JP5415653B1 - 油圧ショベル - Google Patents

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Abstract

エンジンルーム内の下側へのアクセスを容易にし、無理のない作業姿勢でのメンテナンス作業を可能とする、油圧ショベルを提供する。油圧ショベルは、旋回フレーム(10)と、旋回フレーム(10)上に配置されたエンジンと、エンジンの後方において旋回フレーム(10)上に配置されたカウンタウェイト(7)とを備えている。カウンタウェイト(7)には、下面(71)から上方に向けて凹んだ凹部(80)が形成されている。旋回フレーム(10)には、エンジンとカウンタウェイトとの間の空間へ旋回フレーム(10)下側から人がアクセスするための開口(20)が形成されている。上面視において凹部(80)は開口(20)と重なる部分を有している。

Description

本発明は、油圧ショベルに関する。
従来の油圧ショベルに関し、特開2008−223353号公報(特許文献1)には、カウンタウェイトの前部に前面および上面が開口した凹部を設けることによって、作業員がエンジンルームに対するメンテナンス作業を行ない得る作業空間を形成することが開示されている。
特開2008−223353号公報
上記の公報に開示された油圧ショベルでは、作業空間となる凹部がカウンタウェイトの前面および上面に開口している。このため、作業員は、エンジンルームに対するメンテナンス作業をエンジンルームの上方から行う。よって、エンジンルーム内の下側へのアクセスが困難であり、メンテナンス作業を行う作業員の作業姿勢が悪くなる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンルーム内の下側へのアクセスを容易にし、無理のない作業姿勢でのメンテナンス作業を可能とし、作業効率を向上できる、油圧ショベルを提供することである。
本発明の油圧ショベルは、旋回フレームと、旋回フレーム上に配置されたエンジンと、エンジンの後方において旋回フレーム上に配置されたカウンタウェイトとを備えている。カウンタウェイトには、下面から上方に向けて凹んだ凹部が形成されている。旋回フレームには、エンジンとカウンタウェイトとの間の空間へ旋回フレーム下側から人がアクセスするための開口が形成されている。上面視において凹部は開口と重なる部分を有している。
本発明の油圧ショベルによれば、カウンタウェイトの一部が切り欠かれた凹部によって、エンジンとカウンタウェイトとの間に空間が形成されている。旋回フレームに開口が形成されているために、旋回フレームの下側から上記空間に作業員が容易にアクセスできるので、作業員は当該空間内において無理のない姿勢で作業を行うことができ、作業姿勢を改善することができる。したがって、エンジンのメンテナンス作業の作業効率を向上することができる。
上記の油圧ショベルにおいて、旋回フレームは、距離を隔てて配置された一対の縦板を有している。カウンタウェイトは、一対の縦板に搭載されている。凹部は、上面視で一対の縦板の間に形成されている。開口は、上面視で一対の縦板の間に形成されている。これにより、油圧ショベルの車体の幅方向における開口および凹部の位置が規定されるので、上面視において凹部と開口とが一部重なっている構成を確実に実現することができる。
上記の油圧ショベルにおいて、エンジンとカウンタウェイトとの間に配置された電気ケーブルを備えている。この場合は、エンジンの後方側の空間へ旋回フレームの下側からアクセス可能とすることで、作業員が電気ケーブルと干渉することなく、エンジンのメンテナンス作業をより効率よく行うことができる。
上記の油圧ショベルにおいて、旋回フレーム上においてエンジンの左側または右側の一方に配置された電気機器と、他方に配置された発電電動機とをさらに備えている。電気ケーブルは、電気機器と発電電動機との双方に接続されている。この場合は、エンジンとカウンタウェイトとの間において電気ケーブルがエンジンの左側から右側にまで亘って配置されているので、エンジンとカウンタウェイトとの間の空間へ旋回フレームの下側からアクセス可能として作業員と電気ケーブルとの干渉を回避できる効果を、より顕著に得ることができる。
上記の油圧ショベルにおいて、電気ケーブルは、電気機器に接続されている一端と、発電電動機に接続されている他端とを有しており、一対の縦板の間において一端および他端に対して上方に迂回して配置されている。このようにすれば、上下方向における電気ケーブルの位置が規定されるので、エンジンとカウンタウェイトとの間の空間に下側からアクセスする作業員が電気ケーブルに干渉することを、一層確実に回避することができる。
