JP3938339B2 - 内燃機関の動弁制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気弁および/または排気弁の開閉動作、特に閉弁タイミングを制御する内燃機関の動弁制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の燃費や出力、排気特性の向上を図るべく、その運転状態に適した吸排気性能を得るために、吸気弁や排気弁の開閉タイミングあるいはリフト量を可変に制御する種々の動弁制御装置が提案されている。そのような従来の動弁制御装置の1つとして、カムシャフトに対する吸気カムの位相を変更することにより、吸気弁の開閉タイミングを連続的に変更するタイプのものが知られている(例えば特開平7−301144号公報)。しかし、このタイプの動弁制御装置では、吸気弁の開角期間は一定であって、吸気弁の開弁タイミングが設定されると、自動的に閉弁タイミングが定まってしまうため、無段階に変化する内燃機関の回転数および負荷のすべての領域において、最適な開弁タイミングと最適な閉弁タイミングを同時に得ることはできない。
【0003】
また、従来の他のタイプの動弁制御装置として、吸気カムおよび排気カムの各々を互いに異なる所定のカムプロフィールを有する低速カムおよび高速カムで構成するとともに、各カムを、低回転時および高回転時に低速カムと高速カムにそれぞれ切り換えるものが知られている(例えば特開昭62−12811号公報)。しかし、このタイプの動弁制御装置では、カムプロフィールを2段階に切り換えるので、吸・排気弁の開閉タイミングおよびリフト量もまた、2段階で変化するにすぎないため、やはり、すべての回転・負荷領域において最適な開閉タイミングとリフト量を得ることはできない。
【0004】
さらに、別のタイプの動弁制御装置として、吸気弁および排気弁を電磁石を用いて開閉するものが知られている(例えば特開平8−200025号公報)。この動弁制御装置では、気筒ごとに各2つの吸気弁および排気弁が設けられており、これら4つの吸・排気弁がそれぞれの電磁式動弁機構によって駆動される(以下「フル電磁式の動弁制御装置」という)。各電磁式動弁機構は、互いに対向する2つの電磁石と、両電磁石間に配置され、対応する吸・排気弁に連結されたアーマチュアと、アーマチュアを付勢する2つのコイルばねなどを備えている。この電磁式動弁機構では、両電磁石を通電制御することにより、アーマチュアを電磁石に交互に吸引することによって、吸・排気弁を開閉する。したがって、通電タイミングを制御することにより、吸・排気弁の開・閉弁タイミングを任意に制御することが可能であり、それにより、すべての回転・負荷領域において、最適な開閉タイミングを実現でき、燃費や出力などの最適化を図ることができる。なお、両電磁石が非通電状態のときには、アーマチュアが、両コイルばねの付勢力のバランスにより両電磁石間の中立位置に保持される。しかし、このフル電磁式の動弁制御装置では、すべての吸・排気弁を電磁式動弁機構で駆動するため、電力消費量が非常に大きくなり、その分、燃費の改善効果が目減りしてしまう。また、電磁式動弁機構の電磁石やアーマチュアなどが磁性体で構成されるため、重量および生産コストが増大するなどの問題がある。
【0005】
このような問題を解消するものとして、本出願人は、特願2001−012300号に、1つの気筒に設けた2つの吸気弁の一方のみを、上記と同様の電磁式動弁機構で駆動し、他方および排気弁を内燃機関の回転に同期するカム式動弁機構で駆動する動弁制御装置(以下「第1の動弁制御装置」という)をすでに提案している。この第1の動弁制御装置では、一方の吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングを、電磁式動弁機構により、内燃機関の運転状態に応じて任意に設定することによって、最適な開閉タイミングを実現でき、燃費および出力の向上を両立させることができる。また、フル電磁式の動弁制御装置と比較して、電磁式動弁機構の数が1/4ですむので、電力消費量の低減による燃費の向上と、重量および生産コストの削減などを図ることができる。
【0006】
また、本出願人が提案した他の動弁制御装置として、特開昭63−289208号公報に開示されたもの(以下「第2の動弁制御装置」という)が知られている。この第2の動弁制御装置は、カムシャフトに設けたカムにより、ロッカアームを介して吸気弁を開閉するカム式動弁機構と、吸気弁を開弁位置に保持するための電磁アクチュエータを備えている。この電磁アクチュエータは、シリンダヘッドに固定された1つのソレノイドと、吸気弁の弁軸に固定されたアーマチュアと、このアーマチュアとリテーナとの間に配置された衝撃吸収スプリングなどで構成されている。そして、エンジンの運転状態に応じ、吸気弁が開弁位置に達したときにソレノイドを励磁し、その吸引力をアーマチュアに及ぼし、吸気弁を開弁位置に保持することによって、吸気弁の閉弁タイミングが制御される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した第1の動弁制御装置は、フル電磁式の動弁制御装置の問題を緩和するものの、一部に電磁式動弁機構を用いているため、以下の点において改善の余地がある。すなわち、この動弁制御装置では、1つの気筒あたり、1つの電磁式動弁機構、したがって2つの電磁石が必要であるため、その分、電力消費量が多く、吸気弁の開閉タイミングを自在としたことによる燃費改善効果が目減りするとともに、カム駆動式の通常の内燃機関と比較して、重量および生産コストが依然として大きい。また、電磁式動弁機構により可能な最高回転数が、コイルばねのばね定数でほぼ決定されるため、最高回転数が高い(例えば約9000rpm)内燃機関に用いた場合には、コイルばねのばね定数を大きな値に設定し、それに応じて、電磁石も大きな吸引力を有するものを採用しなければならない。その結果、電力消費量が増大し、使用頻度が通常高い低中回転域での燃費が悪化してしまうため、燃費改善と高回転・高出力化が両立しにくい。
【0008】
また、第2の動弁制御装置は、各気筒の1つの吸気弁に対して1つの電磁石を設けるだけでよいため、第1の動弁制御装置と比較して、さらに電力消費量を低減でき、燃費を改善できるという利点を有するものの、次の点で改善の余地がある。すなわち、この第2の動弁制御装置では、電磁アクチュエータの作動・休止にかかわらず、アーマチュアの重量および衝撃吸収スプリングのばね力が、吸気弁に常に作用する。このため、電磁アクチュエータの休止状態における吸気弁の慣性質量が増大する結果、得られる最高回転数および最高出力には限界がある。この場合、最高回転数を高めるためには、バルブスプリングのばね定数を大きくすることが必要になり、その結果、電力消費量の増大により燃費が悪化し、やはり燃費改善と高回転・高出力化を十分に達成できないとともに、重量や生産コストも十分に低減できない。さらに、この動弁制御装置では、ソレノイド、アーマチュアや衝撃吸収スプリングなどを取り付けるために、エンジンのシリンダヘッドや吸気弁などを設計変更しなければならず、そのための多大な出費が避けられない。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、機関弁の慣性質量の増大を最小限に抑制しながら、機関弁の閉弁タイミングを運転状態に応じて最適に設定できることにより、燃費の向上と高回転・高出力化の両立を図れるとともに、コストおよび重量を削減することができる内燃機関の動弁制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、機関弁の開閉動作を制御する内燃機関の動弁制御装置であって、内燃機関3の回転に同期して駆動されるカム(実施形態における(以下、本項において同じ)吸気カム11)によって機関弁(第1吸気弁IV1)を開閉駆動するカム式動弁機構5と、開弁した機関弁を係止することによって、機関弁を開弁状態に保持するためのアクチュエータ(電磁アクチュエータ29)と、アクチュエータの動作を制御することによって、機関弁の閉弁タイミングを制御する制御手段(ECU2)と、内燃機関3の運転状態を検出する運転状態検出手段(クランク角センサ42、アクセル開度センサ43、ECU2)と、を備え、制御手段は、検出された内燃機関3の運転状態に応じて、アクチュエータの動作を制御し、アクチュエータの動作モードを、アクチュエータにより機関弁を係止する作動モードと、機関弁を係止しない休止モードとに切り換える切換機構(第2切換弁27、第2油圧切換機構28)と、検出された内燃機関3の運転状態に応じて、アクチュエータの動作モードを決定する動作モード決定手段(ECU2)と、をさらに備え、制御手段は、決定された動作モードに応じて、切換機構の動作を制御し、ロッカシャフト14と、ロッカシャフト14に回動自在に支持され、機関弁に当接し、カムで駆動されることによって機関弁を開閉駆動する駆動用ロッカアーム(ロッカアーム12)と、機関弁を開弁状態に保持するために、ロッカシャフト14に回動自在に支持され、アクチュエータが当接する保持用ロッカアーム(EMA用ロッカアーム26)と、をさらに備え、切換機構は、駆動用ロッカアームおよび保持用ロッカアームを互いに連結する連結状態と、遮断する遮断状態とに切り換えることによって、アクチュエータの動作モードを作動モードと休止モードにそれぞれ切り換えることを特徴とする。
【0011】
