンテナンスの作業性を向上させることができる。
さらに、後サイドフレーム部26の上面26Cが、バッテリ台座34の上面34Cと同一高さに形成されることにより、バッテリ台座34上に取付けられた2個のバッテリ12,13の上面12A,13Aを、防塵ネット10を構成するネット本体10Bの下縁部10Cと同一高さか、下縁部10Cよりも低い位置に配置することができる。これにより、防塵ネット10を通過して熱交換装置9に供給される冷却風の流れが、バッテリ12,13によって妨げられることがなく、熱交換装置9に十分な冷却風が供給されることにより、熱交換装置9による冷却効率を適正に保つことができる。
かくして、実施の形態による油圧ショベル1の旋回フレーム15は、センタフレーム16と、左サイドフレーム24と、右サイドフレーム30とを含んで構成されている。キャブ11側に位置する左サイドフレーム24は、キャブ11の下側に配置された前サイドフレーム部25と、キャブ11の後面11Bよりも後側に配置された後サイドフレーム部26とを含んで構成され、後サイドフレーム部26の上面26Cは、前サイドフレーム部25の上面25Cよりも低く形成されている。また、旋回フレーム15には、キャブ11の後側に位置してバッテリ12,13を支持するバッテリ台座34が設けられ、後サイドフレーム部26の上面26Cは、バッテリ台座34の上面34Cと同一高さに形成されている。
従って、前サイドフレーム部25は、上面25Cが後サイドフレーム部26の上面26Cよりも高い位置に配置される分、大きな断面積を有している。このため、大きな断面積を有する前サイドフレーム部25によって、左サイドフレーム24全体の強度を確保することができ、キャブ11の重量を確実に支持することができる。一方、後サイドフレーム部26の上面26Cが、バッテリ台座34の上面34Cと同一高さに形成されることにより、バッテリ12,13に対するメンテナンスを行うときに、作業者は、重量物であるバッテリ12,13をバッテリ台座34の上面34Cから上方に持上げることなく、バッテリ台座34の上面34Cから後サイドフレーム部26の上面26Cへとスライドさせることにより、迅速かつ容易に上部旋回体3の外部に取出すことができる。この結果、バッテリ12,13に対するメンテナンスの作業性を向上させることができる。
なお、実施の形態では、左サイドフレーム24を、互いに別部材として形成された前サイドフレーム部25と後サイドフレーム部26との2つの部材を接合することにより形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば鋳造等の手段を用いて、前サイドフレーム部と後サイドフレーム部とを一体形成する構成としてもよい。
また、実施の形態では、熱交換装置9を支持する熱交換装置台座33を、上板33Aと、側板33Bと、下板33Cとにより構成し、下板33Cを、バッテリ12,13を下側から覆うアンダカバーとして用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、熱交換装置台座とアンダカバーとを、互いに別部材として形成してもよい。
また、実施の形態では、旋回フレーム15の前部左側にキャブ11が搭載される油圧ショベル1において、左サイドフレーム24を、前サイドフレーム部25と後サイドフレーム部26とにより構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば旋回フレームの前部右側にキャブを設ける場合には、旋回フレームの右サイドフレームを、前サイドフレーム部と後サイドフレーム部とにより構成し、後サイドフレーム部の上面を前サイドフレーム部の上面よりも低く形成する構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、クローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、ホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。