上記の油圧ショベルにおいて、電気ケーブルは、一対の縦板の間において、凹部の上端よりも上方に配置されている。このようにすれば、上下方向における電気ケーブルの位置が規定されるので、エンジンとカウンタウェイトとの間の空間に下側からアクセスする作業員が電気ケーブルに干渉することを、一層確実に回避することができる。
上記の油圧ショベルにおいて、旋回フレーム上においてエンジンの側方に配置されたファンをさらに備えており、電気ケーブルは、一対の縦板の間において、ファンの回転軸の中心よりも上方に配置されている。このようにすれば、上下方向における電気ケーブルの位置が規定されるので、エンジンの後方側の空間に下側からアクセスする作業員が電気ケーブルに干渉することを、一層確実に回避することができる。
以上説明したように本発明によれば、人が下側からエンジンルーム内へ容易にアクセスすることができ、無理のない作業姿勢でのメンテナンス作業が可能になるので、メンテナンス作業の作業効率を向上することができる。
本発明の一実施の形態における油圧ショベルの構成を示す概略斜視図である。 図1に示す油圧ショベルの、エンジンフードを開放した状態を示す概略斜視図である。 油圧ショベルに含まれる、旋回フレームおよびカウンタウェイトの分解斜視図である。 旋回フレーム上にカウンタウェイトを搭載した状態の上面図である。 旋回フレーム上にカウンタウェイトを搭載した状態の部分断面図である。 旋回フレーム上にカウンタウェイトを搭載した状態の下面図である。 旋回フレームの上面図である。 カウンタウェイトを別角度から見た斜視図である。 旋回フレーム上にエンジンを搭載した状態の斜視図である。 旋回フレーム上にエンジンを搭載した状態の、後方から見た側面図である。 旋回フレーム上にエンジンを搭載した状態の、側方から見た部分断面図である。 エンジンルームのメンテナンス作業中の様子を示す上面図である。
以下、本実施の形態について図に基づいて説明する。
まず、本発明の思想を適用可能な油圧ショベルの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における油圧ショベル1の構成を示す概略斜視図である。図1を参照して、油圧ショベル1は、下部走行体2と、上部旋回体3と、作業機4とを主に備えている。下部走行体2と上部旋回体3とにより、作業車両本体が構成されている。
下部走行体2は、左右一対の履帯2aを有している。下部走行体2は、一対の履帯2aが回転することにより自走可能に構成されている。上部旋回体3は、下部走行体2に対して旋回自在に設置されている。
上部旋回体3は、前方側F(車両前側)の左側Lに、オペレータが油圧ショベル1を操作するための空間であるキャブ5を含んでいる。上部旋回体3は、後方側B(車両後側)に、エンジンを収納するエンジンルームおよびカウンタウェイト7を含んでいる。エンジンルームは、エンジンフード6によって覆われている。なお、本実施の形態では、オペレータがキャブ5内に着座したときに、オペレータの左側となる方向を左側L、右側となる方向を右側R、前方となる方向を前方側F、後方となる方向を後方側Bと称する。また、鉛直上向きの方向を上側U、鉛直下向きの方向を下側Dと称する。
上部旋回体3は、旋回フレーム10を含んでいる。旋回フレーム10は、作業車両本体に含まれている。旋回フレーム10は、下部走行体2の上方に配置されており、下部走行体2に対して任意の方向に旋回自在に設けられている。作業機4、キャブ5およびカウンタウェイト7は、旋回フレーム10に搭載されており、旋回フレーム10の上面に配置されている。なお、油圧ショベル1は、上部旋回体3を下部走行体2に対して相対的に旋回させるための、図示しない旋回装置を備えている。旋回装置は、下部走行体2に支持された旋回モータ、旋回フレーム10に支持されたギアなどから構成されている。
土砂の掘削などの作業を行う作業機4は、上下方向に揺動自在に、上部旋回体3により軸支されている。作業機4は、上部旋回体3の前方側Fの略中央部に上下揺動自在に取り付けられたブーム4aと、ブーム4aの先端部に前後揺動自在に取り付けられたアーム4bと、アーム4bの先端部に前後揺動自在に取り付けられたバケット4cとを有している。ブーム4a、アーム4bおよびバケット4cはそれぞれ、油圧シリンダ4dによって、揺動駆動されるように構成されている。
作業機4は、キャブ5に対し右側Rに設けられている。作業機4は、上部旋回体3の前方側Fの左側Lに配置されたキャブ5に対し、キャブ5の一方の側部側である右側Rに設けられている。なお、キャブ5と作業機4との配置は図1に示す例に限られるものではなく、たとえば上部旋回体3の前方右側に配置されたキャブ5の左側に作業機4が設けられていてもよい。エンジンフード6は、略箱型形状の蓋部材であって、平面視矩形状の形状を有している。