この内燃機関の動弁制御装置によれば、機関弁は、カム式動弁機構により、内燃機関の回転に同期して駆動されるカムによって開閉される。また、制御手段による制御の下、アクチュエータは、開弁した機関弁を係止し、開弁状態に保持するとともに、その保持を解除することによって、機関弁の閉弁タイミングが制御される。
【0012】
以上のように、本発明によれば、カム式動弁機構によって機関弁を駆動するとともに、必要に応じてアクチュエータを作動させ、機関弁の閉弁タイミングを任意に制御できるので、運転状態に応じた最適な燃費と出力を得ることができる。例えば、機関弁が吸気弁である場合には、低回転・低負荷運転状態では、吸気弁の閉弁タイミングを内燃機関の運転状態に応じて遅閉じ制御することにより、ポンピングロスを最小限に低減することによって、燃費を向上させることができる。一方、高回転・高負荷運転状態では、アクチュエータを休止し、カム式動弁機構のみで吸気弁を駆動することによって、アクチュエータの追従性などに影響されることなく、高回転・高出力化を図ることができる。また、機関弁が排気弁である場合には、その閉弁タイミングを変えることで、オーバーラップ量を制御することによって、出力および排気ガス特性の向上を図ることができる。
【0013】
また、機関弁は、基本的にカム式動弁機構で駆動され、アクチュエータは機関弁を一方向に係止するだけでよいので、その構成を簡略化することができる。また、アクチュエータは、必要なときのみ作動させればよいので、省エネルギー化を図ることができ、その分、燃費をさらに向上させることができる。さらに、機関弁をカム式動弁機構のみで駆動できるので、アクチュエータにフェイルが発生した場合でも、これに容易に対応できる。
【0015】
さらに、検出された内燃機関の運転状態に応じて、アクチュエータの動作を制御するので、アクチュエータの作動・休止および機関弁の閉弁タイミングを、実際の運転状態に応じ、すべての回転領域および負荷領域において、最適に設定することができる。
【0017】
また、内燃機関の運転状態に応じて決定された動作モードに応じて、アクチュエータの作動・休止を切り換えるので、アクチュエータを、実際の運転状態に応じて、必要な場合のみ適切に作動させることができる。また、アクチュエータの動作モードが休止モードに決定された場合には、切換機構により、アクチュエータを、機関弁を係止しない状態とし、強制的に休止させるので、アクチュエータ自身にフェイルが発生した場合でも、それによる悪影響が機関弁の動作に及ぶのを確実に回避しながら、機関弁をカム式動弁機構で支障なく駆動でき、燃焼状態の悪化や、それによる排気ガス特性の悪化を防止できる。
【0025】
また、機関弁は、カムで駆動される駆動用ロッカアームを介して開閉駆動される。アクチュエータは、駆動用ロッカアームとは別体の保持用ロッカアームに当接している。そして、アクチュエータの作動モードでは、保持用ロッカアームと駆動用ロッカアームが切換機構により互いに連結され、機関弁は、アクチュエータにより、保持用ロッカアームおよび駆動用ロッカアームを介して、開弁状態に保持される。また、アクチュエータの休止モードでは、駆動用ロッカアームと保持用ロッカアームは、切換機構によって互いに遮断される。このように、休止モード時には、駆動用ロッカアームが、保持用ロッカアームおよびアクチュエータの慣性質量の影響を受けることなく、それらに対して完全にフリーな状態で回動するので、省エネルギー化を図れるとともに、高回転時における動弁系の追従性を向上させることができる。
【0026】
請求項に係る発明は、請求項の動弁制御装置において、駆動用ロッカアームは、複数の駆動用ロッカアーム(低速、休止および高速ロッカアーム12a、12b、12c)で構成され、複数の駆動用ロッカアームを互いに連結する連結状態と、遮断する遮断状態とに、油圧により切り換える第1油圧切換機構(第1切換弁17、第1油圧切換機構18)をさらに備え、切換機構は、第2油圧切換機構(第2切換弁27、第2油圧切換機構28)で構成され、複数の駆動用ロッカアームの1つ(低速ロッカアーム12a)には第1油圧切換機構用の油圧室(油室21)が形成されており、保持用ロッカアームは、油圧室を形成した駆動用ロッカアームに隣接して配置されていることを特徴とする。
【0027】
この構成では、保持用ロッカアームは、第1油圧切換機構用の油圧室を形成した駆動用ロッカアームに隣接して配置されているので、第1および第2の油圧切換機構の油路を互いに近づけて配置でき、それにより、油路の加工・形成を容易に行えるとともに、油圧損失を低減することができる。
【0028】
請求項に係る発明は、請求項またはの動弁制御装置において、アクチュエータと保持用ロッカアームとの当接部29aは、駆動用ロッカアームと機関弁との当接部12dよりも、ロッカシャフト14から遠い位置に配置されていることを特徴とする。
【0029】
この構成では、両ロッカアームの支持部であるロッカシャフトに対し、アクチュエータと保持用ロッカアームとの当接部が駆動用ロッカアームと機関弁との当接部よりも遠い位置に配置されているので、機関弁を保持するのに必要なアクチュエータの保持力を小さくすることができ、それにより、アクチュエータの小型化および省エネルギー化を図ることができる。また、保持用ロッカアームが駆動用ロッカアームとは別体であることから、アクチュエータの当接部を上記のように配置しても、駆動用ロッカアームの大型化、およびそれによる休止モード時における慣性質量の増大を回避できる。
【0030】
請求項に係る発明は、請求項またはの動弁制御装置において、アクチュエータと保持用ロッカアームとの当接部29bは、駆動用ロッカアームと機関弁との当接部12dよりも、ロッカシャフト14から近い位置に配置されていることを特徴とする。
【0031】
この構成では、ロッカシャフトに対し、アクチュエータの当接部が機関弁との当接部よりも近い位置に配置されているので、機関弁を保持するのに必要なアクチュエータのストローク量を小さくすることができる。また、保持用ロッカアームが駆動用ロッカアームとは別体であることから、アクチュエータの当接部を上記のように配置しても、その付近に配置される、例えば第1油圧切換機構などと干渉するのを回避でき、したがって、アクチュエータをその作動方向にコンパクトに配置することができる。
【0032】
また、請求項に係る発明は、請求項ないしのいずれかの動弁制御装置において、切換機構は、駆動用ロッカアームおよび保持用ロッカアームを、内燃機関3が低回転状態のときに連結状態に切り換え、高回転状態のときに遮断状態に切り換えることを特徴とする。
【0033】
この構成では、保持用ロッカアームが、内燃機関の低回転時には駆動用ロッカアームと連結される一方、高回転時には駆動用ロッカアームから遮断されることで、特に高回転時における駆動用ロッカアームの慣性質量の増大を回避でき、それにより、高回転時における動弁系の追従性を向上させることができる。
また、請求項10に係る発明は、請求項1〜の動弁制御装置における「機関弁」を「吸気弁」に置換したものである。したがって、前述した請求項1〜の動弁制御装置による作用を、吸気弁の場合について同様に得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る内燃機関の動弁制御装置について説明する。図1は、本発明を適用した動弁制御装置の概略構成を示している。この内燃機関(以下「エンジン」という)3は、図示しない車両に搭載された直列4気筒(図2に1気筒のみ図示)DOHC型のガソリンエンジンである。図2に示すように、各気筒4には、機関弁として、第1および第2の吸気弁IV1、IV2と、第1および第2の排気弁EV1、EV2が設けられている。図3に第1吸気弁IV1の例を示すように、吸気弁IV1、IV2は、エンジン3の吸気ポート3aを閉鎖する閉弁位置(図3に示す位置)と、燃焼室3b内に突出し、吸気ポート3aを開放する開弁位置(図示せず)との間で移動自在に設けられており、コイルばね3cによって、閉弁位置側に付勢されている。
【0035】
図1に示すように、動弁制御装置1は、両吸気弁IV1、IV2を開閉する吸気側のカム式動弁機構5と、両排気弁EV1、EV2を開閉する排気側のカム式動弁機構6と、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを変更するための閉弁タイミング可変装置7と、カム式動弁機構6の後述する吸気カム11のカムプロフィールを切り換えるためのカムプロフィール切換機構13と、これらの動作を制御するECU2(制御手段)などで構成されている。
【0036】
吸気側のカム式動弁機構5は、カムシャフト10と、カムシャフト10に一体に設けられた吸気カム11と、吸気カム11により駆動され、カムシャフト10の回転運動を吸気弁IV1、IV2の往復運動に変換するための回動自在のロッカアーム12などで構成されている。カムシャフト10は、従動スプロケットおよびタイミングチェーン(ともに図示せず)を介して、エンジン3のクランクシャフト(図示せず)に連結されており、クランクシャフトにより、その2回転あたり1回転の割合で回転駆動される。
【0037】
