以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を、エンジンとアシスト発電・電動機とを併用したハイブリッド式油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1において、ハイブリッド式油圧ショベル1(以下、油圧ショベル1という)は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4とにより構成されている。そして、上部旋回体4の前部側には作業装置5が俯仰動可能に設けられ、この作業装置5によって土砂の掘削作業等を行うものである。
上部旋回体4は、下部走行体2上に旋回可能に設けられ、後述の旋回フレーム6、キャブ7、カウンタウエイト8、建屋カバー9、エンジン10、油圧ポンプ11、アシスト発電・電動機12、冷却ファン17、熱交換装置18、蓄電装置23を含んで構成されている。
旋回フレーム6は、上部旋回体4のベースとなる支持構造体として形成されている。図2に示すように、旋回フレーム6は、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板6Aと、該底板6A上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延びた左縦板6B,右縦板6Cと、該各縦板6B,6Cの左,右に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた左サイドフレーム6D,右サイドフレーム6Eと、底板6Aおよび各縦板6B,6Cから左,右方向に張出し、その先端部に左,右のサイドフレーム6D,6Eを支持する複数本の張出しビーム6Fと、底板6Aと各サイドフレーム6D,6Eとの間、底板6Aの後側で左縦板6Bと右縦板6Cとの間に設けられた複数枚のアンダカバー6Gとを含んで構成されている。このアンダカバー6Gは、底板6Aと共に旋回フレーム6の下面を構成している。
旋回フレーム6の左前側には、オペレータが搭乗するキャブ7が設けられている。このキャブ7の内部には、オペレータが着座する運転席、各種操作レバー、空調装置の室内機等(いずれも図示せず)が配設されている。一方、旋回フレーム6の後端部には、カウンタウエイト8が設けられている。カウンタウエイト8は、重量物として形成され、作業装置5との重量バランスをとるものである。
建屋カバー9は、キャブ7とカウンタウエイト8との間に位置して旋回フレーム6上に設けられている。この建屋カバー9は、後述のエンジン10、油圧ポンプ11、アシスト発電・電動機12、熱交換装置18、蓄電装置23等を覆うものである。そして、建屋カバー9は、旋回フレーム6の左,右両側に位置して前,後方向に延びた左側面板9A,右側面板(図示せず)と、左側面板9Aと右側面板との上端部間を水平方向に延びた上面板9Bと、上面板9Bの開口部9B1を覆うエンジンカバー9Cとを含んで構成されている。また、建屋カバー9の左側面板9Aには、後述の熱交換装置18に供給する冷却風Fを流入させる流入口9Dが形成されている。
エンジン10は、カウンタウエイト8の前側に位置して旋回フレーム6の後部側に左,右方向に延びる横置き状態で配設されている。エンジン10には、排気ガスを排出するための排気管10Aが設けられ、排気管10Aには、エンジン10の右側に位置して排気ガス後処理装置10Bが設けられている。この排気ガス後処理装置10Bは、エンジン10から排出される排気ガス中の有害物質を除去するものである。
油圧ポンプ11は、エンジン10の右端側に接続されている。この油圧ポンプ11は、入力軸がエンジン10の出力軸と同軸に設けられ、エンジン10によって駆動される。これにより、油圧ポンプ11は、下部走行体2の各走行用モータ(図示せず)および作業装置5の各油圧アクチュエータに圧油を供給する。
アシスト発電・電動機12は、エンジン10の右側に位置してエンジン10と油圧ポンプ11とに連結されている。このアシスト発電・電動機12は、エンジン10の出力軸と油圧ポンプ11の入力軸とに接続され、発電機作用と電動機作用とを行うものである。即ち、アシスト発電・電動機12は、エンジン10によって回転駆動することにより発電する。また、アシスト発電・電動機12は、エンジン10に加えて油圧ポンプ11の駆動を補助する駆動源であり、本発明の電動モータを構成している。図10に示すように、アシスト発電・電動機12は、三相交流ケーブル13を介してアシスト用インバータ14に電気的に接続されている。