図2は、図1に示す油圧ショベル1の、エンジンフード6を開放した状態を示す概略斜視図である。図2に示されるように、エンジンフード6は、後方側Bの端部に設けられたヒンジを軸として揺動することにより、前後方向に開閉自在に設けられている。エンジンフード6の下部に位置する空間には、エンジンが収納されている。エンジンフード6は、エンジンルーム8の天井部を形成している。エンジンフード6は、閉じられた状態で、エンジンを収納するエンジンルーム8を上側Uから覆っており、エンジンルーム8内の機器を外部から保護している。エンジンフード6が開かれると、エンジンルーム8が開放されて、エンジンの上面が露出し、上側Uからエンジンにアクセス可能になる。
図9は、旋回フレーム10上にエンジン50を搭載した状態の斜視図である。図9を参照して、油圧ショベル1は、下部走行体2および作業機4を駆動するための動力源であるエンジン50を備えている。エンジン50は、図2に示すエンジンルーム8内に収容されている。エンジン50は、旋回フレーム10上に配置されている。エンジン50は、旋回フレーム10のうち左右方向の中央側のセンタフレーム12の、後部に搭載されている。カウンタウェイト7は、エンジン50の後方において、旋回フレーム10上に配置されている。
エンジン50を収容するエンジンルーム8は、旋回フレーム10上に設けられている。エンジンルーム8は、カウンタウェイト7の前方側Fに隣接するように、旋回フレーム10の後部に設けられている。旋回フレーム10は、エンジンルーム8の床部分を形成している。図1に示すエンジンフード6は、エンジンルーム8の天井部分を形成している。カウンタウェイト7は、エンジンルーム8の後方側Bに配置されており、エンジンルーム8の後方側Bの壁を形成している。
旋回フレーム10上の、エンジン50に対して右側Rには、発電電動機64が配置されている。油圧ショベル1は、発電電動機64を備えている。油圧ショベル1は、互いに連結されたエンジン50と発電電動機64とを動力源として併用する、ハイブリッド仕様の作業車両である。発電電動機64は、エンジン50の発生する駆動力が不足しているとき電動機として作動し、駆動力を発生する。発電電動機64はまた、必要に応じて発電機として作動し、電気エネルギーを発生する。
発電電動機64に対して右側には、油圧ポンプ68が配置されている。油圧ポンプ68は、旋回フレーム10上に配置されている。エンジン50、発電電動機64および油圧ポンプ68は、パワーユニットを構成している。エンジン50、発電電動機64および油圧ポンプ68は、左右方向(車両の車幅方向)にこの順で並べられて配置されている。
エンジン50の左隣には、ファン56が配置されている。ファン56は、旋回フレーム10上において、エンジン50の側方に配置されている。ファン56は、円筒状の回転軸57を有している。ファン56は、回転軸57の中心線CLを回転の中心として回転する。ファン56の回転により、エンジン50の周囲に空気流を発生し、エンジン50に冷却風を供給する。エンジン50、発電電動機64および油圧ポンプ68は、冷却風の流れ方向に沿って、直列状に配置されている。そのため、ファン56で発生した冷却風は、エンジン50のみならず発電電動機64および油圧ポンプ68にも供給され、冷却風へ熱を放散することによりエンジン50、発電電動機64および油圧ポンプ68が冷却される。
油圧ショベル1は、エンジン50と発電電動機64とを併用するハイブリッド運転を可能にするための、電気機器62を備えている。電気機器62は、旋回フレーム10上の、エンジン50に対して左側Lに配置されている。エンジン50の側方のうちの一方である右側に発電電動機64が配置され、他方である左側に電気機器62が配置されている。電気機器62は、ファン56に対して左側Lに配置されている。ファン56と電気機器62との間には、空間が形成されている。この空間を形成することで、当該空間を経由してファン56へ流れる空気の流れが許容されているので、ファン56に滞りなく空気が供給され、エンジン50の冷却能力が確保されている。
電気機器62は、発電電動機64で発生した電気エネルギーを蓄積する蓄電装置と、直流を交流へ変換する変換器としてのインバータとを含んでいる。電気機器62は、交流を直流へ変換するコンバータをさらに含んでいてもよく、電圧を昇降圧するコンバータをさらに含んでいてもよく、各種の機器を制御するための制御ユニットをさらに備えていてもよい。