図1に示すように、吸気カム11は、低速カム11aと、非常に低いカム山を有する休止カム11bと、両カム11a、11bの間に配置され、低速カム11aよりも高いカムプロフィールを有する高速カム11cで構成されている。ロッカアーム12は、駆動用ロッカアームとしての、低速ロッカアーム12a、休止ロッカアーム12bおよび高速ロッカアーム12cで構成されている。これらの低速、休止および高速ロッカアーム12a〜12cは、一端部がロッカシャフト14に回動自在に取り付けられ、それぞれ吸気カム11の低速、休止および高速カム11a〜11cに対応して配置されており、これらのカム11a〜11cがローラ15a〜15cを介して摺接している。低速ロッカアーム12aおよび休止ロッカアーム12bはそれぞれ、第1吸気弁IV1および第2吸気弁IV2の上端に当接している。また、ロッカシャフト14には、カムプロフィール切換機構13用の第1油路16a、および閉弁タイミング可変装置7用の第2油路16bの計2系統の油路が形成されている(図4参照)。
【0038】
カムプロフィール切換機構(以下「VTEC」という)13は、低速および休止ロッカアーム12a、12bと高速ロッカアーム12cとの連結・遮断を油圧により切り換えるための第1切換弁17と、この第1切換弁17への油圧の供給・停止を切り換える第1油圧切換機構18を備えている。
【0039】
図4に示すように、第1切換弁17は、ピストン弁で構成されており、低速、休止および高速ロッカアーム12a〜12cのローラ15a〜15cの部分に、互いに連続するように形成されたシリンダ19a〜19cと、これらのシリンダ19a〜19c内にそれぞれ摺動自在に設けられ、互いに軸線方向に当接するピストン20a〜20cを有している。ピストン20aの休止ロッカアーム12bと反対側には、油室21が形成され、ピストン20bとシリンダ19bとの間には、ピストン20bを低速ロッカアーム12a側に付勢するコイルばね22が配置されている。
【0040】
また、油室21は、低速ロッカアーム12aに形成された油路23、およびロッカシャフト14の第1油路16aを介して、第1油圧切換機構18に連通している。この第1油圧切換機構18は、電磁弁およびスプール(ともに図示せず)などで構成され、オイルポンプ(図示せず)に接続されていて、ECU2からの制御信号で駆動されることによって、第1油路16aなどを介した第1切換弁17への油圧の供給・停止を切り換える。
【0041】
以上の構成により、第1油圧切換機構18から第1切換弁17への油圧の供給が停止されている状態では、第1切換弁17のピストン20a〜20cは、コイルばね22の付勢力によって図4に示す位置に保持され、それぞれシリンダ19a〜19cにのみ係合しており、したがって、低速、休止および高速ロッカアーム12a〜12cは、互いに遮断され、独立して回動する。その結果、カムシャフト10の回転に伴い、低速ロッカアーム12aが低速カム11aで駆動されることで、第1吸気弁IV1は、低速カム11aのカムプロフィールに応じた低速バルブタイミング(以下「Lo.V/T」という)で開閉され、休止ロッカアーム12bが休止カム11bで駆動されることで、第2吸気弁IV2は、休止カム11bのカムプロフィールに応じた微小リフト量による休止バルブタイミング(以下「休止V/T」という)で開閉される。なお、この場合、高速ロッカアーム12cも高速カム11cで駆動されるが、低速および休止ロッカアーム12a、12bとの間が第1切換弁17によって機械的に遮断されているため、第1および第2吸気弁IV1、IV2の動作には影響を及ぼさない。以下、VTEC13によるこのような両吸気弁IV1、IV2の動作モードを、適宜「Lo.休止V/Tモード」という。このLo.休止V/Tモードでは、気筒4内に第1吸気弁IV1から第2吸気弁IV2に向かって流れるスワールが発生することで、リーンな混合気でも安定した燃焼状態が確保される。
【0042】
一方、図示しないが、第1油圧切換機構18から第1切換弁17の油室21へ油圧が供給されると、第1切換弁17のピストン20a〜20cが、コイルばね22側にその付勢力に抗してスライドすることで、ピストン20aがシリンダ19a、19cにまたがって係合すると同時に、中央のピストン20cがシリンダ19b、19cにまたがって係合する。これにより、低速および休止ロッカアーム12a、12bが高速ロッカアーム12cと連結され(図示せず)、一体に回動する。その結果、カムシャフト10の回転に伴い、低速および休止ロッカアーム12a、12bが、高速ロッカアーム12cを介して、カム山が最も高い高速カム11cで駆動されることで、第1および第2吸気弁IV1、IV2はいずれも、高速カム11cのカムプロフィールに応じた高速バルブタイミング(以下「Hi.V/T」という)で開閉される。以下、VTEC13によるこのような両吸気弁IV1、IV2の動作モードを、適宜「Hi.V/Tモード」という。このHi.V/Tモードでは、第1および第2吸気弁IV1、IV2がいずれも大きなリフト量で開閉され、吸入空気量が増大することで、より大きな出力が得られる。
【0043】
また、第1および第2排気弁EV1、EV2を駆動する排気側のカム式動弁機構6は、図1に示すように、排気カムシャフト24と、排気カムシャフト24に設けられた排気カム25a、25bと、排気ロッカアーム(図示せず)などで構成されている。両排気弁EV1、EV2は、排気カム25a、25bのカムプロフィールに応じたリフト量および開閉タイミングで開閉される。なお、この排気側のカム式動弁機構6にも、吸気側のカム式動弁機構5と同様、カムプロフィール可変機構を設けることによって、第1および第2排気弁EV1、EV2を、例えば低速バルブタイミングと高速バルブタイミングに切り換えるようにしてもよい。
【0044】
閉弁タイミング可変装置7は、低速ロッカアーム12aに隣接し、ロッカシャフト14に回動自在に取り付けられた、後述する電磁アクチュエータ29用のロッカアーム26(保持用ロッカアーム)を備えている。図4に示すように、このロッカアーム(以下「EMA用ロッカアーム」という)26は、低速および休止ロッカアーム12a、12bよりも長く、外方に突出している。閉弁タイミング可変装置7はさらに、EMA用ロッカアーム26と低速ロッカアーム12aとの連結・遮断を油圧により切り換える第2切換弁27(切換機構)と、この第2切換弁27への油圧の供給・停止を切り換える第2油圧切換機構28(切換機構)と、EMA用ロッカアーム26および低速ロッカアーム12aを介して、開弁した第1吸気弁IV1を係止し、保持するための電磁アクチュエータ29と、この電磁アクチュエータ29の作動に伴う第1吸気弁IV1への衝撃を緩和するための油圧緩衝機構30と、EMA用ロッカアーム26と低速ロッカアーム12aが遮断されたときに、電磁アクチュエータ29の後述する追従コイルばね41によってEMA用ロッカアーム26が下方に回動するのを防止するロストモーションスプリング26aなどで構成されている。
【0045】
図4に示すように、第2切換弁27は、VTEC13の第1切換弁17と同様のピストン弁で構成されており、低速およびEMA用ロッカアーム12a、26にそれぞれ摺動自在に設けられ、互いに軸線方向に当接するピストン31a、31bと、ピストン31aに形成された油室32と、ピストン31bとEMA用ロッカアーム26との間に配置され、ピストン31bを低速ロッカアーム12a側に付勢するコイルばね33を有している。油室32は、低速ロッカアーム12aに形成された油路34、およびロッカシャフト14の前記第2油路16bを介して、第2油圧切換機構28に連通している。この第2油圧切換機構28は、VTEC13の第1油圧切換機構18と同様、電磁弁およびスプール(ともに図示せず)などで構成され、オイルポンプ(図示せず)に接続されていて、ECU2からの制御信号で駆動されることによって、第2油路16bなどを介した第2切換弁27への油圧の供給・停止を切り換える。
【0046】
したがって、第2油圧切換機構28から第2切換弁27への油圧の供給が停止されている状態では、第2切換弁27のピストン31a、31bが、コイルばね33の付勢力によって図4に示す位置に保持され、それぞれ低速およびEMA用ロッカアーム12a、26にのみ係合していることで、両ロッカアーム12a、26は互いに遮断され、独立して回動する。一方、図示しないが、第2油圧切換機構28から第2切換弁27の油室32に油圧が供給されると、ピストン31a、31bがコイルばね33側にその付勢力に抗してスライドし、ピストン31bが低速およびEMA用ロッカアーム12a、26にまたがって係合することで、両ロッカアーム12a、26は互いに連結され、一体に回動する。
【0047】
図5に示すように、アクチュエータとしての電磁アクチュエータ(以下「EMA」という)29は、ケーシング35と、ケーシング35内の下部に収容されたヨーク36およびコイル37から成る電磁石38と、その上側に収容されたアーマチュア39と、アーマチュア39に一体に設けられ、電磁石38およびケーシング35を貫通して、EMA用ロッカアーム26の付近まで下方に延びるストッパロッド40(ストッパ)と、アーマチュア39をEMA用ロッカアーム26に追従するように下方に付勢する追従コイルばね41で構成されている。コイル37はECU2に接続されており、その通電はECU2によって制御される。
【0048】