アシスト用インバータ14は、アシスト発電・電動機12と後述の蓄電装置23との間に位置して設けられている。このアシスト用インバータ14は、後述の制御装置60からの制御信号に基づき、アシスト発電・電動機12の動作を制御するものである。
旋回用発電・電動機15は、旋回装置3の駆動源(動力源)となっている。この旋回用発電・電動機15は、旋回フレーム6の底板6Aのほぼ中央部に取付けられている。旋回用発電・電動機15は、後述の蓄電装置23からの給電によって駆動することにより、旋回装置3を介して下部走行体2上で上部旋回体4を旋回動作させるものである。一方で、旋回用発電・電動機15は、旋回動作を減速するときに発生する回生エネルギを蓄電装置23に蓄えることができる。図10に示すように、旋回用発電・電動機15は、三相交流ケーブル13を介して旋回用インバータ16に電気的に接続されている。
旋回用インバータ16は、旋回用発電・電動機15と後述の蓄電装置23との間に位置して設けられている。この旋回用インバータ16は、後述の制御装置60からの制御信号に基づき、旋回用発電・電動機15の動作を制御するものである。
ここで、油圧ショベル1は、その動作に応じてエンジン10やアシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15を選択して駆動する。例えば、掘削時等の重負荷状態では、エンジン10の出力で油圧ポンプ11を駆動すると共に、後述の蓄電装置23の電力でアシスト発電・電動機12を駆動してエンジン10をアシストする。一方、例えば軽負荷状態では、エンジン10の余剰分の出力をアシスト発電・電動機12により電力に代えて、蓄電装置23に蓄電する。なお、旋回用発電・電動機15に加えて旋回油圧モータを併用してもよい。また、旋回用発電・電動機15に代えて旋回油圧モータのみで上部旋回体を旋回動作させてもよい。
冷却ファン17は、エンジン10の左側に設けられている。この冷却ファン17は、エンジン10の出力軸(クランク軸)に連結され、エンジン10を動力源として回転駆動される。これにより、冷却ファン17は、建屋カバー9の左側面板9Aに設けられた流入口9Dを通じて建屋カバー9(上部旋回体4)内に外気を吸込み、この外気を冷却風Fとしてエンジン10、後述の熱交換装置18に供給するものである。
熱交換装置18は、冷却ファン17よりも冷却風Fの流れ方向の上流側に位置して旋回フレーム6上に設けられている。この熱交換装置18は、支持枠体18Aおよび該支持枠体18Aに支持されたインタクーラ18B、ラジエータ18C、オイルクーラ18D、エアコンコンデンサ18E、燃料クーラ18F等からなる1つのユニットとして形成され、旋回フレーム6に着脱可能に取付けられている。熱交換装置18は、冷却ファン17に対面して設けられ、エンジン冷却水、作動油等の加熱された液体(流体)を冷却するものである。
蓄電装置用ラジエータ19は、エアコンコンデンサ18Eよりも下側に位置して、熱交換装置18と後述の蓄電装置23との間に設けられている。この蓄電装置用ラジエータ19は、蓄電装置23の下側筐体25内に設けられた温調プレート46内を流れる冷却水を冷却することにより、蓄電装置23を冷却するものである。具体的には、蓄電装置用ラジエータ19と蓄電装置23との間は、冷却水管路20により接続されている。冷却水管路20の途中部位には、ポンプ21(図10参照)が設けられ、このポンプ21の駆動により冷却水が蓄電装置用ラジエータ19と蓄電装置23との間を循環している。
インバータ用ラジエータ22は、燃料クーラ18Fよりも下側に位置して、熱交換装置18と後述の蓄電装置23との間に設けられている。このインバータ用ラジエータ22は、インバータ用冷却管路(図示せず)を介してアシスト用インバータ14、旋回用インバータ16、および旋回用発電・電動機15に接続されている。インバータ用冷却管路の途中部位には、ポンプ(図示せず)が設けられ、このポンプの駆動により冷却水がインバータ用ラジエータ22、アシスト用インバータ14、旋回用インバータ16、および旋回用発電・電動機15の間を循環している。