蓄電装置としては、高速での充電および放電の繰り返しが可能なキャパシタが好適に用いられる。キャパシタに替えて、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などの二次電池が用いられてもよい。蓄電装置に蓄えられた電気エネルギーは、エンジン50加速時の補助エネルギーとして活用される。なお、油圧ショベル1は、上部旋回体3が旋回する際の減速時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換する旋回電気モータをさらに備えていてもよい。旋回電気モータで変換された電気エネルギーもまた、蓄電装置に蓄えられる。
旋回フレーム10には、エンジン50と、電気機器62と、発電電動機64とが搭載されている。エンジン50は、センタフレーム12上の後端部に配置されている。電気機器62は、サイドフレーム30上の後端部に配置されている。発電電動機64は、サイドフレーム40上の後端部に配置されている。電気機器62と発電電動機64とは、2本の高圧の電気ケーブル66,66により接続されている。電気機器62と発電電動機64との間に、2本の電気ケーブル66,66が配置されている。電気ケーブル66は、エンジン50に対し後方側Bに配置されている。
以下、旋回フレーム10およびカウンタウェイト7の構成について詳細に説明する。図3は、油圧ショベル1に含まれる、旋回フレーム10およびカウンタウェイト7の分解斜視図である。図3を参照して、旋回フレーム10は、センタフレーム12と、サイドフレーム30,40とを有している。
センタフレーム12は、旋回フレーム10における左右方向の中央に位置している。センタフレーム12は、ベースプレート14と、左右の縦板16,18とを有している。ベースプレート14は、前後方向に延びている板状の部材である。ベースプレート14には、開口20,22を含む複数の開口が形成されている。エンジン50は、開口20の上方の旋回フレーム10上に配置されており、これにより旋回フレーム10の下側からの開口20を経由したエンジン50へのアクセスが可能とされている。開口20は、開口22に対し後方側Bに形成されている。
左右の縦板16,18は、前後方向に沿って配置されており、ベースプレート14の左右両端部に固定されている。縦板16,18は、車両の幅方向に間隔を開けて配置されている。縦板16,18は、上下方向に立てられた板により構成されている。縦板16,18は、ベースプレート14に対して直交して設けられており、互いに左右方向に距離を隔てて配置されている。開口20,22は、ベースプレート14を厚み方向に貫通して形成されており、上面視で一対の縦板16,18の間に形成されている。
左右の縦板16,18の前端部には、側面視三角形状の1対の支持部24,25が形成されており、1対の支持部24,25は連結プレート26によって連結されている。1対の支持部24,25および連結プレート26によって、作業機4の基端部を支持するセンタブラケット28が構成されている。センタブラケット28は、油圧ショベル1の作業機4を支持している。作業機4は、一対の縦板16,18の間に装填されて、回動可能な状態で固定されている。左右一対の縦板16,18は、センタブラケット28から後方側Bに延び、センタブラケット28から離れるにしたがってその高さ寸法が小さくなるように傾斜している。
サイドフレーム30は、センタフレーム12に対して左側Lに配置されており、センタフレーム12と一体構造に形成されている。サイドフレーム30は、前後方向に延びるサイドプレート34とを有している。サイドフレーム40は、センタフレーム12に対して右側Rに配置されており、センタフレーム12と一体構造に形成されている。サイドフレーム40は、前後方向に延びるサイドプレート44とを有している。
カウンタウェイト7は、掘削作業などにおいて油圧ショベル1の車体バランスを保持するために、旋回フレーム10の後端部に設けられている。カウンタウェイト7は、旋回フレーム10上におけるエンジンルーム8の後方側Bに設けられている。カウンタウェイト7は、たとえば、鋼板を組み立てて形成した箱の中に屑鉄およびコンクリートなどを入れて固めることにより形成されている。カウンタウェイト7の後面は、油圧ショベル1の後方側Bの表面を構成しており、滑らかに湾曲した形状を有している。
カウンタウェイト7は、下面71と、上面72と、前面73とを有している。下面71は、カウンタウェイト7の表面のうち、カウンタウェイト7が旋回フレーム10上に搭載された状態で下側Dを向いている面である。上面72は、カウンタウェイト7の表面のうち、カウンタウェイト7が旋回フレーム10上に搭載された状態で上側Uを向いている面である。前面73は、カウンタウェイト7の表面のうち、カウンタウェイト7が旋回フレーム10上に搭載された状態で前方側Fを向いている面である。