なお、図3および図4に示すように、EMA29のストッパロッド40とEMA用ロッカアーム26との当接部29aは、低速ロッカアーム12aと第1吸気弁IV1との当接部12dよりも、ロッカシャフト14から遠い位置に配置されている。この構成により、第1吸気弁IV1を保持するのに必要なEMA29の保持力を小さくすることができ、それにより、EMA29の小型化および省エネルギー化を図ることができる。また、EMA用ロッカアーム26が低速ロッカアーム12aとは別体であることから、当接部12dを上記のように配置しても、低速ロッカアーム12aの大型化、およびそれによるEMA26の休止モード時における慣性質量の増大を回避できる。また、当接部29aを当接部12dよりもロッカシャフト14から遠い位置に配置するほど、EMA29の保持力を小さくすることができ、その結果、EMA29を小型化することができる。
【0049】
以上の構成によれば、通常のカムシャフト10による開閉弁動作の時には、低速およびEMA用ロッカアーム12a、26は第2切換弁27によって遮断されており、アーマチュア39およびストッパロッド40は、追従コイルばね41の付勢力によって、EMA用ロッカアーム26をバルブリフト(開弁)方向(図3の下方)に押すことになる。この場合、EMA用ロッカアーム26は、追従コイルばね41よりも強いばね力に設定されているロストモーションスプリング26aによって、カムシャフト10のベース円上(第1吸気弁IV1がリフトしない状態)に保たれ、低速ロッカアーム12aと連結可能な状態に維持される。その結果、カムシャフト10のベース円がストッパになり、EMA用ロッカアーム26のそれ以上の移動を制限することによって、EMA29や油圧緩衝機構30に必要以上の押圧力が働くことがなくなるので、EMA29や油圧緩衝機構30の耐久性を向上させることができる。
【0050】
一方、ECU2に設定されている運転条件が満たされると、その運転条件に最適な第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを得るために、第2油圧切換機構28によって第2切換弁27が作動することで、カムシャフト10のベース円上でEMA用ロッカアーム26が低速ロッカアーム12aに連結される。この状態で、吸気カム11による開閉弁動作が開始されると、第1吸気弁IV1のリフト方向においては、EMA用ロッカアーム26は、吸気カム11によりロストモーションスプリング26aの付勢力に抗して下方に駆動され、それに伴い、アーマチュア39およびストッパロッド40は、追従コイルばね41の付勢力によって、EMA用ロッカアーム26に追従してリフトする。また、これと並行して適切なタイミングでコイル37に通電され、ヨーク36が励磁される。そして、第1吸気弁IV1の最大リフト直前(例えば0.01〜0.85mm)に、アーマチュア39がヨーク36に着座し(図6のCRK1)、その後、EMA用ロッカアーム26がストッパロッド40から離れる。そして、第1吸気弁IV1が最大リフトを経て、EMA用ロッカアーム26がストッパロッド40に再び当接する(図6のCRK3)までの間に、ヨーク36の励磁状態が確立している(図6のCRK2)ことで、アーマチュア39は、第1吸気弁IV1のコイルばね3cに打ち勝つヨーク36による保持力によって、ヨーク36への着座状態を維持する。その結果、第1吸気弁IV1は、低速ロッカアーム12aおよびEMA用ロッカアーム26を介して、ストッパロッド40により係止され、その突出位置に応じた所定のリフト量(以下「保持リフト量」という)VLLで、開弁状態に保持される。
【0051】
また、その後、コイル37への通電を停止(OFF)し、ヨーク36を非励磁状態にすることで、EMA29による保持を解除すると、第1吸気弁IV1は、コイルばね3cの付勢力によって閉弁する。したがって、EMA29を作動させることによって、吸気カム11で駆動する場合よりも、第1吸気弁IV1を遅閉じさせることができるとともに、コイル37の通電OFFのタイミングを制御することによって、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを任意に制御することができる。
【0052】
油圧緩衝機構30は、EMA29による保持が解除された後に第1吸気弁IV1が閉弁する際の衝撃を緩和するためのものである。図3および図4に示すように、油圧緩衝機構30は、油室30bを形成したケーシング30aと、油室30b内に水平方向に摺動自在に設けられ、一端部がケーシング30aから突出するピストン30cと、油室30b内に設けられ、ピストン30cと反対側にポート30eを形成した弁室30dと、弁室30d内に収容され、ポート30eを開閉するボール30fと、このボール30fとピストン30cとの間に配置され、ピストン30cを外方に付勢するコイルばね30gで構成されている。ピストン30cは、EMA用ロッカアーム26のEMA29のストッパロッド40が当接する部分と反対側の上方に延びる部分に当接している。
【0053】
以上の構成により、この油圧緩衝機構30は、吸気弁IV1が閉弁しているときには、図3に示す状態にあり、すなわち、EMA用ロッカアーム26が同図の反時計方向に回動していることで、ピストン30cは左方に位置し、コイルばね30gは圧縮され、ボール30fはポート30eを閉鎖している。この状態から、吸気弁IV1が開弁方向に移動すると、それに伴い、EMA用ロッカアーム26が時計方向に回動することで、ピストン30cが右方にスライドし、それに応じて、ボール30fはポート30eを開放し、弁室30dの中にオイルが充填され、コイルばね30gは伸長する。そして、EMA29による保持が解除された後、第1吸気弁IV1が閉弁方向に移動する際に、反時計方向に回動するEMA用ロッカアーム26がコイルばね30gの付勢力および油圧で制動されることによって、第1吸気弁IV1への衝撃が緩和される。
【0054】
一方、クランクシャフトの周囲には、クランク角センサ42(運転状態検出手段)が設けられている。このクランク角センサ42は、クランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCYL信号、TDC信号およびCRK信号を、それぞれの所定クランク角度位置で発生し、ECU2に出力する。CYL信号は、特定の気筒4の所定クランク角度位置で発生される。TDC信号は、各気筒4のピストン(図示せず)が吸気行程開始時のTDC(上死点)付近の所定クランク角度位置にあることを表す信号であり、4気筒タイプの本例では、クランク角180゜ごとに1パルスが出力される。また、CRK信号は、TDC信号よりも短い所定のクランク角度の周期(例えば30゜ごと)で発生される。ECU2は、これらのCYL信号、TDC信号およびCRK信号に基づき、気筒4ごとのクランク角度位置を判別するとともに、CRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)Neを算出する。
【0055】
ECU2にはさらに、アクセル開度センサ43(運転状態検出手段)から、アクセルペダル(図示せず)の踏込み量であるアクセル開度ACCを表す検出信号が、リフト量センサ44から、第1吸気弁IV1のリフト量VLを表す検出信号が、それぞれ入力される。
【0056】
ここで、これまでに述べた動弁制御装置1の動作を、図6を参照しながらまとめて説明する。同図は、第1吸気弁IV1がLo.V/Tで、第2吸気弁IV2が休止V/Tでそれぞれ開閉される場合の例を示している。同図に示すように、第1および第2排気弁EV1、EV2はそれぞれ、排気カム25a、25bにより、それらのカムプロフィールに従って駆動されることによって、排気行程前のBDCの少し前のクランク角度位置で開弁し始め、吸気行程前のTDCの少し後で閉弁を終了する。第2吸気弁IV2は、休止カム11aにより、そのカムプロフィールに従って、吸気行程の終期に微小リフト量で開弁する。
【0057】
また、第1吸気弁IV1は、低速カム11aにより、そのカムプロフィールに従って駆動されることによって、吸気行程前のTDCの少し前で開弁し始めるとともに、EMA29が休止されている場合には、低速カム11aのカムプロフィールに従って、圧縮行程前のBDCの少し後で閉弁を終了する(以下「BDC閉じ」という)。一方、EMA29を作動させる場合には、第1吸気弁IV1のリフト量VLが前記保持リフト量VLLに達する以前のタイミングで、コイル37の通電が開始される。この通電開始タイミングは、EMA29の作動に必要な時間を確保できるよう、エンジン回転数Neが高いほど、より早いタイミングに設定され、例えば、最も遅いタイミングはアーマチュア39の着座タイミング(同図のCRK1)とほぼ同時に、最も早いタイミングはTDCよりも前のタイミング(同図のCRK0)に設定される。これにより、EMA29のアーマチュア39がヨーク36に着座した後の所定のタイミングで、ヨーク36の励磁状態が確立される(CRK2)。この間、第1吸気弁IV1のリフト量VLは、低速カム11aのカムプロフィールに従って推移し、最大リフト量を過ぎて保持リフト量VLLになったときに、EMA用ロッカアーム26がストッパロッド40に係止されることによって、保持リフト量VLLに保持される(CRK3)。
【0058】
その後は、コイル37への通電がOFFされるまで、第1吸気弁IV1のリフト量VLは保持リフト量VLLに保持され、低速カム11aは低速ロッカアーム12aから離れ、空転する。そして、コイル37への通電がOFFされ(例えばCRK4)、アーマチュア39に作用する磁力が小さくなり、第1吸気弁IV1は、EMA29による保持を解除され(CRK5)たことになり、コイルばね3cのばね力により、バルブリフト曲線VLDLY1に沿って、閉弁位置に向かって移動する。その後、閉弁位置の少し手前のクランク角度位置(CRK6)で、油圧緩衝機構30が作用し始めることで、第1吸気弁IV1は減速され、緩衝された状態で、最終的に閉弁位置に達する(CRK7)。