次に、電力を蓄える蓄電装置23について説明する。
蓄電装置23は、熱交換装置18よりも冷却風Fの流れ方向の上流側に位置して旋回フレーム6上に配設されている。即ち、蓄電装置23は、建屋カバー9の左側面板9Aと熱交換装置18(蓄電装置用ラジエータ19)との間に位置している。この蓄電装置23は、アシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15による発電電力を充電し、または充電された電力を放電するものである。そして、蓄電装置23は、筐体24、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、サービスプラグ接続口37、制御用コネクタ39、蓄電モジュール40、バッテリコントロールユニット52等を含んで構成されている。
筐体24は、蓄電装置23の外殻を構成するもので、内部に複数の蓄電モジュール40が収容され外側面24Aによって閉塞されている。筐体24は、例えば鉄材、アルミニウム材等の金属材料により強固に形成されている。そして、筐体24は、旋回フレーム6のアンダカバー6G上に位置する下側筐体25と、下側筐体25の上側に位置する上側筐体26とにより、上,下2段状に形成されている。
図5に示すように、下側筐体25は、内部に複数の蓄電モジュール40が収容され上端が開口している。下側筐体25は、底部を構成する矩形状の下板25Aと、下板25Aの前端側から上方に向けて立設された前板25Bと、前板25Bと対面し下板25Aの後端側から上方に向けて立設された後板25Cと、下側筐体25の左,右方向の両側を閉塞する左側板25D,右側板25Eと、前板25B、後板25C、左側板25D、右側板25Eの上端から外側に向けて突出したフランジ部25Fとにより上方が開口した前,後方向に長いボックス状に形成されている。下板25A、前板25B、後板25C、左側板25D、右側板25Eは、筐体24の外側面24Aを構成している。
下側筐体25の内部空間は、上,下方向を区画する中間板(図示せず)により上,下2段に画成され、上側の室が後述の蓄電モジュール40が配設される電池室Aとなり、下側の室が蓄電モジュール40等の温度を調整するための温調プレート46が配設される温調室(図示せず)となっている。フランジ部25Fには、4隅にねじ孔25F1が形成されている。このねじ孔25F1は、後述の上側筐体26を下側筐体25に取付けるためのものである。
上側筐体26は、下側筐体25の開口を覆って設けられている。図5に示すように、上側筐体26は、下側筐体25の開口を覆う閉塞板部27と、閉塞板部27から上方に立上り後述のアシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、制御用コネクタ39、およびサービスプラグ接続口37が設けられた周壁板部28と、周壁板部28の上端を覆う蓋部29とにより形成されている。閉塞板部27、周壁板部28、および蓋部29は、筐体24の外側面24Aを構成している。
閉塞板部27には、下側筐体25のフランジ部25Fの各ねじ孔25F1に対応する位置にボルト挿通孔27Aがそれぞれ形成されている。上側筐体26は、閉塞板部27を下側筐体25のフランジ部25Fの上面側に当接(載置)した状態で、ボルト30をボルト挿通孔27Aからねじ孔25F1に締結することにより下側筐体25に組付けられる。これにより、下側筐体25の電池室Aは、閉塞板部27により密閉されている。
また、閉塞板部27には、後述のサービスプラグ36の下方に位置する遮蔽部位58に、後述の保護カバー53を取付けるための後述するねじ孔59Aが形成されている。そして、上側筐体26の内部空間は、後述する蓄電モジュール40の電力の入出力を制御するバッテリコントロールユニット52と、各種の配線が接続されるジャンクションボックス(図示せず)等が配設される制御室(図示せず)となっている。この制御室は、ボルト31を用いて蓋部29を周壁板部28の上端側に締結することにより密閉されている。また、蓋部29には、例えばそれぞれ離間した5箇所に後述の保護カバー53を取付けるためのねじ座29Aが設けられている。