カウンタウェイト7には、下面71から上側Uへ向けて窪んだ嵌合部74,75が形成されている。嵌合部74,75は、互いに左右方向に距離を隔てて形成されている。嵌合部74は、縦板18を収容可能に設けられている。嵌合部75は、縦板16を収容可能に設けられている。縦板16は、嵌合部75の内部に嵌め込まれており、縦板18は、嵌合部74の内部に嵌め込まれている。カウンタウェイト7は、一対の縦板16,18の後端部に搭載されている。カウンタウェイト7は、旋回フレーム10上に載せ置かれて、旋回フレーム10に固定される。縦板16,18は、カウンタウェイト7を支持する一対の支持梁として機能する。カウンタウェイト7は、嵌合部74に対する縦板18の位置を定める位置決め板76と、嵌合部75に対する縦板16の位置を定める位置決め板78とを有している。
カウンタウェイト7にはまた、下面71から上側Uへ向けて窪んだ凹部80が形成されている。カウンタウェイト7が下面71から前面73に亘って凹状に切り欠かれて、前方側Fに向く前面73に凹部80が形成されている。カウンタウェイト7には、エンジンに面する側の中央部が下面71から上方に向けて凹状に凹んだ凹部80が形成されている。凹部80は、カウンタウェイト7の、エンジンルーム8に隣接する側の前面73において、左右方向におけるほぼ中央部分に形成されている。凹部80は、左右方向において、嵌合部74,75の間に形成されている。そのため、カウンタウェイト7を旋回フレーム10に搭載した状態では、上面視において、嵌合部74,75に各々収容されている一対の縦板16,18の間に、凹部80が存在する。
図4は、旋回フレーム10上にカウンタウェイト7を搭載した状態の上面図である。図4には、旋回フレーム10上に搭載されたカウンタウェイト7の平面視が図示されている。図4において、旋回フレーム10に形成された開口20は、カウンタウェイト7の上面視によってその一部が覆われている。開口20は、上面視において、凹部80の領域外と領域内との両方に亘って配置されている。そのため、図4に示す平面視において、開口20は、その一部がカウンタウェイト7によって覆われているとともに、一部がカウンタウェイト7によって覆われずに露出している。
図5は、旋回フレーム10上にカウンタウェイト7を搭載した状態の部分断面図である。図5に示す部分断面図において、カウンタウェイト7は、下面71と平行な、凹部80を切断する平面に沿って切断されている。そのため、図5では、カウンタウェイト7に形成された凹部80と、旋回フレーム10に形成された開口20との上面視が図示されている。図5に明確に示されるように、開口20と凹部80とは、上面視において一部が重なっている。凹部80の上下方向における投影の一部は、開口20に重なっている。凹部80は、上面視において開口20と重なる部分を有している。開口20は、上面視において凹部80と重なる部分を有している。
図5中には、二点鎖線で、仮想線VLが図示されている。カウンタウェイト7は、凹部80の右側の内壁面を規定する右側面86と、凹部80の左側の内壁面を規定する左側面87とを有している。仮想線VLは、右側面86と前面73との交差する位置と、左側面87と前面73との交差する位置とを結んでいる。仮想線VLは、右側面86の前端と左側面87の前端とをつなぐ線である。仮想線VLは、凹部80の前方側Fの境界を規定している。カウンタウェイト7は、凹部80の後方側の内壁面を規定する背面84を有している。図5に示すように、凹部80は、上面視において、仮想線VLと、右側面86と、背面84と、左側面87とによって、規定されている。
図6は、旋回フレーム10上にカウンタウェイト7を搭載した状態の下面図である。図6を参照して、カウンタウェイト7は、凹部80の天井面を規定する天井面82を有している。上下方向において開口20と凹部80とが重なって配置されているために、下面視において、開口20を介して凹部80の天井面82が視認されている。
図7は、旋回フレーム10の上面図である。図7を参照して、センタフレーム12は、後方側Bの端部を形成する後端13を有している。サイドフレーム30は、後方側Bの端部を形成する後端35を有している。サイドフレーム40は、後方側Bの端部を形成する後端45を有している。一対の縦板16,18は、サイドフレーム30の後端35およびサイドフレーム40の後端45に対して後方側Bにまで延びている。縦板16,18の後方側Bの端部17,19と、縦板16,18の間のベースプレート14の後端13とは、サイドフレーム30,40の後端35,45に対して、後方側Bに突出している。