【0059】
なお、上記のバルブリフト曲線VLDLY1は、コイル37の通電が最も遅くOFFされた場合を表し、図6中のバルブリフト曲線VLDLY2は、コイル37の通電が最も早くOFFされた場合を表している。すなわち、両バルブリフト曲線VLDLY1、2で囲まれたハッチング領域が、閉弁タイミング可変装置7により遅閉じ制御可能な第1吸気弁IV1の遅閉じ領域を表す。したがって、コイル37の通電OFFのタイミングを制御することによって、第1吸気弁IVIの閉弁タイミングを、この遅閉じ領域内の任意のタイミングで制御することが可能である。
【0060】
ECU2は、本実施形態において、制御手段、運転状態検出手段および動作モード決定手段を構成するものであり、CPU、RAM、ROMおよび入出力インターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されている。前述したセンサ42〜44の検出信号はそれぞれ、入力インターフェースでA/D変換や整形がなされた後、CPUに入力される。CPUは、これらの入力信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに従って、エンジン3の運転状態を判別するとともに、その判別結果に応じて、閉弁タイミング可変装置7およびVTEC13の動作を、以下のように制御する。
【0061】
図7および図8は、この動弁制御処理のフローチャートを示す。この動弁制御処理は、ECU2により、TDC信号の発生ごとに実行される。この処理ではまず、ステップ61(「S61」と図示。以下同じ)において、EMA29にフェールが発生しているか否かを判別する。この判別は、例えば、リフト量センサ44で検出された第1吸気弁IV1のリフト量VLに基づいて行われる。より具体的には、EMA29が作動すべき場合において、リフト量VLが保持リフト量VLLに保持されないときには、EMA29が作動不能状態にあるとして、あるいはリフト量VLが保持リフト量VLLに所定時間以上、保持され続けている場合には、EMA29のストッパロッド40が退避位置に復帰不能な状態(休止不能状態)にあるとして、フェイルが発生したと判別する。
【0062】
このステップ61の答がNOで、EMA29にフェイルが発生していないときには、エンジン3が始動モード中であるか否かを判別する(ステップ62)。この判別は、例えばエンジン回転数Neに基づいて行われ、エンジン回転数Neが所定回転数(例えば500rpm)以下のときに、始動モード中と判別する。この答がYESで、エンジン3が始動モード中のときには、VTEC13による第1吸気弁IV1のバルブタイミングをLo.V/Tに設定し、第2吸気弁IV2のバルブタイミングを休止V/Tに設定する(ステップ63)とともに、EMA29を休止モードに指定する(ステップ64)。すなわち、エンジン3が始動中であるときには、EMA29が休止される。
【0063】
一方、前記ステップ62の答がNOで、エンジン3が始動モード中でないときには、エンジン3が運転領域Aにあるか否かを判別する(ステップ65)。図9は、エンジン3の運転領域を定めたマップの一例を示しており、運転領域Aは、エンジン回転数Neがその第1所定値N1(例えば800rpm)未満で且つアクセル開度ACCがその第1所定値AC1(例えば10%)未満のアイドル運転領域に、運転領域Bは、Ne値が第2所定値N2(例えば3500rpm)未満で且つACC値が第2所定値AC2(例えば80%)未満の、運転領域Aを除く低回転・低負荷領域に、運転領域Cは、Ne値が第2所定値N2未満で且つACC値が第2所定値AC2以上の低回転・高負荷領域に、運転領域Dは、Ne値が第2所定値N2以上の高回転領域に、それぞれ相当している。
【0064】
上記ステップ65の答がYESで、エンジン3が運転領域A(アイドル運転領域)にあるときには、始動中と同様、第1および第2吸気弁IV1、IV2を、Lo.V/T、休止V/Tにそれぞれ設定する(ステップ66)とともに、EMA29を休止モードに指定する(ステップ67)。
【0065】
ステップ65の答がNOのときには、エンジン3が運転領域Bにあるか否かを判別し(ステップ68)、その答がYESのときには、アイドル運転の場合と同様、第1および第2吸気弁IV1、IV2を、Lo.V/T、休止V/Tにそれぞれ設定する(ステップ69)一方、EMA29を作動モードに指定する(ステップ70)。すなわち、エンジン3が低回転・低負荷領域にあるときには、EMA29を作動させることによって、第1吸気弁IV1を遅閉じ制御する。これにより、低回転・低負荷領域において、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを遅らせることで、ポンピングロスを低減でき、燃費を向上させることができる。
【0066】
前記ステップ68の答がNOのときには、エンジン3が運転領域Cにあるか否かを判別し(ステップ71)、その答がYESのときには、第1および第2吸気弁IV1、IV2を、Lo.V/T、休止V/Tにそれぞれ設定する(ステップ72)一方、EMA29を休止モードに指定する(ステップ73)。すなわち、エンジン3が低回転・高負荷領域にあるときには、EMA29を休止させることによって、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを、低速カム11aによるBDC閉じとすることによって、実行程容積を増大させ、出力アップを図ることができる。
【0067】
前記ステップ71の答がNO、すなわちエンジン3が運転領域Dにあるときには、第1および第2吸気弁IV1、IV2をいずれもHi.V/Tに設定する(ステップ74)とともに、EMA29を休止モードに指定する(ステップ75)。すなわち、エンジン3が高回転領域にあるときには、第1および第2吸気弁IV1、IV2をHi.V/Tに設定することで、リフト量を大きくし、吸入空気量を増大させるとともに、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングをBDC閉じとすることで、実行程容積を増大させることによって、最大限の出力アップを図ることができる。
【0068】
一方、前記ステップ61の答がYES、すなわちEMA29にフェイルが発生しているときには、図8のステップ77に進み、エンジン3が運転領域Eにあるか否かを判別する。図10は、フェイル発生時の制御用のエンジン3の運転領域を定めたテーブルの一例を示しており、運転領域Eは、エンジン回転数Neがその第3所定値N3(例えば3500rpm)未満の低回転領域に、運転領域Fは、Ne値が第3所定値N3以上の高回転領域に、それぞれ相当する。
【0069】
ステップ77の答がYESで、エンジン3が運転領域E(低回転領域)にあるときには、第1および第2吸気弁IV1、IV2を、Lo.V/T、休止V/Tにそれぞれ設定する(ステップ78)とともに、EMA29を休止モードに指定する(ステップ79)。一方、ステップ77の答がNOで、エンジン3が運転領域F(高回転領域)にあるときには、第1および第2吸気弁IV1、IV2をいずれもHi.V/Tに設定する(ステップ80)とともに、EMA29を休止モードに指定する(ステップ81)。以上のように、EMA29にフェイルが発生しているときには、EMA29を休止することで、EMA29のフェイルによる第1および第2吸気弁IV1、IV2の動作への悪影響を排除できるとともに、これらのバルブタイミングを、VTEC13によりエンジン3の回転領域に応じて切り換えることで、第1および第2吸気弁IV1、IV2の駆動を、カム式動弁機構5によって支障なく行うことができる。
【0070】
図7に戻り、前記ステップ64、67、70、73、75、79または81に続くステップ76では、EMA29の制御処理(以下「EMA制御処理」という)を実行する。このEMA制御処理は、上記のステップ64で指定されたEMA29の動作モードに従って、EMA29の作動および休止を決定するとともに、作動させる場合には、4つの気筒4のそれぞれのEMA(EMA1〜EMA4)29のコイル37への通電を制御するものである。
【0071】
図11は、このEMA制御処理のサブルーチンを示している。この処理ではまず、EMA29の動作モードが作動モードに指定されているか否かを判別する(ステップ101)。この答がNOで、EMA29が休止モードに指定されているときには、EMA29のコイル37および第2油圧切換機構28に電流を供給する駆動回路の電源(ともに図示せず)をオフし(ステップ102)、本プログラムを終了する。これにより、EMA29が休止モードに指定されている場合には、コイル37への通電が停止されることで、EMA29が休止される。また、この場合において、EMA29自身にフェイルが発生しているために、コイル37への通電停止によってはEMA29を休止できない状態になっていたとしても、第2油圧切換機構28への電流供給を停止し、第2切換弁27の作動を停止するので、低速ロッカアーム12aはEMA用ロッカアーム26に対してフリーになる。その結果、EMA29は、第1吸気弁IV1とは無関係になり、これを係止不能な状態になるので、EMA29のフェイルによる第1吸気弁IV1の動作への悪影響を確実に回避しながら、第1吸気弁IV1をカム式動弁機構5で支障なく駆動することができる。