周壁板部28は、閉塞板部27の中央部よりも前方から上方に向けて立設された前板28Aと、閉塞板部27の後端側から上方に向けて立設され前板28Aと前,後方向で対面する後板28Bと、上側筐体26の左,右方向を閉塞する左側板28C,右側板28Dとにより形成されている。
前板28Aには、アシスト用インバータ14を介してアシスト発電・電動機12に接続されているアシスト電動機用強電ケーブル32の他側が接続されるアシスト用強電コネクタ33と、旋回用インバータ16を介して旋回用発電・電動機15に接続されている旋回電動機用強電ケーブル34の他側が接続される旋回用強電コネクタ35とが左,右方向に並んで設けられている。
左側板28Cは、前板28Aの左端から後方に向けて延びる左前側板28C1と、左前側板28C1の後端から右側に向けて延びる左延出板28C2と、左延出板28C2の右端から後板28Bの左端に向けて延びる左後側板28C3とにより段付状に形成されている。そして、左後側板28C3には、アシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15に対して通電しまたは遮断するサービスプラグ36が接続されるサービスプラグ接続口37が設けられている。即ち、サービスプラグ36は、蓄電装置23内の電力を遮断するディスコネクトスイッチとなっている。
また、右側板28Dは、前板28Aの右端から後方に向けて延びる右前側板28D1と、右前側板28D1の後端から左側に向けて延びる右延出板28D2と、右延出板28D2の左端から後板28Bの右端に向けて延びる右後側板28D3とにより段付状に形成されている。そして、右延出板28D2には、後述の制御装置60に接続された制御用ケーブル38の他側が接続される制御用コネクタ39が設けられている。
複数個の蓄電モジュール40は、下側筐体25内の電池室A内で中間板上に配設されている。これら蓄電モジュール40は、例えばリチウムイオン電池として構成され、電気的に直列状態に接続されている(図10参照)。なお、蓄電モジュール40をリチウムイオン電池に代えて他の電池、例えばニッケル水素電池等としてもよい。
各蓄電モジュール40には、それぞれセルコントローラ40A(c/c)が設けられている。これらセルコントローラ40Aは、後述のバッテリコントロールユニット52に信号線41で接続され、各蓄電モジュール40の各セル(図示せず)の状態をバッテリコントロールユニット52に出力している。また、図10に示すように、各蓄電モジュール40を直列に接続している接続線42には、各蓄電モジュール40への過電流を保護するヒューズ43、EVリレー44、およびサービスプラグ36が設けられている。EVリレー44は、後述の制御装置60に信号線45により接続され、制御装置60からの制御信号により、接続線42を切断(開状態)することで蓄電装置23の電力を遮断する。
温調プレート46は、蓄電モジュール40よりも下側に位置して、下側筐体25の温調室に配設されている。この温調プレート46は、蓄電装置23の温度を調整するためのものである。そして、温調プレート46には、蓄電装置23を冷却するための冷却管路46Aと、蓄電装置23を保温するための保温管路46Bとが配設されている。
冷却管路46Aは、下側筐体25の後板25Cに設けられた冷却水流入口47と冷却水流出口48とを介して冷却水管路20に接続されている。そして、冷却水管路20に設けられたポンプ21が後述の制御装置60のバッテリマネージャ60Aからの制御信号により駆動されると、蓄電装置用ラジエータ19で冷却された冷却水が温調プレート46の冷却管路46Aに流通するので、温度上昇した蓄電装置23を冷却させることができる。
また、保温管路46Bは、下側筐体25の後板25Cに設けられたエンジン冷却水流入口49とエンジン冷却水流出口50とを介してエンジン10のウォータジャケット(図示せず)およびラジエータ18Cに接続されたエンジン冷却水管路51に並列接続されている。この場合、エンジン冷却水管路51には、バルブ51Aが設けられている。
このバルブ51Aは、常時はエンジン冷却水管路51を閉弁しており、後述の制御装置60のバッテリマネージャ60Aからの制御信号により開弁される。そして、バルブ51Aが開弁されると、エンジン10のウォータジャケットで保温されたエンジン冷却水が温調プレート46の保温管路46Bに流通するので、温度低下した蓄電装置23を保温することができる。