図8は、カウンタウェイト7を別角度から見た斜視図である。図8を参照して、カウンタウェイト7は、底面81と、天井面82と、背面84と、右側面86と、左側面87とを有している。底面81、天井面82、背面84、右側面86および左側面87は、カウンタウェイト7の表面の一部を構成している。底面81は、カウンタウェイト7の下面71と平行な平面状に設けられており、カウンタウェイト7の下面71が僅かに上側Uへ窪んで形成されている。凹部80は、天井面82、背面84、右側面86および左側面87によって規定されている。天井面82は、背面84側から前面73側へ向かうにつれて上方へ延びるように、背面84および前面73に対して傾斜している。天井面82と前面73との交差する線が、凹部80の上端83である。
図9を参照して、開口20に対して前方側Fに形成された開口22の上方に、油圧ショベル1を駆動するための駆動力を発生するエンジン50が配置されている。開口20は、上面視においてエンジン50と重ならない位置に形成されている。エンジン50は、開口22を覆う位置であって開口20を覆わない位置に配置されており、開口20に対し前方側Fに配置されている。開口20は、エンジン50に対し後方側Bに配置されている。
カウンタウェイト7とエンジン50とは、それぞれ別々に旋回フレーム10に対して搭載されている。カウンタウェイト7とエンジン50とは、前後方向に間隔を開けて配置されている。カウンタウェイト7に凹部80が形成されているために、エンジン50とカウンタウェイト7との間に、中空の空間が形成されている。
旋回フレーム10には、旋回フレーム10の下側からエンジン50の後方側Bの空間へ人がアクセスするための開口20が形成されている。開口20は、作業員の上半身の全体が入る程度の大きさに形成されている。この開口20を経由して、エンジン50のメンテナンス作業を行う作業員は、エンジン50とカウンタウェイト7との間の空間にアクセス可能である。
図10は、旋回フレーム10上にエンジン50を搭載した状態の、後方から見た側面図である。図10を参照して、エンジン50は、エンジン50を制御するためのエンジンコントローラ52と、潤滑油を移送するためのポンプ53と、燃料を供給するためのポンプ54とを含んでいる。エンジンコントローラ52およびポンプ53,54は、エンジン50の下部の後方側Bに配置されている。エンジンコントローラ52およびポンプ53,54は、エンジン50の後方側Bの空間に露出して設けられている。
2本の電気ケーブル66はそれぞれ、電気機器62に接続されている一端66aと、発電電動機64に接続されている他端66bとを有している。一端66aと他端66bとの間で、電気ケーブル66は、一端66aから上側Uへ向かい、左右方向に延び、下側Dへ向かって他端66bに至る経路を辿って配置されている。電気機器62は縦板16に対し左側Lに配置されており、発電電動機64は縦板18に対し右側Rに配置されている。そのため、一対の縦板16,18の間において、電気ケーブル66は、一端66aおよび他端66bに対して上方に迂回して配置されている。
電気ケーブル66は、一対の縦板16,18の間において左右方向に延びている。図10を参照して、電気ケーブル66は、一対の縦板16,18の間において、ファン56の回転の中心線CLよりも上方に配置されている。図11は、旋回フレーム10上にエンジン50を搭載した状態の、側方から見た部分断面図である。図11を参照して、電気ケーブル66は、一対の縦板16,18の間において、カウンタウェイト7に形成されている凹部80の上端83よりも上方に配置されている。エンジンコントローラ52およびポンプ53,54は、凹部80の上端83よりも低い位置に配置されている。
このように上下方向における配置を規定された電気ケーブル66は、エンジン50の下部後方側に配置されているエンジンコントローラ52およびポンプ53,54よりも上方に配置されている。したがって、電気ケーブル66は、エンジンコントローラ52およびポンプ53,54を避けて配置されており、エンジンコントローラ52およびポンプ53,54に対して不干渉となるように配置されている。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、図3に示すように、カウンタウェイト7には、下面71から上方に向けて凹んだ凹部80が形成されており、旋回フレーム10には、エンジン50とカウンタウェイト7との間の空間へ旋回フレーム10下側から人がアクセスするための開口20が形成されており、上面視において凹部80は開口20と重なる部分を有している。
エンジン50は、エンジンコントローラ52、ポンプ53,54などの、定期的な点検、修理などのメンテナンス作業を必要とする、保守対象機器を有している。カウンタウェイト7の下面71から前面73にかけて凹部80を形成することにより、エンジン50の後方側Bに中空の空間が形成されている。カウンタウェイト7の一部が切り欠かれた凹部80によって、エンジン50とカウンタウェイト7との間に、エンジン50の周辺の機器の点検および修理などを行うための作業スペースが形成されている。図12は、エンジンルーム8のメンテナンス作業中の様子を示す上面図である。図12に示すように、当該作業スペースに作業員100が入り込むことにより、エンジン50の下部の後方側Bに露出する保守対象機器を作業員100がメンテナンスすることが可能になる。