【0072】
一方、前記ステップ101の答がYESで、EMA29が作動モードに指定されているときには、前記駆動回路の電源をオンする(ステップ103)ことで、コイル37への通電を可能な状態にするとともに、第2油圧切換機構28を駆動することによって、第2切換弁27を作動させ、低速ロッカアーム12aとEMA用ロッカアーム26を連結する。
【0073】
次いで、EMA1の通電開始タイミングであるか否かを判別し(ステップ104)、その答がYESになったときに、EMA1への通電を開始する(ステップ105)。この通電開始タイミングは、エンジン回転数Neに応じて前述したように設定される。ステップ104の答がNOのときには、EMA1の通電終了タイミングであるか否かを判別し(ステップ106)、その答がYESになったときに、EMA1への通電を終了する(ステップ107)。この通電終了タイミングは、エンジン回転数Neおよびアクセル開度ACCに応じて、後述するように設定される。
【0074】
以下、同様にして、ステップ108〜111、ステップ112〜115およびステップ116〜119において、EMA2〜EMA4への通電の開始と終了をそれぞれ制御し、本プログラムを終了する。
【0075】
図12は、低回転状態(例えば1500rpm)における第1吸気弁IV1の閉弁タイミングの設定例を示している。同図に示すように、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングは、基本的に、アクセル開度ACCで表される負荷が小さいほど、遅くなるように設定され、例えば、アクセル開度ACCが20%付近ではBDC+130度程度の超遅閉じに設定されている。これにより、使用頻度が高い低回転・低負荷領域でのポンピングロスを可能な限り低減することで、燃費を最大限、向上させることができる。また、閉弁タイミングは、負荷が増加するにつれて、BDCに次第に近づくように設定され、それにより、出力アップを図ることができる。なお、極低負荷時に遅閉じ領域が狭められているのは、極低負荷状態にあることで燃焼変動が立ち上がってくるので、それに応じて閉弁タイミングを早めるためである。
【0076】
以上のように、本実施形態の動弁制御装置によれば、カム式動弁機構5によって第1および第2吸気弁IV1、IV2を駆動するとともに、必要に応じてEMA29を作動させ、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを任意に制御できるので、あらゆる運転状態に応じて、最適な燃費と出力を得ることができる。すなわち、前述したように、低回転・低負荷運転領域では、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングをエンジン3の運転状態に応じてきめ細かく遅閉じ制御することによって、ポンピングロスを最小限に低減でき、したがって、燃費を大幅に向上させることができる。また、高回転・高負荷運転領域では、EMA29を休止し、カム式動弁機構5のみで第1吸気弁IV1を駆動することによって、EMA29の追従性などに影響されることなく、高回転・高出力化を図ることができる。
【0077】
また、第1吸気弁IV1は、基本的にカム式動弁機構5で駆動され、EMA29は第1吸気弁IV1を1つの電磁石38で一方向に係止するだけでよいので、電磁石38は1つの気筒4に対して1個で足り、重量およびコストの削減を図ることができる。また、EMA29は、作動条件が成立したときのみ、作動するので、電磁石38が1個であることと相まって、電力消費量を低減でき、その分、燃費をさらに向上させることができる。
【0078】
さらに、第1吸気弁IV1をカム式動弁機構5のみで駆動できるので、EMA29に脱調現象などのフェイルが発生した場合でも、第1吸気弁IV1をカム式動弁機構5で支障なく駆動できる。また、EMA29がフェイルにより休止不能な状態になったとしても、第2油圧切換機構28への電流供給を停止することで、EMA29を強制的に第1吸気弁IV1を係止不能な状態にさせることができる。したがって、EMA29のフェイルによる第1吸気弁IV1の動作への悪影響を確実に回避でき、燃焼状態の悪化や、それによる排気ガス特性の悪化を防止できる。
【0079】
また、油圧の立ち上がりに時間がかかるエンジン3の始動時には、EMA29を休止し、第1吸気弁IV1をカム式動弁機構5のみで駆動するので、第1吸気弁IV1の安定した動作を確保できる。
【0080】
さらに、第1吸気弁IV1がEMA29による保持を解除された後に閉弁位置に戻る際に受ける衝撃を、油圧緩衝機構30によって緩和でき、それによる騒音を抑制することができる。この場合、作動油の粘性が大きく変化しやすく、緩衝性能を維持できないおそれがある極低油温状態や高油温状態において、EMA29を休止することによって、油圧緩衝機構30の緩衝性能を十分に確保することができる。
【0081】
図13および図14は、本発明の第2実施形態による動弁制御装置を示している。本実施形態は、前述した第1実施形態のEMA用ロッカアーム26を廃止し、EMA29を低速ロッカアーム12aに直接、作用させるようにしたものである。EMA用ロッカアーム26の廃止に伴い、これを低速ロッカアーム12aに連結するための第2切換弁27および第2油圧切換機構28も廃止され、また、ロッカシャフト14には、VTEC13用の第1油路16だけが形成されている。また、油圧緩衝機構30は、そのピストン30cが低速ロッカアーム12aに当接していて、低速ロッカアーム12aを介して第1吸気弁IV1を緩衝する。さらに、EMA29には、これを休止するための油圧休止機構45(切換機構)が取り付けられている。この油圧休止機構45は、ECU2により制御され、その作動時にEMA29のストッパロッド40を油圧でロックするように構成されている。他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0082】
したがって、本実施形態においても、VTEC13により、第1および第2吸気弁IV1、IV2の動作モードを、Lo.休止V/TモードとHi.V/Tモードに切換可能であるとともに、EMA29で低速ロッカアーム12aを直接、係止することによって、第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを任意に変更できる。したがって、第1実施形態による前述した効果を、同様に得ることができる。また、EMA29のフェイル発生時には、油圧休止機構45を作動させることで、EMA29を強制的に休止できるので、第1吸気弁IV1をカム式動弁機構5によって支障なく駆動することができる。本実施形態は特に、レイアウトなどの関係で、カム式動弁機構5にEMA用ロッカアームを付加できないような場合に、適用できるという利点がある。
【0083】
図15は、本発明の第3実施形態による動弁制御装置を示している。本実施形態は、第1実施形態と比較し、VTEC13の構成が異なっており、本実施形態のVTEC13は、第1切換弁17に加えて、低速および休止ロッカアーム12a、12b間の連結・遮断を切り換える第3切換弁46を有し、それにより、第1および第2吸気弁IV1、IV2を同時にLo.V/Tで開閉できるように構成されている。
【0084】
この第3切換弁46は、基本的に第1切換弁17と同じ構成を有し、すなわち、低速および休止ロッカアーム12a、12bに摺動自在に設けられたピストン47a、47bと、ピストン47bに形成された油室48と、ピストン47aを休止ロッカアーム12b側に付勢するコイルばね49を有している。油室48は、休止ロッカアーム12bに形成された油路50、およびロッカシャフト14に形態された第3油路16cを介して、第3油圧切換機構(図示せず)に連通していて、この第3油圧切換機構が、ECU2で制御されることによって、第3切換弁46への油圧の供給・停止が切り換えられる。
【0085】
以上の構成によれば、第3切換弁46に油圧が供給されていないときには、ピストン47a、47bが、コイルばね49の付勢力により、それぞれ低速および休止ロッカアーム12a、12bにのみ係合することで、両ロッカアーム12a、12bは、互いに遮断され、フリーな状態にある(図15の状態)。したがって、この状態では、第1切換弁17により、第1および第2吸気弁IV1、IV2の動作モードが、Lo.休止V/TモードとHi.V/Tモードに切換可能である。一方、第1切換弁17への油圧供給を停止し、第3切換弁46に油圧を供給したときには、ピストン47bが低速および休止ロッカアーム12a、12bにまたがって係合し、両ロッカアーム12a、12bが一体に連結されることで、第1および第2吸気弁IV1、IV2はいずれも、低速カム11aによりLo.V/Tで開閉される(以下「Lo.V/Tモード」という)。また、このLo.V/Tモードにおいて、第2切換弁27に油圧を供給し、EMA29を作動させることによって、第1および第2吸気弁IV1、IV2の閉弁タイミングを同時に制御することが可能である。
【0086】
以上のように、本実施形態では、第1および第2吸気弁IV1、IV2の動作モードを、Lo.休止V/Tモード、Hi.V/TモードおよびLo.V/Tモードの計3つのモードに切り換えることが可能であり、また、Lo.休止V/Tモードでは第1吸気弁IV1の閉弁タイミングを制御し、Lo.V/Tモードでは第1および第2吸気弁IV1、IV2の閉弁タイミングを同時に制御することが可能である。