バッテリコントロールユニット52(BCU)は、上側筐体26内に配設されている。このバッテリコントロールユニット52は、蓄電モジュール40のセルコントローラ40Aからの検出信号により各セルの状態を検出している。そして、バッテリコントロールユニット52は、制御用ケーブル38を介して後述の制御装置60に接続されている。
次に、蓄電装置23の上部を覆う保護カバー53について説明する。
保護カバー53は、蓄電装置23の筐体24の外側面24Aのうち少なくとも天面と、アシスト用強電コネクタ33と、旋回用強電コネクタ35と、制御用コネクタ39とを覆っている。これにより、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、および制御用コネクタ39は、保護カバー53を取外さなければ露出しないようになっている。
そして、保護カバー53は、上側筐体26の蓋部29とアシスト用強電コネクタ33と旋回用強電コネクタ35と制御用コネクタ39とを覆う天面板部53Aと、天面板部53Aのうちサービスプラグ接続口37を含む端縁である左端から上側筐体26の周壁板部28(左側板28C)に沿って下側に延びる左側板部53Bと、天面板部53Aの右端から下方に向けて延びる右側板部53Cと、左側板部53Bの下端から上側筐体26の閉塞板部27に沿って内向きに折曲られた折曲板部53Dとを有している。
天面板部53Aは、上側筐体26の蓋部29に設けられた各ねじ座29Aにそれぞれ対応する位置にボルト挿通孔53A1が形成されている。保護カバー53は、ボルト54をボルト挿通孔53A1からねじ座29Aに締結することにより蓋部29に取付けられている。さらに、保護カバー53は、後述の締結部59により上側筐体26の閉塞板部27に取付けられている。
天面板部53Aと左側板部53Bとには、サービスプラグ接続口37に接続されたサービスプラグ36に対応する位置にプラグ着脱開口55が形成されている。プラグ着脱開口55には、サービスプラグ36を覆うプラグカバー56が着脱可能に取付けられる。プラグカバー56は、プラグ着脱開口55を覆うようにL字状の板材として形成され、サービスプラグ36を保護するものである。
左側板部53Bには、プラグ着脱開口55を挟んで一対のねじ孔53B1が形成されている。プラグカバー56には、各ねじ孔53B1に対応する位置にそれぞれボルト挿通孔56Aが形成されている。プラグカバー56は、ボルト57をボルト挿通孔56Aからねじ孔53B1に締結することによりプラグ着脱開口55に着脱可能に取付けられる。そして、プラグ着脱開口55の下方には、左側板部53Bの下端から周壁板部28の左後側板28C3に向かって折曲げられた折曲板部53Dが設けられている。即ち、折曲板部53Dは、後述の遮蔽部位58に形成されている。
次に、サービスプラグ接続口37に接続されたサービスプラグ36の下方に位置する遮蔽部位58について説明する。
遮蔽部位58は、サービスプラグ接続口37に対してサービスプラグ36が接続された状態でサービスプラグ36により遮蔽される部位である。この遮蔽部位58には、保護カバー53を蓄電装置23の筐体24に取付けるための締結部59が設けられている。締結部59は、上側筐体26の閉塞板部27に形成されたねじ孔59Aと、ねじ孔59Aに対応する位置で保護カバー53の折曲板部53Dに形成されたボルト挿通孔59Bと、ボルト挿通孔59Bからねじ孔59Aに締結されるボルト59Cとを含んで構成されている。
図7に示すように、ボルト59Cがボルト挿通孔59Bからねじ孔59Aに締結している状態では、ボルト59Cの上方にサービスプラグ36が位置している。即ち、ボルト59Cは、サービスプラグ36により遮蔽されている。従って、サービスプラグ36をサービスプラグ接続口37から取外さなければ、ボルト59Cをねじ孔59Aから取外せないようになっている。これにより、保護カバー53は、サービスプラグ36をサービスプラグ接続口37から取外した後でなければ蓄電装置23の筐体24から取外すことができないようになっている。
この場合、保護カバー53は、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、および制御用コネクタ39を覆っている。従って、蓄電装置23のメンテナンス作業を行うときには、サービスプラグ36を取外して蓄電装置23の電力を遮断してからでないと保護カバー53を取外すことができない。その結果、蓄電装置23のメンテナンス作業の安全性を向上させることができる。