旋回フレーム10に開口20が形成されているために、油圧ショベル1の車体の下側からエンジン50とカウンタウェイト7との間のメンテナンス空間に作業員100が容易にアクセスできるので、作業員100は無理のない姿勢でメンテナンス作業を行うことができ、作業姿勢を改善することができる。したがって、エンジン50の保守対象機器のメンテナンス作業の作業効率を向上させることができる。
開口20は、標準的な体型の作業員100が無理なく開口20を通過できる程度の寸法に形成されるのが望ましい。たとえば開口20は、作業員100の肩幅に対し十分に大きい左右方向の寸法を有し、作業員100の胴回りに対し十分に大きい周方向の寸法を有するように形成されるのが望ましい。
また図3に示す本実施の形態のように、旋回フレーム10は、距離を隔てて配置された一対の縦板16,18を有しており、カウンタウェイト7は、一対の縦板16,18に搭載されている。凹部80は、上面視で一対の縦板16,18の間に形成されており、開口20は、上面視で一対の縦板16,18の間であって、後方側Bの後端13付近に形成されている。このように凹部80は、車体の幅方向において開口20の形成される位置と共通する幅方向位置に形成されている。車体の幅方向における開口20および凹部80の位置が規定されるので、上面視において凹部80が開口20と重なる部分を有している構成をより確実に実現することができる。
また図9に示すようにエンジン50とカウンタウェイト7との間に配置された電気ケーブル66をさらに備えていてもよい。エンジン50の後方側に電気ケーブル66が設けられているハイブリッド仕様の油圧ショベル1の場合、エンジンのメンテナンス作業のために上方からアクセスする従来の構成では、電気ケーブル66がアクセス経路と干渉する。つまり、電気ケーブル66が作業員の保守対象機器へのアクセスを妨げるため、メンテナンス作業が困難になる。本実施の形態のように、旋回フレーム10の下側からのエンジンルーム8へのアクセスを可能とすれば、作業員が電気ケーブル66と干渉することなく容易に、エンジン後方下部の保守対象機器にアクセス可能になり、保守対象機器のメンテナンス作業をより効率よく行うことができる。
また、旋回フレーム10上においてエンジン50の左側または右側の一方に配置された電気機器62と、他方に配置された発電電動機64とをさらに備え、電気ケーブル66は、電気機器62と発電電動機64との双方に接続されていてもよい。この場合、電気ケーブル66は、エンジン50の後方側を通過してエンジン50の右側から左側にまで亘って配置されていることになる。そのため、旋回フレーム10の下側からのアクセスを可能にすることにより作業員と電気ケーブル66との干渉を回避して作業効率を向上できる効果を、より顕著に得ることができる。
また図10に示すように、電気ケーブル66は、電気機器62に接続されている一端66aと、発電電動機64に接続されている他端66bとを有し、一対の縦板16,18の間において一端66aおよび他端66bに対して上方に迂回して配置されていていてもよい。このようにすれば、下側から作業スペースにアクセスする作業員が電気ケーブル66に干渉することを、一層確実に回避することができる。
また図11に示すように、電気ケーブル66は、一対の縦板16,18の間において、凹部80の上端83よりも上方に配置されていてもよい。このようにすれば、下側から作業スペースにアクセスする作業員が電気ケーブル66に干渉することを、一層確実に回避することができる。
また図10に示すように、旋回フレーム10上においてエンジン50の側方に配置されたファン56をさらに備え、電気ケーブル66は、一対の縦板16,18の間において、ファン56の回転軸57の中心線CLよりも上方に配置されていてもよい。このようにすれば、下側から作業スペースにアクセスする作業員が電気ケーブル66に干渉することを、一層確実に回避することができる。
なお上記の実施の形態では、カウンタウェイト7の下面71から前面73にかけて凹部80が形成されていたが、下面71の中央部分の一部が上方へ向けて窪んで凹部80が形成されていれば、凹部80はどのような形状を有していてもよい。