【0087】
図16は、本実施形態におけるエンジン3の運転領域に対する第1および第2吸気弁IV1、IV2およびEMA29の動作設定の例をまとめたものであり、図17は、この運転領域のマップの例を示している。この運転領域マップでは、図9のマップの運転領域Dが細区分されていて、この運転領域Dのうちの、エンジン回転数Neが第4所定値N4(例えば4500rpm)未満で且つアクセル開度ACCが第2所定値AC2未満の領域が、運転領域D1(中回転・低負荷領域)に、Ne値が第4所定値N4未満で且つACC値が第2所定値AC2以上の領域が、運転領域D2(中回転・高負荷領域)に、Ne値が第4所定値N4以上の領域が運転領域D3に、それぞれ設定されている。
【0088】
そして、図16に示すように、運転領域D1では、第1および第2吸気弁IV1、IV2をいずれもLo.V/Tに設定するとともに、EMA29を作動させることで両吸気弁IV1、IV2を遅閉じ制御する。また、運転領域D2では、両吸気弁IV1、IV2をLo.V/Tに設定するとともに、EMA29を休止し、運転領域D3では、両吸気弁IV1、IV2をHi.V/Tに設定するとともに、EMA29を休止する。他の運転領域における動作設定は、第1実施形態と同様である。
【0089】
したがって、本実施形態では、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、運転領域D1、すなわち中回転・低負荷領域において、第1および第2吸気弁IV1、IV2を遅閉じするので、ポンピングロスの低減領域を拡大でき、したがって、燃費をさらに向上させることができる。
【0090】
図18は、動弁制御装置の変形例を示している。図15との比較から明らかなように、この変形例は、第3実施形態の動弁制御装置に対し、EMA用ロッカアーム26の構成を変更したものである。このEMA用ロッカアーム26は、低速ロッカアーム12aと反対側に屈曲するL字状に形成されるとともに、EMA29のストッパロッド40が当接するEMA用ロッカアーム26の当接部29bが、低速ロッカアーム12aの第1吸気弁IV1との当接部12dよりも、ロッカシャフト14から近い位置に配置されている。したがって、この変形例では、第1吸気弁IV1を保持するのに必要なアクチュエータのストローク量を小さくすることで、ストッパロッド40を短縮でき、その軸線方向において小型化できるとともに、当接部29bがロッカシャフト14から近い位置に配置されることで、ロッカシャフト14から低速ロッカアーム12aと第1吸気弁IV1との当接部12dまでの距離を短縮でき、その方向において小型化でき、したがって、いずれの方向においても動弁系を小型化することができる。また、EMA用ロッカアーム26が低速ロッカアーム12aとは別体であることから、当接部29bを上記のように配置しても、その付近に配置される第1油圧切換機構18などと干渉するのを回避でき、したがって、EMA29をストッパロッド40の作動方向にコンパクトに配置することができる。
【0091】
図19は、本発明の第4実施形態による動弁制御装置を示している。本実施形態は、第1〜第3実施形態と比較し、EVA29の構成が異なるものである。このEMA29は、上下一対の電磁石38a、38bを備えており、これらの電磁石38a、38b間に、ストッパロッド40と一体のアーマチュア39が配置されている。ストッパロッド40は、追従コイルばね41によって下方に付勢されるとともに、EMA用ロッカアーム26に一体に連結されている。また、図20に示すように、このEVA29のストロークは、第1吸気弁IV1のLo.V/T時の最大リフト量よりも大きく、かつHi.V/T時の最大リフト量よりも小さく設定されている。
【0092】
したがって、この構成によれば、EMA用ロッカアーム26を低速ロッカアーム12aに連結したEMA29の作動モード時には、上下の電磁石38への励磁タイミングを制御することによって、第1吸気弁IV1の開閉タイミングを制御することが可能である。具体的には、同図にハッチング領域として示すように、第1〜第3実施形態と同様に第1吸気弁IV1を遅閉じ制御できるだけでなく、第1吸気弁IV1の早開き制御を行うことができる。また、EVA29のストロークが、第1吸気弁IV1のLo.V/T時の最大リフト量よりも大きいことから、Lo.V/T時に第1吸気弁IV1を早開きし、その状態を継続することによって、EVA29によるバルブタイミングをLo.V/Tに優先して適用することも可能である。なお、EMA用ロッカアーム26を低速ロッカアーム12aに対して遮断したEMA29の休止モード時には、前述した実施形態と同様、低速ロッカアーム12aは、EMA用ロッカアーム26およびEMA29の慣性質量の影響を受けることなく、それらに対して完全にフリーな状態で回動する。
【0093】
図21は、本実施形態におけるエンジン3の運転領域に対する第1および第2吸気弁IV1、IV2およびEMA29の動作設定の一例を示したものであり、図22は、この運転領域のマップの例を示している。両図に示すように、この例では、エンジン回転数Neが第5所定値N5(例えば800rpm)未満で且つアクセル開度ACCが第3所定値AC3(例えば10%)未満の運転領域G(低回転・低負荷領域)では、第1吸気弁IV1をLo.V/Tに、第2吸気弁IV2を休止V/Tにそれぞれ設定するとともに、EMA29を休止する。また、Ne値が第5所定値N5以上・第6所定値N6(例えば3500rpm)未満で且つACC値が第4所定値AC4(例えば80%)未満の運転領域H(中回転・低負荷領域)では、第1および第2吸気弁IV1、IV2をLo.V/T、休止V/Tにそれぞれ設定するとともに、EMA29を作動させ、これを早開きおよび遅閉じ制御する。これにより、中回転・低負荷領域において、内部EGRを導入することによって、排気ガス特性を向上させることができる。
【0094】
さらに、Ne値が第5所定値N5以上・第6所定値N6未満で且つACC値が第4所定値AC4以上の運転領域I(中回転・高負荷領域)では、第1および第2吸気弁IV1をLo.V/T、休止V/Tにそれぞれ設定するとともに、EMA29を作動させ、これを早開き制御する。これにより、中回転・高負荷領域において、出力を向上させることができる。また、Ne値が第6所定値N6以上の運転領域J(高回転領域)では、第1および第2吸気弁IV1をいずれもHi.V/Tに設定するとともに、EMA29を休止する。なお、以上のような設定はあくまでも例示であり、運転領域、第1および第2の吸気弁IV1、IV2のバルブタイミング、およびEMA29の作動・休止のそれぞれの設定と組合わせは、適宜、変更することが可能である。
【0095】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態は、機関弁としての吸気弁に本発明を適用した例であるが、本発明は、これに限らず、排気弁に適用し、その閉弁タイミングを制御するようにしてもよい。それにより、オーバーラップ量を可変制御することによって、出力および排気ガス特性の向上などを図ることができる。また、実施形態では、吸気弁を開弁状態に保持するためのアクチュエータとして、電磁アクチュエータを用いているが、これに代えて、油圧式や空気式などの他のタイプのアクチュエータを採用することが可能である。
【0096】
さらに、実施形態では、EMA29などの動作モードを決定するためのエンジン3の運転領域を定めるパラメータの1つとして、アクセル開度ACCを採用しているが、これに代えて、エンジン3の負荷を表す吸気管内絶対圧、スロットル弁開度あるいは筒内圧や吸入空気量などを用いてもよい。また、実施形態では、EMA29を強制的に休止モードに切り換える切換機構を、油圧式のもので構成しているが、これに代えて、電気式などのものを採用してもよい。
【0097】
さらに、実施形態では、カム式動弁機構5にVTEC13を併用しているが、このVTEC13とともに、あるいはこれに代えて、カム位相を連続的に変更するカム位相可変機構を併用したカム式動弁機構に、本発明を適用することが可能である。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明の内燃機関の動弁制御装置は、カム式動弁機構によって機関弁を駆動するとともに、運転状態に応じて適宜、アクチュエータを作動させ、機関弁の閉弁タイミングを任意に制御し、最適に設定できる。また、アクチュエータの休止時には、アクチュエータがカム式動弁機構から遮断されるので、機関弁の慣性質量を増大させない状態で、これを開閉駆動でき、以上により、燃費の向上と高回転・高出力化の両立を図れるとともに、コストおよび重量を削減することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による内燃機関の動弁制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】吸気弁および排気弁の配置を示す図である。
【図3】吸気弁および動弁制御装置を示す側面図である。
【図4】図3の線IV−IVに沿う断面図である。
【図5】電磁アクチュエータの断面図である。
【図6】動弁制御装置による吸排気弁の動作例を示す図である。
【図7】図1のECUにより実行される動弁制御処理のフローチャートである。