制御装置60は、アシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15と蓄電装置23との間で、アシスト用インバータ14および旋回用インバータ16を用いて充電と放電の制御を行うハイブリッドコントロールユニット(HCU)である。図10に示すように、制御装置60には、アシスト用インバータ14および旋回用インバータ16と蓄電装置23にそれぞれ接続された制御用ケーブル38が接続される。
制御装置60は、蓄電装置23のバッテリコントロールユニット52に対して制御信号を出力することにより、蓄電装置23による充電または放電を制御する。また、制御装置60は、アシスト用インバータ14および旋回用発電・電動機15に対して制御信号を出力することにより、アシスト発電・電動機12および旋回用発電・電動機15の動作を制御する。
さらに、制御装置60には、バッテリマネージャ60A(BM)が設けられている。このバッテリマネージャ60Aは、冷却水管路20に設けられたポンプ21とエンジン冷却水管路51に設けられたバルブ51Aとにそれぞれ信号線61を介して接続されている。そして、バッテリマネージャ60Aは、ポンプ21およびバルブ51Aに対して制御信号を出力することにより、ポンプ21の駆動およびバルブ51Aの開閉を制御する。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1は、下部走行体2によって作業現場まで自走し、旋回装置3によって上部旋回体4を旋回させつつ、作業装置5を用いて土砂の掘削作業を行う。
この場合、アシスト発電・電動機12は、エンジン10により回転駆動されて電気エネルギを発生し、この電気エネルギは、アシスト用インバータ14を介して蓄電装置23に蓄えられる。また、旋回用発電・電動機15は、旋回動作を減速するときに電気エネルギ(回生エネルギ)を発生し、この電気エネルギは、旋回用インバータ16を介して蓄電装置23に蓄えられる。そして、蓄電装置23に蓄えられた電気エネルギは、旋回用発電・電動機15やアシスト発電・電動機12に供給され、旋回装置3やエンジン10を駆動するときの補助動力として用いられる。
次に、蓄電装置23をメンテナンスする場合のメンテナンス作業について説明する。
まず、制御装置60は、蓄電装置23のEVリレー44に対して電力遮断(切断)の制御信号を出力する。これにより、EVリレー44は、蓄電装置23内の接続線42を開状態に切替えるので蓄電装置23内の電力が遮断される。しかし、EVリレー44に溶着等の不具合が生じていた場合には、制御装置60により蓄電装置23内の電力を遮断するのが難しい。
そこで、蓄電装置23には、サービスプラグ接続口37に着脱可能なサービスプラグ36が接続されている。このサービスプラグ36は、蓄電モジュール40を直列に接続している接続線42に設けられている。そして、サービスプラグ36をサービスプラグ接続口37から取外すことにより、接続線42の接続状態が切られて蓄電装置23の電力遮断を行うことができる。
図6に示すように、蓄電装置23の筐体24には、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、および制御用コネクタ39を覆う保護カバー53が設けられている。この保護カバー53は、サービスプラグ36をサービスプラグ接続口37から取外した後でなければ蓄電装置23の筐体24から取外せないようになっている。
具体的には、図7に示すように、保護カバー53は、例えば蓄電装置23の蓋部29のねじ座29Aに締結された5本のボルト54と閉塞板部27のねじ孔59Aに締結されたボルト59Cとにより筐体24に取付けられている。この場合、ボルト59Cは、サービスプラグ36の下方である遮蔽部位58に位置している。これにより、サービスプラグ36は、ねじ孔59Aからボルト59Cを取外すための工具(図示せず)等がボルト59Cに向けて差込まれるのを邪魔している。従って、サービスプラグ36をサービスプラグ接続口37から取外さなければ、ボルト59Cの頭部が露出されないようになっている。