たとえば、カウンタウェイトの左右方向中央部において車体の前後方向にカウンタウェイトを貫通している形状の凹部が形成されていてもよい。またたとえば、カウンタウェイトの前方部において車体の上下方向にカウンタウェイトを貫通している形状の凹部が形成されていてもよい。一方、凹部を形成することでカウンタウェイトの重量は小さくなるので、凹部の寸法を可能な限り小さくするのが望ましい。また、カウンタウェイトの上面または下面にかけて凹部を形成すると、凹部が外部から視認できるようになり、油圧ショベルの外観に影響を与える。これらを考慮した上で、最適な形状および寸法を有する凹部を形成するのが望ましい。
また上記の実施の形態では、旋回フレーム10のベースプレート14を貫通する環状の開口20が形成されていたが、エンジン50とカウンタウェイト7との間の空間への人のアクセスを可能とする任意の形状に開口を形成してもよい。たとえば、一対の縦板16,18の間のベースプレート14に対し、センタフレーム12の後端13から前方側Fへ向かって切り欠いた形状の開口を形成してもよい。
旋回フレーム10の縁部から切り欠いた形状に開口を形成する場合、旋回フレーム10にカウンタウェイト7を搭載すれば、上面視においてカウンタウェイト7の凹部80と開口の一部とが重なることになる。その結果、上記の実施の形態と同様に、旋回フレーム10の後端13から前方側Fに少し離れた位置に、エンジン50の後方側の空間へ作業員が下側からアクセスできる経路が形成されることになる。
また上記の実施の形態では、エンジン50の左側Lに電気機器62が配置されており、エンジン50の右側Rに発電電動機64が配置されていたが、電気機器62および発電電動機64の位置が入れ替えられてもよい。つまり、エンジン50の右側Rに電気機器62が配置されており、エンジン50の左側に発電電動機64が配置されている構成としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 油圧ショベル、3 上部旋回体、4 作業機、5 キャブ、6 エンジンフード、7 カウンタウェイト、8 エンジンルーム、10 旋回フレーム、12 センタフレーム、13,35,45 後端、14 ベースプレート、16,18 縦板、20,22 開口、30,40 サイドフレーム、50 エンジン、52 エンジンコントローラ、53,54 ポンプ、56 ファン、57 回転軸、62 電気機器、64 発電電動機、66 電気ケーブル、66a 一端、66b 他端、71 下面、72 上面、73 前面、80 凹部、81 底面、82 天井面、83 上端、84 背面、86 右側面、87 左側面、100 作業員、B 後方側、CL 回転中心線、D 下側、F 前方側、L 左側、R 右側、U 上側。

Claims (6)

  1. 旋回フレームと、
    前記旋回フレーム上に配置されたエンジンと、
    前記エンジンの後方において前記旋回フレーム上に配置されたカウンタウェイトとを備え、
    前記カウンタウェイトには、下面から上方に向けて凹んだ凹部が形成されており、
    前記旋回フレームには、前記エンジンと前記カウンタウェイトとの間の空間へ前記旋回フレーム下側から人がアクセスするための開口が形成されており、
    上面視において前記凹部は前記開口と重なる部分を有している、油圧ショベル。
  2. 前記旋回フレームは、距離を隔てて配置された一対の縦板を有し、
    前記カウンタウェイトは、一対の前記縦板に搭載されており、
    前記凹部は、上面視で一対の前記縦板の間に形成されており、
    前記開口は、上面視で一対の前記縦板の間に形成されている、請求項1に記載の油圧ショベル。
  3. 前記旋回フレーム上において前記エンジンの左側または右側の一方に配置された電気機器と、
    他方に配置された発電電動機と、
    前記電気機器と前記発電電動機とを接続する電気ケーブルとをさらに備え、
    前記電気ケーブルは、前記エンジンと前記カウンタウェイトとの間に配置される、請求項2に記載の油圧ショベル。
  4. 前記電気ケーブルは、前記電気機器に接続されている一端と、前記発電電動機に接続されている他端とを有し、一対の前記縦板の間において前記一端および前記他端に対して上方に配置されている、請求項3に記載の油圧ショベル。
  5. 前記電気ケーブルは、一対の前記縦板の間において、前記凹部の上端よりも上方に配置されている、請求項3または4に記載の油圧ショベル。
  6. 前記旋回フレーム上において前記エンジンの側方に配置されたファンをさらに備え、
    前記電気ケーブルは、一対の前記縦板の間において、前記ファンの回転軸の中心よりも上方に配置されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の油圧ショベル。
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