【図8】図7の動弁制御処理の一部のフローチャートである。
【図9】図7の動弁制御処理で用いられる運転領域マップの一例である。
【図10】フェイル発生時に用いられる運転領域マップの一例である。
【図11】電磁アクチュエータの制御処理のフローチャートである。
【図12】低回転状態における第1吸気弁の閉弁タイミングの設定例を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態による内燃機関の動弁制御装置の側面図である。
【図14】図13の線XIV−XIVに沿う断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態による内燃機関の動弁制御装置の断面図である。
【図16】図15の動弁制御装置における第1および第2吸気弁および電磁アクチュエータの動作設定例を示すテーブルである。
【図17】図16の動作設定に用いられる運転領域マップの一例である。
【図18】動弁制御装置の変形例を示す断面図である。
【図19】本発明の第4実施形態による内燃機関の動弁制御装置の断面図である。
【図20】図19の動弁制御装置による吸排気弁の動作例を示す図である。
【図21】図19の動弁制御装置における第1および第2吸気弁および電磁アクチュエータの動作設定例を示すテーブルである。
【図22】図21の動作設定に用いられる運転領域マップの一例である。
【符号の説明】
1 動弁制御装置
2 ECU(制御手段、運転状態検出手段、動作モード決定手段)
3 内燃機関
5 カム式動弁機構
11 吸気カム(カム)
12a 低速ロッカアーム(駆動用ロッカアーム)
12b 休止ロッカアーム(駆動用ロッカアーム)
12c 高速ロッカアーム(駆動用ロッカアーム)
12d 低速ロッカアームと第1吸気弁との当接部
14 ロッカシャフト
17 第1切換弁(第1油圧切換機構)
18 第1油圧切換機構(第1油圧切換機構)
21 油室(油圧室)
26 EMA用ロッカアーム(保持用ロッカアーム)
27 第2切換弁(切換機構)
28 第2油圧切換機構(切換機構)
29 電磁アクチュエータ(アクチュエータ)
29a 電磁アクチュエータとEMAロッカアームとの当接部
29b 電磁アクチュエータとEMAロッカアームとの当接部
30 油圧緩衝機構
37 コイル
38 電磁石
39 アーマチュア
40 ストッパロッド(ストッパ)
42 クランク角センサ(運転状態検出手段)
43 アクセル開度センサ(運転状態検出手段)
45 油圧休止機構(切換機構)
IV1 第1吸気弁(機関弁)

Claims (10)

  1. 機関弁の開閉動作を制御する内燃機関の動弁制御装置であって、
    前記内燃機関の回転に同期して駆動されるカムによって前記機関弁を開閉駆動するカム式動弁機構と、
    開弁した前記機関弁を係止することによって、当該機関弁を開弁状態に保持するためのアクチュエータと、
    当該アクチュエータの動作を制御することによって、前記機関弁の閉弁タイミングを制御する制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記検出された内燃機関の運転状態に応じて、前記アクチュエータの動作を制御し、
    前記アクチュエータの動作モードを、当該アクチュエータにより前記機関弁を係止する作動モードと、前記機関弁を係止しない休止モードとに切り換える切換機構と、
    前記検出された内燃機関の運転状態に応じて、前記アクチュエータの動作モードを決定する動作モード決定手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、当該決定された動作モードに応じて、前記切換機構の動作を制御し、
    ロッカシャフトと、
    当該ロッカシャフトに回動自在に支持され、前記機関弁に当接し、前記カムで駆動されることによって前記機関弁を開閉駆動する駆動用ロッカアームと、
    前記機関弁を開弁状態に保持するために、前記ロッカシャフトに回動自在に支持され、前記アクチュエータが当接する保持用ロッカアームと、をさらに備え、
    前記切換機構は、前記駆動用ロッカアームおよび前記保持用ロッカアームを互いに連結する連結状態と、遮断する遮断状態とに切り換えることによって、前記アクチュエータの動作モードを前記作動モードと前記休止モードにそれぞれ切り換えることを特徴とする内燃機関の動弁制御装置。
  2. 前記駆動用ロッカアームは、複数の駆動用ロッカアームで構成され、
    前記複数の駆動用ロッカアームを互いに連結する連結状態と、遮断する遮断状態とに、油圧により切り換える第1油圧切換機構をさらに備え、
    前記切換機構は、第2油圧切換機構で構成され、
    前記複数の駆動用ロッカアームの1つには前記第1油圧切換機構用の油圧室が形成されており、
    前記保持用ロッカアームは、前記油圧室を形成した前記駆動用ロッカアームに隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の動弁制御装置。
  3. 前記アクチュエータと前記保持用ロッカアームとの当接部は、前記駆動用ロッカアームと前記機関弁との当接部よりも、前記ロッカシャフトから遠い位置に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の内燃機関の動弁制御装置。
  4. 前記アクチュエータと前記保持用ロッカアームとの当接部は、前記駆動用ロッカアームと前記機関弁との当接部よりも、前記ロッカシャフトから近い位置に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の内燃機関の動弁制御装置。
  5. 前記切換機構は、前記駆動用ロッカアームおよび前記保持用ロッカアームを、前記内燃機関が低回転状態のときに連結状態に切り換え、高回転状態のときに遮断状態に切り換えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の内燃機関の動弁制御装置。
  6. 吸気弁の開閉動作を制御する内燃機関の動弁制御装置であって、
    前記内燃機関の回転に同期して駆動されるカムによって前記吸気弁を開閉駆動するカム式動弁機構と、
    開弁した前記吸気弁を係止することによって、当該吸気弁を開弁状態に保持するためのアクチュエータと、
    当該アクチュエータの動作を制御することによって、前記吸気弁の閉弁タイミングを制御する制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記検出された内燃機関の運転状態に応じて、前記アクチュエータの動作を制御し、
    前記アクチュエータの動作モードを、当該アクチュエータにより前記吸気弁を係止する作動モードと、前記吸気弁を係止しない休止モードとに切り換える切換機構と、
    前記検出された内燃機関の運転状態に応じて、前記アクチュエータの動作モードを決定する動作モード決定手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、当該決定された動作モードに応じて、前記切換機構の動作を制御し、
    ロッカシャフトと、
    当該ロッカシャフトに回動自在に支持され、前記吸気弁に当接し、前記カムで駆動されることによって前記吸気弁を開閉駆動する駆動用ロッカアームと、
    前記吸気弁を開弁状態に保持するために、前記ロッカシャフトに回動自在に支持され、前記アクチュエータが当接する保持用ロッカアームと、をさらに備え、
    前記切換機構は、前記駆動用ロッカアームおよび前記保持用ロッカアームを互いに連結する連結状態と、遮断する遮断状態とに切り換えることによって、前記アクチュエータの動作モードを前記作動モードと前記休止モードにそれぞれ切り換えることを特徴とする内燃機関の動弁制御装置。
  7. 前記駆動用ロッカアームは、複数の駆動用ロッカアームで構成され、
    前記複数の駆動用ロッカアームを互いに連結する連結状態と、遮断する遮断状態とに、油圧により切り換える第1油圧切換機構をさらに備え、
    前記切換機構は、第2油圧切換機構で構成され、
    前記複数の駆動用ロッカアームの1つには前記第1油圧切換機構用の油圧室が形成されており、
    前記保持用ロッカアームは、前記油圧室を形成した前記駆動用ロッカアームに隣接して配置されていることを特徴とする、請求項に記載の内燃機関の動弁制御装置。
  8. 前記アクチュエータと前記保持用ロッカアームとの当接部は、前記駆動用ロッカアームと前記吸気弁との当接部よりも、前記ロッカシャフトから遠い位置に配置されていることを特徴とする、請求項またはに記載の内燃機関の動弁制御装置。
  9. 前記アクチュエータと前記保持用ロッカアームとの当接部は、前記駆動用ロッカアームと前記吸気弁との当接部よりも、前記ロッカシャフトから近い位置に配置されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の内燃機関の動弁制御装置。
  10. 前記切換機構は、前記駆動用ロッカアームおよび前記保持用ロッカアームを、前記内燃機関が低回転状態のときに連結状態に切り換え、高回転状態のときに遮断状態に切り換えることを特徴とする、請求項6ないし9のいずれかに記載の内燃機関の動弁制御装置。
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