次に、図7ないし図9を参照して、蓄電装置23の筐体24から保護カバー53を取外す作業について説明する。
まず、図7に示すように、ボルト57を保護カバー53の左側板部53Bのねじ孔53B1から取外すことにより、プラグカバー56をプラグ着脱開口55から取外す。次に、図8に示すように、サービスプラグ接続口37からサービスプラグ36を取外す。これにより、蓄電装置23内の接続線42が切断される。また、サービスプラグ36の下方である遮蔽部位58に位置するボルト59Cの頭部が露出する。
そして、図9に示すように、ボルト54を上側筐体26の蓋部29に設けられたねじ座29Aから取外す。また、プラグ着脱開口55からボルト59Cに向けて工具を挿入してボルト59Cをねじ孔59Aから取外す。これにより、保護カバー53を蓄電装置23の筐体24から取外して、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、および制御用コネクタ39を露出させることができる。
その後、作業者は、アシスト用強電コネクタ33からアシスト電動機用強電ケーブル32を取外すことができる。同様に、旋回用強電コネクタ35および制御用コネクタ39から旋回電動機用強電ケーブル34および制御用ケーブル38をそれぞれ取外すことができる。これにより、蓄電装置23のメンテナンス作業および蓄電装置23から電力の供給を受けるアシスト用インバータ14、旋回用インバータ16等の電気機器のメンテナンス作業を行うことができる。
メンテナンス作業が終了した場合には、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、および制御用コネクタ39に、アシスト電動機用強電ケーブル32、旋回電動機用強電ケーブル34、および制御用ケーブル38をそれぞれ接続する。その後、保護カバー53を蓄電装置23の筐体24に取付けるために、ボルト54を天面板部53Aのボルト挿通孔53A1を介してねじ座29Aに締結する。また、ボルト59Cを折曲板部53Dのボルト挿通孔59Bを介してねじ孔59Aに締結する。そして、サービスプラグ36をサービスプラグ接続口37に接続する。最後に、プラグカバー56をプラグ着脱開口55に取付けるために、ボルト57をプラグカバー56のボルト挿通孔56Aを介してねじ孔53B1に締結する。
かくして、本実施の形態によれば、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、および制御用コネクタ39を覆う保護カバー53と上側筐体26の閉塞板部27とは、サービスプラグ36の下方である遮蔽部位58に位置する締結部59を用いて締結されている。締結部59は、サービスプラグ接続口37に接続されたサービスプラグ36を取外した後でなければ露出できないようになっている。即ち、保護カバー53は、サービスプラグ36を取外さなければ筐体24から取外すことができないようになっている。
従って、アシスト用強電コネクタ33、旋回用強電コネクタ35、および制御用コネクタ39は、サービスプラグ36をサービスプラグ接続口37から取外した後でなければ露出しないようになっている。これにより、蓄電装置23の電力がサービスプラグ36により確実に遮断された後に、例えばアシスト用強電コネクタ33からアシスト電動機用強電ケーブル32を取外す(抜く)ので、メンテナンス作業の安全性を向上することができる。
なお、上述した実施の形態では、蓄電装置23を下側筐体25と上側筐体26との上,下2段状に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば蓄電装置を1段のボックス状に形成してもよく、また3段以上のボックス状に形成してもよい。
また、上述した実施の形態では、建設機械として、キャブ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばキャノピ式の油圧ショベルに適用してもよい。
さらに、上述した実施の形態では、建設機械として、クローラ式の下部走行体2を備えたハイブリッド式油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば自走可能なホイール式油圧ショベル、移動式クレーン等の各種のハイブリッド式建設機械および電動式建設機械に広く適用することができる。